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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172680
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】搬出装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/49 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
B65G47/49
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078743
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】中迫 文彦
【テーマコード(参考)】
3F015
【Fターム(参考)】
3F015AA07
3F015HA01
3F015JC02
3F015JC06
3F015JC18
(57)【要約】
【課題】装置自体をコンパクトに納めることができる搬出装置を提供する。
【解決手段】搬出装置1は、収容箱100を搬送する搬送部10と、収容箱100に付与された収容物情報を読み取る検出部12と、搬送部10によって搬送される収容箱100が保管される保管部30と、搬送部10と保管部30との間で収容箱100を移送する移送部20とを備える。保管部30は、収容箱100が仕分して載置される仕分領域(第1仕分領域30aないし第4仕分領域30d)を有する。移送部20は、搬送された収容箱100を、収容物情報に応じた仕分領域に移送し、所定数の収容箱100が仕分領域に載置されると、仕分領域から収容箱100を取り出して搬送部10に移送する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容物を収容した収容箱をまとめて搬出する搬出装置であって、
搬入部から荷受部へ前記収容箱を搬送する搬送部と、
前記収容箱に付与された収容物情報を読み取る検出部と、
前記搬送部によって搬送される前記収容箱が保管される保管部と、
前記搬送部と前記保管部との間で前記収容箱を移送する移送部とを備え、
前記保管部は、前記収容箱が仕分して載置される仕分領域を有し、
前記移送部は、前記搬入部から搬送された前記収容箱を、前記収容物情報に応じた前記仕分領域に移送し、所定数の前記収容箱が該仕分領域に載置されると、該仕分領域から前記収容箱を取り出して前記搬送部に移送し、
前記搬送部は、移送された前記収容箱を前記荷受部に向けて搬送すること
を特徴とする搬出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬出装置であって、
前記移送部は、中心軸を中心にして旋回する取出部材を有し、
前記保管部は、前記移送部を中心とした円周状に設けられていること
を特徴とする搬出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の搬出装置であって、
前記保管部は、高さ方向に並べて、複数の前記仕分領域が設けられていること
を特徴とする搬出装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の搬出装置であって、
前記仕分領域には、複数の前記収容箱が横に並べて載置され、
前記移送部は、前記仕分領域から複数の前記収容箱をまとめて移送すること
を特徴とする搬出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容物を収容した収容箱をまとめて搬出する搬出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農産物は、集出荷施設において、品目や等級など多様な基準に基づいて選別され、それぞれ箱に詰めて出荷されている。生産物を収容した箱は、品目や等級が異なるものが混在しているので、これらを選別し、選別済みの箱をまとめて搬出する出荷前処理方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-37423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の農産物の出荷前処理方法では、入荷ラインの上手ライン部において、ケースに収納されている農産物の選別を行い、選別済みのケースを中間ライン部において、同一品目、同一等級毎に仕分けて下手ライン部に移し、下手ライン部において、ケースを段積み手段により複数段に段積みしたのち、段積み物を次のラインに搬出している。
【0005】
上述した農産物の出荷前処理方法では、品目や等級に応じて仕分けるために、中間ライン部を複数並列に設けるなどしているので、設けた数に応じた大きな設置面積が必要となる。また、各ライン部以外にも段積み装置を必要とすることから、設置面積やコストが増加するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、装置自体をコンパクトに納めることができる搬出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る搬出装置は、収容物を収容した収容箱をまとめて搬出する搬出装置であって、搬入部から荷受部へ前記収容箱を搬送する搬送部と、前記収容箱に付与された収容物情報を読み取る検出部と、前記搬送部によって搬送される前記収容箱が保管される保管部と、前記搬送部と前記保管部との間で前記収容箱を移送する移送部とを備え、前記保管部は、前記収容箱が仕分して載置される仕分領域を有し、前記移送部は、前記搬入部から搬送された前記収容箱を、前記収容物情報に応じた前記仕分領域に移送し、所定数の前記収容箱が該仕分領域に載置されると、該仕分領域から前記収容箱を取り出して前記搬送部に移送し、前記搬送部は、移送された前記収容箱を前記荷受部に向けて搬送することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る搬出装置では、前記移送部は、中心軸を中心にして旋回する取出部材を有し、前記保管部は、前記移送部を中心とした円周状に設けられている構成としてもよい。
【0009】
本発明に係る搬出装置では、前記保管部は、高さ方向に並べて、複数の前記仕分領域が設けられている構成としてもよい。
【0010】
本発明に係る搬出装置では、前記仕分領域には、複数の前記収容箱が横に並べて載置され、前記移送部は、前記仕分領域から複数の前記収容箱をまとめて移送する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、仕分け作業と移送作業とをまとめて行うことができるため、搬出装置自体をコンパクトに納めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る搬出装置を示す概略上面図である。
図2】搬出装置の動作を示す模式側面図(その1)である。
図3】搬出装置の動作を示す模式側面図(その2)である。
図4】搬出装置の動作を示す模式側面図(その3)である。
図5】搬出装置の動作を示す模式側面図(その4)である。
図6】本発明の第2実施形態に係る搬出装置を示す模式側面図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る搬出装置を示す概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る搬出装置について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態に係る搬出装置を示す概略上面図である。
【0015】
本発明の第1実施形態に係る搬出装置1は、搬送部10、検出部12、保管部30、および移送部20を備え、収容物を収容した収容箱100をまとめて搬出する。収容物は、例えば、農産物などであって、品目や等級が定められている。収容箱100は、収容物の品目や等級を示す収容物情報が付与されている。収容物情報は、例えば、収容箱100の表面に記載されたバーコードや文字列や図形などとされており、検出部12によって読み取られる。なお、収容物情報は、これに限定されず、収容箱100の内部に収容されたICタグなどであってもよいし、収容箱100自体の形状やサイズなどを異ならせて、品目や等級を判別できるようにしてもよい。以下では説明のため、収容物情報に基づいて、同じ品目や等級である収容物を収容した収容箱100を、同種の収容箱100と呼ぶことがある。
【0016】
搬送部10は、例えば、ベルトコンベアなどであって、搬入部13(図1では、搬送部10の上端部)から荷受部14(図1では、搬送部10の下端部)へ向かう搬送方向Hに沿って収容箱100を搬送する。駆動源11は、接続された搬送部10を駆動させており、適宜停止させることもできる。搬送部10では、搬送方向Hに沿った順で、検出位置10aと移送位置10bとが設定されている。検出部12は、検出位置10aに応じた位置に設けられ、検出位置10aに到達した収容箱100の収容物情報を読み取る。移送位置10bでは、移送部20によって、搬送部10と保管部30との間における収容箱100の移送作業が行われる。搬送部10については、駆動源11によって収容箱100の搬送を停止する構成に限定されず、検出位置10aや移送位置10bにおいて、収容箱100を停止させる停止手段を設けてもよい。停止手段として、例えば、搬送される収容箱100を遮る遮断棒などを設ければよく、停止手段によって収容箱100を停止させるので、搬送部10を駆動させたままにすることができる。
【0017】
移送部20は、搬送部10(特に、移送位置10b)の近傍に設けられた取出部材25を有する取り出しアームとされ、旋回基部21、可動腕部22、および箱把持部23を有している。旋回基部21は、土台に対して中心軸24を介して接続されており、中心軸24を中心にして旋回方向Rに旋回する。可動腕部22は、旋回基部21から延びており、保管部30の外縁に届く程度の長さとされている。可動腕部22は、複数に分割されており、分割された各部をそれぞれ動かすことで、先端の高さや旋回基部21からの長さを変えることができる。箱把持部23は、可動腕部22の先端に設けられており、収容箱100を掴む。箱把持部23が収容箱100を掴んだ状態で、旋回基部21および可動腕部22を動かすと、移送部20は、可動範囲内において、所望の位置に収容箱100を移送することができる。
【0018】
保管部30は、移送部20を中心とした円周状に設けられており、収容箱100が仕分して載置される複数の仕分領域SR(第1仕分領域30aないし第4仕分領域30d)を有している。なお、図1では省略しているが、仕分領域を設ける数は特に限定されず、重複しないように保管部30内に配置されていればよい。このように、移送部20の可動範囲に合わせて保管部30が設けられているため、限られた空間を効率よく利用し、搬出装置1自体をコンパクトに納めることができる。
【0019】
次に、搬出装置1の動作について、図2ないし図5を参照して説明する。
【0020】
図2は、搬出装置の動作を示す模式側面図(その1)である。
【0021】
図2は、図1に示す搬出装置1を側面から見た状態を模式的に示している。なお、図2では、図面の見易さを考慮して、複数の仕分領域SRのうち、第1仕分領域30aないし第3仕分領域30cだけを示し、他の仕分領域SRを省略している。図2に示す状態において、保管部30では、第1仕分領域30aおよび第3仕分領域30cにそれぞれ1つずつの収容箱100が載置されている。または、搬送部10では、検出位置10aで収容物情報を読み取られた収容箱100が、移送位置10bに到達している。移送部20は、収容物情報に基づいて、移送位置10bに位置している収容箱100を掴むように動く。本実施の形態において、箱把持部23は、収容箱100において対向する両側面を挟持する構造とされている。
【0022】
図3は、搬出装置の動作を示す模式側面図(その2)である。
【0023】
図3は、図2に対し、搬送部10から保管部30へ収容箱100を移送した状態を示している。移送部20は、収容物情報に基づいて収容箱100を載置する位置を決定しており、図3に示す状態では、第2仕分領域30bに収容箱100を移送している。
【0024】
搬送部10は、移送位置10bから収容箱100を移送されると、上流側(検出位置10a)から移送位置10bへ収容箱100を順次搬送し、図2と略同様の状態に戻る。このように、図2に示す状態と、図3に示す状態とを繰り返すことで、保管部30には、同種の収容箱100が対応する仕分領域SRに蓄積されていく。
【0025】
図4は、搬出装置の動作を示す模式側面図(その3)である。
【0026】
図4では、保管部30への位相を繰り返した結果、第1仕分領域30aに1つの収容箱100が載置され、第2仕分領域30bに2つの収容箱100が載置され、第3仕分領域30cに1つの収容箱100が載置されている。搬送部10では、第2仕分領域30bに対応した収容箱100が移送位置10bに位置している。つまり、搬送部10(移送位置10b)と保管部30(第2仕分領域30b)とを併せると、第2仕分領域30bに対応した収容箱100が3つになっている。本実施の形態では、品目や等級毎に3つの収容箱100をまとめて搬出するように設定されている。このように、所定数の収容箱100が仕分領域SRに載置された際、移送部20は、保管部30から搬送部10へ収容箱100を移送する。図4に示す状態において、移送部20は、第2仕分領域30bに載置されている収容箱100を掴むように動く。
【0027】
図5は、搬出装置の動作を示す模式側面図(その4)である。
【0028】
図5は、図4に対し、保管部30から搬送部10へ収容箱100を移送した状態を示している。具体的に、移送部20は、第2仕分領域30bに載置された2つの収容箱100を、移送位置10bに位置している収容箱100の上に積載する。それによって、移送位置10bには、3つの収容箱100が積載され、搬送部10は、荷受部に向けてまとめて搬送する。このように、搬出装置1は、仕分け作業と移送作業とをまとめて行うことができるため、装置自体をコンパクトに納めることができる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る搬出装置について、図面を参照して説明する。なお、第2実施形態に係る搬出装置の構造については、第1実施形態と略同様であるので、同様の符号を付して説明および図面を省略する。
【0030】
図6は、本発明の第2実施形態に係る搬出装置を示す模式側面図である。
【0031】
第2実施形態では、第1実施形態に対し、保管部30が立体的に構築されている点が異なる。具体的に、保管部30は、高さ方向に並べて、複数の仕分領域SR(第1仕分領域30aないし第3仕分領域30c)が設けられている。つまり、保管部30は、縦に並べて複数段の仕分領域SRを有する棚とされている。なお、図6では省略されているが、複数の仕分領域SRが横に並べて設けられていてもよく、縦横に並んだ複数の仕分領域SRを有する棚を保管部30としてもよい。このように、高さ方向に複数段の仕分領域SRを設け、立体的な配置とすることで、限られた空間を効率よく利用することができる。また、第2実施形態において、箱把持部23は、収容箱100において対向する上下面を挟持する構造とされている。
【0032】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る搬出装置について、図面を参照して説明する。なお、第3実施形態に係る搬出装置の構造については、第1実施形態および第2実施形態と略同様であるので、同様の符号を付して説明および図面を省略する。
【0033】
図7は、本発明の第3実施形態に係る搬出装置を示す概略上面図である。
【0034】
第3実施形態は、第1実施形態に対し、仕分領域SRにおいて、複数の収容箱100が横に並べて載置される点が異なる。具体的に、保管部30では、2つの収容箱100を横に並べたサイズの第1仕分領域30aないし第4仕分領域30dが設けられている。また、第3実施形態において、移送部20は、2つの収容箱100を挟持するように、2つの箱把持部23が設けられている。なお、移送部20の構造はこれに限定されず、2つの収容箱100をまとめて挟持するように、箱把持部23が設けられていればよい。
【0035】
また、搬送部10では、搬送方向Hに沿った順で、検出位置10a、待機位置10c、および移送位置10bが設定されている。本実施の形態において、移送部20は、待機位置10cに位置している収容箱100を保管部30に移送し、保管部30から移送した収容箱100を移送位置10bに載置する。つまり、移送部20によって1つの収容箱100が仕分領域SRに載置され、仕分領域SRに2つの収容箱100が溜まった状態で、同種の収容箱100が待機位置10cに到達すると、移送部20は、保管部30から2つの収容箱100をまとめて移送位置10bに載置する。その後、待機位置10cに位置する1つの収容箱100と、移送位置10bに位置する2つの収容箱100とをまとめて、同種の3つの収容箱100が荷受部に向けて搬送される。本実施形態では、収容箱100の上に収容箱100を積載しないので、積載が好まれない収容箱100に対応しつつ、効率よく移送作業を行うことができる。
【0036】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 搬出装置
10 搬送部
12 検出部
13 搬入部
14 荷受部
20 移送部
24 中心軸
25 取出部材
30 保管部
H 搬送方向
R 旋回方向
SR 仕分領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7