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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172699
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】表示装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0487 20130101AFI20221110BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20221110BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20221110BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221110BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20221110BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20221110BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G06F3/0487
G06F3/041 560
G06F3/041 580
G06F3/0346 421
H04N1/00 350
B41J29/46 Z
B41J29/00 T
G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078777
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】小川 智弘
(72)【発明者】
【氏名】岡林 良典
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5B087
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061CQ05
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HV01
2C061HV32
2H270QA13
2H270QA19
2H270QA36
2H270QA44
5B087AA07
5B087AB12
5B087AC02
5B087AE01
5B087BC01
5B087BC32
5B087DD01
5B087DD05
5B087DE03
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB18
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB26
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AE15
5C062AF15
5C062BA06
5E555AA08
5E555AA74
5E555AA76
5E555BA27
5E555BB27
5E555BC01
5E555CA12
5E555CA42
5E555CB23
5E555CB33
5E555CB61
5E555DA22
5E555DA32
5E555DB41
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA07
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザーが非接触パネル操作時に非接触パネルに対する距離感を的確に把握できる表示装置、及びその表示装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、非接触操作検出部32と、表示部31と、離間距離算出部12と、スピーカ7と、報音制御部14と、を備える。非接触操作検出部32は、表示部31上の空間において表示部31の表示面上の位置を指示する指示体の先端の位置情報を取得する。この位置情報に基づいて、離間距離算出部12は、指示体の先端と表示部31の上面との間の離間距離を算出する。報音制御部14は、離間距離算出部12の算出した離間距離が、予め定められた適正距離範囲内であるとき、離間距離が適正であることを示す報知音をスピーカー7に出力させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
前記表示部上の空間において当該表示部の表示面上の位置を指示する指示体の先端の位置情報を取得する非接触操作検出部と、
前記非接触操作検出部によって取得された前記指示体の先端の位置情報に基づいて、当該先端と前記表示部上面の間の離間距離を算出する離間距離算出部と、
音を出力するスピーカーと、
前記スピーカーによる報音を制御する報音制御部と、を備え、
前記報音制御部は、前記離間距離算出部によって算出された離間距離が予め定められた適正距離範囲であるとき、前記離間距離が適正であることを示す報知音を前記スピーカーに出力させる表示装置。
【請求項2】
前記離間距離が前記適正距離範囲内であるとき、前記離間距離が適正であることを示す表示を前記表示部に行わせる表示制御部を更に備えた請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記離間距離が前記適正距離範囲を下回る予め定められた第一の値以下になった回数が予め定められた回数に達したとき、前記報音制御部は前記離間距離が適正でないことを示す警告音を前記スピーカーに出力させる請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記離間距離が前記第一の値よりも短い第二の値以下になったとき、前記報音制御部は前記警告音を、前記適正でない場合に出力する警告音から予め定められた音量分大きくして前記スピーカーに出力させる請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記報音制御部が前記警告音を前記スピーカーに出力させる時、前記表示制御部は、前記指示体の先端位置が前記表示部に近いことを示す表示を前記表示部に対して行わせる請求項3又は請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部が予め定められたサイズ以下のボタン又はスイッチの表示時に前記離間距離が前記第一の値以下になったとき、前記報音制御部は前記警告音を前記スピーカーに出力させず、前記離間距離が前記第二の値以下になったときのみ前記報音制御部は前記警告音を、前記適正でない場合に出力する警告音から予め定められた音量分大きくして前記スピーカーに出力させる請求項3乃至請求項5の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記非接触操作検出部は、前記指示体の種別を判別するための情報を更に取得するものであり、
前記非接触操作検出部が取得した情報に基づいて、前記指示体の種別を判断する指示体判断部を更に備え、
前記指示体判断部が、前記指示体が指以外のものであると判断した場合、前記報音制御部は前記警告音を前記スピーカーに出力させない請求項3乃至請求項6の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
用紙に画像を印刷する画像形成部と、
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の表示装置と、
を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触操作を受け付ける表示装置、及びその表示装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画面をタッチすることで入力操作が可能なタッチパネルは広く利用されており、画像形成装置にはタッチパネルを操作パネルとして多く搭載されている。
【0003】
このようなタッチパネルの他に、非接触操作(空中入力操作、タッチレス操作、ホバー操作)を受け付ける非接触パネルも提案されている。非接触パネルは、人の接触による細菌やウイルスの感染拡大を防ぐために、券売機やATM等の不特定多数のユーザーが使用する機器、医療機器等に有効活用されている。
【0004】
非接触操作では、ユーザーの指やタッチペン等の先端がタッチパネル上の空間のどの位置にあるかを把握する必要がある。特許文献1には、ブラウン管と人体の間の距離を超音波を用いて算出し、その距離が近すぎるときは映像信号を遮断する技術が記載されている。
【0005】
特許文献2には、ユーザーの頭部と電子画面の間の距離を距離センサーを用いて測定し、近すぎるときはユーザーに通知する技術が記載されている。
【0006】
特許文献3には、撮像部が撮影した画像を用いて視聴者と表示装置の間の距離を算出し、視聴者が子供であって距離が近すぎる場合は通知を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7-303196号公報
【特許文献2】特表2019-523514号公報
【特許文献3】特開2014-078956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1から特許文献3に記載の技術は、ユーザーが表示装置に近すぎることによる視力の低下を防ぐことを目的としたものである。
【0009】
本発明は、ユーザーが非接触パネル操作時に非接触パネルに対する距離感を的確に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における表示装置は、画像を表示する表示部と、前記表示部上の空間において当該表示部の表示面上の位置を指示する指示体の先端の位置情報を取得する非接触操作検出部と、前記非接触操作検出部によって取得された前記指示体の先端の位置情報に基づいて、当該先端と前記表示部上面の間の離間距離を算出する離間距離算出部と、音を出力するスピーカーと、前記スピーカーによる報音を制御する報音制御部と、を備え、前記報音制御部は、前記離間距離算出部によって算出された離間距離が予め定められた適正距離範囲であるとき、前記離間距離が適正であることを示す報知音を前記スピーカーに出力させる。
【0011】
また、本発明における画像形成装置は、上記表示装置と、用紙に画像を印刷する画像形成部と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザーが非接触パネル操作時に非接触パネルに対する距離感を的確に把握可能となり、非接触操作時の操作位置が適正であることを知ることができる。これにより、表示部の画面から近い位置での操作をなくすことができ、表示部の画面への接触を防ぐことができる。従って、表示部の画面を介した細菌やウイルスの感染拡大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】画像形成装置を示す斜視図である。
図2】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】非接触パネルの操作について説明するための図である。
図4】表示部とユーザーの指との位置関係を示した図である。
図5】表示部の表示例を示した図である。
図6A】表示部の表示例を示した図である。
図6B】表示部の表示例を示した図である。
図7】表示部の表示例を示した図である。
図8】表示部上の所定空間に侵入した物体の断面積の一例を示した図である。
図9】表示部上の所定空間に侵入した物体の断面積の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態にかかる表示装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態における画像形成装置100を示す斜視図である。図2は、画像形成装置100の内部構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置100は、例えば、コピー機、プリンター及びファクシミリ等の用紙に画像を印刷するものである。または、スキャナー機能、コピー機能、プリンター機能及びファクシミリ機能等の複数の機能を備えた複合機であってもよい。この画像形成装置100は、操作部2、非接触パネル3、画像読取部5、画像形成部6、給紙トレイ17及び排出トレイ18等から概略構成される。
【0015】
画像形成装置100がスキャン動作を行う場合、後述する制御ユニット1の制御部11による制御のもと、画像読取部5が原稿載置台91に載置された原稿を読み取り、原稿画像を取得する。
【0016】
画像形成装置100が印刷動作を行う場合は、画像読取部5が取得した原稿画像に基づいて、画像形成部6が給紙トレイ17から給紙される用紙に画像を印刷する。印刷された用紙は、排出トレイ18に排出される。
【0017】
また、装置本体の前面には、操作部2及び非接触パネル3が配置されている。操作部2は、例えば、メニューを呼び出すメニューキー、各種動作や設定の確定操作を行う決定キー、スタートキー等のハードキーを備えている。
【0018】
非接触パネル3は、表示部31と非接触操作検出部32を有する。図3は、非接触パネル3の操作について簡単に説明するための図である。非接触パネル3は、表示部31上の空間において表示部31の表示面上の位置を指示する指示体(ユーザーの指Fまたはタッチペン等のポインティングデバイス)の先端位置の位置情報を取得する。そして後述する制御部11がその位置情報に基づいて表示部31に表示されたボタンBやスイッチ等に対する入力操作を受け付ける。これにより、ユーザーは表示部31に触れることなく入力操作を行うことができる。このような非接触パネル3は、不特定多数の人が触れることによる細菌やウイルスの感染拡大を防ぐために、公共施設の機器、医療機器等において広く利用されている。
【0019】
図2に戻る。表示部31は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ等で構成される。なお、表示部31には、ユーザーが触れることで入力操作を受け付けるタッチパネルが一体的に配設されていてもよい。
【0020】
非接触操作検出部32は、表示部31上の空間において表示部31の表示面上の位置を指示する指示体の先端位置の位置情報と、指示体の種別の判別結果を示す情報とを取得し、その情報を制御ユニット1へ出力する既存のセンサーである。
【0021】
非接触操作検出部32による指示体の先端位置を把握する技術としては、赤外線やレーザー光等を指示体に照射してその反射光の位置を計測することで指示体の先端位置を把握する方法、カメラ等の撮像手段が撮影した画像から指示体の先端位置を把握する方法、表示部31上の静電容量変化を検出することで指示体の先端位置を把握する方法等、様々な既存技術を用いて実現可能である。
【0022】
また、非接触操作検出部32による指示体の種別を判断する方法としては、赤外線やレーザー光を用いて表示部31上の所定空間(表示部31の画面から予め定められた距離までの当該画面手前の領域。以下同様)に侵入した指示体の断面の情報を取得してその断面情報に基づいて指示体の種別を判断する方法、撮像手段が撮影した画像を分析して指示体の種別を判断する方法等、様々な既存技術を用いて実現可能である。
【0023】
制御ユニット1は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成される。プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、MPU、又はASIC等である。この制御ユニット1は、プロセッサーがROM等に記憶された制御プログラムを実行することにより、制御部11、離間距離算出部12、表示制御部13、報音制御部14及び指示体判断部15として機能する。なお、制御ユニット1の上記各部は、制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0024】
制御部11は、画像形成装置100の全体的な動作制御を司る。離間距離算出部12は、非接触操作検出部32から出力された情報に基づいて、表示部31上面と指示体の先端との間の距離(離間距離)を算出する。表示制御部13は、表示部31に対する表示制御を行う。報音制御部14は、スピーカー7に対する報音制御を行う。指示体判断部15は、非接触操作検出部32が取得した情報に基づいて、指示体の種別を判断する。具体的には、指示体判断部15は、指示体がユーザーの指か、または指以外のもの(ポインティングデバイス等)を判断する。
【0025】
スピーカー7は、報音制御部14による制御のもと、後述する報音パターン記憶部81が記憶する音を出力する。
【0026】
記憶部8は、画像データ、各種のプログラム、データテーブルなどを記憶するSSD、HDDからなる大容量の記憶装置であり、報音パターン記憶部81を有する。
【0027】
報音パターン記憶部81は、スピーカー7が出力する種々の音源データを記憶するものであり、非接触操作の位置が適正であることを知らせる報知音と、非接触操作の位置が表示部31に近いことを知らせる警告音の、少なくとも二種類の音を示す音源データを記憶する。
【0028】
非接触操作の位置が適正であることを知らせる報知音は、「ピンポン」等のユーザーの行為を妨げない種類の音であることが望ましい。これに対し、非接触操作の位置が表示部31に近すぎることを知らせる警告音は、「ビー」等のユーザーに対して注意を促すための音であることが望ましい。
【0029】
ユーザーが非接触パネル3を操作する際、非接触操作を行う位置が重要となってくる。ユーザーの非接触操作位置と非接触パネル3の間の距離(離間距離)が適正、すなわちある程度離れていれば、問題はないが、離れているものの非接触パネル3の直近まで接近しているとユーザーが誤って非接触パネル3に触れてしまう可能性が高くなる。この場合、感染予防対策を十分に行うことができない。
【0030】
そこで、非接触パネル3に対する近接判定を行って、ユーザーに対して適正位置での非接触操作を促す方法(近接判定処理)として(1)~(5)について説明する。
【0031】
(1)非接触操作の位置が適正であることを報知する
ユーザーが表示部31上の所定空間で非接触操作を行うと、非接触操作検出部32が指示体の先端位置の情報を取得し、取得した情報を離間距離算出部12へ出力する。この情報に基づいて、離間距離算出部12は表示部31の上面と指示体の先端の離間距離を算出する。
【0032】
そして制御部11は離間距離が予め定められた適正距離範囲(例えば6cm~7cm)内であるか否かを判断する。適正距離範囲内であるときは、報音制御部14は報音パターン記憶部81から報知音(非接触操作の位置が適正であることを知らせる音)の音源データを読み出して、スピーカー7に出力させる。
【0033】
図4は、表示部31と指示体であるユーザーの指との位置関係を示した図であり、指がF1の位置にあるとする。このときの離間距離は6cmであって適正距離範囲内であるため、スピーカー7から報知音が発せられる。この放置音により、ユーザーは自身の操作位置が適正であることを簡単に知ることができる。
【0034】
更に、表示制御部13は、上記のように指がF1の位置にあるとき、表示部31に対して操作位置が適正であることを示すメッセージを表示させる。図5は、表示部31の表示の一例を示した図である。表示制御部13は、例えばメッセージ51を表示部31に表示させる。これにより、ユーザーは自身の操作位置が適正であることを簡単に知ることができる。
【0035】
また、図5に示すように、ユーザーが空中操作でボタンBを押下する際は、指示体でボタンBを予め定められた時間(例えば2秒間)指し示す。そして、非接触操作検出部32が指示体の位置情報を取得し、その情報を制御ユニット1へ出力すると、制御部11が当該指示体の指し示す表示部31上の座標位置を算出する。その座標位置がボタンやスイッチの表示位置に該当する場合、表示制御部13は表示部31に対してその座標位置に矢印52を表示させる。
【0036】
指示体が同位置でボタンBを指し示している間、表示制御部13は矢印52を2秒かけて一周するように円を描く画像を表示させる。矢印52が一周すると(2秒経過後)制御部11は、ボタンBへの非接触での押下入力を受け付ける。すなわち、制御部11は、ボタンBに対応付けられた指示の入力を受け付ける(各ボタンに対して同様)。
【0037】
このように、ユーザーが指し示しているボタンやスイッチの上で矢印が一周する画像が表示されることによって、ユーザーは自身が指し示したボタンが正しく選択されており、更に押下されたことを容易に認識することができる。
【0038】
(2)非接触操作の位置が近いことを報知する
非接触操作検出部32が指示体の位置情報を取得し、離間距離算出部12が算出した離間距離が、適正距離範囲を下回る予め定められた第一の値(例えば3cm)以下になった回数を制御部11がカウントする。離間距離が第一の値以下になった回数が予め定められた期間内に予め定められた回数(例えば5回)に達したとき、報音制御部14は報音パターン記憶部81から警告音の音源データを読み出して、スピーカー7に出力させる。このとき、報音制御部14は、画像形成装置100に設定されている操作音量に応じた音量でスピーカー7に警告音を出力させる。
【0039】
図4に示すように、指がF2の位置にあるとする。このときの離間距離は2cmであって、この離間距離であったタイミングが予め定められた期間内に予め定められた回数に達すると、報音制御部14はスピーカー7に警告音を出力させる。スピーカー7から警告音が出力されることで、ユーザーは自身の操作位置が近いことを簡単に知ることができる。
【0040】
更に、表示制御部13は、表示部31に対して操作位置が近いことを示すメッセージを表示させる。図6Aは、表示部31の表示の一例を示した図である。表示制御部13は、例えばメッセージ53を表示部31に表示させる。これにより、ユーザーは自身の操作位置が非接触パネル3から近いことを簡単に知ることができ、誤って表示部31に触れてしまうことを防ぐことができる。
【0041】
(3)非接触操作の位置が非常に近いことを報知する
非接触操作検出部32が指示体の位置情報を取得して報音制御部14に出力し、報音制御部14が、この位置情報に基づいて、離間距離が第一の値より小さい第二の値(例えば1cm)以下になったと判断したとき、報音制御部14は、報音パターン記憶部81から警告音の音源データを読み出して、スピーカー7に出力させる。このとき、報音制御部14は、上記(2)の場合に出力する警告音から予め定められた音量分大きくしてスピーカー7により警告音を出力させる。
【0042】
図4に示すように、指がF3の位置にあるとする。このときの離間距離は1cmであるため、報音制御部14はスピーカー7に警告音を、上記(2)の場合に出力する警告音から予め定められた音量分大きくして出力させる。スピーカー7からこのような大音量の警告音が出力されることで、ユーザーは自身の操作位置が近すぎることを簡単に知ることができる。
【0043】
更に、表示制御部13は、図6Bに示すように、表示部31に対して操作位置が近すぎることを示すメッセージ53を表示させる。これにより、ユーザーは自身の操作位置が近すぎることを簡単に知ることができ、誤って表示部31に触れてしまうことを防ぐことができる。なお、メッセージ53の内容は、離間距離に応じて異なっても構わない。
【0044】
(4)小さいボタンやスイッチを操作中の近接判定
図7は、表示部31にソフトウェアキーボード54が表示された場合の一例を示した図である。このように、比較的小さいボタンやスイッチを非接触で操作しようとすると、ユーザーはボタンやスイッチを正確に選択しようとして表示部31から近い位置で操作しがちになることが考えられる。
【0045】
ソフトウェアキーボード54の操作中、上記(2)で説明したように、離間距離が第一の値以下となる状態が続いてスピーカー7が警告音を出力すると、操作中に何度も警告音が発せられるかもしれず、ユーザーに対して使いにくい印象を与えてしまう可能性がある。
【0046】
そこで、指示体がソフトウェアキーボード等の予め定められたサイズ以下のボタン又はスイッチを操作している間に離間距離が第一の値以下となった回数が予め定められた期間以内に予め定められた回数に達しても、報音制御部14は警告音をスピーカー7に出力させない。つまり、指示体がソフトウェアキーボード等の予め定められたサイズ以下のボタンやスイッチを操作している間、制御部11は上記(2)で説明した近接判定処理は行わない。こうすることで、ソフトウェアキーボードの操作中に何度も警告音が発せられることを防ぐことができる。
【0047】
なお、指示体がソフトウェアキーボード等の予め定められたサイズ以下のボタン又はスイッチを操作している間に離間距離が第二の値以下になったとき、制御部11は上記(3)で説明した処理は実行することとする。つまり、指示体がソフトウェアキーボード等の予め定められたサイズ以下のボタンやスイッチを操作している間であっても、離間距離が第二の値以下となったときは、報音制御部14は警告音を上記大音量でスピーカー7に出力させる。更に、表示制御部13は、表示部31に対して操作位置が近いことを示すメッセージを表示させる。
【0048】
このように、ソフトウェアキーボード等の小さいボタンやスイッチを操作するとき、離間距離が第一の値以下であって第二の値未満のとき警告音は発せられないが、離間距離が第二の値以下になると警告音が大音量で発せられることで、表示部31への接触を防ぐことができる。
【0049】
(5)指以外のもので非接触操作を行う場合
ユーザーが指ではなくタッチペン等のポインティングデバイスで操作する場合、ポインティングデバイスが表示部31に触れても、衛生上の問題はない。従って、上記(1)~(4)の近接判定処理を行う必要はない。
【0050】
そこで、非接触操作検出部32が取得する指示体を判別するための情報を用いて、指示体判断部15が、指示体がユーザーの指であるか、またはポインティングデバイスであるかを判断し、ポインティングデバイスと判断した場合、制御部11は上記(1)~(4)の近接判定処理を行わない。
【0051】
指示体判断部15による指示体の種別を判断する技術として、上述した通り、(a)赤外線やレーザー光を用いて表示部31上の所定空間に侵入した指示体の断面の情報を取得してその断面情報に基づいて指示体の種別を判断する方法、(b)撮像手段が撮影した画像を分析して指示体の種別を判断する方法等がある。
【0052】
方法(a)を用いた場合について説明する。非接触操作検出部32は、赤外線やレーザー光を用いて、表示部31上の空間に侵入した指示体の断面の情報を取得する。指示体判断部15は、非接触操作検出部32が検出した断面情報に基づいて、指示体の種別を判断する。
【0053】
図8及び図9は、表示部31上の所定空間61に侵入した物体の断面積の一例を示した図であり、断面71は大人の人間の指の断面、断面72はタッチペンの断面を示した図である。図8図9に示すように、通常は大人の人間の指の断面の方がタッチペン等の断面より大きい。
【0054】
指示体判断部15は、人間の指の直径として予め定められた数値、タッチペン等の指示体の直径として予め定められた数値の各数値データを予め記憶する。指示体判断部15は、非接触操作検出部32が取得した断面情報が上記各数値データのいずれに近いかに基づいて、指示体が指か、またはタッチペンであるかを判断する。指示体判断部15が指示体はタッチペンであると判断した場合、報音制御部14は警告音をスピーカー7に出力させない。
【0055】
方法(b)の場合、非接触操作検出部32は、カメラ等の撮像手段を用いて、表示部31上の空間に侵入した指示体を撮影して画像を取得する。指示体判断部15は、その画像を解析して指示体が指であるかポインティングデバイスであるかを判断する。指示体判断部15が指示体はタッチペンであると判断した場合、報音制御部14は警告音をスピーカー7に出力させない。指示体判断部15は、例えば、記憶部8に予め記憶されている指を示す画像及びポインティングデバイスを示す画像と、非接触操作検出部32が撮影により取得した画像との比較に基づき、パターンマッチング等の技術により、非接触操作検出部32による撮影で取得された画像が指示体又は指のいずれを示すかを判断する。
【0056】
これにより、指以外の指示体で空中操作している際に警告音が鳴る煩わしさによるユーザーの負担を軽減することができる。
【0057】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザーが非接触パネルの操作時に非接触パネルに対する距離感を的確に把握可能となり、非接触操作時の操作位置が適正であることを知ることができる。これにより、表示部31の画面から近い位置での操作をなくすことができ、表示部31の画面への接触を防ぐことができる。従って、表示部31の画面を介した細菌やウイルスの感染拡大を防止することができる。
【符号の説明】
【0058】
100 画像形成装置
1 制御ユニット
11 制御部
12 離間距離算出部
13 表示制御部
14 報音制御部
15 指示体判断部
2 操作部
3 非接触パネル
31 表示部
32 非接触操作検出部
5 画像読取部
6 画像形成部
7 スピーカー
8 記憶部
81 報音パターン記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9