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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172739
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】手消毒液噴霧装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20221110BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
A61L2/18
B05B9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078896
(22)【出願日】2021-05-07
(71)【出願人】
【識別番号】501061766
【氏名又は名称】ミツワ電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】魚屋 洋
(72)【発明者】
【氏名】西尾 頼政
(72)【発明者】
【氏名】石川 清志
(72)【発明者】
【氏名】森田 治美
【テーマコード(参考)】
4C058
4F033
【Fターム(参考)】
4C058AA29
4C058BB07
4C058DD01
4C058DD14
4C058EE26
4C058JJ06
4C058JJ08
4C058JJ24
4C058JJ28
4F033RA14
4F033RD02
4F033RD06
4F033RE11
4F033RE17
4F033RE19
(57)【要約】
【課題】手消毒液噴霧装置の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置を提供する。
【解決手段】手消毒液噴霧装置1は、筐体2と、ノズル26と、電動ポンプ20と、消毒液センサ24と、報知器41と、コントローラ51とを備える。筐体2は、消毒液18を貯蔵するタンク16を収容し得る収容空間2aを含む。消毒液センサ24は、タンク16内の消毒液18の液切れを検出し得る。報知器41は、タンク16内の消毒液18の液切れを報知し得る。コントローラ51は、報知器41を制御し得る。コントローラ51は、報知器41と消毒液センサ24とに電気的に接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消毒液を貯蔵するタンクを収容し得る収容空間を含む筐体と、
前記消毒液を手に噴霧し得るノズルと、
前記消毒液を前記ノズルに供給し得る電動ポンプと、
前記電動ポンプに接続されているとともに、前記タンクに接続され得る第1給液管と、
前記電動ポンプと前記ノズルとに接続されている第2給液管と、
前記タンク内の前記消毒液の液切れを検出し得る消毒液センサと、
前記タンク内の前記消毒液の前記液切れを報知し得る報知器と、
前記報知器を制御し得るコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記報知器と前記消毒液センサとに電気的に接続されており、
前記筐体は、前記電動ポンプと、前記第1給液管と、前記第2給液管と、前記消毒液センサと、前記コントローラとを収容している、手消毒液噴霧装置。
【請求項2】
前記消毒液センサは、前記第1給液管に取り付けられている、請求項1に記載の手消毒液噴霧装置。
【請求項3】
前記消毒液センサは、静電容量型液体センサである、請求項1または請求項2に記載の手消毒液噴霧装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記電動ポンプに電気的に接続されており、かつ、前記電動ポンプを制御し得る、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の手消毒液噴霧装置。
【請求項5】
前記電動ポンプの消費電流または消費電力をモニタし得るポンプモニタをさらに備え、
前記コントローラは、前記ポンプモニタに電気的に接続されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の手消毒液噴霧装置。
【請求項6】
前記電動ポンプは、ダイアフラムポンプである、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の手消毒液噴霧装置。
【請求項7】
消毒液を貯蔵するタンクを収容し得る収容空間を含む筐体を備え、前記筐体に吸気口と排気口とが設けられており、さらに、
前記消毒液を手に噴霧し得るノズルを備え、前記ノズルは、前記消毒液が吐出され得る吐出口を含み、さらに、
前記消毒液を前記ノズルに供給し得る電動ポンプと、
前記電動ポンプに接続されているとともに、前記タンクに接続され得る第1給液管と、
前記電動ポンプと前記ノズルとに接続されている第2給液管と、
空気を前記吸気口から前記排気口に流し得るファンと、
前記電動ポンプを制御し得るコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記電動ポンプに電気的に接続されており、
前記筐体は、前記電動ポンプと、前記第1給液管と、前記第2給液管と、前記ファンと、前記コントローラとを収容しており、
前記吸気口、前記ファン、前記電動ポンプ及び前記コントローラは、前記吐出口よりも上方に配置されており、
前記排気口は、前記吐出口よりも下方に配置されている、手消毒液噴霧装置。
【請求項8】
前記筐体は、前記収容空間と、前記収容空間の上方にある上方空間とを分ける仕切板を含み、
前記吸気口は前記上方空間に連通しており、
前記ファン、前記電動ポンプ及び前記コントローラは、前記上方空間に配置されており、
前記排気口は前記収容空間に連通しており、
前記仕切板には、前記空気が前記上方空間から前記収容空間に流れることを可能にする第1貫通孔と、前記第1給液管が挿入されている第2貫通孔とが設けられている、請求項7に記載の手消毒液噴霧装置。
【請求項9】
消毒液を貯蔵するタンクを収容し得る収容空間を含む筐体と、
前記消毒液を手に噴霧し得るノズルとを備え、前記ノズルは、前記消毒液が吐出され得る吐出口を含み、さらに、
前記消毒液を前記ノズルに供給し得る電動ポンプと、
前記電動ポンプに接続されているとともに、前記タンクに接続され得る第1給液管と、
前記電動ポンプと前記ノズルとに接続されている第2給液管とを備え、
前記筐体は、前記電動ポンプと、前記第1給液管と、前記第2給液管とを収容しており、
前記筐体には、前記手が挿入され得る開口が設けられており、
前記筐体は、前記開口に連通する手挿入空間を規定するポケットを含み、
前記ポケットは頂壁を含み、前記頂壁は、第1頂壁部分と、前記第1頂壁部分に接続されており、かつ、前記第1頂壁部分よりも前記開口から奥まっている第2頂壁部分とを含み、
前記ノズルは、前記第2頂壁部分から前記手挿入空間に突出しており、
前記第1頂壁部分は、前記第2頂壁部分から前記開口の上縁に向かって斜め上方に延在しており、かつ、前記筐体の幅方向から見たときに、前記ノズルの前記吐出口と前記開口の前記上縁とを結ぶ直線より前記筐体の奥行方向に後退している、手消毒液噴霧装置。
【請求項10】
前記筐体の高さ方向に対する前記第1頂壁部分の傾き角は、5°以上45°以下である、請求項9に記載の手消毒液噴霧装置。
【請求項11】
消毒液を貯蔵するタンクと前記タンクが載置され得る台車とを収容し得る収容空間を含む筐体と、
前記消毒液を手に噴霧し得るノズルと、
前記消毒液を前記ノズルに供給し得る電動ポンプと、
前記電動ポンプに接続されているとともに、前記タンクに接続され得る第1給液管と、
前記電動ポンプと前記ノズルとに接続されている第2給液管とを備え、
前記筐体は、前記電動ポンプと、前記第1給液管と、前記第2給液管とを収容している、手消毒液噴霧装置。
【請求項12】
前記タンクは、2リットル以上の前記消毒液を貯蔵し得る、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の手消毒液噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、手消毒液噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
登録実用新案第3231458号公報(特許文献1)は、足踏み式消毒液供給装置を開示している。この消毒液供給装置は、ボトルを支持する支柱と、ペダルとを備えている。ボトルに、消毒液が貯蔵されている。利用者がペダルを利用者の足で踏むことにより、ボトルから消毒液が吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3231458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された足踏み式消毒液供給装置は、商業施設またはオフィスビルのような不特定多数の人が利用する施設の入口に設置される。しかし、この足踏み式消毒液供給装置に載置されるボトルの容量は、1リットル程度と小さい。そのため、足踏み式消毒液供給装置の管理者は、空になったボトルを、消毒液を含む新しいボトルに頻繁に交換する必要がある。
【0005】
ボトルの容量を大きくすれば、ボトルの交換回数は減少する。しかし、特許文献1に開示された足踏み式消毒液供給装置では、ボトルは支柱によって支持されているにすぎない。そのため、大きな容量を有するボトルを安定的に支持することが困難である。足踏み式消毒液供給装置の利用者などが支柱にぶつかると、支柱は容易に倒れる。消毒液がボトルから流出して、足踏み式消毒液供給装置が設置されている施設の利用の妨げとなる。
【0006】
本開示は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、手消毒液噴霧装置の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第一の局面の手消毒液噴霧装置は、筐体と、ノズルと、電動ポンプと、第1給液管と、第2給液管と、消毒液センサと、報知器と、コントローラとを備える。筐体は、消毒液を貯蔵するタンクを収容し得る収容空間を含む。ノズルは、消毒液を手に噴霧し得る。電動ポンプは、消毒液をノズルに供給し得る。第1給液管は、電動ポンプに接続されているとともに、タンクに接続され得る。第2給液管は、電動ポンプとノズルとに接続されている。消毒液センサは、タンク内の消毒液の液切れを検出し得る。報知器は、タンク内の消毒液の液切れを報知し得る。コントローラは、報知器を制御し得る。コントローラは、報知器と消毒液センサとに電気的に接続されている。筐体は、電動ポンプと、第1給液管と、第2給液管と、消毒液センサと、コントローラとを収容している。
【0008】
本開示の第二の局面の手消毒液噴霧装置は、筐体と、ノズルと、電動ポンプと、第1給液管と、第2給液管と、ファンと、コントローラとを備える。筐体は、消毒液を貯蔵するタンクを収容し得る収容空間を含む。筐体に吸気口と排気口とが設けられている。ノズルは、消毒液を手に噴霧し得る。ノズルは、消毒液が吐出され得る吐出口を含む。電動ポンプは、消毒液をノズルに供給し得る。第1給液管は、電動ポンプに接続されているとともに、タンクに接続され得る。第2給液管は、電動ポンプとノズルとに接続されている。ファンは、空気を吸気口から排気口に流し得る。コントローラは、電動ポンプを制御し得る。コントローラは、電動ポンプに電気的に接続されている。筐体は、電動ポンプと、第1給液管と、第2給液管と、ファンと、コントローラとを収容している。吸気口、ファン、電動ポンプ及びコントローラは、ノズルの吐出口よりも上方に配置されている。排気口は、ノズルの吐出口よりも下方に配置されている。
【0009】
本開示の第三の局面の手消毒液噴霧装置は、筐体と、ノズルと、電動ポンプと、第1給液管と、第2給液管とを備える。筐体は、消毒液を貯蔵するタンクを収容し得る収容空間を含む。ノズルは、消毒液を手に噴霧し得る。ノズルは、消毒液が吐出され得る吐出口を含む。電動ポンプは、消毒液をノズルに供給し得る。第1給液管は、電動ポンプに接続されているとともに、タンクに接続され得る。第2給液管は、電動ポンプとノズルとに接続されている。筐体は、電動ポンプと、第1給液管と、第2給液管とを収容している。筐体には、手が挿入され得る開口が設けられている。筐体は、開口に連通する手挿入空間を規定するポケットを含む。ポケットは、頂壁を含む。頂壁は、第1頂壁部分と、第2頂壁部分とを含む。第2頂壁部分は、第1頂壁部分に接続されており、かつ、第1頂壁部分よりも開口から奥まっている。ノズルは、第2頂壁部分から手挿入空間に突出している。第1頂壁部分は、第2頂壁部分から開口の上縁に向かって斜め上方に延在しており、かつ、筐体の幅方向から見たときに、ノズルの吐出口と開口の上縁とを結ぶ直線より筐体の奥行方向に後退している。
【0010】
本開示の第四の局面の手消毒液噴霧装置は、筐体と、ノズルと、電動ポンプと、第1給液管と、第2給液管とを備える。筐体は、消毒液を貯蔵するタンクと、タンクが載置され得る台車とを収容し得る収容空間を含む。ノズルは、消毒液を手に噴霧し得る。電動ポンプは、消毒液をノズルに供給し得る。第1給液管は、電動ポンプに接続されているとともに、タンクに接続され得る。第2給液管は、電動ポンプとノズルとに接続されている。筐体は、電動ポンプと、第1給液管と、第2給液管とを収容している。
【発明の効果】
【0011】
本開示の第一の局面から第四局面の手消毒液噴霧装置は、手消毒液噴霧装置の管理者及び利用者にとって、より利用し易い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態の手消毒液噴霧装置(閉扉状態)の概略斜視図である。
図2】実施の形態の手消毒液噴霧装置(開扉状態)の概略斜視図である。
図3】実施の形態の手消毒液噴霧装置の概略背面図である。
図4】実施の形態の手消毒液噴霧装置の、図1に示される断面線IV-IVにおける概略断面図である。
図5】実施の形態の手消毒液噴霧装置の概略部分拡大斜視図である。
図6】実施の形態の手消毒液噴霧装置に含まれる管の構成を示す概略図である。
図7】実施の形態の手消毒液噴霧装置の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0014】
図1から図7を参照して、本実施の形態の手消毒液噴霧装置1を説明する。手消毒液噴霧装置1は、商業施設、オフィスビル、スタジアム、コンサートホール、学校、図書館、病院、工場、研究施設または駅のような不特定多数の人が利用する施設の入口または出口などに設置される。手消毒液噴霧装置1は、このような施設の床55(図4を参照)に設置され得る。
【0015】
手消毒液噴霧装置1は、筐体2と、ノズル26と、電動ポンプ20と、第1給液管21と、第2給液管27と、消毒液センサ24と、報知器41と、ハンドセンサ42と、ファン47と、受け皿12と、コントローラ51とを主に備える。手消毒液噴霧装置1は、ポンプモニタ52をさらに備えてもよい。手消毒液噴霧装置1は、吸気管30をさらに備えてもよい。手消毒液噴霧装置1は、電源ランプ40と、電源スイッチ43とをさらに備えてもよい。手消毒液噴霧装置1は、ガイド板13と、ガイドレール14とをさらに備えてもよい。
【0016】
図1から図5を参照して、筐体2は、不特定多数の人が利用する施設の床55に設置され得る。筐体2は、電動ポンプ20と、第1給液管21と、第2給液管27と、消毒液センサ24と、ファン47と、コントローラ51とを収容している。筐体2は、消毒液18を貯蔵するタンク16と、タンク16が載置される台車15とを収容し得る。筐体2は、ポンプモニタ52をさらに収容してもよい。筐体2は、吸気管30をさらに収容してもよい。筐体2は、例えば、ステンレスのような金属で形成されている。そのため、手消毒液噴霧装置1の利用者などが手消毒液噴霧装置1にぶつかっても、筐体2が破損したり倒れたりすることが防止されて、タンク16から消毒液18が流出することが防止され得る。
【0017】
筐体2は、本体3と、前板4と、ポケット5と、扉6と、背板7と、頂板8と、底板9と、仕切板10と、支持板11とを含む。x方向は、筐体2の幅方向である、y方向は、筐体2の奥行方向である。z方向は、筐体2の高さ方向(上下方向)である。
【0018】
本体3は、略直方体の形状を有している。z方向における本体3のサイズは、x方向における本体3のサイズより大きく、かつ、y方向における本体3のサイズより大きい。本体3の前面は開口している。前板4は、本体3の前面に取り付けられている。前板4には、利用者の手が挿入され得る開口4aが設けられている。
【0019】
ポケット5は、前板4に取り付けられている。ポケット5は、開口4aに連通する手挿入空間5hを規定している。具体的には、ポケット5は、頂壁5aと、底壁5fと、背壁5dと、側壁5eとを含む。
【0020】
頂壁5aは、第1頂壁部分5bと、第2頂壁部分5cとを含む。
【0021】
第2頂壁部分5cは、第1頂壁部分5bに接続されており、かつ、第1頂壁部分5bよりも開口4aから奥まっている。第2頂壁部分5cは、筐体2の幅方向(x方向)と筐体2の奥行方向(y方向)とに延在している。筐体2の奥行方向(y方向)は、例えば、手消毒液噴霧装置1の利用者が開口4aから手を差し入れる方向であってもよい。筐体2の幅方向(x方向)は、筐体2の奥行方向(y方向)と筐体2の高さ方向29(z方向)とに垂直である。筐体2の高さ方向29(z方向)は、手消毒液噴霧装置1が設置される床55の表面に垂直な方向である。第2頂壁部分5cは、手消毒液噴霧装置1が設置される床55に沿って延在している。
【0022】
第1頂壁部分5bは、第2頂壁部分5cから開口4aの上縁4bに向かって斜め上方に延在している。上縁4bは、筐体2の幅方向(x方向)に沿って延在している。筐体2の幅方向(x方向)から見たときに、第1頂壁部分5bは、ノズル26の吐出口26aと開口4aの上縁4bとを結ぶ直線28より筐体2の奥行方向(y方向)に後退している。筐体2の奥行方向(y方向)は、開口4aの上縁4bと筐体2の高さ方向29(z方向)とに垂直である。筐体2の高さ方向29(z方向)に対する第1頂壁部分5bの傾き角θは、例えば、5°以上45°以下であってもよく、15°以上35°以下であってもよい。
【0023】
底壁5fは、筐体2の高さ方向29(z方向)において、頂壁5aに対向している。背壁5dは、頂壁5a(第2頂壁部分5c)と、底壁5fと、側壁5eとに接続されている。側壁5eは、頂壁5aと、背壁5dと、底壁5fとに接続されている。
【0024】
扉6は、筐体2(本体3)の前面に取り付けられている。扉6は、前板4の下方に配置されている。筐体2は、消毒液18を貯蔵するタンク16を収容し得る収容空間2aを含む。タンク16が載置され得る台車15もまた、収容空間2aに収容され得る。扉6を閉じると、収容空間2aは閉じた空間となる。筐体2は、手消毒液噴霧装置1の利用者がタンク16に触れることを防止し得る。背板7は、本体3の背面開口を閉塞している。頂板8は、本体3の頂部開口を閉塞している。底板9は、本体3の底部開口を閉塞している。
【0025】
図4及び図5を参照して、仕切板10は、筐体2内の空間を、収容空間2aと、収容空間2aの上方にある上方空間2bとを分ける。仕切板10には、空気が上方空間2bから収容空間2aに流れることを可能にする貫通孔10aと、第1給液管21が挿入される貫通孔10bとが設けられている。仕切板10には、吸気管30が挿入される貫通孔10cがさらに設けられてもよい。
【0026】
図3及び図4を参照して、筐体2(例えば、本体3)に吸気口3pと排気口3qとが設けられている。吸気口3pは、ノズル26の吐出口26aよりも上方に配置されている。吸気口3pは、上方空間2bに連通している。排気口3qは、ノズル26の吐出口26aよりも下方に配置されている。排気口3qは、例えば、収容空間2aに連通している。
【0027】
図1図2及び図4から図6を参照して、ノズル26は、消毒液18を手に噴霧し得る。ノズル26は、消毒液18が吐出され得る吐出口26aを含む。ノズル26は、ポケット5の第2頂壁部分5cから手挿入空間5hに突出している。ノズル26の吐出口26aは、手挿入空間5h内にある。手消毒液噴霧装置1が設置される施設の床55からの吐出口26aの高さhは、例えば、65cm以上105cm以下であってもよく、75cm以上95cm以下であってもよい。そのため、吐出口26aは、大人にとって使いやすい高さに配置されている。吐出口26aは、筐体2の前面から距離dだけ奥まって配置されている。距離dは、例えば、1cm以上20cm以下であってもよく、4cm以上10cm以下であってもよい。そのため、消毒液18が利用者の手の全体に噴霧されやすくなるとともに、利用者の手に付着しなかった消毒液18が筐体2の外部に飛び散りにくくなる。
【0028】
図1図2及び図を参照して、受け皿12は、ポケット5の底壁5f上に載置される。受け皿12は、ノズル26から噴霧された消毒液18のうち、利用者の手に付着しなかった消毒液18を回収する。
【0029】
図4及び図7を参照して、利用者がその手を手挿入空間5hに挿入したときに、ハンドセンサ42は、利用者の手を検知し得る。ハンドセンサ42は、例えば、赤外線センサである。ハンドセンサ42は、コントローラ51に電気的に接続されている。ハンドセンサ42は、上方空間2bに配置されている。ハンドセンサ42は、ノズル26の吐出口26aよりも上方に配置されている。ハンドセンサ42は、吸気口3pから排気口3qに至る空気の経路中に配置されてもよい。ハンドセンサ42は、ファン47から送風される空気の経路中に配置されてもよい。
【0030】
図1及び図2を参照して、電源ランプ40は、筐体2の前面(前板4)の上部に設けられている。電源ランプ40は、手消毒液噴霧装置1に電力が供給されていることを、手消毒液噴霧装置1の利用者及び手消毒液噴霧装置1の管理者に報知し得る。図3を参照して、電源スイッチ43は、筐体2(本体3)の背面の上部に設けられている。電源スイッチ43をオン状態にすると、電源ランプ40が点灯する。
【0031】
図1図2及び図7を参照して、報知器41は、タンク16内の消毒液18の液切れを報知し得る。報知器41は、例えば、ランプのような光源である。報知器41は、ブザーのような音源であってもよい。報知器41は、コントローラ51に電気的に接続されている。
【0032】
図2及び図4を参照して、筐体2の収容空間2aに、タンク16が収容される。タンク16は、例えば、アルコールを主成分として含む消毒液18を貯蔵している。タンク16の容量は、例えば、2リットル以上である。タンク16の容量は、5リットル以上であってもよいし、10リットル以上であってもよいし、15リットル以上であってもよいし、18リットル以上であってもよい。タンク16は、例えば、一斗缶のような金属製のタンク16であってもよいし、バッグインボックス(BIB)のような樹脂製のタンク16であってもよい。タンク16には、キャップ16bが装着される開口16aが設けられている。
【0033】
タンク16が載置され得る台車15もまた、収容空間2aに収容され得る。台車15は、荷台15aと、荷台15aの底面に取り付けられている車輪15bと、荷台15aに取り付けられているハンドル15cとを含む。タンク16は、荷台15a上に載置される。手消毒液噴霧装置1は台車15を備えてもよく、かつ、台車15は手消毒液噴霧装置1専用の台車15であってもよい。台車15は、市販の台車15であってもよい。
【0034】
タンク16内の消毒液18が無くなると、手消毒液噴霧装置1の管理者は、タンク16を交換する必要がある。タンク16の容量が増加すると、消毒液18を貯蔵するタンク16の重量も増加する。本実施の形態では、手消毒液噴霧装置1の管理者は、図2に示されるように扉6を開けて、台車15を用いてタンク16を収容空間2aに入れるまたは収容空間2aから取り出すことができる。そのため、タンク16の交換が容易になる。手消毒液噴霧装置1の管理者は、タンク16を交換し終えると、図1に示されるように、扉6を閉じる。手消毒液噴霧装置1の利用者が手消毒液噴霧装置1を使用している間、手消毒液噴霧装置1の利用者がタンク16に接触することが防止される。
【0035】
ガイド板13が、筐体2の底板9上に設けられている。ガイド板13の前部分は、筐体2が設置される施設の床55に向かって下向きに傾斜している。そのため、ガイド板13は、収容空間2a内への台車15の移動及び収容空間2aからの台車15の取り出しを容易にする。
【0036】
ガイドレール14は、筐体2(本体3)の側壁上に設けられている。ガイドレール14の長手方向は、筐体2の奥行方向(y方向)である。ガイドレール14は、例えば、台車15の荷台15aをガイドする。ガイドレール14は、収容空間2a内への台車15の移動及び収容空間2aからの台車15の取り出しを容易にする。
【0037】
図4及び図5を参照して、支持板11は、筐体2(本体3)に固定されている。支持板11は、上方空間2bに配置されている。支持板11は、ノズル26の吐出口26aよりも上方に配置されてもよい。支持板11は、電動ポンプ20と、ファン47と、電気回路50が搭載されている回路基板54を支持している。支持板11は、フィルタ31をさらに支持してもよい。支持板11には、空気が流れる貫通孔11aと、第1給液管21が挿入される貫通孔11bと、第2給液管27が挿入される貫通孔11cとが設けられている。支持板11には、吸気管30が挿入される貫通孔11dがさらに設けられてもよい。
【0038】
電動ポンプ20は、第1給液管21と、第2給液管27とに接続されている。電動ポンプ20は、ダンク16内の消毒液18を吸い上げて、消毒液18をノズル26に供給し得る。電動ポンプ20は、ダイアフラムポンプである。電動ポンプ20は、上方空間2bに配置されている。電動ポンプ20は、ノズル26の吐出口26aよりも上方に配置されている。電動ポンプ20は、吸気口3pから排気口3qに至る空気の経路中に配置されている。電動ポンプ20は、ファン47から送風される空気の経路中に配置されている。電動ポンプ20は、コントローラ51に電気的に接続されている。
【0039】
図2及び図4から図6を参照して、第1給液管21は、電動ポンプ20に接続されているとともに、タンク16に接続され得る。第1給液管21は、例えば、第1ホース21aと、金属管21bと、第2ホース21cとを含む。金属管21bは、第1ホース21aと、第2ホース21cとに接続されている。第1ホース21aは、フレキシブルホースである。第1ホース21aは、例えば、シリコーン樹脂のような樹脂で形成されている。金属管21bは、例えば、ステンレスのような金属で形成されている。第2ホース21cは、フレキシブルホースである。第2ホース21cは、例えば、シリコーン樹脂のような樹脂で形成されている。
【0040】
タンク16の開口16aに、キャップ16bが装着されている。第1給液管21は、キャップ16bを貫通して、タンク16内の消毒液18に連通している。具体的には、金属管21bは、キャップ16bを貫通している。金属管21bの下端は、タンク16の内部にある。金属管21bの上端は、タンク16の外部にある。第1ホース21aは、例えば、エルボ継手などを介して、金属管21bの上端に接続されている。第2ホース21cは、金属管21bの下端に接続されている。第2ホース21cは、タンク16の底面に接触している。そのため、タンク16内に貯蔵されている消毒液18は、無駄なく使用され得る。
【0041】
第1給液管21の途中に、逆止弁22が設けられてもよい。逆止弁22は、タンク16から電動ポンプ20に向けて消毒液18が流れることを可能にするが、消毒液18がタンク16に向けて流れることを阻止する。第1給液管21の途中に、フィルタ23が設けられてもよい。フィルタ23は、消毒液18に含まれている異物を除去して、異物が電動ポンプ20に流れ込むことを阻止する。
【0042】
第2給液管27は、電動ポンプ20とノズル26とに接続されている。第2給液管27は、フレキシブルホースである。第2給液管27は、例えば、シリコーン樹脂のような樹脂で形成されている。
【0043】
吸気管30の第1端は、タンク16の内部空間に連通している。吸気管30の第1端は、タンク16内の消毒液18から離れている。吸気管30の第1端とは反対側の吸気管30の第2端は、上方空間2bに連通している。吸気管30の第2端は、ノズル26の吐出口26aよりも上方に配置されている。消毒液18が、電動ポンプ20によって吸い上げられて、タンク16内の消毒液18の残量が減少したときに、空気が吸気管30を通ってタンク16内に流入する。そのため、タンク16内の消毒液18がなくなるまで、消毒液18は、ノズル26に安定的に供給され得る。
【0044】
タンク16がバッグインボックス(BIB)のような可撓性タンクである場合には、消毒液18が、電動ポンプ20によって吸い上げられると、タンク16内の消毒液18の減少量に相当する体積だけ、タンク16が収縮する。消毒液18が電動ポンプ20によって吸い上げられても、タンク16内の圧力が大きな負圧にならない。そのため、タンク16が可撓性タンクである場合には、吸気管30は省略され得る。
【0045】
吸気管30の途中に、逆止弁32が設けられてもよい。消毒液18は、アルコールを主成分に含むことがある。消毒液18の一部が揮発して、可燃性蒸気になることがある。消毒液18が、電動ポンプ20によって吸い上げられて、タンク16内の圧力がある程度の大きさの負圧(筐体2の周囲圧力よりも低い圧力)に達するまで、逆止弁32は閉じている。タンク16内の圧力がある程度の大きさの負圧に達するまで、逆止弁32は、空気がタンク16に向けて流れることを阻止するとともに、可燃性蒸気が筐体2内の空間(例えば、上部空間)及び筐体2の外部に漏れ出すことを防止する。消毒液18が電動ポンプ20によって吸い上げられて、タンク16内の圧力がある程度の大きさの負圧に達したときにはじめて、逆止弁32は開いて、空気がタンク16に向けて流れることを可能にする。吸気管30の第2端に、フィルタ31が設けられてもよい。フィルタ31は、空気中に含まれる異物を除去して、異物がタンク16内に流れ込むことを阻止する。
【0046】
図4図6及び図7を参照して、消毒液センサ24は、タンク16内の消毒液18の液切れを検出し得る。消毒液センサ24は、例えば、第1給液管21に取り付けられている。消毒液センサ24は、例えば、静電容量型液体センサである。静電容量センサは、一対の電極(図示せず)を含む。第1給液管21は、一対の電極の間にある。タンク16が消毒液18を含む場合には、消毒液18は、第1給液管21を流れる。これに対し、タンク16が空になると、消毒液18は、第2給液管27を流れない。第1給液管21に消毒液18が流れているときの一対の電極間の第1静電容量は、第1給液管21に消毒液18が流れていないときの一対の電極間の第2静電容量と異なる。静電容量型液体センサは、一対の電極間の静電容量の変化を検出する。こうして、静電容量型液体センサは、タンク16内の消毒液18の液切れを検出し得る。
【0047】
消毒液センサ24は、コントローラ51に電気的に接続されている。消毒液センサ24は、上方空間2bに配置されている。消毒液センサ24は、吸気口3pから排気口3qに至る空気の経路中に配置されている。消毒液センサ24は、ファン47から送風される空気の経路中に配置されている。
【0048】
図4図5及び図7を参照して、ファン47は、空気を吸気口3pから排気口3qに流し得る。ファン47は、上方空間2bに配置されている。ファン47は、ノズル26の吐出口26aよりも上方に配置されている。ファン47は、コントローラ51に電気的に接続されている。
【0049】
図3を参照して、噴霧量調整スイッチ44は、筐体2(本体3)の背面の上部に設けられている。噴霧量調整スイッチ44は、コントローラ51に電気的に接続されている。噴霧量調整スイッチ44は、ハンドセンサ42により利用者の手が検出される度にノズル26から吐出される消毒液18の噴霧量を、連続的にまたは段階的に調整する。
【0050】
図4図5及び図7を参照して、電気回路50は、回路基板54上に搭載されている。電気回路50は、コントローラ51と、ポンプモニタ52とを含む。
【0051】
コントローラ51は、上方空間2bに配置されている。コントローラ51は、ノズル26の吐出口26aよりも上方に配置されている。コントローラ51は、吸気口3pから排気口3qに至る空気の経路中に配置されている。コントローラ51は、消毒液センサ24と、ハンドセンサ42と、噴霧量調整スイッチ44と、電動ポンプ20と、ポンプモニタ52と、報知器41と、ファン47とに、電気的に接続されている。コントローラ51は、ハンドセンサ42の出力、消毒液センサ24の出力、ポンプモニタ52の出力及び噴霧量調整スイッチ44による噴霧量の設定に基づいて、報知器41及び電動ポンプ20を制御し得る。コントローラ51は、ファン47を制御し得る。
【0052】
ポンプモニタ52は、電動ポンプ20の消費電流または消費電力をモニタし得る。消毒液18が第1給液管21を順調に流れている場合には、電動ポンプ20の消費電流または消費電力は大きい。これに対し、例えば、第1給液管21が異物によって詰まると、第1給液管21における消毒液18の流量が減少する。そのため、電動ポンプ20の消費電流または消費電力は減少する。ポンプモニタ52は、電動ポンプ20の消費電流または消費電力をモニタすることによって、異物による第1給液管21の詰まりのような手消毒液噴霧装置1の故障を検出することができる。
【0053】
ポンプモニタ52は、上方空間2bに配置されている。ポンプモニタ52は、ノズル26の吐出口26aよりも上方に配置されている。ポンプモニタ52は、吸気口3pから排気口3qに至る空気の経路中に配置されている。ポンプモニタ52は、ファン47から送風される空気の経路中に配置されている。ポンプモニタ52は、コントローラ51に電気的に接続されている。
【0054】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1の動作の例を説明する。
【0055】
コントローラ51は、消毒液センサ24の出力に基づいて、報知器41を制御し得る。例えば、消毒液センサ24は、タンク16内の消毒液18の液切れに対応する信号を、コントローラ51に送信する。コントローラ51は、消毒液センサ24からタンク16内の消毒液18の液切れに対応する信号を受信して、報知器41を動作させる。例えば、報知器41がランプのような光源である場合には、コントローラ51は、光源を点灯させる。報知器41がブザーのような音源である場合には、コントローラ51は、音源に音を出させる。
【0056】
コントローラ51は、ハンドセンサ42の出力、消毒液センサ24の出力、ポンプモニタ52の出力及び噴霧量調整スイッチ44による噴霧量の設定に基づいて、電動ポンプ20を制御し得る。
【0057】
例えば、利用者がその手を手挿入空間5hに挿入する。ハンドセンサ42は、利用者の手の検出に対応する信号を、コントローラ51に送信する。コントローラ51は、利用者の手の検出に対応する信号をハンドセンサ42から受信するが、消毒液センサ24から、タンク16内の消毒液18の液切れに対応する信号を受信しないとき、噴霧量調整スイッチ44によって定められた噴霧量の消毒液18がノズル26から噴霧されるように、電動ポンプ20を動作させる。こうして、噴霧量調整スイッチ44によって定められた噴霧量の消毒液18が、ノズル26から利用者の手に噴霧される。
【0058】
コントローラ51は、消毒液センサ24から、タンク16内の消毒液18の液切れに対応する信号を受信するとき、電動ポンプ20を停止させる、または、電動ポンプ20を停止させ続ける。こうして、タンク16内に消毒液18がないとき、たとえ、利用者が手を手挿入空間5hに挿入して、ハンドセンサ42が利用者の手の検出に対応する信号をコントローラ51に送信しても、消毒液18はノズル26から噴霧されない。
【0059】
コントローラ51は、タンク16内の消毒液18の液切れに対応する信号を受信せず、かつ、ポンプモニタ52から第1給液管21の詰まりに対応する信号を受信するとき、コントローラ51は、電動ポンプ20を停止させる。
【0060】
噴霧量調整スイッチ44によって定められた噴霧量の消毒液18が利用者の手に噴霧された後に、利用者の手が手挿入空間5hから引き抜かれたことをハンドセンサ42が検出するまで、コントローラ51は、電動ポンプ20を停止させる。噴霧量調整スイッチ44によって定められた噴霧量の消毒液18が利用者の手に噴霧された後に、利用者の手が手挿入空間5hから引き抜かれたことをハンドセンサ42が検出し、それから、利用者がその手を手挿入空間5hに挿入してはじめて、コントローラ51は、電動ポンプ20を動作させて、消毒液18の次の噴霧を行う。そのため、利用者が比較的長い時間にわたって手挿入空間5hに手を挿入し続けたり、利用者が手挿入空間5hに物を置き忘れたりしても、消毒液18が噴霧される続けることが防止され得る。消毒液18が節約され得る。
【0061】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1の効果を説明する。
【0062】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1は、筐体2と、ノズル26と、電動ポンプ20と、第1給液管21と、第2給液管27と、消毒液センサ24と、報知器41と、コントローラ51とを備える。筐体2は、消毒液18を貯蔵するタンク16を収容し得る収容空間2aを含む。ノズル26は、消毒液18を手に噴霧し得る。電動ポンプ20は、消毒液18をノズル26に供給し得る。第1給液管21は、電動ポンプ20に接続されているとともに、タンク16に接続され得る。第2給液管27は、電動ポンプ20とノズル26とに接続されている。消毒液センサ24は、タンク16内の消毒液18の液切れを検出し得る。報知器41は、タンク16内の消毒液18の液切れを報知し得る。コントローラ51は、報知器41を制御し得る。コントローラ51は、報知器41と消毒液センサ24とに電気的に接続されている。筐体2は、電動ポンプ20と、第1給液管21と、第2給液管27と、消毒液センサ24と、コントローラ51とを収容している。
【0063】
消毒液18を貯蔵するタンク16は、筐体2内に収容され得る。そのため、手消毒液噴霧装置1の利用者などが筐体2にぶつかっても、消毒液18がタンク16から流出することが防止され得る。タンク16の交換頻度を減少させるために、タンク16の容量を増加させると、筐体2が大型化する。大きな筐体2を低コストで製造するために、筐体2の材料として、金属(例えば、ステンレス)のような不透明な材料を採用することがある。また、容量の大きなタンク16の材料として、金属のような不透明な材料を採用することがある。このように筐体2またはタンク16の少なくとも一つの材料が不透明な材料であっても、報知器41は、手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者に、タンク16内の消毒液18の液切れを報知することができる。手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者は、タンク16内の消毒液18の液切れを、手消毒液噴霧装置1の故障とは区別することができる。こうして、手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0064】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1では、消毒液センサ24は、第1給液管21に取り付けられている。
【0065】
タンク16のサイズに関わらず、タンク16内の消毒液18の液切れが検出され得る。手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0066】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1では、消毒液センサ24は、静電容量型液体センサである。
【0067】
タンク16のサイズに関わらず、タンク16内の消毒液18の液切れが検出され得る。手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0068】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1では、コントローラ51は、電動ポンプ20に電気的に接続されており、かつ、電動ポンプ20を制御し得る。
【0069】
コントローラ51は、消毒液センサ24の出力に基づいて、報知器41及び電動ポンプ20を制御することができる。例えば、コントローラ51は、消毒液センサ24からタンク16内の消毒液18の液切れに対応する信号を受信すると、コントローラ51は、報知器41を動作させるとともに、電動ポンプ20を停止されるまたは停止させ続ける。手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0070】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1は、電動ポンプ20の消費電流または消費電力をモニタし得るポンプモニタ52をさらに備える。コントローラ51は、ポンプモニタ52に電気的に接続されている。
【0071】
コントローラ51は、消毒液センサ24とポンプモニタ52の出力に基づいて、報知器41及び電動ポンプ20を制御することができる。例えば、コントローラ51は、タンク16内の消毒液18の液切れに対応する信号を受信せず、かつ、ポンプモニタ52から第1給液管21の詰まりに対応する信号を受信するとき、コントローラ51は、電動ポンプ20を停止させる。手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0072】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1では、電動ポンプ20は、ダイアフラムポンプである。
【0073】
そのため、電動ポンプ20がノズル26に消毒液18を供給する際に、第2給液管27に過大な圧力が印加されて、第2給液管27が破損することが防止され得る。手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0074】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1は、筐体2と、ノズル26と、電動ポンプ20と、第1給液管21と、第2給液管27と、ファン47と、コントローラ51とを備える。筐体2は、消毒液18を貯蔵するタンク16を収容し得る収容空間2aを含む。筐体2に吸気口3pと排気口3qとが設けられている。ノズル26は、消毒液18を手に噴霧し得る。ノズル26は、消毒液18が吐出され得る吐出口26aを含む。電動ポンプ20は、消毒液18をノズル26に供給し得る。第1給液管21は、電動ポンプ20に接続されているとともに、タンク16に接続され得る。第2給液管27は、電動ポンプ20とノズル26とに接続されている。ファン47は、空気を吸気口3pから排気口3qに流し得る。コントローラ51は、電動ポンプ20を制御し得る。コントローラ51は、電動ポンプ20に電気的に接続されている。筐体2は、電動ポンプ20と、第1給液管21と、第2給液管27と、ファン47と、コントローラ51とを収容している。吸気口3p、ファン47、電動ポンプ20及びコントローラ51は、ノズル26の吐出口26aよりも上方に配置されている。排気口3qは、ノズル26の吐出口26aよりも下方に配置されている。
【0075】
消毒液18を貯蔵するタンク16は、筐体2内に収容され得る。手消毒液噴霧装置1の利用者などが筐体2にぶつかっても、消毒液18がタンク16から流出することが防止され得る。
【0076】
タンク16の交換頻度を減少させるために、タンク16の容量を増加させると、筐体2内に収容されている消毒液18の量が増加する。消毒液18は、アルコールを主成分に含むことがある。消毒液18の一部が揮発して、可燃性蒸気になることがある。そのため、手消毒液噴霧装置1に、より高い安全性が求められる。手消毒液噴霧装置1では、吸気口3p、ファン47、電動ポンプ20及びコントローラ51はノズル26の吐出口26aよりも上方に配置されており、かつ、排気口3qは、ノズル26の吐出口26aよりも下方に配置されている。そして、ノズル26の吐出口26aから噴霧された消毒液18の比重と、消毒液18が気化して得られる可燃性蒸気の比重とは、いずれも、空気の比重より大きい。可燃性蒸気は、ファン47、電動ポンプ20及びコントローラ51のような電気部品よりも下方に(例えば、収容空間2aに)流れる。そのため、消毒液18及び可燃性蒸気は、電動ポンプ20及びコントローラ51のような電気部品に触れることが防止され得る。手消毒液噴霧装置1の安全性が向上する。
【0077】
また、可燃性蒸気は、ファン47によって生成される気流に乗って、ファン47、電動ポンプ20及びコントローラ51のような電気部品よりも下方に(例えば、収容空間2aに)押し流される。可燃性蒸気が、ファン47、電動ポンプ20及びコントローラ51のような電気部品に触れることがさらに防止され得る。手消毒液噴霧装置1の安全性がさらに向上する。こうして、手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0078】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1では、筐体2は、収容空間2aと、収容空間2aの上方にある上方空間2bとを分ける仕切板10を含む。吸気口3pは、上方空間2bに連通している。ファン47、電動ポンプ20及びコントローラ51は、上方空間2bに配置されている。排気口3qは、収容空間2aに連通している。仕切板10には、空気が上方空間2bから収容空間2aに流れることを可能にする第1貫通孔(貫通孔10a)と、第1給液管21が挿入されている第2貫通孔(貫通孔10b)とが設けられている。
【0079】
消毒液18と消毒液18が気化して得られる可燃性蒸気とが、タンク16からタンク16を収容する収容空間2aに漏れ出すことがあっても、消毒液18と可燃性蒸気とは、収容空間2aに連通している排気口3qから、手消毒液噴霧装置1(筐体2)の外部に速やかに排出され得る。手消毒液噴霧装置1の安全性が向上する。こうして、手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0080】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1は、筐体2と、ノズル26と、電動ポンプ20と、第1給液管21と、第2給液管27とを備える。筐体2は、消毒液18を貯蔵するタンク16を収容し得る収容空間2aを含む。ノズル26は、消毒液18を手に噴霧し得る。ノズル26は、消毒液18が吐出され得る吐出口26aを含む。電動ポンプ20は、消毒液18をノズル26に供給し得る。第1給液管21は、電動ポンプ20に接続されているとともに、タンク16に接続され得る。第2給液管27は、電動ポンプ20とノズル26とに接続されている。筐体2は、電動ポンプ20と、第1給液管21と、第2給液管27とを収容している。筐体2には、手が挿入され得る開口4aが設けられている。筐体2は、開口4aに連通する手挿入空間5hを規定するポケット5を含む。ポケット5は、頂壁5aを含む。頂壁5aは、第1頂壁部分5bと、第2頂壁部分5cとを含む。第2頂壁部分5cは、第1頂壁部分5bに接続されており、かつ、第1頂壁部分5bよりも開口4aから奥まっている。ノズル26は、第2頂壁部分5cから手挿入空間5hに突出している。第1頂壁部分5bは、第2頂壁部分5cから開口4aの上縁4bに向かって斜め上方に延在しており、かつ、筐体2の幅方向(x方向)から見たときに、ノズル26の吐出口26aと開口4aの上縁4bとを結ぶ直線28より筐体2の奥行方向(y方向)に後退している。
【0081】
消毒液18を貯蔵するタンク16は、筐体2内に収容され得る。手消毒液噴霧装置1の利用者などが筐体2にぶつかっても、消毒液18がタンク16から流出することが防止され得る。また、第1頂壁部分5bは、第2頂壁部分5cから開口4aの上縁4bに向かって斜め上方に延在しており、かつ、筐体2の幅方向(x方向)から見たときに、ノズル26の吐出口26aと開口4aの上縁4bとを結ぶ直線28より筐体2の奥行方向(y方向)に後退している。そのため、背の高い人にも、ノズル26の吐出口26aが見えやすい。より多くの利用者が、その手を、ノズル26の吐出口26aの下方に差し入れることができる。消毒液18は、利用者の手の全体に噴霧されやすくなる。また、ノズル26は、開口4aから奥まったところに配置される。利用者の手に付着しなかった消毒液18が、筐体2の外部に飛び散りにくくなる。こうして、手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0082】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1では、筐体2の高さ方向29(z方向)に対する第1頂壁部分5bの傾き角θは、5°以上45°以下である。
【0083】
そのため、背の高い人にも、ノズル26の吐出口26aが見えやすい。より多くの利用者が、その手を、ノズル26の吐出口26aの下方に差し入れることができる。消毒液18は、利用者の手の全体に噴霧されやすくなる。また、利用者の手に付着しなかった消毒液18が、筐体2の外部に飛び散りにくくなる。こうして、手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0084】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1は、筐体2と、ノズル26と、電動ポンプ20と、第1給液管21と、第2給液管27とを備える。筐体2は、消毒液18を貯蔵するタンク16と、タンク16が載置され得る台車15とを収容し得る収容空間2aを含む。ノズル26は、消毒液18を手に噴霧し得る。電動ポンプ20は、消毒液18をノズル26に供給し得る。第1給液管21は、電動ポンプ20に接続されているとともに、タンク16に接続され得る。第2給液管27は、電動ポンプ20とノズル26とに接続されている。筐体2は、電動ポンプ20と、第1給液管21と、第2給液管27とを収容している。
【0085】
消毒液18を貯蔵するタンク16は、筐体2内に収容され得る。手消毒液噴霧装置1の利用者などが筐体2にぶつかっても、消毒液18がタンク16から流出することが防止され得る。タンク16の交換頻度を減少させるためにタンク16の容量を増加させると、消毒液18を貯蔵するタンク16の重量が増加して、タンク16の交換が困難になる。手消毒液噴霧装置1では、筐体2の収容空間2aに、タンク16と、タンク16が載置され得る台車15とを収容し得る。そのため、タンク16の容量が増加して、消毒液18を貯蔵するタンク16の重量が増加しても、タンク16は台車15を用いて容易に交換され得る。こうして、手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0086】
本実施の形態の手消毒液噴霧装置1では、タンク16は、2リットル以上の消毒液18を貯蔵し得る。
【0087】
タンク16の容量が増加するため、タンク16の交換頻度が減少する。手消毒液噴霧装置1の管理者及び利用者にとって、より利用し易い手消毒液噴霧装置1が提供され得る。
【0088】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0089】
1 手消毒液噴霧装置、2 筐体、2a 収容空間、2b 上方空間、3 本体、3p 吸気口、3q 排気口、4 前板、4a 開口、4b 上縁、5 ポケット、5a 頂壁、5b 第1頂壁部分、5c 第2頂壁部分、5d 背壁、5e 側壁、5f 底壁、5h 手挿入空間、6 扉、7 背板、8 頂板、9 底板、10 仕切板、10a,10b,10c 貫通孔、11 支持板、11a,11b,11c,11d 貫通孔、12 受け皿、13 ガイド板、14 ガイドレール、15 台車、15a 荷台、15b 車輪、15c ハンドル、16 タンク、16a 開口、16b キャップ、18 消毒液、20 電動ポンプ、21 第1給液管、21a 第1ホース、21b 金属管、21c 第2ホース、22 逆止弁、23 フィルタ、24 消毒液センサ、26 ノズル、26a 吐出口、27 第2給液管、28 直線、29 高さ方向、30 吸気管、31 フィルタ、32 逆止弁、40 電源ランプ、41 報知器、42 ハンドセンサ、43 電源スイッチ、44 噴霧量調整スイッチ、47 ファン、50 電気回路、51 コントローラ、52 ポンプモニタ、54 回路基板、55 床。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7