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特開2022-172754情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172754
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20221110BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
H04M11/00 301
A61G12/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078925
(22)【出願日】2021-05-07
(71)【出願人】
【識別番号】515263303
【氏名又は名称】株式会社リンクジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】河千泰 進一
(72)【発明者】
【氏名】王 慧芝
【テーマコード(参考)】
4C341
5K201
【Fターム(参考)】
4C341LL10
5K201BA02
5K201BA19
5K201CA01
5K201CA06
5K201EB06
5K201EC06
5K201ED04
5K201EF10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の相手と通話可能な情報処理システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】介護システム1000において、情報処理装置100の制御部は、第1の端末装置の接続ボタン選択に基づく接続要求を受け取った場合、設定された複数のユーザーの通信端末装置それぞれに対して無線通信を介して呼び出しを行う。複数のユーザー(介護者)のうちの第1のユーザーが呼び出しに応答した場合、それ以外のユーザーに対する呼び出しを終了し、第1の端末装置(通信装置110)と第1のユーザーの通信端末装置を接続することで、通話可能となる。第1のユーザーの通信端末装置から追加接続要求を受け取った場合、追加接続要求に含まれる接続先情報に基づき、第1の端末装置と、第1のユーザーの通信端末装置と、第2のユーザーの通信端末装置と、を接続することで、第1の端末装置のユーザーと、第1のユーザーと、第2のユーザーとが通話可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を有し、
前記制御部は、
第1の端末装置の接続ボタンが選択されたことに基づく接続要求を受け取った場合、設定された複数のユーザーの通信端末装置それぞれに対して呼び出しを行い、
前記第1の端末装置は無線通信を介してネットワークに接続可能であり、
前記複数のユーザーのうちの第1のユーザーが呼び出しに応答した場合、前記複数のユーザーのうちの前記第1のユーザー以外のユーザーに対する呼び出しを終了し、前記第1の端末装置と、前記第1のユーザーの通信端末装置と、を接続することで、前記第1の端末装置のユーザーと、前記第1のユーザーと、を通話可能とし、
前記第1のユーザーの通信端末装置から追加接続要求を受け取った場合、追加接続要求に含まれる接続先情報に基づき、前記第1の端末装置と、前記第1のユーザーの通信端末装置と、第2のユーザーの通信端末装置と、を接続することで、前記第1の端末装置のユーザーと、前記第1のユーザーと、前記第2のユーザーとが通話可能とし、
前記第2のユーザーは、前記複数のユーザーのうちの前記第1のユーザー以外のユーザーのうちの1人である、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1の端末装置と、前記第1のユーザーの通信端末装置と、が接続されているときに、第2の端末装置の接続ボタンが選択されたことに基づく接続要求を受け取った場合、前記複数のユーザーのうちの前記第1のユーザー以外のユーザーに対して呼び出しを行う、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1の端末装置と、前記第1のユーザーの通信端末装置と、が接続された場合、前記第1の端末装置の撮像部で撮像された撮像画像を、前記第1のユーザーの通信端末装置で表示可能とする、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1の端末装置のユーザーと、前記第1のユーザーと、の通話において所定のキーワードが出た場合、前記第1のユーザーの通信端末装置の画面に所定のオブジェクトを表示する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、前記所定のオブジェクトが選択された場合、ネットワークを介して通信可能な他の情報処理システムに前記第1の端末装置のユーザーに関する情報を送信する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1の端末装置のユーザーと、前記第1のユーザーと、の通話において所定のキーワードが出た場合、ネットワークを介して通信可能な他の情報処理システムに前記第1の端末装置のユーザーに関する情報を送信する、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までの何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記複数のユーザーの通信端末装置の一の通信端末装置から前記第1の端末装置に対する接続要求を受け取った場合、前記一の通信端末装置と、前記第1の端末装置と、を接続することで、前記一の通信端末装置のユーザーと、前記第1の端末装置のユーザーと、を通話可能とする、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までの何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の端末装置は、介護対象者が操作する装置であって、
前記情報処理システムは、介護システムである、
情報処理システム。
【請求項9】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
第1の端末装置の接続ボタンが選択されたことに基づく接続要求を受け取った場合、設定された複数のユーザーの通信端末装置それぞれに対して呼び出しを行い、
前記複数のユーザーのうちの第1のユーザーが呼び出しに応答した場合、前記複数のユーザーのうちの前記第1のユーザー以外のユーザーに対する呼び出しを終了し、前記第1の端末装置と、前記第1のユーザーの通信端末装置と、を接続することで、前記第1の端末装置のユーザーと、前記第1のユーザーと、を通話可能とし、
前記第1のユーザーの通信端末装置から追加接続要求を受け取った場合、追加接続要求に含まれる接続先情報に基づき、前記第1の端末装置と、前記第1のユーザーの通信端末装置と、第2のユーザーの通信端末装置と、を接続することで、前記第1の端末装置のユーザーと、前記第1のユーザーと、前記第2のユーザーとが通話可能とし、
前記第2のユーザーは、前記複数のユーザーのうちの前記第1のユーザー以外のユーザーのうちの1人である、
情報処理方法。
【請求項10】
プログラムであって、
コンピュータを、
請求項1から請求項8までの何れか1項に記載の情報処理システムの制御部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはナースコールシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-010622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、介護対象者が介護職員を呼び出すボタンを選択し、介護職員と介護対象者とが会話を行っている場合において、介護職員が介護対象者の話の内容について他の介護職員にも相談したい場合がある。
特許文献1の技術ではこのような場合に対応できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を有する。制御部は、第1の端末装置の接続ボタンが選択されたことに基づく接続要求を受け取った場合、設定された複数のユーザーの通信端末装置それぞれに対して呼び出しを行う。第1の端末装置は無線通信を介してネットワークに接続可能である。複数のユーザーのうちの第1のユーザーが呼び出しに応答した場合、複数のユーザーのうちの第1のユーザー以外のユーザーに対する呼び出しを終了し、第1の端末装置と、第1のユーザーの通信端末装置と、を接続することで、第1の端末装置のユーザーと、第1のユーザーと、を通話可能とする。第1のユーザーの通信端末装置から追加接続要求を受け取った場合、追加接続要求に含まれる接続先情報に基づき、第1の端末装置と、第1のユーザーの通信端末装置と、第2のユーザーの通信端末装置と、を接続することで、第1の端末装置のユーザーと、第1のユーザーと、第2のユーザーとが通話可能とする。第2のユーザーは、複数のユーザーのうちの第1のユーザー以外のユーザーのうちの1人である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、介護システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、スマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図5は、介護システムにおける情報処理の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、スマートフォンに表示されるビデオ通話に係る画面の一例を示す図(その1)である。
図7図7は、スマートフォンに表示されるビデオ通話に係る画面の一例を示す図(その2)である。
図8図8は、変形例1の介護システムのシステム構成の一例を示す図である。
図9図9は、変形例2のスマートフォンに表示されるビデオ通話に係る画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0008】
本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0009】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0010】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、介護システム1000のシステム構成の一例を示す図である。図1に示されるように、介護システム1000は、システム構成として、通信装置110と、情報処理装置100と、複数のスマートフォン120(図1の例では、スマートフォン120Aと、スマートフォン120Bと、スマートフォン120C)と、を含む。介護システム1000は、情報処理システムの一例である。通信装置110は、介護対象者(要介護者)が操作する装置であって、介護対象者のベッドの近くに設置されている。介護対象者のベッドの近くとは、例えば、ベッドから介護対象者が届く範囲のことである。通信装置110は、Wi-Fi(登録商標)を介して、ネットワークに接続され、情報処理装置100と通信可能である。Wi-Fiは無線通信の一例である。また、通信装置110は、情報処理装置100を介して複数のスマートフォン120とビデオ通話可能である。通信装置110は、第1の端末装置の一例である。
情報処理装置100は、本実施形態に関する処理を実行する装置である。情報処理装置100は、サーバーであってもよいし、PC(Personal Computer)であってもよい。
スマートフォン120は、介護対象者を介護する介護者等が保持するビデオ通話可能な通信装置である。他の例として、スマートフォン120は、介護者ではなく、又は介護者と共に、介護対象者の家族が保持してもよい。
通信装置110と通話可能なスマートフォン120は、情報処理装置100に設定されている。本実施形態の例では、スマートフォン120A、スマートフォン120Bが通信装置110と通信可能なスマートフォン120として情報処理装置100に設定されているものとして説明を行う。但し、このことは本実施の形態を制限されるものではなく、通信装置110と通信可能なスマートフォン120は何台であってもよい。なお、スマートフォン120では、サーバー等からダウンロードされた本実施形態に係るアプリケーションプログラムがダウンロードされる。そして、スマートフォン120ではアプリケーションプログラムに係るアプリケーションが動作する。スマートフォン120は、通信端末装置の一例である。
通信装置110のプッシュボタン115が介護対象者によって選択されると、情報処理装置100は、通信装置110と通話可能に設定されているスマートフォン120A、スマートフォン120Bを呼び出す。スマートフォン120A、スマートフォン120Bのうちの1台のスマートフォン120が呼び出しに応じると、他のスマートフォン120に対する呼び出しは終了され、呼び出しに応じたスマートフォン120のユーザーと、通信装置110のユーザーである介護対象者とが通話可能となる。
なお、特許請求の範囲に記載の情報処理システムの一例は、情報処理装置100である。情報処理システムは1台の装置によって構成されてもよいし、複数の装置によって構成されてもよい。
【0011】
2.ハードウェア構成
(1)情報処理装置100のハードウェア構成
図2は、情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置100は、ハードウェア構成として、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、を含む。制御部201は、CPU(Central Processing Unit)等であって、情報処理装置100の全体を制御する。記憶部202は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)又はこれらの任意の組み合わせ等であって、プログラム及び制御部201がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部201が、記憶部202に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、情報処理装置100の機能等が実現される。通信部203は、情報処理装置100と他の装置との通信を司る。記憶部202は、記憶媒体の一例である。
【0012】
(2)通信装置110のハードウェア構成
図3は、通信装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。通信装置110は、ハードウェア構成として、制御部301と、記憶部302と、撮像部303と、プッシュボタン115と、通話部305と、通信部306と、を含む。制御部301は、CPU等であって、通信装置110の全体を制御する。記憶部302は、ROM、RAM、SSD又はこれらの任意の組み合わせ等であって、プログラム及び制御部301がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部301が、記憶部302に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、通信装置110の機能等が実現される。撮像部303は、例えばカメラ等であって、被写体(本実施形態の例では介護対象者)を撮像する。プッシュボタン115は、入力部の一例であって、選択されると、選択されたことを示す情報を制御部301に送信する。制御部301は、プッシュボタン115より選択されたことを示す情報を受け取ると、情報処理装置100と通信を行い、スマートフォン120との通話を求める。また、制御部301は、プッシュボタン115より選択されたことを示す情報を受け取ると、撮像部303における撮像を開始し、撮像部303で撮像された画像を、情報処理装置100を介して通話を行っているスマートフォン120に送信する。通話部305は、音声の入力及び音声の出力を制御し、スマートフォン120との通話を司る。通信部306は、通信を制御する。本実施形態の通信部306は、通信装置110とWi-FiルーターとのWi-Fi通信を制御する。
【0013】
(3)スマートフォン120のハードウェア構成
図4は、スマートフォン120のハードウェア構成の一例を示す図である。スマートフォン120は、ハードウェア構成として、制御部401と、記憶部402と、撮像部403と、入出力部404と、通話部405と、通信部406と、を含む。制御部401は、CPU等であって、スマートフォン120の全体を制御する。記憶部402は、ROM、RAM、SSD又はこれらの任意の組み合わせ等であって、プログラム及び制御部401がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部401が、記憶部402に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、スマートフォン120の機能等が実現される。上述したように、記憶部402には、ダウンロードされたアプリケーションプログラムが記憶されている。制御部401が、記憶部402に記憶されているアプリケーションプログラムに基づき処理を実行することによってアプリケーションの機能が実現される。
【0014】
撮像部403は、例えばカメラ等であって、被写体(例えば、スマートフォン120のユーザー)を撮像する。入出力部404は、例えばタッチパネルディスプレイ等であって、ユーザー操作に応じた操作情報を制御部401に入力したり、制御部401の処理の結果等を出力したりする。通話部405は、音声の入力及び音声の出力を制御し、通信装置110及び他のスマートフォン120との通話を司る。通信部406は、通信を制御する。
【0015】
3.情報処理
図5は、介護システム1000における情報処理の一例を示すシーケンス図である。
介護対象者によって、プッシュボタン115が選択されたと判定すると、シーケンスSQ501において、通信装置110の制御部301は、スマートフォン120との接続要求を情報処理装置100に対して送信する。プッシュボタン115は、接続ボタンの一例である。
通信装置110より接続要求を受信すると、シーケンスSQ502及びシーケンスSQ503において、情報処理装置100の制御部201は、接続要求を、通信装置110と通話可能なスマートフォン120として設定されているスマートフォン120(スマートフォン120A、スマートフォン120B)にそれぞれ送信する。接続要求を受信したスマートフォン120の制御部401は、呼び出し音を鳴らし、又はバイブレーションで着信をユーザーに通知させる。
シーケンスSQ502及びシーケンスSQ503の処理は、通信装置110のプッシュボタン115が選択されたことに基づく接続要求を受け取った場合、設定された複数のユーザーのスマートフォン120それぞれに対して呼び出しを行う処理の一例である。
【0016】
本実施形態では、スマートフォン120Aのユーザー(介護者A)が呼び出しに応答したものとして説明を行う。介護者Aは、第1のユーザーの一例である。
呼び出しに応答すると、シーケンスSQ504において、スマートフォン120Aの制御部401は、呼び出し応答を情報処理装置100に送信する。
呼び出し応答を受信すると、情報処理装置100の制御部201は、スマートフォン120A以外の他のスマートフォン(本実施形態の例ではスマートフォン120B)に対する呼び出しを終了する。そして、シーケンスSQ505において、情報処理装置100の制御部201は、通信装置110と、スマートフォン120Aとを接続し、ビデオ通話可能とする。図5のシーケンスSQ505は、情報処理装置100を介して、通信装置110とスマートフォン120Aとが双方向に通話可能であることを示している。
【0017】
ここで、スマートフォン120Aに表示されるビデオ通話に係る画面の一例を図6に示す。図6は、スマートフォン120Aに表示されるビデオ通話に係る画面の一例を示す図(その1)である。詳細設定ボタン601が選択されると、詳細設定画面が表示される。領域602には、通信装置110の撮像部303で撮像された介護対象者の画像が表示される。すなわち、制御部201は、通信装置110と、介護者Aのスマートフォン120Aと、が接続された場合、通信装置110の撮像部303で撮像された撮像画像を、介護者Aのスマートフォン120で表示可能とする。
通話ON/OFFボタン603が選択されると、介護対象者の通話が開始される。着信が通知され、呼び出しに応答する際にユーザーが選択するボタンが通話ON/OFFボタン603である。スクリーンショット保存ボタン604は、図6に示す画面、又は領域602に表示されている介護対象者の画像のスクリーンショットを保存するためのボタンである。スクリーンショット保存ボタン604が選択されると、図6に示す画面、又は領域602に表示されている介護対象者の画像がスマートフォン120の記憶部402に保存される。介護対象者の顔色、表示等で気になることがある場合、介護者はスクリーンショット保存ボタン604を選択する。画質設定ボタン605が選択されると、画質を調整する画面が表示される。動画保存ボタン606が選択されると、領域602に表示されている介護対象者の動画及び介護対象者と介護者Aとの音声が記憶部402に保存される。介護対象者の顔色、表示、会話の内容等で気になることがある場合、介護者は動画保存ボタン606を選択する。
【0018】
録画再生ボタン607は、動画保存ボタン606によって保存された動画を再生する際に選択される。追加接続ボタン608は、介護対象者とのビデオ通話に更に人を追加する際に選択される。例えば、介護対象者の様子、又は介護対象者との会話に関して同僚、又は上司等に相談したい場合、介護者は追加接続ボタン608を選択する。追加接続ボタン608が選択されると、通信装置110と通話可能なスマートフォン120として設定されているスマートフォン120の情報が、スマートフォン120のユーザーの情報と共に表示される。この画面において、介護者Aは、介護対象者との会話に追加したいユーザーを選択する。本実施形態の例では、スマートフォン120Bのユーザーである介護者Bを選択したものとして説明を行う。介護者Bは、第2のユーザーの一例である。なお、ここで、情報処理装置100と通話可能なスマートフォン120がスマートフォン120A以外にも複数存在する場合、介護者Aは、介護対象者との会話に追加したい複数のユーザーを選択してもよい。
【0019】
図5において、ビデオ通話に追加するユーザーが選択されると、シーケンスSQ506において、スマートフォン120Aの制御部401は、追加するユーザーとして選択されたユーザーのスマートフォン120を識別する識別情報を含む追加接続要求を、情報処理装置100に対して送信する。追加接続要求に含まれるユーザーのスマートフォン120を識別する識別情報は、追加接続要求に含まれる接続先情報の一例である。追加接続要求に含まれる接続先情報の他の例としては、追加対象のスマートフォン120の電話番号等であってもよい。
追加接続要求を受信すると、シーケンスSQ507において、情報処理装置100の制御部201は、追加接続要求を、該当するスマートフォン120(本実施形態の例では、スマートフォン120B)に送信する。追加接続要求を受信したスマートフォン120の制御部401は、呼び出し音を鳴らし、又はバイブレーションで着信をユーザーに通知させる。
【0020】
呼び出しに応答すると、シーケンスSQ508において、スマートフォン120Bの制御部401は、呼び出し応答を情報処理装置100に送信する。
シーケンスSQ509において、情報処理装置100の制御部201は、通信装置110と、スマートフォン120Aとの接続に、更にスマートフォン120Bを追加し、ビデオ通話可能とする。図5のシーケンスSQ509は、情報処理装置100を介して、通信装置110とスマートフォン120Bとが双方向に通話可能であることを示している。なお、図5では説明の簡略のため省略してあるが、情報処理装置100を介して、スマートフォン120Aと、スマートフォン120Bと、も通話可能である。
シーケンスSQ506~シーケンスSQ509の処理は、介護者Aのスマートフォン120Aから追加接続要求を受け取った場合、追加接続要求に含まれる接続先情報に基づき、通信装置110と、介護者Aのスマートフォン120と、介護者Bのスマートフォン120と、を接続することで、介護対象者と、介護者Aと、介護者Bとが通話可能とする処理の一例である。ここで、介護者Bは、通信装置110の通話先として設定された複数のユーザーのうちの介護者A以外のユーザーのうちの1人である。
【0021】
スマートフォン120Bが更に追加された際のスマートフォン120Aに表示されるビデオ通話に係る画面の一例を図7に示す。図7は、スマートフォン120Aに表示されるビデオ通話に係る画面の一例を示す図(その2)である。図7の画面では、図6の画面に比べて、追加されたユーザーの画像が領域701に表示されている。図7の画面において、例えば、動画保存ボタン606が選択されると、領域602に表示されている介護対象者の動画及び介護対象者と介護者Aと介護者Bとの音声が記憶部402に保存される。
【0022】
本実施形態によれば、介護対象者と介護者、又は介護対象者の家族等が会話している際に、すぐに他の人を呼び出して共に会話可能にすることができる。
したがって、例えば、介護対象者とのビデオ通話に最初に出た介護者が、経験が浅く、他の介護者に相談したいと思ったり、一緒に様子を確認してもらいたいと思ったりした場合でも、すぐに他の介護者等を呼び出してビデオ通話に参加させることができる。
また、通信装置110は、Wi-Fiルーターさえあれば、通信することができるため、大規模なシステム導入を行う必要がなく、安価に、かつ、速やかに介護システム1000を構築することができる。
【0023】
(変形例1)
実施形態1の変形例を説明する。図8は、変形例1の介護システム1000のシステム構成の一例を示す図である。図8の介護システム1000は、図1の介護システム1000に比べて、複数の通信装置110が含まれている。通信装置110Aは、介護対象者Aさんのベットサイドに設置されている通信装置である。通信装置110Bは、介護対象者Bさんのベットサイドに設置されている通信装置である。変形例1において、通信装置110Aと通信可能なスマートフォン120として、スマートフォン120A、スマートフォン120B、スマートフォン120Cが設定されているものとする。また、通信装置110Bと通信可能なスマートフォン120として、スマートフォン120A、スマートフォン120B、スマートフォン120Cが設定されているものとする。
【0024】
変形例1の制御部201は、通信装置110Aと、介護者Aのスマートフォン120Aと、が接続されているときに、通信装置110Bのプッシュボタン115が選択されたことに基づく接続要求を受け取った場合、通信装置110Bと通信可能なスマートフォン120として設定されている複数のスマートフォンのうち、通話中の介護者Aのスマートフォン120A以外のスマートフォン120(変形例1の例では、スマートフォン120B及びスマートフォン120B)に対して呼び出しを行う。通信装置110Bは、第2の端末装置の一例である。
【0025】
変形例1によれば、複数の通信装置110が施設等に設置されても、情報処理装置100は、適切に通信装置110と複数のスマートフォンとの接続及び通話を制御することができる。
【0026】
(変形例2)
実施形態1の変形例を説明する。図9は、変形例2のスマートフォン120Aに表示されるビデオ通話に係る画面の一例を示す図である。変形例2の制御部201は、介護対象者と、スマートフォン120Aの操作者である介護者Aと、の通話において予め定められた所定のキーワードが出た場合、介護者Aのスマートフォン120の画面に所定のキーワードに応じたメッセージ901及びメッセージに応じた通知先に通知を行うためのボタン902を表示するよう制御する。ボタン902は、所定のオブジェクトの一例である。例えば、制御部201は、トイレの回数が所定回数以下である、とか、けいれんする、等の予め定められたキーワードが、介護対象者と介護者との会話に出てきた場合、熱中症の可能性がある旨のメッセージ901と、ボタン902と、をスマートフォン120の画面に表示するよう制御する。なお、制御部201は、会話の内容等に基づき介護対象者と介護者とを分離し、介護対象者から所定のキーワードが出た場合に、所定のキーワードに応じたオブジェクトを表示するようにしてもよい。
制御部201は、ボタン902が選択されたと判定した場合、選択されたボタン902に応じた、ネットワークを介して通信可能な他の情報処理システム(変形例2の例では、提携している病院のシステム、又は消防等の緊急通報システム)に介護対象者の症状等に関する情報を送信する。
【0027】
変形例2によれば、会話の内容に応じたボタン等を画面に表示させることができる。そして、そのボタンが選択された場合、ボタンに応じたシステム(又は装置)に、通信装置110を操作するユーザーの情報を送信することができる。
他の例として、制御部201は、会話の内容ではなく、又は会話の内容と共に、介護者による呼びかけに対する応答のスピードに基づき、メッセージや所定の通知先に通知を行うためのボタンを表示するようにしてもよい。
【0028】
(変形例3)
実施形態1の変形例を説明する。変形例3の制御部201は、介護対象者と、介護者Aと、の通話において予め定められた所定のキーワードが出た場合、所定のキーワードに応じたネットワークを介して通信可能な他の情報処理システムに、介護対象者の症状等に関する情報を送信する。例えば、制御部201は、トイレの回数が所定回数以下である、とか、けいれんする、等の予め定められたキーワードが、介護対象者と介護者との会話に出てきた場合、提携している病院のシステム、又は消防等の緊急通報システム等に、介護対象者の症状等に関する情報を送信する。
【0029】
変形例3によれば、会話の内容に応じて、システム(又は装置)に、通信装置110を操作するユーザーの情報を送信することができる。
他の例として、制御部201は、会話の内容ではなく、又は会話の内容と共に、介護者による呼びかけに対する応答のスピードに基づき、他の情報処理システム、又は他の装置に介護対象者の情報を送信するようにしてもよい。
【0030】
(変形例4)
実施形態1の変形例を説明する。上述した実施形態等では、通信装置110からスマートフォン120に対して呼び出しを行う例を用いて説明を行った。しかし、スマートフォン120から通信装置110を呼び出すこともできる。制御部201は、複数のユーザーのスマートフォン120のうちの一のスマートフォン120から通信装置110に対する接続要求を受け取った場合、一のスマートフォン120と、通信装置110と、を接続することで、一のスマートフォン120のユーザーと、介護対象者と、を通話可能とする。
【0031】
変形例4によれば、スマートフォン120からも通信装置110に対して呼びかけを行うことができる。
【0032】
<付記>
発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1の端末装置と、前記第1のユーザーの通信端末装置と、が接続されているときに、第2の端末装置の接続ボタンが選択されたことに基づく接続要求を受け取った場合、前記複数のユーザーのうちの前記第1のユーザー以外のユーザーに対して呼び出しを行う、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1の端末装置と、前記第1のユーザーの通信端末装置と、が接続された場合、前記第1の端末装置の撮像部で撮像された撮像画像を、前記第1のユーザーの通信端末装置で表示可能とする、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1の端末装置のユーザーと、前記第1のユーザーと、の通話において所定のキーワードが出た場合、前記第1のユーザーの通信端末装置の画面に所定のオブジェクトを表示する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記所定のオブジェクトが選択された場合、ネットワークを介して通信可能な他の情報処理システムに前記第1の端末装置のユーザーに関する情報を送信する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1の端末装置のユーザーと、前記第1のユーザーと、の通話において所定のキーワードが出た場合、ネットワークを介して通信可能な他の情報処理システムに前記第1の端末装置のユーザーに関する情報を送信する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記複数のユーザーの通信端末装置の一の通信端末装置から前記第1の端末装置に対する接続要求を受け取った場合、前記一の通信端末装置と、前記第1の端末装置と、を接続することで、前記一の通信端末装置のユーザーと、前記第1の端末装置のユーザーと、を通話可能とする、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記第1の端末装置は、介護対象者が操作する装置であって、前記情報処理システムは、介護システムである、情報処理システム。
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、第1の端末装置の接続ボタンが選択されたことに基づく接続要求を受け取った場合、設定された複数のユーザーの通信端末装置それぞれに対して呼び出しを行い、前記複数のユーザーのうちの第1のユーザーが呼び出しに応答した場合、前記複数のユーザーのうちの前記第1のユーザー以外のユーザーに対する呼び出しを終了し、前記第1の端末装置と、前記第1のユーザーの通信端末装置と、を接続することで、前記第1の端末装置のユーザーと、前記第1のユーザーと、を通話可能とし、前記第1のユーザーの通信端末装置から追加接続要求を受け取った場合、追加接続要求に含まれる接続先情報に基づき、前記第1の端末装置と、前記第1のユーザーの通信端末装置と、第2のユーザーの通信端末装置と、を接続することで、前記第1の端末装置のユーザーと、前記第1のユーザーと、前記第2のユーザーとが通話可能とし、前記第2のユーザーは、前記複数のユーザーのうちの前記第1のユーザー以外のユーザーのうちの1人である、情報処理方法。
プログラムであって、コンピュータを、前記情報処理システムの制御部として機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0033】
例えば、上述のソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバーからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
上述した実施形態では、情報処理装置100が画面を生成し、スマートフォン120に送信するものとして説明を行った。しかし、情報処理装置100は画面を生成するためのデータをスマートフォン120に送信する。そして、スマートフォン120が情報処理装置100より受信したデータに基づき画面を生成し、表示するようにしてもよい。
【0034】
また、上述した実施形態等では、介護システム1000に情報処理装置100が含まれる構成を用いて説明を行った。しかし、情報処理装置100の機能を介護システム1000に含まれるスマートフォン120のうち、何れか1つのスマートフォン120に設けるようにしてもよい。又は、情報処理装置100の機能を介護システム1000に含まれるすべてのスマートフォン120に設けるようにしてもよい。
【0035】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0036】
100 :情報処理装置
110 :通信装置
110A :通信装置
110B :通信装置
115 :プッシュボタン
120 :スマートフォン
120A :スマートフォン
120B :スマートフォン
120C :スマートフォン
201 :制御部
202 :記憶部
203 :通信部
301 :制御部
302 :記憶部
303 :撮像部
305 :通話部
306 :通信部
401 :制御部
402 :記憶部
403 :撮像部
404 :入出力部
405 :通話部
406 :通信部
601 :詳細設定ボタン
602 :領域
603 :OFFボタン
604 :スクリーンショット保存ボタン
605 :画質設定ボタン
606 :動画保存ボタン
607 :録画再生ボタン
608 :追加接続ボタン
701 :領域
901 :メッセージ
902 :ボタン
1000 :介護システム
図1
図2
図3
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図9