(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172808
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】アラーム表示方法
(51)【国際特許分類】
G08B 23/00 20060101AFI20221110BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20221110BHJP
H04B 17/10 20150101ALI20221110BHJP
H04B 17/23 20150101ALI20221110BHJP
【FI】
G08B23/00 510D
H04M11/00 301
H04B17/10 100
H04B17/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079042
(22)【出願日】2021-05-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 安寿菜
【テーマコード(参考)】
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA19
5C087BB74
5C087DD08
5C087DD33
5C087EE05
5C087FF01
5C087GG66
5K201BA03
5K201EC08
5K201EF10
5K201FA03
5K201FA08
(57)【要約】
【課題】系統図の表示画面上に各設備のアラーム発生状況を表示するシステムにおいて、アラームの内訳や継続時間を容易に把握できるようにする。
【解決手段】本社(13)の操作端末(13-10)が、監視対象となるマイクロ受信基地局システムの設備構成を示す系統図を表示する操作画面上に、各設備のアラーム発生状況を表示し、操作画面上でのユーザ操作によりアラーム発生した設備が選択された場合に、そのアラームの内訳を示すアラーム内訳画面(31-2)をポップアップ表示する。このアラーム内訳画面(31-2)には、選択された設備で発生したアラームが複数ある場合に、これら複数のアラームそれぞれの継続時間を共通時間軸のグラフで表示される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象システムにおけるアラーム発生状況を表示するアラーム表示方法において、
前記監視対象システムの設備構成を示す系統図の表示画面上に各設備のアラーム発生状況を表示し、前記表示画面上でユーザ操作により選択された設備で発生したアラームが複数ある場合に、これら複数のアラームそれぞれの継続時間を共通時間軸のグラフで表示することを特徴とするアラーム表示方法。
【請求項2】
請求項1に記載のアラーム表示方法において、
前記グラフで表示する対象のアラームは、前記選択された設備で所定の時間区間内に発生したアラームであることを特徴とするアラーム表示方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のアラーム表示方法において、
予め重要と定めた重要アラームが発生した場合に、前記表示画面における前記重要アラームに係る表示を強調することを特徴とするアラーム表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象のシステムにおけるアラーム発生状況を表示するアラーム表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔制御監視の対象となるシステムの一例として、FPU(Field Pick-up Unit)を用いた基地局間の固定無線伝送を含むマイクロ受信基地局システムがある。
図1には、マイクロ受信基地局システムの系統例を示してある。以下では、送信点A(11)及び送信点B(14)から本社(13)へ素材を伝送する場合を例にして説明する。
【0003】
本社から遠距離にある送信点A(11)からの素材は、以下のように、基地局(12)を通して本社(13)へ無線伝送される。まず、送信点A(11)にある送信機(11-1)は、素材を無線伝送可能なマイクロ波信号に変換し、可搬アンテナ(11-2)から電波を送信する。ここで、送信機(11-1)は、SDI(Serial Digital Interface)信号を、FPUでの伝送に用いられる固定長のパケット形式のフレームフォーマットであるTS(Transport Stream)信号に符合化し、それを中間周波信号に変調後、マイクロ波帯へ周波数変換し、可搬アンテナ(11-2)へ伝送する機能を有する。
【0004】
送信点A(11)から送信された電波は、基地局(12)内の回転アンテナ(12-1)で受信され、固定受信機(12-2)に送られる。ここで、固定受信機(12-2)は、マイクロ波帯の信号を中間周波信号へ周波数変換し、TS信号へ復調し、SDI信号へ復号する機能を有する。ただし、基地局(12)内の固定受信機(12-2)においては、最小限信号劣化のないTS信号へ変換するまでの機能があればよい。得られたTS信号は、固定送信機(12-3)へ送られ、固定アンテナ(12-6)から電波で送信される。基地局(12)内の固定送信機(12-3)は、固定受信機(12-2)と同様、最小限TS信号をマイクロ波帯へ変換する機能があればよい。
基地局(12)から送信された電波は、本社(13)の固定アンテナ(13-1)で受信され、固定受信機(13-2)、復号部(13-5)によってSDI信号へ復号され、本線へ送られる。
【0005】
また、本社(13)から近距離にある送信点B(14)からの素材は、送信機(14-1)を通り、可搬アンテナ(14-2)から送信され、直接本社(13)の回転アンテナ(13-3)で受信され、受信機(13-4)、復号部(13-5)によって復号され、本線へ送られる。
【0006】
このシステムを用いた無線伝送では、基地局(12)において、送信点からの電波を如何に効率よく受信できるかが重要となってくる。つまり、送信点の位置によって、基地局(12)内の回転アンテナ(12-1)は方向を変えられなければならない。そのため、マイクロ受信基地局システムでは、回転アンテナ(12-1)は、本社(13)からの遠隔制御により回転が可能な回転架台となっている。その制御監視方法は次の通りである。
【0007】
本社(13)内では、操作端末(13-10)よりネットワークに送信された制御パケットは、制御端局(13-9)で受信され、シリアル信号に変換される。ここで、ネットワークに複数の操作端末(13-10)及び複数の制御端局(13-9)をつなげ、それぞれの機器IDによって送信・受信相手を特定し送受信が可能であることはもちろんである。シリアル信号は、更に変復調部(13-8)において、例えばアナログ信号に変調され、基地局(12)へ向けて送信される。
本社(13)から送信されたアナログ信号は、基地局(12)内の変復調部(12-5)で受信され、シリアル信号に復調後、被制御端局(12-4)へ送信される。被制御端局(12-4)は、その制御信号を解読し、回転アンテナ(12-1)の制御を行う。
【0008】
回転アンテナ(12-1)における角度などの監視情報は、監視信号として被制御端局(12-4)へ送られる。被制御端局(12-4)は、その情報をシリアル信号として変復調部(12-5)へ送信し、変復調部(12-5)は、例えばアナログ信号に変調し、本社(13)に向けて送信する。
本社(13)内の変復調部(13-8)は、受信した信号をシリアル信号へ復調し、制御端局(13-9)へ送信する。制御端局(13-9)は、受信したシリアル信号を解読し、監視パケットをネットワークへ送信する。操作端末(13-10)は、監視パケットを受信し、端末上に情報として表示する。
【0009】
以上のようにして、基地局(12)内の回転アンテナ(12-1)の制御監視が可能であるが、このマイクロ受信基地局システムでは、基地局(12)に設置された固定受信機(12-2)や固定送信機(12-3)における受信・送信レベル、送受信チャンネル(周波数帯)、変調方式、送信出力、復号方式、また例えば信号切替器の接点選択、信号多重・分離装置の信号入力・出力選択などは、回転アンテナ(12-1)へのそれと同様に、操作端末(13-10)-制御端局(13-9)-被制御端局(12-4)-制御装置の一連の信号伝達によって制御監視可能である。
また、送信点B(14)からの素材伝送のように本社に直接送信する場合は、操作端末(13-10)-制御端局(13-9)-制御装置という信号伝達経路を用いて、本社(13)に存在する回転受信アンテナ装置(13-3)や受信部(13-4)などの装置に対して制御監視が可能である。
【0010】
また、当該システムでは、受信アンテナの方向調整を行うための参考となる情報として、受信機(12-2、13-4)における受信周波数や変調方式などの伝送パラメータを含むTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control;伝送多重制御信号)情報、受信レベル、余裕度(Margin Degree)、BER(Bit Error Rate;符号誤り率)、MER(Modulation Error Ratio;変調誤差比)、遅延プロファイル、コンスタレーションなどのデータをTS信号に重畳させて本社(13)へ伝送し、情報生成部(13-6)によって分離し、情報編集部(13-7)によって編集し、操作端末(13-10)上に表示させる方法がある。
【0011】
このような技術分野の従来技術として、以下のようなものがある。例えば、特許文献1には、地形や建物等の障害物に起因して撮影目標の撮影が不可能となる撮影障害の回避に関する支援を行う発明が開示されている。また、特許文献2には、伝送路及び障害領域の表示をより明解にし、ユーザの伝送可否判断をより迅速かつ効果的に支援する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2014-110577号公報
【特許文献2】国際公開第2010/109769号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図2には、本社(13)の操作端末(13-10)によって提供される従来の操作画面例を示してある。同図の操作画面は、特にマイクロ受信基地局システムの運用を想定したものであり、
図1のような系統を簡略的に表している。遠隔制御監視システムの操作画面の中で、系統の画面表示(
図2)は、システム全体の稼働状況をユーザに対して視覚的に簡単に把握させる意図があるため、複雑すぎずシンプルな構成で表示する傾向にある。例えば、基地局Aの設備(21)の中の回転アンテナ(21-1)に障害が発生した際は、その下部のアラーム表示部(21-2)が赤く点灯することで、回転アンテナのいずれかの箇所に障害が発生したことをトータルアラームとして表示する。また、回転アンテナの偏波面の状態(21-3)を表示する等、リアルタイムのシステム稼働状況を簡単に把握するための必要最低限の情報を纏めたものとなっている。
【0014】
しかしながら、上記の操作画面では、アラームが発生した設備は把握できるものの、具体的なアラーム内容やその継続時間は把握できないため、アラームの発生原因や対処方法を推測することは困難であり、障害復旧までに長時間を要する場合があった。
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、系統図の表示画面上に各設備のアラーム発生状況を表示するシステムにおいて、具体的なアラーム内容やその継続時間を容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明では、以下のようなアラーム表示方法を提供する。
すなわち、監視対象システムにおけるアラーム発生状況を表示するアラーム表示方法において、監視対象システムの設備構成を示す系統図の表示画面上に各設備のアラーム発生状況を表示し、表示画面上でユーザ操作により選択された設備で発生したアラームが複数ある場合に、これら複数のアラームそれぞれの継続時間を共通時間軸のグラフで表示することを特徴とする。
【0016】
ここで、グラフで表示する対象のアラームは、選択された設備で所定の時間区間内に発生したアラームであってもよい。
【0017】
また、予め重要と定めた重要アラームが発生した場合に、表示画面における重要アラームに係る表示を強調するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るアラーム表示方法によれば、系統図の表示画面上に各設備のアラーム発生状況を表示するシステムにおいて、具体的なアラーム内容やその継続時間を容易に把握できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】マイクロ受信基地局システムの系統例を示す図である。
【
図2】従来の遠隔制御監視システムの操作画面例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る遠隔制御監視システムの操作画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図3には、本発明の一実施形態に係る遠隔制御監視システムの操作画面例を示してある。同図の操作画面は、特にマイクロ受信基地局システムの運用を想定したものであり、
図1のような系統を簡略的に表している。このような操作画面は、例えば、本社(13)の操作端末(13-10)に表示される。
【0021】
本提案に係る操作画面は、基本的な構成は従来のもの(
図2)と同様であり、基地局(12)の設備構成を模式的に表す基地局設備内容ウィンドウ(21)と、本社(13)の設備構成を模式的に表す本社設備内容ウィンドウ(22)とを有する。
【0022】
基地局設備内容ウィンドウ(21)は、基地局(12)の設備構成を表す表示要素として、回転アンテナ(12-1)に対応する回転アンテナ制御ボタン(21-1)と、固定受信機(12-2)に対応する固定受信機制御ボタン(21-4)と、固定送信機(12-3)に対応する固定送信機制御ボタン(21-6)と、固定アンテナ(12-6)に対応する固定アンテナ表示部(21-9)と、被制御端局(12-4)に対応する構成設備制御ボタン(21-10)と、変復調部(12-5)に対応する変復調部表示部(21-12)とを有する。
【0023】
また、回転アンテナ制御ボタン(21-1)、固定受信機制御ボタン(21-4)、固定送信機制御ボタン(21-6)、構成設備制御ボタン(21-10)、変復調部表示部(21-12)の近傍には、回転アンテナアラーム表示部(21-2)、受信機アラーム表示部(21-5)、固定送信機アラーム表示部(21-7)、構成設備アラーム表示部(21-11)、変復調部アラーム表示部(21-13)がそれぞれ設けられている。これらアラーム表示部は、それに対応する設備でアラームが発生した場合に所定色(例えば、赤色)に点灯する。更に、回転アンテナ制御ボタン(21-1)の近傍には、回転アンテナ(12-1)の偏波面の状態を表す回転アンテナ偏波面表示部(21-3)も設けられている。また、固定送信機制御ボタン(21-6)の近傍には、固定送信機(12-3)の出力レベルを表す固定送信機出力レベル表示部(21-8)も設けられている。
【0024】
本社設備内容ウィンドウ(22)は、本社(13)の設備構成を表す表示要素として、固定アンテナ(13-1)に対応する固定アンテナ表示部(22-1)と、固定受信機(13-2)に対応する固定受信機制御ボタン(22-2)と、回転アンテナ(13-3)に対応する回転アンテナ制御ボタン(22-4)と、受信機(13-4)に対応する受信機制御ボタン(22-6)と、変復調部(13-8)に対応する変復調部表示部(22-8)と、制御端局(13-9)に対応する構成設備制御ボタン(22-10)とを有する。
【0025】
また、固定受信機制御ボタン(22-2)、回転アンテナ制御ボタン(22-4)、受信機制御ボタン(22-6)、変復調部表示部(22-8)、設備制御ボタン(22-10)の近傍には、固定受信機アラーム表示部(22-3)、回転アンテナアラーム表示部(22-5)、受信機アラーム表示部(22-7)、変復調部アラーム表示部(22-9)、構成設備アラーム表示部(22-11)が設けられている。これらアラーム表示部は、それに対応する設備でアラームが発生した場合に所定色(例えば、赤色)に点灯する。
【0026】
本提案に係る操作画面の主な特徴は、上記のようなアラーム表示部によるトータルアラーム表示に加え、ユーザ操作により選択された設備で発生したアラームの内訳を示すグラフをポップアップ表示することである。例えば、基地局(12)の変復調部(12-5)で障害が発生したとする。この場合、基地局設備内容ウィンドウ(21)内の変復調部アラーム表示部(21-13)が点灯する。これにより、操作端末(13-10)の画面を見たユーザは、基地局(12)の変復調部(12-5)で障害が発生したことを把握することができる。このとき、ユーザが操作端末(13-10)のカーソル(31-1)を移動させて変復調部表示部(21-12)に重ねることで、カーソル(31-1)の近傍位置にアラーム内訳画面(31-2)がポップアップ表示される。
【0027】
図3に例示するアラーム内訳画面(31-2)には、変復調部(12-5)で発生したアラームの内訳として、FANアラーム、電源1アラーム、電源2アラーム、通信アラームといった4つのアラーム項目それぞれのアラーム継続時間がグラフ表示されている。したがって、ユーザは、変復調部(13-8)でのアラーム発生状況を確認できるだけでなく、変復調部(13-8)を選択した際にポップアップ表示されるアラーム内訳画面(31-2)を通じて具体的なアラーム内容を把握することが可能となる。
【0028】
また、本例のアラーム内訳画面(31-2)は、アラーム確認時点を起点とした前後10分間のうちに変復調部(12-5)で発生した各アラームを対象にして、それぞれのアラームの継続時間を共通の時間軸で表している。このように、所定の時間区間内における複数のアラームの継続時間を同時刻系列のグラフで表現することで、各アラームの時系列的な発生状況をユーザが直感的に把握できるようになる。このため、ユーザとメーカー担当者間の状況確認及び情報伝達の際に、従来よりも多くの情報を短時間で伝えることが可能となる。
【0029】
ここで、アラーム確認時点は、ポップアップ表示の対象となる設備をユーザが選択した際(本例では、該当設備にカーソルを重ねた際)に、ユーザによって指定される。なお、ユーザにアラーム確認時点を指定させる際に、アラーム確認時点の初期値(例えば、現在時刻や、現在時刻から所定時間を遡った時刻など)を予め設定しておくことで、アラーム確認時点の指定を簡易化することも可能である。また、アラーム確認時点を起点とした時間区間の長さは、予め設定されていてもよく、ユーザが指定してもよい。
【0030】
また、本例のアラーム内訳画面(31-2)では、アラーム確認時点から現在時刻までアラームが継続しているアラーム項目のグラフ色を他のアラーム項目とは異なる色(例えば、赤色)にして差別化している。これにより、現時点で障害が発生しているアラーム項目を一目で把握できるようになるため、障害発生時の原因特定を更に容易化することが可能となる。
【0031】
なお、アラーム発生時において、万が一放送停止に繋がるような重大な放送事故として扱われる事象だった場合、それが親局であれば、放送停止が15分継続すると総務省への報告義務が発生する。そこで、このような報告義務が発生するようなアラームを予め重要アラームとしてシステムに登録しておき、重要アラームが発生した場合には、操作画面上の該当する設備のアラーム表示部及びアラーム内訳画面(ポップアップウィンドウ)の枠や文字を強調するようにしてもよい。これにより、重要アラームの発生をユーザに注意喚起して、早期の復旧に向けて迅速に行動を促すことが可能となる。
【0032】
以上のように、本例の遠隔制御監視システムでは、本社(13)の操作端末(13-10)が、監視対象となるマイクロ受信基地局システムの設備構成を示す系統図を表示する操作画面上に、各設備のアラーム発生状況を表示し、操作画面上でのユーザ操作によりアラーム発生した設備が選択された場合に、そのアラームの内訳を示すアラーム内訳画面(31-2)をポップアップ表示する。このアラーム内訳画面(31-2)には、選択された設備で発生したアラームが複数ある場合に、これら複数のアラームそれぞれの継続時間を共通時間軸のグラフで表示される。
【0033】
このような構成によれば、系統図を表示する操作画面上で各設備のアラーム発生状況を確認できるだけでなく、具体的なアラーム内容やその継続時間を容易に把握できるようになる。また、各アラームの発生時刻の連なりを視覚的に確認することもできる。その結果、障害発生時の要因特定を従来手法よりも容易に行うことが可能となる。更に、該当設備からアラームログを抽出することなく、具体的なアラーム内容とその継続時間を確認することができるため、設備メーカーに問い合わせる前にユーザ自身がアラーム原因を推定することが可能となる。例えば、全てのアラーム項目でアラームが発生していた場合、電源供給元に原因があるのではないかという推測が成り立つため、その確認や対処をユーザ自身が行うことが可能となる。したがって、障害復旧までの必要時間を従来に比べて短縮できるようになる。
【0034】
なお、上記の例では、アラーム内訳画面の表示を希望する設備の表示部にカーソルが重ねられた場合にアラーム内訳画面をポップアップ表示したが、設備の選択を他のユーザ操作により行うようにしてもよい。例えば、アラーム内訳画面の表示を希望する設備の表示部をクリックした場合に、アラーム内訳画面をポップアップ表示するようにしてもよい。また、アラーム内訳画面をポップアップ表示する位置は、カーソルの近傍位置(すなわち、ユーザ操作により選択された設備の近傍位置)に限定されず、他の位置にポップアップ表示をしてもよい。この場合、選択された設備とポップアップ表示したアラーム内訳画面との関係が把握し易くなるように、これらをラインで繋ぐ等の補助表示を更に行ってもよい。
【0035】
以上、本発明について一実施形態に基づいて説明したが、本発明はここに記載された構成に限定されるものではなく、他の構成のシステムに広く適用することができることは言うまでもない。
また、本発明は、例えば、上記の処理に関する技術的手順を含む方法や、上記の処理をプロセッサにより実行させるためのプログラム、そのようなプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
【0036】
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。更に、本発明の範囲は、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画され得る。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、系統図の表示画面上に各設備のアラーム発生状況を表示するシステムに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
11:送信点A、 11-1:送信機、 11-2:可搬アンテナ、 12:基地局、 12-1:回転アンテナ、 12-2:固定受信機、 12-3:固定送信機、 12-4:被制御端局、 12-5:変復調部、 12-6:固定アンテナ、 13:本社、 13-1:固定アンテナ、 13-2:固定受信機、 13-3:回転アンテナ、 13-4:受信機、 13-5:復号部、 13-6:情報生成部、 13-7:情報編集部、 13-8:変復調部、 13-9:制御端局、 13-10:操作端末、 14:送信点B、 14-1:送信機、 14-2:可搬アンテナ、 21:基地局設備内容ウィンドウ、 21-1:回転アンテナ制御ボタン、 21-2:回転アンテナアラーム表示部、 21-3:回転アンテナ偏波面表示部、 21-4:固定受信機制御ボタン、 21-5:受信機アラーム表示部、 21-6:固定送信機制御ボタン、 21-7:固定送信機アラーム表示部、 21-8:固定送信機出力レベル表示部、 21-9:固定アンテナ表示部、 21-10:構成設備制御ボタン、 21-11:構成設備アラーム表示部、 21-12:変復調部表示部、 21-13:変復調部アラーム表示部、 22:本社設備内容ウィンドウ、 22-1:固定アンテナ表示部、 22-2:固定受信機制御ボタン、 22-3:固定受信機アラーム表示部、 22-4:回転アンテナ制御ボタン、 22-5:回転アンテナアラーム表示部、 22-6:受信機制御ボタン、 22-7:受信機アラーム表示部、 22-8:変復調部表示部、 22-9:変復調部アラーム表示部、 22-10:構成設備制御ボタン、 22-11:構成設備アラーム表示部、 31-1:カーソル、 31-2:アラーム内訳画面