(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172821
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】花包装シート及び該花包装シートを用いた花包装方法
(51)【国際特許分類】
B65D 65/02 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
B65D65/02 E
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079069
(22)【出願日】2021-05-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】521196349
【氏名又は名称】株式会社マル源
(74)【代理人】
【識別番号】100148792
【弁理士】
【氏名又は名称】三田 大智
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆之
【テーマコード(参考)】
3E086
【Fターム(参考)】
3E086AB01
3E086AD30
3E086BA04
3E086BA14
3E086BA15
3E086BA19
3E086BA50
3E086CA19
(57)【要約】
【課題】 従来の花包装シートにはない画期的な重ね構造により、画期的なデザインアレンジを行うことができる、花包装シートの提供。
【解決手段】 本発明に係る花包装シートは、第一シートと第二シートを重ねて成り、該第一シート又は/及び該第二シートにスリットを備え、該スリットを介して上記第一シートと上記第二シートの上下関係が入れ替わる構造を有していることにより、上記第一シートと上記第二シートの双方を露見させたデザインアレンジをはじめとした多彩なデザインアレンジが可能となる。また、花包装シートの全体形状が矩形状ではない形状も実現することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一シートと第二シートを重ねて成り、該第一シート又は/及び該第二シートにスリットを備え、該スリットを介して上記第一シートと上記第二シートの上下関係が入れ替わる構造を有していることを特徴とする花包装シート。
【請求項2】
上記第一シートと上記第二シートとが異なる色のシートであることを特徴とする請求項1記載の花包装シート。
【請求項3】
上記第一シートと上記第二シートとが同一形状且つ同一面積のシートであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の花包装シート。
【請求項4】
上記第一シート及び上記第二シートは単数枚又は複数枚であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の花包装シート。
【請求項5】
上記スリットは当該スリットを備えるシートの中心点を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の花包装シート。
【請求項6】
上記第一シートと上記第二シートを接着しないことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の花包装シート。
【請求項7】
上記請求項1乃至請求項6に示す花包装シートを用いた花包装方法であって、生花又は造花を花束にし又は花鉢内に植え、該花束又は花鉢を上記花包装シートで包むことを特徴とする花包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生花や造花を花束や鉢植えにしたものを煌びやかに包装するための包装シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレゼント用又はディスプレー用の花束や花鉢を包装シートで包むことにより装飾することが頻繁に行われており、種々のデザインや構造の花包装シートが開発されている。
【0003】
このような花包装シートは、一般的には単層構造の矩形状シートであり、包み方や折り方等を工夫したとしても、突出して華やかで特徴的なデザインを創出するのは難しい。また、色や模様は当該単層の花包装シート自体に委ねられることになる。
【0004】
他方、下記特許文献1に示すように、二枚のシートを重ね合わせた複合層構造の花包装シートで花束や鉢植えの花を包装することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の花包装シートは、二枚のシートを重ね合わせた複合層構造を有しているので、単層構造の花包装シートに比して、色や模様のバリエーションをつけることが可能となると共に、複雑で高度なデザインを創出し易くなる。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の花包装シートにあっては、二枚のシートを単に重ね合わせているだけであるので、その重ね順(積層順)が不動であり、当該シートで花束等を包んだときには、外側に露見するシートと、内側に配されるシートは常に一定である。
【0008】
そのため、重なった双方のシートの色やデザインを活かすためには、例えば、内側に配されるシートの面積を、外側に露見するシートの面積よりも大きくして、内側に配されるシートを目立たせる等の工夫が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した従来の花包装シートにはない画期的な重ね構造により、画期的なデザインアレンジを行うことができる、花包装シートを提供する。
【0010】
要述すると、本発明に係る花包装シートは、第一シートと第二シートを重ねて成り、該第一シート又は/及び該第二シートにスリットを備え、該スリットを介して上記第一シートと上記第二シートの上下関係が入れ替わる構造を有していることにより、上記第一シートと上記第二シートの双方を露見させたデザインアレンジをはじめとした多彩なデザインアレンジが可能となる。また、花包装シートの全体形状が矩形状ではない形状も実現することができる。
【0011】
好ましくは、上記第一シートと上記第二シートとを異なる色のシートとすることにより、上記第一シートと上記第二シートの双方を露見させたデザインアレンジに効果的にバリエーションをつけることができる。
【0012】
また、上記第一シートと上記第二シートとを同一形状且つ同一面積のシートとすることにより、上記第一・第二シートの双方をぴったりと重ねる等、花包装シートの全体形状をシンメトリーな形状にすることができ、包装作業も感覚的に容易に行うことができる。
【0013】
また、上記第一シート及び上記第二シートはそれぞれ単数枚とする他、それぞれ複数枚とすることにより、さらに複雑な重ね方や折り方をして繊細なデザインアレンジを楽しむこともできる。
【0014】
好ましくは、上記スリットは当該スリットを備えるシートの中心点を含むことにより、安定して見栄えよく上記第一シートと上記第二シートを重ねることができる。
【0015】
また、上記第一シートと上記第二シートを接着しないことにより、両者を重ねた状態は維持しながらも、別々に折ることもでき、折り方をアレンジすることができる。
【0016】
本発明に係る花包装方法は、上述した本発明に係る花包装シートを用いた花包装方法であって、生花又は造花を花束にし又は花鉢内に植え、該花束又は花鉢を上記花包装シートで包むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る花包装シートは、画期的な重ね構造により、多彩なデザインアレンジを行うことができる。
【0018】
また、本発明に係る花包装方法によれば、比類ない見栄えを実現した装飾を花束や花鉢に容易に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】第二シートが複数枚の例を示す平面図である。
【
図4】花鉢を包装する様子を順を追って示す説明図であり、(A)は本発明に係る花包装シート上に鉢をセットした状態を示す平面図であり、(B)は花包装シートを上方に折り返した状態を示す説明図であり、(C)は上記(B)の状態からさらに花包装シートを折り返した状態を示す説明図である。
【
図5】
図4の説明図の続きを示す説明図であり、(A)は
図4(C)の状態からさらに花包装シートを折り返した状態を示す説明図であり、(B)は完成形を示す説明図である。
【
図6】花束を包装する様子を順を追って示す説明図であり、(A)は本発明に係る花包装シート上に花束をセットした状態を示す平面図であり、(B)は花包装シートを折り返した状態を示す説明図である。
【
図7】
図6の説明図の続きを示す説明図であり、(A)は
図6(B)の状態からさらに花包装シートを折り返した状態を示す説明図であり、(B)は完成形を示す説明図である。
【
図8】第一・第二シートの双方に切り込みを設けた例を示すための図であり、(A)は第一シートの平面図、(B)は第二シートの平面図である。
【
図9】
図8に示した第一・第二シートから成る花包装シートを示す平面図である。
【
図10】第一・第二シートの双方に切り込みを設けた例の他例を示すための図であり、(A)は第一シートの平面図、(B)は第二シートの平面図である。
【
図11】
図10に示した第一・第二シートから成る花包装シートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る花包装シートの好適な実施例について、
図1乃至
図11に基づき説明する。
【0021】
<基本構造>
本発明に係る花包装シートSは、
図1に示すように、第一シート1と第二シート2を重ねて成り、該第一シート1にスリット1aを備え、該スリット1a内に第二シート2の一部を差し入れるようにして第一・第二シート1・2が重なる構造となっている。
【0022】
そのため、本発明に係る花包装シートSは、
図2に示すように、第一シート1に備えたスリット1aを介して、第一シート1と第二シート2の上下関係(重ね順)が入れ替わる基本構造を有している。
【0023】
なお、上述のように、第一シート1に備えたスリット1aを介して第一シート1と第二シート2を重ねる他、具体的には図示しないが、第二シート2にスリットを備え、該スリットを介して第一シート1と第二シート2を重ねることも、実施に応じ任意である。このように、第一シート1と第二シート2の一方にスリットを備える場合には、
図1に示すように、スリット(スリット1a)は当該スリットを備えるシート(第一シート1)の中心点P1を含むようにすることにより、安定して見栄えよく第一シート1と第二シート2を重ねることができる。望ましくは第一シート1の中心点P1と第二シート2の中心点P2を一致させて両シートを重ねる。
【0024】
<第一シート1及び第二シート2の双方にスリットを備える構造>
本発明にあっては、上述したように、第一シート1又は第二シート2の一方にスリットを備える場合に限らず、
図8乃至
図11に示すように、第一シート1と第二シート2の双方にスリットを備えることができる。
【0025】
すなわち、
図8に示すように、第一シート1の周縁部にスリット1aを備える一方、第二シート2の周縁部にスリット2aを備え、第一シート1のスリット1a内に第二シート2の一部を差し入れる一方、第二シート2のスリット2a内に第一シート1の一部を差し入れることにより、
図9に示すように、例えば、第一シート1と第二シート2をぴったりと重ねることができる。
【0026】
また、
図10に示すように、第一シート1の角部にスリット1aを備える一方、第二シート2の角部にスリット2aを備え、第一シート1のスリット1a内に第二シート2の一部を差し入れる一方、第二シート2のスリット2a内に第一シート1の一部を差し入れることにより、
図11に示すように、例えば、全体形状が星形状になるように第一シート1と第二シート2を重ねることができる。
【0027】
<第一シート1又は/及び第二シート2を複数枚とする構造>
本発明にあっては、第一シート1及び第二シート2は、常に単数枚である必要はなく、実施に応じて、
図3に示すように、第二シート2(2′,2′′)を複数枚とすることや、具体的には図示しないが、第一シート1のみを複数枚とすること、第一シート1及び第二シート2の双方を複数枚とすることも任意である。
【0028】
このように、第一シート1と第二シート2の一方又は双方を複数枚とすることにより、さらに複雑な重ね方をして花包装シートSを構築することができると共に、包装時には複雑な折り方をした繊細なデザインアレンジを楽しむことができる。
【0029】
<第一シート1・第二シート2について>
第一シート1と第二シート2の何れも、材質に限定はなく、紙製、不織布製、プラスチックフィルム等の合成樹脂製等のシートを選択して用いることができる。なお、第一シート1と第二シート2を同じ材質のシートとすることも、異なる材質のシートとすることも可能である。
【0030】
好ましくは、第一シート1と第二シート2を異なる色のシートとすれば、後述する
図4乃至
図7に示す包み方のように、双方のシートの色を露出させることができ、両シート1・2の重ね方や花包装シートSの折り方のみならず、色でもデザインバリエーションをつけることができる。
【0031】
また、好ましくは、第一シート1と第二シート2とを同一形状且つ同一面積のシートとすれば、
図1・
図11に示すように、花包装シートSの全体形状をシンメトリーな形状にすることができる他、
図9に示すように、第一シート1と第二シート2の双方をぴったりと重ねることができ、包装作業を感覚的に容易に行うことができる。
【0032】
本発明にあっては、花包装シートSにおける第一シート1と第二シート2とを粘着テープ等で仮止めすることはあるとしても、第一シート1と第二シート2を接着して完全に固定することはしないことが望ましい。これにより、両シート1・2を重ねた状態は維持しながらも、それぞれのシートを別々に折ることもでき、花包装シートSの折り方を多彩にアレンジすることができる。
【0033】
<花包装方法>
本発明に係る花包装方法は、上述した本発明に係る花包装シートSを用いた花包装方法であって、
図4乃至
図7に示すように、花(生花又は造花)11を花束11′にし又は花鉢12内に植え、該花束11′又は花鉢12を花包装シートSで包むことを特徴とする。
【0034】
図4・
図5は花鉢12を包装する例を示している。
図4(A)に示すように、花包装シートSの中心部に花鉢12を置き、
図4(B)・(C)・
図5(A)の順に示すように、花包装シートSの周縁部を立たせるように折りながら、花鉢12の外周面に沿わせるようにしていき、
図5(B)に示すように、最後にリボン13を結べば、花鉢12にまるで着物を着せたような包装形態を付与することもできる。
【0035】
また、
図6・
図7は花束11′を包装する例を示している。
図6(A)に示すように、花包装シートSの中心部に花束11′を置き、
図6(B)・
図7(A)の順に示すように、花包装シートSで花束11′の茎部分を包むように折りながら、形を整えていき、
図7(B)に示すように、最後にリボン13を結べば、第一シート1と第二シート2が万遍なく露出した包装形態を付与することもできる。
【0036】
なお、
図4乃至
図7の包装例では、
図1に示す花包装シートSを用いた一つの包装例を示したにすぎない。よって、
図1に示す花包装シートSによる他の包装例をアレンジすることも可能であるし、
図3・
図9・
図11に示す花包装シートSを用いて
図4乃至
図7と同様な包装をすることができること、及び、
図3・
図9・
図11に示す花包装シートSそれぞれの特性を活かしたアレンジやバリエーションを楽しむことができることも勿論である。
【0037】
以上説明したように、本発明に係る花包装シートは、画期的な重ね構造により、多彩なデザインアレンジを行うことができ、様々な包装バリエーションを楽しむことができる。
【0038】
また、本発明に係る花包装方法によれば、比類ない見栄えを実現した装飾を花束や花鉢に容易に付与することができ、頗る好都合である。
【符号の説明】
【0039】
S…花包装シート、1…第一シート、1a…スリット、P1…第一シートの中心点、
2…第二シート、2′…第二シート、2′′…第二シート、2a…スリット、P2…第二シートの中心点、11…花(生花又は造花)、11′…花束、12…花鉢、13…リボン。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一シートと第二シートを重ねて成り、該第一シート又は/及び該第二シートにスリットを備え、該スリットを介して上記第一シートと上記第二シートの上下関係が入れ替わる構造を有していることを特徴とする花包装シート。
【請求項2】
上記第一シートと上記第二シートとが異なる色のシートであることを特徴とする請求項1記載の花包装シート。
【請求項3】
上記第一シートと上記第二シートとが同一形状且つ同一面積のシートであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の花包装シート。
【請求項4】
上記スリットは当該スリットを備えるシートの中心点を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の花包装シート。
【請求項5】
上記第一シートと上記第二シートを接着しないことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の花包装シート。
【請求項6】
上記請求項1乃至請求項5に示す花包装シートを用いた花包装方法であって、生花又は造花を花束にし又は花鉢内に植え、該花束又は花鉢を上記花包装シートで包むことを特徴とする花包装方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2021-11-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
上記請求項1乃至請求項5の何れかに記載の花包装シートを用いた花包装方法であって、生花又は造花を花束にし又は花鉢内に植え、該花束又は花鉢を上記花包装シートで包むことを特徴とする花包装方法。