(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172825
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】ユーザ装置及び通信制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 68/12 20090101AFI20221110BHJP
H04W 4/00 20180101ALI20221110BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20221110BHJP
【FI】
H04W68/12
H04W4/00 110
H04W88/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079080
(22)【出願日】2021-05-07
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 智之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀明
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA33
5K067BB04
5K067BB21
5K067CC12
5K067DD11
5K067DD17
5K067EE04
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE24
5K067EE56
5K067FF13
5K067HH22
5K067JJ15
(57)【要約】
【課題】ページングの通知を制御するモビリティ管理装置が適切な制御を行うことができる。
【課題手段】
第1加入者識別モジュール(111)を用いて第1ネットワーク(200A)と通信し、第2加入者識別モジュール(112)を用いて第2ネットワーク(200B)(200B)と通信するユーザ装置(100)は、前記第1ネットワーク(200A)と通信中に、前記第2ネットワーク(200B)の基地局(200、210B)が管理するセルからのページングを通知するページングメッセージを監視する制御部(130)と、前記ページングメッセージにより前記ページングの理由を示すページング理由情報を送信することを前記セルがサポートしない場合、前記ページング理由情報の送信をサポートしない非サポートセルに前記ユーザ装置(100)が在圏していることを示すNASメッセージを前記第2ネットワーク(200B)のモビリティ管理装置(221B)へ送信する通信部(120)と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1加入者識別モジュール(111)を用いて第1ネットワーク(200A)と通信し、第2加入者識別モジュール(112)を用いて第2ネットワーク(200B)と通信するユーザ装置(100)であって、
前記第1ネットワーク(200A)と通信中に、前記第2ネットワーク(200B)の基地局(200、210B)が管理するセルからのページングを通知するページングメッセージを監視する制御部(130)と、
前記ページングメッセージにより前記ページングの理由を示すページング理由情報を送信することを前記セルがサポートしない場合、前記ページング理由情報の送信をサポートしない非サポートセルに前記ユーザ装置(100)が在圏していることを示すNASメッセージを前記第2ネットワーク(200B)のモビリティ管理装置(221B)へ送信する通信部(120)と、を備える
ユーザ装置。
【請求項2】
前記制御部(130)は、
無線リソース制御(RRC)レイヤでの処理を行うRRC処理部(131)と、
前記RRCレイヤよりも上位のレイヤである非アクセス層(NAS)レイヤでの処理を行うNAS処理部(132)と、を有し、
前記RRC処理部(131)は、前記基地局(200、210B)からのRRCメッセージに基づいて、前記セルが前記ページング理由情報の送信をサポートするか否かを示すサポート情報を前記NAS処理部(132)に提供する処理を実行し、
前記NAS処理部(132)は、前記RRC処理部(131)からの前記サポート情報に応じて、前記通信部(120)により前記モビリティ管理装置(221B)へ前記NASメッセージを送信する処理を実行する
請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項3】
前記RRCメッセージは、前記ページングメッセージである
請求項2に記載のユーザ装置。
【請求項4】
前記RRC処理部(131)は、前記ユーザ装置(100)の識別子と、当該識別子に関連付けられた前記ページング理由情報とが前記ページングメッセージに含まれる場合、前記セルが前記ページング理由情報の送信をサポートすることを示す前記サポート情報を前記NAS処理部(132)に提供する
請求項3に記載のユーザ装置。
【請求項5】
前記RRCメッセージは、前記セルからブロードキャストされるシステム情報ブロック(SIB)メッセージである
請求項2から4のいずれか1項に記載のユーザ装置。
【請求項6】
前記NASメッセージは、前記NASレイヤにおけるモードをアイドルモードからコネクティッドモードに遷移するためのサービス要求メッセージ、及び、前記第2ネットワーク(200B)へ前記ユーザ装置(100)を初期登録又は登録更新するための登録要求メッセージの少なくともいずれかである
請求項1から5のいずれか1項に記載のユーザ装置。
【請求項7】
第1加入者識別モジュールを用いて第1ネットワーク(200A)と通信し、第2加入者識別モジュールを用いて第2ネットワーク(200B)と通信するユーザ装置(100)で実行される通信制御方法であって、
前記第1ネットワーク(200A)と通信中に、前記第2ネットワーク(200B)の基地局(200、210B)が管理するセルからのページングを通知するページングメッセージを監視するステップと、
前記ページングメッセージにより前記ページングの理由を示すページング理由情報を送信することを前記セルがサポートしない場合、前記ページング理由情報の送信をサポートしない非サポートセルに前記ユーザ装置(100)が在圏していることを示すNASメッセージを前記第2ネットワーク(200B)のモビリティ管理装置(221B)へ送信するステップと、を有する
通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムで用いるユーザ装置及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rdGenerationPartnershipProject)のリリース17では、複数の加入者識別モジュールを搭載したユーザ装置が、複数の通信事業者のネットワークに在圏しつつデータ通信を行う機能を策定するためのワークアイテムが立ち上がっている。
【0003】
現状、複数のネットワークに在圏するユーザ装置がページング(すなわち、着信)を受ける仕組みは標準仕様上に規定がなく、ユーザ装置の実装依存となっている。しかし、一方のネットワーク(以下、「第1ネットワーク」)と通信中に他方のネットワーク(以下、「第2ネットワーク」)から着信があった場合、ユーザ装置は着信を見逃すことになる。そのため、それぞれのネットワークと協調して複数のネットワークからの着信を受ける方法が3GPP標準化の場で検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
ユーザ装置は、第1ネットワークとの通信中に第2ネットワークからのページングを受信した場合、ページングの理由を示す情報(以下、ページング理由情報)に基づいて、第1ネットワークとの通信を第2ネットワークとの通信よりも優先するか否かを判定することが想定されている。ページング理由情報は、ページングを通知するためのメッセージ(以下、ページングメッセージ)に含まれている。ユーザ装置は、ページングメッセージを受信することで、ページング理由を把握することができる。
【0005】
例えば、ユーザ装置は、第1ネットワークとの通信を第2ネットワークとの通信よりも優先すると判定した場合、第2ネットワークのモビリティ管理装置に対してNASメッセージを送信することにより、第2ネットワークからの呼び出しに応じることができない旨を通知する。モビリティ管理装置は、NASメッセージに応じてページングを制御する(例えば、ページングを停止する)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP技術報告書:TR23.761 V1.4.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既存の基地局は、ページング理由情報をユーザ装置に送信することがサポートされていない。このため、ユーザ装置がページング理由情報を送信することをサポートしないセル(以下、非サポートセルと適宜称する)に在圏することが想定される。
【0008】
ここで、モビリティ管理装置は、ユーザ装置が非サポートセルに在圏しているにも関わらず、ユーザ装置が、ページング理由情報をユーザ装置に送信することをサポートしているセルに在圏していることを前提として動作する虞がある。その結果、モビリティ管理装置は、非サポートセルに在圏しているユーザ装置に対して適切な制御を行うことができない懸念がある。
【0009】
そこで、ページングの通知を制御するモビリティ管理装置が適切な制御を行うことができるユーザ装置及び通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様に係るユーザ装置は、第1加入者識別モジュールを用いて第1ネットワークと通信し、第2加入者識別モジュールを用いて第2ネットワークと通信するユーザ装置であって、前記第1ネットワークと通信中に、前記第2ネットワークの基地局が管理するセルからのページングを通知するページングメッセージを監視する制御部と、前記ページングメッセージにより前記ページングの理由を示すページング理由情報を送信することを前記セルがサポートしない場合、前記ページング理由情報の送信をサポートしない非サポートセルに前記ユーザ装置が在圏していることを示すNASメッセージを前記第2ネットワークのモビリティ管理装置へ送信する通信部と、を備える。
【0011】
第2の態様に係る通信制御方法は、第1加入者識別モジュールを用いて第1ネットワークと通信し、第2加入者識別モジュールを用いて第2ネットワークと通信するユーザ装置で実行される通信制御方法であって、前記第1ネットワークと通信中に、前記第2ネットワークの基地局が管理するセルからのページングを通知するページングメッセージを監視するステップと、前記ページングメッセージにより前記ページングの理由を示すページング理由情報を送信することを前記セルがサポートしない場合、前記ページング理由情報の送信をサポートしない非サポートセルに前記ユーザ装置が在圏していることを示すNASメッセージを前記第2ネットワークのモビリティ管理装置へ送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、ページングの通知を制御するモビリティ管理装置が適切な制御を行うことができるユーザ装置及び通信制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る移動通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る移動通信システムのプロトコルスタックの構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係るUE(ユーザ装置)の構成例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る基地局の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0015】
[実施形態]
(システム構成)
図1を参照して、実施形態に係る移動通信システム1の構成について説明する。以下において、移動通信システム1が3GPP規格の第5世代システム(5G/NR:New Radio)である一例を主として説明するが、移動通信システム1には、第4世代システム(4G/LTE:Long Term Evolution)システム及び/又は第6世代システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。
【0016】
図1に示すように、実施形態に係る移動通信システム1は、ユーザ装置(UE:User Equipment)100と、第1ネットワーク200Aと、第2ネットワーク200Bとを有する。
【0017】
UE100は、移動可能な無線通信装置である。UE100は、ユーザにより利用される装置であればよいが、例えば、UE100は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)やタブレット端末、ノートPC、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ若しくはセンサに設けられる装置、車両若しくは車両に設けられる装置(Vehicle UE)、飛行体若しくは飛行体に設けられる装置(Aerial UE)である。
【0018】
UE100は、複数の加入者識別モジュール(SIM:Subscriber Identity Module)に対応するマルチSIMデバイスである。UE100は、複数のSIMを用いて複数のネットワークと通信する。以下において、UE100が対応するSIMが2つである一例について主として説明するが、UE100は、3つ以上のSIMに対応していてもよい。「複数のSIMに対応する」とは、UE100が複数のSIMを取り扱う能力を有していることをいい、必ずしもUE100に複数のSIMが搭載されていなくてもよい。このようなUE100は、「複数のSIMをサポートするUE」と呼ばれることがある。なお、SIMは、カード型のSIM(いわゆる、SIMカード)に限らず、予めUE100に組み込まれた組み込み型のSIM(いわゆる、eSIM)であってもよい。SIMは、USIM(Universal Subscriber Identity Module)と呼ばれることがある。
【0019】
第1ネットワーク200Aは、UE100の一方のSIMと対応付けられたネットワークである。第2ネットワーク200Bは、UE100の他方のSIMと対応付けられたネットワークである。UE100は、一方のSIMを用いて第1ネットワーク200Aへの位置登録を行っており、他方のSIMを用いて第2ネットワーク200Bへの位置登録を行っているものとする。すなわち、UE100は、第1ネットワーク200A及び第2ネットワーク200Bのそれぞれに在圏している。第1ネットワーク200A及び第2ネットワーク200Bは、互いに異なる通信事業者のネットワークであってもよい。但し、第1ネットワーク200A及び第2ネットワーク200Bは、同一の通信事業者のネットワークであってもよい。第1ネットワーク200A及び第2ネットワーク200Bには、互いに異なるPLMN(Public Land Mobile Network) IDが割当てられていてもよい。
【0020】
第1ネットワーク200Aは、無線アクセスネットワークを構成する基地局210Aと、コアネットワーク220Aとを有する。コアネットワーク220Aは、モビリティ管理装置221Aと、ゲートウェイ装置222Aとを有する。同様に、第2ネットワーク200Bは、無線アクセスネットワークを構成する基地局210Bと、コアネットワーク220Bとを有する。コアネットワーク220Bは、モビリティ管理装置221Bと、ゲートウェイ装置222Bとを有する。以下において、基地局210A及び200Bを区別しないときは単に基地局210と呼び、モビリティ管理装置221A及び221Bを区別しないときは単にモビリティ管理装置221と呼び、ゲートウェイ装置222A及び222Bを区別しないときは単にゲートウェイ装置222と呼ぶ。
【0021】
基地局210は、UE100との無線通信を行う無線通信装置である。基地局210は、1又は複数のセルを管理する。基地局210は、自セルとの無線リソース制御(RRC)レイヤにおける接続を確立したUE100との無線通信を行う。基地局210は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数に属する。
図1において、基地局210AがセルC1を管理し、基地局210BがセルC2を管理する一例を示している。UE100は、セルC1及びセルC2の重複領域に位置している。
【0022】
基地局210は、5G/NRの基地局であるgNB、又は4G/LTEの基地局であるeNBであってもよい。以下において、基地局210がgNBである一例について主として説明する。基地局210は、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とに機能分割されていてもよい。基地局210は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ノード等の中継ノードであってもよい。
【0023】
モビリティ管理装置221は、制御プレーンに対応した装置であって、UE100に対する各種モビリティ管理を行う装置である。モビリティ管理装置221は、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信し、UE100が在圏するトラッキングエリアの情報を管理する。モビリティ管理装置221は、UE100に対して着信を通知するために、基地局210を通じてページングを行う。モビリティ管理装置221は、5G/NRのAMF(Access and Mobility Management Function)、又は4G/LTEのMME(Mobility Management Entity)であってもよい。
【0024】
ゲートウェイ装置222は、ユーザプレーンに対応した装置であって、UE100のデータの転送制御を行う装置である。ゲートウェイ装置222は、5G/NRのUPF(User Plane Function)、又は4G/LTEのS-GW(Serving Gateway)であってもよい。
【0025】
(プロトコルスタックの構成例)
図2を参照して、移動通信システム1のプロトコルスタックの構成例について説明する。
図2に示すように、UE100と基地局210との間の無線区間のプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、RRC(Radio Resource Control)レイヤとを有する。
【0026】
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤと基地局210のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0027】
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤと基地局210のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。基地局210のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースを決定する。
【0028】
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤと基地局210のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0029】
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0030】
PDCPレイヤの上位レイヤとしてSDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤが設けられていてもよい。SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤは、コアネットワークがQoS制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。
【0031】
RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCレイヤと基地局210のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。UE100のRRCと基地局210のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態にある。UE100のRRCと基地局210のRRCとの間にRRC接続がない場合、UE100はRRCアイドル状態にある。UE100のRRCと基地局210のRRCとの間のRRC接続がサスペンドされている場合、UE100はRRCインアクティブ状態にある。
【0032】
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、UE100のセッション管理及びモビリティ管理を行う。UE100のNASレイヤとモビリティ管理装置221のNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。
【0033】
なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。
【0034】
(選択動作の概要)
UE100は、キャンプオンセルを選択する選択動作として、セル選択動作又はセル再選択動作を行うことができる。UE100は、例えば、以下のいずれかの場合に、選択動作を実行できる。
・新たなPLMN又は新たなSNPN(Stand-alone Non-Public Network)が選択された場合
・UE100にUSIMが挿入された場合又はSNPNサブスクリプションが追加された場合
・適切なセル(suitable cell)が見つからない場合
・RRCコネクティッド状態からRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態へ遷移する場合
【0035】
(A)セル選択動作
セル選択動作では、UE100は、周波数帯域をサーチして、各周波数について最も強いセル(例えば、CD-SSB(cell-defining SS/PBCH Block)の検出レベルが最も高いセル、CD-SSBの受信電力(RSRP)が最も大きいセル、又は、CD-SSBの受信品質(RSRQ)が最も高いセル)を識別する。次に、UE100は、最も強いセルの中から適切なセルを識別する。UE100は、適切なセルを識別できない(すなわち、適切なセルが見つからない)場合、許容可能なセルを識別する。UE100は、適切なセルを識別できた(すなわち、適切なセルが見つかった)場合、適切なセルをキャンプオンセルとして選択する。UE100は、許容可能なセルのみを識別できた(すなわち、許容可能なセルが見つかった)場合、許容可能なセルをキャンプオンセルとして選択する。
【0036】
なお、適切なセルは、測定されたセルの無線品質がセル選択基準を満たすセルである。適切なセルのPLMNは、選択されたPLMN、登録されたPLMN又はそれらのPLMNと等しいPLMNである。適切なセルは、禁止セル又は予約セルではなく、かつ「ローミング用の禁止されたトラッキングエリア」のリストに含まれるトラッキングエリアの一部ではない。許容可能なセルは、測定されたセルの無線品質がセル選択基準を満たすセルであり、且つ禁止セルではない。
【0037】
セル選択基準は、例えば、Srxlev>0且つSqual>0である。Srxlevは、セル選択受信電力を表している。Srxlevは、Srxlev=Qrxlevmeas-(Qrxlevmin+Qrxlevminoffset)-Pcompensation-Qoffsettempによって算出される。Qrxlevmeasは、測定されたセルの受信電力(RSRP)である。Qrxlevminは、最小要求受信電力である。Qrxlevminoffsetは、定常的に適用される所定オフセットである。Pcompensationは、アップリンクの能力に関するパラメータである。Qoffsettempは、一時的に適用されるオフセットである。Squalは、セル選択品質レベルを表している。Squalは、Squal=Qqualmeas-(Qqualmin+Qqualminoffset)-Qoffsettempによって算出される。Qqualmeasは、測定されたセルの品質レベル(RSRQ)である。Qqualminは、最小要求品質レベルである。Qqualminoffsetは、定常的に適用される所定オフセットである。Qoffsettempは、一時的に適用されるオフセットである。
【0038】
(B)セル再選択動作
セル再選択動作では、UE100は、サービングセル及び隣接セルの無線品質を測定する。UE100は、例えば、以下の基準に基づいて、サービングセルとして用いるキャンプオンセルを選択する。UE100は、周波数の優先度によって、選択するセルの優先度を判定する。UE100は、現在のサービングセルにキャンプしてから1秒以上経過した場合に、以下の基準に基づいて、キャンプオンセルを選択してよい。
【0039】
(B1)隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの周波数の優先度よりも高い:
UE100は、所定期間(例えば、TreselectionRAT)に亘ってSqual>ThreshX,HighQの関係を満たすセル、若しくは、所定期間に亘ってSrxlev>ThreshX,HighPの関係を満たすセルを選択する。ThreshX,HighP及びThreshX,HighQのそれぞれは、所定の閾値である。
【0040】
(B2)隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの周波数の優先度と同じである:
UE100は、現在のサービングセルのランキングRs及び隣接セルのランキングRnを算出する。UE100は、所定期間に亘ってRsよりも高いランキングRnを有するセルをキャンプオンセルとして選択する。
【0041】
Rsは、Rs=Qmeas,s+Qhyst-Qoffsettempによって算出される。Rnは、Rn=Qmeas,n-Qoffset-Qoffsettempによって算出される。Qmeas,sは、現在のサービングセルの受信電力(RSRP)である。Qmeas,nは、隣接セルの受信電力(RSRP)である。Qhystは、現在のサービングセルが再選択されやすくするためのヒステリシス値である。Qoffsettempは、一時的に適用されるオフセットである。
【0042】
(B3)隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの周波数の優先度よりも低い:
UE100は、所定期間に亘ってSqual<ThreshServing,LowQ若しくは、Srxlev<ThreshServing,LowPの関係をサービングセルが満たすという前提下において、所定期間に亘ってSqual>ThreshX,LowQの関係を満たすセル、若しくは、所定期間に亘ってSrxlev>ThreshX,LowPの関係を満たすセルを選択する。ThreshX,LowP及びThreshX,LowQのそれぞれは、所定の閾値である。
【0043】
セルの選択で用いる各種パラメータは、基地局210からブロードキャストされる情報(SIB:System Information Block)に含まれる。各種パラメータは、周波数の優先度(例えば、cellReselectionPriority、cellReselectionSubPriority)、所定期間(TreselectionRAT)、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffsettemp、Qhyst、Qoffset)、各種閾値(ThreshX,HighQ、ThreshX,HighP、ThreshServing,LowQ、ThreshServing,LowP、ThreshX,LowP、ThreshX,LowQ)を含む。cellReselectionPriorityは、8段階で周波数の優先度を示し、cellReselectionSubPriorityは、4段階で周波数のサブ優先度を示す。これにより、周波数に最大32段階の優先度をUE100に設定することができる。周波数の優先度は、RRC解放メッセージでUE100へ通知されてよい。RRC解放メッセージで通知される周波数の優先度は、リスト形式により複数の周波数の優先度を指定できる。当該周波数の優先度は、ブロードキャストされる周波数の優先度よりも優先される。UE100は、基地局210から受信した情報に基づいて、キャンプオンセルを選択する選択動作を行う。
【0044】
なお、RRC解放メッセージは、周波数を指定するキャリア情報(いわゆる、redirectedCarrierInfo)を含んでよい。キャリア情報は、周波数の優先度よりも優先される。UE100は、周波数の優先度に関係なく、キャリア情報により指定された周波数に属するセルを優先的に選択する。
【0045】
(UEの構成例)
図3を参照して、UE100の構成例について説明する。
図3に示すように、UE100は、アンテナ101と、SIM111と、SIM112と、通信部120と、制御部130とを有する。アンテナ101は、UE100の外部に設けられてもよい。SIM111及びSIM112は、SIMカード又はeSIMである。
【0046】
SIM111は、UE100が第1ネットワーク200Aと通信するために必要な加入者情報及び設定情報を記憶する。SIM111は、第1ネットワーク200AにおけるUE100の識別情報、例えば、電話番号及びIMSI(International Mobile Subscriber Identity)等を記憶する。
【0047】
SIM112は、UE100が第2ネットワーク200Bと通信するために必要な加入者情報及び設定情報を記憶する。SIM112は、第2ネットワーク200BにおけるUE100の識別情報、例えば、電話番号及びIMSI等を記憶する。
【0048】
通信部120は、制御部130の制御下で、アンテナ101を介して第1ネットワーク200Aとの無線通信及び第2ネットワーク200Bとの無線通信を行う。通信部120は、受信部(RX:Receiver)121を1つのみ有していてもよい。この場合、通信部120は、第1ネットワーク200Aからの受信及び第2ネットワーク200Bからの受信を同時に行うことができない。通信部120は、送信部(TX:Transmitter)122を1つのみ有していてもよい。但し、通信部120は、複数の送信部122を有していてもよい。受信部121は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号である受信信号に変換し、受信信号に対する信号処理を行ったうえで制御部130に出力する。送信部122は、制御部130が出力するベースバンド信号である送信信号に対する信号処理を行ったうえで無線信号に変換し、無線信号をアンテナ101から送信する。
【0049】
制御部130は、通信部120を制御するとともに、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、SIM111を用いて第1ネットワーク200Aとの通信を制御するとともに、SIM112を用いて第2ネットワーク200Bとの通信を制御する。制御部130は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。メモリは、ROM、EPROM、EEPROM、RAM及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでもよい。プロセッサは、デジタル信号のデジタル処理を行うデジタル信号プロセッサ(DSP)と、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)とを含んでもよい。なお、メモリの一部は通信部120に設けられていてもよい。また、DSPは、通信部120に設けられていてもよい。
【0050】
制御部130は、RRC処理部131と、NAS処理部132とを含む。RRC処理部131は、RRCレイヤの処理での処理を行う。NAS処理部132は、RRCレイヤよりも上位のレイヤであるNASレイヤの処理での処理を行う。なお、RRC処理部131及びNAS処理部132は、1つのプロセッサにより構成されてもよいし、複数のプロセッサにより構成されてもよい。
【0051】
このように構成されたUE100は、SIM111を用いて第1ネットワーク200Aと通信し、SIM112を用いて第2ネットワーク200Bと通信する。制御部130は、第1ネットワーク200Aと通信中に、第2ネットワーク200Bの基地局210Bが管理するセルからのページングを通知するページングメッセージを監視する。通信部120は、ページングメッセージによりページングの理由を示すページング理由情報を送信することをセルがサポートしない場合、ページング理由情報の送信をサポートしない非サポートセルにUE100が在圏していることを示すNASメッセージを第2ネットワーク200Bのモビリティ管理装置221Bへ送信する。これにより、モビリティ管理装置221Bは、UE100が非サポートセルに在圏していることを把握することができる。その結果、モビリティ管理装置221Bは、UE100がサポートセルに在圏していることを前提として動作しなくなるため、非サポートセルに在圏しているUE100に対して適切な制御を行うことができる。
【0052】
また、制御部130は、無線リソース制御(RRC)レイヤでの処理を行うRRC処理部131と、RRCレイヤよりも上位のレイヤである非アクセス層(NAS)レイヤでの処理を行うNAS処理部132と、を有してよい。RRC処理部131は、基地局210BからのRRCメッセージに基づいて、セルがページング理由情報の送信をサポートするか否かを示すサポート情報をNAS処理部132に提供する処理を実行してよい。NAS処理部132は、RRC処理部131からのサポート情報に応じて、通信部120によりモビリティ管理装置221BへNASメッセージを送信する処理を実行してよい。これにより、モビリティ管理装置221BへNASメッセージを送信する処理を実行するNAS処理部132が、UE100が在圏するセルがページング理由情報の送信をサポートするか否かを把握することができる。その結果、モビリティ管理装置221Bは、非サポートセルに在圏しているUE100に対して適切な制御を行うことができる。
【0053】
また、RRCメッセージは、ページングメッセージであってよい。これにより、UE100宛のページングが実際に発生した場合に、NAS処理部132が、UE100が在圏するセルがページング理由情報の送信をサポートするか否かを把握することができる。
【0054】
RRC処理部131は、UE100の識別子(ID)と、当該識別子に関連付けられたページング理由情報とがページングメッセージに含まれる場合、セルがページング理由情報の送信をサポートすることを示すサポート情報をNAS処理部132に提供してよい。これにより、ページングメッセージの構成を複雑にせずに、NAS処理部132が、UE100が在圏するセルがページング理由情報の送信をサポートするか否かを把握することができる。
【0055】
RRCメッセージは、セルからブロードキャストされるシステム情報ブロック(SIB)メッセージであってよい。これにより、UE100は、例えば、UE100宛のページングメッセージを受信する前に、UE100が在圏するセルがページング理由情報の送信をサポートするか否かを事前に把握することができる。その結果、UE100は、ページングメッセージが発生する前に、NASメッセージをモビリティ管理装置221Bへ送信することで、モビリティ管理装置221Bは、UE100が非サポートセルに在圏していることを把握することができる。
【0056】
NASメッセージは、NASレイヤにおけるモードをアイドルモードからコネクティッドモードに遷移するためのサービス要求メッセージ、及び、第2ネットワーク200BへUE100を初期登録又は登録更新するための登録要求メッセージの少なくともいずれかであってよい。これにより、モビリティ管理装置221Bは、既存のメッセージにより、UE100が非サポートセルに在圏していることを把握することができ、システムへの影響を少なくすることができる。また、NASメッセージが登録要求メッセージである場合、UE100の登録又は登録更新の際に、モビリティ管理装置221Bが、UE100が非サポートセルに在圏していることを把握することができる。
【0057】
なお、UE100が備える機能部(具体的には、アンテナ101と、SIM111と、SIM112と、通信部120と、制御部130(RRC処理部131及びNAS処理部132)との少なくともいずれか)の動作を、UE100の動作として説明することがある。
【0058】
(基地局の構成例)
図4を参照して、第1ネットワーク200Aの基地局210Aの構成例について説明する。なお、第2ネットワーク200Bの基地局210Bも基地局210Aと同様の構成であるため、説明を省略する。
図4に示すように、基地局210Aは、アンテナ211と、通信部212と、ネットワーク通信部213と、制御部214とを有する。
【0059】
通信部212は、制御部214の制御下で、アンテナ211を介してUE100との通信を行う。通信部212は、受信部212aと、送信部212bとを有する。受信部212aは、アンテナ211が受信する無線信号をベースバンド信号である受信信号に変換し、受信信号に対する信号処理を行ったうえで制御部214に出力する。送信部212bは、制御部214が出力するベースバンド信号である送信信号に対する信号処理を行ったうえで無線信号に変換し、無線信号をアンテナ211から送信する。
【0060】
ネットワーク通信部213は、コアネットワーク220Aと接続される。ネットワーク通信部213は、制御部214の制御下で、モビリティ管理装置221A及びゲートウェイ装置222Aとのネットワーク通信を行う。
【0061】
制御部214は、通信部212を制御するとともに、基地局210Aにおける各種の制御を行う。制御部214は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。メモリは、ROM、EPROM、EEPROM、RAM及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでもよい。プロセッサは、デジタル信号のデジタル処理を行うデジタル信号プロセッサ(DSP)と、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)とを含んでもよい。なお、メモリの一部は通信部212に設けられていてもよい。また、DSPは、通信部212に設けられていてもよい。
【0062】
なお、基地局210Aが備える機能部(具体的には、アンテナ211と、通信部212と、ネットワーク通信部213と、制御部214との少なくともいずれか)の動作を、基地局210Aの動作として説明することがある。
【0063】
(移動通信システムの動作)
移動通信システム1の動作について説明する。
【0064】
(1)第1動作例
図5を参照して、移動通信システム1の第1動作例について説明する。
図5に示す動作例おいて、UE100は、第1ネットワーク200Aの基地局210Bが管理するセルC1に在圏しており、第2ネットワーク200Bの基地局210Bが管理するセルC2に在圏している。なお、第2ネットワーク200Bのモビリティ管理装置221BがAMFであるものとして説明を進める。
【0065】
以下において、RRC処理部131及びNAS処理部132は、通信部120を介して、第2ネットワーク200Bと通信(具体的には、メッセージ等の送受信/通知)を行うが、説明を簡便にするため、通信部120を介した通信であるとの説明を適宜省略する。また、AMF221Bは、基地局210Bを介して、UE100(具体的には、NAS処理部132)と通信(メッセージ等の送受信/通知)を行うが、説明を簡便にするため、基地局210Bを介した通信であるとの説明を適宜省略する。
【0066】
ステップS101:
UE100及び第2ネットワーク200Bは、登録手順を開始する。UE100(NAS処理部132)は、登録要求メッセージをAMF221Bへ送信する。AMF221Bは、登録要求メッセージをUE100から受信する。登録要求メッセージは、第2ネットワーク200BへUE100を初期登録又は登録更新するためのメッセージである。
【0067】
NAS処理部132は、UE100の能力情報を登録要求メッセージに含めてよい。能力情報は、例えば、UE100がページング理由情報によりページング理由を把握可能であることを示す情報であってよく、UE100がページング理由情報に基づいて優先すべき通信を判定できることを示す情報であってもよい。これにより、NAS処理部132は、UE100の能力情報を第2ネットワーク200Bに送信してよい。AMF221Bは、能力情報に基づいて、UE100に対してページング理由を通知可能であることを把握できる。
【0068】
ステップS102:
AMF221Bは、登録承認メッセージをUE100へ送信する。UE100のNAS処理部132は、登録承認メッセージをAMF221Bから受信する。登録承認メッセージは、第2ネットワーク200Bへの登録又は登録更新が承認されたことを示すメッセージである。
【0069】
ステップS103:
NAS処理部132は、登録完了メッセージをAMF221Bへ送信する。AMF221Bは、登録完了メッセージをUE100から受信する。登録完了メッセージは、例えば、UE100において第2ネットワーク200Bへの登録又は登録更新の処理が正常に完了したことを示すメッセージである。
【0070】
図5に示すように、その後、UE100のRRCレイヤにおける状態は、第1ネットワーク200AについてRRCコネクティッド状態にあり、第2ネットワーク200BについてRRCアイドル状態にあるものとする。UE100は、第1ネットワーク200Aと通信中である。UE100は、例えば、第1ネットワーク200Aから、音声通話等のサービスの提供を受けている。従って、UE100は、第1ネットワーク200Aと通信中に、第2ネットワーク200BについてRRCアイドル状態にある。
【0071】
なお、UE100のNASレイヤにおけるモードは、第1ネットワーク200Aについてコネクティッドモードであり、第2ネットワーク200Bについてアイドルモードである。NASレイヤにおけるモードは、5GMM(5G Mobility Management)モードであってよい。当該モードでは、コネクティッドモードは5GMM-コネクティッドモードであり、アイドルモードは5GMM-アイドルモードであってよい。
【0072】
UE100の制御部130は、第1ネットワーク200Aと通信中に、第2ネットワーク200Bの基地局210Bが管理するセルC2からのページングを通知するページングメッセージを監視する。
【0073】
ステップS104:
AMF221Bは、UE100宛のページング要求メッセージを基地局210Bへ送信する。基地局210Bは、ページング要求メッセージをAMF221から受信する。
【0074】
ページング要求メッセージは、ページングの理由を示すページング理由情報を含む。AMF221Bは、UE100からの能力情報に基づいて、ページング理由情報をページング要求メッセージに含めてよい。ページング理由情報は、例えば、ページングの理由が音声通話であるか否かを示すものであってよい。
【0075】
ステップS105:
基地局210の通信部212は、ページング要求メッセージの受信に応じて、UE100宛のページングを通知するページングメッセージをUE100へ送信する。UE100のRRC処理部131は、UE100宛のページングメッセージを基地局210Bから受信する。
【0076】
ページングメッセージは、1以上のUE100への通知に用いられる。ページングメッセージは、RRCレイヤのメッセージである。ページングメッセージは、例えば、UE100のIDを含む。より具体的には、例えば、ページングメッセージは、ページングレコードのリストを含み、当該リスト内の1つのページングレコードは、UE100のIDを含む。例えば、当該IDは、UE100の5G-S-TMSI又はフルI-RNTI(Inactive Radio Network Temporary Identifier)である。
【0077】
基地局210Bの制御部130は、ページング理由情報をUE100に送信することがサポートされている場合、ページング理由情報をUE100に送信する。基地局210Bの制御部130は、例えば、ページングメッセージに含まれるUE100のIDにページング理由情報を関連付けてよい。RRC処理部131は、UE100のIDに関連付けられたページング理由情報に基づいて、UE100へのページングの理由を把握できる。
【0078】
また、基地局210Bの通信部212は、ページングレコード毎にページング理由情報を関連付けてもよい。RRC処理部131は、UE100のIDを含むページングレコードに関連付けれたページング理由情報に基づいて、UE100へのページングの理由を把握できる。
【0079】
また、基地局210Bの通信部212は、ページング理由毎にページングメッセージを送信してもよい。基地局210Bの通信部212は、例えば、ページング理由が音声通話であるページングを通知するための第1ページングメッセージと、ページング理由が音声通話でないページングを通知するための第2ページングメッセージと、を送信してもよい。RRC処理部131は、第1ページングメッセージにUE100の識別子が含まれることにより、ページング理由が音声通話であると把握してよい。RRC処理部131は、第2ページングメッセージにUE100の識別子が含まれることにより、ページング理由が音声通話以外の理由であると把握してよい。
【0080】
また、基地局210Bの通信部212は、ページング理由情報を含む下り制御情報(DCI)をUE100に送信してよい。RRC処理部131は、下り制御情報に含まれるページング理由情報に基づいて、UE100へのページングの理由を把握できる。
【0081】
RRC処理部131は、ページング理由情報を取得したことにより、UE100が在圏するセルC2がページング理由情報の送信をサポートしているサポートセルと判定してよい。また、RRC処理部131は、ページングメッセージ又は下り制御情報に基づいて、ページング理由を把握できた場合に、UE100が在圏するセルC2がサポートセルと判定してよい。
【0082】
一方で、基地局210Bは、ページング理由情報をUE100に送信することがサポートされていない場合、UE100にページング理由情報をUE100へ送信しなくてよい。RRC処理部131は、ページングメッセージにページング理由情報が含まれない場合、UE100が在圏するセルC2がページング理由情報の送信をサポートしていない非サポートセルと判定してよい。また、RRC処理部131は、ページングメッセージ又は下り制御情報に基づいて、ページング理由を把握できない場合に、UE100が在圏するセルC2が非サポートセルと判定してよい。
【0083】
本動作例では、基地局210Bは、ページング理由情報をUE100に送信することがサポートされていないとして説明を進める。従って、RRC処理部131は、UE100が在圏するセルC2が非サポートセルと判定する。
【0084】
ステップS106:
RRC処理部131は、ページング受信通知をNAS処理部132へ提供する。NAS処理部132は、ページング受信通知から受け取る。ページング受信通知は、UE100がページングを受信したことを通知するためのものである。RRC処理部131は、ページング受信通知により、ページングメッセージを受信したことをNAS処理部132へ示してよい。
【0085】
RRC処理部131は、ページングメッセージに基づいて、UE100が在圏するセルC2がページング理由情報の送信をサポートするか否かを示すサポート情報をNAS処理部132へ提供する。
【0086】
RRC処理部131は、セルC2がサポートセルであると判定した場合、セルC2がページング理由情報の送信をサポートすることを示すサポート情報をNAS処理部132へ提供してよい。RRC処理部131は、例えば、UE100のIDと、UE100のIDに関連付けられたページング理由情報とがページングメッセージに含まれる場合、セルC2がページング理由情報の送信をサポートすることを示すサポート情報をNAS処理部132へ提供してよい。
【0087】
RRC処理部131は、セルC2が非サポートセルであると判定した場合、セルC2がページング理由情報の送信をサポートしないことを示すサポート情報をNAS処理部132へ提供してよい。RRC処理部131は、例えば、ページング理由情報がページングメッセージに含まれない場合、セルC2がページング理由情報の送信をサポートしないことを示すサポート情報をNAS処理部132へ提供してよい。
【0088】
RRC処理部131は、例えば、サポート情報として、ページング理由情報をNAS処理部132へ提供してよい。RRC処理部131は、ページングメッセージにページング理由情報が含まれなかったことを示すサポート情報をNAS処理部132へ提供してよい。
【0089】
RRC処理部131は、セルC2がサポートセルであると判定した場合、ページング理由情報をNAS処理部132へ提供してよい。これにより、NAS処理部132は、ページング理由を把握できると共に、セルC2がサポートセルであると把握してよい。一方で、RRC処理部131は、セルC2が非サポートセルであると判定した場合、ページング理由情報を提供せずに、ページングメッセージを受信したことをNAS処理部132へ示してもよい。NAS処理部132は、ページング理由情報を提供されなかったことに応じて、セルC2が非サポートセルであると把握してよい。
【0090】
本動作例では、基地局210Bは、ページング理由情報をUE100に送信することがサポートされていないため、RRC処理部131は、セルC2がページング理由情報の送信をサポートしないことを示すサポート情報をNAS処理部132へ提供したとして説明を進める。
【0091】
NAS処理部132は、ページング受信通知を受け取ったことに応じて、優先度を判定してよい。NAS処理部132は、第1ネットワーク200との通信と、ページングに対応する第2ネットワーク200Bとの通信とのいずれを優先するか(又はいずれを好むか)を判定する。
【0092】
NAS処理部132は、例えば、ページング理由情報を受信した場合、ページング理由情報により示されるページング理由に基づいて、第1ネットワーク200との通信と、ページングに対応する第2ネットワーク200Bとの通信とのいずれを優先するかを判定する。NAS処理部132は、例えば、第2ネットワーク200Bからのページングの理由が分からない場合に、第1ネットワーク200Aとの通信を第2ネットワーク200Bとの通信よりも優先すると判定してよい。
【0093】
ステップS107:
RRC処理部131は、RRC接続を確立する処理を実行する。RRC処理部131は、RRCセットアップ手順を実行してもよいし、RRC再確立手順を実行してもよい。これにより、UE100と基地局210Bとの間にRRC接続が確立される。これにより、UE100のRRCレイヤにおける状態は、第2ネットワーク200BについてRRCコネクティッド状態に遷移する。なお、UE100は、RRCインアクティブ状態である場合、RRCレジューム手順を実行することで、RRCコネクティッド状態に遷移してもよい。
【0094】
ステップS108:
NAS処理部132は、非サポートセルにUE100が在圏していることを示すNASメッセージをAMF221Bへ送信する。AMF221Bは、登録要求メッセージをUE100から受信する。
【0095】
NAS処理部132は、例えば、セルC2がページング理由情報の送信をサポートしないことを示すサポート情報の受信に応じて、通信部120によりNASメッセージを送信する。NAS処理部132は、例えば、セルC2が非サポートセルであると把握した場合に、非サポートセルにUE100が在圏していることを示す在圏セル情報をNASメッセージに含めてよい。
【0096】
NAS処理部132は、例えば、セルC2がページング理由情報の送信をサポートすることを示すサポート情報の受信に応じて、通信部120によりNASメッセージを送信する。NAS処理部132は、例えば、セルC2がサポートセルであると把握した場合に、サポートセルにUE100が在圏していることを示す在圏セル情報をNASメッセージに含めてよい。
【0097】
NAS処理部132は、第1ネットワーク200Aとの通信を第2ネットワーク200Bとの通信よりも優先すると判定した場合に、NASメッセージとしてサービス要求メッセージを用いてビジー指示子をAMF221Bへ送信してよい。ビジー指示子は、第2ネットワーク200B以外のネットワーク(第1ネットワーク200A)との通信の優先度が第2ネットワーク200Bとの通信の優先度よりも高い場合に、第1ネットワーク200Aの通信よりも第2ネットワーク200Bの通信よりも優先することを示す情報である。ビジー指示子は、UE100がビジーであることを示してよい。
【0098】
サービス要求メッセージは、5GMM-アイドルモードから5GMM-コネクティッドモードへ5GMMモードを変更するために用いられる。サービス要求メッセージは、サービスタイプを含んでよい。サービスタイプは、サービス要求手順の目的を特定するための情報要素である。サービスタイプは、UE100がビジーであることを示してよい。
【0099】
本動作例では、NAS処理部132は、ビジー指示子と在圏セル情報とを含むNASメッセージをAMF221Bへ送信したとして説明を進める。
【0100】
ステップS109:
AMF221Bは、UE100が非サポートセルに在圏しているか否かを判定する。AMF221Bは、例えば、在圏セル情報に基づいて、UE100が非サポートセルに在圏しているか否かを判定してよい。AMF221Bは、非サポートセルにUE100が在圏していることを示す在圏セル情報に基づいて、UE100が非サポートセルに在圏していると判定してよい(YES)。AMF221Bは、サポートセルにUE100が在圏していることを示す在圏セル情報に基づいて、UE100が非サポートセルに在圏していないと判定してよい(NO)。また、AMF221Bは、在圏セル情報がNASメッセージに含まれない場合、UE100が非サポートセルに在圏していると判定してよい(YES)。
【0101】
AMF221Bは、非サポートセルに在圏しているUE100からビジー指示子を受信した場合、UE100が、通信の優先度を正しく判定できていないとみなしてよい。従って、AMF221Bは、UE100が非サポートセルに在圏していると判定した場合、ステップS110の処理を実行してよい。なお、AMF221Bは、第2ネットワーク200Bの通信の優先度が高い(例えば、ページング理由が音声通話である)場合であって、UE100が非サポートセルに在圏していると判定した場合、ステップS110の処理を実行してよい。
【0102】
AMF221Bは、サポートセルに在圏しているUE100からビジー指示子を受信した場合、UE100が、通信の優先度を正しく判定できているとみなしてよい。従って、AMF221Bは、UE100がサポートセルに在圏していると判定した場合、ステップS111の処理を実行してよい。なお、AMF221Bは、UE100が非サポートセルに在圏していると判定した場合であっても、第2ネットワーク200Bの通信の優先度が低い(例えば、ページング理由が音声通話以外である)場合には、ステップS111の処理を実行してよい。
【0103】
ステップS110:
AMF221Bは、ステップS104と同様に、ページング要求メッセージを基地局210Bへ送信する。なお、AMF221Bは、UE100が非サポートセルに在圏している場合には、ページング理由情報をページング要求メッセージに含めなくてもよい。
【0104】
その後、基地局210B及びUE100は、ステップS105、S106、S108と同様の処理を実行してよい。
【0105】
ステップS111:
AMF221Bは、ビジー指示子の受信に応じて、UE100への以降のページングを停止する。より具体的には、AMF221Bは、ページングエスカレーション及びページングの繰り返しを停止する。
【0106】
(2)第2動作例
図6を参照して、第2動作例について、上述の動作例との相違点を主として説明する。第2動作例では、第2ネットワーク200BにおいてUE100がキャンプオンセルを選択する選択動作を行うケースを説明する。
【0107】
本動作例では、第2ネットワーク200Bは、基地局210Bと基地局210Cとを有する。なお、UE100は、第1ネットワーク200AにおいてRRCコネクティッド状態であってもよいし、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態であってもよい。
【0108】
ステップS201:
基地局210Bの通信部212は、システム情報ブロック(SIB)メッセージをブロードキャストにより送信する。基地局210Bの通信部212は、セルC2を介してSIBメッセージを送信する。UE100の通信部120は、SIBメッセージを基地局210B(のセルC2)から受信する。
【0109】
SIBメッセージは、例えば、当該SIBメッセージの送信元であるセルがページング理由情報の送信をサポートしているか否かを示すセルサポート情報を含んでよい。或いは、基地局210Bの制御部214は、ページング理由情報の送信をサポートしていない場合、セルサポート情報をSIBメッセージに含めなくてよい。SIBメッセージは、タイプ1のSIB(SIB1)メッセージであってよいし、その他のSIBメッセージであってよい。その他のSIBメッセージは、例えば、複数のSIMを用いて複数のネットワークと通信するUE(いわゆるMulti-SIM対応のUE)向けに新たに定義されたタイプのSIBメッセージであってもよい。
【0110】
UE100の制御部130は、SIBメッセージに基づいて、セルがページング理由情報の送信をサポートするサポートセルか、ページング理由情報の送信をサポートしない非サポートセルかを判定する。UE100の制御部130は、例えば、セルサポート情報に基づいて、SIBメッセージの送信元であるセルがサポートセルか非サポートセルかを判定してよい。UE100の制御部130は、SIBメッセージがセルサポート情報を含まない場合、当該セルが非サポートセルであると判定してよい。
【0111】
基地局210Cの通信部212は、基地局210Bと同様に、SIBメッセージをブロードキャストにより送信する。UE100の通信部120は、SIBメッセージを基地局210C(のセル)から受信する。
【0112】
本動作例では、基地局210CのセルC2は、ページング理由情報の送信をサポートするサポートセルであり、基地局210Cのセル(以下、セルC3と適宜称する)は、ページング理由情報の送信をサポートしない非サポートセルであるとして説明を進める。従って、UE100の制御部130は、セルC2からのSIBメッセージに基づいて、セルC2がサポートセルであると判定し、セルC3からのSIBメッセージに基づいて、セルC3が非サポートセルであると判定する。
【0113】
なお、UE100の制御部130は、セル識別子とセル識別子により示されるセルがサポートセルか非サポートセルかを記憶していてよい。制御部130は、過去に記憶した情報に基づいて、セルがサポートセルか否かを判定してもよい。
【0114】
ステップS202:
UE100の制御部130(RRC処理部131)は、第2ネットワーク200Bにおいてキャンプオンセルを選択する選択動作を行う。RRC処理部131は、キャンプオンセルを選択する前に、第2ネットワーク200Bの1又は複数のセルに対する無線品質の測定を行う。
【0115】
制御部130は、選択動作において、非サポートセルよりもサポートセルをキャンプオンセルとして優先的に選択する。制御部130は、例えば、1又は複数のセルのうち、サポートセルであって、且つ無線品質の測定結果が最も良いセルをキャンプオンセルとして選択してよい。すなわち、制御部130は、サポートセルよりも無線品質の測定結果が良い非サポートセルが存在しても、サポートセルをキャンプオンセルとして選択してよい。
【0116】
制御部130は、サポートセルの無線品質のいずれも所定の基準を満たさない場合、1又は複数のセルのうち、無線品質が所定の基準を満たす非サポートセルをキャンプオンセルとして選択してよい。制御部130は、所定の基準を満たす非サポートセルが複数存在する場合には、無線品質の測定結果が最も良い非サポートセルをキャンプオンセルとして選択してよい。なお、所定の基準は、例えば、セル選択基準(Srxlev>0且つSqual>0)である。
【0117】
本動作例では、サポートセルであるセルC2の無線品質がセル選択基準を満たさなかったとして、制御部130が非サポートセルであるセルC3をキャンプオンセルとして選択したとして説明を進める。
【0118】
ステップS203:
RRC処理部131は、サポート情報をNAS処理部132に提供する。
【0119】
RRC処理部131は、サポート情報は、例えば、セルがページング理由情報の送信をサポートすることを示すセルサポート情報がSIBメッセージに含まれているか否かに関するものであってよい。RRC処理部131は、例えば、セルC3が非サポートセルであることを示すセルサポート情報がSIBメッセージに含まれていたり、セルサポート情報がSIBメッセージに含まれていなかったりした場合に、セルC3がページング理由情報の送信をサポートしないことを示すサポート情報をNAS処理部132へ提供してよい。RRC処理部131は、例えば、セルC2がサポートセルであることを示すセルサポート情報がSIBメッセージに含まれている場合に、セルC2がページング理由情報の送信をサポートすることを示すサポート情報をNAS処理部132へ提供してよい。
【0120】
ステップS204:
ステップS107と同様である。
【0121】
ステップS205:
NAS処理部132は、非サポートセルが選択された場合、非サポートセルにUE100が在圏していることを示すNASメッセージをAMF221Bへ送信してよい。AMF221は、NASメッセージをUE100から受信してよい。NASメッセージは、サービス要求メッセージであってもよいし、登録要求メッセージであってもよい。
【0122】
NAS処理部132は、ステップS108と同様に、非サポートセルにUE100が在圏していることを示す在圏セル情報をNASメッセージに含めてよい。AMF221は、在圏セル情報に基づいて、UE100が非サポートセルに在圏していることを把握してよい。
【0123】
NAS処理部132は、在圏セル情報をNASメッセージに含めなくてよい。AMF221Bは、NASメッセージが在圏セル情報を含まないことで、UE100が非サポートセルに在圏していることを把握してもよい。
【0124】
ステップS206:
AMF221Bは、選択動作における優先度を指定するパラメータ(Index to RAT/Frequency Selection Priority:RSRPインデックス)を基地局210Cへ送信する。基地局210Cのネットワーク通信部213は、RSRPインデックスをAMF221Bから受信する。
【0125】
基地局210Cは、RSRPインデックスに基づいて、サポートセルの周波数の優先度を非サポートセルの周波数の優先度よりも高くなるように、周波数の優先度情報(例えば、cellReselectionPriority、cellReselectionSubPriority)を生成する。
【0126】
その後、UE100のRRCレイヤにおける状態は、第1ネットワーク200AについてRRCコネクティッド状態であり、UE100のNASレイヤにおけるモードは、第1ネットワーク200Aについてコネクティッドモードであるとして説明を進める。
【0127】
ステップS207:
基地局210Cの通信部212は、RRC解放メッセージをUE100へ送信する。UE100の通信部120は、RRC解放メッセージを受信する。RRC解放メッセージは、RSRPインデックスに基づいて生成された周波数の優先度情報を含んでよい。
【0128】
なお、RRC解放メッセージにより、RRC接続が解放されるため、UE100のRRCレイヤにおける状態は、第2ネットワーク200BについてRRCアイドル状態であり、UE100のNASレイヤにおけるモードは、第2ネットワーク200Bについてアイドルモードである。
【0129】
ステップS208:
制御部130は、ステップS202と同様に、第2ネットワーク200Bにおいてキャンプオンセルを選択する選択動作を行う。制御部130は、周波数の優先度情報に基づいて、サポートセルを非サポートセルよりも優先的に選択する。
【0130】
本動作例では、制御部130は、サポートセルであるセルC2をキャンプオンセルとして選択したとして説明を進める。
【0131】
ステップS209及びS210:
ステップS104及びS105と同様である。なお、基地局210Bの通信部212は、非サポートセルであるセルC2を介して、ページング理由情報を含むページングメッセージをUE100へ送信する。
【0132】
ステップS211からS213:
ステップS106からS108と同様である。なお、UE100は、サポートセルであるC2に在圏するため、ステップS111と同様に、ページングの停止が行われる。
【0133】
[その他の実施形態]
上述の実施形態の動作において、UE100のNAS処理部132が、UE100が在圏するセルがサポートセルか非サポートセルかをAMF221に通知していたがこれに限られない。例えば、ページング理由情報の送信をサポートしないセルを管理する基地局210は、Multi‐SIM対応のUE100が当該セルに在圏したことをAMF221に通知してもよい。
【0134】
上述の実施形態の動作において、第1ネットワーク200A及び基地局210AをセルC1(第1セル)と読み替えてもよいし、第1ネットワーク200A及び基地局210AをセルC2(第2セル)と読み替えてもよい。
【0135】
上述の実施形態の動作におけるステップは、必ずしもフロー図又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、動作におけるステップは、フロー図又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、動作におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。さらに、上述の各動作フローは、別個独立に実施する場合に限らず、2以上の動作フローを組み合わせて実施可能である。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
【0136】
UE100又は基地局210が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。また、UE100又は基地局210が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100又は基地局210の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC)として構成してもよい。
【0137】
なお、上述の実施形態において、「送信する(transmit)」は、送信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に送信することを意味してもよい。或いは、「送信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に送信することとの組合せを意味してもよい。同様に、「受信する(receive)」は、受信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に受信することを意味してもよい。或いは、「受信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に受信することとの組合せを意味してもよい。
【0138】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0139】
1 :移動通信システム
100 :UE
101 :アンテナ
120 :通信部
121 :受信部
122 :送信部
130 :制御部
131 :RRC処理部
132 :NAS処理部
200A :第1ネットワーク
200B :第2ネットワーク
210A :基地局
210B :基地局
210C :基地局
211 :アンテナ
212 :通信部
212a :受信部
212b :送信部
213 :ネットワークインターフェイス
214 :制御部
220A :コアネットワーク
220B :コアネットワーク
221A :モビリティ管理装置
221B :モビリティ管理装置
222A :ゲートウェイ装置
222B :ゲートウェイ装置