(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172827
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】情報提供システム、サーバ装置、分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20221110BHJP
G01Q 40/00 20100101ALI20221110BHJP
【FI】
G01N35/00 F
G01Q40/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079083
(22)【出願日】2021-05-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 一馬
(72)【発明者】
【氏名】新井 浩
(72)【発明者】
【氏名】平出 雅人
(72)【発明者】
【氏名】池田 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】中島 秀郎
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 賢治
(72)【発明者】
【氏名】藤野 敬太
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058GA20
2G058GE01
2G058GE08
(57)【要約】
【課題】ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせる技術を提供することである。
【解決手段】情報提供システム1000は、部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部321と、表示部115と、表示部115を制御する表示制御部122とを備える。表示制御部122は、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示部115に表示させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置による試料の分析に用いられる部品に関する情報を提供する情報提供システムであって、
前記部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部と、
表示部と、
前記表示部を制御する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、前記部品の交換が必要である場合に、前記部品の発注先に関する発注先情報を前記表示部に表示させる、情報提供システム。
【請求項2】
前記分析装置と、
前記分析装置と通信するサーバ装置とを備え、
前記分析装置は、
前記サーバ装置と通信する装置側通信部と、
前記表示部と、
前記表示制御部とを含み、
前記サーバ装置は、
前記分析装置と通信するサーバ側通信部と、
前記判定部とを含み、
前記分析装置は、前記装置側通信部によって、前記部品の交換が必要であるか否かを判定するための判定用情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記判定部によって、前記判定用情報に基づき、前記部品の交換が必要であるか否かを判定し、
前記部品の交換が必要である場合に、前記サーバ側通信部によって、前記発注先情報を前記分析装置に送信し、
前記分析装置は、前記表示制御部によって、前記発注先情報を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記分析装置と、
前記分析装置と通信するサーバ装置とを備え、
前記分析装置は、
前記サーバ装置と通信する装置側通信部と、
前記判定部と、
前記表示部と、
前記表示制御部とを含み、
前記サーバ装置は、
前記分析装置と通信するサーバ側通信部を含み、
前記分析装置は、
前記判定部によって、前記部品の交換が必要であるか否かを判定し、
前記部品の交換が必要である場合に、前記装置側通信部によって、前記発注先情報を要求する要求情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記サーバ側通信部によって、前記要求情報に基づき、前記発注先情報を前記分析装置に送信し、
前記分析装置は、前記表示制御部によって、前記発注先情報を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記発注先情報は、前記発注先に対してユーザが前記部品を発注するためのアドレスを含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記試料を分析するための工程のうち、ユーザが待機中の工程において、前記発注先情報を前記表示部に表示させる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記分析装置は、探針を備えたカンチレバーを前記試料の表面に沿って走査することによって前記試料の表面の情報を得る走査型プローブ顕微鏡であり、
前記ユーザが待機中の工程は、前記カンチレバーの動作を検出するための光軸を調整する工程と、前記探針を前記試料の前記表面に近づける工程と、パラメータを調整する工程とのうち、少なくともいずれか1つを含む、請求項5に記載の情報提供システム。
【請求項7】
試料を分析する分析装置と通信するサーバ装置であって、
前記分析装置と通信するサーバ側通信部と、
前記試料の分析に用いられる部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記サーバ側通信部は、前記部品の交換が必要である場合に、前記部品の発注先に関する発注先情報を前記分析装置に送信する、サーバ装置。
【請求項8】
試料を分析する分析装置であって、
前記試料の分析に用いられる部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部と、
表示部と、
前記表示部を制御する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、前記部品の交換が必要である場合に、前記部品の発注先に関する発注先情報を前記表示部に表示させる、分析装置。
【請求項9】
分析装置による試料の分析に用いられる部品に関する情報を提供する情報提供方法であって、
前記部品の交換が必要であるか否かを判定するステップと、
前記部品の交換が必要である場合に、前記部品の発注先に関する発注先情報を表示部に表示させるステップとを備える、情報提供システム。
【請求項10】
分析装置による試料の分析に用いられる部品に関する情報を提供する情報提供方法であって、
前記部品の交換が必要であるか否かを判定するステップと、
前記部品の交換が必要である場合に、前記部品の交換が必要であることを示す情報および前記分析装置を特定する情報のうちの少なくとも1つを、前記部品の発注先に通知するステップとを備える、情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分析装置による試料の分析に用いられる部品に関する情報を提供する情報提供システム、試料を分析する分析装置と通信するサーバ装置、および試料を分析する分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、試料を分析する分析装置が公知である。たとえば、特許文献1には、探針が設けられたカンチレバーと呼ばれる片持ち梁を使用することで、試料表面の情報を得る走査型プローブ顕微鏡が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された走査型プローブ顕微鏡のような分析装置では、ユーザ自らがカンチレバーのような部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先を調べなければならなかった。このため、従来の分析装置は、ユーザにとって必ずしも利便性がよいものではなかった。
【0005】
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従う情報提供システムは、部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部と、表示部と、表示部を制御する表示制御部とを備える。表示制御部は、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示部に表示させる。
【0007】
本開示の別の局面に従うサーバ装置は、分析装置と通信するサーバ側通信部と、試料の分析に用いられる部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部とを備える。サーバ側通信部は、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を分析装置に送信する。
【0008】
本開示の別の局面に従う分析装置は、試料の分析に用いられる部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部と、表示部と、表示部を制御する表示制御部とを備える。表示制御部は、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示部に表示させる。
【0009】
本開示の別の局面に従う情報提供方法は、部品の交換が必要であるか否かを判定するステップと、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示部に表示させるステップとを備える。
【0010】
本開示の別の局面に従う情報提供方法は、部品の交換が必要であるか否かを判定するステップと、部品の交換が必要である場合に、部品の交換が必要であることを示す情報および分析装置を特定する情報のうちの少なくとも1つを、部品の発注先に通知するステップとを備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態に係る分析装置による部品に関する情報提供の一例を示す図である。
【
図2】本実施の形態に係る情報提供システムを示す図である。
【
図3】本実施の形態に係る情報提供システムのハードウェア構成を示す図である。
【
図4】本実施の形態に係る情報提供システムの機能構成を示す図である。
【
図5】本実施の形態に係るサーバ装置が記憶する部品管理テーブルを説明するための図である。
【
図6】本実施の形態に係るサーバ装置が記憶するユーザ管理テーブルを説明するための図である。
【
図7】分析装置による試料を分析するための工程の一例を示す図である。
【
図8】ソフト起動時における表示装置の画面の一例を示す図である。
【
図9】光軸調整中における表示装置の画面の一例を示す図である。
【
図10】アプローチ中における表示装置の画面の一例を示す図である。
【
図11】パラメータ調整中における表示装置の画面の一例を示す図である。
【
図12】本実施の形態に係る情報提供システムが実行するソフト起動時における表示制御のフローチャートである。
【
図13】本実施の形態に係る情報提供システムが実行する自動調整時における表示制御のフローチャートである。
【
図14】変形例に係る情報提供システムが実行するソフト起動時における表示制御のフローチャートである。
【
図15】変形例に係る情報提供システムが実行する自動調整時における表示制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一の符号を付して、その説明は原則的に繰り返さない。
【0014】
[分析装置による情報提供の一例]
図1は、本実施の形態に係る分析装置1による部品に関する情報提供の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る分析装置1は、制御装置100と、観察装置200とを備える。
【0015】
観察装置200は、試料を観察するとともに、観察結果を制御装置100に出力する。制御装置100は、観察装置200を制御するとともに、観察装置200から取得した観察結果に基づき、試料を分析する。
【0016】
分析装置1では、試料を分析するための工程において、ユーザが待機せざるを得ない時間が発生する場合がある。このような待機時間が発生すると、ユーザが退屈してしまい、ユーザにストレスがかかるおそれがある。
【0017】
そこで、本実施の形態に係る分析装置1は、試料を分析するための工程のうち、ユーザが待機中の工程において、所定情報を表示装置105に表示させる。
【0018】
また、分析装置1では、試料の分析に少なくとも1つ以上の部品(たとえば、消耗品)が用いられるが、ユーザ自らが部品の交換有無を判断し、さらに、ユーザ自らが部品の発注先を調べるとなれば、ユーザにとっては利便性がよくない。部品メーカにおいては、部品の発注タイミングを予測し難く、他の部品メーカにおいてユーザと取引されるおそれもある。
【0019】
そこで、本実施の形態に係る分析装置1は、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する情報(以下、「発注先情報」とも称する。)を表示装置105に表示させる。「部品」は、分析装置1の一部の部品であってもよいし、分析装置1の一部ではないが試料の分析に用いられる部品であってもよい。
【0020】
図1では、「所定情報」として、発注先情報を例示するが、「所定情報」はその他の情報を含んでいてもよい。たとえば、「所定情報」は、試料の分析のアドバイスに関する情報と、部品に関する情報と、試料の分析の進捗に関する情報と、分析装置1以外の他の分析装置に関する情報とのうち、少なくともいずれか1つを含む。
【0021】
より具体的には、「部品に関する情報」は、部品の交換を促す情報と、上述した部品の発注先に関する発注先情報と、部品の消耗具合に関する情報と、部品の広告に関する情報とのうち、少なくともいずれか1つを含む。たとえば、
図1に示す例では、「部品の交換を促す情報」として、「部品の交換時期です。」というメッセージが表示装置105に表示される。
【0022】
「発注先情報」は、発注先に対してユーザが部品を発注するためのアドレスを含む。たとえば、
図1に示す例では、「発注先情報」として、「発注先はこちら」というメッセージとともに、発注先のアドレスが表示装置105に表示される。「発注先」は、ユーザが部品を将来発注し得る発注先であって、部品の生産者および販売者のうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
なお、「試料の分析の進捗に関する情報」は、試料を分析するための工程を撮影した画像と、試料を分析するための工程をアニメーション化した画像とのうち、少なくともいずれか1つを含む。
【0024】
このように、本実施の形態に係る分析装置1は、ユーザが待機中の工程において、所定情報を表示装置105に表示させるため、待機時間においてユーザに極力退屈させることがない。よって、分析装置1は、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0025】
さらに、本実施の形態に係る分析装置1は、部品の交換が必要である場合に、発注先情報を表示装置105に表示させるため、ユーザ自らが部品の交換有無を判断したり、ユーザ自らが部品の発注先などを調べたりする必要がない。よって、分析装置1は、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【0026】
[情報提供システム1000の全体構成]
図2は、本実施の形態に係る情報提供システム1000を示す図である。
図2に示すように、情報提供システム1000は、ユーザ側に属する分析装置1と、分析装置1のメーカ(以下、「装置メーカ」とも称する。)側に属するサーバ装置300と、部品の発注先である少なくとも1つ以上の部品メーカ側に属する発注先端末400とを備える。
図2に示す例では、情報提供システム1000は、部品メーカA側に属する発注先端末400Aと、部品メーカB側に属する発注先端末400Bと、部品メーカC側に属する発注先端末400Cとを備える。
【0027】
分析装置1の制御装置100、装置メーカのサーバ装置300、および、各部品メーカの発注先端末400は、各々、ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。
【0028】
このように構成された情報提供システム1000によれば、ユーザは、分析装置1の制御装置100から、装置メーカまたは部品メーカに対して部品の発注を行うことができる。
【0029】
[情報提供システム1000のハードウェア構成]
図3は、本実施の形態に係る情報提供システム1000のハードウェア構成を示す図である。
図3には、情報提供システム1000の一構成として、分析装置1と、サーバ装置300とが示されている。本実施の形態においては、分析装置1として、走査型プローブ顕微鏡を例示する。なお、走査型プローブ顕微鏡は、SPM(Scanning Probe Microscope)とも称される。
図3に示す例では、分析装置1(SPM)の接地面と並行にX軸およびY軸を規定するとともに、X軸およびY軸の各々に対して垂直にZ軸を規定する。
【0030】
分析装置1は、観察装置200と、観察装置200を制御する制御装置100とを備える。
【0031】
観察装置200は、カンチレバー10と、ホルダ14と、光学系20と、スキャナ50と、試料保持部52と、撮影部60と、撮影部70とを備える。
【0032】
カンチレバー10は、試料保持部52に載置された試料Sの上方(
図1に示す例ではZ軸方向)に位置するように設けられている。ホルダ14は、Z軸方向に振動可能にカンチレバー10を支持する。カンチレバー10においてホルダ14によって支持されていない側(先端側)には、探針12が設けられている。カンチレバー10およびホルダ14は、試料Sの分析に使用される回数および期間が長くなればなるほど摩耗する消耗品である。このため、ユーザは、カンチレバー10およびホルダ14を使用状況に応じて定期的に交換する必要がある。カンチレバー10の表面は、試料Sと対向する。カンチレバー10の裏面は、光学系20と対向する。
【0033】
光学系20は、レーザ光源22と、ビームスプリッタ24と、反射鏡26と、検出器28とを備える。
【0034】
レーザ光源22は、レーザ光LAを発射するレーザ発振器などによって構成される。レーザ光源22から発射されたレーザ光LAは、ビームスプリッタ24によって反射され、カンチレバー10の裏面に照射される。カンチレバー10に照射されたレーザ光LAは、カンチレバー10の裏面によって反射され、反射鏡26によって反射される。反射鏡26によって反射されたレーザ光LAは、検出器28によって検出される。検出器28は、カンチレバー10によって反射されたレーザ光LAを検出し、その検出結果を制御装置100に出力する。
【0035】
レーザ光源22は、出力するレーザ光LAの光軸と直交する面(
図1に示す例ではYZ平面)に沿って移動可能である。制御装置100は、レーザ光源22を移動させることで、レーザ光LAがカンチレバー10で反射するようにレーザ光LAの光軸を調整する。
【0036】
検出器28は、入射するレーザ光LAの光軸と直交する面(
図1に示す例ではYZ平面)に沿って移動可能である。制御装置100は、検出器28を移動させることで、カンチレバー10で反射したレーザ光LAが検出器28の受光面の中央に入射するように検出器28の位置を調整する。
【0037】
スキャナ50は、円筒形状を有する。試料Sは、スキャナ50上に載置された試料保持部52によって保持される。スキャナ50は、X軸方向およびY軸方向に沿って試料Sを走査するXYスキャナと、Z軸方向に沿って試料Sを微動させるZスキャナとを含む。このように、スキャナ50は、XYスキャナおよびZスキャナによって3次元方向に駆動する。
【0038】
撮影部60は、探針12の上方に配置されており、カンチレバー10の上部からカンチレバー10を撮影する。撮影部60は、撮影視野に存在する被写体を撮影して画像情報を取得する。撮影部60は、主たる構成要素として、レンズおよび絞りなどの光学系と、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの受光素子とを含む。撮影部60は、取得した画像情報を制御装置100に出力する。撮影部60が取得した画像情報は、たとえば、レーザ光LAの光軸を調整するために用いられる。
【0039】
撮影部70は、試料Sおよび探針12を横方向(
図1に示す例ではX軸方向)から撮影する。撮影部70は、撮影視野に存在する被写体を撮影して画像情報を取得する。撮影部70は、主たる構成要素として、レンズおよび絞りなどの光学系と、CCDイメージセンサおよびCMOSイメージセンサなどの受光素子とを含む。撮影部70は、取得した画像情報を制御装置100に出力する。
【0040】
上述のように構成された観察装置200は、SPMのうち、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)である。観察装置200は、制御装置100の制御に基づき、探針12と試料Sの表面との間に働く原子間力(引力または斥力)を利用しながら、カンチレバー10を上下方向に振動させる。制御装置100は、振動中のカンチレバー10によって反射するレーザ光LAを検出することで、試料Sの表面の情報を得る。
【0041】
制御装置100は、一例として、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従って構成されるコンピュータである。制御装置100は、観察装置200を構成する各部の動作を制御するとともに、分析装置1による試料Sの分析に用いられる部品に関する情報をユーザに提供する。制御装置100は、一例として、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従って構成される。なお、制御装置100は、分析装置1に専用のハードウェアを用いて実装されてもよい。制御装置100は、プロセッサ102と、通信装置103と、メモリ104と、表示装置105と、入力装置106とを備える。
【0042】
プロセッサ102は、各種のプログラム(たとえば、後述する表示制御プログラム141、分析プログラム142)に従って各種の処理を実行する演算主体(コンピュータ)である。プロセッサ102は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、およびはMPU(Multi Processing Unit)のうちの少なくともいずれか1つで構成されている。なお、プロセッサ102は、演算回路(Processing Circuitry)で構成されてもよい。
【0043】
プロセッサ102は、分析プログラム142に従って、観察装置200によって得られたレーザ光LAの検出結果を分析することで、試料Sを分析する。プロセッサ102は、表示制御プログラム141に従って、表示装置105を制御することで、表示装置105に発注先情報などの所定情報(所定画像)を表示させる。プロセッサ102は、入力装置106から取得したユーザの入力に基づき、各種の処理を実行する。プロセッサ102は、通信装置103を制御することで、通信装置103にサーバ装置300および発注先端末400の各々との間でデータ(情報)の送受信を行わせる。
【0044】
通信装置103は、有線接続または無線接続によって、サーバ装置300および発注先端末400の各々との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0045】
メモリ104は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリ、または、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリで構成されている。メモリ104は、試料Sの分析に用いられる部品に関する情報をユーザに提供するための表示制御プログラム141、および、観察装置200を制御するための分析プログラム142など、各種のプログラムおよびデータなどを格納する。
【0046】
なお、制御装置100が可読可能な形式で非一時的にプログラムおよびデータを記録することができれば、メモリ104は、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリーカード、FD(Flexible Disk)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード、光カード、マスクROM、またはEPROMであってもよい。
【0047】
表示装置105は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどのディスプレイを含み、プロセッサ102の制御に基づき所定情報を表示する。たとえば、表示装置105は、観察装置200による試料Sの観察結果に基づき得られた試料Sの分析結果を表示したり、部品の交換時期がきたときに部品の発注先情報を表示したりする。
【0048】
入力装置106は、キーボードおよびマウスなど、ユーザによる入力を受け付ける入力インターフェースである。入力装置106は、受け付けたユーザの入力に基づく信号をプロセッサ102に出力する。なお、制御装置100は、表示装置105と入力装置106とが一体となったタッチパネルを備えていてもよい。
【0049】
サーバ装置300は、一例として、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従って構成されるコンピュータである。サーバ装置300は、プロセッサ302と、通信装置303と、メモリ304とを備える。
【0050】
プロセッサ302は、各種のプログラム(たとえば、後述する情報提供プログラム341)に従って各種の処理を実行する演算主体(コンピュータ)である。プロセッサ302は、たとえば、CPU、FPGA、GPU、およびはMPUのうちの少なくともいずれか1つで構成されている。なお、プロセッサ302は、演算回路で構成されてもよい。
【0051】
プロセッサ302は、情報提供プログラムなどの各種のプログラムに従って、通信装置303を制御することで、通信装置303に制御装置100および発注先端末400の各々との間でデータ(情報)の送受信を行わせる。
【0052】
通信装置303は、有線接続または無線接続によって、分析装置1の制御装置100および発注先端末400の各々との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0053】
メモリ304は、DRAMおよびSRAMなどの揮発性メモリ、または、ROMなどの不揮発性メモリで構成されている。メモリ304は、試料Sの分析に用いられる部品に関する情報をユーザに提供するための情報提供プログラム341など、各種のプログラムおよびデータなどを格納する。
【0054】
なお、サーバ装置300が可読可能な形式で非一時的にプログラムおよびデータを記録することができれば、メモリ304は、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリ、メモリーカード、FD、HDD、SSD、磁気テープ、カセットテープ、MO、MD、ICカード、光カード、マスクROM、またはEPROMであってもよい。
【0055】
[情報提供システム1000の機能構成]
図4は、本実施の形態に係る情報提供システム1000の機能構成を示す図である。
図4に示すように、分析装置1の制御装置100は、主な機能部として、演算部112と、装置側通信部113と、記憶部114と、表示部115と、入力部116とを備える。
【0056】
演算部112は、プロセッサ102の機能部であり、分析装置1に関する各種の処理を実行する。具体的には、演算部112は、分析部121と、表示制御部122とを含む。分析部121は、分析プログラム142に従って、観察装置200によって得られたレーザ光LAの検出結果を分析することで、試料Sを分析する。表示制御部122は、表示制御プログラム141に従って、表示装置105(表示部115)を制御する。その他、演算部112は、入力部116から取得したユーザの入力に基づき、各種の処理を実行したり、装置側通信部113を制御することで、装置側通信部113にサーバ装置300および発注先端末400の各々との間でデータ(情報)の送受信を行わせたりする。
【0057】
装置側通信部113は、通信装置103の機能部であり、サーバ装置300および発注先端末400の各々との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0058】
記憶部114は、メモリ104の機能部であり、各種のプログラムおよびデータなどを記憶する。具体的には、記憶部114は、試料Sの分析に用いられる部品に関する情報をユーザに提供するための表示制御プログラム141と、試料Sを分析するための分析プログラム142とを記憶する。
【0059】
表示部115は、表示装置105の機能部であり、演算部112の制御に基づき発注先情報などの所定情報(所定画像)を表示する。
【0060】
入力部116は、入力装置106の機能部であり、ユーザによる入力を受け付けるとともに、受け付けたユーザの入力に基づく信号を演算部112に出力する。
【0061】
サーバ装置300は、演算部312と、サーバ側通信部313と、記憶部314とを備える。
【0062】
演算部312は、プロセッサ302の機能部であり、サーバ装置300に関する各種の処理を実行する。具体的には、演算部312は、判定部321を備える。判定部321は、情報提供プログラム341に従って、試料Sの分析に用いられる部品の交換が必要であるか否かを判定する。その他、演算部312は、サーバ側通信部313を制御することで、サーバ側通信部313に分析装置1の制御装置100および発注先端末400の各々との間でデータ(情報)の送受信を行わせる。
【0063】
サーバ側通信部313は、通信装置303の機能部であり、分析装置1の制御装置100および発注先端末400の各々との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0064】
記憶部314は、メモリ304の機能部であり、各種のプログラムおよびデータなどを記憶する。具体的には、記憶部314は、試料Sの分析に用いられる部品に関する情報をユーザに提供するための情報提供プログラム341と、部品を管理するための情報を含む部品管理テーブル342と、ユーザを管理するための情報を含むユーザ管理テーブル343とを記憶する。
【0065】
[部品管理テーブル]
図5は、本実施の形態に係るサーバ装置300が記憶する部品管理テーブル342を説明するための図である。部品管理テーブル342は、分析装置1の観察装置200による試料Sの分析に用いられる部品を管理するための情報を格納する。SPMである本実施の形態に係る分析装置1は、試料Sの分析に用いられる部品として、カンチレバー10と、ホルダ14とを備える。本実施の形態においては、カンチレバー10またはホルダ14の交換が必要である場合に、制御装置100の表示装置105によって、カンチレバー10またはホルダ14の発注先に関する発注先情報がユーザに提供される。
【0066】
図5に示すように、部品管理テーブル342は、「部品」欄と、「発注先」欄と、「発注用アドレス」欄とを含む。「部品」欄は、部品の種類を特定するための情報を格納する。「発注先」欄は、発注先を特定するための情報を格納する。「発注用アドレス」欄は、発注先に対してユーザが部品を発注するためのアドレスを特定するための情報を格納する。
【0067】
本実施例の形態においては、カンチレバーA~カンチレバーEといったように、複数種類のカンチレバー10がある。カンチレバー10の発注先について、部品メーカA~部品メーカCといったように複数種類の部品メーカがある。カンチレバー10の種類に応じて、発注先が異なる。
【0068】
たとえば、
図5に示すように、カンチレバーAの発注先としては、部品メーカAおよび部品メーカBといったように2種類の部品メーカがあり、カンチレバーBの発注先としては、部品メーカBといったように1種類の部品メーカのみがある。
【0069】
さらに、本実施例の形態においては、ホルダA~ホルダEといったように、複数種類のホルダ14がある。ホルダ14の発注先について、サーバ装置300が設置された分析装置1の装置メーカと、部品メーカA~部品メーカCといったように複数種類の部品メーカとがある。ホルダ14の種類に応じて、発注先が異なる。
【0070】
たとえば、
図5に示すように、ホルダAの発注先としては、装置メーカがあり、ホルダDの発注先としては、部品メーカAおよび部品メーカCといったように2種類の部品メーカがある。
【0071】
サーバ装置300は、ユーザの分析装置1において用いられている部品(本実施の形態では、カンチレバーA~E、ホルダA~E)を特定することができれば、特定した部品に応じた発注先情報を、部品管理テーブル342に基づき取得することができる。
【0072】
[ユーザ管理テーブル]
図6は、本実施の形態に係るサーバ装置300が記憶するユーザ管理テーブル343を説明するための図である。ユーザ管理テーブル343は、分析装置1のユーザを管理するための情報を格納する。
【0073】
図6に示すように、ユーザ管理テーブルは、「ユーザ」欄と、「部品」欄と、「購入履歴」欄と、「前回からの経過期間」欄と、「平均空き期間」欄と、「交換フラグ」欄と、「提案発注先」欄とを含む。
【0074】
「ユーザ」欄は、ユーザを特定するための情報を格納する。ユーザを特定するための情報としては、ユーザを識別するユーザ固有のID(identification)、パスワード、ユーザの名前、住所、電話番号などが挙げられる。
【0075】
「部品」欄は、ユーザが使用している部品の種類を特定するための情報を格納する。たとえば、「部品」欄は、ユーザAについて、カンチレバーAおよびホルダAを使用していることを特定するための情報を格納する。「部品」欄は、ユーザBについて、カンチレバーA、カンチレバーB、およびホルダDを使用していることを特定するための情報を格納する。部品を特定するための情報としては、部品を識別する部品固有の製造番号、型式などが挙げられる。
【0076】
「購入履歴」欄は、ユーザによる部品の購入履歴を特定するための情報を格納する。たとえば、「購入履歴」欄は、ユーザAについて、部品メーカAからカンチレバーAを購入していることと、その購入日とを特定するための情報を格納する。「購入履歴」欄は、ユーザAについて、装置メーカからホルダAを購入していることと、その購入日とを特定するための情報を格納する。「購入履歴」欄は、ユーザBについて、部品メーカAおよび部品メーカBからカンチレバーAを購入していることと、その購入日とを特定するための情報を格納する。「購入履歴」欄は、ユーザBについて、部品メーカBからカンチレバーBを購入していることと、その購入日とを特定するための情報を格納する。「購入履歴」欄は、ユーザBについて部品メーカCからホルダDを購入していることと、その購入日とを特定するための情報を格納する。
【0077】
「前回からの経過期間」欄は、ユーザが部品を前回購入してから経過した期間を特定するための情報を格納する。たとえば、「前回からの経過期間」欄は、ユーザAについて、カンチレバーAを前回購入してから70日間経過したこと、および、ホルダAを前回購入してから31日間経過したことを特定するための情報を格納する。「前回からの経過期間」欄は、ユーザBについて、カンチレバーAを前回購入してから50日間経過したこと、カンチレバーBを前回購入してから75日間経過したこと、および、ホルダDを前回購入してから162日間経過したことを特定するための情報を格納する。
【0078】
「平均空き期間」欄は、購入履歴から算出される前回購入時からの平均空き期間を特定するための情報を格納する。たとえば、「平均空き期間」欄は、ユーザAについて、カンチレバーAが前回購入されてから平均63日間経過後に再びカンチレバーAが購入されること、および、ホルダAが前回購入されてから平均165日間経過後に再びホルダAが購入されることを特定するための情報を格納する。「平均空き期間」欄は、ユーザBについて、カンチレバーAが前回購入されてから平均42日間経過後に再びカンチレバーAが購入されること、カンチレバーBが前回購入されてから平均85日間経過後に再びカンチレバーBが購入されること、および、ホルダDが前回購入されてから平均155日間経過後に再びホルダDが購入されることを特定するための情報を格納する。
【0079】
「交換フラグ」は、「前回からの経過期間」と「平均空き期間」とから算出される、部品の交換が必要であるか否かを特定するための情報を格納する。たとえば、「交換フラグ」は、「前回からの経過期間」が「平均空き期間」を超えていれば、部品の交換が必要であることを特定可能な「1」を格納し、「前回からの経過期間」が「平均空き期間」を超えていなければ、部品の交換が必要でないことを特定可能な「0」を格納する。
【0080】
なお、本実施の形態においては、サーバ装置300は、「前回からの経過期間」と「平均空き期間」とに基づき、部品の交換が必要であるか否かを判定しているが、その他の手法で部品の交換が必要であるか否かを判定してもよい。たとえば、サーバ装置300は、前回購入日時から現在までの経過期間が、前々回購入日時と前回購入日時との間の経過期間を超えている場合に、部品の交換が必要であると特定してもよい。
【0081】
「提案発注先」欄は、部品の購入履歴に基づき、サーバ装置300がユーザに提案する発注先を特定するための情報を格納する。たとえば、「提案発注先」欄は、ユーザAのカンチレバーAについて、購入実績のある部品メーカAを発注先として提案することを特定するための情報を格納する。「提案発注先」欄は、ユーザAのホルダAについて、購入実績のある装置メーカを発注先として提案することを特定するための情報を格納する。「提案発注先」欄は、ユーザBのカンチレバーAについて、購入実績のある部品メーカAおよび部品メーカBのうち、直近の購入実績のある部品メーカBを発注先として提案することを特定するための情報を格納する。「提案発注先」欄は、ユーザBのカンチレバーBについて、購入実績のある部品メーカBを発注先として提案することを特定するための情報を格納する。「提案発注先」欄は、ユーザBのホルダDについて、購入実績のある部品メーカCを発注先として提案することを特定するための情報を格納する。
【0082】
サーバ装置300は、ユーザを特定することができれば、特定したユーザが使用する部品ごとに、交換が必要であるか否かと、交換が必要である場合に提案する発注先とを、ユーザ管理テーブル343に基づき特定することができる。さらに、サーバ装置300は、
図5に示した部品管理テーブル342を参照すれば、提案する発注先の発注用アドレスを取得することができる。
【0083】
[分析に関する工程]
図7は、分析装置1による試料Sを分析するための工程の一例を示す図である。本実施の形態においては、SPMである分析装置1を用いて試料Sが分析される際に、
図7に示すような工程が行われる。
【0084】
図7に示すように、分析に関する工程は、ソフト起動工程と、カンチレバー取付工程と、光軸調整工程と、試料セット工程と、観察工程と、データ解析工程とを含む。
【0085】
最初にソフト起動工程が行われる。ソフト起動工程は、制御装置100がユーザの入力に従って分析プログラム142を実行することで行われる。分析用のソフトが起動すると、後述する
図8に示すように表示装置105にソフト起動時の画面が表示される。
【0086】
分析用のソフトを起動した後、カンチレバー取付工程が行われる。カンチレバー取付工程において、ユーザは観察装置200のホルダ14にカンチレバー10を取り付ける。
【0087】
カンチレバー取付工程の後、光軸調整工程が行われる。光軸調整工程は、カンチレバー10の動作を検出するための光軸を調整する工程である。光軸調整工程は、ユーザが関わることなく制御装置100によって自動で行われる。具体的には、光軸調整工程においては、制御装置100が観察装置200を制御することで、カンチレバー10に反射したレーザ光LAの位置(受光量が最も大きい位置)が検出器28の受光面の中央に入射するように、光学系20が自動で調整される。
【0088】
光学調整工程の後、試料セット工程が行われる。試料セット工程は、ユーザが試料をセットする工程に加えて、アプローチ工程と、パラメータ調整工程とを含む。アプローチ工程およびパラメータ調整工程は、ユーザが関わることなく制御装置100によって自動で行われる。
【0089】
アプローチ工程は、探針12を試料Sの表面に近づける工程である。具体的には、アプローチ工程においては、ユーザによって予め設定された高さ(
図3に示すZ軸方向の高さ)から、探針12が試料Sに向かってゆっくりとした速度(たとえば、1mm/分の速度)で近づけられる。探針12が試料Sに所定範囲内にまで近づくと、探針12と試料Sの表面との間に原子間力が発生する。制御装置100が探針12と試料Sの表面との間に発生した原子間力を検知すると、アプローチ工程が完了する。
【0090】
アプローチ工程の後、パラメータ調整工程が行われる。パラメータ調整工程は、試料を分析するためのパラメータを調整するための工程である。たとえば、パラメータ調整工程においては、探針12と試料Sとの間で距離制御を行うためのフィードバックゲインが自動で調整される。
【0091】
試料セット工程の後、観察工程が行われる。観察工程においては、探針12を備えたカンチレバー10が試料Sの表面に沿って走査することによって試料Sの表面の情報が得られる。
【0092】
試料セット工程の後、データ解析工程が行われる。データ解析工程においては、観察工程によって得られた観察装置200の検出結果に基づき、制御装置100によって試料Sが分析される。
【0093】
上述したような工程においては、制御装置100が表示制御プログラム141を実行することで、表示装置105に対する表示制御が行われる。具体的には、制御装置100は、ソフト起動工程と、光軸調整工程と、試料セット工程(アプローチ工程、パラメータ調整工程)とにおいて、表示制御を行う。特に、試料Sを分析するための工程のうち、光軸調整工程、アプローチ工程、およびパラメータ調整工程は、制御装置100および観察装置200によって自動で行われる。このため、これらの工程においては、ユーザが待機せざるを得ない時間が発生する。このようなユーザにストレスがかかるおそれがある待機時間において、表示制御が行われる。
【0094】
なお、上述した光軸調整工程、アプローチ工程、およびパラメータ調整工程のように、制御装置100によって行われる自動調整の工程においては、これらの自動調整に要する時間が変動する。たとえば、アプローチ工程では、ユーザが設定した探針12の高さと、試料Sの厚さ(
図3に示すZ軸方向の厚さ)とに応じて、探針12が試料Sに所定範囲内に近づくまでの時間が決まる。このため、ユーザが設定した探針12の高さおよび試料Sの厚さによっては、アプローチ工程においてユーザが待機する時間が長くなることがある。制御装置100は、このような状況に応じて変動するなユーザの待機時間において、表示制御を行うように構成されている。
【0095】
[表示制御の一例]
図8~
図11を参照しながら、制御装置100による表示装置105に対する表示制御の一例について説明する。
【0096】
(ソフト起動時における表示制御)
図8は、ソフト起動時における表示装置105の画面の一例を示す図である。
図8に示すように、分析用のソフトが起動すると、表示装置105は、制御装置100の制御に基づき、ソフト起動画面151を表示する。
【0097】
表示装置105は、ソフト起動画面151の一部において、試料Sの分析に用いられる部品に関する情報を含む部品関連画像160を表示する。部品関連画像160は、部品の交換を促す情報と、部品の発注先に関する情報と、部品の消耗具合に関する情報とを含む。なお、
図8に示す例は、
図6に示すように、カンチレバーAに関する情報をユーザAに提供する例である。
【0098】
たとえば、部品関連画像160は、部品の交換を促す情報として、「カンチレバーの交換時期です。」というメッセージを含む。部品関連画像160は、部品の発注先に関する情報として、「発注はこちら」というメッセージとともに発注先アドレスを含む。部品関連画像160は、部品の消耗具合に関する情報として、「前回発注から70日間経過」というメッセージを含む。なお、部品関連画像160は、
図8に示す例に限らず、部品の交換を促す情報、部品の発注先に関する情報、および部品の消耗具合に関する情報として、他の情報を含んでいてもよい。部品関連画像160は、カンチレバー10に限らず、ホルダ14などの他の部品(消耗品)の交換を促す情報を含んでいてもよい。
【0099】
このように、分析装置1は、ソフト起動時において、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示装置105に表示する。これにより、ユーザ自らがカンチレバー10のような部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先を調べる必要がない。よって、分析装置1は、ユーザに利便性を提供しながら試料Sの分析を行わせることができる。部品メーカにおいても、表示装置105に表示された発注先情報に基づきユーザが自ら部品を発注してくれることで、他の部品メーカにおいてユーザと取引されることなくスムーズに部品の受注を受けることができる。
【0100】
(光軸調整中における表示制御)
図9は、光軸調整中における表示装置105の画面の一例を示す図である。
図9に示すように、光軸調整工程において、表示装置105は、制御装置100の制御に基づき、光軸調整画面152を表示する。
【0101】
表示装置105は、光軸調整画面152の一部において、試料Sの分析のアドバイスに関する情報を含むアドバイス画像171を表示する。たとえば、アドバイス画像171は、カンチレバー10がホルダ14に正しく取り付けられていることの確認をユーザに促す旨のメッセージおよび図を含む。なお、アドバイス画像171は、
図9に示す例に限らず、試料Sの分析のアドバイスに関する情報として、他の情報を含んでいてもよい。
【0102】
このように、分析装置1は、光軸調整中のようなユーザが待機中の工程において、試料Sの分析のアドバイスに関する情報を表示装置105に表示する。これにより、ユーザが待機時間を極力退屈することがない。よって、分析装置1は、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0103】
表示装置105は、光軸調整画面152の一部において、試料Sの分析の進捗に関する情報を含む進捗画像172を表示する。たとえば、進捗画像172は、現在進行中の工程を示す「光軸調整中」のメッセージとともに、進捗状態を示すプログレスバー175を含む。なお、進捗画像172は、
図9に示す例に限らず、試料Sの分析の進捗に関する情報として、他の情報を含んでいてもよい。たとえば、進捗画像172は、試料Sの分析の進捗に関する情報として、
図10に示すようなスピナー画像185を含んでいてもよい。
【0104】
このように、分析装置1は、光軸調整中のようなユーザが待機中の工程において、試料Sの分析の進捗に関する情報を表示装置105に表示する。これにより、分析装置1は、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0105】
(アプローチ中における表示制御)
図10は、アプローチ中における表示装置の画面の一例を示す図である。
図10に示すように、アプローチ工程において、表示装置105は、制御装置100の制御に基づき、アプローチ画面153を表示する。
【0106】
表示装置105は、アプローチ画面153の一部において、試料Sを分析するための工程を撮影したライブ画像181を表示する。たとえば、ライブ画像181は、アプローチ工程において探針12が試料Sに近づく様子を撮影部70が撮影した静止画または動画を含む。なお、ライブ画像181は、
図10に示す例に限らず、試料Sを分析するための工程を撮影した画像として、他の画像を含んでいてもよい。たとえば、ライブ画像181は、試料Sを分析するための工程(たとえば、アプローチ工程)をアニメーション化した画像を含んでいてもよい。
【0107】
このように、分析装置1は、アプローチ中のようなユーザが待機中の工程において、試料Sを分析するための工程を撮影した画像を表示装置105に表示する。これにより、ユーザが待機時間を極力退屈することがない。よって、分析装置1は、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0108】
表示装置105は、アプローチ画面153の一部において、試料Sの分析の進捗に関する情報を含む進捗画像182を表示する。たとえば、進捗画像182は、現在進行中の工程を示す「アプローチ中」のメッセージとともに、進捗状態を示すスピナー画像185を含む。なお、進捗画像182は、
図10に示す例に限らず、試料Sの分析の進捗に関する情報として、他の情報を含んでいてもよい。たとえば、進捗画像182は、試料Sの分析の進捗に関する情報として、
図9に示すようなプログレスバー175を含んでいてもよい。
【0109】
このように、分析装置1は、アプローチ中のようなユーザが待機中の工程において、試料Sの分析の進捗に関する情報を表示装置105に表示する。これにより、分析装置1は、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0110】
(パラメータ調整中における表示制御)
図11は、パラメータ調整中における表示装置の画面の一例を示す図である。
図11に示すように、パラメータ調整工程において、表示装置105は、制御装置100の制御に基づき、パラメータ調整画面154を表示する。
【0111】
表示装置105は、パラメータ調整画面154の一部において、試料Sの分析に用いられる部品に関する情報を含む部品関連画像190を表示する。部品関連画像190は、部品の交換を促す情報と、部品の発注先に関する情報と、部品の消耗具合に関する情報とを含む。なお、
図11に示す例は、
図6に示すように、カンチレバーAに関する情報をユーザAに提供する例である。
【0112】
たとえば、部品関連画像190は、部品の交換を促す情報として、「カンチレバーの交換時期です。」というメッセージを含む。部品関連画像190は、部品の発注先に関する情報として、「発注はこちら」というメッセージとともに発注先アドレスを含む。部品関連画像190は、部品の消耗具合に関する情報として、「前回発注から70日間経過」というメッセージを含む。なお、部品関連画像190は、
図11に示す例に限らず、部品の交換を促す情報、部品の発注先に関する情報、および部品の消耗具合に関する情報として、他の情報を含んでいてもよい。部品関連画像190は、カンチレバー10に限らず、ホルダ14などの他の部品(消耗品)の交換を促す情報を含んでいてもよい。
【0113】
このように、分析装置1は、パラメータ調整中のようなユーザが待機中の工程において、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示装置105に表示する。これにより、ユーザ自らがカンチレバー10のような部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先を調べる必要がない。よって、分析装置1は、ユーザに利便性を提供しながら試料Sの分析を行わせることができる。部品メーカにおいても、表示装置105に表示された発注先情報に基づきユーザが自ら部品を発注してくれることで、他の部品メーカにおいて取引されることなくスムーズに部品の受注を受けることができる。
【0114】
表示装置105は、パラメータ調整画面154の一部において、試料Sの分析の進捗に関する情報を含む進捗画像192を表示する。たとえば、進捗画像192は、現在進行中の工程を示す「パラメータ調整中」のメッセージとともに、進捗状態を示すスピナー画像195を含む。なお、進捗画像192は、
図11に示す例に限らず、試料Sの分析の進捗に関する情報として、他の情報を含んでいてもよい。たとえば、進捗画像192は、試料Sの分析の進捗に関する情報として、
図9に示すようなプログレスバー175を含んでいてもよい。
【0115】
このように、分析装置1は、パラメータ調整中のようなユーザが待機中の工程において、試料Sの分析の進捗に関する情報を表示装置105に表示する。これにより、分析装置1は、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0116】
[情報提供システムの表示制御に関する処理]
(ソフト起動時における表示制御に関する処理)
図12は、本実施の形態に係る情報提供システム1000が実行するソフト起動時における表示制御のフローチャートである。
図12に示される処理ステップ(以下、これを「S」と略す。)は、制御装置100のプロセッサ102(演算部112)による表示制御プログラム141の実行、および、サーバ装置300のプロセッサ302(演算部312)による情報提供プログラム341の実行によって実現される。
【0117】
図12に示すように、ソフト起動時において、制御装置100は、判定用情報をサーバ装置300に送信する(S11)。判定用情報は、サーバ装置300が部品の交換が必要であるか否かを判定するための情報である。たとえば、判定用情報は、分析装置1のユーザを特定するための情報(たとえば、ID、パスワード、ユーザの名前、住所、電話番号など)、および、ユーザが使用する部品を特定するための情報(たとえば、製造番号、型式など)の少なくともいずれか1つを含む。
【0118】
サーバ装置300は、判定用情報を受信したか否かを判定する(S31)。サーバ装置300は、判定用情報を受信していない場合(S31でNO)、本処理を終了する。サーバ装置300は、判定用情報を受信した場合(S31でYES)、判定用情報からユーザおよび部品の少なくともいずれか1つを特定し、ユーザ管理テーブル343に基づき、対象となる部品の交換が必要であるか否かを判定する(S32)。具体的には、サーバ装置300は、ユーザ管理テーブル343に格納された交換フラグの情報に基づき、対象となる部品について、交換フラグに「1」が設定されている場合は部品の交換が必要であると特定し、交換フラグに「0」が設定されている場合は部品の交換が必要でないと特定する。
【0119】
サーバ装置300は、部品の交換が必要でない場合(S32でNO)、本処理を終了する。サーバ装置300は、部品の交換が必要である場合(S32でYES)、部品管理テーブル342に基づき、発注先情報を特定し、特定した発注先情報を制御装置100に送信する(S33)。具体的には、サーバ装置300は、部品管理テーブル342に基づき、対象となる部品について、発注用アドレスおよび前回発注からの経過期間を特定し、特定した発注用アドレスおよび前回発注からの経過期間を含む発注先情報を制御装置100に送信する。その後、サーバ装置300は、本処理を終了する。
【0120】
制御装置100は、S11において判定用情報を送信した後、発注先情報を受信したか否かを判定する(S12)。制御装置100は、判定用情報を送信してから所定の制限時間内に発注先情報を受信しなかった場合(S12でNO)、本処理を終了する。制御装置100は、判定用情報を送信してから所定の制限時間内に発注先情報を受信した場合(S12でYES)、発注先情報に基づき、表示装置105に対して表示制御を行う(S13)。
【0121】
具体的には、制御装置100は、表示装置105に対して表示制御を行うことで、
図8に示すように、ソフト起動画面151の一部において、部品関連画像160を表示する。その後、制御装置100は、本処理を終了する。
【0122】
このように、情報提供システム1000(分析装置1の制御装置100、サーバ装置300)は、ソフト起動時において、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示装置105に表示する。これにより、情報提供システム1000は、ユーザに利便性を提供しながら試料Sの分析を行わせることができる。
【0123】
さらに、情報提供システム1000による情報提供方法は、ソフト起動時において、部品の交換が必要であるか否かを判定するステップ(S32)と、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示装置105に表示させるステップ(S13)とを備える。これにより、情報提供方法は、ユーザに利便性を提供しながら試料Sの分析を行わせることができる。
【0124】
なお、サーバ装置300は、ソフト起動時において、部品の交換が必要である場合に、部品の交換が必要であることを示す情報および分析装置1を特定する情報(たとえば、型式、製造番号、管理番号など)のうちの少なくとも1つを、部品の発注先に通知してもよい。このような情報提供方法によれば、ユーザ自らが部品の発注先に連絡する必要がない。
【0125】
(自動調整時における表示制御に関する処理)
図13は、本実施の形態に係る情報提供システム1000が実行する自動調整時における表示制御のフローチャートである。
図13に示される処理ステップ(以下、これを「S」と略す。)は、制御装置100のプロセッサ102(演算部112)による表示制御プログラム141の実行、および、サーバ装置300のプロセッサ302(演算部312)による情報提供プログラム341の実行によって実現される。
【0126】
図13に示すように、制御装置100は、自動調整中か否かを判定する(S101)。具体的には、制御装置100は、現在実行中の工程が、光軸調整工程、アプローチ工程、およびパラメータ調整工程のいずれかであるか否かを判定する。制御装置100は、自動調整中でない場合(S101でNO)、本処理を終了する。
【0127】
制御装置100は、自動調整中である場合(S101でYES)、光軸調整中か否かを判定する(S102)。制御装置100は、光軸調整中である場合(S102でYES)、メモリ104に予め格納されたアドバイス情報を取得する(S103)。アドバイス情報は、試料Sの分析のアドバイスに関する情報を含む。なお、このとき、制御装置100は、光軸調整工程の進捗に関する情報も取得する。
【0128】
制御装置100は、取得したアドバイス情報および光軸調整工程の進捗に関する情報に基づき、表示装置105に対して表示制御を行う(S104)。具体的には、制御装置100は、表示装置105に対して表示制御を行うことで、
図9に示すように、光軸調整画面152の一部において、アドバイス画像171およびを進捗画像172を表示する。その後、制御装置100は、本処理を終了する。
【0129】
このように、情報提供システム1000(分析装置1の制御装置100、サーバ装置300)は、光軸調整中のようなユーザが待機中の工程において、試料Sの分析のアドバイスに関する情報、および、試料Sの分析の進捗に関する情報を表示装置105に表示する。これにより、情報提供システム1000は、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0130】
制御装置100は、S102において、光軸調整中でないと判定した場合(S102でNO)、アプローチ中か否かを判定する(S105)。制御装置100は、アプローチ中である場合(S105でYES)、アプローチ情報を取得する(S106)。アプローチ情報は、撮影部70によってアプローチ工程を撮影した画像に関する情報を含む。なお、このとき、制御装置100は、アプローチ工程の進捗に関する情報も取得する。
【0131】
制御装置100は、取得したアプローチ情報およびアプローチ工程の進捗に関する情報に基づき、表示装置105に対して表示制御を行う(S104)。具体的には、制御装置100は、表示装置105に対して表示制御を行うことで、
図10に示すように、アプローチ画面153の一部において、ライブ画像181およびを進捗画像182を表示する。その後、制御装置100は、本処理を終了する。
【0132】
このように、情報提供システム1000は、アプローチ中のようなユーザが待機中の工程において、試料Sを分析するための工程を撮影した画像、および、試料Sの分析の進捗に関する情報を表示装置105に表示する。これにより、情報提供システム1000は、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0133】
制御装置100は、S105において、アプローチ中でないと判定した場合(S105でNO)、パラメータ調整中であると特定し、判定用情報をサーバ装置300に送信する(S107)。判定用情報は、サーバ装置300が部品の交換が必要であるか否かを判定するための情報である。たとえば、判定用情報は、分析装置1のユーザを特定するための情報(たとえば、ID、パスワード、ユーザの名前、住所、電話番号など)、および、ユーザが使用する部品を特定するための情報(たとえば、製造番号、型式など)の少なくともいずれか1つを含む。
【0134】
サーバ装置300は、判定用情報を受信したか否かを判定する(S301)。サーバ装置300は、判定用情報を受信していない場合(S301でNO)、本処理を終了する。サーバ装置300は、判定用情報を受信した場合(S301でYES)、判定用情報からユーザおよび部品の少なくともいずれか1つを特定し、ユーザ管理テーブル343に基づき、対象となる部品の交換が必要であるか否かを判定する(S302)。具体的には、サーバ装置300は、ユーザ管理テーブル343に格納された交換フラグの情報に基づき、対象となる部品について、交換フラグに「1」が設定されている場合は部品の交換が必要であると特定し、交換フラグに「0」が設定されている場合は部品の交換が必要でないと特定する。
【0135】
サーバ装置300は、部品の交換が必要でない場合(S302でNO)、本処理を終了する。サーバ装置300は、部品の交換が必要である場合(S302でYES)、部品管理テーブル342に基づき、発注先情報を特定し、特定した発注先情報を制御装置100に送信する(S303)。具体的には、サーバ装置300は、部品管理テーブル342に基づき、対象となる部品について、発注用アドレスおよび前回発注からの経過期間を特定し、特定した発注用アドレスおよび前回発注からの経過期間を含む発注先情報を制御装置100に送信する。その後、サーバ装置300は、本処理を終了する。
【0136】
制御装置100は、S107で判定用情報を送信した後、発注先情報を受信したか否かを判定する(S108)。制御装置100は、判定用情報を送信してから所定の制限時間内に発注先情報を受信しなかった場合(S108でNO)、本処理を終了する。制御装置100は、判定用情報を送信してから所定の制限時間内に発注先情報を受信した場合(S108でYES)、さらに、パラメータ調整工程の進捗に関する情報も取得し、取得した発注先情報およびパラメータ調整工程の進捗に関する情報に基づき、表示装置105に対して表示制御を行う(S104)。
【0137】
具体的には、制御装置100は、表示装置105に対して表示制御を行うことで、
図11に示すように、パラメータ調整画面154の一部において、部品関連画像190およびを進捗画像192を表示する。その後、制御装置100は、本処理を終了する。
【0138】
このように、情報提供システム1000(分析装置1の制御装置100、サーバ装置300)は、パラメータ調整中のようなユーザが待機中の工程において、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示装置105に表示する。これにより、情報提供システム1000は、ユーザに利便性を提供しながら試料Sの分析を行わせることができる。さらに、情報提供システム1000は、パラメータ調整中のようなユーザが待機中の工程において、試料Sの分析の進捗に関する情報を表示装置105に表示する。これにより、情報提供システム1000は、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0139】
さらに、情報提供システム1000による情報提供方法は、自動調整時において、部品の交換が必要であるか否かを判定するステップ(S302)と、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示装置105に表示させるステップ(S104)とを備える。これにより、情報提供方法は、ユーザに利便性を提供しながら試料Sの分析を行わせることができる。
【0140】
なお、サーバ装置300は、自動調整時において、部品の交換が必要である場合に、部品の交換が必要であることを示す情報および分析装置1を特定する情報(たとえば、型式、製造番号、管理番号など)のうちの少なくとも1つを、部品の発注先に通知してもよい。このような情報提供方法によれば、ユーザ自らが部品の発注先に連絡する必要がない。
【0141】
[変形例]
以上、本実施の形態に係る分析装置1、サーバ装置300、および情報提供システム1000について説明したが、これらの構成においては、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、変形例について説明する。
【0142】
(分析装置の構成)
本実施の形態においては、分析装置1が、走査型プローブ顕微鏡(SPM)であったが、SPMに限らない。たとえば、分析装置1は、試料の分析に用いられる部品の交換が必要な他の分析装置であってもよい。分析装置1は、試料を分析するための工程として、ユーザが待機する工程が設けられた他の分析装置であってもよい。
【0143】
本実施の形態においては、分析装置1が、制御装置100と観察装置200とが別体となって構成されているが、分析装置1は、制御装置100と観察装置200とが一体となって構成されてもよい。
【0144】
(表示制御に関する処理)
本実施の形態においては、サーバ装置300が部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部321を備えていたが、分析装置1の制御装置100が部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部を備えていてもよい。
【0145】
たとえば、
図14は、変形例に係る情報提供システムが実行するソフト起動時における表示制御のフローチャートである。
図14に示される処理ステップ(以下、これを「S」と略す。)は、変形例に係る制御装置100Aのプロセッサ102(演算部112)による表示制御プログラム141の実行、および、変形例に係るサーバ装置300Aのプロセッサ302(演算部312)による情報提供プログラム341の実行によって実現される。
【0146】
図14に示すように、ソフト起動時において、制御装置100Aは、部品の交換が必要であるか否かを判定する(S11A)。
【0147】
具体的には、制御装置100Aは、カンチレバー10およびホルダ14などの部品(消耗品)を撮影部60または撮影部70などで撮影し、部品が映し出された撮影画像と、メモリ104に予め格納されたNG品(交換が必要と判断された部品)が映し出された撮影画像とを画像認識などで比較する。制御装置100Aは、画像認識による比較によって、両者の類似度が所定の閾値以上であると判断した場合に、部品の交換が必要であると特定する。
【0148】
別の手法として、制御装置100Aは、分析装置1による前回以前の分析時において、カンチレバー10およびホルダ14などの部品(消耗品)の使用期間を算出し、その使用期間が規定期間を超えているか否かを判定する。たとえば、前回以前の分析時において、カンチレバー10を24時間連続で使用していた場合、制御装置100Aは、そのカンチレバー10の交換が必要であると特定する。制御装置100Aは、部品の使用期間が規定期間を超えていると判断した場合に、部品の交換が必要であると特定する。
【0149】
制御装置100Aは、部品の交換が必要でない場合(S11AでNO)、本処理を終了する。制御装置100Aは、部品の交換が必要である場合(S11AでYES)、発注先情報を要求する要求情報をサーバ装置300Aに送信する(S12A)。要求情報は、分析装置1のユーザを特定するための情報(たとえば、ID、パスワード、ユーザの名前、住所、電話番号など)、および、ユーザが使用する部品を特定するための情報(たとえば、製造番号、型式など)の少なくともいずれか1つを含む。
【0150】
サーバ装置300Aは、要求情報を受信したか否かを判定する(S31A)。サーバ装置300Aは、要求情報を受信していない場合(S31AでNO)、本処理を終了する。サーバ装置300は、要求情報を受信した場合(S31でYES)、部品管理テーブル342に基づき、発注先情報を特定し、特定した発注先情報を制御装置100Aに送信する(S32A)。
【0151】
制御装置100Aは、S12Aにおいて要求情報を送信した後、発注先情報を受信したか否かを判定する(S13A)。制御装置100Aは、要求情報を送信してから所定の制限時間内に発注先情報を受信しなかった場合(S13AでNO)、本処理を終了する。制御装置100Aは、要求情報を送信してから所定の制限時間内に発注先情報を受信した場合(S13AでYES)、発注先情報に基づき、表示装置105に対して表示制御を行う(S14A)。
【0152】
具体的には、制御装置100Aは、表示装置105に対して表示制御を行うことで、
図8に示すように、ソフト起動画面151の一部において、部品関連画像160を表示する。なお、部品関連画像160においては、部品の消耗具合に関する情報として、「使用期間が24時間を超えています」というメッセージが含まれていてもよい。その後、制御装置100Aは、本処理を終了する。
【0153】
このように、変形例に係る情報提供システムは、ソフト起動時において、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示装置105に表示する。これにより、情報提供システムは、ユーザに利便性を提供しながら試料Sの分析を行わせることができる。
【0154】
さらに、変形例に係る情報提供システムによる情報提供方法は、ソフト起動時において、部品の交換が必要であるか否かを判定するステップ(S11A)と、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示装置105に表示させるステップ(S14A)とを備える。これにより、情報提供方法は、ユーザに利便性を提供しながら試料Sの分析を行わせることができる。
【0155】
なお、制御装置100Aは、ソフト起動時において、部品の交換が必要である場合に、部品の交換が必要であることを示す情報および分析装置1を特定する情報(たとえば、型式、製造番号、管理番号など)のうちの少なくとも1つを、部品の発注先に通知してもよい。このような情報提供方法によれば、ユーザ自らが部品の発注先に連絡する必要がない。
【0156】
図15は、変形例に係る情報提供システムが実行する自動調整時における表示制御のフローチャートである。
図15に示される処理ステップ(以下、これを「S」と略す。)は、変形例に係る制御装置100Bのプロセッサ102(演算部112)による表示制御プログラム141の実行、および、変形例に係るサーバ装置300Bのプロセッサ302(演算部312)による情報提供プログラム341の実行によって実現される。なお、
図15に示すステップのうち、S101~S106は、
図13に示すS101~S106と同様の処理なので、ここではその説明を省略する。
【0157】
図15に示すように、制御装置100Bは、アプローチ中か否かを判定し(S105)、アプローチ中でないと判定した場合(S105でNO)、部品の交換が必要であるか否かを判定する(S107B)。
【0158】
具体的には、制御装置100Bは、カンチレバー10およびホルダ14などの部品(消耗品)を撮影部60または撮影部70などで撮影し、部品が映し出された撮影画像と、メモリ104に予め格納されたNG品(交換が必要と判断された部品)が映し出された撮影画像とを画像認識などで比較する。制御装置100Bは、画像認識による比較によって、両者の類似度が所定の閾値以上であると判断した場合に、部品の交換が必要であると特定する。
【0159】
別の手法として、制御装置100Bは、前回以前の分析時において、カンチレバー10およびホルダ14などの部品(消耗品)の使用期間を算出し、その使用期間が所定の上限期間を超えているか否かを判定する。制御装置100Bは、部品の使用期間が所定の上限期間を超えていると判断した場合に、部品の交換が必要であると特定する。
【0160】
制御装置100Bは、部品の交換が必要でない場合(S107BでNO)、本処理を終了する。制御装置100Bは、部品の交換が必要である場合(S107BでYES)、発注先情報を要求する要求情報をサーバ装置300Bに送信する(S108B)。要求情報は、分析装置1のユーザを特定するための情報(たとえば、ID、パスワード、ユーザの名前、住所、電話番号など)、および、ユーザが使用する部品を特定するための情報(たとえば、製造番号、型式など)の少なくともいずれか1つを含む。
【0161】
サーバ装置300Bは、要求情報を受信したか否かを判定する(S301B)。サーバ装置300Bは、要求情報を受信していない場合(S301BでNO)、本処理を終了する。サーバ装置300Bは、要求情報を受信した場合(S301BでYES)、部品管理テーブル342に基づき、発注先情報を特定し、特定した発注先情報を制御装置100Bに送信する(S32A)。
【0162】
制御装置100Bは、S108Bにおいて要求情報を送信した後、発注先情報を受信したか否かを判定する(S109B)。制御装置100Bは、要求情報を送信してから所定の制限時間内に発注先情報を受信しなかった場合(S109BでNO)、本処理を終了する。制御装置100Bは、要求情報を送信してから所定の制限時間内に発注先情報を受信した場合(S109BでYES)、発注先情報に基づき、表示装置105に対して表示制御を行う(S104B)。
【0163】
具体的には、制御装置100Bは、表示装置105に対して表示制御を行うことで、
図11に示すように、パラメータ調整画面154の一部において、部品関連画像190およびを進捗画像192を表示する。なお、部品関連画像190においては、部品の消耗具合に関する情報として、「使用期間が24時間を超えています」というメッセージが含まれていてもよい。その後、制御装置100Bは、本処理を終了する。
【0164】
このように、変形例に係る情報提供システムは、パラメータ調整中のようなユーザが待機中の工程において、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示装置105に表示する。これにより、情報提供システムは、ユーザに利便性を提供しながら試料Sの分析を行わせることができる。
【0165】
さらに、変形例に係る情報提供システムによる情報提供方法は、自動調整時において、部品の交換が必要であるか否かを判定するステップ(S107B)と、部品の交換が必要である場合に、部品の発注先に関する発注先情報を表示装置105に表示させるステップ(S104B)とを備える。これにより、情報提供方法は、ユーザに利便性を提供しながら試料Sの分析を行わせることができる。
【0166】
なお、制御装置100Bは、自動調整時において、部品の交換が必要である場合に、部品の交換が必要であることを示す情報および分析装置1を特定する情報(たとえば、型式、製造番号、管理番号など)のうちの少なくとも1つを、部品の発注先に通知してもよい。このような情報提供方法によれば、ユーザ自らが部品の発注先に連絡する必要がない。
【0167】
本実施の形態においては、
図8に示すように、ソフト起動画面151において、部品の交換を促す情報と、部品の発注先に関する情報と、部品の消耗具合に関する情報とが表示されたが、その他の情報も表示されてもよい。たとえば、分析装置1は、ソフト起動画面151において、
図9および
図10に示すように、試料Sの分析のアドバイスに関する情報、または、試料Sの分析の進捗に関する情報を表示装置105に表示してもよい。
【0168】
本実施の形態においては、
図9に示すように、光軸調整画面152において、試料Sの分析のアドバイスに関する情報と、試料Sの分析の進捗に関する情報とが表示されたが、その他の情報も表示されてもよい。たとえば、分析装置1は、光軸調整画面152において、
図8および
図10に示すように、部品の交換を促す情報、部品の発注先に関する情報、部品の消耗具合に関する情報、または、試料Sを分析するための工程を撮影したライブ画像やアニメーション画像を表示装置105に表示してもよい。
【0169】
本実施の形態においては、
図10に示すように、アプローチ画面153において、試料Sを分析するための工程を撮影したライブ画像181と、試料Sの分析の進捗に関する情報とが表示されたが、その他の情報も表示されてもよい。たとえば、分析装置1は、アプローチ画面153において、
図8および
図9に示すように、試料Sの分析のアドバイスに関する情報、部品の交換を促す情報、部品の発注先に関する情報、または、部品の消耗具合に関する情報を表示装置105に表示してもよい。
【0170】
さらに、分析装置1は、「所定情報」として、ユーザが使用する当該分析装置1とは異なる他の分析装置に関する情報を表示装置105に表示してもよい。たとえば、分析装置1は、ソフト起動画面151、光軸調整画面152、およびアプローチ画面153の少なくともいずれか1つにおいて、装置メーカが販売する他の分析装置のコマーシャルメッセージなどを表示装置105に表示してもよい。
【0171】
分析装置1は、「所定情報」として、部品の広告に関する情報を表示装置105に表示してもよい。たとえば、分析装置1は、ソフト起動画面151、光軸調整画面152、およびアプローチ画面153の少なくともいずれか1つにおいて、新しい部品のコマーシャルメッセージなどを表示装置105に表示してもよい。
【0172】
分析装置1は、「所定情報」として、占い、天気予報、ゲームなど、待機中のユーザを退屈させない情報を表示装置105に表示してもよい。
【0173】
(サーバ装置と発注先端末との間の処理)
装置メーカ側に属するサーバ装置300は、
図6に示すように、ユーザ管理テーブル343に基づき、部品の交換タイミングを概ね予測することができる。このため、サーバ装置300は、部品メーカ側に属する発注先端末400に対して、ユーザ管理テーブル343に含まれる情報を送信してもよい。このようにすれば、部品メーカは、部品の発注タイミングを予測し易くなり、ユーザに対して営業活動などを行うことができる。
【0174】
[態様]
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0175】
(第1-1項) 一態様に係る試料を分析する分析装置は、表示部と、前記表示部を制御する表示制御部とを備える。前記表示制御部は、前記試料を分析するための工程のうち、ユーザが待機中の工程において、所定情報を前記表示部に表示させる。
【0176】
第1-1項に記載の分析装置によれば、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0177】
(第1-2項) 前記所定情報は、前記試料の分析のアドバイスに関する情報と、前記試料の分析に用いられる部品に関する情報と、前記試料の分析の進捗に関する情報と、他の分析装置に関する情報とのうち、少なくともいずれか1つを含む。
【0178】
第1-2項に記載の分析装置によれば、試料の分析のアドバイスに関する情報と、試料の分析に用いられる部品に関する情報と、試料の分析の進捗に関する情報と、他の分析装置に関する情報とのうち、少なくともいずれか1つが表示されることによって、ユーザが待機時間を極力退屈することがない。
【0179】
(第1-3項) 前記部品に関する情報は、前記部品の交換を促す情報と、前記部品の発注先に関する情報と、前記部品の消耗具合に関する情報と、前記部品の広告に関する情報とのうち、少なくともいずれか1つを含む。
【0180】
第1-3項に記載の分析装置によれば、部品の交換を促す情報と、部品の発注先に関する情報と、部品の消耗具合に関する情報と、部品の広告に関する情報とのうち、少なくともいずれか1つが表示されることによって、ユーザに対して部品に関する情報を提供することができ、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【0181】
(第1-4項) 前記分析装置は、前記試料の分析に用いられる部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部をさらに備える。前記表示制御部は、前記部品の交換が必要である場合に、前記部品に関する情報を前記表示部に表示させる。
【0182】
第1-4項に記載の分析装置によれば、ユーザ自らが部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先などを調べる必要がない。よって、分析装置は、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【0183】
(第1-5項) 前記試料の分析の進捗に関する情報は、前記試料を分析するための工程を撮影した画像と、前記試料を分析するための工程をアニメーション化した画像とのうち、少なくともいずれか1つを含む。
【0184】
第1-5項に記載の分析装置によれば、ユーザは、表示された撮影画像またはアニメーション画像によって、試料を分析するための工程を把握しながら待機することができ、ユーザが待機時間を極力退屈することがない。
【0185】
(第1-6項) 前記分析装置は、探針を備えたカンチレバーを前記試料の表面に沿って走査することによって前記試料の表面の情報を得る走査型プローブ顕微鏡である。前記ユーザが待機中の工程は、前記カンチレバーの動作を検出するための光軸を調整する工程と、前記探針を前記試料の前記表面に近づける工程と、パラメータを調整する工程とのうち、少なくともいずれか1つを含む。
【0186】
第1-6項に記載の分析装置によれば、光軸調整工程、アプローチ工程、およびパラメータ調整工程といったような、自動調整が行われるユーザ待機中の工程において、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0187】
(第1-7項) 一態様に係る試料を分析する分析装置の表示部を制御する表示制御方法は、前記試料を分析するための工程のうち、ユーザが待機中の工程であるか否かを判定するステップと、前記ユーザが待機中の工程において、所定情報を前記表示部に表示させるステップとを含む。
【0188】
第1-7項に記載の表示制御方法によれば、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0189】
(第1-8項) 一態様に係る試料を分析する分析装置の表示部を制御する表示制御プログラムは、コンピュータに、前記試料を分析するための工程のうち、ユーザが待機中の工程であるか否かを判定するステップと、前記ユーザが待機中の工程において、所定情報を前記表示部に表示させるステップとを実行させる。
【0190】
第1-8項に記載の表示制御プログラムによれば、ユーザに極力ストレスをかけることなく試料の分析を行わせることができる。
【0191】
(第2-1項) 一態様に係る分析装置による試料の分析に用いられる部品に関する情報を提供する情報提供システムは、前記部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部と、表示部と、前記表示部を制御する表示制御部とを備える。前記表示制御部は、前記部品の交換が必要である場合に、前記部品の発注先に関する発注先情報を前記表示部に表示させる。
【0192】
第2-1項に記載の情報提供システムによれば、ユーザ自らが部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先などを調べる必要がない。よって、情報提供システムは、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【0193】
(第2-2項) 前記情報提供システムは、前記分析装置と、前記分析装置と通信するサーバ装置とを備える。前記分析装置は、前記サーバ装置と通信する装置側通信部と、前記表示部と、前記表示制御部とを含む。前記サーバ装置は、前記分析装置と通信するサーバ側通信部と、前記判定部とを含む。前記分析装置は、前記装置側通信部によって、前記部品の交換が必要であるか否かを判定するための判定用情報を前記サーバ装置に送信する。前記サーバ装置は、前記判定部によって、前記判定用情報に基づき、前記部品の交換が必要であるか否かを判定し、前記部品の交換が必要である場合に、前記サーバ側通信部によって、前記発注先情報を前記分析装置に送信する。前記分析装置は、前記表示制御部によって、前記発注先情報を前記表示部に表示させる。
【0194】
第2-2項に記載の情報提供システムによれば、ユーザ自らが部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先などを調べる必要がない。よって、情報提供システムは、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【0195】
(第2-3項) 前記情報提供システムは、前記分析装置と、前記分析装置と通信するサーバ装置とを備える。前記分析装置は、前記サーバ装置と通信する装置側通信部と、前記判定部と、前記表示部と、前記表示制御部とを含む。前記サーバ装置は、前記分析装置と通信するサーバ側通信部を含む。前記分析装置は、前記判定部によって、前記部品の交換が必要であるか否かを判定し、前記部品の交換が必要である場合に、前記装置側通信部によって、前記発注先情報を要求する要求情報を前記サーバ装置に送信する。前記サーバ装置は、前記サーバ側通信部によって、前記要求情報に基づき、前記発注先情報を前記分析装置に送信する。前記分析装置は、前記表示制御部によって、前記発注先情報を前記表示部に表示させる。
【0196】
第2-3項に記載の情報提供システムによれば、ユーザ自らが部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先などを調べる必要がない。よって、情報提供システムは、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【0197】
(第2-4項) 前記発注先情報は、前記発注先に対してユーザが前記部品を発注するためのアドレスを含む。
【0198】
第2-4項に記載の情報提供システムによれば、ユーザに効率よく部品を発注させることができる。
【0199】
(第2-5項) 前記表示制御部は、前記試料を分析するための工程のうち、ユーザが待機中の工程において、前記発注先情報を前記表示部に表示させる。
【0200】
第2-5項に記載の情報提供システムによれば、ユーザが退屈しがちな待機時間を利用して部品の交換をユーザに促すことができる。
【0201】
(第2-6項) 前記分析装置は、探針を備えたカンチレバーを前記試料の表面に沿って走査することによって前記試料の表面の情報を得る走査型プローブ顕微鏡である。前記ユーザが待機中の工程は、前記カンチレバーの動作を検出するための光軸を調整する工程と、前記探針を前記試料の前記表面に近づける工程と、パラメータを調整する工程とのうち、少なくともいずれか1つを含む。
【0202】
第2-6項に記載の分析装置によれば、光軸調整工程、アプローチ工程、およびパラメータ調整工程といったような、自動調整が行われるユーザ待機中の工程において、部品の交換をユーザに促すことができる。
【0203】
(第2-7項) 一態様に係る試料を分析する分析装置と通信するサーバ装置は、前記分析装置と通信するサーバ側通信部と、前記試料の分析に用いられる部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部とを備える。前記サーバ側通信部は、前記部品の交換が必要である場合に、前記部品の発注先に関する発注先情報を前記分析装置に送信する。
【0204】
第2-7項に記載のサーバ装置によれば、ユーザ自らが部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先などを調べる必要がない。よって、サーバ装置は、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【0205】
(第2-8項) 一態様に係る試料を分析する分析装置は、前記試料の分析に用いられる部品の交換が必要であるか否かを判定する判定部と、表示部と、前記表示部を制御する表示制御部とを備える。前記表示制御部は、前記部品の交換が必要である場合に、前記部品の発注先に関する発注先情報を前記表示部に表示させる。
【0206】
第2-8項に記載の分析装置によれば、ユーザ自らが部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先などを調べる必要がない。よって、分析装置は、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【0207】
(第2-9項) 一態様に係る試料を分析する分析装置による試料の分析に用いられる部品に関する情報を提供する情報提供方法は、前記部品の交換が必要であるか否かを判定するステップと、前記部品の交換が必要である場合に、前記部品の発注先に関する発注先情報を表示部に表示させるステップとを備える。
【0208】
第2-9項に記載の情報提供方法によれば、ユーザ自らが部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先などを調べる必要がない。よって、情報提供方法は、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【0209】
(第2-10項) 一態様に係る試料を分析する分析装置による試料の分析に用いられる部品に関する情報を提供する情報提供方法は、前記部品の交換が必要であるか否かを判定するステップと、前記部品の交換が必要である場合に、前記部品の交換が必要であることを示す情報および前記分析装置を特定する情報のうちの少なくとも1つを、前記部品の発注先に通知するステップとを備える。
【0210】
第2-10項に記載の情報提供方法によれば、ユーザ自らが部品の交換有無を判断し、部品の交換が必要である場合は、ユーザ自らが部品の発注先に連絡する必要がない。よって、情報提供方法は、ユーザに利便性を提供しながら試料の分析を行わせることができる。
【符号の説明】
【0211】
1 分析装置、2 ネットワーク、10 カンチレバー、12 針、14 ホルダ、20 光学系、22 レーザ光源、24 ビームスプリッタ、26 反射鏡、28 検出器、50 スキャナ、52 試料保持部、60,70 撮影部、100 制御装置、102,302 プロセッサ、103,303 通信装置、104,304 メモリ、105 表示装置、106 入力装置、112,312 演算部、113 装置側通信部、114,314 記憶部、115 表示部、116 入力部、121 分析部、122 表示制御部、141 表示制御プログラム、142 分析プログラム、151 ソフト起動画面、152 光軸調整画面、153 アプローチ画面、154 パラメータ調整画面、160,190 部品関連画像、171 アドバイス画像、172,182,192 進捗画像、175 プログレスバー、181 ライブ画像、185,195 スピナー画像、200 観察装置、300,300A,300B サーバ装置、313 サーバ側通信部、321 判定部、341 情報提供プログラム、342 部品管理テーブル、343 ユーザ管理テーブル、400,400A,400B,400C 発注先端末、1000 情報提供システム。