(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172880
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】サブスクリプション商品契約情報管理システム、サブスクリプション商品契約情報管理方法、及びサブスクリプション商品契約情報管理用のコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20221110BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079210
(22)【出願日】2021-05-07
(71)【出願人】
【識別番号】508243710
【氏名又は名称】ビープラッツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 琢磨
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB22
5L049BB67
(57)【要約】
【課題】サブスクリプション商品を取り扱う卸し業者や仕入れ業者が適切に契約情報を管理することができるサブスクリプション商品契約情報管理システムを提供する。
【解決手段】管理システムは、サブスクリプション商品の卸し側ユーザと仕入れ側ユーザとの間における契約情報として、当該サブスクリプション商品を取引する際に第1契約情報を作成して管理する第1契約情報管理手段14,24と、卸し側ユーザからサブスクリプション商品を仕入れた仕入れ側ユーザと、当該仕入れ側ユーザから当該サブスクリプション商品を購入するエンドユーザとの間における契約情報として、当該サブスクリプション商品を購入した際に第2契約情報を作成して管理する第2契約情報管理手段25,33と、第2契約情報の所定項目を変更するとともに、第1契約情報において所定項目に対応する項目を当該所定項目と整合するように変更する契約情報変更手段3とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卸し又は仕入れによって提供されるサブスクリプション商品に関する契約情報を管理するためのサブスクリプション商品契約情報管理システムであって、
前記サブスクリプション商品を卸して提供する卸し側ユーザと、当該卸し側ユーザから当該サブスクリプション商品を仕入れてエンドユーザに提供する仕入れ側ユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を取引する際に第1契約情報を作成して管理する第1契約情報管理手段と、
前記卸し側ユーザから前記サブスクリプション商品を仕入れた前記仕入れ側ユーザと、当該仕入れ側ユーザから当該サブスクリプション商品を購入するエンドユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を購入した際に第2契約情報を作成して管理する第2契約情報管理手段と、を備え、
前記第1契約情報管理手段は、前記第2契約情報の所定項目が変更された場合、前記第1契約情報において前記所定項目に対応する項目を当該所定項目と整合するように変更することを特徴とする、サブスクリプション商品契約情報管理システム。
【請求項2】
前記第2契約情報管理手段は、前記第1契約情報を複製して前記第2契約情報を作成することを特徴とする、請求項1に記載のサブスクリプション商品契約情報管理システム。
【請求項3】
前記第1契約情報管理手段は、前記第1契約情報に含まれる複数の項目について、変更可能項目と変更不可項目とを区別して管理し、
前記第2契約情報管理手段は、
前記第2契約情報において、前記第1契約情報の前記変更可能項目に対応する項目を変更し、
前記第2契約情報において、前記第1契約情報の前記変更不可項目に対応する項目を当該変更不可項目と同一内容として作成することを特徴とする、請求項1又は2に記載のサブスクリプション商品契約情報管理システム。
【請求項4】
前記卸し側ユーザが用いる卸し側ユーザ端末と、前記仕入れ側ユーザが用いる仕入れ側ユーザ端末との接続を許可する接続許可手段を、更に備え、
前記第1契約情報管理手段は、接続が許可された前記卸し側ユーザ端末と前記仕入れ側ユーザ端末とにおいて前記第1契約情報を作成することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のサブスクリプション商品契約情報管理システム。
【請求項5】
卸し又は仕入れによって提供されるサブスクリプション商品に関する契約情報を管理するためのサブスクリプション商品契約情報管理方法であって、
前記サブスクリプション商品を卸して提供する卸し側ユーザと、当該卸し側ユーザから当該サブスクリプション商品を仕入れてエンドユーザに提供する仕入れ側ユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を取引する際に第1契約情報を作成して管理する第1契約情報管理ステップと、
前記卸し側ユーザから前記サブスクリプション商品を仕入れた前記仕入れ側ユーザと、当該仕入れ側ユーザから当該サブスクリプション商品を購入するエンドユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を購入した際に第2契約情報を作成して管理する第2契約情報管理ステップと、
前記第2契約情報の所定項目を変更するとともに、前記第1契約情報において前記所定項目に対応する項目を当該所定項目と整合するように変更する契約情報変更ステップと、
を含むことを特徴とする、サブスクリプション商品契約情報管理方法。
【請求項6】
卸し又は仕入れによって提供されるサブスクリプション商品に関する契約情報を管理するためにコンピュータに実行させるためのサブスクリプション商品契約情報管理用のコンピュータプログラムであって、
前記サブスクリプション商品を卸して提供する卸し側ユーザと、当該卸し側ユーザから当該サブスクリプション商品を仕入れてエンドユーザに提供する仕入れ側ユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を取引する際に第1契約情報を作成して管理する第1契約情報管理手段として機能させるためのプログラムと、
前記卸し側ユーザから前記サブスクリプション商品を仕入れた前記仕入れ側ユーザと、当該仕入れ側ユーザから当該サブスクリプション商品を購入するエンドユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を購入した際に第2契約情報を作成して管理する第2契約情報管理手段として機能させるためのプログラムと、
前記第2契約情報の所定項目を変更するとともに、前記第1契約情報において前記所定項目に対応する項目を当該所定項目と整合するように変更する契約情報変更手段として機能させるためのプログラムと、
を含むことを特徴とする、サブスクリプション商品契約情報管理用のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卸し又は仕入れによって提供されるサブスクリプション商品の契約情報を管理するためのサブスクリプション商品契約情報管理システム、サブスクリプション商品契約情報管理方法、及びサブスクリプション商品契約情報管理用のコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、この種のサブスクリプション商品(サービス)を販売(提供)するシステムとして、サブスクリプション商品に関する商品情報とサブスクリプション契約情報とを対応付けて管理することが可能なシステムを特許出願としてすでに提案している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記提案済みのシステムによれば、例えば仕入れ業者の販売代理店とエンドユーザとの間でやり取りされる情報(サブスクリプション商品の商品情報とサブスクリプション契約情報)を管理することが可能となる。
ところで、一般的な売り切り商品と同様に卸し業者と仕入れ業者を介してサブスクリプション商品を取り扱う場合、卸し業者や仕入れ業者が適切に契約情報を管理したいという要望もある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、サブスクリプション商品を取り扱う卸し業者や仕入れ業者が適切に契約情報を管理することができるサブスクリプション商品契約情報管理システム、サブスクリプション商品契約情報管理方法、及びサブスクリプション商品契約情報管理用のコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面は、
卸し又は仕入れによって提供されるサブスクリプション商品に関する契約情報を管理するためのサブスクリプション商品契約情報管理システムであって、
前記サブスクリプション商品を卸して提供する卸し側ユーザと、当該卸し側ユーザから当該サブスクリプション商品を仕入れてエンドユーザに提供する仕入れ側ユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を取引する際に第1契約情報を作成して管理する第1契約情報管理手段と、
前記卸し側ユーザから前記サブスクリプション商品を仕入れた前記仕入れ側ユーザと、当該仕入れ側ユーザから当該サブスクリプション商品を購入するエンドユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を購入した際に第2契約情報を作成して管理する第2契約情報管理手段と、を備え、
前記第1契約情報管理手段は、前記第2契約情報の所定項目が変更された場合、前記第1契約情報において前記所定項目に対応する項目を当該所定項目と整合するように変更することを特徴とする。
【0007】
これによれば、卸し側ユーザと仕入れ側ユーザとの間でサブスクリプション商品が取引される際に第1契約情報が作成・管理されるとともに、エンドユーザが仕入れ側ユーザからサブスクリプション商品を購入する際に第2契約情報が作成・管理され、その後、エンドユーザと仕入れ側ユーザとの間で第2契約情報の所定項目を変更する場合には、当該所定項目と整合するように第1契約情報においても対応する項目が変更されるので、卸し側ユーザ(卸し業者)や仕入れ側ユーザ(仕入れ業者)といった中間業者がサブスクリプション商品を取引する場合においても、それに伴ってやり取りされる契約情報を、仕入れ側ユーザが事後的に変更可能としつつ適切に管理することができる。
【0008】
本発明の第1側面について好ましい実施の形態としては、
前記第2契約情報管理手段は、前記第1契約情報を複製して前記第2契約情報を作成することを特徴とする。
【0009】
これによれば、第1契約情報を複製することにより仕入れ側ユーザにおいて第2契約情報が作成されるので、卸し側ユーザと仕入れ側ユーザとの間でやり取りされる第1契約情報と、仕入れ側ユーザとエンドユーザとの間でやり取りされる第2契約情報とを齟齬なく管理することができる。
【0010】
本発明の第1側面について他の好ましい実施の形態としては、
前記第1契約情報管理手段は、前記第1契約情報に含まれる複数の項目について、変更可能項目と変更不可項目とを区別して管理し、
前記第2契約情報管理手段は、
前記第2契約情報において、前記第1契約情報の前記変更可能項目に対応する項目を変更し、
前記第2契約情報において、前記第1契約情報の前記変更不可項目に対応する項目を当該変更不可項目と同一内容として作成することを特徴とする。
【0011】
これによれば、第1契約情報においては、変更可能項目と変更不可項目とが区別して管理され、第2契約情報においては、第1契約情報の変更可能項目に対応する所定項目が変更可能とされる一方、第1契約情報の変更不可項目に対応する項目が同一内容として作成されるので、第1契約情報と第2契約情報とについて変更可能な項目を設けつつも齟齬なく管理することができる。
【0012】
本発明の第1側面について他の好ましい実施の形態としては、
前記卸し側ユーザが用いる卸し側ユーザ端末と、前記仕入れ側ユーザが用いる仕入れ側ユーザ端末との接続を許可する接続許可手段を、更に備え、
前記第1契約情報管理手段は、接続が許可された前記卸し側ユーザ端末と前記仕入れ側ユーザ端末とにおいて前記第1契約情報を作成することを特徴とする。
【0013】
これによれば、互いに接続が許可された卸し側ユーザ端末と仕入れ側ユーザ端末との間でサブスクリプション商品を取引する際に、これらの間でやり取りされる第1契約情報が作成されるので、卸し業者と仕入れ業者との間でやり取りされる第1契約情報を齟齬なく確実に管理することができる。
【0014】
本発明の第2側面は、
卸し又は仕入れによって提供されるサブスクリプション商品に関する契約情報を管理するためのサブスクリプション商品契約情報管理方法であって、
前記サブスクリプション商品を卸して提供する卸し側ユーザと、当該卸し側ユーザから当該サブスクリプション商品を仕入れてエンドユーザに提供する仕入れ側ユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を取引する際に第1契約情報を作成して管理する第1契約情報管理ステップと、
前記卸し側ユーザから前記サブスクリプション商品を仕入れた前記仕入れ側ユーザと、当該仕入れ側ユーザから当該サブスクリプション商品を購入するエンドユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を購入した際に第2契約情報を作成して管理する第2契約情報管理ステップと、
前記第2契約情報の所定項目を変更するとともに、前記第1契約情報において前記所定項目に対応する項目を当該所定項目と整合するように変更する契約情報変更ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0015】
これによれば、上記本発明の第1側面に係るシステムと同様の効果を実現することができる。
【0016】
本発明の第3側面は、
卸し又は仕入れによって提供されるサブスクリプション商品に関する契約情報を管理するためにコンピュータに実行させるためのサブスクリプション商品契約情報管理用のコンピュータプログラムであって、
前記サブスクリプション商品を卸して提供する卸し側ユーザと、当該卸し側ユーザから当該サブスクリプション商品を仕入れてエンドユーザに提供する仕入れ側ユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を取引する際に第1契約情報を作成して管理する第1契約情報管理手段として機能させるためのプログラムと、
前記卸し側ユーザから前記サブスクリプション商品を仕入れた前記仕入れ側ユーザと、当該仕入れ側ユーザから当該サブスクリプション商品を購入するエンドユーザとの間における前記契約情報として、当該サブスクリプション商品を購入した際に第2契約情報を作成して管理する第2契約情報管理手段として機能させるためのプログラムと、
前記第2契約情報の所定項目を変更するとともに、前記第1契約情報において前記所定項目に対応する項目を当該所定項目と整合するように変更する契約情報変更手段として機能させるためのプログラムと、
を含むことを特徴とする。
【0017】
これによれば、上記本発明の第1側面に係るシステムと同様の効果を実現することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、サブスクリプション商品を取り扱う卸し業者や仕入れ業者が適切に契約情報を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るサブスクリプション商品に関する管理システムの全体像を模式的に示す概念図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサブスクリプション商品に関する管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るサブスクリプション商品に関する管理システムにおける識別トークン台帳TLを模式的に示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るサブスクリプション商品に関する管理システムにおける契約情報を説明する図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るサブスクリプション商品に関する管理システムでやり取りされる情報の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係るサブスクリプション商品に関する管理システム(以下、「管理システム」という)ついて詳細に説明する。
【0021】
[管理システムの全体像]
まず、管理システムの全体像について
図1を参照して説明する。
図1は、管理システムの全体像を模式的に示す概念図である。本実施形態の管理システムは、一般的に契約行為に基づき、一定期間内に商品提供あるいはサービス提供とその対価にあたる課金が繰り返されるタイプのいわゆるサブスクリプション商品に関して管理を行うためのものである。具体的には、
図1に示すように、インターネット上のネットワークシステムとして管理システムが構築されており、管理システムにおいては、商品提供やサービス提供(例えばインターネットを介したプログラムやデータのダウンロード等)の主体となるメーカーMからエンドユーザCに対してサブスクリプション商品SPとそれに伴う契約情報A,A’(
図3参照)が複数の中間業者W,Sを介してやり取りされ、そのやり取りに係る専ら中間業者W,Sと契約情報A,A’が管理される。つまり、管理システムは、サブスクリプション商品SPの中間取引に際して中間業者となる複数の卸し業者Wや複数の仕入れ業者S、さらには複数のエンドユーザCのほか、エンドユーザCと仕入れ業者Sとの間や仕入れ業者Sと卸し業者Wとの間でやり取りされる契約情報A,A’を管理するためのプラットフォームとして運営事業者OMにより提供される。
【0022】
本実施形態の管理システムが適用される取引業態においては、メーカーMあるいは卸し業者WからエンドユーザCに対してサブスクリプション商品SPが直接提供される一方、仕入れ業者SからエンドユーザCに対してサブスクリプション商品SPが基本的に提供されることはなく、卸し業者Wと仕入れ業者Sとの間や仕入れ業者SとエンドユーザCとの間では、サブスクリプション商品SPの売買に係る契約のみが取り交わされる。つまり、メーカーMや卸し業者WからエンドユーザCにサブスクリプション商品SPが提供されるまでには、メーカーMと卸し業者Wとの間でサブスクリプション商品SPの契約情報がやり取りされ、次に卸し業者Wと仕入れ業者Sとの間でサブスクリプション商品SPの契約情報Aがやり取りされ、そうして最終的に仕入れ業者SとエンドユーザCとの間でサブスクリプション商品SPの契約情報A’がやり取りされ、その結果、エンドユーザCがサブスクリプション商品SPの提供を受ける。このような取引業態において管理システムは、専ら中間業者W,Sと契約情報の管理に適したネットワークシステムとして適用される。なお、
図1に示す例では、商品提供やサービス提供の主体となるメーカーMを含めているが、卸し業者Wが、商品提供やサービス提供の主体となってもよい。この場合、メーカーMや、メーカーMと卸し業者Wとの間でサブスクリプション商品SPの契約情報は省略される。
【0023】
卸し側ユーザ端末W1、仕入れ側ユーザ端末S1は、各端末の識別トークンにより、固有の端末IDが付される。この端末IDは、各ユーザ端末から運営サーバOM1に送信され、運営サーバOM1において、識別トークン台帳TLにおいて監視・管理される。運営事業者OMは、主に、識別トークン台帳TLを監視・管理する。このような運営サーバOM1、卸し側ユーザ端末W1、仕入れ側ユーザ端末S1の各機能については、
図2を参照して以下に説明する。
【0024】
[管理システムの機能構成]
図2は、管理システムの機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、運営サーバOM1、卸し側ユーザ端末W1、仕入れ側ユーザ端末S1は、各々インターネットに接続して運用可能な通信機能を備えたコンピュータである。運営サーバOM1、卸し側ユーザ端末W1、仕入れ側ユーザ端末S1においては、主に後述する各手段としてCPUを機能させるためのプログラムやデータ等が記憶手段としての記憶装置にインストールされている。具体的に、卸し側ユーザ端末W1、仕入れ側ユーザ端末S1は、ウェブアプリケーションとしてプログラムがインストールされ、このウェブアプリケーションを介して互いにユーザ端末どうしが接続されるほか、当該プログラムの一機能である識別トークンにより、各端末固有の端末IDが初期設定され、この端末IDを、運営サーバOM1に通知(送信)する。各ユーザ端末の端末IDは、運営サーバOM1によって監視・管理される。なお、本実施形態では、各ユーザ端末の識別トークンにより、端末IDが初期設定されるが、これに限らず、各ユーザ端末W1,S1が運営サーバOM1にアクセスしてプログラム等を呼び出し、運営サーバOM1が集中的に端末IDを作成して一元管理するようにしてもよい。また、識別トークンは、上記プログラムの一機能であるものに限らず、別の装置を用いて取得し、各ユーザ端末から運営サーバOM1に通知してもよい。また、説明便宜のため、卸し側ユーザ端末W1と、仕入れ側ユーザ端末S1と、をそれぞれ分けて説明するが、本管理システムにおいて、各ユーザ端末は、卸し側ユーザ端末W1及び/又は仕入れ側ユーザ端末S1として機能することが可能である。また、本管理システムにおいて、エンドユーザCは、当該エンドユーザCに操作される一般的なパーソナルコンピュータやスマートフォン等で構成されるエンドユーザ端末C1により、仕入れ側ユーザ端末S1にアクセスすることで、サブスクリプション商品を購入(契約)することができる。
【0025】
運営サーバOM1は、コンピュータにより実現される機能として、台帳情報管理手段1、仕入れ側グループ設定手段2(以下の説明及び図中においては「仕入れ側G設定手段2」と略す)と、識別トークン台帳TLを記憶する記憶手段3と、を有する。
【0026】
台帳情報管理手段1は、複数のユーザ端末(複数の卸し側ユーザ端末W1、複数の仕入れ側ユーザ端末S1)の夫々について、固有に割り当てられた後述する端末ID(識別情報)と取引時の接続先となる取引端末ID(接続先指定情報)とを識別トークン台帳(台帳情報)TLに対応付けて管理する。また、台帳情報管理手段1は、ユーザ端末が、卸し側ユーザ端末W1として、他のユーザ端末が被接続可能であるか否か(卸し設定情報)についても識別トークン台帳TLに対応付けて管理する。識別トークン台帳TLの詳細については、後述する。
【0027】
仕入れ側G設定手段2は、複数のユーザ端末の夫々について、前記複数のユーザ端末のグループであり、仕入れ側ユーザ端末S1として属する仕入れ側グループを設定する。仕入れ側グループは、運営事業者OMが特権的に規定し、仕入れ側G設定手段2により設定してもよいし、卸し側ユーザ端末W1の管理者(卸し業者)の要望に基づき、仕入れ側G設定手段2により設定してもよい。具体的には、仕入れ側G設定手段2は、設定した仕入れ側グループ毎に、所属仕入れGIDを付し、識別トークン台帳TLにおいて、端末IDに対応付けて記憶する。なお、仕入れ側G設定手段2は、ユーザ端末に対して、仕入れ側グループを設定しないこともできる。この場合、当該ユーザ端末は、いずれの仕入れ側グループにも属さないことになる。
【0028】
図3は、本発明の一実施形態に係るサブスクリプション商品に関する管理システムにおける識別トークン台帳TLを模式的に示す図である。
識別トークン台帳TLは、記憶手段3に記憶されている。識別トークン台帳TLは、固有に割り当てられた後述する端末ID(識別情報)に、ユーザ情報(例えば、企業名等の企業の情報や、ユーザ端末のMACアドレス等)と、後述する卸し設定情報として、卸し許可情報(
図3中「卸し許可」)、後述する卸し対象情報(
図3中「卸し対象」)及び後述する卸し商品情報(
図3中「卸し商品」)と、仕入れ側G設定手段2により設定された所属仕入れGIDと、後述する接続先指定情報として、取引端末情報(
図3中「取引端末」)及び当該取引端末との接続態様情報(
図3中「接続態様」)と、が対応付けられている。
【0029】
図2に戻って、ユーザ端末は、卸し側ユーザ端末W1として機能する場合、コンピュータにより実現される機能として、識別情報初期設定手段10、卸し設定手段11、接続許可手段12、接続先指定情報生成手段13、第1契約情報管理手段14を有する。
【0030】
識別情報初期設定手段10は、卸し側ユーザ端末W1にインストールされたプログラムの一機能である識別トークンに基づき、固有の端末ID(識別情報)を初期設定する。識別情報初期設定手段10は、設定した端末IDを、運営サーバOM1に通知(送信)する。運営サーバOM1は、台帳情報管理手段1により、識別トークン台帳TL(
図3参照)に登録される。なお、卸し側ユーザ端末W1の端末IDは、運営サーバOM1が発行するようにしてもよい。詳細には、例えば、識別情報初期設定手段10は、端末IDとともに、当該ユーザ端末のユーザ情報を、運営サーバOM1に送信する。運営サーバOM1の台帳情報管理手段1は、
図3に示すように、識別トークン台帳TLにおいて、端末IDに、ユーザ情報を対応付けて記憶する。
【0031】
卸し設定手段11は、ユーザの操作に基づき、当該ユーザ端末が、卸し側ユーザ端末として、他のユーザ端末が被接続可能であるか否かを設定する。この卸し設定情報は、提供するサブスクリプション商品毎に設定可能とされる。このような卸し設定情報には、卸し許可情報、卸し対象情報及び卸し商品情報が含まれる。卸し設定手段11により卸し設定情報の卸し許可情報が「可」(
図3に示す「ON」)に設定されている場合、当該ユーザ端末は、卸し側ユーザ端末W1として機能する。卸し設定手段11は、このような卸し設定情報を、運営サーバOM1に送信する。運営サーバOM1の台帳情報管理手段1は、識別トークン台帳(
図3参照)において、当該ユーザ端末の端末IDに、卸し設定情報を対応付けて記憶する。一方、卸し設定手段11により卸し設定情報の卸し許可情報が「否」に設定されている場合、(
図3に示す「OFF」)に設定されている場合、当該ユーザ端末は、仕入れ側ユーザ端末S1のみとして機能する。すなわち、卸し側ユーザ端末W1は、卸し設定手段11により卸し設定情報の卸し許可情報が「可」(
図3に示す「ON」)に設定されているユーザ端末である。
【0032】
また、卸し設定手段11は、当該ユーザ端末が、卸し側ユーザ端末W1として、被接続可能とする他のユーザ端末を指定する卸し設定情報の卸し対象情報を設定する。具体的には、卸し設定手段11は、卸し対象情報(
図3中「卸し対象」)として、本管理システムに属する全ての他のユーザ端末を卸し対象として設定してもよいし、当該ユーザ端末が属する所属仕入れGIDに属する他のユーザ端末のみを卸し対象として設定してもよいし、特定の他のユーザ端末のみを卸し対象として設定してもよい。卸し設定手段11は、このような卸し対象情報を、運営サーバOM1に送信する。運営サーバOM1の台帳情報管理手段1は、識別トークン台帳(
図3参照)において、当該ユーザ端末の端末IDに、卸し対象情報を対応付けて記憶する。例えば、
図3に示す例では、端末ID(BP0001)には、卸し対象情報として「全部」(本管理システムに属する全ての他のユーザ端末全部)が対応づけられている。一方、端末ID(BP0002)には、卸し対象情報として、当該ユーザ端末が属する所属仕入れGID(G2)に属する他のユーザ端末のみが対応づけられている。なお、
図3に示す例において、端末ID(BP0003)は、卸し設定情報の卸し許可情報が「否」(
図3に示す「OFF」)に設定されているので、卸し対象は設定されていない(
図3に示す「-」)。
【0033】
また、卸し設定手段11は、当該ユーザ端末のユーザが提供する(卸し側ユーザとして提供する)サブスクリプション商品毎に卸し設定情報の卸し商品情報を設定可能である。具体的には、卸し設定手段11は、卸し商品情報(
図3中「卸し商品」)として、当該ユーザ端末のユーザが提供する全てのサブスクリプション商品を卸し商品として設定してもよいし、当該ユーザ端末のユーザが提供する一部のサブスクリプション商品のみを卸し商品として設定してもよい。卸し設定手段11は、このような卸し商品情報を、運営サーバOM1に送信する。運営サーバOM1の台帳情報管理手段1は、識別トークン台帳(
図3参照)において、当該ユーザ端末の端末IDに、卸し商品情報を対応付けて記憶する。例えば、
図3に示す例では、端末ID(BP0001)には、卸し商品情報として「全部」(当該ユーザ端末のユーザが提供する全てのサブスクリプション商品)が対応づけられている。一方、端末ID(BP0002)には、卸し商品情報として、「SP1」(当該ユーザ端末のユーザが提供する一部のサブスクリプション商品)のみが対応づけられている。なお、
図3に示す例において、端末ID(BP0003)は、卸し設定情報の卸し許可情報が「否」(
図3に示す「OFF」)に設定されているので、卸し商品は設定されていない(
図3に示す「-」)。
【0034】
接続許可手段12は、他のユーザ端末から、仕入れ側ユーザ端末S1としての接続を求める接続許可要求情報を受信した場合、例えば、ユーザの操作に基づき、仕入れ側ユーザ端末S1としての接続を許可する接続許可情報を、接続許可要求情報を送信してきた他のユーザ端末に送信する。
【0035】
接続先指定情報生成手段13は、管理システムに存在する他の卸し側ユーザ端末W1又は仕入れ側ユーザ端末S1のいずれかを接続先として指定する際、当該接続先の端末IDを接続先指定情報として生成する。
【0036】
詳細には、接続先指定情報生成手段13は、例えば、ユーザの操作に基づき、運営サーバOM1の記憶手段3に記憶された識別トークン台帳TL(
図3参照)を参照して、識別トークン台帳TLの卸し対象に設定されている他のユーザ端末の中から、接続先となるユーザ端末を指定し、指定したユーザ端末に対して、卸し側ユーザ端末W1として接続の許可を求める接続許可要求情報を送信する。そして、接続先指定情報生成手段13は、接続許可要求情報を送信した他のユーザ端末から、接続を許可する接続許可情報を受信した場合には、当該他のユーザ端末の端末IDに卸し側として接続が許可されていることを示す接続先指定情報を生成し、生成した接続先指定情報を、運営サーバOM1に送信する。
【0037】
運営サーバOM1の台帳情報管理手段1は、識別トークン台帳(
図3参照)において、当該ユーザ端末の端末IDに、接続先指定情報を対応付けて記憶する。詳細には、台帳情報管理手段1は、他のユーザ端末の端末IDに卸し側として接続が許可されていることを示す接続先指定情報を送信してきたユーザ端末の端末IDに、取引端末として他のユーザ端末の端末IDを設定し、接続態様として「卸し」を設定して、識別トークン台帳に記憶する。また、この場合、台帳情報管理手段1は、この他のユーザ端末の端末IDに、取引端末として接続先指定情報を送信してきたユーザ端末の端末IDを設定し、接続態様として「仕入れ」を設定して、識別トークン台帳に記憶する。
【0038】
例えば、
図3に示す例では、端末ID(BP0001)の接続先指定情報の取引端末には「全部」、接続態様には「卸し」と「仕入れ」が設定されている。これは、端末ID(BP0001)は、本管理システムにおける全てのユーザ端末と、「卸し」と「仕入れ」のいずれでも接続が許可されていることを示す。また、端末ID(BP0002)の接続先指定情報の取引端末には「G2」、接続態様には「卸し」と「仕入れ」が設定されている。これは、端末ID(BP0002)は、端末ID(BP0002)が属している仕入れ側グループ(所属仕入れGID(G2))のみ、「卸し」と「仕入れ」のいずれでも接続が許可されていることを示す。また、端末ID(BP0003)の接続先指定情報の取引端末には「BP0001」、接続態様には「仕入れ」が設定されている。これは、端末ID(BP0003)は、端末ID(BP0001)のユーザ端末とのみ、「仕入れ」で接続が許可されていることを示す。
【0039】
図2に戻って、第1契約情報管理手段14は、サブスクリプション商品を卸して提供する卸し側ユーザWと、当該卸し側ユーザから当該サブスクリプション商品を仕入れてエンドユーザCに提供する仕入れ側ユーザSとの間における契約情報として、当該サブスクリプション商品を取引する際に契約情報A(第1契約情報)を作成して管理(記憶・更新)する。
【0040】
具体的には、卸し側ユーザ端末W1として機能するユーザ端末は、接続先指定情報生成手段13において接続先として指定された、仕入れ側ユーザ端末S1として機能するユーザ端末(識別トークン台帳(
図3参照)において、取引端末として設定された端末IDのユーザ端末)から、サブスクリプション商品の仕入れを行うことを希望する仕入れ希望情報が送信された場合、卸して提供することが可能なサブスクリプション商品に関する情報を、当該仕入れ側ユーザ端末S1として機能するユーザ端末に送信する。そして、卸し側ユーザ端末W1として機能するユーザ端末は、仕入れ側ユーザ端末S1として機能するユーザ端末から、仕入れたいサブスクリプション商品を指定する仕入れ商品指定情報を受信する。
【0041】
第1契約情報管理手段14は、仕入れ商品指定情報により指定されたサブスクリプション商品について、卸し側ユーザWと、仕入れ側ユーザSとの間における契約情報A(第1契約情報)を作成して管理(記憶・更新)する。また、第1契約情報管理手段14は、契約情報Aに含まれる複数の項目について、変更可能項目と変更不可項目とを区別して管理している。第1契約情報管理手段14は、作成した契約情報Aを、仕入れ商品指定情報を送信してきた仕入れ側ユーザ端末S1として機能するユーザ端末に送信する。
【0042】
次に、ユーザ端末が、仕入れ側ユーザ端末S1として機能する場合について説明する。ユーザ端末は、仕入れ側ユーザ端末S1として機能する場合、コンピュータにより実現される機能として、識別情報初期設定手段20、卸し設定手段21、接続許可手段22、接続先指定情報生成手段23、第1契約情報管理手段24、第2契約情報管理手段25を有する。
【0043】
識別情報初期設定手段20は、仕入れ側ユーザ端末S1にインストールされたプログラムの一機能である識別トークンに基づき、固有の端末ID(識別情報)を初期設定する。識別情報初期設定手段20は、設定した端末IDを、運営サーバOM1に通知(送信)する。運営サーバOM1は、台帳情報管理手段1により、識別トークン台帳TL(
図3参照)に登録される。なお、仕入れ側ユーザ端末S1の端末IDは、運営サーバOM1が発行するようにしてもよい。詳細には、例えば、識別情報初期設定手段10は、端末IDとともに、当該ユーザ端末のユーザ情報を、運営サーバOM1に送信する。運営サーバOM1の台帳情報管理手段1は、
図3に示すように、識別トークン台帳TLにおいて、端末IDに、ユーザ情報を対応付けて記憶する。
【0044】
卸し設定手段21は、当該ユーザ端末が、ユーザの操作に基づき、卸し側ユーザ端末として、他のユーザ端末が被接続可能であるか否かを設定する。この卸し設定情報は、提供するサブスクリプション商品毎に設定可能とされる。本実施形態において、ユーザ端末は、卸し設定手段21により設定された卸し設定情報の卸し許可情報が「可」(
図3に示す「ON」)であっても、「否」(
図3に示す「OFF」)であっても、仕入れ側ユーザ端末S1として機能する。そして、卸し設定手段21により卸し設定情報の卸し許可情報が「可」(
図3に示す「ON」)に設定されている場合、当該ユーザ端末は、卸し側ユーザ端末W1としても機能することとなる。卸し設定手段21は、このような卸し設定情報を、運営サーバOM1に送信する。運営サーバOM1の台帳情報管理手段1は、識別トークン台帳(
図3参照)において、当該ユーザ端末の端末IDに、卸し設定情報を対応付けて記憶する。
【0045】
接続許可手段22は、他のユーザ端末から、卸し側ユーザ端末W1としての接続を求める接続許可要求情報を受信した場合、例えば、ユーザの操作に基づき、卸し側ユーザ端末W1としての接続を許可する接続許可情報を、接続許可要求情報を送信してきた他のユーザ端末に送信する。
【0046】
接続先指定情報生成手段23は、管理システムに存在する他の卸し側ユーザ端末W1又は仕入れ側ユーザ端末S1のいずれかを接続先として指定する際、当該接続先の端末IDを接続先指定情報として生成する。
【0047】
詳細には、接続先指定情報生成手段23は、例えば、ユーザの操作に基づき、運営サーバOM1の記憶手段3に記憶された識別トークン台帳TL(
図3参照)を参照して、卸し許可情報が「可」(
図3に示す「ON」)であり、卸し対象情報に、当該ユーザ端末の端末IDや、当該端末IDが属する所属仕入れGIDが設定されているユーザ端末(端末ID)の中から、接続先となるユーザ端末を指定し、指定したユーザ端末に対して、仕入れ側ユーザ端末S1として接続の許可を求める接続許可要求情報を送信する。そして、接続先指定情報生成手段23は、接続許可要求情報を送信した他のユーザ端末から、接続を許可する接続許可情報を受信した場合には、当該他のユーザ端末の端末IDに仕入れ側として接続が許可されていることを示す接続先指定情報を生成し、生成した接続先指定情報を、運営サーバOM1に送信する。
【0048】
運営サーバOM1の台帳情報管理手段1は、識別トークン台帳(
図3参照)において、当該ユーザ端末の端末IDに、接続先指定情報を対応付けて記憶する。詳細には、台帳情報管理手段1は、他のユーザ端末の端末IDに仕入れ側として接続が許可されていることを示す接続先指定情報を送信してきたユーザ端末の端末IDに、取引端末として他のユーザ端末の端末IDを設定し、接続態様として「仕入れ」を設定して、識別トークン台帳に記憶する。また、この場合、台帳情報管理手段1は、この他のユーザ端末の端末IDに、取引端末として接続先指定情報を送信してきたユーザ端末の端末IDを設定し、接続態様として「卸し」を設定して、識別トークン台帳に記憶する。
【0049】
第1契約情報管理手段24は、卸し側ユーザ端末W1として機能するユーザ端末に送信した仕入れ商品指定情報で指定したサブスクリプション商品についての契約情報A(第1契約情報)を、卸し側ユーザ端末W1として機能するユーザ端末から受信し、この契約情報Aを記憶手段に記憶する。
【0050】
第2契約情報管理手段25は、サブスクリプション商品を仕入れた仕入れ業者Sと、当該仕入れ業者Sからサブスクリプション商品を購入するエンドユーザCとの契約である契約情報A’(第2契約情報)を作成して管理(記憶・更新)する。また、第2契約情報管理手段25は、契約情報A’に含まれる複数の項目について、変更可能項目と変更不可項目とを区別して管理している。また、第2契約情報管理手段25は、第1契約情報管理手段24により作成・管理されている契約情報Aと基本的に同一項目について同一内容を複製することで契約情報A’を作成し、記憶手段に記憶する。これにより、契約情報A’においては、契約情報Aにおいて変更不可項目に対応する項目が当該変更不可項目と同一内容として作成される。また、第2契約情報管理手段25は、作成した契約情報A’(第2契約情報)を、エンドユーザCに操作されるエンドユーザ端末C1に送信する。
【0051】
図4は、本発明の一実施形態に係るサブスクリプション商品に関する管理システムにおける契約情報を説明する図である。
図4に示すように、契約情報A,A’には、商品情報(例えば、サブスクリプション商品の商品名や、サブスクリプション商品の識別情報等)と、契約内容情報が含まれる。契約内容情報は、変更可能項目(
図4に示す例では、プラン、支払回数等)と、変更不可項目(
図4に示す例では、料金、契約期間、締め日、解約可能期間等)とが区別されている。変更可能項目は、仕入れ業者Sや、エンドユーザCの要望に応じて、仕入れ側ユーザ端末S1において、内容を変更可能な項目である。一方、変更不可項目は、卸し側ユーザWにより設定された内容(卸し側ユーザ端末W1から送信された契約情報Aで規定されている内容)から、仕入れ側ユーザ端末S1において、内容を変更することができない項目である。
【0052】
第2契約情報管理手段25は、卸し側ユーザ端末W1から送信された契約情報A(
図4に示す1段目の契約情報A(第1契約情報))を複製した契約情報A’(
図4に示す2段目の契約情報A’(第2契約情報))を、仕入れ業者SやエンドユーザCの要望に応じて、変更可能項目を変更したものに更新して、記憶手段に記憶する(
図4に示す3段目の変更後 契約情報A’(第2契約情報))。
図4に示す例では、変更可能な項目において、プランが「A」から「B」に変更され、支払回数が「1回/1年」から「12回/1年」に変更されている。
【0053】
そして、第2契約情報管理手段25により、契約情報A’(第2契約情報)の契約内容情報が変更された場合、第1契約情報管理手段24は、契約情報A(第1契約情報)において、契約情報A’の契約内容情報が変更された項目に対応する項目を、契約情報A’と整合するように変更し、記憶手段に記憶する。また、第1契約情報管理手段24は、この変更した契約情報Aを、卸し側ユーザ端末W1として機能するユーザ端末(契約情報Aを送信してきたユーザ端末)に送信する。
【0054】
卸し側ユーザ端末W1は、記憶手段に記憶されていた契約情報Aを、仕入れ側ユーザ端末S1から受信した契約情報A(
図4に示す4段目の同期後 契約情報A(第1契約情報))に更新する。これにより、契約情報A’が変更された場合に、変更された内容に、契約情報Aが同期される。
【0055】
また、卸し側ユーザ端末W1において、例えば、サブスクリプション商品を卸すことの停止等により、契約情報Aを削除された場合、卸し側ユーザ端末W1の第1契約情報管理手段14は、契約情報Aの削除情報を、仕入れ側ユーザ端末S1に送信する。仕入れ側ユーザ端末S1の第1契約情報管理手段24は、削除情報を受信した場合、契約情報Aを削除する。これにより、第2契約情報管理手段25は、新たに契約情報A’を作成できなくなる。すなわち、エンドユーザCは、削除された契約情報に関するサブスクリプション商品を購入することができなくなる。
【0056】
[管理システムにおける情報の流れ]
図5は、管理システムでやり取りされる情報の流れを示すシーケンス図である。
図5に示すように、まず前提として、仕入れ側ユーザ端末S1の識別情報初期設定手段20と、卸し側ユーザ端末W1の識別情報初期設定手段10とは、夫々、固有の端末ID(識別情報)を初期設定し、この固有の端末IDを、運営サーバOM1に通知(送信)する。運営サーバOM1の台帳情報管理手段1は、受信したこれらの端末IDを、識別トークン台帳TL(
図3参照)に記憶する。そして、
図5に示す例では、識別トークン台帳TLにおいて、卸し側ユーザ端末W1の端末IDに対して、卸し許可情報が「可」(
図3に示す「ON」)に設定され、仕入れ側ユーザ端末S1が卸し対象として設定されている。
【0057】
次に、仕入れ側ユーザ端末S1と卸し側ユーザ端末W1とを接続する段階では、仕入れ側ユーザ端末S1の接続先指定情報生成手段23は、卸し側ユーザ端末W1に、仕入れ側ユーザ端末S1としての接続を求める接続許可要求情報を送信する。卸し側ユーザ端末W1の接続許可手段12は、接続許可要求情報を受信した場合、例えば、ユーザの操作に基づき、仕入れ側ユーザ端末S1としての接続を許可する接続許可情報を、仕入れ側ユーザ端末S1に送信する。また、仕入れ側ユーザ端末S1の接続先指定情報生成手段23は、接続許可情報を受信した場合には、卸し側ユーザ端末W1の端末IDに仕入れ側として接続が許可されていることを示す接続先指定情報を生成し、生成した接続先指定情報を、運営サーバOM1に送信する。これにより、仕入れ側ユーザ端末S1と卸し側ユーザ端末W1とが接続される。
【0058】
なお、
図5に示す例では、仕入れ側ユーザ端末S1から卸し側ユーザ端末W1に接続許可要求情報を送信する例を示しているが、これに限らず、卸し側ユーザ端末W1から仕入れ側ユーザ端末S1に接続許可要求情報を送信し、仕入れ側ユーザ端末S1から卸し側ユーザ端末W1に接続許可情報を送信し、卸し側ユーザ端末W1から運営サーバOM1に接続先指定情報を送信してもよい。
【0059】
次に、サブスクリプション商品の仕入れ段階では、仕入れ側ユーザ端末S1は、サブスクリプション商品の仕入れを行うことを希望する仕入れ希望情報を、卸し側ユーザ端末W1に送信する。卸し側ユーザ端末W1は、卸して提供することが可能なサブスクリプション商品に関する情報を、仕入れ側ユーザ端末S1に送信する。そして、卸し側ユーザ端末W1は、仕入れ側ユーザ端末S1から、仕入れたいサブスクリプション商品を指定する仕入れ商品指定情報を受信する。
【0060】
そして、卸し側ユーザ端末W1の第1契約情報管理手段14は、仕入れ商品指定情報により指定されたサブスクリプション商品について、卸し側ユーザWと、仕入れ側ユーザSとの間における第1契約情報を作成して、作成した第1契約情報を、仕入れ側ユーザ端末S1に送信する。
【0061】
次に、サブスクリプション商品の販売(契約)段階では、仕入れ側ユーザ端末S1は、エンドユーザCに操作されるエンドユーザ端末C1から、サブスクリプション商品の購入(契約)を要求することを示す契約要求情報を受信する。仕入れ側ユーザ端末S1の第2契約情報管理手段25は、サブスクリプション商品を仕入れた仕入れ業者Sと、当該仕入れ業者Sからサブスクリプション商品を購入するエンドユーザCの間における第2契約情報を、第1契約情報を複製することで作成し、作成した第2契約情報を、エンドユーザCに操作されるエンドユーザ端末C1に送信する。このとき、仕入れ側ユーザ端末S1の契約情報管理手段25は、例えば、エンドユーザCの要望に応じて、第1契約情報を複製した第2契約情報において、変更可能項目を変更した内容に、第2契約情報を更新する。また、仕入れ側ユーザ端末S1の第1契約情報管理手段24は、第1契約情報において、第2契約情報の変更された項目に対応する項目を、第2契約情報と整合するように変更し、この変更した第1契約情報を、卸し側ユーザ端末W1に送信する。これにより、第2契約情報が変更された場合に、変更された内容に、第1契約情報が同期される。
【0062】
このような本実施形態の管理システムによれば、以下に説明するようなメリットを享受することができる。
【0063】
一般的に、売切型商品を取り扱う仕入れ業者や卸し業者は、例えば、仕入れ業者が仕入れたい商品を卸し業者に対して注文(仕入れ側→卸し側)、卸し業者が注文を受けた商品を仕入れ業者に納品(卸し側→仕入れ側)、注文・納品に応じた対価の支払い(仕入れ側→卸し側)といったプロセスを経て商取引を行っている。このような売切型商品の商取引における各プロセスは、同時に行わなくてもよく、時間差をもって順次に行われてもよい。また、これらの各プロセスは、基本的にFAXやメールといった既存の通信手段を用いつつ対面取引により行われる。
【0064】
一方、サブスクリプション商品については、利用期間等が設定されるといったその特殊性から、既存の通信手段を用いて商取引をそのまま行うことができない。つまり、サブスクリプション商品の特殊性としては、第1に、サブスクリプション商品の取引に際しては、契約事項、特に期間を伴う契約事項(例えば、支払期間、サービス提供期間)が伴うが、このような契約事項について管理することを既存の売切型商品を取り扱うシステムにおいては想定しておらず、そもそも管理することができない。また、第2の特殊性として、サブスクリプション商品は、買い手側から契約の変更・停止・解約といった事情が生じ得るが、既存の売切型商品を取り扱うシステムにおいては、卸し側から仕入れ側、あるいは、仕入れ側から卸し側といった一方向の情報伝達しか想定していないため、そうした事情に対処することができない。さらに、第3の特殊性として、サブスクリプション商品に係る契約の変更・停止・解約といった契約内容の変更は、エンドユーザの要望等により、随時発生する可能性があり、そのような変更内容については、即時に仕入れ側及び卸し手側の双方に反映されなければならない一方、既存のシステムでは、一方向で非同期の情報伝達しか想定していないため、そのような契約内容の変更を双方向に同期させることができない。
【0065】
このような特殊性に対応すべく、本実施形態の管理システムは、仕入れ業者Sの仕入れ側ユーザ端末S1及び卸し業者Wの卸し側ユーザ端末W1を双方向につなげて、仕入れ業者Sと卸し業者Wのとの契約(第1契約情報)と、仕入れ業者SとエンドユーザCとの契約(第2契約情報)とを随時同期させることができるようになっている。
【0066】
このような本実施形態の管理システムによれば、卸し側ユーザ端末W1及び仕入れ側ユーザ端末S1の夫々に固有の端末IDが初期設定され、卸し側あるいは仕入れ側として指定される接続先の卸し側ユーザ端末W1や仕入れ側ユーザ端末S1が端末IDを含む接続先指定情報に基づいて互いに接続され、これら複数のユーザ端末W1,S1の端末IDと接続先指定情報とが識別トークン台帳に対応付けられて管理されるので、サブスクリプション商品を提供する複数の商品提供ユーザとして、卸し業者Wや仕入れ業者Sを適切に管理することができる。
【0067】
また、サブスクリプション商品を提供する複数のユーザ端末について、卸し側及び仕入れ側のいずれにも対応するか、卸し側のみとして対応するのかが卸し設定情報として設定され、この卸し設定情報も識別トークン台帳TLに対応付けられて管理されるので、ユーザ端末毎に所望とする卸し業者あるいは仕入れ業者として出店することができる。
【0068】
また、複数のユーザ端末の夫々において、卸し側ユーザ端末W1として、他のユーザ端末が被接続可能であるか否かが卸し設定情報として設定され、当該卸し設定情報も識別トークン台帳TLに対応付けられて管理されるので、卸しを行う卸し業者と、仕入れのみを行う業者とを区別して管理することができる。
【0069】
また、接続先として提供するサブスクリプション商品毎に卸し設定情報を設定することができるので、商品提供ユーザは、自身が提供するサブスクリプション商品毎に、他の業者に卸すか、自ら販売するかを選択することができる。
【0070】
また、例えば、卸し側ユーザWは、サブスクリプション商品を、他の全ての仕入れ側ユーザSに卸すか、所定の仕入れ側グループに属する仕入れ側ユーザSにのみを設定することができるので、サブスクリプション商品の流通経路をコントロールしやすくなる。
【0071】
また、本実施形態の管理システムによれば、卸し側ユーザ端末W1と仕入れ側ユーザ端末S1との間でサブスクリプション商品が取引される際、第1契約情報が作成・管理されるとともに、エンドユーザ端末C1から仕入れ側ユーザ端末S1に対してサブスクリプション商品が購入される際、第2契約情報が作成・管理され、エンドユーザ端末C1と仕入れ側ユーザ端末S1との間で第2契約情報の所定項目を変更する場合には、当該所定項目と一致するように第1契約情報においても対応する項目が同期しつつ変更されるので、卸し業者Wや仕入れ業者Sがサブスクリプション商品を取引する場合においても、それに伴ってやり取りされる第1契約情報及び第2契約情報を、仕入れ業者Sが事後的に変更可能としつつ適切に同期させた上で管理することができる。
【0072】
また、例えば卸し業者Wに許可された範囲内で第1契約情報を複製するようにして仕入れ業者Sが第2契約情報を作成することができるので、卸し業者Wと仕入れ業者Sとの間でやり取りされる第1契約情報と、仕入れ業者SとエンドユーザCとの間でやり取りされる第2契約情報とを齟齬なく管理することができる。
【0073】
また、第1契約情報においては、契約変更可能項目と契約変更不可項目とが区別して管理され、第2契約情報においては、第1契約情報の契約変更可能項目に対応する所定項目が変更可能とされる一方、第1契約情報の契約変更不可項目に対応する項目が同一内容として複製しつつ作成されるので、第1契約情報と第2契約情報とについて変更可能な項目を設けつつも齟齬なく管理することができる。
【0074】
また、互いに接続が許可された卸し側ユーザ端末W1と仕入れ側ユーザ端末S1との間でサブスクリプション商品を取引する際には、これらの間でやり取りされる第1契約情報が同期する情報として作成されるので、卸し業者Wと仕入れ業者Sとの間でやり取りされる第1契約情報を齟齬なく確実に管理することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の内容に限定されないことはいうまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者にとって明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0076】
OM 運営事業者
M メーカー
W 卸し業者
S 仕入れ業者
C エンドユーザ
SP サブスクリプション商品
TL 識別トークン台帳
A,A’ 契約情報
OM1 運営サーバ
W1 卸し側ユーザ端末
S1 仕入れ側ユーザ端末
C1 エンドユーザ端末
1 台帳情報管理手段
2 仕入れ側G設定手段
3 契約情報変更手段
10,20,30 識別情報初期設定手段
11,21 卸し設定手段
12,22,31 接続許可手段
13,23,32 接続先指定情報生成手段
14,24 第1契約情報管理手段
25,33 第2契約情報管理手段