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特開2022-172884経路表示装置、ドライブレコーダおよび通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172884
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】経路表示装置、ドライブレコーダおよび通信システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20221110BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079214
(22)【出願日】2021-05-07
(71)【出願人】
【識別番号】391019681
【氏名又は名称】株式会社コムテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石川 晃平
【テーマコード(参考)】
3E138
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138GA02
3E138GA03
3E138MA01
3E138MB03
3E138MB08
3E138MB09
3E138MB10
3E138MB12
3E138MC03
3E138MD05
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF03
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF32
5H181FF38
5H181MC19
(57)【要約】
【課題】イベントの選択指令に対応するイベント映像情報が記憶部に記憶されていない場合でも、イベント映像情報を情報表示部に表示できる経路表示装置を提供する。
【解決手段】本開示の一局面に係る経路表示装置は、経路記憶部と、映像記憶部と、イベント記憶部と、情報表示部と、情報取得部と、指令受付部と、映像取得部と、を備える。前記映像取得部は、前記映像記憶部または前記ドライブレコーダから前記映像情報を取得する。前記映像取得部は、前記イベント映像情報が前記映像記憶部に記憶されていないことに応じて、前記ドライブレコーダから前記イベント映像情報を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブレコーダで記録された車両の運行経路を表す運行経路情報を記憶するように構成された経路記憶部と、
前記運行経路の走行時に前記ドライブレコーダで撮影された映像情報を記憶するように構成された映像記憶部と、
前記車両で発生したイベントに関するイベント情報を記憶するように構成されたイベント記憶部であって、前記イベント情報は、前記イベントの発生時刻と、前記イベントの発生場所と、前記イベントの識別情報と、を含んでいる、イベント記憶部と、
任意の情報を表示するように構成された情報表示部と、
前記運行経路情報および前記イベント情報を取得するように構成された情報取得部であって、前記情報取得部は、前記運行経路およびイベントマークを前記情報表示部に表示するように構成され、前記イベントマークは、前記イベントが存在することを表す図柄であり、さらに、前記情報取得部は、前記情報表示部における前記イベントの前記発生場所に前記イベントマークを表示するように構成された、情報取得部と、
前記イベントマークを選択するための選択指令を受け付けるように構成された指令受付部と、
前記映像記憶部または前記ドライブレコーダから前記映像情報を取得するように構成された映像取得部であって、前記映像取得部は、イベント映像情報を前記情報表示部に表示するように構成され、前記イベント映像情報は、前記選択指令に対する前記イベントマークに対応する前記映像情報であり、前記映像取得部は、前記イベント映像情報が前記映像記憶部に記憶されていることに応じて、前記映像記憶部から前記イベント映像情報を取得し、前記イベント映像情報が前記映像記憶部に記憶されていないことに応じて、前記ドライブレコーダから前記イベント映像情報を取得するように構成されている、映像取得部と、
を備える経路表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経路表示装置であって、
前記ドライブレコーダと通信するように構成された通信部であって、前記通信部は、所定の情報を送信または受信するように構成され、前記所定の情報は、前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報のうち少なくともいずれか1つを含む、通信部を備える、
経路表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の経路表示装置であって、
前記指令受付部は、前記運行経路における任意の地点の選択指令を受け付けるように構成され、
前記映像取得部は、地点映像情報を前記情報表示部に表示するように構成され、前記地点映像情報は、前記選択指令に対する前記地点に対応する前記映像情報であり、前記映像取得部は、前記地点映像情報が前記映像記憶部に記憶されていることに応じて、前記映像記憶部から前記地点映像情報を取得し、前記地点映像情報が前記映像記憶部に記憶されていないことに応じて、前記ドライブレコーダから前記地点映像情報を取得するように構成されている、
経路表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の経路表示装置であって、
前記経路記憶部と、前記映像記憶部と、前記イベント記憶部と、を備える第1機能部と、
前記情報表示部と、前記情報取得部と、前記指令受付部と、前記映像取得部と、を備える第2機能部と、
を備え、
前記第1機能部は、
前記第2機能部と通信するように構成された第1機能通信部であって、前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報を送信するように構成された第1機能通信部を備え、
前記第2機能部は、
前記第1機能部と通信するように構成された第2機能通信部であって、前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報を受信するように構成された第2機能通信部を備え、
前記第1機能部は、前記第2機能部から独立して備えられる、
経路表示装置。
【請求項5】
ドライブレコーダであって、
前記ドライブレコーダが搭載された車両の運行経路を表す運行経路情報を記憶するように構成された車載経路記憶部と、
前記運行経路の走行時に前記ドライブレコーダで撮影された映像情報を記憶するように構成された車載映像記憶部と、
前記車両で発生したイベントに関するイベント情報を記憶するように構成された車載イベント記憶部であって、前記イベント情報は、前記イベントの発生時刻と、前記イベントの発生場所と、前記イベントの識別情報と、を含んでいる、車載イベント記憶部と、
外部機器からの要求に応じて、前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報のうち少なくともいずれか1つを前記外部機器に出力するように構成された車載情報出力部と、
を備えるドライブレコーダ。
【請求項6】
請求項5に記載のドライブレコーダであって、
前記車載情報出力部は、予め定められた出力許可条件が成立することに応じて、前記映像情報を前記外部機器に出力し、前記出力許可条件が成立しないことに応じて、前記映像情報の出力を禁止するように構成されている、
ドライブレコーダ。
【請求項7】
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の経路表示装置と、
請求項5または請求項6に記載のドライブレコーダと、
を備える、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経路表示装置、ドライブレコーダおよび通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
経路表示装置およびドライブレコーダを備える通信システムがある。
【0003】
経路表示装置は、ドライブレコーダから、運行経路情報、映像情報、イベント情報を受信するように構成されている。経路表示装置は、運行経路情報、映像情報、イベント情報を記憶する記憶部を備えている。
【0004】
経路表示装置は、記憶部から読み出した運行経路情報を情報表示部に表示するように構成されている。また、経路表示装置は、イベントの選択指令を受け付けて、選択指令に対応するイベント映像情報を記憶部から読み出して、情報表示部に表示するように構成されている。
【0005】
経路表示装置は、例えば、記憶部を備えるサーバ装置と、情報表示部を備えるクライアント端末と、を備える構成であってもよい(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-032725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述の経路表示装置は、選択指令に対応するイベント映像情報が記憶部に記憶されていない場合には、イベント映像情報を記憶部から読み出すことができず、情報表示部に表示することができない。
【0008】
そこで、本開示は、イベントの選択指令に対応するイベント映像情報が記憶部に記憶されていない場合でも、イベント映像情報を情報表示部に表示できる経路表示装置を提供することが望ましい。さらに、本開示は、そのような経路表示装置にイベント映像情報を出力できるドライブレコーダを提供すること、または、そのような経路表示装置を備える通信システムを提供すること、が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一局面に係る経路表示装置は、経路記憶部と、映像記憶部と、イベント記憶部と、情報表示部と、情報取得部と、指令受付部と、映像取得部と、を備える。
【0010】
前記経路記憶部は、ドライブレコーダで記録された車両の運行経路を表す運行経路情報を記憶するように構成されている。前記映像記憶部は、前記運行経路の走行時に前記ドライブレコーダで撮影された映像情報を記憶するように構成されている。前記イベント記憶部は、前記車両で発生したイベントに関するイベント情報を記憶するように構成されている。前記イベント情報は、前記イベントの発生時刻と、前記イベントの発生場所と、前記イベントの識別情報と、を含んでいる。
【0011】
前記情報表示部は、任意の情報を表示するように構成されている。前記情報取得部は、前記運行経路情報および前記イベント情報を取得するように構成されている。前記情報取得部は、前記運行経路およびイベントマークを前記情報表示部に表示するように構成されている。前記イベントマークは、前記イベントが存在することを表す図柄である。前記情報取得部は、前記情報表示部における前記イベントの前記発生場所に前記イベントマークを表示するように構成されている。
【0012】
前記指令受付部は、前記イベントマークを選択するための選択指令を受け付けるように構成されている。
【0013】
前記映像取得部は、前記映像記憶部または前記ドライブレコーダから前記映像情報を取得するように構成されている。前記映像取得部は、イベント映像情報を前記情報表示部に表示するように構成されている。前記イベント映像情報は、前記選択指令に対する前記イベントマークに対応する前記映像情報である。
【0014】
前記映像取得部は、前記イベント映像情報が前記映像記憶部に記憶されていることに応じて、前記映像記憶部から前記イベント映像情報を取得するように構成されている。前記映像取得部は、前記イベント映像情報が前記映像記憶部に記憶されていないことに応じて、前記ドライブレコーダから前記イベント映像情報を取得するように構成されている。
【0015】
この経路表示装置では、映像取得部は、前記映像記憶部または前記ドライブレコーダから前記イベント映像情報を取得するように構成されている。とりわけ、映像取得部は、前記イベント映像情報が前記映像記憶部に記憶されていないことに応じて、前記ドライブレコーダから前記イベント映像情報を取得する。
【0016】
したがって、この経路表示装置は、イベント映像情報が前記映像記憶部に記憶されていない場合であっても、前記ドライブレコーダからイベント映像情報を取得することで、利用者の要求に応じてイベント映像情報を表示することができる。
【0017】
前記イベントの発生時刻は、前記イベントが発生した時刻であり、GPS衛星からのGPS信号に含まれる時刻情報に基づき特定される。前記イベントの発生場所は、前記GPS信号に含まれる位置情報に基づき特定される。前記イベントの識別情報は、イベントごとに一意に割り当てられた情報である。
【0018】
前記経路表示装置は、通信部を備えてもよい。前記通信部は、前記ドライブレコーダと通信するように構成されてもよい。前記通信部は、所定の情報を送信または受信するように構成されてもよい。前記所定の情報は、前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報のうち少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0019】
前記経路表示装置(詳細には、映像取得部)は、通信部を備えることで、ドライブレコーダから前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報のうち少なくともいずれか1つを受け取ることができる。例えば、前記選択指令に対応する前記イベント映像情報が前記映像記憶部に記憶されていない場合には、前記経路表示装置は、通信部を介してドライブレコーダから前記イベント映像情報を受け取るように構成されてもよい。
【0020】
なお、通信部は、有線通信または無線通信によって、ドライブレコーダと通信するように構成されてもよい。
【0021】
前記経路表示装置において、前記指令受付部は、前記運行経路における任意の地点の選択指令を受け付けるように構成されてもよい。前記映像取得部は、地点映像情報を前記情報表示部に表示するように構成されてもよい。前記地点映像情報は、前記選択指令に対する前記地点に対応する前記映像情報であってもよい。前記映像取得部は、前記地点映像情報が前記映像記憶部に記憶されていることに応じて、前記映像記憶部から前記地点映像情報を取得するように構成されてもよい。前記映像取得部は、前記地点映像情報が前記映像記憶部に記憶されていないことに応じて、前記ドライブレコーダから前記地点映像情報を取得するように構成されてもよい。
【0022】
前記経路表示装置(詳細には、映像取得部)は、ドライブレコーダから前記地点映像情報を取得することができる。例えば、前記選択指令に対応する前記地点映像情報が前記映像記憶部に記憶されていない場合には、映像取得部は、通信部を介してドライブレコーダから前記地点映像情報を受け取るように構成されてもよい。
【0023】
前記経路表示装置は、第1機能部と、第2機能部と、を備えてもよい。前記第1機能部は、前記経路記憶部と、前記映像記憶部と、前記イベント記憶部と、を備えてもよい。前記第2機能部は、前記情報表示部と、前記情報取得部と、前記指令受付部と、前記映像取得部と、を備えてもよい。
【0024】
前記第1機能部は、第1機能通信部を備えてもよい。前記第1機能通信部は、前記第2機能部と通信するように構成されてもよい。前記第1機能通信部は、前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報を送信するように構成されてもよい。
【0025】
前記第2機能部は、第2機能通信部を備えてもよい。前記第2機能通信部は、前記第1機能部と通信するように構成されてもよい。前記第2機能通信部は、前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報を受信するように構成されてもよい。
【0026】
前記第1機能部は、前記第2機能部から独立して備えられてもよい。
【0027】
この経路表示装置においては、第1機能部と、第2機能部とは、互いに独立しているため、例えば、第1機能部を所定の場所に設置して、第2機能部を可搬型として構成することができる。これにより、第2機能部を持ち運ぶことができ、第2機能部を用いることで、任意の場所でイベント映像情報を確認できる。この場合、第1機能部は、サーバ装置に対応している、第2機能部は、クライアント端末装置に対応している。
【0028】
なお、前記経路表示装置が前記通信部を備える場合には、前記通信部は、第1機能部に備えられてもよい。
【0029】
本開示の他の一局面に係るドライブレコーダは、車載経路記憶部と、車載映像記憶部と、車載イベント記憶部と、車載情報出力部と、を備える。
【0030】
前記車載経路記憶部は、運行経路情報を記憶するように構成されている。前記運行経路情報は、前記ドライブレコーダが搭載された車両の運行経路を表す。前記車載映像記憶部は、映像情報を記憶するように構成されている。前記映像情報は、前記運行経路の走行時に前記ドライブレコーダで撮影された情報に対応する。
【0031】
前記車載イベント記憶部は、イベント情報を記憶するように構成されている。前記イベント情報は、前記車両で発生したイベントに関する情報に対応する。前記イベント情報は、前記イベントの発生時刻と、前記イベントの発生場所と、前記イベントの識別情報と、を含んでいる。
【0032】
前記車載情報出力部は、外部機器からの要求に応じて、前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報のうち少なくともいずれか1つを前記外部機器に出力するように構成されている。
【0033】
このドライブレコーダは、外部機器の要求タイミングに応じて、前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報のうち少なくともいずれか1つを前記外部機器に出力することができる。このため、このドライブレコーダは、上述の経路表示装置からの要求に応じて、前記運行経路情報、前記映像情報、前記イベント情報のうち少なくともいずれか1つを経路表示装置に出力できる。
【0034】
前記外部機器は、前記経路表示装置であってもよい。前記外部機器は、前記第1機能部であってもよい。
【0035】
前記ドライブレコーダにおいては、前記車載情報出力部は、予め定められた出力許可条件が成立することに応じて、前記映像情報を前記外部機器に出力するように構成されてもよい。前記車載情報出力部は、前記出力許可条件が成立しないことに応じて、前記映像情報の出力を禁止するように構成されてもよい。
【0036】
このドライブレコーダは、出力許可条件が成立するか否かに応じて、映像情報の出力を実行するか禁止するかを切り替えることができる。映像情報の出力に適した状況下では出力許可条件が成立し、映像情報の出力に適さない状況下では出力許可条件が成立しないように、出力許可条件を予め定めることで、このドライブレコーダは、適切な状況下で映像情報を出力できる。
【0037】
映像情報は、データ量が大きいため、例えば、通信経路の通信速度が高い場合には出力許可条件が成立し、通信経路の通信速度が低い場合には出力許可条件が成立しないように、通信経路の状況に応じて出力許可条件を定めてもよい。このドライブレコーダは、通信経路における通信データの渋滞が発生することを抑制できる。
【0038】
車載情報出力部は、無線通信または有線通信によって各情報を出力するように構成されてもよい。車載情報出力部は、持ち運び可能な記憶媒体に対して各情報を出力するように構成されてもよい。出力許可条件は、例えば、衝突時の衝撃の大きさ、車両速度の大きさ、外部からの指令の有無(レーダー探知機からの指令など)などに基づいて、定められてもよい。
【0039】
本開示の他の一局面に係る通信システムは、上述のうちいずれかの経路表示装置と、上述のうちいずれかのドライブレコーダと、を備える。
【0040】
この通信システムは、上述の経路表示装置を備えることから、イベント映像情報が前記映像記憶部に記憶されていない場合であっても、前記ドライブレコーダからイベント映像情報を取得することで、利用者の要求に応じてイベント映像情報を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本開示の例示的実施形態に係る通信システムの構成を表すブロック図である。
図2】ドライブレコーダのプロセッサが実行する運行経路情報更新処理を表すフローチャートである。
図3】ドライブレコーダと、サーバ装置と、利用者端末装置との間での、各種情報の送信状態および受信状態を表したシーケンス図である。
図4】利用者端末装置のディスプレイの画面構成を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下に本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0043】
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0044】
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
本開示の例示的実施形態に係る通信システム1は、図1に示すような構成を備える。
【0045】
通信システム1は、通信機能を有する複数のドライブレコーダ10と、サーバ装置30と、複数の利用者端末装置50と、を備える。
【0046】
複数のドライブレコーダ10のそれぞれは、対応するユーザ(以下、利用者ともいう)の利用者端末装置50に関連付けられている。ドライブレコーダ10は、対応する利用者端末装置50からの要求を、サーバ装置30を介して受け付けて、要求に応じたデータを、サーバ装置30に送信するように構成される。
【0047】
サーバ装置30は、ドライブレコーダ10からのデータを記憶し、記憶したデータを対応する利用者端末装置50に転送するように構成される。この転送により、ユーザは、サーバ装置30を通じて、対応するドライブレコーダ10から所望のデータを取得することができる。
【0048】
ドライブレコーダ10から提供されるデータの例には、ドライブレコーダ10により撮影された車両周辺の映像情報が含まれる。映像情報の例には、音声を含む動画データ及び静止画データが含まれる。
【0049】
サーバ装置30は、予め登録された対応表に従って、利用者端末装置50に関連付けられたドライブレコーダ10、及び、ドライブレコーダ10に関連付けられた利用者端末装置50を特定することができる。
【0050】
これらのうち、サーバ装置30およびいずれか1つの利用者端末装置50は、経路表示装置60を構成してもよい。経路表示装置60は、利用者端末装置50でユーザからの要求を受け付けて、要求に応じたデータをサーバ装置30から取得することができる。あるいは、経路表示装置60は、利用者端末装置50でユーザからの要求を受け付けて、要求に応じたデータを、サーバ装置30を通じてドライブレコーダ10から取得することができる。
【0051】
サーバ装置30は、1つの利用者端末装置50から独立して備えられている。経路表示装置60は、サーバ装置30と1つの利用者端末装置50とが互いに異なる場所(あるいは、互いに離れた場所)に配置される形態である。なお、経路表示装置60は、サーバ装置30と1つの利用者端末装置50とが同一場所に配置される形態であってもよい。
【0052】
[1-2.ドライブレコーダ]
ドライブレコーダ10は、車両に搭載される。車両は、例えば普通自動車、タクシー、バス、及びトラック等の自動車や、原付バイク、小型バイク、中型バイクおよび大型バイクなどの二輪車を含む。
【0053】
ドライブレコーダ10は、プロセッサ11と、記憶デバイス13と、カメラ14と、位置検出器15と、加速度検出器16と、操作部17と、入力インタフェース18と、通信インタフェース19と、イベント検出部20と、イベント映像記憶部21と、経路記憶部22と、を備える。
【0054】
プロセッサ11は、記憶デバイス13に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行する。記憶デバイス13は、例えばフラッシュメモリなどの記憶媒体を備えてもよい。記憶デバイス13は、コンピュータプログラム、映像情報等を記録するように構成されている。あるいは、記憶デバイス13は、ドライブレコーダ10に内蔵されるフラッシュメモリと、メモリカードに対するデータ書込及びデータ読込用のリーダ/ライタと、を備えてもよい。この場合、フラッシュメモリは、コンピュータプログラムの記憶に用いることができ、また、メモリカードは、ユーザの行為によってリーダ/ライタに装着され、映像情報等の記録に用いられ得る。
【0055】
カメラ14は、ドライブレコーダ10を搭載する車両の周囲を撮影可能に構成される。カメラ14は、例えば、車両前方を撮影するように配置される。カメラ14により撮影された車両周囲の映像情報は、プロセッサ11による記録処理を通じて記憶デバイス13に記録される。
【0056】
位置検出器15は、GPS受信機を備える。すなわち、位置検出器15は、GPS衛星からのGPS信号に基づき、現在位置座標(緯度及び経度)を検出するように構成される。検出された現在位置座標は、プロセッサ11に入力される。プロセッサ11は、上記記録処理において、映像情報を撮影時の位置座標と関連付けて、記憶デバイス13に記録するように構成される。プロセッサ11は、現在位置座標を経路記憶部22に送信する。
【0057】
加速度検出器16は、所謂Gセンサであり、加速度を検出するように構成される。検出される加速度は、車両又はドライブレコーダ10の加速度に対応する。検出された加速度を示す加速度情報は、プロセッサ11に入力される。プロセッサ11は、加速度情報を記憶デバイス13に記録する。プロセッサ11は、加速度情報をイベント検出部20に送信する。
【0058】
操作部17は、ドライブレコーダ10の利用者からの操作を受け付け可能に構成される。操作部17は、利用者からの選択指令を受け付け可能に構成される。ドライブレコーダ10の利用者は、車両乗員を含む。例えば、操作部17は、利用者が操作できるように構成されたメカニカルスイッチを備える。
【0059】
入力インタフェース18は、車両情報を入力するためのインタフェースを備える。車両情報は、車両内の車載装置が検出した各種情報を含む。例えば、車両情報は、速度検出器で検出される車両の速度を示す車速情報などを含む。
【0060】
通信インタフェース19は、無線通信を行うインタフェースとしての機能を備える。ドライブレコーダ10は、通信インタフェース19及びセルラー通信網を通じてサーバ装置30と無線通信可能に構成される。なお、通信インタフェース19は、有線通信を行うインタフェースとしての機能を備えてもよい。この場合、ドライブレコーダ10は、通信インタフェース19及び有線通信網を通じてサーバ装置30と有線通信可能に構成される。
【0061】
イベント検出部20は、加速度情報に基づいてイベントを検出するように構成される。イベントは、車両で発生した事象である。事象は、車両の衝突、車両の急停止などを含む。イベント検出部20は、加速度情報が示す加速度が、予め定められたイベント判定値を越えた場合に、イベントが発生したと判定することで、イベントを検出する。
【0062】
イベント映像記憶部21は、イベント検出部20がイベントを検出することに応じて、そのイベントに対応するイベント映像情報およびイベント情報を記録するように構成されている。イベント映像情報は、イベント発生時刻を含む所定期間の映像情報である。例えば、イベント映像情報は、イベント発生時刻よりも1分前を始点とし、イベント発生時刻よりも1分後を終点とする期間の映像情報であってもよい。
【0063】
イベント情報は、イベントの発生時刻と、イベントの発生場所と、イベントの識別情報と、を含んでいる。前記イベントの発生時刻は、前記イベントが発生した時刻であり、GPS衛星からのGPS信号に含まれる時刻情報に基づき特定される。前記イベントの発生場所は、前記GPS信号に含まれる位置情報に基づき特定される。前記イベントの識別情報は、イベントごとに一意に割り当てられた情報である。
【0064】
経路記憶部22は、運行経路情報を記録するように構成されている。運行経路情報は、ドライブレコーダ10が搭載された車両の運行経路を表す情報に対応する。経路記憶部22は、位置検出器15で検出された現在位置座標の履歴データに基づく運行経路情報を記録する。
【0065】
イベント映像記憶部21および経路記憶部22は、記憶デバイス13の一部として備えられてもよい。つまり、記憶デバイス13は、イベント映像記憶部21および経路記憶部22を含んでもよい。
【0066】
プロセッサ11は、経路表示装置60またはサーバ装置30からの要求に応じて、運行経路情報、映像情報、イベント情報のうち少なくともいずれか1つを、経路表示装置60またはサーバ装置30に出力するように構成されている。このため、ドライブレコーダ10は、経路表示装置60からの要求に応じて、運行経路情報、映像情報、イベント情報のうち少なくともいずれか1つを経路表示装置60に出力できる。
【0067】
プロセッサ11は、予め定められた出力許可条件が成立することに応じて、映像情報を経路表示装置60またはサーバ装置30に出力し、出力許可条件が成立しないことに応じて、経路表示装置60またはサーバ装置30への映像情報の出力を禁止するように構成されている。例えば、出力許可条件が「車両のエンジン停止で成立すること」に設定されている場合には、プロセッサ11は、車両のエンジン停止に応じて、映像情報を経路表示装置60またはサーバ装置30に出力する。
【0068】
なお、出力許可条件は「車両のエンジン停止、かつ、通信インタフェース19による通信速度が予め定められた速度判定値を上回る場合に成立すること」に設定されてもよい。この場合、プロセッサ11は、車両のエンジン停止が成立しても、通信速度が速度判定値を上回らない場合には、経路表示装置60またはサーバ装置30への映像情報の出力を禁止する。このように出力許可条件が設定されている場合には、車両のエンジン停止時に、必ずしも映像情報が経路表示装置60またはサーバ装置30へ出力されるものではなく、映像情報が送信されないことが発生しうる。
【0069】
なお、プロセッサ11は、車両のエンジン停止時に、運行経路情報およびイベント情報を、経路表示装置60またはサーバ装置30へ出力するように構成されている。このため、車両のエンジン停止時において、通信速度が速度判定値を上回らない場合には、運行経路情報およびイベント情報を出力するが、映像情報の出力を禁止する状況が発生しうる。この場合、経路表示装置60は、運行経路情報およびイベント情報は記憶できるが、映像情報は記憶できない状態となる。
【0070】
さらに、出力許可条件が「加速度検出器16で検出された加速度が予め定められた上限値を越えたこと」に設定されている場合には、プロセッサ11は、加速度が上限値を超えたことに応じて、映像情報を出力し、加速度が上限値を超えないことに応じて、映像情報の出力を禁止する。この場合、プロセッサ11は、加速度が上限値を超えたことに応じて、車両にイベントが発生したと判断するように構成されている。この場合のイベントは、車両の衝突や急停止などである。プロセッサ11は、この出力許可条件が成立した場合には、映像情報(詳細には、イベント映像情報を含む)およびイベント情報を、経路表示装置60またはサーバ装置30に出力する。
【0071】
なお、出力許可条件は「加速度検出器16で検出された加速度が予め定められた上限値を越えたこと、かつ、通信インタフェース19による通信速度が予め定められた速度判定値を上回る場合に成立すること」に設定されてもよい。この場合、プロセッサ11は、加速度が上限値を超えても、通信速度が速度判定値を上回らない場合には、経路表示装置60またはサーバ装置30への映像情報の出力を禁止する。このように出力許可条件が設定されている場合には、加速度が上限値を超えた時に、必ずしも映像情報が経路表示装置60またはサーバ装置30へ出力されるものではなく、映像情報が送信されないことが発生しうる。
【0072】
なお、プロセッサ11は、イベント発生時に、運行経路情報およびイベント情報を、経路表示装置60またはサーバ装置30へ出力するように構成されている。このため、イベント発生時に、通信速度が速度判定値を上回らない場合には、運行経路情報およびイベント情報を出力するが、映像情報を出力しない状況が発生しうる。この場合、経路表示装置60は、運行経路情報およびイベント情報は記憶できるが、映像情報は記憶できない状態となる。
【0073】
ドライブレコーダ10は、出力許可条件が成立するか否かに応じて、映像情報の出力を実行するか禁止するかを切り替えることができる。映像情報の出力に適した状況下では出力許可条件が成立し、映像情報の出力に適さない状況下では出力許可条件が成立しないように、出力許可条件を予め定めることで、ドライブレコーダ10は、適切な状況下で映像情報を出力できる。
【0074】
映像情報は、データ量が大きいため、例えば、通信経路の通信速度が高い場合には出力許可条件が成立し、通信経路の通信速度が低い場合には出力許可条件が成立しないように、通信経路の状況に応じて出力許可条件を定めてもよい。このようなドライブレコーダ10は、通信経路における通信データの渋滞が発生することを抑制できる。
【0075】
出力許可条件は、例えば、衝突時の衝撃の大きさ、車両速度の大きさ、外部からの指令の有無(レーダー探知機からの指令など)などに基づいて、定められてもよい。
【0076】
[1-3.サーバ装置]
サーバ装置30は、一つ又は複数のコンピュータを備えている。サーバ装置30は、図1において簡易表示されている。サーバ装置30は、プロセッサ31と、記憶デバイス33と、通信インタフェース39と、を備える。
【0077】
プロセッサ31は、記憶デバイス33に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行する。記憶デバイス33は、例えばハードディスクドライブを備える。通信インタフェース39は、ドライブレコーダ10と通信するための通信インタフェースを備える。さらに、通信インタフェース39は、利用者端末装置50と通信するための通信インタフェースを備える。通信インタフェース39は、所定の情報を送信および/または受信するように構成されている。前記所定の情報は、運行経路情報、映像情報、イベント情報のうち少なくともいずれか1つを含んでいる。
【0078】
通信インタフェース39は、無線通信によって、ドライブレコーダ10と通信するように構成されている。無線通信は、携帯電話通信網を用いた通信方式やその他の無線通信方式を含む。通信インタフェース39は、無線通信に限らず、有線通信によって、ドライブレコーダ10と通信するように構成されてもよい。
【0079】
サーバ装置30は、ドライブレコーダ10から、運行経路情報、イベント情報、映像情報を受信して、記憶デバイス33に記憶するように構成されている。プロセッサ31は、ドライブレコーダ10から受信した運行経路情報、イベント情報、映像情報を、記憶デバイス33に記憶させる処理を実行する。
【0080】
[1-4.利用者端末装置]
利用者端末装置50は、プロセッサ51と、記憶デバイス53と、ディスプレイ55と、入力デバイス57と、通信インタフェース59と、映像取得部61と、経路取得部62と、を備える。
【0081】
利用者端末装置50は、ユーザが所持する携帯端末装置であってもよい。携帯端末装置は、スマートフォン及びタブレットを含む。
【0082】
ドライブレコーダ10が商用車に搭載される場合、利用者端末装置50は、商用車の運行を管理する企業のオフィスや監視センタに設置されたコンピュータであってもよい。商用車は、タクシーやバスなどを含む。
【0083】
プロセッサ51は、記憶デバイス53に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行する。記憶デバイス53は、例えばフラッシュメモリなどの記憶媒体を備えてもよい。ディスプレイ55は、プロセッサ51により制御されて、ユーザ向けの情報を表示する。ディスプレイ55は、例えば液晶ディスプレイを備えてもよい。
【0084】
入力デバイス57は、ユーザからの選択指令を受け付けるように構成されている。入力デバイス57は、ユーザからの操作内容に応じた操作信号をプロセッサ51に送信するように構成される。入力デバイス57の例には、ディスプレイ55上のタッチパネル、キーボード、及び、ポインティングデバイスなどが含まれる。
【0085】
通信インタフェース59は、サーバ装置30と通信可能なインタフェースである。通信インタフェース59は、広域ネットワークを通じて通信を行うように構成されている。広域ネットワークには、インターネットが含まれる。
【0086】
映像取得部61は、通信インタフェース59を介して、サーバ装置30から映像情報を取得するように構成されている。この映像情報は、イベント映像情報を含む。映像取得部61は、映像情報をディスプレイ55に表示するように構成されている。映像取得部61は、選択指令に基づいて、選択指令に対応するイベント映像情報をディスプレイ55に表示するように構成されている。選択指令は、ユーザが入力デバイス57を用いて入力する指令に対応する。イベントの選択指令は、選択対象のイベントを特定するための指令である。
【0087】
映像取得部61は、選択指令に対応するイベント映像情報がサーバ装置30(詳細には、記憶デバイス33)に記憶されていることに応じて、サーバ装置30からイベント映像情報を取得するように構成されている。このとき、映像取得部61は、通信インタフェース59を介して、サーバ装置30(詳細には、記憶デバイス33)からイベント映像情報を取得する。
【0088】
映像取得部61は、選択指令に対応するイベント映像情報がサーバ装置30に記憶されていないことに応じて、ドライブレコーダ10(詳細には、イベント映像記憶部21)からイベント映像情報を取得するように構成されている。このとき、映像取得部61は、通信インタフェース59および通信インタフェース39を介して、ドライブレコーダ10からイベント映像情報を取得する。
【0089】
経路取得部62は、サーバ装置30から運行経路情報およびイベント情報を取得するように構成されている。運行経路情報およびイベント情報は、記憶デバイス53に記憶される。経路取得部62は、ディスプレイ55を制御することで、運行経路およびイベントマークをディスプレイ55に表示するように構成されている。イベントマークは、イベントが存在することを表す図柄である。イベントマークは、後述するように、図4において、P1およびP2として図示されている。経路取得部62は、ディスプレイ55を制御することで、ディスプレイ55におけるイベントの発生場所にイベントマークを表示するように構成されている。
【0090】
映像取得部61および経路取得部62は、プロセッサ51の一部として備えられてもよい。つまり、プロセッサ51は、映像取得部61および経路取得部62のそれぞれの機能を実行するように構成されてもよい。
【0091】
[1-5.運行経路情報更新処理]
続いて、ドライブレコーダ10が実行する運行経路情報更新処理について、図2を用いて説明する。
【0092】
ドライブレコーダ10の起動に応じて、プロセッサ11は、記憶デバイス13から運行経路情報更新処理のプログラムを読み出し、プログラムに基づいて運行経路情報更新処理を実行する。
【0093】
プロセッサ11は、運行経路情報更新処理を開始すると、まず、S110(Sはステップを表す)で、位置検出器15からGPS情報を取得する。これにより、プロセッサ11は、現在位置を表す現在位置情報を取得する。
【0094】
プロセッサ11は、次のS120で、イベントが発生したか否かを判定し、肯定判定するとS130に移行し、否定判定するとS140に移行する。プロセッサ11は、イベント検出部20による検出結果に基づいて、イベントが発生したか否かを判定する。
【0095】
プロセッサ11は、S130では、イベントフラグFevを追加する処理を実行する。プロセッサ11は、S140では、S110で取得した現在位置情報に基づいて運行経路情報を更新する。プロセッサ11は、S130でイベントフラグFevが追加された場合には、このときの現在位置情報にイベントフラグFevを追加した状態で、運行経路情報を更新する。プロセッサ11は、更新した後の運行経路情報を記憶デバイス13に記憶させる。
【0096】
プロセッサ11は、S150では、車両の運行が終了したか否かを判定し、肯定判定するとS160に移行し、否定判定するとS120に移行する。プロセッサ11は、車両からの電力供給が停止したか否かに基づいて、車両の運行が終了したか否かを判定する。なお、ドライブレコーダ10は、図示しない内蔵電源を備えており、車両からの電力供給が停止した後でも、一定期間は内蔵電源からの電力供給によってプロセッサ11などが動作できるように構成されている。
【0097】
プロセッサ11は、車両の運行中は、S120からS150の処理を繰り返し実行することで、運行経路情報を更新するように構成されている。
【0098】
プロセッサ11は、S160では、運行経路情報をサーバ装置30に送信する処理を実行する。プロセッサ11は、通信インタフェース19を用いて、運行経路情報をサーバ装置30にアップロードする。
【0099】
このようにして、ドライブレコーダ10は、車両の運行中に、運行経路情報更新処理を実行することで、運行開始地点から運行終了地点までの移動経路を表す運行経路情報を、記憶デバイス13に記憶するように構成されている。ドライブレコーダ10は、車両の運行が終了すると、運行経路情報をサーバ装置30に送信する。
【0100】
サーバ装置30は、ドライブレコーダ10から運行経路情報を受け取ると、記憶デバイス33に運行経路情報を記憶する。
【0101】
[1-6.情報通信状態]
ドライブレコーダ10と、サーバ装置30と、利用者端末装置50との間での、各種情報の通信状態について、図3を用いて説明する。各種情報の通信状態は、情報の送信状態および情報の受信状態を含む。
【0102】
図3に示すように、本実施形態の通信システム1では、時刻T110において、ドライブレコーダ10が、サーバ装置30に対して、運行経路情報を送信する。サーバ装置30は、受信した運行経路情報を記憶デバイス33に記憶する。
【0103】
時刻T120において、利用者端末装置50が、サーバ装置30に対して、経路要求指令を送信すると、時刻T130において、サーバ装置30が、利用者端末装置50に対して、運行経路情報を送信する。このとき、サーバ装置30は、記憶デバイス33から経路要求指令に対応する運行経路情報を読み出して、読み出した運行経路情報を利用者端末装置50に対して送信する。
【0104】
利用者端末装置50は、運行経路情報を受信すると、ディスプレイ55に運行経路情報に基づいて運行経路を表示する。
【0105】
ここで、ディスプレイ55の画面構成について、図4を用いて説明する。
【0106】
図4に示すように、ディスプレイ55は、経路表示領域55aと、映像表示領域55bと、操作領域55cと、を備える。ディスプレイ55は、プロセッサ51の制御に基づいて、所定の情報を各領域に表示するように構成されている。
【0107】
経路表示領域55aは、プロセッサ51の制御に基づいて、運行経路情報に基づく運行経路K1を表示する領域である。運行経路K1は、出発地から目的地までの車両の移動軌跡に対応する。経路表示領域55aは、地図情報(図示省略)を背景に表示した状態で、地図情報の上に運行経路K1を表示するように構成されている。経路表示領域55aは、イベント発生場所に対応する位置にイベントマークを表示するように構成されている。イベントマークは、図4において、P1およびP2として図示されている。
【0108】
映像表示領域55bは、プロセッサ51の制御に基づいて、映像情報を表示する領域である。映像表示領域55bは、運行経路K1の移動時にドライブレコーダ10で撮影された映像情報を、動画または静止画として再生するように構成されている。また、映像表示領域55bは、ユーザの選択指令に応じて、選択指令に対応するイベントのイベント映像情報を表示することができる。
【0109】
操作領域55cは、ユーザからの操作指令を受け付ける領域である。操作領域55cは、入力デバイス57と関連づけられている。操作領域55cは、例えば、第1指令部55c1,第2指令部55c2,第3指令部55c3,第4指令部55c4,第5指令部55c5,第6指令部55c6,第7指令部55c7、を備える。これらの複数の指令部で受け付ける操作としては、例えば、動画の開始位置への移動操作、逆方向スキップ操作、動画の再生操作、スロー再生操作、早送り操作、正方向スキップ操作、一定時間戻し操作などが挙げられる。
【0110】
操作領域55cに対してユーザ操作が行われると、入力デバイス57は、ユーザ操作の操作内容に応じた操作信号をプロセッサ51に送信する。プロセッサ51は、操作信号に対応する制御処理を実行する。
【0111】
図3の時刻T120の状態を詳細に説明すると、まず、ユーザが運行経路K1を要求するために操作領域55cに対してユーザ操作を行うと、入力デバイス57は、操作領域55cで操作された指令部の種類に基づき、ユーザ操作に応じた操作信号をプロセッサ51に送信する。これに対して、プロセッサ51は、要求された運行経路K1に対応する経路要求指令を、通信インタフェース59を介して、サーバ装置30に送信する。
【0112】
図3の時刻T130の状態を詳細に説明すると、まず、サーバ装置30では、プロセッサ31は、受信した経路要求指令に基づいて、記憶デバイス33に記憶されている運行経路情報の中から、経路要求指令に対応する運行経路情報を特定する。その後、プロセッサ31は、通信インタフェース39を介して、特定した運行経路情報を利用者端末装置50に対して送信する。このとき、プロセッサ31は、運行経路K1で発生したイベントに関するイベント情報を、運行経路情報とともに利用者端末装置50に対して送信する。
【0113】
この後、利用者端末装置50では、プロセッサ51は、運行経路情報を受信すると、ディスプレイ55の経路表示領域55aに、運行経路情報に基づいて運行経路K1を表示する。この結果、経路表示領域55aに、図4に示すような運行経路K1が表示される。
【0114】
このとき、プロセッサ51は、イベント情報を受信すると、運行経路K1で発生したイベントを表すイベントマークを、経路表示領域55aに表示する。図4では、2つのイベントマークP1,P2を経路表示領域55aに表示する状態を表している。
【0115】
経路表示領域55aに表示されたイベントマークP1,P2のいずれかに対して、ユーザが選択操作を実行すると(S210)、入力デバイス57は、ユーザの選択操作に応じたユーザ操作信号をプロセッサ51に送信する。そして、プロセッサ51は、選択されたイベントマークに対応するイベント映像要求指令を、通信インタフェース59を介して、サーバ装置30に送信する。イベントマークに対するユーザの選択操作は、イベントに対応するイベント映像情報の表示要求を意味する。このように利用者端末装置50がイベント映像要求指令をサーバ装置30に送信する動作は、図3の時刻T140で実行される動作に対応する。
【0116】
サーバ装置30では、プロセッサ31は、受信したイベント映像要求指令に基づいて、記憶デバイス33に記憶されている映像情報の中に、イベント映像要求指令に対応するイベント映像情報が含まれているか否かを確認する(S220)。プロセッサ31は、イベント映像情報が含まれている場合には、記憶デバイス33に記憶されている映像情報の中から、そのイベント映像情報を特定する。その後、プロセッサ31は、通信インタフェース39を介して、特定したイベント映像情報を利用者端末装置50に対して送信する。
【0117】
この後、利用者端末装置50では、プロセッサ51は、イベント映像情報を受信すると、ディスプレイ55の映像表示領域55bに、イベント映像情報に基づいて映像を表示する。この結果、映像表示領域55bに、イベントに関する動画が表示される。この動作は、図3における時刻T150で表した動作に対応する。
【0118】
プロセッサ31は、イベント映像情報が含まれていない場合には、イベント映像要求指令を、通信インタフェース39を介して、ドライブレコーダ10に送信する。この動作は、図3における時刻T160で表した動作に対応する。
【0119】
そして、ドライブレコーダ10では、プロセッサ11は、受信したイベント映像要求指令に基づいて、イベント映像記憶部21に記憶されているイベント映像情報の中から、イベント映像要求指令に対応するイベント映像情報を特定する。その後、プロセッサ11は、通信インタフェース19を介して、特定したイベント映像情報をサーバ装置30に対して送信する。この動作は、図3における時刻T170で表した動作に対応する。
【0120】
サーバ装置30では、プロセッサ31は、受信したイベント映像情報を、通信インタフェース39を介して、利用者端末装置50に対して送信する。
【0121】
この後、利用者端末装置50では、プロセッサ51は、イベント映像情報を受信すると、ディスプレイ55の映像表示領域55bに、イベント映像情報に基づいて映像を表示する。この結果、映像表示領域55bに、イベントに関する動画が表示される。この動作は、図3における時刻T180で表した動作に対応する。
【0122】
このように、ドライブレコーダ10、サーバ装置30、利用者端末装置50の間で各種情報の通信が行われることで、通信システム1は、入力デバイス57に対するユーザの選択指令に応じて、選択指令に対応するイベントのイベント映像情報を表示することができる。
【0123】
なお、利用者端末装置50においては、入力デバイス57は、経路表示領域55aにおいて、イベントマークの選択指令に加えて、運行経路K1における任意の地点の選択指令を受け付けるように構成されている。
【0124】
入力デバイス57が選択指令を受け付けることに応じて、映像取得部61は、地点映像情報をディスプレイ55の映像表示領域55bに表示するように構成されている。地点映像情報は、選択指令に対する地点に対応する映像情報である。映像取得部61は、地点映像情報が記憶デバイス33に記憶されていることに応じて、記憶デバイス33から地点映像情報を取得するように構成されている。映像取得部61は、地点映像情報が記憶デバイス33に記憶されていないことに応じて、ドライブレコーダ10から地点映像情報を取得するように構成されている。
【0125】
つまり、利用者端末装置50は、経路表示領域55aにおいて、ユーザにより運行経路K1の任意の地点が選択されることで、その地点に対応する映像情報を映像表示領域55bに表示するように構成されている。
【0126】
このように、利用者端末装置50(詳細には、映像取得部61)は、記憶デバイス33のみならず、ドライブレコーダ10から地点映像情報を取得することができる。例えば、選択指令に対応する地点映像情報が記憶デバイス33に記憶されていない場合には、利用者端末装置50は、通信インタフェース39を介してドライブレコーダ10から地点映像情報を受け取るように構成されている。
【0127】
[1-7.サーバ装置および利用者端末装置]
経路表示装置60は、サーバ装置30および利用者端末装置50を備える。
【0128】
サーバ装置30は、運行経路情報、映像情報、イベント情報を記憶するように構成された記憶デバイス33を備える。サーバ装置30は、利用者端末装置50と通信するように構成された通信インタフェース39を備える。
【0129】
利用者端末装置50は、ディスプレイ55と、プロセッサ51と、経路取得部62と、入力デバイス57と、映像取得部61と、を備える。利用者端末装置50は、サーバ装置30と通信するように構成された通信インタフェース59を備える。
【0130】
サーバ装置30は、利用者端末装置50から独立して備えられている。
【0131】
サーバ装置30は、所定の場所に設置されている。所定の場所は、利用者端末装置50を操作するユーザから離れた場所であってもよい。所定の場所は、例えば、倉庫やサーバーセンターなどが挙げられる。
【0132】
利用者端末装置50は、ノート型パソコン、スマートフォンなどの持ち運び可能な装置で構成されている。利用者端末装置50は、持ち運び可能であるため、設置場所は固定されない。利用者端末装置50が持ち運ぶことができるため、ユーザは、利用者端末装置50を用いることで、任意の場所で映像情報を確認できる。
【0133】
なお、利用者端末装置50は、持ち運び可能な形態に限られることはなく、一定の場所に設置される形態であってもよい。この場合、サーバ装置30と利用者端末装置50とを同一の場所に設置してもよい。あるいは、サーバ装置30と利用者端末装置50とをそれぞれ異なる場所に設置してもよい。
【0134】
[1-8.効果]
以上説明したように、通信システム1においては、経路表示装置60では、利用者端末装置50の映像取得部61は、サーバ装置30の記憶デバイス33またはドライブレコーダ10のイベント映像記憶部21からイベント映像情報を取得するように構成されている。とりわけ、映像取得部61は、イベント映像情報が記憶デバイス33に記憶されていないことに応じて、ドライブレコーダ10からイベント映像情報を取得する。
【0135】
したがって、経路表示装置60は、イベント映像情報がサーバ装置30の記憶デバイス33に記憶されていない場合であっても、ドライブレコーダ10のイベント映像記憶部21からイベント映像情報を取得することで、利用者の要求に応じてイベント映像情報を表示することができる。
【0136】
経路表示装置60は、通信インタフェース39を備えることで、ドライブレコーダ10から運行経路情報、映像情報、イベント情報のうち少なくともいずれか1つを受け取ることができる。例えば、選択指令に対応するイベント映像情報が記憶デバイス33に記憶されていない場合には、経路表示装置60は、通信インタフェース39を介してドライブレコーダ10からイベント映像情報を受け取ることができる。また、選択指令に対応する地点映像情報が記憶デバイス33に記憶されていない場合には、経路表示装置60は、通信インタフェース39を介してドライブレコーダ10から地点映像情報を受け取ることができる。
【0137】
[1-9.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
【0138】
記憶デバイス33は、本開示における経路記憶部の一例と、映像記憶部の一例と、イベント記憶部の一例と、に相当する。ディスプレイ55は、本開示における情報表示部の一例に相当し、プロセッサ51および経路取得部62は、それぞれ、本開示における情報取得部の一例に相当する。入力デバイス57は、本開示における指令受付部の一例に相当し、プロセッサ51および映像取得部61は、それぞれ、本開示における映像取得部の一例に相当する。通信インタフェース39は、本開示における通信部の一例に相当する。
【0139】
サーバ装置30は、本開示における第1機能部の一例に相当し、利用者端末装置50は、本開示における第2機能部の一例に相当する。
【0140】
経路記憶部22は、本開示における車載経路記憶部の一例に相当する。記憶デバイス13およびイベント映像記憶部21は、それぞれ、本開示における車載映像記憶部の一例に相当する。イベント映像記憶部21は、本開示における車載イベント記憶部の一例に相当する。プロセッサ11は、本開示における車載情報出力部の一例に相当する。
【0141】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0142】
(a)上記実施形態では、サーバ装置30と利用者端末装置50とが互いに異なる場所(あるいは、互いに離れた場所)に配置される形態について説明したが、本開示は、このような構成に限られることはない。例えば、サーバ装置30と1つの利用者端末装置50とが同一場所に配置される形態であってもよい。
【0143】
上記実施形態では、サーバ装置30が利用者端末装置50から独立して備えられる構成について説明したが、サーバ装置30が利用者端末装置50と一体に備えられる構成であってもよい。
【0144】
(b)ドライブレコーダ10のプロセッサ11が判定する出力許可条件は、上記実施形態で説明したものに限られることはない。例えば、出力許可条件は「通信インタフェース19による通信速度が予め定められた速度判定値を上回る場合に成立すること」に設定されてもよい。この場合、プロセッサ11は、通信速度が速度判定値を上回る場合には、車両の状態にかかわらず、映像情報を出力する。つまり、プロセッサ11は、通信速度が速度判定値を上回る場合には、リアルタイムで映像情報を出力し、通信速度が速度判定値を上回らない場合には、映像情報の出力を禁止する。
【0145】
(c)利用者端末装置50は、ノート型パソコン、スマートフォンなどの携帯端末装置を用いて実現する方法としては、例えば、携帯端末装置にアプリケーションプログラムをインストールする方法を採用してもよい。これにより、携帯端末装置に利用者端末装置としての機能を実行させることができる。
【0146】
また、携帯端末装置で利用できるWEBブラウザを用いて、利用者端末装置としての機能を実現させる方法を採用してもよい。つまり、WEBブラウザに上述のディスプレイ55と同様の情報を表示することで、携帯端末装置に利用者端末装置としての機能を実行させてもよい。
【0147】
(d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0148】
1…通信システム、10…ドライブレコーダ、11…プロセッサ、13…記憶デバイス、15…位置検出器、16…加速度検出器、17…操作部、18…入力インタフェース、19…通信インタフェース、20…イベント検出部、21…イベント映像記憶部、22…経路記憶部、30…サーバ装置、31…プロセッサ、33…記憶デバイス、39…通信インタフェース、50…利用者端末装置、51…プロセッサ、53…記憶デバイス、55…ディスプレイ、55a…経路表示領域、55b…映像表示領域、55c…操作領域、57…入力デバイス、59…通信インタフェース、60…経路表示装置、61…映像取得部、62…経路取得部。
図1
図2
図3
図4