(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172902
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】ルート案内システム、ルート案内装置、ルート案内方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20221110BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G01C21/36
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079241
(22)【出願日】2021-05-07
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 倫紀
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
【Fターム(参考)】
2C032HB22
2C032HC08
2C032HC14
2C032HD16
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC07
2F129CC16
2F129DD40
2F129DD41
2F129EE21
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE84
2F129EE88
2F129EE90
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF32
2F129FF63
2F129HH02
2F129HH12
(57)【要約】
【課題】設定済のルートに新たな目的地を追加する場合に、新たな目的地をどこに追加することが効率的であるかを判断することを容易にするルート案内システムを提供する。
【解決手段】ルート案内システムは、道路地図データに基づいて1つ以上の第1の目的地を含むルートを案内するルート案内システムであって、前記ルートに追加する第2の目的地の入力を受け付ける受付部と、前記第2の目的地の入力を受け付けたときに、前記第2の目的地を追加可能な複数の区間を、前記区間に前記第2の目的地を追加した場合の前記ルートの情報と共に選択可能に表示する選択画面を表示する表示制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図データに基づいて1つ以上の第1の目的地を含むルートを案内するルート案内システムであって、
前記ルートに追加する第2の目的地の入力を受け付ける受付部と、
前記第2の目的地の入力を受け付けたときに、前記第2の目的地を追加可能な複数の区間を、前記区間に前記第2の目的地を追加した場合の前記ルートの情報と共に選択可能に表示する選択画面を表示する表示制御部と、
を有する、ルート案内システム。
【請求項2】
前記ルートの情報は、前記区間に前記第2の目的地を追加した場合に増加する前記ルートの走行距離の情報を含む、請求項1に記載のルート案内システム。
【請求項3】
前記ルートの情報は、前記区間に前記第2の目的地を追加した場合に増加する前記ルートの走行時間の情報を含む、請求項1又は2に記載のルート案内システム。
【請求項4】
前記ルートの情報は、前記区間に前記第2の目的地を追加した場合に、前記第2の目的地に到着する到着時間の情報を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のルート案内システム。
【請求項5】
前記ルートの情報は、前記区間に前記第2の目的地を追加した場合に、前記第2の目的地に到着する到着時間が、前記第2の目的地の営業時間外である場合、営業時間外であることを示す情報を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のルート案内システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記選択画面に選択可能に表示した前記複数の区間のうち、一の区間が選択された場合、前記一の区間に前記第2の目的地を追加した前記ルートを表示する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のルート案内システム。
【請求項7】
道路地図データに基づいて1つ以上の第1の目的地を含むルートを案内するルート案内装置であって、
前記ルートに追加する第2の目的地の入力を受け付ける受付部と、
前記第2の目的地の入力を受け付けたときに、前記第2の目的地を追加可能な複数の区間を、前記区間に前記第2の目的地を追加した場合の前記ルートの情報と共に選択可能に表示する選択画面を表示する表示制御部と、
を有する、ルート案内装置。
【請求項8】
道路地図データに基づいて1つ以上の第1の目的地を含むルートを案内するルート案内方法であって、
コンピュータが、
前記ルートに追加する第2の目的地の入力を受け付ける処理と、
前記第2の目的地の入力を受け付けたときに、前記第2の目的地を追加可能な複数の区間を、前記区間に前記第2の目的地を追加した場合の前記ルートの情報と共に選択可能に表示する選択画面を表示する処理と、
を実行する、ルート案内方法。
【請求項9】
請求項8に記載のルート案内方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルート案内システム、ルート案内装置、ルート案内方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路地図データに基づいて目的地までのルートを案内するルート案内システムが普及している。また、目的地までのルートに新規に目的地を追加する際に、ルート案内画面に複数の経由地追加欄を含む経由地追加画面を表示し。指示装置で特定した地点を、選択装置で選択した経由地追加欄に追加するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術により、ユーザは、設定済のルートに新たな目的地を設定することが容易になる。しかし、特許文献1に示されるような従来の技術では、設定済のルートに新たな目的地を追加する場合に、新たな目的地をどこに追加することが効率的であるかを判断することには困難を伴っていた。
【0005】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、設定済のルートに新たな目的地を追加する場合に、新たな目的地をどこに追加することが効率的であるかを判断することを容易にするルート案内システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るルート案内システムは、道路地図データに基づいて1つ以上の第1の目的地を含むルートを案内するルート案内システムであって、前記ルートに追加する第2の目的地の入力を受け付ける受付部と、前記第2の目的地の入力を受け付けたときに、前記第2の目的地を追加可能な複数の区間を、前記区間に前記第2の目的地を追加した場合の前記ルートの情報と共に選択可能に表示する選択画面を表示する表示制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、設定済のルートに新たな目的地を追加する場合に、新たな目的地をどこに追加することが効率的であるかを判断することを容易にするルート案内システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係るルート案内システムの構成例を示す図(1)である。
【
図2】一実施形態に係る施設DBのデータ構造の例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係るルート案内システムの構成例を示す図(2)である。
【
図4】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る目的地の追加処理の例を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係るルート情報の作成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】一実施形態に係るルート情報の作成処理の別の一例を示すフローチャートである。
【
図8】一実施形態に係る選択画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0010】
<ルート案内システムの構成例>
図1は、一実施形態に係るルート案内システムの構成例を示す図(1)である。ルート案内システム1は、道路地図データに基づいて1つ以上の目的地(第1の目的地)を含むルートを案内するシステムである。
図1の例では、ルート案内システム1は、自動車等の車両10に搭載される車載装置であるルート案内装置100と、通信ネットワーク2を介して、ルート案内装置100と通信可能なサーバ装置20とを含む。なお、サーバ装置20は、オプションであり、必須ではない。
【0011】
ルート案内装置(車載装置)100は、例えば、車両10に搭載されるカーナビゲーション装置、又はECU(Electric Control Unit)等のコンピュータの構成を備える情報処理装置である。ルート案内装置100は、ルート案内装置100が備えるコンピュータで所定のプログラムを実行することにより、例えば、通信部101、受付部102、表示制御部103、音声制御部104、道路地
図DB(Database)105、ルート探索部106、ルート情報作成部107、及び施設DB108等を実現している。
【0012】
通信部101は、例えば、車両10、又はルート案内装置100が備える無線通信装置等を用いて、インターネット等の通信ネットワーク2を介して、サーバ装置20と通信する通信処理を実行する。
【0013】
受付部102は、例えば、ルート案内装置100に対する様々な入力操作を受け付ける受付処理を実行する。例えば、受付部102は、ユーザが、ルート案内装置100に設定済のルートに新たな目的地(第2の目的地)を追加するときに、ユーザによる第2の目的地の入力操作等を受け付ける。
【0014】
表示制御部103は、例えば、車両10、又はルート案内装置100が備える表示装置等に、ルート案内画面、設定画面、又は選択画面等の様々な表示画面を表示する表示制御処理を実行する。例えば、表示制御部103は、受付部102が、設定済のルートに追加する第2の目的地の入力を受け付けたときに、第2の目的地を追加可能な複数の区間を、当該区間に第2の目的地を追加した場合のルートの情報と共に選択可能に表示する選択画面を表示する。
【0015】
音声制御部104は、車両10、又はルート案内装置100が備えるマイク、及びスピーカを用いて、音声の入出力を行う音声制御処理を実行する。例えば、音声制御部104は、音声による入力操作の受け付け、又は音声による案内メッセージの出力等を行う。例えば、受付部102は、音声制御部104を用いて、ユーザの音声による入力操作等を受け付けても良い。また、表示制御部103は、表示画面を表示するときに、音声制御部104を用いて、音声メッセージを出力しても良い。
【0016】
道路地
図DB105は、例えば、日本デジタル道路地図協会等の機関が作成したデジタル道路地図データベース、又はデジタル道路地図データベースに基づいて作成した道路ネットワークデータ等のデータベースである。デジタル道路地図データベースは、国土地理院の1/25000の地形図を基図として作成され、道路幅5.5m以上の基本道路データ、及び道路幅3m~5.5m未満の細道路データ等の道路網データを含む。この道路網データは、交差点等のノードと、ノードとノードとを接続するリンクにより構成されている。本実施形態では、従来のカーナビゲーションシステム等で用いられている道路地
図DB105を利用することができる。
【0017】
ルート探索部106は、道路地
図DB105に格納された道路網データ(以下、道路地図データと呼ぶ)に基づいて1つ以上の目的地を含むルートを探索するルート探索処理を実行する。例えば、ルート探索部106は、ユーザによって設定された目的地、経由地、検索条件等の設定に従って目的地までの最適なルートを探索する。なお、ルート探索処理については、従来のカーナビゲーション装置等で用いられているルート探索方法を適用することができる。
【0018】
ルート情報作成部107は、設定済のルートに追加する第2の目的地の入力を受け付けたときに、第2の目的地を追加可能な複数の区間の各々に、第2の目的地を設定した場合のルートの情報(以下、ルート情報と呼ぶ)を作成するルート情報作成処理を実行する。
【0019】
例えば、設定済のルートが、経由地と目的地とを含むルートである場合、当該ルートには、現在地から経由地までの第1の区間、経由地から目的地までの第2の区間、又は目的地より先の第3の区間に第2の目的地を追加することができる。この場合、ルート情報作成部107は、各区間に第2の目的地を追加した場合に、増加する走行距離、増加する走行時間、及び第2の目的地への到着時刻のうち、1つ以上の情報を含むルート情報を作成する。
【0020】
好ましくは、ルート情報作成部107は、例えば、施設DB108等を参照して第2の目的地に対応する施設の営業時間の情報を取得し、第2の目的地への到着時刻が当該施設の営業時間外である場合、営業時間外であることを示す情報を含むルート情報を作成する。
【0021】
施設DB108は、複数の施設のデータを記憶したデータベースであり、例えば、
図2に示すようなデータ構造を有している。
【0022】
図2は、一実施形態に係る施設DBのデータ構造の例を示す図である。施設DB108に格納される各施設のデータは、例えば、
図2に示すように、施設名、ジャンル、位置(緯度、経度)、住所、電話番号、及び営業時間等の情報を含む。ルート案内装置100は、例えば、施設DB108を参照して、第2の目的地に対応する施設の営業時間の情報を取得することができる。なお、ルート案内装置100は、例えば、通信ネットワーク2を通信可能なサーバ装置20、又はクラウドサービス等を利用して、施設の営業時間の情報を取得するものであっても良い。
【0023】
上記の構成により、ルート案内装置100は、設定済のルートに追加する第2の目的地の入力を受け付けたときに、第2の目的地を追加可能な複数の区間を、ルート情報と共に選択可能に表示する選択画面を表示する。このとき、ルート情報には、各区間に第2の目的地を追加した場合における、増加する走行距離の情報、増加する走行時間の情報、又は第2の目的地に到着する到着時刻の情報等が含まれる。好ましくは、ルート情報には、第2の目的地に到着する到着時刻が、第2の目的地に対応する施設の営業時間外である場合に、営業時間外であることを示す情報が含まれる。
【0024】
例えば、観光地等では、同じエリア内で複数の経由地を含むルートを設定する場合がある。このような場合、特許文献1に示されるような従来の技術では、設定済のルートに新たな経由地を追加するときに、どの区間に経由地を追加することが効率的であるかを判断することには困難を伴っていた。
【0025】
そのため、従来の技術では、例えば、ユーザが、地図アプリ等を開き、全体の位置関係を確認した上で、自らの判断で経由地を追加する区間を決定していた。或いは、ユーザは、例えば、特許文献1に示されるような方法で、一の区間に経由地を設定し、効率的でないルートが提示された場合に、別の区間に経由地を再設定すること等を行っていた。
【0026】
一方、本実施形態に係るルート案内システムによれば、ユーザは、選択画面に表示されるルート情報により、どの区間に経由地を追加することが効率的であるかを容易に判断することができるようになる。
【0027】
なお、
図1に示したルート案内システム1の構成は一例である。例えば、車両10の乗員が所持するスマートフォン、又はタブレット端末等を利用してルート案内を行う場合がある。この場合、通信ネットワーク2に接続するサーバ装置が、ルート案内装置100の機能を有していても良い。
【0028】
図3は、一実施形態に係るルート案内システムの構成例を示す図(2)である。
図3の例では、ルート案内システム1は、車両10の乗員が所持する情報端末310と、通信ネットワーク2を介して、情報端末310と通信可能なルート案内装置(サーバ装置)300とを含む。
【0029】
ルート案内装置(サーバ装置)300は、例えば、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数のコンピュータを含むシステムである。ルート案内装置300は、ルート案内装置300が備える1つ以上のコンピュータで所定のプログラムを実行することにより、例えば、通信部320、道路地
図DB105、ルート探索部106、ルート情報作成部107、及び施設DB108等を実現している。
【0030】
通信部320は、ルート案内装置300が備える通信装置(ネットワークI/F等)を用いて、通信ネットワーク2を介して、情報端末310等の他の装置と通信する通信処理を実行する。
【0031】
ルート探索部106は、情報端末310からの要求に応じて、
図1のルート案内装置100が有するルート探索部106と同様のルート探索処理を実行する。ルート情報作成部107は、情報端末310からの要求に応じて、
図1のルート案内装置100が有するルート情報作成部107と同様のルート情報作成処理を実行する。道路地
図DB105、及び施設DB108についても、
図1のルート案内装置100が有する道路地
図DB105、及び施設DB108と同様で良い。
【0032】
(情報端末の構成)
情報端末310は、情報端末310によって実行されるプログラムによって、例えば、通信部101、受付部102、表示制御部103、音声制御部104、及び連携部311等を実現している。
【0033】
通信部101、受付部102、表示制御部103、及び音声制御部104は、
図1で説明した通信部101、受付部102、表示制御部103、及び音声制御部104と同様で良い。
【0034】
連携部311は、
図1のルート案内装置100において、ルート探索部106、及びルート情報作成部107が実行していた処理の実行を、通信部101を介して、ルート案内装置300に要求し、処理結果を受信する。
【0035】
図3の構成により、ルート案内システム1は、ルート案内装置300と、情報端末310とが連携して、
図1で説明したルート案内装置100と同様のルート案内処理を実行することができる。
【0036】
このように、ルート案内システム1は、様々な構成が可能であり、例えば、
図1に示すルート案内システム1が備える各機能構成は、ルート案内システム1が全体として有していれば良い。
【0037】
<ハードウェア構成>
ルート案内装置(車載装置)100、及び情報端末310は、例えば、
図4に示すようなコンピュータ400のハードウェア構成を備えている。また、ルート案内装置(サーバ装置)300は、1つ以上のコンピュータ400によって構成される。なお、ルート案内装置(サーバ装置)300は、例えば、クラウド上の仮想マシン等によって実現されるもの等であっても良い。
【0038】
図4は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ400は、例えば、CPU(Central Processing Unit)401、メモリ402、ストレージデバイス403、通信装置404、出力装置405、入力装置406、I/F(Interface)407、及びバス408等を有する。
【0039】
CPU401は、例えば、ストレージデバイス403等の記録媒体に格納された所定のプログラムを実行することにより、様々な機能を実現するプロセッサである。メモリ402には、例えば、CPU401のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、及びCPU401の起動用のプログラム等を記憶した不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)等が含まれる。ストレージデバイス403は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の大容量の記憶デバイスである。
【0040】
通信装置404は、コンピュータ400をネットワークに接続するための1つ以上の通信インタフェースを含む。例えば、コンピュータ400が、ルート案内装置(車載装置)100である場合、通信装置404は、コンピュータ400を車載ネットワークに接続するための通信インタフェースを含む。また、この場合、通信装置404は、コンピュータ400を通信ネットワーク2に接続するための無線通信インタフェースを含み得る。
【0041】
また、コンピュータ400が、ルート案内装置(サーバ装置)300である場合、通信装置404は、コンピュータ400を通信ネットワーク2に接続するためのNIC(Network Interface Card)等を含む。さらに、コンピュータ400が、情報端末310である場合、通信装置404は、情報端末310を無線通信で通信ネットワーク2に接続するための無線通信デバイス等を含む。
【0042】
出力装置405は、外部への出力を行う、例えば、表示装置、スピーカ等の出力デバイスである。入力装置406は、外部からの入力を受け付ける、例えば、キーボード、マウス、マイク、スイッチ、センサ等の入力デバイスである。なお、出力装置405、及び入力装置406は、例えば、タッチパネルディスプレイ等の入出力装置であっても良い。I/F407は、コンピュータ400に外部デバイスを接続するためのインタフェースである。例えば、コンピュータ400が、ルート案内装置(車載装置)100である場合、I/F407には、例えば、車両10に搭載されるGPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロセンサ等のセンサ等が接続され得る。
【0043】
バス408は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0044】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係るルート案内方法の処理の流れについて説明する。なお、ここでは、説明用の一例として、ルート案内システム1が、
図1に示すような構成を有しているものとして以下の説明を行う。
【0045】
(目的地の追加処理)
図5は、一実施形態に係る目的地の追加処理の例を示すフローチャートである。この処理は、ルート案内システム1に設定済の1つ以上の第1の目的地を含むルートに、第2の目的地を追加するときに、ルート案内システム1が実行する目的地の追加処理の概要を示している。なお、
図5に示す処理の開始時点において、ルート案内システム1には、1つ以上の目的地を含むルートが設定済であるものとする。
【0046】
ステップS501において、受付部102が、設定済のルートに追加する第2の目的地の入力を受け付けるとルート案内システム1は、ステップS502以降の処理を実行する。
【0047】
ステップS502において、ルート案内システム1は、設定済のルートの第2の目的地を追加可能な複数の区間の各々に対して、ステップS503、S504の処理を実行する。例えば、設定済のルートが、1つの経由地と最終目的地とを含むルートである場合、当該ルートには、現在地から経由地までの第1の区間、経由地から最終目的地までの第2の区間、又は最終目的地の後の第3の区間に第2の目的地を追加することができる。この場合、ルート案内システム1は、第1~第3の区間の各々に対して、ステップS503、S504の処理を実行する。
【0048】
ステップS503において、ルート探索部106は、道路地
図DB105に格納された道路地図データに基づいて、処理対象となる区間(当該区間)に第2の目的地を追加した場合のルートを探索する。例えば、処理対象となる区間が第1の区間である場合、ルート探索部106は、現在地、第2の目的地、経由地、最終目的地の順に走行するルートを検索する。
【0049】
ステップS504において、処理対象となる区間(当該区間)に第2の目的地を追加した場合のルート情報を作成する。なお、ルート情報の作成処理については、具体的な例を示して後述する。
【0050】
複数の区間の各々に対して、ステップS503、S504の処理を実行した後に、ステップS505において、表示制御部103は、複数の区間を、各区間に対応するルート情報と共に選択可能に表示する。このとき、表示制御部103が表示する選択画面については、具体的な例を示して後述する。
【0051】
ステップS506において、ルート探索部106は、選択された区間に第2の目的地を追加して、設定済のルートを更新する。
【0052】
(ルート情報の作成処理1)
図6は、一実施形態に係るルート情報の作成処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図5のステップS504において、ルート情報作成部107が実行するルート情報の作成処理の一例を示している。
【0053】
ステップS601において、ルート情報作成部107は、設定済のルート(以下、第1のルートと呼ぶ)と、
図5のステップS503でルート探索部106が探索したルート(以下、第2のルートと呼ぶ)の情報を取得する。
【0054】
ステップS602において、ルート情報作成部107は、第1のルートと第2のルートとを比較して、第2の目的地を追加することにより増加する走行距離(走行距離の増加分)を算出する。
【0055】
ステップS603において、ルート情報作成部107は、第1のルートと第2のルートとを比較して、第2の目的地を追加することにより増加する走行時間(走行時間の増加分)を算出する。
【0056】
ステップS604において、ルート情報作成部107は、第2のルートの情報から、第2の目的地に到着する到着時間の情報(到着時刻)を取得する。
【0057】
ステップS605において、ルート情報作成部107は、走行距離の増加分、走行時間の増加分、及び第2の目的地への到着時刻等を含むルート情報を作成する。
【0058】
なお、
図6に示す処理は一例である。例えば、ルート情報作成部107は、走行距離の増加分、走行時間の増加分、及び第2の目的地への到着時刻のうち、1つ以上の情報を含むルート情報を作成するものであっても良い。
【0059】
(ルート情報の作成処理2)
図7は、一実施形態に係るルート情報の作成処理の別の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図5のステップS504において、ルート情報作成部107が実行するルート情報の作成処理の別の一例を示している。なお、
図7に示す処理のうち、ステップS601~S604の処理は、
図6で説明した処理と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0060】
ステップS701において、ルート情報作成部107は、ステップS604で取得した到着時刻が、例えば、施設DB108等に記憶されている、第2の目的地に対応する施設の営業時間外であるか否かを判断する。算出した到着時刻が営業時間外である場合、ルート情報作成部107は、処理をステップS702に移行させる。一方、算出した到着時刻が営業時間外でない場合、ルート情報作成部107は、処理をステップS703に移行させる。
【0061】
ステップS702に移行すると、ルート情報作成部107は、走行距離の増加分、走行時間の増加分、第2の目的地への到着時刻、及び第2の目的地に対応する施設が営業時間外であることを示す情報を含むルート情報を作成する。なお、ルート情報作成部107は、走行距離の増加分、走行時間の増加分、第2の目的地への到着時刻、及び第2の目的地に対応する施設が営業時間外であることを示す情報のうち、1つ以上の情報を含むルート情報を作成するものであっても良い。
【0062】
一方、ステップS703に移行すると、ルート情報作成部107は、走行距離の増加分、走行時間の増加分、及び第2の目的地への到着時刻等を含むルート情報を作成する。
【0063】
(選択画面の例)
図8は、一実施形態に係る選択画面の例を示す図である。この図は、
図5のステップ505において、表示制御部103が表示する、複数の区間を、各区間に対応するルート情報と共に選択可能に表示する選択画面800の一例を示している。
【0064】
図8の例では、選択画面800には、現在地801から、経由地(○×動物園)802を介して、目的地(△□庭園)803に至るルート804が表示されている。このルート804は、1つ以上の第1の目的地を含むルートの一例であり、経由地802、及び目的地803は、1つ以上の第1の目的地の一例である。
【0065】
また、選択画面800には、第2の目的地を追加可能な第1の区間805、第2の区間806、及び第3の区間807を選択可能に表示する複数の選択ボタン808が表示されている。複数の選択ボタン808の各々には、各区間に第2の目的地を追加した場合におけるルート情報(例えば、走行距離の増加分、走行時間の増加分、第2の目的地への到着時刻、又は営業時間外であることを示す情報等)が表示されている。
【0066】
図8の例では、第3の区間807に第2の目的地を追加すると、走行距離の増加分、及び走行時間の増加分が最大となる上に、第2の目的地に到着したときには、第2の目的地に対応する施設が営業時間外となることが示されている。これにより、ユーザは、第3の区間807を、第2の目的地を追加する区間の候補から容易に除外することができる。
【0067】
また、
図8の例では、第2の区間806に第2の目的地を追加すると、走行距離の増加分、及び走行時間の増加分が最小となり、かつ第2の目的地に到着したときに、第2の目的地に対応する施設が営業していることが判る。これにより、ユーザは、第2の区間806を、第2の目的地を追加する区間の候補として容易に選択することができる。
【0068】
実際には、例えば、第2の区間806に第2の目的地を追加したときに走行距離の増加分が最小となり、第1の区間805に第2の目的地を追加したときに走行時間の増加分が最小となるようなケースも考えられる。このような場合でも、ユーザは、例えば、走行距離を重視する場合には、第2の区間806を選択し、走行時間を重視する場合には、第1の区間805を選択する等、適切な区間に第2の目的地を追加することができる。
【0069】
ユーザは、選択画面800において、第2の区間806に対応する選択ボタン809を選択することにより、第2の区間806に第2の目的地を追加することができる。このように、第2の区間806(一の区間)が選択された場合、表示制御部103は、第2の区間806に第2の目的地を追加したルートを、ルート案内画面に表示する。
【0070】
以上、本実施形態によれば、設定済のルートに新たな目的地を追加する場合に、新たな目的地をどこに追加することが効率的であるかを判断することを容易にするルート案内システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 ルート案内システム
100、300 ルート案内装置
102 受付部
103 表示制御部
105 道路地
図DB
106 ルート探索部
107 ルート情報作成部
108 施設DB
800 選択画面
805 第1の区間
806 第2の区間
807 第3の区間