(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172977
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
A47J27/00 103N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079363
(22)【出願日】2021-05-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】東 幸靖
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055BA28
4B055BA54
4B055CA21
4B055CB02
4B055DB01
(57)【要約】
【課題】蓋体の内部に設置された電子部品等への水の付着を防止すること。
【解決手段】蓋体(16)の取付開口部(20a)内に、蓋体(16)に設けられた係止部材(36)と被係止部材(34)との係止状態を解除するための解除ボタン(40)が設けられ、解除ボタン(40)に、蓋体(16)の取付開口部(20a)に侵入した水を係止部材(36)側に向かって排出するための排出穴(56h)が形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状の調理器本体と、
前記調理器本体の上部に設けられ、上面に取付開口部が形成され、前記調理器本体の上側開口部を開閉する蓋体と、
前記調理器本体の上部に設けられた被係止部材と、
前記蓋体に設けられ、前記被係止部材に係離可能な係止部材と、
前記蓋体の前記取付開口部内に設けられ、前記係止部材と前記被係止部材との係止状態を解除するための解除ボタンと、を備え、
前記解除ボタンに、前記蓋体の前記取付開口部に侵入した水を排出するための排出穴が形成されていることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記蓋体は、前記調理器本体の上部にヒンジを介して上下方向へ揺動可能に設けられ、
前記解除ボタンの外縁に、前記蓋体の前記取付開口部に侵入した水の流出を抑えるための立壁が形成され、前記立壁は、前記ヒンジに対して遠い側から近い側に向かって延びており、前記排出穴は、前記解除ボタンにおける前記ヒンジから遠い側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記立壁は、前記蓋体の前記取付開口部から前記蓋体の内側に入り込んでいることを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記解除ボタンの上面に上方向に突出した凸部が形成され、前記凸部と前記立壁との間に、前記侵入した水を前記排出穴側に案内するガイド通路が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記解除ボタンの上面における前記ヒンジから遠い側に、前記凸部と前記立壁を連結する連結壁が形成され、前記連結壁に前記排出穴が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記蓋体の閉状態において、前記解除ボタンは、前記ヒンジから遠い側が近い側よりも低くなるように水平方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項2から5のうちのいずれか1項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材を加熱調理する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器の先行技術として特許文献1に示すものがある。特許文献1に記載の加熱調理器は、有底筒状の調理器本体と、調理器本体の上部に設けられかつ調理器本体の上側開口部を開閉する蓋体とを備えている。蓋体の上面には、取付開口部が形成されている。蓋体の取付開口部内には、ロック機構を解除して蓋体を開状態にするための解除ボタン(特許文献1では開ボタン)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、蓋体の上面に水が誤ってかかり、その水が蓋体の取付開口部から蓋体の内部に侵入することがある。このような場合には、蓋体の内部に設置された基板等の電子部品等に水が付着して、電子部品等の故障の原因になる。そのため、通常、電子部品等にカバーを取付けたり、電子部品等の周辺にパッキン等を配設したりすることによって、電子部品等への水の付着を防止している。一方、蓋体の内部にそのような大掛かりな防水対策をとると、加熱調理器が大型化して、加熱調理器の重量増大を招くことになる。つまり、加熱調理器のコンパクト化及び軽量化を図りつつ、蓋体の内部に設置された電子部品等への水の付着を防止することが困難であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の一態様は、加熱調理器のコンパクト化及び軽量化を図りつつ、蓋体の内部に設置された電子部品等への水の付着を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る加熱調理器は、有底筒状の調理器本体と、前記調理器本体の上部に設けられ、上面に取付開口部が形成され、前記調理器本体の上側開口部を開閉する蓋体と、前記調理器本体の上部に設けられた被係止部材と、前記蓋体に設けられ、前記被係止部材に係離可能な係止部材と、前記蓋体の前記取付開口部内に設けられ、前記係止部材と前記被係止部材との係止状態を解除するための解除ボタンと、を備え、前記解除ボタンに、前記蓋体の前記取付開口部に侵入した水を排出するための排出穴が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、加熱調理器のコンパクト化及び軽量化を図りつつ、蓋体の内部に設置された電子部品等への水の付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る加熱調理器の斜視図であり、調理器本体の上側開口部を閉じた状態を示している。
【
図2】
図1に示す加熱調理器の斜視図であり、加熱調理器の上側開口部を開いた状態を示している。
【
図5】本実施形態に係る解除ボタンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本願の特許請求の範囲及び明細書において、前側又は前部をヒンジから遠い側(ヒンジの反対側)、後側又は後部をヒンジに近い側(ヒンジ側)と称する。加熱調理器における各構成部材の前後方向及び上下方向の位置関係は、蓋体の閉状態を基準とする。
【0010】
図1から5を参照して、本実施形態について説明する。
図1及び2は、本実施形態に係る加熱調理器の斜視図である。
図1は、調理器本体の上側開口部を閉じた状態を示している。
図2は、加熱調理器の上側開口部を開いた状態を示している。
図3は、
図1に示す加熱調理器の側断面図である。
図4は、
図3におけるIV部の拡大図である。
図5は、本実施形態に係る解除ボタンの斜視図である。なお、
図5においては、ボタン軸を省略している。
【0011】
(加熱調理器10)
図1に示すように、本実施形態に係る加熱調理器10は、食材を加熱調理する装置である。食材としては、例えば、野菜、肉、魚、米、又は調味料等が挙げられる。そして、加熱調理器10の各構成部材の構成は、次の通りである。
【0012】
(調理器本体12、内鍋14)
図1及び2に示すように、加熱調理器10は、有底筒状の調理器本体12を備えており、調理器本体12の上側は、開口されている。調理器本体12の内側には、食材を収納する有底筒状の内鍋14が着脱可能に設けられており、内鍋14の上側は、開口されている。内鍋14は、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い金属により構成されている。なお、内鍋14の外面には、内鍋14の加熱効率を高めるためのステンレス等の磁性体がコーティングされてもよい。内鍋14の内面には、食材の付着を防ぐためのフッ素樹脂等がコーティングされてもよい。
【0013】
(蓋体16、ヒンジ18、ヒンジバネ24)
図1から3に示すように、調理器本体12の上部には、調理器本体12の上側開口部を開閉する蓋体16がヒンジ18を介して上下方向へ揺動可能に設けられている。蓋体16は、その揺動動作によって、調理器本体12の上側開口部を閉じた閉状態と、調理器本体12の上側開口部を開いた閉状態とに切替可能に構成されている。蓋体16は、調理器本体12の上部にヒンジ18を介して開閉方向へ揺動可能に連結された外蓋20と、外蓋20の内側に着脱可能に設けられた内蓋22とを有している。外蓋20の上面におけるヒンジ18から遠い側には、取付開口部20aが形成されている。蓋体16が調理器本体12の上側開口部を閉じると、内蓋22が内鍋14の上側開口部を閉じるようになっている。また、調理器本体12の上部とヒンジ18との間には、蓋体16を上方向に付勢するヒンジバネ24が設けられている。
【0014】
(加熱部26、温度センサ28、操作部30、回路基板32)
図1及び2に示すように、調理器本体12の底部には、内鍋14を加熱する加熱部26が設けられており、加熱部26としては例えば誘導加熱コイルが用いられる。調理器本体12の底部には、内鍋14の温度を検出する温度センサ28が設けられている。外蓋20の適宜位置には、内鍋14内に発生する水蒸気を検出する水蒸気センサ(不図示)が設けられている。
【0015】
外蓋20の上面には、調理モードを選択するための操作部30が設けられており、操作部30は、複数の操作ボタン等からなる。外蓋20の内部には、各種の調理動作の制御を実行する回路基板32が設けられている。回路基板32は、操作部30から選択された調理モード、温度センサ28からの検出結果、及び水蒸気センサからの検出結果等に基づいて、加熱部26を制御する。
【0016】
(被係止部材34、係止部材36、解除ボタン40)
図3及び4に示すように、調理器本体12の上部におけるヒンジ18から遠い側には、被係止部材34が設けられており、被係止部材34は、内鍋14に対して上方向に突出している。被係止部材34は、例えばアルミニウム等の金属又は樹脂により構成されている。
【0017】
外蓋20の内部におけるヒンジ18から遠い側には、被係止部材34に係離可能な係止部材36の中間部が揺動ピン38を介して揺動可能に連結されている。係止部材36は、揺動ピン38の軸心と中心として、被係止部材34に係止する係止方向(
図3において反時計回り方向)、及び被係止部材34との係止状態を解除する解除方向(
図3において時計回り方向)に揺動する。係止部材36の側面視形状は、L字状に形成されており、係止部材36の中間部は、揺動ピン38に連結されている。係止部材36の一端側には、被係止部材34と係止させるための係止穴36hが形成されている。係止部材36の他端側には、長穴36vが形成されている。係止部材36は、例えばアルミニウム等の金属又は樹脂により構成されている。なお、係止部材36の形状等については、適宜に変更可能である。
【0018】
外蓋20の取付開口部20a内には、係止部材36と被係止部材34との係止状態を解除するための解除ボタン(ラッチボタン)40が上下方向へ移動可能に設けられている。解除ボタン40は、ボタン本体42と、ボタン本体42に一体的に設けられたボタン軸44とを有している。解除ボタン40は、例えばアルミニウム等の金属又は樹脂により構成されている。ボタン軸44は、外蓋20の内部におけるヒンジ18から遠い側に設けたガイド部46に上下方向へ移動可能に支持されている。ボタン軸44の下端部は、係止部材36の他端側に長穴36vを介して連結されている。なお、ボタン軸44は、ボタン本体42と一体成形されてもよく、ボタン本体42と個別に成形して、その後にボタン本体42と一体化してもよい。ボタン軸44と係止部材36の連結構成は、前述の構成に限定するものでなく、適宜に変更可能である。
【0019】
ボタン軸44の下端部側には、解除ボタン40を上方向に付勢するコイルばね48が設けられている。ボタン本体42は、コイルバネ48の付勢力によって外蓋20の取付開口部20aの縁部に当接可能である。なお、外蓋20の内部におけるヒンジ18から遠い側に、係止部材36を係止方向に付勢するコイルバネ等の付勢部材(不図示)が設けられるようにしてもよい。
【0020】
(解除ボタン40の排水に関する構成)
図3から5に示すように、蓋体16の閉状態において、ボタン本体42(解除ボタン40)は、ヒンジ18から遠い側が近い側よりも低くなるように水平方向に対して傾斜している。ボタン本体42の上面には、上方向に突出した凸部50が形成されている。
【0021】
ボタン本体42の外縁には、外蓋20の取付開口部20aに侵入した水の流出を抑えるための立壁52が形成されており、立壁52は、ヒンジ18から遠い側から近い側に向かって延びている。立壁52は、外蓋20の取付開口部20aから外蓋20の内側に入り込んでいる。換言すれば、立壁52は、外蓋20に覆われており、平面視において視認できないようになっている。立壁52の平面視形状は、U字状に形成されており、立壁52は、凸部50の三方を囲むようになっている。なお、立壁52が凸部50の四方を囲むようにしてもよい。
【0022】
ボタン本体42の上面におけるヒンジ18から遠い側には、凸部50と立壁52を連結する連結部54が形成されており、連結部54の縦断面形状は、逆U字状に形成されている。連結部54は、対向する一対の連結壁56を有しており、各連結壁56には、外蓋20の取付開口部20aに侵入した水を係止部材36側に向かって排出するための排出穴56hがそれぞれ形成されている。換言すれば、ボタン本体42におけるヒンジ18から遠い側には、2つの排出穴56hが形成されている。凸部50と立壁52との間に、外蓋20の取付開口部20aに侵入した水を排出穴56h側に案内するガイド通路(ガイド溝)42pが形成されている。なお、連結部54の縦断面形状が逆U字状に形成される代わりに、逆V字状に形成されてもよい。排出穴56hが連結部54の両側面に形成される代わりに、立壁52におけるヒンジ18から遠い側に形成されるようにしてもよい。
【0023】
(蓋体16の開閉動作に関する作用)
ユーザの押下操作によって解除ボタン40をコイルバネ48の付勢力に抗して下方向へ移動させると、
図3において仮想線で示すように、係止部材36が解除方向へ揺動して、係止部材36と被係止部材34との係止状態が解除される。これにより(すると)、蓋体16がヒンジバネ24の付勢力によって上方向へ揺動して、調理器本体12の上側開口部を開くことができる。
【0024】
なお、蓋体16をヒンジバネ24の付勢力に抗して下方向へ揺動させることにより、係止部材36が被係止部材34に係止して、調理器本体12の上側開口部を閉じることができる。
【0025】
(解除ボタン40の排水に関する作用効果)
外蓋20の上面に水がかかって外蓋20の取付開口部20aに侵入すると、立壁52によって水の流出を抑えながら、各ガイド通路42pによって水が各排出穴56h側に案内され、各排出穴56hから水が係止部材36側に向かって排出される。
【0026】
従って、本実施形態によれば、外蓋20の内部に配置された電子部品等に対して大掛かりな防水対策をとることなく、電子部品等への水の付着を十分に防止することができる。つまり、本実施形態によれば、加熱調理器10のコンパクト化及び軽量化を図りつつ、外蓋20の内部に設置された電子部品等への水の付着を十分に防止することができる。
【0027】
特に、立壁52が外蓋20の取付開口部20aから外蓋20の内側に入り込んでいるため、外蓋20の取付開口部20aに侵入した水の大部分を各排出穴56h側に流すことができる。また、蓋体16の閉状態において、ボタン本体42が前述のように水平方向に対して傾斜しているため、重力の作用によって水が各排出穴56h側に案内される。これにより、解除ボタン40の排水性を高めて、外蓋20の内部に設置された電子部品等への水の付着をより十分に防止することができる。
【0028】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る加熱調理器10は、有底筒状の調理器本体12と、前記調理器本体12の上部に設けられ、上面に取付開口部20aが形成され、前記調理器本体12の上側開口部を開閉する蓋体16と、前記調理器本体12の上部に設けられた被係止部材34と、前記蓋体16に設けられ、前記被係止部材34に係離可能な係止部材36と、前記蓋体16の前記取付開口部20a内に設けられ、前記係止部材36と前記被係止部材34との係止状態を解除するための解除ボタン40と、を備え、前記解除ボタン40に、前記蓋体16の前記取付開口部20aに侵入した水を排出するための排出穴56hが形成されている。
【0029】
前記の構成によれば、前記蓋体16の前記取付開口部20aに水が浸入すると、侵入した水を前記排出穴56hから係止部材36側に向かって排出する。これにより、前記蓋体16の内部に配置された電子部品等に対して大掛かりな防水対策をとることなく、電子部品等への水の付着を防止することができる。つまり、前記加熱調理器10のコンパクト化及び軽量化を図りつつ、前記蓋体16の内部に設置された電子部品等への水の付着を防止することができる。
【0030】
本発明の態様2に係る加熱調理器10は、前記態様1において、前記蓋体16は、前記調理器本体12の上部にヒンジ18を介して上下方向へ揺動可能に設けられ、前記解除ボタン40の外縁に、前記蓋体16の前記取付開口部20aに侵入した水の流出を抑えるための立壁52が形成され、前記立壁52は、前記ヒンジ18に対して遠い側から近い側に向かって延びており、前記排出穴56hは、前記解除ボタン40における前記ヒンジ18から遠い側に形成されてもよい。
【0031】
前記の構成によれば、前記立壁52によって水の流出を抑えながら、前記排出穴56hから水が前記係止部材36側に向かって排出されるので、前記取付開口部20aに浸入した水をより確実に前記解除ボタン40の前記排出穴56hに導くことができる。これにより、前記蓋体16の内部に設置された電子部品等への水の付着をより確実に防止することができる。
【0032】
本発明の態様3に係る加熱調理器10は、前記態様2において、前記立壁52は、前記蓋体16の前記取付開口部20aから前記蓋体16の内側に入り込んでもよい。
【0033】
前記の構成によれば、前記侵入した水の大部分を前記排出穴56h側に流すことができる。これにより、前記解除ボタン40の排水性を高めて、前記蓋体16の内部に設置された電子部品等への水の付着をより十分に防止することができる。
【0034】
本発明の態様4に係る加熱調理器10は、前記態様2又は3において、前記解除ボタン40の上面に上方向に突出した凸部50が形成され、前記凸部50と前記立壁52との間に、前記侵入した水を前記排出穴56h側に案内するガイド通路42pが形成されてもよい。
【0035】
前記の構成によれば、前記蓋体16の前記取付開口部20aに水が浸入すると、前記ガイド通路42pによって水が前記排出穴56h側に案内される。これにより、前記解除ボタン40の排水性を高めて、前記蓋体16の内部に設置された電子部品等への水の付着をより十分に防止することができる。
【0036】
本発明の態様5に係る加熱調理器は、前記態様4において、前記解除ボタン40の上面における前記ヒンジ18から遠い側に、前記凸部50と前記立壁52を連結する連結壁56が形成され、前記連結壁56に前記排出穴56hが形成されてもよい。
【0037】
前記の構成によれば、前記蓋体16の前記取付開口部20aに水が浸入すると、各ガイド通路42pによって水が各排出穴56h側に案内される。これにより、前記解除ボタン40の排水性を高めて、前記蓋体16の内部に設置された電子部品等への水の付着をより十分に防止することができる。
【0038】
本発明の態様6に係る加熱調理器10は、前記態様2から5のうちのいずれかにおいて、前記蓋体16の閉状態において、前記解除ボタン40は、前記ヒンジ18から遠い側が近い側よりも低くなるように水平方向に対して傾斜してもよい。
【0039】
前記の構成により、前記蓋体16の前記取付開口部20aに水が浸入すると、重力の作用によって水が前記排出穴56h側に案内される。これにより、前記解除ボタン40の排水性を高めて、前記蓋体16の内部に設置された電子部品等への水の付着をより十分に防止することができる。
【0040】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
10 加熱調理器
12 調理器本体
16 蓋体
18 ヒンジ
20 外蓋
20a 取付開口部
22 内蓋
24 ヒンジバネ
32 回路基板
34 被係止部材
36 係止部材
36h 係止穴
36v 長穴
38 揺動ピン
40 解除ボタン
42 ボタン本体
42p ガイド通路
44 ボタン軸
46 ガイド部
50 凸部
52 立壁
54 連結部
56 連結壁
56h 排出穴