(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172980
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】表示制御装置、電子機器、制御プログラムおよび表示制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3208 20160101AFI20221110BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20221110BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20221110BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20221110BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20221110BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221110BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G09G3/3208
G09G5/00 550C
G09G5/00 550H
G09G5/00 520V
G09G5/36 520F
G09G3/20 612U
G09G3/20 642F
G09G3/20 612B
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G09G3/20 650J
G09G5/10 B
G09G3/20 650A
G09G3/20 650C
G09G3/20 660C
G09G5/00 520H
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G09G3/20 641R
G09G3/20 611E
G09G3/20 641B
G09G3/20 641A
H05B33/14 A
H01L27/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079366
(22)【出願日】2021-05-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄一
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C182
5C380
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【課題】表示品位を維持しつつ、低消費電力化を実現する。
【解決手段】表示装置(1)のホスト制御部(30)では、アプリケーションを判定要素として判定するグループ判定部(34)と、判定要素に対応して設定されている、上限リフレッシュレート、下限リフレッシュレート、および発光のデューティ比のセットを特定する駆動設定部(35)と、特定されたセットで表示装置(1)の駆動を制御する駆動制御部(36)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自発光素子を備える表示装置を制御する表示制御装置であって、
アプリケーション、照度、電池残量、および画像内容の少なくとも1つを判定要素とし、前記判定要素に対応して設定されている、上限リフレッシュレート、下限リフレッシュレート、および発光のデューティ比のセットを特定する駆動設定部と、
特定されたセットで前記表示装置の駆動を制御する駆動制御部と、を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記駆動設定部は、さらに、前記判定要素に対応して、1フレームの画像データで表示パネルをリフレッシュするための期間であるパネルスキャン期間における発光のパルス数を特定し、
前記駆動制御部は、前記パルス数で前記表示装置の駆動を制御する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記駆動設定部は、さらに、前記判定要素に対応して、表示画像の解像度を特定し、
前記解像度で表示画像データを生成する画像生成部と、
前記解像度の前記表示画像データを、前記表示装置の表示解像度に拡大する表示拡大部と、を備える、請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記駆動設定部は、さらに、前記判定要素に対応して、表示制御電圧を特定し、
前記駆動制御部は、前記表示制御電圧で前記表示装置の駆動を制御する、請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記駆動設定部は、さらに、前記判定要素に対応して、前記表示装置の画素の最大輝度を特定し、
前記駆動制御部は、前記最大輝度で前記表示装置の駆動を制御する、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記駆動設定部は、さらに、前記判定要素に対応して、1フレームの画像データをリフレッシュするための期間であるパネルスキャン期間を特定し、
前記駆動制御部は、前記パネルスキャン期間で前記表示装置の駆動を制御する、請求項1から5のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記デューティ比は、50%よりも大きく、100%よりも小さい、請求項1から6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記駆動設定部は、
前記判定要素から中間階調の表示が多いと判定する場合に、下限リフレッシュレートとして高い値を設定し、
前記判定要素から中間階調の表示が少ないと判定する場合に、下限リフレッシュレートとして低い値を設定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の表示制御装置と、
前記自発光素子を備える前記表示装置とを備える、電子機器。
【請求項10】
請求項1に記載の表示制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記駆動設定部および前記駆動制御部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項11】
自発光素子を備える表示装置を制御する表示制御方法であって、
アプリケーション、照度、電池残量、および画像内容の少なくとも1つを判定要素とし、前記判定要素に対応して設定されている、上限リフレッシュレート、下限リフレッシュレート、および発光のデューティ比のセットを特定する駆動設定ステップと、
特定されたセットで前記表示装置の駆動を制御する駆動制御ステップと、を含む表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御装置を備えた電子機器、制御プログラム、および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マトリクスに配置された画素を構成する電気光学素子には、電流駆動型の有機EL(Electro luminescence)素子(自発光素子)がよく知られている。近年においては、表示装置が組み込まれたディスプレイを大型化かつ薄型化できるとともに、表示される映像の鮮やかさに注目されて、画素に有機ELを含んだ有機ELディスプレイの開発が盛んに行われている。
【0003】
特に、電流駆動型の電気光学素子を、個別に制御する薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチ素子とともに各画素に設け、画素ごとに電気光学素子を制御するアクティブマトリクス型の表示装置とされることが多い。アクティブマトリクス型の表示装置とすることによって、パッシブ型の表示装置よりも高精細な映像表示を行うことができるからである。
【0004】
ここで、アクティブマトリクス型の表示装置では、行ごとに水平方向に沿って形成された接続ラインと、列ごとに垂直方向に沿って形成されたデータライン、および電源ラインが設けられて構成されている。各画素は、電気光学素子と、接続トランジスタ、駆動トランジスタ、および容量を備えている。接続ラインに電圧が印加されることで接続トランジスタをオンとし、データライン上のデータ電圧(データ信号)を容量に充電することでデータを書き込むことができる。そして、容量に充電されたデータ電圧によって駆動トランジスタをオンして電源ラインからの電流を電気光学素子に流すことで画素を発光させることができる。
【0005】
さらに、アクティブマトリクス型の表示装置は、表示装置上に配列された画素をデータ信号に従って発光させて映像を形成する場合、以下のように動画等を表示することができる。例えば、接続ラインが一回の垂直方向への走査で当該映像が形成される1フレームを特定の周波数(特定周波数)で駆動することで動画等を表示することができる。
【0006】
ここで、アクティブマトリクス型の表示装置において表示ボヤケ・残像感を低減するための一般的な方法としては、前記表示装置を疑似インパルス駆動させることが挙げられる。疑似インパルス駆動は、1フレーム期間中に表示装置が非発光となる非発光期間を一定期間以上設定する表示装置の発光態様である。1フレーム期間は、映像が所定のフレームレートで表示装置に表示される期間である。
【0007】
しかしながら、疑似インパルス駆動は、ホールド駆動に比べて表示装置の表示輝度が低下することから、表示装置の視認性確保が困難になる。この問題を解決するために疑似インパルス駆動でホールド駆動と同一の表示輝度を確保しようとした場合、表示装置の消費電力が増大する。ホールド駆動は、表示装置の発光を1フレーム期間中継続させる表示装置の発光態様である。
【0008】
上述の通り、ホールド駆動、疑似インパルス駆動ともに問題点がある。ホールド駆動の問題点および疑似インパルス駆動の問題点の双方を解決するための技術に関しては、例えば特許文献1に、フレームレートが異なる2つの動画像データを生成する発光装置が開示されている。具体的には、特許文献1の発光装置は、第1フレームレートで表示される第1動画像データおよび第2フレームレートで表示される第2動画像データを生成し、出力する。そして、前記の発光装置は、第2フレームレートに応じて選定された発光デューティ比で各発光素子を発光させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、ホールド駆動で問題となる表示ボヤケおよび疑似インパルス駆動で問題となるフリッカを解決するための技術である。そのため、特許文献1に開示された技術には、疑似インパルス駆動で問題となる発光装置の消費電力の増大を十分に解決できないという問題点があった。
【0011】
本発明の一態様は前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示装置について、表示品位を維持しつつ、低消費電力化を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示制御装置は、自発光素子を備える表示装置を制御する表示制御装置であって、アプリケーション、照度、電池残量、および画像内容の少なくとも1つを判定要素とし、前記判定要素に対応して設定されている、上限リフレッシュレート、下限リフレッシュレート、および発光のデューティ比のセットを特定する駆動設定部と、特定されたセットで前記表示装置の駆動を制御する駆動制御部と、を備える。
【0013】
また、本発明の他の態様に係る表示制御方法は、自発光素子を備える表示装置を制御する表示制御方法であって、アプリケーション、照度、電池残量、および画像内容の少なくとも1つを判定要素とし、前記判定要素に対応して設定されている、上限リフレッシュレート、下限リフレッシュレート、および発光のデューティ比のセットを特定する駆動設定ステップと、特定されたセットで前記表示装置の駆動を制御する駆動制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、表示装置について、表示品位の向上および低消費電力化を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置におけるホスト制御部の構成を示すブロック図である。
【
図2】上記表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】上記ホスト制御部に記憶される対応テーブルであって、アプリケーションのグループと駆動パラメータとの対応関係を示す対応テーブルの一例を表形式で示す図である。
【
図4】上記表示装置の上記ホスト制御部における駆動制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の別の実施形態における上記対応テーブルの一例を表形式で示す図である。
【
図6】本発明のさらに別の実施形態の表示装置におけるホスト制御部の構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明のさらに別の実施形態における上記対応テーブルの一例を表形式で示す図である。
【
図8】本発明のさらに別の実施形態における上記対応テーブルの一例を表形式で示す図である。
【
図9】本発明のさらに別の実施形態における上記対応テーブルの一例を表形式で示す図である。
【
図10】本発明の他の実施形態の表示装置におけるホスト制御部の構成を示すブロック図である。
【
図11】上記ホスト制御部に記憶される上記対応テーブルの一例を表形式で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、適宜その説明を省略する。
【0017】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、
図1~
図4を参照して説明する。
【0018】
<表示装置1の構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置1(電子機器)の構成を示すブロック図である。表示装置1は、表示部10と、表示駆動部20と、ホスト制御部30(表示制御装置)とを備えている。
【0019】
(表示部10)
表示部10は、画像を表示するものである。表示部10は、有機発光ダイオード11Aを含む有機EL(Electro Luminescence)素子11(自発光素子)が配列された画面を備えている。表示部10が表示する画像には、静止画および動画が含まれる。
【0020】
表示部10が備える表示素子(自発光素子)は、有機発光ダイオード11Aを含む有機EL素子(Electro Luminescence)である。有機EL素子は、液晶素子と異なり交流駆動を行わないため、一定時間極性反転が起こらない。そのため、有機EL素子では、焼き付き等の特性シフトが発生しにくい。したがって、表示部10に表示された画像のリフレッシュレートを、例えば0.0056Hz(略3分間に1回更新)程度まで低減できる。リフレッシュレートの低減は、省電力(低消費電力)効果をもたらす。なお、表示部10の表示素子は、無機材料の電界発光素子である無機EL素子であってもよい。ここで、リフレッシュレートとは、表示部10に表示する画像の内容に変化があるかないかを問わず、表示部10の表示を更新する頻度を表す。
【0021】
表示部10は、アクティブマトリクス型表示パネルとしての酸化物半導体表示パネルであってもよい。酸化物半導体表示パネルとは、二次元的に配列された複数の画素の少なくとも1つ毎に対応して設けられたスイッチング素子の一部またはすべてに、酸化物半導体-TFT(TFT12)を採用した表示パネルである。酸化物半導体-TFTは、半導体層に酸化物半導体が用いられたTFTである。本実施形態における酸化物半導体は、In、Ga、Znの酸化物を用いた酸化物半導体(InGaZnO系酸化物半導体)で構成されている。
【0022】
酸化物半導体-TFTは、オン状態において流れる電流が大きく、オフ状態におけるリーク電流が小さいため、電荷の保持特性に優れている。そのため、スイッチング素子に酸化物半導体-TFTを採用したことにより、表示部10に表示された画像のリフレッシュレートを低減しても表示品位の低下を抑えることができる。
【0023】
(ホスト制御部30)
ホスト制御部30は、表示駆動部20を制御するものであり、例えば、表示データに更新があったときに、1画面分の更新表示データを表示駆動部20へ転送する。ホスト制御部30は、例えば基板上に形成された制御回路で構成されている。具体的には、ホスト制御部30は、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよく、GPU(Graphics Processing Unite)であってもよく、CPUおよびGPUを含む装置であってもよい。なお、ホスト制御部30の詳細は後述する。
【0024】
(表示駆動部20)
表示駆動部20は、ホスト制御部30からの指示に基づいて表示部10を駆動する。表示駆動部20は、例えば、表示部10のガラス基板にCOG(Chip on Glass)実装された、いわゆるCOGドライバであってもよく、表示部10のフレキシブル基板にCOF(Chip on Flexible、Chip on Film)実装された、いわゆるCOFドライバであってもよい。また、表示駆動部20は、表示部10のプラスチック基板にCOP(Chip on Plastic)実装された、いわゆるCOPドライバであってもよい。表示駆動部20は、表示側記憶部21と、表示側TG(タイミングジェネレータ)22と、ソースドライバ23とを備える。
【0025】
表示側記憶部21は、ホスト制御部30から転送された表示データを記憶する。表示側記憶部21は、次に表示の更新が行われるまで(すなわち画像の内容が変化しない限り)、表示データを保持し続ける。表示側記憶部21は、VRAM(Video Random Access Memory)等であってよい。
【0026】
表示側TG22は、ホスト制御部30からの指示に基づき、表示部10を駆動するためのタイミング信号を生成し、ソースドライバ23に供給する。ソースドライバ23は、表示側TG22から供給されたタイミング信号に従って、表示部10の画素に、表示データに対応した表示電圧を書き込む。
【0027】
なお、表示装置1の好適な例として、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ノート型PC(Personal Computer)、タブレット端末、電子書籍リーダー、ウェアラブルデバイスまたはPDA(Personal Digital Assistant)等、特に携行性を重視する表示装置を挙げることができる。また、デスクトップ型PC等のように、表示装置は表示部10および表示駆動部20を備えており、ホスト制御部30は表示装置とは異なる装置(例えば、PC本体)に備えられている例についても、本発明の範疇に含まれる。
【0028】
(ホスト制御部30の詳細)
図1は、ホスト制御部30の構成を示すブロック図である。ホスト制御部30は、ホスト側記憶部31と、アプリ処理部32(画像生成部)と、表示データ転送部33(表示拡大部)と、グループ判定部34と、駆動設定部35と、駆動制御部36とを備えている。
【0029】
ホスト側記憶部31は、ホスト制御部30が処理するデータを記憶する記憶装置である。ホスト側記憶部31は、RAM、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ(登録商標)等であってよい。ホスト側記憶部31は、ホスト制御部30に内蔵されている構成であってもよいし、ホスト制御部30に外部から接続されている構成であってもよい。また、表示装置1が備えるホスト側記憶部31は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0030】
アプリ処理部32は、ホスト側記憶部31に記憶されたアプリケーション・ソフトウェア(以下、「アプリ」と略称する。)を処理するものである。アプリ処理部32は、表示部10の画面表示を更新する必要がある場合には、表示する画像が含まれる表示データを表示データ転送部33に出力する。上記表示データは、表示が更新されるフレームの画像と、該画像を表示するタイミングを示す表示更新フラグ(タイムリファレンス)とを含む。複数フレームに渡って画像の内容が変化しない場合、変化しない間のフレームの画像は、表示データに含まれなくてもよい。
【0031】
表示データ転送部33は、アプリ処理部32から表示データを取得すると、表示駆動部20に表示データを転送する。表示データ転送部33は、表示データに含まれる表示更新フラグに従って、表示部10の表示の更新が必要な時のみ、更新されるフレーム画像の表示データを表示駆動部20に転送する。表示データの転送は、例えばMIPI(ミピ;Mobile Industry Processor Interface)等のモバイル機器のデータ通信仕様に従って行われてよい。なお、表示データ転送部33は、表示データと共に同期信号を表示駆動部20に転送する。
【0032】
また、表示データ転送部33は、駆動設定部35からの解像度の情報に基づき、表示データを表示部10の表示解像度に合わせて拡大または縮小する。例えば、表示データの解像度が低く、表示部10の表示解像度が高い場合、表示データ転送部33は、表示データを拡大して表示駆動部20に転送する。
【0033】
グループ判定部34は、アプリ処理部32が実行するアプリが、Web、ゲーム、動画、および写真の何れのグループに属するかを判定するものである。なお、本実施形態では、アプリを4つのグループに分類しているが、これに限定されるものではない。アプリを5つ以上のグループに分類してもよいし、3つ以下のグループに分類してもよい。また、グループ判定部34は、上記判定を行うために、各アプリに含まれている属性情報を利用してもよいし、ホスト側記憶部31に予め記憶された、各アプリと上記グループとの対応情報を利用してもよい。グループ判定部34は、判定結果を駆動設定部35に通知する。
【0034】
駆動設定部35は、グループ判定部34からの判定結果に基づいて、表示駆動部20を駆動するための各種駆動パラメータを設定する。具体的には下記の通りである。
【0035】
図3は、上記アプリのグループと上記各種駆動パラメータとの対応関係を示す対応テーブル31Aの一例を表形式で示す図である。該対応テーブル31Aはホスト側記憶部31に予め記憶されている。駆動設定部35は、
図3に示す対応テーブル31Aを参照して、グループ判定部34が判定したアプリグループに対応する駆動パラメータを設定する。駆動設定部35は、設定した駆動パラメータを駆動制御部36に出力する。
【0036】
駆動制御部36は、駆動設定部35からの駆動パラメータに従って、表示駆動部20を制御する。
【0037】
(対応テーブル31Aの詳細)
図3の例では、上記アプリのグループは、Web、ゲーム、動画、および写真のグループである。これらのグループには、それぞれ、Web、ゲーム、動画、および写真の閲覧に好適な駆動パラメータが対応付けられている。
【0038】
また、上記駆動パラメータには、表示部10の解像度(画素数)と、リフレッシュレートの上限値および下限値と、パネルスキャン期間(パネルスキャン周波数の逆数)における発光タイミングを示すパルス数およびデューティ比と、が含まれている。上記発光タイミングについて、例えば、パルス数が4であり、デューティ比が70%であることは、パネルスキャン期間において、有機EL素子11が4回発光し、かつ、パネルスキャン期間における全発光期間の割合が70%であることを意味する。
【0039】
ここで、パネルスキャン期間は、1フレームの画像データで表示パネル(表示部10)をリフレッシュするための期間である。すなわち、パネルスキャン期間は、1フレームの画像データの表示を開始してから終了するまでの期間である。また、パネルスキャン周波数は、パネルスキャン期間の逆数である。パネルスキャン周波数が大きくなるにつれて、表示品位が上昇するが、表示部10の駆動周波数も上昇するため、消費電力が増大する。
【0040】
なお、以下では、リフレッシュレートの上限値および下限値を、それぞれ、上限リフレッシュレートおよび下限リフレッシュレートと称する。
【0041】
上記解像度が高いと、表示分解能が高い。一方、写真の閲覧には高い表示分解能が要求される。そこで、写真のグループには、高い解像度(例えば2560×1440ピクセルなど)が対応付けられている。他方、ゲームの閲覧には、さほど高い表示分解能が要求されない場合が多い。そこで、ゲームのグループには、中程度の解像度(例えば1920×1080ピクセルなど)が対応付けられている。
【0042】
上記リフレッシュレートが高いと操作性および可読性が向上する。一方、Webおよびゲームの閲覧には、操作性および可読性が要求される。そこで、Webおよびゲームのグループには、上限リフレッシュレートとして高い値(
図3の例では120Hz)が対応付けられている。
【0043】
また、中間階調の表示が多い場合、上記リフレッシュレートが低くなると、ちらつきが視認され易くなる。一方、ゲームおよび動画は、通常、中間階調の表示が多い。そこで、ゲームおよび動画のグループには、下限リフレッシュレートとして高い値(
図3の例では30Hz)が対応付けられている。そして、その他のグループには、中間階調の表示がさほど多くはないと考えられるので、下限リフレッシュレートとして低い値(
図3の例では1Hz)が対応付けられている。
【0044】
上記パルス数が少ないと、網膜残像が低減され、かつ、くっきりとした表示となり、可読性が向上する。そこで、Webおよびゲームのグループには、少ないパルス数(
図3の例では1つ)が対応付けられている。
【0045】
上記デューティ比が小さいと、網膜残像が低減された表示となり、可読性が向上する。そこで、Webおよびゲームのグループには、比較的低いデューティ比(
図3の例ではそれぞれ70%および50%)が対応付けられている。なお、上記デューティ比が大きいと、輝度が増加した表示となるので、例えばHDR(High Dynamic Range)動画など、高い輝度を必要とするアプリのグループには比較的高いデューティ比(例えば100%)が対応付けられていることが望ましい。
【0046】
以上より、本実施形態の表示装置1におけるホスト制御部30は、アプリを判定要素とし、該判定要素に対応して設定されている、上限リフレッシュレート、下限リフレッシュレート、および発光のデューティ比のセットを特定し、特定したセットで表示装置1の駆動を制御する。これにより、判定要素に応じて、リフレッシュレートを制限したり、下限リフレッシュレートにまで低下させたり、発光のデューティ比を設定したりすることができる。その結果、表示品位を維持しつつ省電力化(低消費電力化)を実現することができる。
【0047】
また、アプリに適したセットで表示装置1の駆動が制御される。従って、アプリごとに表示品位の向上および省電力化の両立を、煩雑な操作を行うことなく、実現することができる。
【0048】
また、上記セットにはパネルスキャン期間における発光のパルス数が含まれているので、上記判定要素に対応したパルス数で表示装置の駆動が制御される。これにより、表示品位および省電力化をさらに好適に実現することができる。
【0049】
また、上記セットには表示画像の解像度が含まれており、前記判定要素に対応して、表示画像の解像度が特定され、該解像度で表示画像データを生成し、該表示画像データを、表示装置1の表示解像度に拡大している。従って、上記判定要素に対応した解像度で表示画像が表示装置1に表示される。これにより、表示品位および省電力化をさらに好適に実現することができる。
【0050】
(表示制御方法)
図4は、上記構成の表示装置1のホスト制御部30における駆動制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0051】
図4に示すように、アプリ処理部32が実行するアプリ(表示部10に画像を表示するアプリ)が切り替わるまで待機する(S11)。上記アプリが切り替わると、グループ判定部34は、切り替わったアプリが、何れのグループに属するかを判定する(S12)。次に、駆動設定部35は、判定されたグループに対応する駆動パラメータを、ホスト側記憶部31に記憶された対応テーブル31Aを参照して設定する(S13、駆動設定ステップ)。そして、駆動制御部36は、設定された駆動パラメータを用いて表示駆動部20を制御する(S14、駆動制御ステップ)。その後、ステップS11に戻って上記動作を繰り返す。
【0052】
(付記事項)
本実施形態では、対応テーブル31Aは、上記アプリのグループごとに上記各種駆動パラメータが対応付けられているが、上記アプリごとに上記各種駆動パラメータが対応付けられていてもよい。この場合、グループ判定部34を省略することができる。
【0053】
また、対応テーブル31Aは、ユーザによって変更可能となっていてもよい。この場合、ユーザが所望する表示品位とすることができる。
【0054】
また、上記デューティ比は、50%よりも大きく、かつ、100%よりも小さくてもよい。この場合、表示品位の劣化(例えば、カラーブレイクなど)の低減と網膜残像の低減との両立を実現することができる。
【0055】
〔実施形態2〕
本発明の別の実施形態について、
図1・
図5を参照して説明する。本実施形態に係る表示装置1は、
図1~
図4に示す実施形態に係る表示装置1に比べて、対応テーブル31Aおよび駆動設定部35に代えて、対応テーブル31Bおよび駆動設定部35Bが設けられている点が異なり、その他の構成は同様である。
【0056】
図5は、本実施形態における対応テーブル31Bの一例を表形式で示す図である。
図5に示す対応テーブル31Bは、
図3に示す対応テーブル31Aに比べて、上記発光タイミングのデューティ比が上記アプリのグループごとに、或る値で対応付けられるだけでなく、或る範囲で対応付けられる点が異なり、その他は同様である。
図5の例では、Webおよび写真のグループには、デューティ比が10%~70%の範囲で対応付けられている。
【0057】
駆動設定部35Bは、
図1・
図4に示す駆動設定部35に比べて、判定されたグループに対応付けられたデューティ比が上記範囲である場合、駆動制御部36から取得した輝度に基づいて、デューティ比を上記範囲の中から設定する点が異なり、その他は同様である。
【0058】
この場合、上記デューティ比が可変であることにより、網膜残像の低減効果を実現しつつ、低輝度の表示の品位を向上させることが可能となる。
【0059】
〔実施形態3〕
本発明のさらに別の実施形態について、
図6を参照して説明する。本実施形態に係る表示装置1は、
図1~
図4に示す表示装置1に比べて、ホスト制御部30の構成が異なり、その他の構成は同様である。
【0060】
図6は、本実施形態の表示装置1におけるホスト制御部30の構成を示すブロック図である。
図6に示すホスト制御部30は、
図1に示すホスト制御部30に比べて、表示データ解析部37が追加されている点と、駆動設定部35に代えて駆動設定部35Cが設けられている点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0061】
表示データ解析部37は、アプリ処理部32からの表示データを解析して、表示階調の度数分布(画像内容)を作成するものである。表示データ解析部37は、作成した上記表示階調の度数分布を駆動設定部35Cに出力する。
【0062】
駆動設定部35Cは、
図1に示す駆動設定部35に比べて、表示データ解析部37からの上記表示階調の度数分布に基づき、対応テーブル31Aにおける下限リフレッシュレートを更新する点が追加されており、その他は同様である。
【0063】
上記の構成によると、ホスト制御部30は、表示画像に応じて下限リフレッシュレートを適宜更新することができる。これにより、例えば、ちらつきが視認され易い表示階調が表示画像に多く含まれる場合に、下限リフレッシュレートを上昇させることができる。従って、表示品位を維持できる程度にリフレッシュレートを低減することができ、その結果、表示品位の維持と省電力とを両立することができる。
【0064】
〔実施形態4〕
本発明のさらに別の実施形態について、
図7を参照して説明する。本実施形態に係る表示装置1は、
図1・
図5に示す実施形態に係る表示装置1に比べて、対応テーブル31Bに代えて、対応テーブル31Dが設けられている点が異なり、その他の構成は同様である。
【0065】
図7は、本実施形態における対応テーブル31Dの一例を表形式で示す図である。
図7に示す対応テーブル31Dは、
図5に示す対応テーブル31Bに比べて、上記駆動パラメータとして最大輝度(単位:cd/m
2)が追加されている点が異なり、その他は同様である。
【0066】
図7の例では、動画のグループに対し、高い最大輝度(1000cd/m
2)が対応付けられている。これにより、例えばHDR動画など、高い輝度を必要とする動画のアプリに対し、輝度を優先した表示を行うことができ、その結果、より高品位の表示を提供することができる。
【0067】
〔実施形態5〕
本発明のさらに別の実施形態について、
図8を参照して説明する。本実施形態に係る表示装置1は、
図1・
図5に示す実施形態に係る表示装置1に比べて、対応テーブル31Bに代えて、対応テーブル31Eが設けられている点が異なり、その他の構成は同様である。
【0068】
図8は、本実施形態における対応テーブル31Eの一例を表形式で示す図である。
図8に示す対応テーブル31Eは、
図5に示す対応テーブル31Bに比べて、上記アプリのグループとして、AOD(Always On Display)のグループが追加されている点と、上記駆動パラメータとして、ガンマ(γ)電圧(表示制御電圧)およびゲート信号電圧(表示制御電圧)が追加されている点が異なり、その他は同様である。
【0069】
AODは、スマートフォンがスリープ状態である場合に、限られた情報を表示するアプリである。また、ガンマ電圧およびゲート信号電圧は、表示部10に印加される電圧である。上記ガンマ電圧は、表示部10の画面の輝度値と相関しており、当該相関関係は表示部10の特性によって定まる。上記ゲート信号電圧は、表示部10の表示特性と相関しており、当該相関関係は表示部10の特定によって定まる。
【0070】
図8の例では、AODのグループに対応する駆動制御パラメータは、他のグループに比べて、解像度、上限リフレッシュレート、下限リフレッシュレートが低く、パルス数が多く、デューティ比が10~70%の範囲であり、ガンマ電圧およびゲート信号電圧が定電圧設定となっている。従って、AODのように、表示内容が限定される場合には、表示品位に影響しない範囲で、上記駆動パラメータを、他のアプリに比べて低くすることができ、その結果、さらなる省電力を実現することができる。
【0071】
〔実施形態6〕
本発明のさらに別の実施形態について、
図9を参照して説明する。本実施形態に係る表示装置1は、
図8に示す実施形態に係る表示装置1に比べて、対応テーブル31Eに代えて、対応テーブル31Fが設けられている点が異なり、その他の構成は同様である。
【0072】
図9は、本実施形態における対応テーブル31Fの一例を表形式で示す図である。
図9に示す対応テーブル31Fは、
図8に示す対応テーブル31Eに比べて、上記駆動パラメータとして、ガンマ電圧およびゲート信号電圧に代えて、パネルスキャン周波数(単位:Hz)が設けられている点が異なり、その他は同様である。
【0073】
図9の例では、AODのグループに対応するパネルスキャン周波数は、他のグループに比べて、低く設定されている。従って、AODのように、表示内容が限定される場合には、表示品位に影響しない範囲で、上記パネルスキャン周波数を、他のアプリに比べて低くすることができ、その結果、
図8に示す実施形態と同様に、さらなる省電力を実現することができる。
【0074】
〔実施形態7〕
本発明の他の実施形態について、
図10・
図11を参照して説明する。本実施形態に係る表示装置1は、
図1~
図4に示す表示装置1に比べて、照度センサ40が新たに設けられている点と、ホスト制御部30の構成が異なり、その他の構成は同様である。
【0075】
図10は、本実施形態の表示装置1におけるホスト制御部30の構成を示すブロック図である。
図10に示すホスト制御部30は、
図1に示すホスト制御部30に比べて、対応テーブル31Gが新たに設けられている点と、駆動設定部35に代えて、駆動設定部35Gが設けられている点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0076】
照度センサ40は、表示装置1の周囲の照度を検知する装置である。照度センサ40は、検知した照度のデータをホスト制御部30の駆動設定部35Gに出力する。なお、照度センサ40は表示装置1に内蔵されている必要はなく、表示装置1の外部に設けられていてもよい。
【0077】
図11は、本実施形態における対応テーブル31Gの一例を表形式で示す図である。
図11に示す対応テーブル31Gは、
図3に示す対応テーブル31Aに比べて、各グループに対応するデューティ比が最大値(100%)となっている点が異なり、その他は同様である。
【0078】
駆動設定部35Gは、
図1に示す駆動設定部35に比べて、照度センサ40からの照度データに基づき、対応テーブル31A・31Gの何れかを選択して利用する点が異なり、その他は同様である。具体的には、駆動設定部35Gは、照度が高い場合に対応テーブル31Gを選択する一方、その他の場合に対応テーブル31Aを利用する。
【0079】
通常、屋外などの高照度の環境では、表示部10の輝度成分を増やすことが求められる。これに対し、本実施形態では、高照度の環境では、デューティ比が大きくなるように設定される。従って、高照度の環境でも見映えを改善することができる。このように、表示装置1の環境に合わせて、対応テーブルを切り替えて使用してもよい。
【0080】
(変形例)
なお、表示装置1の状況に合わせて、対応テーブルを切り替えて使用してもよい。例えば、表示装置1が2次電池で動作しており、該2次電池の残量(電池残量)が少ない場合、駆動設定部35Gは省電力用の対応テーブルに切り替えて使用してもよい。
【0081】
〔ソフトウェアによる実現例〕
表示装置1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特にホスト制御部30に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0082】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0083】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0084】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0085】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0086】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示制御装置(ホスト制御部30)は、自発光素子を備える表示装置(1)を制御する表示制御装置であって、アプリケーション、照度、電池残量、および画像内容の少なくとも1つを判定要素とし、前記判定要素に対応して設定されている、上限リフレッシュレート、下限リフレッシュレート、および発光のデューティ比のセットを特定する駆動設定部(35、35B、35C、35G)と、特定されたセットで前記表示装置の駆動を制御する駆動制御部(36)と、を備える構成である。
【0087】
上記の構成によれば、判定要素に対応して設定されている上限リフレッシュレート、下限リフレッシュレート、および発光のデューティ比のセットが特定され、特定されたセットで表示装置の駆動が制御される。従って、判定要素に応じて、リフレッシュレートを制限したり、下限リフレッシュレートにまで低下させたり、発光のデューティ比を設定したりすることができる。その結果、表示品位を維持しつつ低消費電力化を実現することができる。
【0088】
本発明の態様2に係る表示制御装置は、上記態様1において、前記判定要素は前記アプリケーションを含んでもよい。
【0089】
具体的には、前記駆動設定部は、第1アプリケーションに対応して、第1上限リフレッシュレート、第1下限リフレッシュレート、および第1デューティ比の組を特定し、第2アプリケーションに対応して、前記第1上限リフレッシュレートより低い第2上限リフレッシュレート、前記第1下限リフレッシュレートより低い第2下限リフレッシュレート、および前記第1デューティ比より高い第2デューティ比の組を特定してもよい。
【0090】
上記の構成によれば、アプリケーションに適した前記セットで表示装置の駆動が制御される。従って、表示品位の維持および低消費電力化を、煩雑な操作を行うことなく、実現することができる。
【0091】
本発明の態様3に係る表示制御装置は、上記態様1および2において、前記駆動設定部は、さらに、前記判定要素に対応して、1フレームの画像データで表示パネルをリフレッシュするための期間であるパネルスキャン期間における発光のパルス数を特定し、前記駆動制御部は、前記パルス数で前記表示装置の駆動を制御してもよい。
【0092】
上記の構成によれば、判定要素に対応したパルス数で表示装置の駆動が制御される。これにより、表示品位および低消費電力化をさらに好適に実現することができる。
【0093】
本発明の態様4に係る表示制御装置は、上記態様1~3において、前記駆動設定部は、さらに、前記判定要素に対応して、表示画像の解像度を特定し、前記解像度で表示画像データを生成する画像生成部(アプリ処理部32)と、前記解像度の前記表示画像データを、前記表示装置の表示解像度に拡大する表示拡大部(表示データ転送部33)とを備えてもよい。
【0094】
上記の構成によれば、前記判定要素に対応した解像度で表示画像が前記表示装置に表示される。これにより、表示品位および低消費電力化をさらに好適に実現することができる。
【0095】
本発明の態様5に係る表示制御装置は、上記態様1~4において、前記駆動設定部は、さらに、前記判定要素に対応して、表示制御電圧を特定し、前記駆動制御部は、前記表示制御電圧で前記表示装置の駆動を制御してもよい。
【0096】
上記の構成によれば、前記判定要素に対応した表示制御電圧で前記表示装置の駆動が制御される。これにより、表示品位および低消費電力化をさらに好適に実現することができる。
【0097】
本発明の態様6に係る表示制御装置は、上記態様1~5において、前記駆動設定部は、さらに、前記判定要素に対応して、前記表示装置の画素の最大輝度を特定し、前記駆動制御部は、前記最大輝度で前記表示装置の駆動を制御してもよい。
【0098】
上記の構成によれば、前記判定要素に対応した最大輝度で前記表示装置の駆動が制御される。これにより、表示品位および低消費電力化をさらに好適に実現することができる。
【0099】
本発明の態様7に係る表示制御装置は、上記態様1~6において、前記駆動設定部は、さらに、前記判定要素に対応して、1フレームの画像データで表示パネルをリフレッシュするための期間であるパネルスキャン期間を特定し、前記駆動制御部は、前記パネルスキャン期間で前記表示装置の駆動を制御してもよい。
【0100】
上記の構成によれば、前記判定要素に対応したパネルスキャン期間で前記表示装置の駆動が制御される。これにより、表示品位および低消費電力化をさらに好適に実現することができる。
【0101】
なお、前記判定要素は、前記照度を含んでもよく、前記電池残量を含んでもよい。この場合、表示品位の維持および低消費電力化を、煩雑な操作を行うことなく、実現することができる。
【0102】
本発明の態様8に係る表示制御装置は、上記態様1~7において、前記判定要素は、前記画像内容を含み、前記画像内容に基づいて、前記セットが更新されてもよい。
【0103】
この場合、画像内容に適した前記セットに変更することができる。これにより、表示品位および低消費電力化をさらに好適に実現することができる。
【0104】
本発明の態様9に係る表示制御装置は、上記態様1~8において、前記デューティ比は、50%よりも大きく、100%よりも小さくてもよい。この場合、表示品位の劣化(例えば、カラーブレイクなど)の低減と網膜残像の低減との両立を実現することができる。
【0105】
本発明の態様10に係る表示制御装置は、上記態様1~9において、前記駆動設定部は、前記判定要素から中間階調の表示が多いと判定する場合に、下限リフレッシュレートとして高い値を設定し、前記判定要素から中間階調の表示が少ないと判定する場合に、下限リフレッシュレートとして低い値を設定してもよい。この場合、表示品位の向上と低消費電力化との両立を実現することができる。
【0106】
本発明の態様11に係る電子機器は、上記態様1~10の表示制御装置と、前記自発光素子を備える前記表示装置とを備える。この場合、上記態様1~10と同様の効果を奏する。
【0107】
本発明の態様12に係る表示制御方法は、自発光素子を備える表示装置を制御する表示制御方法であって、アプリケーション、照度、電池残量、および画像内容の少なくとも1つを判定要素とし、前記判定要素に対応して設定されている、上限リフレッシュレート、下限リフレッシュレート、および発光のデューティ比のセットを特定する駆動設定ステップと、特定されたセットで前記表示装置の駆動を制御する駆動制御ステップと、を含む方法である。この場合、上記態様1と同様の効果を奏する。
【0108】
本発明の各態様に係る表示制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記表示制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記表示制御装置をコンピュータにて実現させる表示制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0109】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 表示装置
10 表示部
11 有機EL素子
12 TFT
20 表示駆動部
21 表示側記憶部
23 ソースドライバ
30 ホスト制御部
31 ホスト側記憶部
31A、31B、31D~31G 対応テーブル
32 アプリ処理部
33 表示データ転送部
34 グループ判定部
35、35B、35C、35G 駆動設定部
36 駆動制御部
37 表示データ解析部
40 照度センサ