IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-空気調和装置の室内機 図1
  • 特開-空気調和装置の室内機 図2
  • 特開-空気調和装置の室内機 図3
  • 特開-空気調和装置の室内機 図4
  • 特開-空気調和装置の室内機 図5
  • 特開-空気調和装置の室内機 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172984
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】空気調和装置の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/79 20180101AFI20221110BHJP
   F24F 11/86 20180101ALN20221110BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20221110BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20221110BHJP
【FI】
F24F11/79
F24F11/86
F24F110:10
F24F110:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079376
(22)【出願日】2021-05-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 脩
(72)【発明者】
【氏名】西谷 恵介
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA08
3L260BA09
3L260BA16
3L260CB06
3L260CB63
3L260CB64
3L260DA08
3L260EA08
3L260FA05
3L260FA07
3L260FA08
3L260FB02
3L260FC15
3L260FC16
(57)【要約】
【課題】室内の居住者に与える不快感を抑制する。
【解決手段】空気調和装置(1)の室内機(3)は、冷房運転及び除湿運転の少なくとも一方を行う空気調和装置の室内機であって、熱交換器(31)と、ケーシング(41)と、制御部(30)と、を備える。熱交換器(31)は、室内空気を冷媒と熱交換して、調和空気を生成する。ケーシング(41)は、調和空気を吹き出す吹出口(46、46a、46b)が形成されている。制御部(30)は、吹出口(46a)から吹き出す調和空気の風向を制御する。制御部(30)は、冷房運転または除湿運転の負荷が所定以下の低負荷運転時に、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷房運転及び除湿運転の少なくとも一方を行う空気調和装置の室内機であって、
室内空気を冷媒と熱交換して、調和空気を生成する熱交換器(31)と、
前記調和空気を吹き出す吹出口(46)が形成されたケーシング(41)と、
前記吹出口から吹き出す前記調和空気の風向を制御する制御部(30)と、
を備え、
前記制御部は、前記冷房運転または前記除湿運転の負荷が所定以下の低負荷運転時に、前記風向を、人の不存在方向に向けるように制御する、
空気調和装置(1)の室内機(3)。
【請求項2】
前記制御部は、前記熱交換器における冷媒の蒸発温度が室内空気の露点温度を超える前後の所定時間以内に、前記風向を、人の不存在方向に向けるように制御する、
請求項1に記載の空気調和装置の室内機。
【請求項3】
前記制御部は、前記熱交換器における冷媒の蒸発温度が室内空気の露点温度を超えた後の所定時間以内に、前記風向を、人の不存在方向に向けるように制御する、
請求項2に記載の空気調和装置の室内機。
【請求項4】
前記ケーシングには、複数の前記吹出口が形成され、
前記制御部は、人の不存在方向の風量が人の存在方向の風量よりも大きくなるように、複数の前記吹出口の風向を制御する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
【請求項5】
前記ケーシングには、複数の前記吹出口が形成され、
前記吹出口を開閉する開閉部材(49)をさらに備え、
前記制御部は、人の存在方向に前記調和空気を吹き出す前記吹出口を閉じるように、前記開閉部材を制御する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
【請求項6】
室内における人の存在する位置を検知する人検知センサ(36)をさらに備え、
前記制御部は、前記人検知センサが検知した人の位置に応じて、前記風向を決定する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
【請求項7】
前記制御部は、前記風向を、鉛直上方向及び水平方向の少なくとも一方に制御する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
【請求項8】
前記制御部は、前記低負荷運転が所定時間以上続くとき、または、前記熱交換器の表面が乾いているときに、前記低負荷運転よりも大きい前記負荷の第2運転を行うように制御する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2運転を所定時間行ったとき、または、前記第2運転により前記熱交換器の表面に水分が生じたときに、前記低負荷運転に戻すように制御する、
請求項8に記載の空気調和装置の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
空気調和装置の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2018-28402号公報)には、冷房運転や除湿運転の停止後、室内機内部にカビなどの繁殖を抑制するために内部乾燥運転を行う際の、利用者の不快感を軽減する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1と異なり、冷房運転及び除湿運転の運転中に、カビなどの臭いが生じる場合があり、室内の居住者に不快感を与えるという問題に、本発明者は着目した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点に係る空気調和装置の室内機は、冷房運転及び除湿運転の少なくとも一方を行う空気調和装置の室内機であって、熱交換器と、ケーシングと、制御部と、を備える。熱交換器は、室内空気を冷媒と熱交換して、調和空気を生成する。ケーシングは、調和空気を吹き出す吹出口が形成されている。制御部は、吹出口から吹き出す調和空気の風向を制御する。制御部は、冷房運転または除湿運転の負荷が所定以下の低負荷運転時に、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。
【0005】
上記の臭いが生じるという問題は、冷房運転または除湿運転の負荷が所定以下の低負荷運転時に、蒸発器として機能する熱交換器に結露が生じないことに起因していることを本発明者は見出した。
【0006】
第1観点に係る空気調和装置の室内機によれば、冷房運転または除湿運転の負荷が所定以下の低負荷運転時に臭いが生じても、臭いを含む調和空気を居住者の不存在方向に吹き出す。このため、臭いを含む調和空気が居住者に届くことを抑制できる。したがって、低負荷運転を行っても、不快感を抑制することができる。
【0007】
第2観点に係る空気調和装置の室内機は、第1観点の空気調和装置の室内機であって、制御部は、熱交換器における冷媒の蒸発温度が室内空気の露点温度を超える前後の所定時間以内に、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。
【0008】
冷媒の蒸発温度が室内空気の露点温度以下のときに、熱交換器に結露が生じる。しかし、低負荷運転に伴って、冷媒の蒸発温度が上昇して、室内空気の露点温度を超えると、熱交換器の表面の水分が蒸発して、臭いが生じる要因となる。
【0009】
しかし、第2観点に係る空気調和装置の室内機では、蒸発温度が露点温度を超えるとき、またはその前所定時間以内、またはその後所定時間以内に、風向を人の不存在方向に向ける。これにより、熱交換器の表面の水分が蒸発して、臭いが生じる前に、調和空気を人の不存在方向に吹き出すことができる。このため、臭いが生じても、風向は、人不存在方向に向いた状態となる。したがって、低負荷運転を行っても、不快感を抑制する室内機を実現できる。
【0010】
第3観点に係る空気調和装置の室内機は、第2観点の空気調和装置の室内機であって、制御部は、熱交換器における冷媒の蒸発温度が室内空気の露点温度を超えた後の所定時間以内に、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。
【0011】
第3観点に係る空気調和装置の室内機では、蒸発温度が露点温度を超えることによって、熱交換器の表面の水分が蒸発するが、臭いが生じる前の所定時間以内に、調和空気を人の不存在方向に吹き出すことができる。このため、臭いが生じることによる不快感を抑制するとともに、効率を向上できる。
【0012】
第4観点に係る空気調和装置の室内機は、第1観点から第3観点に係る空気調和装置の室内機であって、ケーシングには、複数の吹出口が形成される。制御部は、人の不存在方向の風量が人の存在方向の風量よりも大きくなるように、複数の吹出口の風向を制御する。
【0013】
第4観点に係る空気調和装置の室内機では、臭いを含む調和空気を、居住者の存在方向に吹き出すことを抑制する室内機を実現できる。
【0014】
第5観点に係る空気調和装置の室内機は、第1観点から第4観点に係る空気調和装置の室内機であって、ケーシングには、複数の吹出口が形成される。室内機は、吹出口を開閉する開閉部材をさらに備える。制御部は、人の存在方向に調和空気を吹き出す吹出口を閉じるように、開閉部材の姿勢を制御する。
【0015】
第5観点に係る空気調和装置の室内機では、開閉部材の開閉を制御することにより、臭いを含む調和空気を、居住者の存在方向に吹き出すことを抑制することができる。
【0016】
第6観点に係る空気調和装置の室内機は、第1観点から第5観点に係る空気調和装置の室内機であって、室内における人の存在する位置を検知する人検知センサをさらに備える。制御部は、人検知センサが検知した人の位置に応じて、風向を決定する。
【0017】
第6観点に係る空気調和装置の室内機では、人検知センサによる検知に基づいて、風向を決定することによって、調和空気を居住者の不存在方向に向ける室内機を容易に実現できる。
【0018】
第7観点に係る空気調和装置の室内機は、第1観点から第5観点に係る空気調和装置の室内機であって、制御部は、風向を、鉛直上方向及び水平方向の少なくとも一方に制御する。
【0019】
第7観点に係る空気調和装置の室内機では、鉛直上方及び水平方向には、居住者がいないと推定される。このため、人検知センサが配置されていない場合であっても、風向を人の不存在方向と推定される方向にすることによって、調和空気を居住者の不存在方向に向けることができる。
【0020】
第8観点に係る空気調和装置の室内機は、第1観点から第7観点に係る空気調和装置の室内機であって、制御部は、低負荷運転が所定時間以上続くとき、または、熱交換器の表面が乾いているときに、低負荷運転よりも大きい負荷の第2運転を行うように制御する。
【0021】
第8観点に係る空気調和装置の室内機では、臭いを含む調和空気が吹き出されることを抑制する第2運転を行うことにより、居住者の不快感をより抑制できる。
【0022】
第9観点に係る空気調和装置の室内機は、第8観点に係る空気調和装置の室内機であって、制御部は、第2運転を所定時間行ったとき、または、第2運転により熱交換器の表面に水分が生じたときに、低負荷運転に戻すように制御する。
【0023】
第9観点に係る空気調和装置の室内機では、第2運転によって、調和空気に含まれる臭いを減らすことができる。このため、第2運転後に低負荷運転に戻したときに、居住者の不快感をより抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図である。
図2】空気調和装置を構成する室内機の外観斜視図である。
図3】室内機の概略側面断面図であって、図2のI-O-I線に沿った断面図である。
図4】空気調和装置の制御ブロック図である。
図5】本開示の一実施形態に係る冷房運転及び除湿運転の制御を説明するための図である。
図6】風向制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(1)空気調和装置の機器構成
図1に示すように、本開示の一実施形態に係る室内機3が採用された空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、建物等の室内の空調を行う装置である。空気調和装置1は、主として、室外機2と、室内機3と、室外機2と室内機3とを接続する液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5と、を有している。そして、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外機2と室内機3とが液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を介して接続されることによって構成されている。
【0026】
(1-1)室外機
室外機2は、室外(建物の屋上や建物の外壁面近傍等)に設置されている。室外機2は、上記のように、液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を介して室内機3に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。室外機2は、主として、圧縮機21と、四路切換弁23と、室外熱交換器24と、膨張弁25と、を有している。
【0027】
圧縮機21は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機構である。ここでは、圧縮機21として、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が圧縮機モータ22によって回転駆動される密閉式構造の圧縮機が使用されている。また、ここでは、圧縮機モータ22は、インバータ等により回転数(周波数)制御が可能になっており、これにより、圧縮機21の容量を制御できる。
【0028】
四路切換弁23は、冷房運転又は除湿運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。四路切換弁23は、冷房運転又は除湿運転時には、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器24のガス側とを接続するとともに、ガス冷媒連絡管5を介して室内熱交換器31(後述)のガス側と圧縮機21の吸入側とを接続する(図1における四路切換弁23の実線を参照)。また、四路切換弁23は、暖房運転時には、ガス冷媒連絡管5を介して圧縮機21の吐出側と室内熱交換器31のガス側とを接続するとともに、室外熱交換器24のガス側と圧縮機21の吸入側とを接続する(図1における四路切換弁23の破線を参照)。
【0029】
室外熱交換器24は、冷房運転又は除湿運転時には冷媒の放熱器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器24は、その液側が膨張弁25に接続されており、ガス側が四路切換弁23に接続されている。
【0030】
膨張弁25は、冷房運転又は除湿運転時には室外熱交換器24において放熱した高圧の液冷媒を室内熱交換器31に送る前に減圧し、暖房運転時には室内熱交換器31において放熱した高圧の液冷媒を室外熱交換器24に送る前に減圧できる膨張機構である。ここでは、膨張弁25として、開度制御が可能な電動膨張弁が使用されている。
【0031】
また、室外機2には、室外機2内に室外空気を吸入して、室外熱交換器24に室外空気を供給した後に、室外機2外に排出するための室外ファン26が設けられている。このため、室外熱交換器24は、室外空気を冷却源又は加熱源として冷媒を放熱や蒸発させる。室外ファン26は、室外ファンモータ27によって回転駆動される。
【0032】
また、室外機2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室外機2には、圧縮機21の吸入圧力を検出する吸入圧力センサ28a、圧縮機21の吸入温度を検出する吸入温度センサ28b、圧縮機21の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ29a、及び圧縮機21の吐出温度を検出する吐出温度センサ29bが設けられている。
【0033】
(1-2)冷媒連絡管
冷媒連絡管4、5は、空気調和装置1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。液冷媒連絡管4の一端は、室外機2の膨張弁25側に接続され、液冷媒連絡管4の他端は、室内機3の室内熱交換器31の液側に接続されている。ガス冷媒連絡管5の一端は、室外機2の四路切換弁23側に接続され、ガス冷媒連絡管5の他端は、室内機3の室内熱交換器31のガス側に接続されている。
【0034】
(1-3)室内機
室内機3は、室内(建物内)に設置されている。室内機3は、上記のように、液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を介して室外機2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。図1図3に示すように、室内機3は、主として、ケーシング41と、開閉部材49と、室内熱交換器31と、室内ファン32と、を有している。ここでは、室内機3として、天井埋込型と呼ばれる型式の室内機が採用されている。
【0035】
図2及び図3に示すように、ケーシング41は、内部に構成機器を収納する。ケーシング41は、ケーシング本体41aと、ケーシング本体41aの下側に配置された化粧パネル42とから構成されている。ケーシング本体41aは、図2に示すように、天井Uに形成された開口に挿入されて配置されている。そして、化粧パネル42は、天井Uの開口に嵌め込まれるように配置されている。
【0036】
図2及び図3に示すように、ケーシング本体41aは、平面視が長辺と短辺とが交互に形成された略8角形状の箱状体であり、その下面が開口している。ケーシング本体41aは、長辺と短辺とが交互に連続して形成された略8角形状の天板43と、天板43の周縁部から下方に延びる側板44とを有している。
【0037】
化粧パネル42は、ケーシング41の下面を構成し、平面視が略多角形状(ここでは、略4角形状)の板状体であり、主として、ケーシング本体41aの下端部に固定されたパネル本体42aから構成されている。パネル本体42aは、その略中央に室内空気を吸入する吸入口45と、室内に調和空気を吹き出す吹出口46とを有している。
【0038】
吸入口45は、略4角形状の開口である。吸入口45には、吸入グリル47と、吸入口45から吸入される空気中の塵埃を除去するための吸入フィルタ48とが設けられている。
【0039】
吹出口46は、平面視において、吸入口45の周囲を囲むように形成されている。吹出口46は、パネル本体42aの4角形の各辺に沿うように形成された複数(ここでは、4つ)の辺部吹出口46aと、パネル本体42aの角部に形成された複数(ここでは、4つ)の角部吹出口46bと、を有している。
【0040】
複数の開閉部材49は、複数の吹出口46を開閉する。開閉部材49が吹出口46を開放している状態では、吹出口46から調和空気が吹き出される。開閉部材49が吹出口46を閉じている状態では、吹出口46から調和空気が吹き出されない。なお、開閉部材49は、吹出口46の全体を閉じることと、吹出口46の一部を閉じることと、吹出口46の全体を開けることとが可能である。また、開閉部材49は、吹出口46から室内に吹き出される調和空気の風向を変更することも可能である。
【0041】
本実施形態では、複数の吹出口46aのそれぞれに、開閉部材49が設けられる。換言すると、1つの開閉部材49は、1つの吹出口46aを開閉する。ここでは、4つの開閉部材49のそれぞれは、4つの辺部吹出口46aに設けられている。一方、角部吹出口46bには、開閉部材49が設けられていない。
【0042】
開閉部材49は、辺部吹出口46aの長手方向に沿って細長く延びる板状の部材である。開閉部材49は、長手方向の軸周りに回動されて吹出口46を開閉できるように構成されている。また、開閉部材49は、長手方向の軸周りに回動されて上下方向の風向角度を可変できるように構成されている。
【0043】
ケーシング本体41aの内部には、主として、室内熱交換器31と、室内ファン32とが配置されている。
【0044】
室内熱交換器31は、室内空気を冷媒と熱交換して、調和空気を生成する。室内熱交換器31は、冷房運転又は除湿運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。室内熱交換器31は、その液側が液冷媒連絡管4に接続されており、ガス側がガス冷媒連絡管5に接続されている。
【0045】
室内熱交換器31は、平面視における室内ファン32の周囲を囲むように曲げられて配置された熱交換器である。室内熱交換器31は、室内ファン32によってケーシング本体41a内に吸入される室内空気と冷媒との熱交換を行う。また、室内熱交換器31の下側には、室内熱交換器31によって室内空気中の水分が凝縮されて生じるドレン水を受けるためのドレンパン31aが配置されている。ドレンパン31aは、ケーシング本体41aの下部に装着されている。
【0046】
室内ファン32は、化粧パネル42の吸入口45を通じてケーシング本体41a内に室内空気を吸入して化粧パネル42の吹出口46を通じてケーシング本体41a内から室内に吹き出すファンである。このため、室内熱交換器31は、室内空気を冷却源又は加熱源として冷媒を放熱や蒸発させる。ここでは、室内ファン32として、下方から室内空気を吸入し、平面視における外周側に向かって吹き出す遠心ファンが使用されている。室内ファン32は、ケーシング本体41aの天板43の中央に設けられた室内ファンモータ33によって回転駆動される。また、ここでは、室内ファンモータ33は、インバータ等により回転数(周波数)制御が可能になっており、これにより、室内ファン32の風量を制御できる。
【0047】
具体的には、室内ファン32の風量として、最大風量の風量H、風量Hよりも小さい中程度の風量の風量M、風量Mよりも小さく小風量の風量L、及び、風量Lよりも小さい最小風量の風量LL、の4つが準備されている。ここで、風量LLは、居住者がリモコン60(後述)によって設定することができない風量である。
【0048】
また、室内機3には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室内機3には、室内機3内に吸入される室内空気の温度(室内温度Tr)及び湿度(室内湿度Hr)を検出する室内温度センサ34及び室内湿度センサ35が設けられている。ここでは、室内温度センサ34及び室内湿度センサ35は、吸入口45の近傍に配置される。
【0049】
また、室内機3には、室内における人の存在する位置を検知する人検知センサ36が設けられている。ここでは、人検知センサ36として、1つ又は複数の赤外線受光素子を有する赤外線センサが使用されており、化粧パネル42の角部に設けられている。なお、人検知センサ36は、化粧パネル42の角部に設けられていなくてもよく、室内機3の別の部分に設けられていてもよく、また、室内機3ではなく、室内のどこかに設けられていてもよい。
【0050】
(2)空気調和装置の制御構成
図4に示すように、空気調和装置1は、構成機器の運転制御を行うために、室外制御部20と室内制御部30とリモコン60とが伝送線や通信線を介して接続された制御装置6を有している。室外制御部20は、室外機2に設けられている。室内制御部30は、室内機3に設けられている。リモコン60は、室内に設けられている。なお、ここでは、室外制御部20、室内制御部30及びリモコン60が伝送線や通信線を介して有線接続されているが、無線接続されていてもよい。
【0051】
なお、空気調和装置1の室外制御部20、室内制御部30及びリモコン60の制御部は、各種演算及び処理を行い、例えば、CPUなどの演算処理装置により実現される。
【0052】
(2-1)室外制御部
室外制御部20は、上記のように、室外機2に設けられており、主として、室外CPU20aと、室外伝送部20bと、室外記憶部20cと、を有している。室外制御部20は、吸入圧力センサ28a、吸入温度センサ28b、吐出圧力センサ29a、及び吐出温度センサ29bの検出信号を受けることができるように構成されている。
【0053】
室外CPU20aは、室外伝送部20b及び室外記憶部20cに接続されている。室外伝送部20bは、室内制御部30との間で制御データ等の伝送を行う。室外記憶部20cは、制御データ等を記憶する。そして、室外CPU20aは、室外伝送部20b及び室外記憶部20cを介して、制御データ等の伝送及び読み書きを行いつつ、室外機2に設けられた構成機器としての圧縮機21、四路切換弁23、膨張弁25、室外ファン26等の運転制御を行う。
【0054】
(2-2)室内制御部
室内制御部30は、上記のように、室内機3に設けられており、主として、室内CPU30aと、室内伝送部30bと、室内記憶部30cと、室内通信部30dと、を有している。室内制御部30は、室内温度センサ34、室内湿度センサ35及び人検知センサ36の検出信号を受けることができるように構成されている。
【0055】
室内CPU30aは、室内伝送部30b、室内記憶部30c及び室内通信部30dに接続されている。室内伝送部30bは、室外制御部20との間で制御データ等の伝送を行う。室内記憶部30cは、制御データ等を記憶する。室内通信部30dは、リモコン60との間で制御データ等の送受信を行う。そして、室内CPU30aは、室内伝送部30b、室内記憶部30c及び室内通信部30dを介して、制御データ等の伝送、読み書き及び送受信を行いつつ、室内機3に設けられた構成機器としての室内ファン32、開閉部材49等の運転制御を行う。
【0056】
(2-3)リモコン
リモコン60は、上記のように、室内に設けられており、主として、リモコンCPU61と、リモコン記憶部62と、リモコン通信部63と、リモコン操作部64と、リモコン表示部65と、を有している。
【0057】
リモコンCPU61は、リモコン記憶部62、リモコン通信部63、リモコン操作部64及びリモコン表示部65に接続されている。リモコン記憶部62は、制御データ等を記憶する。リモコン通信部63は、室内通信部30dとの間で制御データ等の送受信を行う。リモコン操作部64は、居住者からの制御指令等の入力を受け付ける。リモコン表示部65は、運転表示等を行う。そして、リモコンCPU61は、リモコン操作部64を介して運転指令や制御指令等の入力を受け付けて、リモコン記憶部62に制御データ等の読み書きを行い、リモコン表示部65に運転状態や制御状態の表示等を行いつつ、リモコン通信部63を介して、室内制御部30に制御指令等を行う。
【0058】
このように、空気調和装置1は、構成機器の運転制御を行う制御装置6を有している。そして、制御装置6は、吸入圧力センサ28a、吸入温度センサ28b、吐出圧力センサ29a、吐出温度センサ29b、室内温度センサ34、室内湿度センサ35及び人検知センサ36の検出信号等に基づいて構成機器としての圧縮機21、四路切換弁23、膨張弁25、室外ファン26、室内ファン32、開閉部材49等の制御を行い、冷房運転、除湿運転、暖房運転等の空調運転及び各種制御を行うことができるように構成されている。
【0059】
(3)運転動作
次に、空気調和装置1の運転動作について説明する。本実施形態の空気調和装置1は、空調運転として、暖房運転、冷房運転、及び、除湿運転を行う。
【0060】
(3-1)暖房運転
暖房運転は、リモコン操作部64を介して暖房運転の指令を受け付けた制御装置6が、室外機2及び室内機3の構成機器としての圧縮機21、四路切換弁23、膨張弁25、室外ファン26、室内ファン32、開閉部材49等を運転制御することによって行われる。
【0061】
暖房運転においては、室外熱交換器24が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、室内熱交換器31が冷媒の放熱器として機能する状態(図1の四路切換弁23の破線で示される状態)になるように、四路切換弁23が切り換えられる。
【0062】
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23及びガス冷媒連絡管5を通じて、室内熱交換器31に送られる。室内熱交換器31に送られた高圧の冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って放熱する。これにより、室内空気は加熱されて室内に吹き出される。室内熱交換器31において放熱した高圧の冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた低圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器24において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。このように、暖房運転においては、制御装置6によって、冷媒回路10に封入された冷媒が圧縮機21、室内熱交換器31、膨張弁25、室外熱交換器24の順に循環する動作がなされる。
【0063】
暖房運転時には、制御装置6は、冷媒回路10における冷媒の凝縮温度Tcが、所定の目標凝縮温度Tcsに近づくように圧縮機21の容量を制御する容量制御を行う。圧縮機21の容量制御はモータ22の回転数(周波数)制御により行われる。
【0064】
所定の目標凝縮温度は、例えば、室内温度センサ34で検出される室内温度Trと、居住者がリモコン60のリモコン操作部64から入力することによって設定される設定温度Trsとの温度差により決まる。
【0065】
冷媒の凝縮温度Tcは、吐出圧力センサ29aで検出された吐出圧力を冷媒の飽和温度に換算することによって得られる。冷媒の凝縮温度Tcとは、暖房運転時において、圧縮機21の吐出側から室内熱交換器31を経由して膨張弁25に流入するまでの間を流れる高圧の冷媒を代表する圧力(冷媒回路10における冷媒の凝縮圧力)を冷媒の飽和温度に換算することによって得られる温度、又は、冷媒の放熱器として機能する室内熱交換器31における冷媒の飽和温度を意味する。このため、室内熱交換器31に温度センサを設ける場合には、この温度センサによって検出される冷媒の温度を冷媒の凝縮温度Tcとしてもよい。
【0066】
(3-2)冷房運転
冷房運転は、リモコン操作部64を介して冷房運転の指令を受け付けた制御装置6が、室外機2及び室内機3の構成機器として圧縮機21、四路切換弁23、膨張弁25、室外ファン26、室内ファン32、開閉部材49等を運転制御することによって行われる。
【0067】
冷房運転においては、室外熱交換器24が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器31が冷媒の蒸発器として機能する状態(図1の四路切換弁23の実線で示される状態)になるように、四路切換弁23が切り換えられる。
【0068】
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた高圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器24において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、室内熱交換器31に送られる。室内熱交換器31に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却されて室内に吹き出される。室内熱交換器31において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管5及び四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。このように、冷房運転においては、制御装置6によって、冷媒回路10に封入された冷媒が圧縮機21、室外熱交換器24、膨張弁25、室内熱交換器31の順に循環する動作がなされる。
【0069】
冷房運転時には、制御装置6は、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Teが、所定の目標蒸発温度Tedsに近づくように圧縮機21の容量を制御する容量制御を行う。圧縮機21の容量制御はモータ22の回転数(周波数)制御により行われる。
【0070】
所定の目標蒸発温度Tedsは、例えば、室内温度センサ34で検出される室内温度Trと、居住者がリモコン60のリモコン操作部64から入力することによって設定される設定温度Trsとの温度差により決まる。
【0071】
冷媒の蒸発温度Teは、吸入圧力センサ28aで検出された吸入圧力を冷媒の飽和温度に換算することによって得られる。冷媒の蒸発温度Teとは、冷房運転時において、膨張弁25の出口から室内熱交換器31を経由して圧縮機21の吸入側に至るまでの間を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を代表する圧力(冷媒回路10における冷媒の蒸発圧力)を冷媒の飽和温度に換算することによって得られる温度、又は、冷媒の蒸発器として機能する室内熱交換器31における冷媒の飽和温度を意味する。このため、室内熱交換器31に温度センサを設ける場合には、この温度センサによって検出される冷媒の温度を冷媒の蒸発温度Teとしてもよい。
【0072】
(3-3)除湿運転
除湿運転は、リモコン操作部64を介して除湿運転の指令を受け付けた制御装置6が、室外機2及び室内機3の構成機器としての圧縮機21、四路切換弁23、膨張弁25、室外ファン26、室内ファン32、開閉部材49等を運転制御することによって行われる。
【0073】
除湿運転においては、冷房運転と同様に、室外熱交換器24が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器31が冷媒の蒸発器として機能する状態(図1の四路切換弁23の実線で示される状態)になるように、四路切換弁23が切り換えられる。
【0074】
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた高圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器24において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、室内熱交換器31に送られる。室内熱交換器31に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は除湿されて室内に吹き出される。室内熱交換器31において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管5及び四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。このように、除湿運転においては、制御装置6によって、冷媒回路10に封入された冷媒が圧縮機21、室外熱交換器24、膨張弁25、室内熱交換器31の順に循環する動作がなされる。
【0075】
除湿運転時の圧縮機21の容量制御は、目標蒸発温度Tecsを目標蒸発温度Tedsとしている点を除いて、冷房運転時の圧縮機21の容量制御と基本的には同じである。除湿運転時の目標蒸発温度Tedsは、冷房運転時の目標蒸発温度Tecs以下の値に設定される。
【0076】
(4)冷房運転及び除湿運転での風向の制御
室内制御部30は、吹出口46から吹き出す調和空気の風向を制御する。室内制御部30は、冷房運転または除湿運転の負荷が所定以下の低負荷運転時に、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。
【0077】
ここで、「風向の制御」は、調和空気を吹き出す方向の制御と、所定方向に吹き出す調和空気の量の制御とを含む。例えば、吹出口46からの調和空気の吹出方向を、人の存在方向から人の不存在方向に変更する。また例えば、吹出口46からの調和空気の吹出方向が人の存在方向に向いている場合に、吹出方向を変更せずに、吹き出す調和空気の風量を減らす。
【0078】
また、「低負荷運転」は、冷房運転または除湿運転中の負荷を示す代用値が所定条件を満たしている運転である。低負荷運転は、圧縮機21を停止させて冷媒の循環を止めるサーモオフとは異なり、サーモオフとなる前に実施される。また低負荷運転は、運転を開始する圧縮機21の起動時を含まず、起動後の冷媒状態が安定した運転(所定時間続く運転)を行っている際に行われる。
【0079】
例えば、代用値は、室内熱交換器における冷媒の蒸発温度Teであり、所定条件は、室内空気の露点温度から1℃低い温度を超える。換言すると、蒸発温度Teが上昇し、蒸発温度Teが(露点温度-1℃以上)を上回るときに低負荷運転となる。
【0080】
また、例えば、代用値は、空気調和装置1の定格能力であり、所定条件は、定格能力の45%以下である。換言すると、定格能力の45%以下になるときに低負荷運転となる。なお、定格能力は、製品カタログや取扱説明書に記載の「呼称能力」と同等の値である。
【0081】
また、例えば、冷房運転時の代用値は、設定温度と室内温度の差であり、所定条件は、この差(室内温度Tr-設定温度Trs)が0.5℃以下(負の値も含む)である。換言すると、室内温度が設定温度に近づいて、設定温度と室内温度の差が0.5℃以下になったときに、低負荷運転となる。
【0082】
また、例えば、除湿運転時の代用値は、設定湿度と室内湿度の差であり、所定条件は、この差が0%以下である。換言すると、室内湿度が設定湿度に近づいて、設定湿度と室内湿度の差が0%以下になったときに、低負荷運転となる。
【0083】
また、例えば、代用値は、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度Teであり、所定条件は、蒸発温度Teが室内空気の露点温度を超える前後の所定時間以内である。換言すると、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度Teが上昇し、蒸発温度Teが室内空気の露点温度を超える前後の所定時間内になったときに、低負荷運転となる。さらに換言すると、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度Teが下降しているときは、蒸発温度Teが室内空気の露点温度を超える前後の所定時間内であっても、低負荷運転とはならない。
【0084】
なお、露点温度は、室内温度センサ34で検出される室内温度Tr及び室内湿度センサ35で検出される室内湿度Hrから算出される。蒸発温度Teは、上述したように、吸入圧力センサ28aで検出された吸入圧力から算出される。
【0085】
続いて、図5を参照して、冷媒の蒸発温度Teが露点温度を超える前後の所定時間内になったときに低負荷運転となる場合の室内制御部30の風向の制御の具体例について説明する。
【0086】
図5において、時間t1前には、低負荷運転よりも負荷の大きい通常運転が実施される。通常運転では、室内熱交換器31において、冷媒の蒸発温度Teは、室内空気の露点温度よりも低いので、室内熱交換器31には結露が生じる。
【0087】
そして、時間t1では、室内温度Trが低下し、室内温度Trと設定温度Trs(リモコン操作部64で設定された目標室内温度)との差が小さくなると、目標蒸発温度Tecsが高くなり、時間t1で圧縮機21の回転数が小さくなる。これに伴って、冷媒の蒸発温度Teが上昇し、時間t0において、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度Teが室内空気の露点温度と同じになる。時間t0を経過すると、室内熱交換器31の表面の水分が蒸発して、臭いが生じる要因となる。ここでは、時間t3で、臭いが生じるとする。
【0088】
なお、時間t2の蒸発温度Teは、(露点温度-1℃)となる時間である。低負荷運転は、時間t2からt3の間で開始される。時間t2は、露点温度及び蒸発温度Teの推移から、推定される。
【0089】
室内制御部30は、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度Teが室内空気の露点温度を超える前後の所定時間以内(時間t2からt3の間)に、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。例えば、時間t2は、時間t0の1分前で、時間t3は、時間t0の5分後である。換言すると、所定時間は、蒸発温度Teが露点温度を超える前1分以内から、蒸発温度Teが露点温度を超えた後5分以内である。ここでは、室内制御部30は、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度Teが室内空気の露点温度を超えた後の所定時間以内(時間t0の後、時間t3までの間)に、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。
【0090】
室内制御部30は、人の不存在方向の風量が人の存在方向の風量よりも大きくなるように、複数の吹出口46の風向を制御する。また、室内制御部30は、人の存在方向に調和空気を吹き出す吹出口46を閉じるように、開閉部材49の姿勢を制御する。詳細には、室内制御部30は、以下のように、複数の開閉部材49の姿勢を制御する。
【0091】
室内制御部30は、吹出口46のうちの4つの辺部吹出口46aから吹き出される調和空気の風向を、開閉部材49毎に独立させて回転状態を変化させる制御を行うことによりそれぞれ独立に調節する独立風向制御と、4つの開閉部材49の全てを連動させて同様の回動状態の姿勢となるように制御を行うことで連動させて調節する連動風向制御とを行う。ここでは、室内制御部30は、独立風向制御において、人の不存在方向の風量が人の存在方向の風量よりも大きくなるように、及び/又は、人の存在方向に調和空気を吹き出す吹出口46を閉じるように、開閉部材49を回動させる。
【0092】
本実施形態では、室内制御部30は、人検知センサ36が検知した人の位置に応じて、風向を決定する。このように、上記の室内制御部30による風向の制御は、人検知センサ36に基づいて行う。詳細には、室内制御部30は、人検知センサ36が検知した人の存在する方向の風量が人の不存在方向の風量よりも小さくなるように、複数の辺部吹出口46aの風向を制御する。例えば、4つの辺部吹出口46aのうち、1つの辺部吹出口46aから吹き出す調和空気が人の存在方向に向いている場合、室内制御部30は、その辺部吹出口46aから吹き出される調和空気を、人の不存在方向に向くように、開閉部材49を回動させる。あるいは、室内制御部30は、人検知センサ36が検知した人の存在方向に調和空気を吹き出す辺部吹出口46aを閉じるように、開閉部材49の姿勢を制御する。例えば、4つの辺部吹出口46aのうち、1つの辺部吹出口46aから吹き出す調和空気が人の存在方向に向いている場合、室内制御部30は、その辺部吹出口46aから吹き出される調和空気の量を減らす(好ましくは調和空気が吹き出されない)ように、開閉部材49を回動させる。
【0093】
このような制御をすることにより、室内熱交換器31の表面の水分が蒸発して、臭いが生じる前に、調和空気を人の不存在方向に吹き出すことができる。このため、臭いが生じても、その調和空気の風向は、人の不存在方向に向いた状態となる。
【0094】
そして、冷房運転または除湿運転中の負荷を示す代用値が所定条件を満たしている場合には、室内の居住者に与える不快感を抑制した状態で低負荷運転を継続する。室内制御部30は、低負荷運転が所定時間以上続くときに、低負荷運転よりも大きい負荷の第2運転を行うように制御する。
【0095】
具体的には、低負荷運転が、時間t3から所定時間続いて時間t4になったときに、室内制御部30は、低負荷運転よりも大きい負荷の第2運転を行うため、圧縮機21の回転数を上げる。これにより、室内熱交換器31において冷媒の蒸発温度Teが低下する。そして、時間t5において、蒸発温度Teが露点温度を下回ると、室内熱交換器31に結露が生じる。このため、第2運転によって、室内熱交換器31は、臭いを減らした調和空気を生成する。なお、所定時間(時間t4-t3)は、例えば、5分以上20分以下である。
【0096】
ここで、第2運転は、低負荷運転中の圧縮機21の回転数以上の運転であり、要求される負荷を超える負荷の運転を行うことにより室内熱交換器31に結露を生じさせる運転である。第2運転は、通常運転、保護運転などを含む。
【0097】
室内制御部30は、第2運転を所定時間行ったときに、低負荷運転に戻すように制御する。図5では、第2運転の開始時間t4から所定時間経過後の時間t6において、圧縮機21の回転数を下げる。時間t7で、低負荷運転時の圧縮機21の回転数に到達し、時間t8で蒸発温度Teが露点温度を上回り、時間t8の前後所定時間(時間t3-t2と同じ時間)以内に低負荷運転に戻る。なお、第2運転を行う所定時間(時間t8-t4)は、例えば、1分以上10分以下である。また、第2運転において蒸発温度Teが露点温度を下回る時間(時間t8-t5)は、例えば、0.5分以上9.5分以下である。第2運転において蒸発温度Teが露点温度を下回る時間(時間t8-t5)は、第2運転前に行っていた低負荷運転の時間(時間t4-t3)以下であることが好ましく、第2運転前に行っていた低負荷運転の時間(時間t4-t3)未満であることがより好ましい。
【0098】
なお、本実施形態では、低負荷運転中及び第2運転中は、室内制御部30は、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。
【0099】
また、室内制御部30は、低負荷運転中の室内ファン32の回転数を、低負荷運転よりも冷房運転または除湿運転の負荷の大きい通常運転中の室内ファン32の回転数よりも小さくなるように制御する。本実施形態では、低負荷運転中に、室内ファン32の風量を、居住者がリモコン60によって設定することができない風量LLに制御する。
【0100】
(5)冷房運転及び除湿運転時の風向の制御方法
冷房運転及び除湿運転時の風向の制御については、上記(4)で触れているが、整理すると以下の各ステップを踏んでいる。
【0101】
まず、図6に示すように、圧縮機21を起動して、低負荷運転時よりも負荷の大きい通常運転を実施する(ステップS1)。
【0102】
次に、冷房運転または除湿運転の負荷が所定以下になると、低負荷運転となる(ステップS2)。低負荷運転(ステップS2)では、室内制御部30によって、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。本実施形態では、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度が室内空気の露点温度を超える前後の所定時間以内(図5における時間t2からt3の間)に、風向を、人の不存在方向に向ける。
【0103】
次に、室内制御部30によって、低負荷運転が所定時間以上続いているか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3において、低負荷運転の継続時間が所定時間未満であると判定されると、低負荷運転を継続する(ステップS2)。一方、ステップS3において、低負荷運転が所定時間以上続いていると判定されると、低負荷運転よりも大きい負荷の第2運転を行う(ステップS4)。
【0104】
次に、室内制御部30によって、第2運転が所定時間以上続いているか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5において、第2運転の継続時間が所定時間未満であると判定されると、第2運転を継続する(ステップS4)。一方、ステップS5において、第2運転が所定時間以上続いていると判定されると、低負荷運転に戻す(ステップS2)。
【0105】
(6)特徴
(6-1)
本発明者は、近年、断熱性能が向上し、冷房運転及び除湿運転時に、負荷が所定以下の低負荷運転を行うことに着眼した。そして、低負荷運転時には、室内熱交換器が蒸発器として機能する際に結露が生じないことに起因して、臭いが生じるという問題があることを見出した。
【0106】
臭いが生じるという問題を解消するために、負荷を上げて室内熱交換器の表面に水分を生じさせることが考えられる。しかし、この場合には、過剰な冷房または除湿が行われることになるので、効率が悪い。そこで、効率の低下を抑制することと、臭いによる不快感を抑制することとを両立させるために鋭意検討して、本実施形態の空気調和装置1の室内機3を完成させた。
【0107】
本実施形態の空気調和装置1の室内機3は、冷房運転及び除湿運転の少なくとも一方を行う空気調和装置の室内機であって、室内熱交換器31と、ケーシング41と、室内制御部30と、を備える。室内熱交換器31は、室内空気を冷媒と熱交換して、調和空気を生成する。ケーシング41は、調和空気を吹き出す吹出口46、46a、46bが形成されている。室内制御部30は、吹出口46aから吹き出す調和空気の風向を制御する。室内制御部30は、冷房運転または除湿運転の負荷が所定以下の低負荷運転時に、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。
【0108】
本実施形態に係る空気調和装置1の室内機3によれば、冷房運転または除湿運転の負荷が所定以下の低負荷運転時に臭いが生じても、臭いを含む調和空気を居住者の不存在方向に吹き出す。このため、臭いを含む調和空気が居住者に届くことを抑制できる。したがって、効率を重視して低負荷運転を行っても、居住者の不快感を抑制することができる。
【0109】
このように、本実施形態の室内機3は、負荷が所定以下の場合に、不快感を抑制できる。このため、臭いを抑制するために、圧縮機21の回転数を上げて蒸発温度を下げる必要がないので、過剰な冷房または除湿を抑制できるので、効率の低下を抑制できる。したがって、本実施形態の室内機3は、効率の低下を抑制することと、臭いによる不快感を抑制することとを両立することができる。
【0110】
さらに、本実施形態の室内機3は、圧縮機21の回転数を上げることによって、室内空気の温度がさらに低下してサーモオフになることを抑制できる。
【0111】
(6-2)
ここでは、室内制御部30は、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度が室内空気の露点温度を超える前後の所定時間以内(図5において時間t2からt3の間)に、風向を、人の不存在方向に向けるように制御する。
【0112】
これにより、室内熱交換器31の表面の水分が蒸発して、臭いが生じる前に、調和空気を人の不存在方向に吹き出すことができる。このため、臭いが生じても、風向は、人不存在方向に向いた状態となる。したがって、効率の低下を抑制するために低負荷運転を行っても、居住者の不快感を抑制することができる。
【0113】
快適性を重視すると、臭いが生じる前の調和空気を人の存在方向に向けて、臭いが生じた後の調和空気を人の不存在方向に向けることが好ましい。このため、室内制御部30は、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度が室内空気の露点温度を超えた後の所定時間以内(図5において時間t0を超えてt3までの間)に、風向を、人の不存在方向に向けるように制御することが好ましい。
【0114】
(6-3)
ここでは、ケーシング41には、複数の吹出口46、46a、46bが形成される。室内制御部30は、人の不存在方向の風量が人の存在方向の風量よりも大きくなるように、複数の吹出口46aの風向を制御する。このように風向を制御することによって、臭いを含む調和空気を、居住者の存在方向に吹き出すことを抑制することができる。
【0115】
(6-4)
また、ここでは、ケーシング41には、複数の吹出口46、46a、46bが形成される。室内機3は、吹出口46aを開閉する開閉部材49をさらに備える。室内制御部30は、人の存在方向に調和空気を吹き出す吹出口46aを閉じるように、開閉部材49の姿勢を制御する。このように開閉部材49の開閉を制御することにより、臭いを含む調和空気を、居住者の存在方向に吹き出すことを抑制することができる。
【0116】
(6-5)
また、ここでは、室内における人の存在する位置を検知する人検知センサ36をさらに備える。室内制御部30は、人検知センサ36が検知した人の位置に応じて、風向を決定する。このように、人検知センサ36による検知に基づいて、風向を決定することによって、臭いを含む調和空気を居住者に吹き出すことをより抑制することができる。
【0117】
(6-6)
また、ここでは、室内制御部30は、低負荷運転が所定時間以上続くときに、低負荷運転よりも大きい負荷の第2運転を行うように制御する。第2運転を行うことによって、室内熱交換器31に結露を生じさせることができる。このように、間欠的に第2運転を行うことによって、臭いを含む調和空気が吹き出されることをより抑制することができる。
【0118】
(6-7)
また、ここでは、室内制御部30は、第2運転を所定時間(図5の時間t7-t4)行ったときに、低負荷運転に戻すように制御する。第2運転によって調和空気に含まれる臭いを減らすことができるので、第2運転後に低負荷運転に戻したときに、居住者の不快感をより抑制できる。
【0119】
(7)変形例
(7-1)変形例1
上述した実施形態では、室内機3は人検知センサ36を備えているが、これに限定されない。本変形例の室内機3は、人検知センサ36が省略されている。本変形例では、室内制御部30は、冷房運転または除湿運転の負荷が所定以下の低負荷運転時に、風向を、鉛直上方向及び水平方向の少なくとも一方に制御する。この制御は、例えば、開閉部材49を回動させることによって実現される。
【0120】
実施形態の天井埋込型、壁掛け型等の室内機については、鉛直上方及び水平方向には、居住者がいないと推定される。このため、人検知センサ36が配置されていない場合であっても、風向を人の不存在方向と推定される方向にすることによって、調和空気を居住者の不存在方向に向けることができる。
【0121】
(7-2)変形例2
上述した実施形態では、室内制御部30は、低負荷運転が所定時間以上続くときに、低負荷運転よりも大きい負荷の第2運転を行うように制御するが、これに限定されない。本変形例では、室内制御部30は、室内熱交換器31の表面が乾いているときに、低負荷運転よりも大きい負荷の第2運転を行うように制御する。
【0122】
具体的には、室内機3は、室内熱交換器31の表面の水分を検知する温湿度センサをさらに備える。温湿度センサにより、室内熱交換器31の表面が乾いていると検知されると、室内制御部30は、第2運転を行うために、圧縮機21の回転数を上げる。第2運転を行うことによって、室内熱交換器31に結露を生じさせることができる。このため、本変形例の室内機3も、臭いを含む調和空気が吹き出されることを抑制することができる。
【0123】
なお、温湿度センサが配置されず、求められた冷媒の蒸発温度Te及び露点温度から、室内熱交換器31の表面が乾いているか否かを判定してもよい。
【0124】
(7-3)変形例3
上述した実施形態では、室内制御部30は、第2運転を所定時間行ったときに、低負荷運転に戻すように制御するが、これに限定されない。本変形例では、室内制御部30は、第2運転により室内熱交換器31の表面に水分が生じたときに、低負荷運転に戻すように制御する。
【0125】
具体的には、変形例2と同様に、室内機3は、室内熱交換器31の表面の水分を検知する温湿度センサをさらに備える。温湿度センサにより、第2運転を実施することで、室内熱交換器31の表面に水分が生じたと検知されると、室内制御部30は、第2運転を中止して低負荷運転を行うために、圧縮機21の回転数を下げる。第2運転によって調和空気に含まれる臭いを減らすことができるので、第2運転後に低負荷運転に戻したときに、居住者の不快感をより抑制できる。なお、温湿度センサで相対湿度が100%であることが検出されると、室内熱交換器31の表面に水分が生じたと判定される。
【0126】
なお、温湿度センサが配置されず、求められた冷媒の蒸発温度Te及び露点温度から、室内熱交換器31の表面に水分が生じたか否かを判定してもよい。
【0127】
(7-4)変形例4
上記実施形態では、吹出口46のうち、辺部吹出口46aのそれぞれに開閉部材49が配置され、角部吹出口46bに開閉部材49が配置されていないが、これに限定されない。例えば、上述した実施形態では、1つの辺部吹出口46aに1つの開閉部材49が配置されているが、1つの辺部吹出口46aに2つ以上の開閉部材が配置されてもよい。また。角部吹出口46bに1つ以上の開閉部材49が配置されてもよい。
【0128】
(7-5)変形例5
上述した実施形態では、冷房運転及び除湿運転のときに、圧縮機21の容量制御における制御対象の状態量を蒸発温度Teとしているが、これに限定されない。本変形例では、容量制御における制御対象の状態量を蒸発圧力とする。この場合には、制御目標値として、目標蒸発温度Tecsに相当する目標蒸発圧力を使用する。なお、この容量制御において蒸発圧力及び目標蒸発圧力を使用することは、蒸発温度Te及び目標蒸発温度Tecsを使用することと同じである。
【0129】
(7-6)変形例6
上述した実施形態では、冷房運転、除湿運転及び暖房運転を行う空気調和装置1の室内機3を例に挙げて説明したが、本開示の室内機は、冷房運転及び除湿運転の少なくとも一方を行えば、これに限定されない。本変形例の室内機は、例えば、冷房専用の空気調和装置の室内機である。
【0130】
(7-7)変形例7
上述した実施形態では、天井埋込型の室内機を例に挙げて説明したが、本開示の室内機は、これに限定されない。本開示の室内機は、壁掛け型、床置き型などの任意の型式を採用することができる。
【0131】
(7-8)変形例8
上述した実施形態では、1つの室内機3を備える空気調和装置1を例に挙げて説明したが、本開示の空気調和装置は、これに限定されない。本開示の空気調和装置は、複数の室内機3を備えるマルチタイプにも適用できる。
【0132】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0133】
1 :空気調和装置
2 :室外機
3 :室内機
30 :室内制御部(制御部)
36 :人検知センサ
41 :ケーシング
45 :吸入口
46,46a,46b:吹出口
49 :開閉部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0134】
【特許文献1】特開2018-28402号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6