(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173003
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】石鹸泡立て器
(51)【国際特許分類】
A47K 5/14 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
A47K5/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021099747
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】520455726
【氏名又は名称】高瀬 博敏
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 博敏
(57)【要約】
【課題】身体を洗う際に、泡をこぼさず、沢山の泡を作るために、水を少量入れた洗面器に石鹸を塗ったタオルを入れて(液体石鹸を使う場合は液体石鹸のみを入れて)、スポンジを用いて空気を含ませ攪拌し泡立てるす石鹸泡立て器を提供する。
【解決手段】中心に大穴1cとその周りを囲む複数の小穴1dを開けた円板1aの上面に持ち手1bと下面に小穴1dの外周を囲む円形壁1eを備えた押し板1の大穴1cに、チューブ2aとその中間にストッパー2bと中心に穴2dの開いた小円板2cを下端に備えたパッキン2を取付け、円筒形で両平面の中心を貫く穴3aの開いたスポンジ3に棒4aの上方がストッパー4bと下端にスポンジ止板4cを備えた接続軸4を差し込み、接続軸4の上方をパッキン2に差し込み、接続軸4が押し板1から抜けないように取付け、水を少量入れた洗面器の内底に石鹸を塗ったタオルを敷いて(液体石鹸を使う場合は液体石鹸のみを入れて)、その上に押しあて、上方から押し・引くさせて泡立てする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に大穴(1c)とその周りを囲む複数の小穴(1d)を開けた円板(1a)とその上面に持ち手(1b)と下面に小穴(1d)の外周を囲む円形壁(1e)を備えた押し板(1)の大穴(1c)に、チューブ(2a)の中間にストッパー(2b)と中心に穴(2d)の開いた小円板(2c)を下端に備えた柔軟性と復元性の素材で出来たパッキン(2)を取付け、両平面の中心を貫く穴(3a)を開けた円筒形のスポンジ(3)に、棒(4a)の上方にストッパー(4b)と下端にスポンジ止板(4c)を備えた接続軸(4)を差し込みスポンジ止板(4c)でスポンジ(3)が下方に抜けないように固定し、その接続軸(4)の上端をパッキン(2)の穴(2d)下面から差し込み接続軸(4)のストッパー(4b)がパッキン(2)の穴(2d)の上面に抜けるまで押し込み、スポンジ(3)と押し板(1)を接続軸(4)が貫き繋げた状態で、押し板(1)の持ち手(1a)を手指で持って、水を少量入れた洗面器の内底に石鹸を塗ったタオルを敷いて(液体石鹸を使う場合はタオルなしで直接洗面器に液体石鹸を入れて)、スポンジ(3)面をタオルの上に押しあて、上方から押し・引くさせて、押し板(1)でスポンジ(3)を洗面器の内底に押し付けて石鹸と水を攪拌し泡立てする特徴を持った石鹸泡立て器。
【請求項2】
押し板(1)の押し・引きで上下動する接続軸(4)を支え、円板(1a)の下面から上面に空気や泡の漏れを防ぎ、小円板(2c)で押し板(1)の下面から円板(1a)の小穴(1d)を覆って下方にのみ開閉し円板(1a)の上方から下方に空気を取り込む逆止弁の機能を有するパッキンを備えた請求項1に記載の石鹸泡立て器。
【請求項3】
逆止弁の機能を有するパッキン(2)の小円板(2c)が下方に開閉するのをスポンジ(3)が妨げないよう、円板(1a)下面に小円板(2c)を取り囲む下方に突き出た円形壁(1e)を備えた請求項1に記載の石鹸泡立て器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を少量入れた洗面器に石鹸を塗ったタオル、または液体石鹸のみを入れて、スポンジを用いて洗面器の中で泡立てることのできる石鹸泡立て器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、身体を洗う時の石鹸の泡立ては、スポンジやタオルに水を含ませ石鹸を塗って手指で揉んで泡立てすることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スポンジに石鹸を塗って泡立てても、スポンジから泡がこぼれて、多量の泡を作ることは難しい。また、水を含ませたタオルに直接石鹸を塗って、手指で揉んでも泡が立ちにくい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
図2に示すように、中心に大穴1cとその周囲に複数の小穴1dの開いた円板1aの上面に持ち手1bと、下面に小穴1dを取り囲む配置で円形壁1eを備えた押し板1に、
図3に示すように、チューブ2aの中間にストッパー2bと下端に中心に穴2dの開いた小円板2cを備えたパッキン2を差し込み、
図4に示すように取付けたものに、
図5に示すように、両平面の中心を貫く穴3aを開けた円筒形のスポンジ3に、
図6に示すように棒4aの上方にストッパー4bと下端にスポンジ止板4cを備えた接続軸4を差し込み、
図7のように取付けた状態で、押し板1に取付けたパッキン2に接続軸4を差し込み、押し板1とスポンジ3が接続軸4でつながった
図8のように石鹸泡立て器を組み立てる。
【0005】
図11は、
図1の石鹸泡立て器プロトタイプを使った泡立て説明写真で、U-1では水を少量入れた洗面器に浸したタオルを取り出し石鹸を塗り、U-2ではタオルを洗面器に戻し、その上に石鹸泡立て器を置く。U-3では、石鹸泡立て器の持ち手を手指で握り上方から押す。U-4では、上方から押していた力を緩め石鹸泡立て器の持ち手を引き上げる。U-5では、押す・引くを繰り返し、洗面器に泡が溜まる。
【発明の効果】
【0006】
押し板1でスポンジ3を洗面器の内底に押し付けて泡立てするため、スポンジ3全体に均等な圧力をかけて揉むことができ、手指で直接揉んで泡立てするより泡立て効率が良く、更に、スポンジ3に通した接続軸4は、押し板1に付けたパッキン2の穴2dの上方に抜ける構造で押し板1とスポンジ3を繋いでおり、押し板1の押す・引くを繰り返しても、押し板1とスポンジ3が横にずれることがなくスポンジ3の圧縮と復元を安定して繰り返すことが出来る。
【0007】
押し板1にパッキン2を付けると、小円板2cが円板1aに開けた小穴1dを下面から覆い塞ぐことになる。小円板2cは柔軟性と復元性を持った素材でできているため、押し板1を押してスポンジ3を圧縮すると、小円板3cは下面から受ける圧力で円板1aに密着し小穴1dを塞ぐが、押し板1を引き上げ、小円板2cを押していた圧力が下がると小円板2cは下方に開き小穴1dとの隙間ができて空気を吸い込みスポンジ3に空気を送りこむ。また、円板1aの下面の小穴1dを円形壁1eで囲み円板1aとスポンジ3の間に隙間を設けているため、スポンジ3が小円板2cが下方に開くことを妨げることがない。
【0008】
押し板1とスポンジ3を繋ぐ接続軸4を支えるパッキン2は柔軟性と復元性のある素材でできているため、パッキン2の穴2dに接続軸4の上端を差し込みストッパー4bが穴2bを通過する時に穴2bは径は広がり通過後に元の径に戻り、ストッパー4bは穴2bの上面で止まり、接続軸(4)を大きな力で下方に引っ張らない限り抜けないようになっている。更に、穴2dは棒4aの上下動を妨げない程度の微量な径の隙間であるため、円板1aの上面に穴2dを抜けて空気や泡が漏れにくい構造になっている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図7】接続軸を差し込んだスポンジの透視図である。
【
図8】パッキンを装着した押し板に接続軸を差し込んだスポンジを取付け組み立てた石鹸泡立て器の透視図である。
【
図10】
図9の平面図をX‐X′で切断した石鹸泡立て器の断面図である。
【
図11】本発明に係る石鹸泡立て器(プロトタイプ)の使用解説写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
【0012】
図2は、
図1の石鹸泡立て器の実施例を構成する中心に大穴(1c)とその周囲に小穴(1d)の開いた円板(1a)の上面に持ち手(1b)と下面に小穴(1d)の外周を囲む円形壁(1e)を備えた押し板(1)を示す。
【0013】
図3は、
図1の石鹸泡立て器の実施例を構成するチューブ2aの中間にストッパー2bと下端に中心に穴2dの開いた小円板2cを備えたパッキン2を示す。
【0014】
図4は、
図2の押し板1に
図3のパッキン2を取付け固定したものを示す。
【0015】
図5は、
図1の石鹸泡立て器の実施例を構成する円筒形の両底面の中心を貫く穴3aを開けたスポンジ3を示す。
【0016】
図6は、
図1の石鹸泡立て器の実施例を構成する棒4aの上方にストッパー4bと下端にスポンジ止板4cを備えた接続軸4を示す。
【0017】
図7は、
図5のスポンジ3の穴3aに接続軸4を差し込み固定したものを示す。
【0018】
図8は、
図1の石鹸泡立て器の実施例を使用する際に、
図4のパッキン2を取付けた押し板1に、
図7の接続軸4を差し込んだスポンジ3を取付けたものを示す。
【0019】
図9は、
図1の石鹸泡立て器の実施例の平面図で、パッキン2の穴2d、スポンジ3の穴3a、接続軸4のストッパー4b、チューブ2a、大穴1c、パッキン2のストッパー2b、スポンジ止板4c、小円板2c、円形壁1e、スポンジ3、円板1は、全て接続軸4の棒4aを中心とした円を描いている。パッキン2の穴2dの径は接続軸4の棒4aを差し込んだ時に微量な隙間が空く径になっている。円板1aの小穴1dは大穴1cを囲み配置されている。持ち手1bは、円板1aの中心を通り左右対象に配置されている。
【0020】
図10は、
図9の平面図をX-X′で切断した断面図で、パッキン2のチューブ2aが押し板1の大穴1cを通り中間に取付けたストッパー2bが円板1aの大穴1cの上面に出て止まり、押し板1とパッキン2を固定している。接続軸4はスポンジ3の中心を貫き、スポンジ止板4cでスポンジ3が下方に抜けないように止めて、上端は押し板1に固定されたパッキン2の穴2dを抜けて、接続軸4の上方に付けたストッパー4bがパッキン2の穴2dの上面に出て止まり押し板1とスポンジ3が抜けないように繋いでいる。パッキン2の小円板2cは、押し板1の小穴1dを下面を塞ぐ大きさになっている。押し板1の円板1a下面の小穴1dを囲むように付いた円形壁1eは、円板1aの下方に突出しておりスポンジ2と円板1aの間に隙間を保つ構造になっている。持ち手1bを手指で押してスポンジ3が円板1aの下で潰れると、接続軸4上端はスポンジ3が潰れに応じて円板1aの上面に突出するが、手指に当たらないように円板1aと持ち手1bの間隔をあけている。
【0021】
図11は、
図1の石鹸泡立て器の実施例の使い方で、U-1では、水を少量入れた洗面器に浸したタオルを取り出し石鹸を塗る。U-2では、タオルを洗面器に戻し、その上に石鹸泡立て器を置く。U-3では、石鹸泡立て器の持ち手を手指で握り上方から押す。U-4では、上方から押していた力を緩め石鹸泡立て器の持ち手を引き上げる。U-5では、押す・引くを繰り返し、洗面器に泡が溜まる。
【0022】
図12は、
図1の石鹸泡立て器の実施例を使用した際の押し板1に付けたパッキン2の小円板2cが逆止弁として開閉する説明図で、上図は持ち手1bを手指で握り上方から押すと、円板1aの下面から圧力がかかり、小円板2cは円板1aに押し付けられて小穴1dを塞ぎ、下図は持ち手3aを上方に引き上げると、円板1aの下方にかかっていた圧力が下がるため、円板1aに押し付けられていた小円板2cは下方に開き塞いでいた円板1aの小穴1dが開いて、円板1aの上面から空気を吸い込む。
【符号の説明】
【0023】
1.押し棒
1a.円板
1b.持ち手
1c.大穴
1d.小穴
2.パッキン
2a.チューブ
2b.ストッパー(パッキン)
2c.小円板
2d.穴(パッキン)
3.スポンジ
3a.穴(スポンジ)
4.接続軸
4a.棒
4b.ストッパー(接続軸)
4d.スポンジ止板