(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173012
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】把手付き食器
(51)【国際特許分類】
A47G 19/00 20060101AFI20221110BHJP
A47G 19/22 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
A47G19/00 E
A47G19/22 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021100521
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】506285987
【氏名又は名称】平塚 清徳
(72)【発明者】
【氏名】平塚 清徳
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA01
3B001AA04
3B001BB02
3B001CC21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】誰でもが容易で簡単に食器本体に触れずに、食器の安定姿勢を保持して持つことを可能にし、且つ衛生面の問題を無くす把手付き食器を提供する。
【解決手段】一般的な椀及び茶碗及び丼などの、熱い汁や食物を入れて手に持つ、上側縁部と胴部と底部と高台部をそれぞれ備えた食器本体であり、前記胴部の外側表面の適宜位置に、土鍋に付く把手のような形状構成の左把手部と右把手部を対向状に対で設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般的な椀及び茶碗及び丼などの、熱い汁や食物を入れて手に持つ、上側縁部と胴部と底部と高台部をそれぞれ備えた食器本体であり、
前記胴部の外側表面の適宜位置に、土鍋に付く把手のような形状構成の左把手部と右把手部を対向状に対で設け、
前記左把手部と前記右把手部は、それぞれ下側部位の前記胴部と接着する側に支台部を備えており、前記支台部と共に、前記胴部と一体状に形成する接着部位が、前記胴部の曲状形状と合致して完全密着一体化する同一の形状構成であり、
前記左把手部と前記右把手部は、それぞれ前記胴部外側表面から外方向へ水平姿勢で突き出た前記土鍋の把手のような、拡幅した太目の三日月形状構成で、上側表面に手の親指を水平姿勢で載置する親指大位のサイズであり、
前記左把手部と前記右把手部は、前記上側縁部を起点にして前記親指を載置する上側表面位置が、前記食器本体を臥せた時に、前記上側縁部が食卓やテーブルの表面に接触しない十分な隙間が出来る前記上側縁部より3mm位高い位置に在する構成で設けたことを特徴とする把手付き食器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手指の筋力が弱い高齢者や子供が食事をする際、熱い汁や食物が入った食器を、容易で簡単に安定姿勢を保持して安全に持てる把手付き食器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、手指の筋力が弱い高齢者や子供が食事をする際、熱い味噌汁を入れた椀、及び沸騰したうどんや蕎麦を入れた丼、又は炊き立ての飯を盛った茶碗などの熱い汁や食物を入れた食器を、上側縁部位に親指を掛け、下側高台部位に他の指を掛けて手指に熱さを感じながら持ち、時には手指に火傷を負うことも珍しくなかった。
又、食器の上側縁部位に親指が当接するので衛生的に問題が有ると共に、上手に持てなくて汁を溢す、又は手を滑らせて落下させることも日常的に発生していた。
更に、使用前に食器を食卓やテーブルに臥せて置いた時、汚れや雑菌が口を当接する上側縁部位に付着して不衛生であった。
【0003】
尚、食事用食器、大小を問わず、茶碗、丼類、その他様々な食器の外部、上部、中部に指又は手を掛けれるよう、角型張出を複数、円形に取付けた食器(特許文献1参照)が知られている。
【0004】
更に、食器を使用する際、持ちやすくする為の、指掛け部付き食器(特許文献2参照)が知られている。
【0005】
更に、指先の筋力が十分ではない者でも容易に食器を扱うことができ、非常用時にコンパクトに収納可能な食器補助具(特許文献3参照)が知られている。
【0006】
更に、食器の上縁に対してテーパー状となった連続引掛け部を前記食器の外周に設け、前記連続引掛け部と前記上縁との間にその間隔の長い箇所へ移動して固定するようにした掛け止め把手を備えた着脱把手付き食器(特許文献4参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-220995号広報
【特許文献2】特開2020-006113号広報
【特許文献3】実登3217907号
【特許文献4】実全昭61-160786号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の、手指の筋力が弱い高齢者や子供が食事をする際、熱い味噌汁が入った椀、沸騰したうどんや蕎麦が入った丼、又は炊き立ての飯を盛った茶碗などの熱い汁や食物が入った食器を手に持つ時に、手指が食器本体に一切触れないで、熱さを感じる事無く、火傷を負う心配を無くして、且つ汁などを溢すと共に、手を滑らせて食器を落下させるのを、容易で簡単に誰でもが食器の安定姿勢を保持して、安全で確実に防ぐことは不可能だった。
また、使用する前に、食卓やテーブルに臥せて置いた時、口が当接する上側縁部位に汚れや雑菌が付着するのを防ぐことが出来なかった。
本発明は、以上の問題点を解決する為になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一般的な椀及び茶碗及び丼などの、熱い汁や食物を入れて手に持つ、上側縁部と胴部と底部と高台部をそれぞれ備えた食器本体であり、
前記胴部の外側表面の適宜位置に、土鍋に付く把手のような形状構成の左把手部と右把手部を対向状に対で設け、
前記左把手部と前記右把手部は、それぞれ下側部位の前記胴部と接着する側に支台部を備えており、前記各支台部と共に、前記胴部と一体状に形成する接着部位が、前記胴部の曲状形状と合致して完全密着一体化する同一の形状構成であり、
前記左把手部と前記右把手部は、それぞれ前記胴部外側表面から外方向へ水平姿勢で突き出た前記土鍋の把手のような、拡幅した太目の角を無くして丸くした三日月形状で、上側表面に手の親指を水平姿勢で載置する親指大位のサイズであり、
前記左把手部と前記右把手部は、前記上側縁部を起点にして前記親指を載置する上側表面位置が、前記食器本体を臥せた時に、前記上側縁部が食卓やテーブルの表面に接触しない十分な隙間が出来る前記上側縁部より3mm位高い位置に在する構成で設ける。
以上の構成より成る把手付き食器。
【発明の効果】
【0010】
従来不可能とされていた、手指の筋力が弱い高齢者や子供が食事をする際、熱い汁や食物が入った食器を手に持つ時に、手指が食器に一切触れないで、熱さを感じる事無く、火傷を負う心配を無くして、且つ汁などを溢すと共に、手を滑らせて落下させるのを、容易で簡単に誰でもが食器の安定姿勢を保持して、安全で確実に防ぐことを本発明が可能にした。
又、口が当接する上側縁部位に手指が一切触れないので、衛生的で有り、新型コロナの感染予防に役立ち、且つ、使用する前に食卓やテーブルに臥せて置く時に、上側縁部位が食卓やテーブルの表面に接触しないので、汚れや雑菌が付着する心配が無く、免疫力が弱い高齢者や子供が安心して食事が出来、高齢者施設や学校給食の食器に最適である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【本発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
最初に、本発明の把手付き食器(1)は、椀及び茶碗及び丼と形が多少異なり、成人男性用及び成人女性用、又は子供用とサイズが異なるが、発明の形状と構造は同一であり、この実施の形態では成人男性用標準サイズを説明する。
請求項1
(イ)一般的な椀及び茶碗及び丼などの、熱い味噌汁などの汁や煮物の食物を入れて手に持つ、上側縁部(3)と胴部(4)と底部(5)と高台部(6)を、それぞれ備えた標準的形状の食器本体(2)である。
(ロ)前記食器本体(2)の前記胴部(4)の外側表面の適宜位置に、手で持つ土鍋に付く把手のような形状構成の左把手部(7)と右把手部(8)を対向状に対で設ける。
(ハ)前記左把手部(7)と前記右把手部(8)は、それぞれ下側部位の前記胴部(4)と接着する側部位に、安定姿強固を目的とした支台部(9)をそれぞれ備えている。
(ニ)前記左把手部(7)と前記右把手部(8)は、前記各支台部(9)と一体状であり、前記各支台部(9)と共に、前記胴部(4)と一体状に形成する接着部位が、前記胴部(4)の曲状形状と合致して完全密着一体化する同一の形状構成である。
(ホ)前記左把手部(7)と前記右把手部(8)は、それぞれ前記胴部(4)外側表面から外方向へ水平姿勢で突き出た土鍋の把手のような形状構成で、上側表面に手の親指(O)が水平姿勢で載置できる親指大位のサイズ(中央付近部位の最長横幅2cm位、最長縦幅4cm位、厚さ6mm位)で、内側面は前記胴部(4)と合致する湾曲状の、全体形状は拡幅した太目の角を無くして丸くした三日月形状である。
(ヘ)前記左把手部(7)と前記右把手部(8)の前記横幅は、前記胴部(4)を起点に外側へ水平姿勢で延びた左から右、又は右から左の長さを指し、同じく前記縦幅は、前記胴部(4)の外周に沿うように平行状に前後に延びた長さを指している。
(ト)前記左把手部(7)と前記右把手部(8)は、前記上側縁部(3)を起点にして前記親指(O)を載置する上側表面の位置が、前記食器本体(2)を臥せた時に、前記上側縁部(3)が食卓やテーブル(T)の表面に接触しない十分な隙間(E)が出来る前記上側縁部(3)より3mm位高い位置に在する構成で設ける。
(チ)前記把手付き食器(1)は、木材又は土材又は陶磁器又はプラスチック材で、前記左把手部(7)と前記右把手部(8)は取り付ける前記食器本体(2)と同材であり、前記食器本体(2)と一体状で大量生産する。
(リ)又は、一体状大量生産が困難な場合、例えば木材の椀では、前記食器本体(2)と前記左把手部(7)及び前記右把手部(8)は個別に大量生産し、接着剤で後付けして前記把手付き食器(1)を完成させる。
本発明は以上のような構造である。
本発明の把手付き食器(1)を使用する時は、両手、又は左手若しくは右手で、左把手部(7)と右把手部(8)の上側表面に親指(O)を載置し、下側裏面に人差指(H)及び中指(A)を当てて、前記親指(O)と前記人差指(H)及び前記中指(A)で挟んで摘まむ
図2のようにして食器本体(2)を持つ。
又は、
図5のように、前記左把手部(7)と前記右把手部(8)の上側表面に前記親指(O)を載置して、前記人差指(H)と中指(N)と他指を、高台部(6)の下側縁部位に掛ける持ち方をしても良く、持ち方のバリエーションは各自で自由に選べる。
いずれの持ち方でも、容易で簡単に、上側縁部(3)と胴部(4)に一切接触すること無く前記食器本体(2)を、安定的に水平姿勢を保持して持てるので、熱さを感じる事無く、汁を溢したり手を滑らせて落下させる不安や心配をしないで、いつもの食事をする要領で高齢者や子供が安心して食事を楽しめる。
又、眼に見えない埃や汚れ及び雑菌が存在する食卓やテーブルに、前記把手付き食器(1)を臥せて置く際に、
図4のように、上側縁部(3)が少し浮いた状態になり、食卓やテーブルに接触しないので、衛生面の心配が無く、免疫力の弱い高齢者や子供に安心して食事を賄える。
【符号の説明】
【0013】
1把手付き食器、2食器本体、3上側縁部、4胴部、5底部、6高台部、7左把手部、8右把手部、9支台部、Tテーブル、E隙間、S使用者の手、O親指、H人差指、N中指、C汁、G食物、A箸