(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173087
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】プレキャスト/プレモールドされた位置合わせスロットおよび任意選択の界面クラッシュリブを有するツーピースヒューズエンドベル
(51)【国際特許分類】
H01H 85/165 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
H01H85/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022068045
(22)【出願日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】17/314,277
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519226506
【氏名又は名称】リテルフューズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド アーサー バーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ガネーシュ ナガラジ チェンナケサヴェル
(72)【発明者】
【氏名】デレク ラシーニ
(72)【発明者】
【氏名】スコット ファウスト
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502BA04
5G502BB01
5G502BB05
5G502BC12
5G502BD03
5G502CC12
5G502KK10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】挿入ピンを受け入れるためのエンドベルのスロットにより、コストのかかるモールディングツールの再加工なしで、エンドベルをプレキャスト/プレモールドすることを可能とする。
【解決手段】新規のヒューズアセンブリ設計は、単一ピース端子アセンブリおよびツーピースエンドベルを利用する。ツーピースエンドベルおよび端子アセンブリは、接着剤を使用せずに、端子アセンブリにエンドベル部分を固定することを可能にする嵌合エレメントを特徴として有する。また、嵌合エレメントは、組立てを容易にするための位置決めガイダンスを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒューズボディと、
前記ヒューズボディ内に配置され、対向する第1の面および第2の面を有する端子アセンブリであって、第1の端子と第2の端子との間を延びるヒューズエレメントを有する、端子アセンブリと、
前記ヒューズボディに連結するためのエンドベルであって、
前記端子アセンブリの前記第1の面に係合する第1のクラッシュリブを含む第1のエンドベル部分、および
前記端子アセンブリの前記第2の面に係合する第2のクラッシュリブを含む第2のエンドベル部分
を有する、エンドベルと
を備え、
前記第1のエンドベル部分および前記第2のエンドベル部分が、前記端子アセンブリを間に挟んで互いに対して固定されており、前記第1のクラッシュリブおよび前記第2のクラッシュリブが、前記端子アセンブリを囲んで封を形成している、
ヒューズアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のエンドベル部分が、
前記第1のエンドベル部分に形成された第1のレセプタクルと、
前記第1のエンドベル部分から延びる第1の突起と
を更に含み、
前記第2のエンドベル部分が、前記第2のエンドベル部分に形成された第2のレセプタクルと、前記第2のエンドベル部分から延びる第2の突起とを含み、
前記第1の突起が、前記第2のレセプタクルに嵌まって係合しており、前記第2の突起が、前記第1のレセプタクルに嵌まって係合している、
請求項1に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のエンドベル部分の周囲端に形成された第1のスロットと、
前記第2のエンドベル部分の周囲端に形成された第2のスロットと、
前記ヒューズボディに形成された第1の孔と、
前記ヒューズボディに形成された第2の孔と、
前記第1の孔および前記第1のスロットを通過して延びる第1の挿入ピンと、
前記第2の孔および前記第2のスロットを通過して延びる第2の挿入ピンと
を更に備え、
前記第1の挿入ピンおよび前記第2の挿入ピンが、前記エンドベルを前記ヒューズボディに固定している、
請求項1または2に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のクラッシュリブが、前記第1のレセプタクルと前記第1の突起との間に介在する、前記第1のエンドベル部分の面上に配置されている、
請求項2に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のエンドベル部分が、前記第2のエンドベル部分と同一である、
請求項1または2に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項6】
前記エンドベルが、亜鉛合金材料で形成されている、
請求項1または2に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項7】
前記第1のクラッシュリブが、変形して前記第1の面に入り込み、前記第2のクラッシュリブが、変形して前記第2の面に入り込むことで、前記第1のエンドベル部分と、前記端子アセンブリと、前記第2のエンドベル部分との間に気密な封が形成されている、
請求項1または2に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項8】
前記端子アセンブリの前記第1の面にある第1の嵌合溝および第2の嵌合溝と、
前記端子アセンブリの前記第2の面にある第3の嵌合溝および第4の嵌合溝と、
前記第1のエンドベル部分上の第3のクラッシュリブと、
前記第2のエンドベル部分上の第4のクラッシュリブと
を更に備え、
前記第1のクラッシュリブが、前記第1の嵌合溝に嵌合しており、前記第2のクラッシュリブが、前記第2の嵌合溝に嵌合しており、前記第3のクラッシュリブが、前記第3の嵌合溝に嵌合しており、前記第4のクラッシュリブが、前記第4の嵌合溝に嵌合している、
請求項1または2に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のエンドベル部分が、
第1の隆起部と第1の突起とを含む第1のフィーチャ面であって、前記第1の隆起部が、第1のレセプタクルを画定している、第1のフィーチャ面、
を更に含む、
請求項8に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項10】
前記第2のエンドベル部分が、第2の隆起部と第2の突起とを含む第2のフィーチャ面を更に含み、前記第2の隆起部が、第2のレセプタクルを画定しており、前記第1のエンドベル部分が前記第2のエンドベル部分に固定されることに応じて、前記第2の突起が、前記第1のレセプタクルに係合し、前記第1の突起が、前記第2のレセプタクルに係合する、
請求項9に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項11】
それぞれのクラッシュリブに隣接して配置された複数のトラフであって、前記第1のエンドベル部分が前記第2のエンドベル部分に固定された際に、各クラッシュリブからの余剰分の材料がそれぞれのトラフに流れ込むことを可能にするための、複数のトラフを更に備える、
請求項10に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のエンドベル部分の周囲端に形成された第1のスロットと、
前記第2のエンドベル部分の周囲端に形成された第2のスロットと、
前記ヒューズボディに形成された第1の孔と、
前記ヒューズボディに形成された第2の孔と、
前記第1の孔および前記第1のスロットを通過して延びる第1の挿入ピンと、
前記第2の孔および前記第2のスロットを通過して延びる第2の挿入ピンと
を更に備え、
前記第1の挿入ピンおよび第2の挿入ピンが、前記エンドベルを前記ヒューズボディに固定している、
請求項1または2に記載のヒューズアセンブリ。
【請求項13】
ヒューズボディ内で端子アセンブリを固定するように適応させられたエンドベルであって、
第1の突起と、第1のレセプタクルと、第1のクラッシュリブとを有する第1のエンドベル部分であって、前記第1のクラッシュリブが、前記端子アセンブリの第1の面に係合するように適応されている、第1のエンドベル部分と、
第2の突起と、第2のレセプタクルと、第2のクラッシュリブとを有する第2のエンドベル部分であって、前記第2のクラッシュリブが、前記第1の面とは反対の前記端子アセンブリの第2の面に係合するように適応されている、第2のエンドベル部分と
を備え、
前記第1の突起が、前記第2のレセプタクルに係合し、前記第2の突起が、前記第1のレセプタクルに係合することで、前記端子アセンブリを囲んで封を形成している、
エンドベル。
【請求項14】
前記第1の突起上に形成された第1のリップシートと、
前記第2の突起上に形成された第2のリップシートと
を更に備え、
前記端子アセンブリの第1のリップが、前記第1のリップシート上に形成されており、前記端子アセンブリの第2のリップが、前記第2のリップシート上に形成されている、
請求項13に記載のエンドベル。
【請求項15】
前記第1の突起が、第1のリップシートを更に含み、前記第2の突起が、第2のリップシートを更に含み、前記第1のエンドベル部分が前記第2のエンドベル部分に固定されることに応じて、前記端子アセンブリの第1のリップが、前記第1のリップシートに嵌合し、前記端子アセンブリの第2のリップが、前記第2のリップシートに嵌合する、
請求項14に記載のエンドベル。
【請求項16】
前記第1のエンドベル部分が、
隆起部を含むフィーチャ面と、
第3のクラッシュリブと
を更に有し、
前記第1のクラッシュリブが、前記フィーチャ面の端部に形成されており、前記第3のクラッシュリブが、前記フィーチャ面の第2の端部に形成されており、
前記第1の突起が、前記フィーチャ面上に配置されており、前記第1のレセプタクルが、前記隆起部上に配置されている、
請求項13または14に記載のエンドベル。
【請求項17】
前記隆起部から凸部が延びており、前記凸部が、前記端子アセンブリの凹部に嵌合するためのものである、
請求項16に記載のエンドベル。
【請求項18】
前記第1のエンドベル部分の周囲端に形成された第1のスロットと、
前記第2のエンドベル部分の第2の周囲端に形成された第2のスロットと
を更に備え、
ヒューズボディの第1の円筒孔と前記第1のスロットとに、第1の挿入ピンが挿入され、前記ヒューズボディの第2の円筒孔と前記第2のスロットとに、第2の挿入ピンが挿入されることで、前記エンドベルが前記ヒューズボディに固定される、
請求項13または14に記載のエンドベル。
【請求項19】
第1の孔および第2の孔を有するヒューズボディであって、前記第1の孔および前記第2の孔を有するようにモールドされた、ヒューズボディと、
第1のスロットを有するようにモールドされた第1のエンドベル部分であって、前記第1のスロットが、前記第1のエンドベル部分の周囲端内へと径方向に形成されることで、前記第1のエンドベル部分内に径方向のキャビティが形成されている、第1のエンドベル部分と、
第2のスロットを有するようにモールドされた第2のエンドベル部分であって、前記第2のスロットが、前記第2のエンドベル部分の周囲端内へと径方向に形成されることで、前記第2のエンドベル部分内に径方向のキャビティが形成されている、第2のエンドベル部分と、
前記第1の孔および前記第1のスロットを通過して延びる第1の挿入ピンと、
前記第2の孔および前記第2のスロットを通過して延びる第2の挿入ピンと
を備え、
前記第1の挿入ピンおよび第2の挿入ピンが、前記第1のエンドベル部分および前記第2のエンドベル部分を前記ヒューズボディに固定している、
ヒューズアセンブリ。
【請求項20】
前記ヒューズボディ内に配置された端子アセンブリを更に備え、前記端子アセンブリが、第1の端子と第2の端子との間を延びるヒューズエレメントを有し、前記第1のエンドベル部分および前記第2のエンドベル部分が、前記端子アセンブリを間に挟んで互いに対して固定されており、前記第1のエンドベル部分および前記第2のエンドベル部分が、前記端子アセンブリを囲んで封を形成している、
請求項19に記載のヒューズアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、ヒューズアセンブリに関し、より詳細には、ツーピースエンドベルを有するヒューズアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒューズは、電気システム内で過電流からの保護のために使用され、過電流状態が発生した場合に破断する犠牲デバイスである。ヒューズは、金属線または金属ストリップなど、2つの金属接点端子をつなぐヒューズエレメントを含み、これは、過剰な電流が流れると融解/破断する。この破断により、開回路がもたらされるので、ヒューズが接続されるデバイスが保護される。ヒューズは、様々な形状およびサイズで提供され、小型の回路電子部品から大規模産業用途といった多くの用途を有する。構成部品保護デバイスであることに加えて、ヒューズは、車両で使用される際などでは、車両事故に応じて火災からの保護を行うので安全デバイスにもなる。
【0003】
いくつかのヒューズは、ヒューズボディの両側にエンドベルを含むことがあり、ヒューズボディ内に、ヒューズエレメントが配置される。エンドベルは、ヒューズエレメントを支持し、外力および環境ストレスから保護するように設計される。既存のヒューズ技術では、2つの完全に円形のエンドベルを利用し、ヒューズエレメントを取り付ける前に、まず、エンドベルそれぞれが、自体それぞれの別個の端子内に圧入またはろう付けなどにより係合される。したがって、この組立て方法は、はんだ付けまたは溶着など、2つの端子間にヒューズエレメントを取り付けるための二次的なプロセスを含むので、製造の複雑さが増大され、品質の偏りがもたらされるおそれがある。さらに、組立て中の導電性端子とエンドベルとの間の滑り界面は、ヒューズの中身と、環境との間に封をなされた覆いを作るようには設計されていない。
【0004】
エンドベルは、挿入ピンを使用してヒューズボディに固定される。ヒューズ端子に使用される金属よりも軟らかい金属で一般に作られるエンドベルへの孔の削孔は乱雑になる場合があり、この結果、ヒューズボディ内にごみが残る。ヒューズボディにエンドベルを気密に封付けすると、ヒューズアセンブリが設計された通りに動作することが確実になる。したがって、エンドベルは、接着性材料を使用してヒューズボディに封付けすることができるが、これも乱雑になる場合がある。
【0005】
これらの点および他の点を考慮すると、本改良点は役に立つことができる。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、詳細な説明において下記で更に説明する簡略化された形態の概念の選択を紹介するために提供される。本概要は、特許請求する主題の重要な、または不可欠な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求する主題の範囲を決定する助けとして意図されるものでもない。
【0007】
本開示によるヒューズアセンブリの一例示的実施形態は、ヒューズエレメント、端子アセンブリ、およびエンドベルを収容するためのヒューズボディを含むことができる。端子アセンブリは、対向する第1の面および第2の面を有し、第1の端子と第2の端子との間で延びるヒューズエレメントを特徴として有する。エンドベルは、クラッシュリブをそれぞれが有する第1のエンドベル部分および第2のエンドベル部分を含む。端子アセンブリを間に挟んだ状態で、2つのエンドベル部分を互いに対して固定すると、第1のクラッシュリブが端子アセンブリの第1の面に係合し、第2のクラッシュリブが端子アセンブリの第2の面に係合し、これにより、第1のクラッシュリブおよび第2のクラッシュリブが、端子アセンブリを囲んで封を形成する。
【0008】
本開示によるエンドベルの一例示的実施形態は、第2のエンドベルとともに、ヒューズ筐体の内部に端子アセンブリを固定するように適応され、第1のエンドベル部分および第2のエンドベル部分を含むことができる。第1のエンドベル部分は、第1の突起、第1のレセプタクル、および、第1のクラッシュリブを有する。第1のクラッシュリブは、ヒューズエレメントを含む端子アセンブリの第1の面に係合するように適応される。第2のエンドベル部分は、第2の突起、第2のレセプタクル、および、第2のクラッシュリブを有する。第2のクラッシュリブは、端子アセンブリの第1の面とは反対の第2の面に係合するように適応される。第1のエンドベル部分が第2のエンドベル部分に固定されることに応じて、第1の突起が第2のレセプタクルに係合し、第2の突起が第1のレセプタクルに係合し、これにより、端子アセンブリを囲んで封が形成される。
【0009】
本開示によるヒューズアセンブリの他の例示的実施形態は、ヒューズボディと、第1のエンドベル部分および第2のエンドベル部分と、第1の挿入ピンおよび第2の挿入ピンとを含むことができる。ヒューズボディは、第1の孔および第2の孔を有するようにモールドされる。第1のエンドベル部分は、自体の周囲端内へと径方向に形成された第1のスロットを有するようにモールドされ、これにより、第1のエンドベル内に径方向のキャビティが形成される。第2のエンドベル部分は、自体の周囲端内へと径方向に形成された第2のスロットを有するようにモールドされ、これにより、第2のエンドベル内に径方向のキャビティが形成される。第1の挿入ピンは第1の孔および第1のスロットを通過して延び、第2の挿入ピンは第2の孔および第2のスロットを通過して延び、第1の挿入ピンおよび第2の挿入ピンは第1のエンドベル部分および第2のエンドベル部分をヒューズボディに固定する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】例示的実施形態によるヒューズアセンブリを示す図である。
【0011】
【
図2A】例示的実施形態による、
図1のヒューズアセンブリについての端子アセンブリを示す図である。
【
図2B】例示的実施形態による、
図1のヒューズアセンブリについての端子アセンブリを示す図である。
【
図2C】例示的実施形態による、
図1のヒューズアセンブリについての端子アセンブリを示す図である。
【0012】
【
図3A】例示的実施形態による、
図1のヒューズアセンブリについてのエンドベル部分を示す図である。
【
図3B】例示的実施形態による、
図1のヒューズアセンブリについてのエンドベル部分を示す図である。
【0013】
【
図4A】例示的実施形態による、
図1のヒューズアセンブリについてのエンドベル部分連結構造を示す図である。
【
図4B】例示的実施形態による、
図1のヒューズアセンブリについてのエンドベル部分連結構造を示す図である。
【0014】
【
図5】例示的実施形態によるヒューズアセンブリを示す図である。
【0015】
【
図6A】例示的実施形態による、
図5のヒューズアセンブリについての端子アセンブリを示す図である。
【
図6B】例示的実施形態による、
図5のヒューズアセンブリについての端子アセンブリを示す図である。
【
図6C】例示的実施形態による、
図5のヒューズアセンブリについての端子アセンブリを示す図である。
【0016】
【
図7A】例示的実施形態による、
図5のヒューズアセンブリのエンドベル部分およびエンドベル部分連結構造を示す図である。
【
図7B】例示的実施形態による、
図5のヒューズアセンブリのエンドベル部分およびエンドベル部分連結構造を示す図である。
【0017】
【
図8A】例示的実施形態による、
図5のヒューズアセンブリについてのエンドベル部分を示す図である。
【
図8B】例示的実施形態による、
図5のヒューズアセンブリについてのエンドベル部分を示す図である。
【0018】
【
図9A】例示的実施形態による、
図5のヒューズアセンブリについてのエンドベル部分を示す図である。
【
図9B】例示的実施形態による、
図5のヒューズアセンブリについてのエンドベル部分を示す図である。
【0019】
【
図10】先行技術によるヒューズアセンブリの削孔を示す図である。
【0020】
【
図11A】例示的実施形態による、円筒孔を有するエンドベル部分を示す図である。
【0021】
【
図11B】例示的実施形態による、スロットを有するエンドベル部分を示す図である。
【0022】
【
図12】例示的実施形態によるヒューズアセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書では新規のヒューズアセンブリ設計を開示する。ツーピースエンドベル設計により、ヒューズアセンブリの端子およびヒューズエレメントを、単一ピースとして形成することが可能になるので、2つの端子の間でヒューズエレメントを別途取り付けなければならないことによる製造ばらつきが解消される。ツーピースエンドベルならびに端子アセンブリは、接着剤を使用せずに、端子アセンブリにエンドベル部分を係合させることを可能にするエレメントを特徴として有する。また、これらのエレメントは、組立てを容易にするための位置決めガイダンスを提供する。エンドベル部分は、ヒューズボディにエンドベルを固定するのに使用される挿入ピンを受け入れるために円筒孔ではなくスロットを特徴として有するので、コストのかかるモールディングツールの再加工が回避される。
【0024】
利便性および明瞭性のために、「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「鉛直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「横(lateral)」、「横断(transverse)」、「径方向(radial)」、「内(inner)」、「外(outer)」、「左(left)」、および、「右(right)」などの語が、ヒューズアセンブリのフィーチャおよび構成部品の相対的な配置および向きを説明するために本明細書では使用されることがあり、これらの語はそれぞれ、本明細書で提供される斜視図、分解斜視図、および断面図に出てきた際に、それらアセンブリの幾何形状および向きを基準とするものである。前述の用語は、限定を行うことを意図しておらず、具体的に言及される語、それらの派生語、および、重要性が類似する語を含む。
【0025】
ヒューズアセンブリ100
【0026】
図1は、例示的実施形態による新規のヒューズアセンブリ100の代表的な斜視図である。ヒューズアセンブリ100は、ヒューズボディ106を特徴として有する。ヒューズボディ106は、ヒューズアセンブリの他のエレメントの視認を容易にするために透明になっている。第1のエンドベル102aおよび第2のエンドベル102b(総称して、「エンドベル102」)という2つのエンドベルが、ヒューズボディ106の両端に配置されている。ヒューズエレメント108が、第1の端子104aと第2の端子104b(総称して、「端子104」)との間に配置されている。ヒューズエレメント108は、
図1に示すもの以外の形状および構成を呈してもよい。本明細書で示すように、ヒューズアセンブリ100の構成部品は、構成部品の安定した固定、および、組立て中の構成部品の位置決めガイダンスを容易にするフィーチャを含むので、製造が容易になることが確実になる。
【0027】
図2Aから
図2Cは、例示的実施形態による端子アセンブリならびにエンドベルおよびエンドベル部分の代表的な斜視図であり、これらは、
図1のヒューズアセンブリ100の一部分である。
図2Aは、2つのヒューズ端子の間に配置されたヒューズエレメントからなる端子アセンブリ200Aを特徴とし、
図2Bは、2つの取り付けられたエンドベルを有するヒューズアセンブリ200Bを特徴とし、
図2Cは、底部の第1のエンドベル部分および頂部の第2のエンドベル部分が取り付けられたヒューズアセンブリ200Cを特徴とする(総称して、「端子アセンブリ200」)。
【0028】
端子アセンブリ200A(
図2A)は、第1の端子204aと第2の端子204b(総称して、「端子204」)との間に配置されたヒューズエレメント208からなる。ヒューズエレメント208は、障害状態に反応して破断するのでヒューズアセンブリ100の犠牲部分として知られており、屈曲または湾曲のない単純な矩形エレメントとして示されている。様々な代替実施形態で、ヒューズエレメント208は、他の様々な形状およびサイズを呈することもあり、ねじれ、または曲がりを有することもあり、端子204よりも薄くすること、または、それと同じ厚さにすることができ、図では示していない複数のピースからなることもある。本開示は、この点については限定されない。
【0029】
ヒューズ端子204は、ヒューズを電気回路に固定して取り付けるための端子アパーチャ206aおよび206b(総称して、「端子アパーチャ206」)を任意選択で含む。円形の開口として示しているが、端子アパーチャ206は、様々な形状およびサイズのうちのいずれでもよい。一例として、端子アパーチャ206に導電性のボルトを挿入することによりヒューズ端子204をバスバーに取り付けて、ヒューズとバスバーとの間に電気的接続を形成することができる。
【0030】
一例示的実施形態では、端子204およびヒューズエレメントが、亜鉛、銅、銀、アルミニウム、または、これらの合金もしくは組合せなど、単体の金属性導電材料として形成されるが、図示および本明細書で説明する端子アセンブリ200は、こうした構成に限定されない。他の実施形態では、はんだ付け、溶着、または他の手段などで、ヒューズエレメント208の両側に端子204を接続することにより、ヒューズアセンブリ100の端子アセンブリ200が形成される。
【0031】
一例示的実施形態では、端子アセンブリ200は、各端子に近接して形成される突出リップを特徴として有する。第1のリップ212aおよび第2のリップ212bが、第1の端子204aの近くで、端子アセンブリ200の対向する側に位置し、同様に、第3のリップ212cおよび第4のリップ212dが、第2の端子204bの近くで、端子アセンブリ200の対向する側に位置する(総称して、「リップ212」)。
図2Cに示すように、例示的実施形態では、リップ212は、端子アセンブリ200へのエンドベルの接続を容易にする嵌合フィーチャである。リップ212は、下記で
図4Aおよび
図4Bの説明と併せてより詳細に説明する。
【0032】
図2Bにエンドベル202aおよび202b(総称して、「エンドベル202」)を示す。例示的実施形態では、各エンドベル202は、2つの部分または等しい2つの部分からなる。第1のエンドベル202aは、第1のエンドベル部分210a(底部)および第2のエンドベル部分210b(頂部)からなり、第2のエンドベル202bは、第1のエンドベル部分210c(底部)および第2のエンドベル部分210d(頂部)からなる(総称して、「エンドベル部分210」)。エンドベル部分210は、リップ212の位置で、圧入などにより端子アセンブリ200に係合するように設計される。一例示的実施形態では、エンドベル部分210は、亜鉛合金を使用して製造される。
【0033】
従来型のヒューズ設計では、これらエンドベルは、各エンドベルに矩形スロットを有する単一ピース設計である。ヒューズエレメントをスライドさせて、各エンドベルのスロットに通し、次いで、はんだ付けおよび溶着などにより、ヒューズエレメントの各端部に端子を取り付ける。例示的実施形態では、ヒューズアセンブリ100のツーピースエンドベル設計により、端子およびヒューズエレメントを、単一ピースとして形成することが可能になるので、2つの端子の間でヒューズエレメントを別途取り付けなければならないことによる製造ばらつきが解消される。
【0034】
図2Cは、第1のエンドベル202aのエンドベル部分210aおよび第2のエンドベル202bのエンドベル部分210dを示す。一例示的実施形態では、エンドベル部分210a、210b、210c、および210dは、実質的に互いに対して類似し、交換可能である。エンドベル部分210は、リップ212の位置で、端子204の隣に配置される。
図3Aから
図3Bおよび
図4Aから
図4Bの説明と併せて下記でより詳細に説明するが、エンドベル部分210は、第1のエンドベル部分および第2のエンドベル部分(例えば、エンドベル202aの210aおよび210bまたはエンドベル202bの210cおよび210d)が互いに嵌合することを可能にするフィーチャを含む。さらに、リップ212は、エンドベル部分210の配置と、ヒューズアセンブリ100の端子アセンブリ200へのエンドベル部分の連結との両方を容易にする。
【0035】
例示的実施形態では、エンドベル202は、挿入ピンを更に含む(
図2Bおよび
図2C)。第1のエンドベル202aは、挿入ピン214aおよび214bを含み、第2のエンドベル202bは、挿入ピン214cおよび214dを含む(総称して、「挿入ピン214」)。一実施形態では、挿入ピン214は、金属、または、ステンレス鋼などの金属合金で作られる。挿入ピンの数は、多様であり得る。一実施形態では、各エンドベル部分210が、1つの挿入ピン214を含む。一例示的実施形態では、挿入ピン214は、エンドベル202とヒューズボディ106との接続を可能にする(
図1も参照されたい)。挿入ピン214は、下記で
図12の説明と併せてより詳細に説明する。
【0036】
図3Aおよび
図3Bは、例示的実施形態によるエンドベル部分210の代表図である。エンドベル部分210の斜視図を異なる角度から提供しているので、いくつかの追加の詳細が視認可能になっている。各エンドベル部分210は実質的に互いに類似するので、いくつかの実施形態では、エンドベルが、端子アセンブリ200の頂部、底部、左側、または右側に配置されているかどうかに関係なく、エンドベル部分の様々なフィーチャも実質的に類似する。
【0037】
各エンドベル部分210は、第1の傾斜面316と、第2の傾斜面318と、中央(水平)面320と、半円面322と、2つの平坦側面324aおよび324b(総称して、「側面324」)とを含む。半円面322を除いて、他の面は実質的に平坦である。中央面320は、第1の傾斜面316および第2の傾斜面318の片側に形成される。
【0038】
エンドベル部分210の各面は、フィーチャを含む。側面324は、エンドベルアパーチャ332を示す。エンドベルアパーチャ332は、エンドベル部分210の両側で視認可能な横断して延びる円筒状のボイドである。2つのエンドベルがヒューズボディに接続されると、エンドベルアパーチャ332は、砂または他の材料でヒューズアセンブリ100を充填するのに使用され、この後、アパーチャは、プラグ338で両側を封止される(
図3B)。半円面322は、自体の表面から径方向に延びる挿入ピン214を示す。
【0039】
さらに、例示的実施形態では、第1の傾斜面316がレセプタクル330を特徴として有し、第2の傾斜面318が突起328を特徴として有する。一方のエンドベル部分210のレセプタクル330は、第2のエンドベル部分の突起328嵌合するように設計される。例示的実施形態では、嵌合が発生すると、一方のエンドベル部分210の傾斜面316が、他方のエンドベル部分の傾斜面318に対して面一になる。
【0040】
レセプタクル330は、中央部分320から延びる平坦面(本明細書ではリップシート334と称する)と、リップシートに直交するブロック受け340とを含む。同様に、突起328は、中央部分から延びる平坦面であるリップシート336と、リップシートに直交するブロック342とを有する。例示的実施形態では、端子アセンブリ200の2つのリップが、エンドベル部分210に嵌合することで、一方のリップがレセプタクル330のリップシート334上に配置され、第2のリップが突起328のリップシート336上に配置される(
図2C参照)。これにより、エンドベル202を形成する2つの係合したエンドベル部分210間に端子アセンブリ200を設置することが可能になり、したがって、エンドベル部分と端子アセンブリとの間に封が形成される。さらに、一方のエンドベル部分210のブロック342が、他方のエンドベル部分のブロック受け340に係合する。当業者は、レセプタクル330のリップシート334およびブロック受け340ならびに突起328のリップシート336およびブロック342の形状およびサイズは、多様であり得るが、それでも、エンドベル部分210に所望の嵌合特性をもたらすことを理解するであろう。さらに、レセプタクル330および突起328を改変する場合、端子アセンブリ200のリップ212も変化させて、構成部品の嵌合を容易にすることができる。
【0041】
例示的実施形態では、中央面320は、第1の傾斜面316と第2の傾斜面318との間で延びる(介在する)クラッシュリブ326を特徴として有する。一実施形態では、クラッシュリブ326は、中央面320の中央ではなく、一方の側で、側面324a対してよりも、側面324bに対して近くになるように配置される。また、クラッシュリブ326は、リップシート334、336を避けるように置かれるが、クラッシュリブ326の配置は、図示のものから変化させてもよい。一例示的実施形態では、2つのエンドベル部分210が互いに係合されると、端子アセンブリ200が2つのエンドベル部分の間に配置された状態で、上のエンドベル部分(例えば、
図2Bのエンドベル部分210b)のクラッシュリブ326が、下のエンドベル部分(例えば、エンドベル部分210a)のクラッシュリブの真上に配置される。例示的実施形態では、リップ212とともにクラッシュリブ326が、2つのエンドベル部分210の間での端子アセンブリ200の配置を容易にする。一実施形態では、端子アセンブリ200は、クラッシュリブ326との嵌合のための窪みまたは他の受け構造を含む。
【0042】
図4Aおよび
図4Bは、例示的実施形態による、
図1のヒューズアセンブリ100についてのエンドベル部分連結構造400の代表図である。
図4Aは、エンドベル部分連結構造400の分解斜視図であり、
図4Bは、その断面図である。第1のエンドベル部分210aおよび第2のエンドベル部分210bは、ヒューズ端子204の片側に配置される。2つのエンドベル部分210が、端子アセンブリ200のリップ212を間に配置した状態で、圧入などにより互いに係合されると、エンドベル部分は、径方向に互いに対して固定され、エンドベル部分と端子アセンブリとの間に封が形成される。
【0043】
例示的実施形態では、2つのエンドベル部分210が互いに係合され、径方向に互いに対して固定されると、クラッシュリブ326が、端子アセンブリ200に嵌合し、変形する。エンドベル部分210aについての第1のクラッシュリブ326aおよびエンドベル部分210bについての第2のクラッシュリブ326bを示している。端子アセンブリ200は、銅または銅合金から作ることができ、エンドベル部分210の亜鉛または亜鉛合金材料に突き当てて堅く押し付けられるので、これら2つの材料のいくらかの圧縮、および、場合によっては変形が発生する。一例示的実施形態では、端子アセンブリ200に突き当ててクラッシュリブ326を接続する圧力により、ヒューズアセンブリ100の中身と、外部環境との間に封をなされた覆いが作られる。
【0044】
単一のクラッシュリブ326を(エンドベル部分210ごとに)示しているが、各エンドベル部分に複数のクラッシュリブ326があってもよい。さらに、これらのフィーチャは、制限なく、それぞれのエンドベル部分210上の異なる位置に存在してもよい。
【0045】
一例示的実施形態では、エンドベル部分210は、製造中に端子アセンブリ200を囲むように押され、この結果、ヒューズの各端部に同心状の円形エンドベルがもたらされる(
図1および
図2B)。各エンドベル部分210のフィーチャ(突起328、レセプタクル330、およびクラッシュリブ326)を、端子アセンブリ200上の嵌合フィーチャ(リップ212)の位置を特定することと、2つのエンドベル部分を位置合わせすることとの両方のために使用することが可能である。
【0046】
例示的実施形態では、嵌合されると、2つのエンドベル部分210は、接着剤または密封材を使用することなく固定して取り付けられることになる。これにより、エンドベル/端子の表面が規則正しい必要がなくなる。エンドベル部分210のクラッシュリブ326が、端子アセンブリ200に食い込むことで、エンドベル部分および端子アセンブリ双方における材料を変形させる。したがって、エンドベル部分210または端子アセンブリ200の表面が完全に平坦でない場合でも、変形された嵌合界面が、2つの材料の間に堅い封を作ることができる。一例示的実施形態では、端子アセンブリ200にクラッシュリブ326を意図的に干渉させて、エンドベル部分210と端子アセンブリ200との間に機械的支持および固定接続を提供する。さらに、一例示的実施形態では、端子アセンブリ200にクラッシュリブ326を接続する圧力により、ヒューズの中身と、外部環境との間に封をなされた覆いが作られる。したがって、新規のヒューズアセンブリ100の嵌合エレメントにより、ヒューズボディへのエンドベルの安定した固定と、組立て中の位置決めガイダンスとの両方がもたらされることで、ヒューズアセンブリの製造が容易になる。
【0047】
ヒューズアセンブリ500
【0048】
図5は、例示的実施形態による新規のヒューズアセンブリ500の代表的な斜視図である。ヒューズアセンブリ500は、ヒューズボディ506を特徴として有するが、ヒューズボディ506を、ヒューズアセンブリの他のエレメントの視認を容易にするために透明にしている。2つのエンドベル、第1のエンドベル502aおよび第2のエンドベル502b(総称して、「エンドベル502」)が、ヒューズボディ506の両端に配置されている。ヒューズエレメント508が、第1の端子504aと第2の端子504b(総称して、「端子504」)との間に配置されている。ヒューズエレメント508は、
図5に示すもの以外の形状および構成を呈してもよい。本明細書で示すように、ヒューズアセンブリ500のエンドベル502および端子アセンブリはともに、エンドベルとヒューズボディとの間に安定した固定を提供し、かつ、構成部品の組立てのための位置決めガイダンスを提供する嵌合エレメントを含むので、製造を容易にする助けになる。
【0049】
図6Aから
図6Cは、例示的実施形態による端子アセンブリならびにエンドベルおよびエンドベル部分の代表的な斜視図であり、これらは、
図5のヒューズアセンブリ500の一部分である。
図6Aは、2つのヒューズ端子の間に配置されたヒューズエレメントからなる端子アセンブリ600Aを特徴とし、
図6Bは、2つの取り付けられたエンドベルを有する端子アセンブリ600Bを特徴とし、
図6Cは、底部の第1のエンドベル部分および頂部の第2のエンドベル部分が取り付けられた端子アセンブリ600Cを特徴とする(総称して、「端子アセンブリ600」)。
【0050】
端子アセンブリ600A(
図6A)は、第1の端子604aと第2の端子604b(総称して、「端子604」)との間に配置されたヒューズエレメント608からなる。ヒューズエレメント608は、屈曲または湾曲のない単純な矩形エレメントとして示しているが、様々な形状およびサイズを呈することができ、ヒューズエレメント608の特定の形状またはサイズは、限定を行うことを意図するものではない。一例示的実施形態では、端子604およびヒューズエレメントが、亜鉛、銅、銀、アルミニウム、または、これらの合金もしくは組合せなど、単体の金属性導電材料として形成される。本開示は、この点については限定されない。
【0051】
一例示的実施形態では、端子アセンブリ600は、各端子に近接して配置される凹部を特徴として有する。凹部612aおよび凹部612bが、第1の端子604aの近くで、端子アセンブリ600の対向する側に位置し、同様に、凹部612cおよび凹部612dが、第2の端子604bの近くで、端子アセンブリ600の対向する側に位置する(総称して、「凹部612」)。
図6Cに示すように、エンドベル部分610aが、凹部612bに嵌合する凸部616を含む。例示的実施形態では、凹部612および凸部616が、端子アセンブリ600へのエンドベルの接続を容易にする。凸部616は、下記で
図7Aの説明と併せてより詳細に説明する。
【0052】
図6Bにエンドベル602aおよび602b(総称して、「エンドベル602」)を示す。例示的実施形態では、各エンドベル602は、2つの部分または等しい2つの部分からなる。第1のエンドベル602aは、第1のエンドベル部分610aおよび第2のエンドベル部分610bからなり、第2のエンドベル602bは、第1のエンドベル部分610cおよび第2のエンドベル部分610dからなる(総称して、「エンドベル部分610」)。エンドベル部分610は、凹部612および凸部616の位置で、端子アセンブリ600のそれぞれの表面に係合するように設計される。一例示的実施形態では、エンドベル部分610は、亜鉛合金で形成される。
【0053】
図6Cは、第1のエンドベル602aの第1のエンドベル部分610aおよび第2のエンドベル602bの第2のエンドベル部分610dを示す。一例示的実施形態では、エンドベル部分610a、610b、610c、および610dは、実質的に互いに対して類似し、交換可能である。エンドベル部分610は、凹部612の位置で、端子604の隣に配置される。
図7Aから
図7Bおよび
図8Aから
図8Bの説明と併せて下記でより詳細に説明するが、エンドベル部分610は、第1のエンドベル部分および第2のエンドベル部分(例えば、エンドベル602aの610aおよび610bまたはエンドベル602bの610cおよび610d)が互いに嵌合することを可能にするフィーチャを含む。さらに、凹部612は、エンドベル部分610の配置と、ヒューズアセンブリ500の端子アセンブリ600へのエンドベル部分の連結との両方を容易にする。
【0054】
図6Bおよび
図6Cはエンドベル部分610を示すが、一代替実施形態では、下記で
図8Aおよび
図8Bで図示および説明するように、もう一つの選択肢として、端子アセンブリ600およびヒューズアセンブリ500が、エンドベル部分810に嵌合されてもよい。
【0055】
例示的実施形態では、エンドベル602は、挿入ピンを更に含む(
図6Bおよび
図6C)。第1のエンドベル602aは、挿入ピン614a、614b、および614cを含み、第2のエンドベル602bは、挿入ピン614d、614e、および614fを含む(総称して、「挿入ピン614」)。例示的実施形態では、各エンドベル602は、第4の挿入ピン(図示せず)を更に含む。一実施形態では、挿入ピン614は、金属、または、亜鉛合金などの金属合金で作られる。挿入ピンの数は、多様であり得る。一実施形態では、各エンドベル部分610が、2つの挿入ピン614を含む。一例示的実施形態では、挿入ピン614は、エンドベル602とヒューズボディ506との接続を可能にする(
図5も参照されたい)。挿入ピン614は、下記で
図12の説明と併せてより詳細に説明する。
【0056】
図7Aおよび
図7Bは、例示的実施形態によるエンドベル部分610およびエンドベル部分連結構造700それぞれの代表図である。
図7Aは、エンドベル部分610を示し、
図7Bは、
図5のヒューズアセンブリ500についてのエンドベル部分連結構造700の断面図を示す。各エンドベル部分610は実質的に互いに類似するので、いくつかの実施形態では、エンドベル部分が、端子アセンブリ600の頂部、底部、左側、または右側に配置されているかどうかに関係なく、エンドベル部分の様々なフィーチャも実質的に類似する。
【0057】
各エンドベル部分610は、隆起部718を含むフィーチャ面720と、エンドベル部分の周囲端にある半円面722と、2つの平坦側面724aおよび724b(総称して、「側面724」)とを含む。側面724aは、エンドベルアパーチャ732を示し、これは、エンドベル部分610の両側で視認可能な横断して延びる円筒状のボイドである。2つのエンドベルがヒューズボディに接続されると、エンドベルアパーチャ732は、砂または他の材料でヒューズアセンブリ500を充填するのに使用され、この後、アパーチャは、プラグで両側を封止される(
図5および
図6B)。
【0058】
例示的実施形態では、フィーチャ面720は、突起728を含み、フィーチャ面720の隆起部718は、レセプタクル730を含む。一方のエンドベル部分610のレセプタクル730は、第2のエンドベル部分の突起728を受け入れて、2つのエンドベル部分が嵌合するように設計される。例示的実施形態では、嵌合が発生すると、隆起部718が、フィーチャ面720に対して引き上げられ、これにより、端子アセンブリ600が2つのエンドベル部分610の間に配置される空間がもたらされる。
【0059】
まず
図6Cで紹介すると、隆起部718の凸部616は、フィーチャ面720内に延びる。例示的実施形態では、端子アセンブリ600の凹部612が、エンドベル部分610のそれぞれの凸部616に嵌合し、これにより、端子アセンブリ600へのエンドベル部分の嵌合を成功させることができる。したがって、凹部612および凸部616により、端子アセンブリ600の上面および下面でのエンドベル部分610の位置決めのためのガイドが提供される。当業者は、凹部612および凸部616の形状およびサイズは、多様であり得るが、それでも、エンドベル部分610に所望の嵌合特性をもたらすことを理解するであろう。
【0060】
例示的実施形態では、フィーチャ面720は、フィーチャ面の端部に配置された2つのクラッシュリブ726aおよび726b(総称して、「クラッシュリブ726」)を更に特徴として有する。一例示的実施形態では、2つのエンドベル部分610が互いに係合されると、端子アセンブリ600が2つのエンドベル部分の間に配置された状態で、第1のエンドベル部分(例えば、
図6Bのエンドベル部分610b)のクラッシュリブ726aが、第2のエンドベル部分(例えば、エンドベル部分610a)のクラッシュリブの真上に配置され、これにより、エンドベル部分と端子アセンブリとの間に封が形成される。同様に、一方のエンドベル部分のクラッシュリブ726bは、他のエンドベル部分の第2のクラッシュリブの真上に配置される。例示的実施形態では、凸部616により、端子アセンブリ600上での各エンドベル部分610の配置が容易になる。
【0061】
例示的実施形態では、エンドベル部分610の突起728は、1つまたは複数のリブを更に含む。
図7Aではリブ736aおよび736b(総称して、「リブ736」)を視認可能であるが、図示よりも多くのまたは少ないリブがあってもよい。突起728のリブ736は、組立て中にレセプタクル730内で変形して、2つのエンドベル部分610の相対位置を維持する他の係合フィーチャである。したがって、エンドベル部分610が互いに係合されると、クラッシュリブ726と同様に、リブ736により、それぞれの構成部品を統合することが容易になり、この結果、接着剤の使用なく、エンドベル602間の気密な連結、および、それらの間での封の形成がもたらされる。凹部612および凸部616も同様に、端子アセンブリ600に突き当ててエンドベル部分610を封止するのに役立つ。
【0062】
例示的実施形態では、
図7Bの断面図に示すように、2つのエンドベル部分610が互いに係合され、径方向に互いに対して固定されると、クラッシュリブ726が、端子アセンブリ600に嵌合し、変形する。エンドベル部分610bについての第1のクラッシュリブ726aおよび第2のクラッシュリブ726b、ならびに、エンドベル部分610aについての第3のクラッシュリブ726cおよび第4のおよび726dを示している。端子アセンブリ600は、銅または銅合金から作ることができ、エンドベル部分610の亜鉛または亜鉛合金材料に突き当てて堅く押し付けられるので、これら2つの材料のいくらかの圧縮および/または変形が発生する。任意選択のリブ736によっても、2つのエンドベル部分610の固定連結が容易になる。一例示的実施形態では、端子アセンブリ600にクラッシュリブ726を接続する圧力により、ヒューズアセンブリ500の中身と、外部環境との間に封をなされた覆いが作られる。
【0063】
一例示的実施形態では、エンドベル部分610は、製造中に端子アセンブリ600を囲むように押され、この結果、ヒューズの各端部に同心状の円形エンドベルがもたらされる(
図5および
図6B)。各エンドベル部分610のフィーチャ(突起728およびレセプタクル730)を使用して、2つのエンドベル部分を位置合わせすることが可能であり、各エンドベル部分の凸部616を使用して、端子アセンブリ600上のそれぞれの凹部612の「位置を特定する」。
【0064】
例示的実施形態では、嵌合されると、2つのエンドベル部分610は、接着剤または密封材を使用することなく固定して取り付けられることになる。これにより、エンドベル/端子の表面が規則正しい必要がなくなる。エンドベル部分610のクラッシュリブ726が、端子アセンブリ600に食い込むことで、エンドベル部分および端子アセンブリ双方における材料を変形させる。したがって、エンドベル部分610または端子アセンブリ600の表面が完全に平坦でない場合でも、嵌合界面が、2つの材料の間に堅い封を作ることが可能である。一例示的実施形態では、端子アセンブリ600の表面にクラッシュリブ726を意図的に干渉させて、エンドベル部分610と端子アセンブリとの間に機械的支持および固定接続を提供する。さらに、一例示的実施形態では、端子アセンブリ表面にクラッシュリブ726を接続する圧力により、ヒューズの中身と、外部環境との間に封をなされた覆いが作られる。
【0065】
図8Aおよび
図8Bは、例示的実施形態によるエンドベル部分810の代表図である。
図8Aは、エンドベル部分810の斜視図であり、
図8Bは、その断面図である。エンドベル部分810は、
図5のヒューズアセンブリ500の一部分であってもよい。エンドベル部分810は、隆起部818を伴うフィーチャ面820を特徴として有し、フィーチャ面820は、突起828を含み、隆起部は、レセプタクル830を含む。例示的実施形態では、突起828およびレセプタクル830が、端子アセンブリ600へのエンドベル610の接続を容易にする。また、エンドベル部分810は、凸部816を特徴として有する。凸部816は、端子アセンブリ600の凹部612(
図6C)に嵌合するように設計される。例示的実施形態では、凹部612および凸部816により、端子アセンブリ600にエンドベル部分を接続する際の位置決めガイダンスが容易になる。
【0066】
エンドベル610(
図7Aおよび
図7B)同様に、エンドベル810も、フィーチャ面820の端部に配置された2つのクラッシュリブ826aおよび826b(総称して、「クラッシュリブ826」)を特徴として有する。一例示的実施形態では、2つのエンドベル部分810が圧入などにより互いに係合されると、端子アセンブリ600が2つのエンドベル部分の間に配置された状態で、上のエンドベル部分のクラッシュリブ826aが、下のエンドベル部分のクラッシュリブの真上に配置される。同様に、上のエンドベル部分のクラッシュリブ826bは、下のエンドベル部分の第2のクラッシュリブの真上に配置される。例示的実施形態では、2つのクラッシュリブ826が、凸部816とともに、端子アセンブリ600上での各エンドベル部分810の配置を容易にする。
【0067】
さらに、例示的実施形態では、エンドベル810は、クラッシュリブ826に隣接するトラフを特徴として有する。トラフ844aはクラッシュリブ826aに隣接し、トラフ844bはクラッシュリブ826bに隣接する(総称して、「トラフ844」)。
図8Bの断面図では、クラッシュリブ826は凸部として示され、トラフ844は窪みとして示されている。エンドベル部分810同士が係合されると、クラッシュリブ826が実質的に圧縮および/または変形されることがあり、これにより、圧縮/変形の余剰分の材料を、トラフ844に収めることが可能になる。圧縮/変形の干渉が小さい場合は、その分、余剰分の材料が少なくなることで、トラフ844が使用されないこともある。よって、エンドベル部分810により、ヒューズアセンブリ500の組立てに更なる柔軟性がもたらされる。ヒューズアセンブリ100の嵌合エレメントとは異なり、新規のヒューズアセンブリ500の嵌合エレメントによっても、ヒューズボディへのエンドベルの安定した固定と、組立て中の位置決めガイダンスとの両方がもたらされることで、ヒューズアセンブリの製造が容易になる。
【0068】
図9Aおよび
図9Bは、例示的実施形態によるエンドベル部分連結構造900の代表図である。
図9Aは、エンドベル部分連結構造900の斜視図であり、
図9Bは、その断面図である。第1のエンドベル部分910aと第2のエンドベル部分910b(総称して、「エンドベル部分910」)との間に配置された端子アセンブリ902を示す。
図9Aおよび
図9Bに示すエレメントは、ヒューズアセンブリ500(
図5)の一部分であってもよい。例示的実施形態では、第2のエンドベル部分910bは、示しているフィーチャは少ないが、第1のエンドベル部分910aと実質的に同様である。端子アセンブリ902は、上記の端子アセンブリ200および600といくつかの類似点を有し、エンドベル部分910は、上記のエンドベル部分610および810といくつかの類似点を有する。
【0069】
エンドベル部分910は、突起928とレセプタクル930との両方を特徴として有する。一方のエンドベル部分910の突起928は、第2のエンドベル部分のレセプタクルに収まるように設計される。端子アセンブリ902は、端子アセンブリの対向する端部に配置された凹部912aおよび凹部912b(総称して、「凹部912」)を特徴として有する。底部のエンドベル部分910aは凸部916を示し、エンドベル部分910aと実質的に同様であるエンドベル部分910bも凸部を含む。例示的実施形態では、これらの凸部916は、端子アセンブリ902のそれぞれの凹部912に嵌合するように設計される。2つのエンドベル部分910が互いに係合すると、エンドベル部分910aの凸部916が、凹部912aに収まり、エンドベル部分912bの凹部(図示せず)が、凹部912bに収まる。
【0070】
例示的実施形態では、エンドベル部分910aは、1対のクラッシュリブ926aおよび926b(総称して、「クラッシュリブ926」)を更に含む。各クラッシュリブ926の両側にトラフがある。よって、クラッシュリブ926aは、トラフ944aおよび944bの一方の側に配置され、クラッシュリブ926bは、トラフ944cおよび944dの一方の側に配置される(総称して、「トラフ944」)。エンドベル部分910同士が係合されると、クラッシュリブ926が実質的に圧縮および/または変形されることがあり、これにより、圧縮/変形の余剰分の材料を、クラッシュリブの一方の側、クラッシュリブの第2の側、または、クラッシュリブの両側でトラフ944に収めることが可能になる。圧縮/変形の干渉が小さい場合は、その分、余剰分の材料が少なくなることで、トラフ944のうちの1つまたは複数が使用されないこともある。
【0071】
例示的実施形態では、端子アセンブリ902は、エンドベル部分910のクラッシュリブ926と連結するための嵌合溝を含む。端子アセンブリ902の第1の面では、第1の嵌合溝942aが凹部912の一方の側にあり、第2の嵌合溝942bが凹部の他の側にあり、端子アセンブリの第2の面では、第3の嵌合溝942cが凹部の一方の側にあり、第2の嵌合溝942dが凹部の他の側にある(総称して、「嵌合溝942」)。例示的実施形態では、嵌合溝942同士は、距離dだけ離隔しており、クラッシュリブ926同士も、距離dだけ離隔している。よって、端子アセンブリ902の嵌合溝942は、エンドベル部分910のクラッシュリブ926との嵌合のための受け構造である。
【0072】
端子アセンブリ902は、銅または銅合金から作ることができ、エンドベル部分910の亜鉛または亜鉛合金材料に突き当てて堅く押し付けられるので、これら2つの材料のいくらかの圧縮、および、場合によっては変形が発生する。一例示的実施形態では、端子アセンブリ910のそれぞれの嵌合溝942に突き当ててクラッシュリブ926を接続する圧力により、ヒューズアセンブリの中身と、外部環境との間に封をなされた覆いが作られる。クラッシュリブ926および嵌合溝942により、それぞれの構成部品を統合することが容易になり、この結果、接着剤の使用なく、エンドベル内への気密な連結がもたらされる。凹部912および凸部916も同様に、端子アセンブリ902に突き当ててエンドベル部分910を封止するのに役立つ。
【0073】
例示的実施形態では、エンドベル部分910の凸部916および端子アセンブリ902の凹部912により、ヒューズアセンブリ500の製造中に位置決めガイダンスがもたらされる。端子アセンブリ902に嵌合溝942を加えることで、例示的実施形態では、この位置決めガイダンスが増強されるが、これは、エンドベル部分910のクラッシュリブ926が端子アセンブリ902の嵌合溝を「見つける」ことで、ヒューズアセンブリの製造を容易にすることが可能であるからである。
【0074】
挿入ピンスロット
【0075】
上記のヒューズアセンブリは、ヒューズボディにエンドベルを固定するのに使用される挿入ピンを特徴として有する。従来型のヒューズアセンブリでは、エンドベルとヒューズボディとの両方に円筒孔が削孔される。これらの孔により、ヒューズボディの円筒管内でエンドベルが軸方向について保持される。
【0076】
図10は、先行技術によるヒューズアセンブリの従来式の削孔プロセスの説明図である。この削孔動作は、非常に乱雑になる場合があり、ヒューズアセンブリの内側の汚れの原因になり得、これは、ヒューズエレメントの動作に悪い影響を及ぼすことがある。例えば、削孔動作に由来する導電材料が、ヒューズアセンブリの内側に残ると、障害状態に起因してヒューズエレメントが破断しても、2つの端子間に電流を流し得る。よって、削孔動作に由来する材料は、ヒューズを設計の通りに機能させなくすることがある。
【0077】
ヒューズの対向する端部にエンドベルを保持するために、ヒューズボディを貫通して、エンドベル内へと指定された深さで径方向に孔を削孔する。次いで、孔に金属ピンを挿入して、エンドベルを適所で強固に保持する。ほとんどのヒューズボディの材料への削孔は、高速で、効率が良いものであり、容易にはドリルビットの切れ味を悪くするものではない。エンドベル部分に非貫通孔を削孔するのは危険であるが、これは、ドリル孔が正しい位置にあるかどうかが不確実になるからである。さらに、亜鉛への非貫通孔の削孔は、困難であり、時間がかかり、急速にドリルビットの切れ味を悪くし、高い規則性を有するドリルビットを損傷させ、これは、大量生産について支障を与える。亜鉛または亜鉛合金から作られるので、いくつかの実施形態では、エンドベル部分210、610、または910に孔を削孔することには問題がある。
【0078】
削孔の代わりに、インジェクションモールディングなどのモールディング動作を使用してエンドベル部分を作ることもできる。コアおよびキャビティが、エンドベル部分にその最終形状を与える、モールドツールのいずれかの片割れ内に形作られた部分である。このようにして、挿入ピンに使用される円筒孔をモールドすることが可能である。
【0079】
しかし、円筒孔のためにモールディング動作を使用することには欠点があり得る。
図11Aは、例示的実施形態による、円筒孔を有するエンドベル部分の代表図である。エンドベル部分1100は、ヒューズアセンブリ100のエンドベル部分210またはヒューズアセンブリ500のエンドベル部分610もしくは910と同様であってもよい。エンドベル部分1100の周囲端で径方向に配置されることで、径方向のキャビティを形成する2つの円筒孔1104aおよび1104bを示す(総称して、「孔1104」)。
【0080】
上向きの鉛直矢印は、モールディング動作のツールキャビティの引きを示し、下向きの鉛直矢印は、ツールコアの引きを示す。斜め方向の矢印は、孔1104のためのツーリングスライドを示す。不利なことに、孔1104のツーリング中に、パーティングライン1106aおよび1106bによりもたらされる途中で遮られた表面プロファイルにより、均一な組立てについてのリスクがヒューズボディに与えられる。
【0081】
ダイキャスト/モールドされた孔を加えるには(スロットとは対称的に)、ツールに追加のスライド動作を加えることが必要であり、これにより、追加のパーティングラインに起因して不均一な面が作られる。これはエンドベル外部とボディ内部との嵌合面であるので、エンドベルのためには均一な面が好まれる。よって、
図11Aは、非効率なツーリングレイアウトを示している。斜め方向の線は、ツールの引き方向と整合していないツーリング「スライド」を示し、これにより、最終的に得られるパーツに対して、コストと、追加のパーティングラインとの両方がもたらされる。
【0082】
こうする代わりに、例示的実施形態では、モールディング動作において、円筒孔ではなくスロットを有してエンドベルが形成される。これらのスロットは、特に、モールディングツールでの側方向の動きの必要をなくし、途中で遮られない滑らかなエンドベル面を維持するように設計される。
【0083】
図11Bは、例示的実施形態によるスロットを有するエンドベル部分1150の代表図である。削孔ではなくモールディング動作を使用することにより、エンドベル部分1150の周囲端(例えば、半円面)に2つのスロット1112aおよび1112bを径方向に形成して、径方向のキャビティを形成する(総称して、「スロット1112」)。やはり、上向きの鉛直矢印は、ツールキャビティの引きを示し、下向きの鉛直矢印は、ツールコアの引きを示す。孔1012とは異なり、スロット1112は、ツールキャビティからの一直線の引き方向を可能にする。いくつかの実施形態では、加えられるスロットは、特に、モールディングツールでの側方向の動きを加える必要をなくし、途中で遮られない滑らかなエンドベル面を維持するように設計される。例示的実施形態では、ヒューズボディ106(
図1)およびヒューズボディ506(
図5)などのヒューズを作り上げる非導電材料も、孔をヒューズボディのコアおよびキャビティの一部分として、モールディングプロセスを使用して作られるので、ヒューズボディに孔を削孔する必要がなくなる。
【0084】
スロット1112a内にパーティングライン1114aおよび1114bが示され、スロット1112b内にパーティングライン1114cおよび1114dが示されている(総称して、「パーティングライン1114」)。
図11Aのパーティングライン1106とは対照的に、エンドベル1110のパーティングライン1114は、エンドベルの表面には影響せず、組立て中に挿入ピンを受け入れることとなるスロット自体のみに影響する。よって、いくつかの実施形態では、
図11Bの代替的モールディング動作により、途中での遮りが最小に抑えられた均一な表面プロファイルが確実になることで、ヒューズボディの組立てが改善される。したがって、例示的実施形態では、
図11Bは、
図11Aのものと比較して改善されたツーリングレイアウトを示す。円筒孔ではなくスロットを使用することで、スロットが、ツールのその他の部分と同じ引き方向を用いたツーリングで作られる。
【0085】
ヒューズアセンブリ1200
【0086】
図12は、例示的実施形態による、プレモールドされた位置合わせスロットを伴うエンドベルを特徴として有するヒューズアセンブリ1200の代表的な分解斜視図である。ヒューズボディ1206と、単一のエンドベル1202の断面とを示す。エンドベル1202は、ヒューズアセンブリ100のエンドベル102およびヒューズアセンブリ500のエンドベル502などの2部分のエンドベルであってもよい。ヒューズボディ1206の両端のヒューズ端子1204aおよび1204bを示す。
【0087】
ヒューズボディ1206は、エンドベル1202の断面に示したヒューズボディ孔1216a、1216b、1216c、および1216d、ならびに、ヒューズボディの反対側に示した、第2のエンドベル(図示せず)を固定するためのヒューズボディ孔1216eを含む(総称して、「ヒューズボディ孔1216」)。
【0088】
例示的実施形態では、予め定められたサイズおよび向きのダイキャスト/モールドされたスロットが各エンドベル1202に位置することで、削孔の必要がなくなる。エンドベル1202の周囲面に、
図11Bに示すものなどの位置合わせスロット1212a、1212b、1212cおよび1212dがプレモールドされる(総称して、「位置合わせスロット1212」または「スロット1212」)。いくつかの実施形態では、断面図は、スロット1212がいくらかの台形形状を呈する様を示し、エンドベル1202の周囲面近くのスロット頂部が、底部よりも広くなっている。いくつかの実施形態では、位置合わせスロット1212b内に視認可能なスロット底部1218は円形であるが、断面図では半円として示している。
【0089】
エンドベル1202を固定するための挿入ピン1214a、1214b、および1214d、ならびに、不図示の第2のエンドベルを固定するための挿入ピン1214e、1214f、および1214g(総称して、「挿入ピン1214」)も特徴としてヒューズアセンブリ1200に設けられる。エンドベル1202および視認できないエンドベルについて、ヒューズボディ孔1216cおよびスロット1212cに視認できない挿入ピン1214を挿入可能であると想定される。一実施形態では、挿入ピン1214は、金属、または、ステンレス鋼などの金属合金材料で作られる。一例示的実施形態では、各エンドベルを固定するために4つの挿入ピン1214が使用されるが、挿入ピンの数は、多様であり得る。
【0090】
ヒューズボディ孔1216およびスロット1212はともに、挿入ピン1214を受け入れて、エンドベル1202および視認できないエンドベルをヒューズボディ1206に固定する。プレキャスト/プレモールドされた位置合わせスロット1212により、ツーリングの複雑さを加えることなく、ヒューズエンドベルに削孔を行う必要がなくなることでヒューズ製造プロセスが著しく簡略化される。エンドベル1202のスロット1212(円筒孔ではない)を使用することで、エンドベルのツーリングを、単純なコア/キャビティのブロックを伴う基本的なもののままにすることが可能になるので、ツーリングにおける、コストのかかる側方向の動きの特徴が避けられる。よって、いくつかの実施形態では、スロットの使用により、ツーリングコストおよび部品サイクルタイムへの影響が最小限に抑えられる。さらに、プレキャスト/プレモールドされたエンドベルスロットを有することで、組立ての前に、単独でヒューズボディに削孔することが可能になる。
【0091】
さらに、例示的実施形態では、プレキャスト/プレモールドされた位置合わせスロット1212の存在により、エンドベルの削孔に起因してヒューズの機能領域に金属微粒子が入るリスクがなくなる。例示的実施形態では、
図12のエンドベルスロットの設計により、ピン挿入の位置合わせがガイドされ、かつ、ヒューズボディに孔を削孔する行為を、その他の組立てとは別にいつでも行うことが可能になる。
【0092】
本明細書では、単数形および「a」または「an」といった単語で始まるエレメントまたは段階は、例外が明確に記載されない限り、複数のエレメントまたは段階を除外しないことを理解されたい。さらに、本開示の「一実施形態」と言った場合、記載された特徴をやはり組み込んだ更なる実施形態の存在を除外するものと解釈されることは意図されない。
【0093】
本開示は特定の実施形態を言及しているが、添付の特許請求の範囲で規定される本開示の外延および範囲から逸脱することのない、記載された実施形態に対する非常に多くの修正形態、代替形態、および変更形態が考えられる。したがって、本開示は説明された実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲の文言により規定される全範囲およびその均等物を有することが意図される。
【外国語明細書】