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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173095
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】フラップラベル
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
B65D77/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072584
(22)【出願日】2022-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2021079139
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】巽 衣理奈
(72)【発明者】
【氏名】出水 敏博
(72)【発明者】
【氏名】鹿倉 善和
(72)【発明者】
【氏名】土井 来希
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA12
3E067AB77
3E067AC03
3E067AC14
3E067BA12A
3E067BB01A
3E067BB14A
3E067BB16A
3E067BB25A
3E067BC07A
3E067EA05
3E067EA07
3E067EA12
3E067EB02
3E067EB11
3E067EB17
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】蓋部分を開けた状態としたときに、外部からの支えがなくても蓋部分が開いた状態を維持することができるフラップラベルを提供する。
【解決手段】フラップラベル101は、互いに表裏をなす第1面11および第2面12を有し、第1面11側が谷となる折り目を有するフラップラベルであって、第1領域41、第2領域42および第3領域43を有し、第1領域41では、第1面11の少なくとも一部に第1粘着層が露出しており、第3領域43では、第1面11の少なくとも一部に第2粘着層が露出しており、前記第1粘着層の粘着強度は、第2領域42の粘着強度より強く、前記第2粘着層の粘着強度は、第2領域42の粘着強度より強く、折り目2は、第2領域42を横切っており、第2領域42と第3領域43との境界線52は、途中に前記第1領域に向かって突出する部分を含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに表裏をなす第1面および第2面を有し、前記第1面側が谷となる折り目を有するフラップラベルであって、
第1領域、第2領域および第3領域を、この順に並ぶように有し、
前記第1領域では、前記第1面の少なくとも一部に第1粘着層が露出しており、
前記第3領域では、前記第1面の少なくとも一部に第2粘着層が露出しており、
前記第1粘着層の粘着強度は、前記第2領域の粘着強度より強く、
前記第2粘着層の粘着強度は、前記第2領域の粘着強度より強く、
前記折り目は、前記第1領域と前記第2領域との境界線に重なるか、または、前記第2領域を横切っているかであり、
前記第2領域と前記第3領域との境界線は、途中に前記第1領域に向かって突出する部分を含む、フラップラベル。
【請求項2】
前記第2領域と前記第3領域との境界線は、互いに対称に配置された第1線部および第2線部を含み、前記第1線部および前記第2線部の各々は、前記境界線の端から中央に向かうにつれて前記第1領域に近づくように傾斜している、請求項1に記載のフラップラベル。
【請求項3】
前記第2領域と前記第3領域との境界線は、前記第1線部および前記第2線部に比べて前記第1領域に向かって突出する部分を含む、請求項2に記載のフラップラベル。
【請求項4】
前記第2領域と前記第3領域との境界線は、前記折り目に接するか、または、前記折り目に交差する部分を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のフラップラベル。
【請求項5】
上基材および下基材を含み、前記第2面には前記上基材が露出しており、前記第1領域および前記第2領域では、前記上基材、第2粘着層、前記下基材および第1粘着層の少なくとも4層構造となっており、前記第3領域では、前記上基材および前記第2粘着層の少なくとも2層構造となっている、請求項1または2に記載のフラップラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラップラベルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウェットシートなどを収容する容器において、繰り返し開閉可能な蓋を設けるための手段として、フラップラベルが知られている。その例は、たとえば、特表2001-525300号公報(特許文献1)、特開2002-104550号公報(特許文献2)、特開2007-119046号公報(特許文献3)、特開2014-213910号公報(特許文献4)などに記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2001-525300号公報
【特許文献2】特開2002-104550号公報
【特許文献3】特開2007-119046号公報
【特許文献4】特開2014-213910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フラップラベルの蓋部分を開けて容器の内容物を取り出そうとした際に、開けている蓋部分は、蓋部分が有する弾性力によって閉まろうとする。これを防ぐために、一方の手で蓋部分を開けて支え、その間に、もう一方の手で容器の開口部から内容物を取り出すという行為が行なわれる。しかし、たとえば片手しか使えない場合など、開けている蓋部分がひとりでに閉まることによって取出し作業が妨げられる場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、蓋部分を開けた状態としたときに、外部からの支えがなくても蓋部分が開いた状態を維持することができるフラップラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に基づくフラップラベルは、互いに表裏をなす第1面および第2面を有し、上記第1面側が谷となる折り目を有するフラップラベルであって、第1領域、第2領域および第3領域を、この順に並ぶように有し、上記第1領域では、上記第1面の少なくとも一部に第1粘着層が露出しており、上記第3領域では、上記第1面の少なくとも一部に第2粘着層が露出しており、上記第1粘着層の粘着強度は、上記第2領域の粘着強度より強く、上記第2粘着層の粘着強度は、上記第2領域の粘着強度より強く、上記折り目は、上記第1領域と上記第2領域との境界線に重なるか、または、上記第2領域を横切っているかであり、上記第2領域と上記第3領域との境界線は、途中に上記第1領域に向かって突出する部分を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、蓋部分を開けた状態としたときに、外部からの支えがなくても蓋部分が開いた状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルの平面図である。
図2図1におけるII-II線に関する矢視断面図である。
図3】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルを使用して得られた製品の斜視図である。
図4】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルの使用前の状態の一例の断面図である。
図5】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルの蓋部分を開ける途中の様子の説明図である。
図6】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルの蓋部分が自立している状態を第1の向きから見た斜視図である。
図7】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルの蓋部分が自立している状態を第2の向きから見た斜視図である。
図8】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルの蓋部分が自立している状態の平面図である。
図9】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルの蓋部分が自立している状態の側面図である。
図10】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルの第1の変形例の平面図である。
図11】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルの第2の変形例の平面図である。
図12】本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルの第3の変形例の平面図である。
図13】本発明に基づく実施の形態2におけるフラップラベルの平面図である。
図14】本発明に基づく実施の形態2におけるフラップラベルの変形例の平面図である。
図15】本発明に基づく実施の形態3におけるフラップラベルの平面図である。
図16】本発明に基づく実施の形態4におけるフラップラベルの平面図である。
図17】本発明に基づく実施の形態4におけるフラップラベルの変形例の平面図である。
図18】つまみ部の変形例を含むフラップラベルの部分平面図である。
図19】本発明に基づく実施の形態5におけるフラップラベルの平面図である。
図20】本発明に基づく実施の形態5におけるフラップラベルの蓋部分を開ける途中の様子の説明図である。
図21】本発明に基づく実施の形態5におけるフラップラベルの第1の変形例の平面図である。
図22】本発明に基づく実施の形態5におけるフラップラベルの第2の変形例の平面図である。
図23】本発明に基づく実施の形態6におけるフラップラベルの平面図である。
図24】本発明に基づく実施の形態7におけるフラップラベルの平面図である。
図25図24におけるXXV-XXV線に関する矢視断面図である。
図26】本発明に基づく実施の形態7におけるフラップラベルを使用して得られた製品の斜視図である。
図27】本発明に基づく実施の形態7におけるフラップラベルの蓋部分を開ける途中の様子の説明図である。
図28】本発明に基づく実施の形態7におけるフラップラベルの蓋部分が自立している状態の斜視図である。
図29】本発明に基づく実施の形態8におけるフラップラベルの一部であるフラップラベル要素の平面図である。
図30】本発明に基づく実施の形態8におけるフラップラベルの一部である残留部の平面図である。
図31】本発明に基づく実施の形態8におけるフラップラベルの一部であるフラップラベル要素の断面図である。
図32】本発明に基づく実施の形態8におけるフラップラベルの一部である残留部の断面図である。
図33】本発明に基づく実施の形態8におけるフラップラベルのフラップラベル要素と残留部とを組み合わせた状態での断面図である。
図34】本発明に基づく実施の形態8におけるフラップラベルを使用して得られた製品の斜視図である。
図35】本発明に基づく実施の形態8におけるフラップラベルの蓋部分を開ける途中の様子の説明図である。
図36】本発明に基づく実施の形態8におけるフラップラベルの蓋部分が自立している状態の斜視図である。
図37】本発明に基づく実施の形態8におけるフラップラベルの蓋部分としての第1領域41を開けた状態の模式的な断面図である。
図38】本発明に基づく実施の形態7におけるフラップラベルの境界線のV字形状部分の好ましい角度を説明するための部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
(構成)
図1図4を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるフラップラベルについて説明する。まず、本実施の形態におけるフラップラベル101の平面図を図1に示す。フラップラベル101は、たとえば樹脂シートなどを主に用いて作製されるものである。図1におけるII-II線に関する矢視断面図を図2に示す。フラップラベル101が使用されている状態の一例を図3に示す。図3では、製品501が示されている。製品501は、袋体20と、フラップラベル101とを含む。袋体20は、天面23と、前面24と、背面25とを有する。袋体20は、端部21,22を備える。フラップラベル101は、袋体20の天面23と背面25とにまたがるように貼り付けられている。図3に示した製品501は、未開封の状態である。
【0010】
図1に示すように、フラップラベル101は、互いに表裏をなす第1面11および第2面12を有する。フラップラベル101は、第1面11側が谷となる折り目2を有する。図1では、折り目2において折る前の状態を示しているが、折り目2は、第1面11側が谷となって第2面12側が山となるように折るために用意されたものである。ここで示す例では、折り目2には、折れやすいようにミシン目が入れられている。ただし、折り目2は、ミシン目が入っているとは限らず、他の方法によって折れやすい状態が実現されていてもよい。たとえば折れ癖を有する他のシートがこの部分に貼り付けられていてもよい。
【0011】
フラップラベル101は、第1領域41、第2領域42および第3領域43を、この順に並ぶように有する。すなわち、第2領域42は、第1領域41と第3領域43とによって挟まれるように配置されている。第1領域41と第2領域42との間には、境界線51が存在する。図1に示す例では、境界線51は直線となっているが、これはあくまで一例である。境界線51は、直線以外であってもよい。第1領域42と第2領域43との間には、境界線52が存在する。ここで示す例では、境界線52は、折れ線形状となっている。境界線52は、第1線部71と第2線部72とを含む。第1線部71と第2線部72とは、対称となっている。さらに境界線52は、第1線部71と第2線部72との間に、第1領域41に向かって突出する部分75を含む。部分75は、ここでは一例としてV字形状となっている。
【0012】
第2領域42は、部分42aと部分42bとを含む。部分42aと部分42bとは、折り目2によって区別されている。部分42aは、袋体20の天面23に貼り付けられる部分である。部分42bは、袋体20の背面25に貼り付けられる部分である。
【0013】
図2に示すように、フラップラベル101は、上基材3と、下基材4とを含む。上基材3の材料は、たとえばポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)または紙であってよい。上基材3の厚みは、たとえば20μm以上120μm以下であってよい。上基材3の厚みは、たとえば20μm、40μm、50μmであってよい。下基材4の材料は、たとえばポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)または紙であってよい。下基材4の厚みは、たとえば50μm以上150μm以下であってよい。下基材4の厚みは、たとえば100μm、75μm、50μmなどであってよい。ここで挙げた材料の種類および厚みは、あくまで例示であって、ここに挙げた以外のものであってもよい。ここでいう「紙」とは、たとえばアート紙、コート紙、ポリラミ紙のいずれかであってもよい。
【0014】
図2に示すように、第1領域41では、第1面11側の少なくとも一部に第1粘着層61が露出している。第3領域43では、第1面11側の少なくとも一部に第2粘着層62が露出している。第2領域42では、第1面11側には、粘着層65が露出している。ここでは、一例として第2領域42に粘着層65があるが、粘着層65はあってもなくてもよい。
【0015】
第1粘着層61の粘着強度は、第2領域42の粘着強度より強い。第2粘着層62の粘着強度は、第2領域42の粘着強度より強い。ここでは、粘着強度を比較しているが、これは必ずしも第2領域42にも粘着層があることを意図するものではない。粘着強度を比較する際に、第2領域42に粘着層がない場合には、第2領域42の粘着強度は0であるものとして比較すればよい。第2領域42に粘着層65がある場合には、粘着層65の粘着強度が比較対象となる。粘着層65は、たとえば第1粘着層61と同じものを形成した後に、この層に対して粘着力を低下させる何らかの処理を施したものであってもよい。あるいは、粘着層65は、第1粘着層61と異なる種類の粘着剤を塗布したものであってもよい。
【0016】
第1粘着層61の粘着強度と第2粘着層62の粘着強度とは、等しくてもよく、異なっていてもよい。第1領域41は、蓋部分である。すなわち、第1粘着層61は袋体20に対して繰り返し着脱するためのものである。第2粘着層62は袋体20に常時貼り付いたままの状態とされる第3領域43のためのものである。したがって、第1粘着層61の粘着強度よりも第2粘着層62の粘着強度の方が強いことが好ましい。製品501の開封時にユーザが第1領域41を袋体20から剥がした勢いで第3領域43まで袋体20から剥がれてしまうことを避けるためには、第2粘着層62の粘着強度が十分に強いことが好ましい。
【0017】
図1で「2」の引出線が付されている破線は、折り目2の少なくとも一部に設けられたミシン目を表している。図1に示すように、折り目2は、途中にミシン目がない区間を含んでいてもよい。途中のミシン目がない区間においても折り目2は続いている。ここでは、図2に示したように、折り目2に施されたミシン目によって、下基材4には切込みが入っているが上基材3には切込みが入っていない。したがって、下基材4が除去されている第3領域43においてはミシン目は存在しない。
【0018】
折り目2は、図1において部分75より左側にある区間と、部分75より右側にある区間とを含む。すなわち、折り目2は「2つの区間」を含む。
【0019】
折り目2は、第1領域41と第2領域42との境界線51に重なるか、または、第2領域42を横切っているかである。図1に示す例では、折り目2は、第2領域42を横切っている。折り目2が第2領域42を横切っているという場合は、折り目2の全体が第2領域42の内部にあるとは限らず、図1に示すように、折り目2の一部が第2領域42以外の領域を通っていてもよい。
【0020】
図1に示す例では、第2領域42と第3領域43との境界線52は、折り目2に交差する部分を含む。これはあくまで一例である。境界線52は、途中に第1領域41に向かって突出する部分を含む。「途中に…に向かって突出する部分を含む」は、以下のような広い意味である。図1における部分75のように第1領域41に向かって局所的に突出している部分がある構成は、「途中に第1領域41に向かって突出する部分を含む」に当然該当する。さらに、局所的な突出部分がなくても、境界線52が逆V字形状、湾曲形状などを有することによって、境界線52の両端に比べて途中のいずれかの箇所が第1領域41に近づいているような構成も「途中に第1領域41に向かって突出する部分を含む」に該当する。
【0021】
フラップラベル101は、つまみ部1を備える。ここでは、第1領域41の一部がつまみ部1となっているが、これはあくまで一例である。つまみ部1は、第1領域41の外に設けられていてもよい。図2に示すように、つまみ部1においては、第1面11側には、第1粘着層61の代わりに粘着層66が設けられている。粘着層66の粘着強度は、第1粘着層61の粘着強度に比べて弱いものである。粘着層66は、たとえば第1粘着層61と同じものを形成した後に、この層に対して粘着力を低下させる何らかの処理を施したものであってもよい。あるいは、粘着層66は、第1粘着層61と異なる種類の粘着剤を塗布したものであってもよい。あるいは、粘着層66を設けず、つまみ部1には、第1面11側に何も粘着層がない状態としてもよい。
【0022】
図2では、フラップラベル101の断面図を示したが、このようなものを得るためには、図4に示すように、未使用のフラップラベル101は、部分5が付けられた構成で供給されてもよい。この場合、ユーザは、部分5をフラップラベル101から剥離させた後に、フラップラベル101を袋体20に貼り付ければよい。こうして、製品501を得ることができる。
【0023】
(作用・効果)
本実施の形態では、上述の構成を備えているので、蓋部分を開けた状態としたときに、外部からの支えがなくても蓋部分が開いた状態を維持することができる。
【0024】
この作用について、以下、具体的に説明する。まず、フラップラベル101の蓋部分としての第1領域41を開ける途中の様子を、図5に示す。図5では、図3とは異なる側から製品501を見ている。蓋部分を開けるためには、ユーザは、つまみ部1を持って矢印91の向きに引っ張ればよい。図5では、袋体20の開口部26が露出している。袋体20の一部であった部分27は、袋体20の天面23から分離して、第1領域41と共に持ち上がっている。部分27は第1領域41に付着している。
【0025】
蓋部分としての第1領域41が全て天面23から剥がれた後、さらに第2領域42の部分42aも天面23から剥がれる。第1領域41が天面23に対してなす角度が90°を越えてある程度開いたところで、つまみ部1を引っ張っている手を離すと、図6に示す状態となる。すなわち、第1領域41および第2領域42が反り返って自立した状態となる。この状態で、異なる向きから見たところを、図7に示す。この状態を真上から見たところを図8に示す。図7における矢印92の向きに見たところを図9に示す。この状態では、外部からの支えがなくても蓋部分が開いた状態を維持することができている。
【0026】
この状態では、第1領域41および第2領域42が袋体20から剥がれた状態となり、かつ、このとき、第3領域43は、袋体20の背面25に貼り付いた状態を維持している。この状態では、折り目2の上述した2つの区間がそれぞれ直線状態を維持している。この状態では、図6図8に示されるように、折り目2の2つの区間は一直線上にあるのではなく、中心角が大きなV字形状をなしている。折り目2の2つの区間の延在する方向は、蓋部分が自立する方向に交差している。折り目2の2つの区間は、第1領域41および第2領域42の姿勢を維持するための骨の役割を果たしている。
【0027】
図9に示すように、第1領域41が天面23に対してなす角度は既に90°より大きくなっている。第1領域41の自重に基づく重力は、図9において矢印93の向きに作用するので、第1領域41は、天面23に向かって倒れることなく、自立した状態を維持することができる。蓋部分がこのように自立するとき、蓋部分が天面23に対してなす角度がどの程度の大きさで安定するかは、フラップラベルの材料の厚みなどに依存する。
【0028】
本実施の形態で示したように、第2領域42と第3領域43との境界線52は、互いに対称に配置された第1線部71および第2線部72を含み、第1線部71および第2線部72の各々は、境界線52の端から中央に向かうにつれて第1領域41に近づくように傾斜していることが好ましい。この構成を採用することにより、中心から離れた位置ほど第2領域42の上下方向の寸法が大きくなるので、蓋部分を開いたときに、中心から離れた位置ほど第2領域42が背面25から後方に大きく離れることができる。したがって、第2領域42が大きく反り返ることができて、蓋部分は安定して自立することができる。
【0029】
本実施の形態で示したように、第2領域42と第3領域43との境界線52は、第1線部71および第2線部72に比べて第1領域41に向かって突出する部分75を含むことが好ましい。この構成を採用することにより、蓋部分は安定して自立することができる。
【0030】
本実施の形態で示した例では、第3領域43の一部が折り目2を越えて第1領域41に向かって突出していることにより、図3に示されるように、第3領域43の一部が袋体20の天面23に重なっている。このように、第3領域43の一部が袋体20の天面23に重なっていることは好ましい。あるいは、第3領域43の一部が袋体20の天面23にたとえ重なっていなくても、第3領域43の一部が袋体20の天面23に接している構成であることも好ましい。言い換えれば、第2領域42と第3領域43との境界線52は、折り目2に接するか、または、折り目2に交差する部分を含むことが好ましい。この構成を採用することにより、蓋部分は安定して自立することができる。
【0031】
なお、第3領域43の一部が袋体20の天面23に重なっているか接していることは、必須ではない。たとえば第3領域43の上端が折り目2より低い位置にあってもよい。すなわち、第3領域43の上端が天面23に到達することなく背面25に位置してもよい。言い換えれば、第2領域42と第3領域43との境界線52は、折り目2に接していなくてもよい。
【0032】
本実施の形態で示したように、上基材3および下基材4を含み、第2面12には上基材3が露出しており、第1領域41および第2領域42では、上基材3、第2粘着層62、下基材4および第1粘着層61の少なくとも4層構造となっており、第3領域43では、上基材3および第2粘着層62の少なくとも2層構造となっていることが好ましい。この構成を採用することにより、フラップラベルを製造しやすく、フラップラベルの使用時の取扱いも容易となるので、好ましい。
【0033】
このように、第1粘着層61と第2粘着層62とを別の高さに位置する層として用意しておいて、一方の層を覆っていた部材を剥離することによって、第1領域41には第1粘着層61が露出し、第3領域43には第2粘着層62が露出する構成を得てもよい。あるいは、これとは異なる考え方として、たとえば、同一層の同じ面において第1領域41と第3領域43とで異なる粘着剤をそれぞれ塗布した構成であってもよい。あるいは、同一種類の粘着剤を第1領域41および第3領域43に塗布しておいて、第1領域41においては粘着剤の粘着強度を低下させる処理を施した構成であってもよい。
【0034】
(いくつかの変形例)
なお、実施の形態1では、第2領域42と第3領域43との境界線52が折り目2に交差する部分を含む例を示し、境界線52の中でも特に突出する部分75が折り目2と交差している例を示した。しかし、これ以外に、たとえば図10に示すフラップラベル102のようなものも考えられる。フラップラベル102では、境界線52は、突出する部分75iを含む。部分75iはV字形状となっているが、実施の形態1で示した部分75に比べて中心角が異なる。フラップラベル102では、折り目2は部分75iの下端に接している。すなわち、第1線部71および第2線部72と、部分75iとの境目を通るように、折り目2が配置されている。このような構成であっても同様の効果を得ることができる。
【0035】
さらに、突出する部分の形状は、他にも考えられる。たとえば図11に示すフラップラベル103においては、境界線52は、部分75jを含む。部分75jは、曲線状となっている。部分75jは、円弧であってもよく、他の曲線であってもよい。フラップラベル103では、折り目2は部分75jの下端に接している。折り目2は、部分75jに交差するように配置されていてもよい。
【0036】
図12に示すフラップラベル104においては、境界線52は、部分75kを含む。部分75jは、2回直角に折れ曲がっている。したがって、部分75kに囲まれた部分は長方形となっている。フラップラベル104では、折り目2は部分75kの下端に接している。折り目2は、部分75kに交差するように配置されていてもよい。
【0037】
(実施の形態2)
(構成)
図13を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるフラップラベルについて説明する。本実施の形態におけるフラップラベル105の平面図を図13に示す。フラップラベル105の構成も、基本的には、実施の形態1で説明したものと同様であるが、以下の点で異なる。
【0038】
フラップラベル105においては、境界線52は、第1線部71と第2線部72とを含んでいるが、これらから突出する部分を含んでいない。境界線52は、全体としてV字形状となっている。折り目2は、境界線52に交差している。
【0039】
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0040】
なお、フラップラベル105の変形例として図14に示すフラップラベル106のようなものも考えられる。フラップラベル106においても、境界線52は、第1線部71と第2線部72とを含んでいるが、これらから突出する部分を含んでいない。フラップラベル106においては、折り目2は、境界線52に接するように配置されている。折り目2は、境界線52に交差していない。このような構成のフラップラベル106においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
(実施の形態3)
(構成)
図15を参照して、本発明に基づく実施の形態3におけるフラップラベルについて説明する。本実施の形態におけるフラップラベル107の平面図を図15に示す。フラップラベル107の構成も、基本的には、実施の形態2で変形例として説明したフラップラベル106と同様であるが、以下の点で異なる。
【0042】
フラップラベル107においては、境界線52は、第1線部71rと第2線部72rとを含む。第1線部71rおよび第2線部72rは、曲線である。境界線52は、全体として湾曲した形状を有する。
【0043】
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。フラップラベル107においては、境界線52は、第1線部71rおよび第2線部72rから突出する部分を含んでいないが、突出する部分を含んでいてもよい。フラップラベル107においては、境界線52は、折り目2に接しているのみであって交差していないが、折り目2に交差していてもよい。
【0044】
(実施の形態4)
(構成)
図16を参照して、本発明に基づく実施の形態4におけるフラップラベルについて説明する。本実施の形態におけるフラップラベル108の平面図を図16に示す。フラップラベル108の構成も、基本的には、実施の形態1で説明したフラップラベル101と同様であるが、以下の点で異なる。
【0045】
フラップラベル108においては、境界線52に含まれる第1線部71および第2線部72は、一直線上に配置されている。第1線部71および第2線部72は、境界線51と平行となっている。境界線52は、突出する部分75を含む。部分75は、折り目2と交差している。
【0046】
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0047】
なお、フラップラベル108の変形例として、図17に示すフラップラベル109のようなものも考えられる。フラップラベル109においては、境界線52は、折り目2と交差せず、折り目2に接している。境界線52に含まれる突出する部分75の上端が折り目2に接している。
【0048】
(つまみ部)
つまみ部1の形状について説明する。これは、全ての実施の形態に共通してあてはまることである。
【0049】
つまみ部1は、第1領域41の一部であってもよく、第1領域41とは別に設けられていてもよい。つまみ部1は、第1領域41をなす部分から何らかの形状で突出するように設けられていてもよい。つまみ部1として突出する形状は、たとえば台形、半円形、三角形などであってもよい。蓋部分の外形線は曲線となっていてもよい。蓋部分は、たとえば図18に示すような構成であってもよい。
【0050】
(実施の形態5)
(構成)
図19図20を参照して、本発明に基づく実施の形態5におけるフラップラベルについて説明する。本実施の形態におけるフラップラベル110の平面図を図19に示す。フラップラベル110の構成も、基本的には、実施の形態1で説明したフラップラベル101と同様であるが、以下の点で異なる。
【0051】
フラップラベル110は、周縁部44を備える。周縁部44は、第1領域41および第2領域42を図19における上および左右から取り囲むように配置されている。周縁部44は、第3領域43とつながっている。
【0052】
フラップラベル110の使用例を図20に示す。この例では、フラップラベル110が袋体20に貼り付けられており、第1領域41が蓋部分の役割を果たしている。図20では、フラップラベル110の蓋部分を開ける途中の様子を示している。蓋部分を剥がして開ける際には、周縁部44は、袋体20の天面23に貼り付いた状態が維持される。周縁部44を天面23に残して第1領域41および第2領域42が引き起こされる。
【0053】
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0054】
なお、フラップラベル110の第1の変形例として図21に示すフラップラベル111のようなものも考えられる。フラップラベル111においては、周縁部44は、第1領域41の図中上側にはなく、第1領域41および第2領域42の左右に沿うように配置されている。
【0055】
フラップラベル110の第2の変形例として図22に示すフラップラベル112のようなものも考えられる。フラップラベル112においては、周縁部44は、第1領域41および第2領域42を図22における上および左右から取り囲むように配置されているが、つまみ部1が周縁部44を横切るように配置されていることによって周縁部44は途切れている。つまみ部1の端はフラップラベル112の外形線に到達している。
【0056】
これらの変形例によっても、実施の形態5におけるフラップラベル110と同様の効果を得ることができる。
【0057】
(実施の形態6)
(構成)
図23を参照して、本発明に基づく実施の形態6におけるフラップラベルについて説明する。本実施の形態におけるフラップラベル113の平面図を図23に示す。フラップラベル113の構成も、基本的には、実施の形態1で説明したものと同様であるが、以下の点で異なる。
【0058】
フラップラベル113においては、折り目2の両端に相当する位置に、それぞれ切欠き45が設けられている。図23に示す例では、切欠き45は半円形であるが、これはあくまで一例である。切欠きは他の形状であってもよい。切欠きは丸みを帯びた形状であることが好ましい。
【0059】
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。さらに本実施の形態では、折り目2の両端に切欠き45が設けられていることにより、フラップラベル113を折り目2で折り曲げて袋体20に貼り付けた状態において、折り目2の両端の位置が、切欠き45がない場合に比べて中央寄りになるので、折られた折り目2の角が尖ることを避けることができ、ユーザが折り目2の角によって痛さを感じる度合いを低減することができる。
【0060】
なお、図23に示すように、切欠き45を設けたことによってフラップラベル113の外形線には新たな角部が生じているが、このように新たに生じる角部には丸み(図示せず)をつけることが好ましい。
【0061】
(実施の形態7)
(構成)
図24図28を参照して、本発明に基づく実施の形態7におけるフラップラベルについて説明する。本実施の形態におけるフラップラベル114の平面図を図24に示す。図24におけるXXV-XXV線に関する矢視断面図を図25に示す。フラップラベル114が使用されている状態の一例を図26に示す。図26では、製品502が示されている。製品502は、袋体20と、フラップラベル114とを含む。フラップラベル114の基本的な構成は、実施の形態1で説明したものと同様であるが、いくつかの点で異なる。
【0062】
フラップラベル114においては、第1領域41の内側に残留部46が設けられている。残留部46のさらに内側に、袋体20の開口部26に対応する部分47が設けられている。部分47は、残留部46と同じ材料で形成されていてよい。部分47は、残留部46の一部ではない。残留部46は、部分47を取り囲むように環状に存在する。フラップラベル114は、下基材4の上面に配置された印刷層6を含む。印刷層6は、下基材4の上面に印刷されたインキの層である。平面的に見たときの残留部46の外形は、たとえばほぼ長方形である。平面的に見たときの残留部46の外形線に沿って、第1粘着層61と、下基材4と、印刷層6とにわたって、厚み方向に切込みが入っている。さらに、平面的に見たときの残留部46の内側において部分47の外形線に沿って、第1粘着層61と、下基材4と、印刷層6とにわたって、厚み方向に切込みが入っている。残留部46の上面には、印刷層6を覆うように、シリコーンインキ層7が配置されている。シリコーンインキ層7は、第2粘着層62に接しているが、シリコーンインキ層7の性質により第2粘着層62からは容易に剥がれることができる。
【0063】
フラップラベル114の蓋部分としての第1領域41を開ける途中の様子を、図27に示す。図27では、図26とは異なる側から製品502を見ている。ここでは、ユーザはつまみ部1を持って矢印91の向きに引っ張っている。図27では、第1領域41の第1面11には、抜け跡48が見えている。抜け跡48は、残留部46が抜けた跡である。第1面11は、抜け跡48においては凹んでいる。すなわち、抜け跡48においては第1領域41が薄くなっている。元は袋体20の上面31の一部であった部分27は、第1領域41の第1面11に貼り付いたまま持ち上がっている。図27では部分47が明確には見えていないが、部分27と第1領域41との間には、部分47が挟まっている。部分27は、部分47の第1粘着層61の働きによって保持されている。残留部46の中央には袋体20の開口部26が現れている。ここでは、部分47と部分27と開口部26とが同形状の同サイズであるものとして図示されているが、実際には、誤差に対応できるように部分47が開口部26に比べていくらか大きめまたは小さめに設定されていてもよい。
【0064】
ユーザがつまみ部1を持って矢印91の向きに引っ張っていくと、蓋部分としての第1領域41が全て天面23から剥がれた後、さらに第2領域42の部分42aも天面23から剥がれる。第1領域41が天面23に対してなす角度が90°を越えてある程度開いたところで、つまみ部1を引っ張っている手を離すと、図28に示す状態となる。すなわち、第1領域41および第2領域42が反り返って自立した状態となる。
【0065】
フラップラベル114に関しては、以下のようなことがいえる。第1領域41の少なくとも一部が第1粘着層61によって対象物に貼り付けられた状態で、第1領域41が前記対象物から剥がされたときには、第1領域41の内側にあって第1面11の一部として露出する一部は、前記対象物の表面に留まる残留部46として第1領域41のうちの残留部46以外の部分から剥離することができ、残留部46は、第1領域41のうちの残留部46以外の部分に対して、貼着および剥離を繰り返すことが可能である。ここでいう対象物とは、たとえば袋体20である。図26においては、第1領域41は袋体20の上面23に貼り付けられている。第3領域43は袋体20の背面25に貼り付けられている。
【0066】
(作用・効果)
本実施の形態では、上述の構成を備えているので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。さらに、蓋部分としての第1領域41を開ける際には、残留部46が対象物の表面に留まった状態となるので対象物の上面の形状が安定する。言い換えれば、対象物の上面は、残留部46によって補強された状態となるので、平坦な状態を維持しやすくなる。
【0067】
本実施の形態では、残留部46はフラップラベル114の第1領域41の一部として供給されるので、使用前のフラップラベル114としては、残留部46を含めた全体を1枚物のシート状の物品として扱うことができ、好都合である。
【0068】
なお、残留部46は、前記対象物に収容された内容物を取り出すための開口部を有することが好ましい。本実施の形態では、残留部46において部分47が抜けた跡として生じる開口部が、対象物に収容された内容物を取り出すための開口部である。
【0069】
(実施の形態8)
(構成)
図29図37を参照して、本発明に基づく実施の形態8におけるフラップラベルについて説明する。本実施の形態におけるフラップラベルの一部であるフラップラベル要素115の平面図を図29に示す。さらに、本実施の形態におけるフラップラベルの一部である残留部15の平面図を図30に示す。フラップラベル要素115の断面図を図31に示す。残留部15の断面図を図32に示す。フラップラベル要素115は残留部15を含まない。フラップラベル要素115は印刷層6を含む。印刷層6は、第2粘着層62と下基材4との間に存在する。印刷層6は、下基材4の表面に印刷されたインキの層である。残留部15は、フラップラベル要素115とは別の部材として存在する。残留部15は、残留部基材8と粘着層67とを含む。
【0070】
フラップラベル要素115と残留部15とを組み合わせた状態でのフラップラベル116の断面図を図33に示す。残留部15は、フラップラベル要素115の第1面11に露出する第1粘着層61を利用して第1面11に貼り付けられている。
【0071】
フラップラベル要素115だけで1つのフラップラベルとみなしてもよいが、本実施の形態では、フラップラベル要素115と残留部15との両方を含むセットを1つのフラップラベル116としている。残留部15は、開口部対応部16を備える。開口部対応部16には、使用前の状態では部材が存在してもよい。開口部対応部16にある部材は、残留部15の使用直前に取り除かれてもよい。その場合、残留部15は、たとえば開口部を有する環状となる。残留部15の形状は、環状とは限らない。残留部15の形状は、たとえばコの字形状、C字形状、U字形状などであってもよい。フラップラベル116の未使用の状態では、フラップラベル116は、残留部15がフラップラベル要素115に貼り付いた状態の一体的なものとして提供されてもよい。フラップラベル116の未使用の状態では、フラップラベル116の一部である残留部15は、フラップラベル要素115から離れた独立したシートとして提供されてもよい。残留部15の表面には、シリコーンインキ層7が配置されている。シリコーンインキ層7は印刷によって形成されたものであってもよい。
【0072】
フラップラベル116が使用されている状態の一例を図34に示す。図34では、製品503が示されている。製品503は、袋体20と、フラップラベル116とを含む。フラップラベル116は、フラップラベル要素115と、残留部15とを含む。残留部15は、フラップラベル要素115の向こう側に隠れている。
【0073】
フラップラベル116の蓋部分としての第1領域41を開ける途中の様子を、図35に示す。図35では、図34とは異なる側から製品503を見ている。ここでは、ユーザはつまみ部1を持って矢印91の向きに引っ張っている。蓋部分としての第1領域41が全て天面23から剥がれた後、さらに第2領域42の部分42aも天面23から剥がれる。第1領域41が天面23に対してなす角度が90°を越えてある程度開いたところで、つまみ部1を引っ張っている手を離すと、図36に示す状態となる。すなわち、第1領域41および第2領域42が反り返って自立した状態となる。
【0074】
このように蓋部分としての第1領域41を開けた状態の模式的な断面図を図37に示す。図37では、説明の便宜のため、全体を平行な状態に修正して表示している。図37では、説明の便宜のため、対象物としての袋体20の一部も表示されている。元は袋体20の一部であった部分27は、開口部対応部16の粘着層67によって保持されており、蓋部分と共に持ち上がっている。
【0075】
フラップラベル要素115と残留部15とを合わせたものとして観念されるフラップラベル116に関しては、以下のようなことがいえる。
【0076】
フラップラベル116は、第1領域41とは別に用意された部材である残留部15を備える。第1領域41の少なくとも一部が第1粘着層61によって対象物に貼り付けられた状態で、第1領域41が前記対象物から剥がされたときには、第1粘着層61の第1面11に露出する領域に対して、残留部15は、貼着および剥離を繰り返すことが可能である。
【0077】
(作用・効果)
本実施の形態では、上述の構成を備えているので、実施の形態7と同様の効果を得ることができる。本実施の形態では、残留部15が第1領域41とは別に設けられているので、蓋部分としての第1領域41を開けた状態においても、第1領域41が薄くなることはない。したがって、第1領域41および第2領域42が反り返って自立した状態となったときの第1領域41の形状が安定する。
【0078】
(好ましい角度)
図38を参照して、境界線52の部分75の好ましい角度について説明する。図38は、図24における部分75およびその近傍の拡大平面図である。ここで示す例では、部分75はV字形状であって、角度αをなしている。蓋部分としての第1領域41を開けて自立させるためには、角度αは、50°以上120°以下であることが好ましい。角度αが50°未満である場合には、蓋部分としての第1領域41は自立しにくくなる。また、角度αが120°を超えている場合にも、蓋部分としての第1領域41は自立しにくくなる。
【0079】
角度αは、角度αは、60°以上110°以下であることがより好ましい。さらに、角度αは、80°以上100°以下であることがより好ましい。角度αは、ほぼ90°であることが好ましい。角度αは、90°であってもよい。部分75は、尖っていても丸みを帯びていてもよい。部分75は尖っている方が好ましい。部分75の先端が完全に尖っていなくて丸みを帯びている場合であっても、部分75の2辺がなす角度については、上述の好ましい条件があてはまる。
【0080】
ここまでに開示した事項からは、たとえば以下のフラップラベルを把握することができる。
【0081】
(付記A)
前記第1領域の少なくとも一部が前記第1粘着層によって対象物に貼り付けられた状態で、前記第1領域が前記対象物から剥がされたときには、前記第1領域の内側にあって前記第1面の一部として露出する一部は、前記対象物の表面に留まる残留部として前記第1領域のうちの前記残留部以外の部分から剥離することができ、前記残留部は、前記第1領域のうちの前記残留部以外の部分に対して、貼着および剥離を繰り返すことが可能である、上述のフラップラベル。
【0082】
(付記B)
前記第1領域とは別に用意された部材である前記残留部を備え、
前記第1領域の少なくとも一部が前記第1粘着層によって対象物に貼り付けられた状態で、前記第1領域が前記対象物から剥がされたときには、前記第1粘着層の前記第1面に露出する領域に対して、前記残留部は、貼着および剥離を繰り返すことが可能である、上述のフラップラベル。
【0083】
(付記C)
前記残留部は、前記対象物に収容された内容物を取り出すための開口部を有する、上述のフラップラベル。
【0084】
なお、上記実施の形態のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0085】
1 つまみ部、2 折り目、3 上基材、4 下基材、5 (除去される)部分、6 印刷層、7 シリコーンインキ層、8 残留部基材、11 第1面、12 第2面、15 残留部、16 開口部対応部、20 袋体、21,22 端部、23 天面、24 前面、25 背面、26 開口部、27 (天面から分離した)部分、41 第1領域、42 第2領域、42a,42b 部分、43 第3領域、44 周縁部、45 切欠き、46 残留部、47 (開口部に対応する)部分、48 抜け跡、51,52 境界線、61 第1粘着層、62 第2粘着層、65,66,67 粘着層、71,71r 第1線部、72,72r 第2線部、75,75i,75j,75k 部分、91,92,93 矢印、101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,116 フラップラベル、115 フラップラベル要素、501,502,503 製品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図20
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