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特開2022-173126エネルギー貯蔵装置用の積層バスバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173126
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵装置用の積層バスバー
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/507 20210101AFI20221110BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20221110BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20221110BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20221110BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20221110BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/55 101
H01M50/516
H01M50/209
H01M50/296
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022075856
(22)【出願日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】21305589
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521082503
【氏名又は名称】メルセン フランス アンジェ ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】マクシム バビノ
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン シャルル
(72)【発明者】
【氏名】トマ フエ
(72)【発明者】
【氏名】シモン ダリオ
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040DD04
5H040DD06
5H043AA19
5H043CA04
5H043CA21
5H043FA04
5H043FA06
5H043FA08
5H043FA40
5H043GA23
5H043GA26
5H043JA02F
5H043JA04F
5H043JA13F
5H043JA15F
5H043JA21F
5H043KA41F
5H043LA11F
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電池からのモジュール内の角柱状電気セルのパックを相互接続するための積層バスバーを提供する。
【解決手段】セルはグループ30に構成され、各グループに同じ数のセル22を備える。積層バスバー100は、少なくとも1つの導電性要素112を備え、各導電性要素は、セルの2つの隣接するグループの電極28を電気的に接続するように構成される、第1の導電層110と、第1の導電層上に積層される第1の絶縁層130と、セルの第1グループ30Aに接続するように構成される第1の電気コネクタ114と、を備える。積層バスバーは、第1の絶縁層上に積層され、セルの最後のグループ30Bに接続するように構成される第2の電気コネクタ142を備える第2の導電層140と、第3の電気コネクタ144を備える。第1の絶縁層は、セルの最後のグループと第2の電気コネクタとの電気的な接続を許容するように構成された切り欠き窓134を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池からのモジュール(10)内の角柱状電気セル(22)のパック(20)を相互接続するための積層バスバー(100;200;300;400)であって、
前記積層バスバー(100;200;300;400)は、主軸線(A100)に沿って正中面(P101)内を伸びる細長い平らな形状を有し、
電気セル(22)の前記パック(20)は、
前記電気セル(22)は、前記主軸線(A100)に沿って一列に配置されるように構成され、
各セル(22)は、反対の極性を持ち、前記主軸線(A100)と平行で前記正中面(P101)と直交する長手方向平面(P100)の反対側に配置される、異なる極性の2つの電極(28)を備えた上面(26)を有し、各セル(22)の前記電極(28)は前記正中面(P101)内に配置され、各セル(22)の前記上面(26)は同じ方向に向けられ、
前記セル(22)は、少なくとも2つのグループ(30;300)に構成され、各グループに同じ数の電気セルを備え、第1グループ(30A;300A)のセルと最後のグループ(30B;300B)のセル(22)は前記パック(20)の両端に配置され、
セルの前記同一グループ(30;300)内で、同じ極性を持つ前記電極(28)が前記長手方向平面(P100)の同じ側に配置され、
セルの2つの隣接するグループ(30;300)では、同じ極性を持つ前記電極(28)は前記長手方向平面(P100)の反対側に配置され、
前記積層バスバー(100;200;300;400)は、
少なくとも1つの導電性要素(112;212)を備え、各導電性要素は、セル(22)の2つの隣接するグループ(30;300)の前記電極(28)を電気的に接続するように構成され、前記電極は、前記長手方向平面(P100)の同じ側に配置される、第1の導電層(110;210)と、
前記第1の導電層(110;210)上に積層される第1の絶縁層(130)と、
セルの第1グループ(30A;300A)の、前記第1の導電層の導電性要素(112;212)に接続されていない電極(28)に接続するように構成される第1の電気コネクタ(114;214)と、を備え、
前記積層バスバー(100;200;300;400)は、前記主軸線(A100)に沿って伸び、それぞれ第2の電気コネクタ(142;242)及び第3の電気コネクタ(144;244)を備えた2つの両端部を有する第2の導電層(140;240;340;440)をさらに備え、
前記第2の導電層(140;240;340;440)は、第1の絶縁層(130)上に積層され、前記第1の絶縁層によって第1の導電層(110;210)から電気的に分離され、前記第1の導電層は、前記積層バスバーがセル(22)の前記パック(20)に接続されている場合には前記第1の絶縁層と前記電極(28)に挟まれ、
前記第2の電気コネクタ(142;242)は、セル(22)の前記最後のグループ(30B;300B)の、前記第1の導電層の導電性要素(112;212)に接続されていない電極(28)に接続するように構成され、前記第3の電気コネクタ(144;244)は、前記第2の電気コネクタよりも前記第1の電気コネクタ(114;214)に近く、
前記第1の絶縁層は、セル(22)の前記最後のグループ(30B;300B)の対応する前記電極(28)と前記第2の電気コネクタとの電気的な接続を許容するように構成された切り欠き窓(134)を備える、
積層バスバー(100;200;300;400)。
【請求項2】
前記各導電性要素(112;212)は、セル(22)のそれぞれの電極(28)に溶接されるように構成された溶接領域(122)をそれぞれ備える少なくとも2つの接続端子(118)を備え、
前記第1の絶縁層(130)は、前記各接続端子の前記溶接領域へのアクセスを許容するように構成された開口(132)を備え、
前記第2の導電層(140;240;340;440)は、前記第2の導電層が前記第1の絶縁層の前記開口(132)へのアクセスを妨げないように配置される、
請求項1に記載の積層バスバー(100;200;300;400)。
【請求項3】
前記各導電性要素(112;212)については、
2つの隣接する接続端子(118;218)は、連結部材(120;220)によって相互に連結され、
前記隣接する2つの接続端子については、前記導電性要素は、前記隣接する2つの接続端子の間に配置された切り込み(126)を備え、
前記各切り込みは、主軸線(A100)に直交して延び、これによって、前記各接続端子は、隣接する接続端子から独立して、主軸線(A100)に平行な回転軸線に沿って、連結部材に対して回転が許容される、
請求項2に記載の積層バスバー(100;200;300;400)。
【請求項4】
前記連結部材(120)は、少なくとも1つの可撓性部(128)をさらに備え、
各可撓性部は、主軸線(A100)に直交して延び、それぞれの切り込み(126)と整列し、前記各可撓性部は、2つの隣接する連結部(130)において前記連結部材(120)を分離し、
前記各可撓性部(128)は弾性的に変形可能であり、これによって、前記各連結部(130)は、対応する可撓性部と整列するピボット軸線(A130)に沿って、隣接する連結部に対して相対的に回転する、
請求項3に記載の積層バスバー(100;200;300;400)。
【請求項5】
底部絶縁層(160)をさらに備え、
前記底部絶縁層は前記第1の導電層(110;210)に積層され、
前記底部絶縁層は、導電性要素(112;212)を対応する電極(28)に対して電気的な接続が許容されるように構成された開口(162)を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の積層バスバー(100;200;300;400)。
【請求項6】
頂部絶縁層(180)をさらに備え、
前記頂部絶縁層は前記第2の導電層(140;240;340;440)に積層され、
前記頂部絶縁層は、各接続端子(118)へのアクセスを許容するように構成された頂部開口(182)を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の積層バスバー(100;200;300;400)。
【請求項7】
前記第2の導電層(140;240;340;440)が金属シートから作られている、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層バスバー(100;200;300;400)。
【請求項8】
前記第2の導電層(140;240;340;440)は、前記第1の導電層(110;210)の面の30%を超えて重なる面を有する、請求項7に記載の積層バスバー(100;200;300;400)。
【請求項9】
前記第2の導電層(140;240;340;440)は、前記第1の導電層(110;210)の面の50%を超えて重なる面を有する、請求項7に記載の積層バスバー(100;200;300;400)。
【請求項10】
前記第2の導電層(140;240;340;440)は、前記第1の導電層(110;210)の面の75%を超えて重なる面を有する、請求項7に記載の積層バスバー(100;200;300;400)。
【請求項11】
角柱状電気セル(22)のパック(20)を備える電池用のモジュール(10)であって、
前記セル(22)は、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層バスバー(100;200;300;400)によって相互接続され、
前記セル(22)は、前記主軸線(A100)に沿って一列に配置され、
各セル(22)は、反対の極性を持ち、長手方向平面(P100)の反対側に配置される、異なる極性の2つの電極(28)を備えた上面(26)を有し、各セル(22)の前記電極(28)は前記正中面(P101)内に配置され、各セル(22)の前記上面(26)は同じ方向に向けられ、
前記セル(22)は、少なくとも2つのグループ(30;300)に構成され、各グループに同じ数のセルを備え、第1グループ(30A;300A)のセルと最後のグループ(30B;300B)のセルは、列の両端に配置され、
セル(22)の前記同一グループ内で、同じ極性を持つ前記電極(28)が前記長手方向平面(P100)の同じ側に配置され、
セルの2つの隣接するグループ(30;300)では、同じ極性を持つ前記電極(28)は前記長手方向平面(P100)の反対側に配置される、
モジュール(10)。
【請求項12】
前記モジュールは、前記セル(22)を保持するように構成された容器(12)を備え、
前記第1のコネクタ(114)と前記第3のコネクタ(144)は、前記容器(12)の外側に配置される、
請求項11に記載のモジュール(10)。
【請求項13】
前記第1のコネクタ(114)及び前記第3のコネクタ(144)が互いに隣接して配置されている、請求項12に記載のモジュール(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電池内の角柱状セルのパックを相互接続するための積層バスバー、及びそのようなパック及びバスバーを含む電池用のモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギー貯蔵システム、又は電池は様々な状況で使用され、電池パックはそのようなシステムの中心的な構成要素である。例えば、定置型電気貯蔵システムは、ソーラーパネルから生成されたエネルギーを貯蔵するための電池パックを含むことができる。電気貯蔵システムは、電気自動車などの移動可能なアプリケーションであっても使用することができる。電気貯蔵システムの基本単位は電気セルであり、幾つかの形状からなっている。セルには、パウチ状(pouch)、角柱状、円筒状の3つの一般的なタイプがある。
【0003】
セルは、セルの技術とサイズに応じた、所定の電圧及び電気エネルギーの貯蔵容量を持つ。したがって、多くのアプリケーションでは、単一の電池セルよりも多くの電力を貯蔵及び供給できるエネルギー貯蔵システムを構築するために、バスバーを使用して個々のセルを相互に接続する必要がある。したがって、エネルギー貯蔵システムにはモジュールが含まれ、各モジュールは、一緒に組み立てられた複数のセルを備えることでセルのパックを形成し、これは略して「パック」とも呼ばれる。異なるタイプのバスバーが、電池内のモジュールの接続、及びモジュール内の同一パックのセルの接続に使用される。
【0004】
既存の様々なタイプのセルの中で、角柱状セルはその製造と取扱いの容易さから、今日では広く使用されている。各セルは角柱形状をなし、上面に2つのアクセス可能な電極が配置されている。2つの電極は、正極と負極を含む。上面は通常は長方形で、2つの短辺と2つの長辺を有し、各電極はそれぞれの短辺の隣りに配置されている。モジュール内には、通常、幾つかの角柱状セルが一緒に配置され、それらの上面がすべて同じ方向を向き、長辺に沿って積層されて、電気セルの列を形成する。
【0005】
バスバーは、モジュールの設計に応じて、列のすべてのセルを直列及び並列に電気的に接続するように構成されている。
【0006】
このような角柱状セル相互接続バスバーは、電池モジュールの重要な構成要素である。電池パックの世界的なコスト削減のために、バスバーは製造が容易でなければならず、また、接続すべき個々の電池セルが多数あるため、バスバーは接続が容易でなければならない。バッテリ相互接続用の従来のバスバーは、積層バスバー及び/又は非積層アセンブリの両方を採用している。
【0007】
特許文献1には、導電層が絶縁層に積層された積層バスバーの幾つかの設計について説明されている。しかしながら、リターン回路を個別に配置する必要があることから、コストと時間が掛かってしまう。
【0008】
したがって、角柱状電気セルの相互接続のための改良されたバスバーが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/073506(A1)号明細書
【発明の概要】
【0010】
この目的のために、本発明の態様は、電池からのモジュール内の角柱状電気セルのパックを相互接続するための積層バスバーに関する。
前記積層バスバーは、主軸線に沿って正中面内を伸びる細長い平らな形状を有し、
電気セルの前記パックは、
前記電気セルは、前記主軸線に沿って一列に配置されるように構成され、
各セルは、反対の極性を持ち、前記主軸線と平行で前記正中面と直交する長手方向平面の反対側に配置される、2つの電極を備えた上面を有し、各セルの前記電極は前記正中面内に配置され、各セルの前記上面は同じ方向に向けられ、
前記セルは、少なくとも2つのグループに構成され、各グループに同じ数の電気セルを備え、第1グループのセルと最後のグループのセルは前記パックの両端に配置され、
セルの前記同一グループ内で、同じ極性を持つ前記電極が前記長手方向平面の同じ側に配置され、
セルの2つの隣接するグループでは、同じ極性を持つ前記電極は前記長手方向平面の反対側に配置され、
前記積層バスバーは、
少なくとも1つの導電性要素を備え、各導電性要素は、セルの2つの隣接するグループの前記電極を電気的に接続するように構成され、前記電極は、前記長手方向平面の同じ側に配置される、第1の導電層と、
前記第1の導電層上に積層される第1の絶縁層と、
セルの第1グループの、前記第1の導電層の導電性要素に接続されていない電極に接続するように構成される第1の電気コネクタと、を備える。
【0011】
本発明によれば、
前記積層バスバーは、前記主軸線に沿って伸び、それぞれ第2の電気コネクタ及び第3の電気コネクタを備えた2つの両端部を有する第2の導電層をさらに備え、
前記第2の導電層は、第1の絶縁層上に積層され、前記第1の絶縁層によって第1の導電層から電気的に分離され、前記第1の導電層は、前記積層バスバーがセルの前記パックに接続されている場合には前記第1の絶縁層と前記電極に挟まれ、
前記第2の電気コネクタは、セルの前記最後のグループの、前記第1の導電層の導電性要素に接続されていない電極に接続するように構成され、前記第3の電気コネクタは、前記第2の電気コネクタよりも前記第1の電気コネクタに近く、
前記第1の絶縁層は、セルの前記最後のグループの対応する前記電極と前記第2の電気コネクタとの電気的な接続を許容するように構成された切り欠き窓を備える。
【0012】
本発明によるバスバーは、電気セルのモジュールへのバスバーの迅速な組み立てのために最適化されるという点で有利である。電気セルのモジュールを他のモジュールに接続するために第1のコネクタと第3のコネクタをすぐに使用できるため、モジュールのセルの相互接続に必要なバスバーは1つだけであり、効率的で経済的である。積層構造によって、バスバーは電池モジュールのコスト、サイズ、及び重量の削減に貢献する。さらに、バスバーを必要な寸法に製造するだけといった、構成の簡単な変更によって様々なサイズのモジュールに合わせることができる。
【0013】
有利であるが任意の態様によれば、そのようなバスバーは、単独で、又は技術的に許容される任意の組み合わせに従って、以下の機能の1つ又は複数を組み込むことができる。
前記各導電性要素は、セルのそれぞれの電極に溶接されるように構成された溶接領域をそれぞれ備える少なくとも2つの接続端子を備え、前記第1の絶縁層は、各接続端子の前記溶接領域へのアクセスを許容するように構成された開口を備え、前記第2の導電層は、前記第2の導電層が前記第1の絶縁層の前記開口へのアクセスを妨げないように配置される。
【0014】
各導電性要素について、
2つの隣接する接続端子は、連結部材によって相互に連結され、
隣接する2つの接続端子については、前記導電性要素は、前記隣接する2つの接続端子の間に配置された切り込みを備え、
各切り込みは、主軸線に直交して延び、これによって、各接続端子は、隣接する接続端子から独立して、主軸線に平行な回転軸線に沿って、連結部材に対して回転が許容される。
【0015】
前記連結部材は、少なくとも1つの可撓性部分をさらに備え、
各可撓性部は、主軸線に直交して延び、それぞれの切り込みと整列し、各可撓性部は、2つの隣接する連結部において前記連結部材を分離し、
各可撓性部は、弾性的に変形可能であり、これによって、各連結部は、対応する可撓性部と整列するピボット軸線に沿って、隣接する連結部に対して相対的に回転する。
【0016】
前記積層バスバーは、底部絶縁層をさらに備え、
前記底部絶縁層は、前記第1の導電層に積層され、
前記底部絶縁層は、導電性要素を対応する電極に対して電気的な接続が許容されるように構成された開口を備える。
【0017】
前記積層バスバーは、頂部絶縁層をさらに備え、
前記頂部絶縁層は、前記第2の導電層上に積層され、
前記頂部絶縁層は、各接続端子へのアクセスを許容するように構成された頂部開口を備える。
【0018】
前記第2目の導電層は、金属シートから作られている。
【0019】
前記第2の導電層は、前記第1の導電層の面の30%を超えて、好ましくは50%を超えて、好ましくはさらに75%を超えて重なる面を有する。
【0020】
本発明はまた、角柱状電気セルのパックを備える電池用のモジュールであって、
前記セルは、上述した請求項のいずれか一項に記載の積層バスバーによって相互接続され、
前記セルは、前記主軸線に沿って一列に配置され、
各セルは、反対の極性を持ち、長手方向平面の反対側に配置される、2つの電極を備えた上面を有し、各セルの前記電極は前記正中面内に配置され、各セルの前記上面は同じ方向に向けられ、
前記セルは、少なくとも2つのグループに構成され、各グループに同じ数のセルを備え、第1グループのセルと最後のグループのセルは、列の両端に配置され、
セルの前記同一グループ内で、同じ極性を持つ前記電極が前記長手方向平面の同じ側に配置され、
セルの2つの隣接するグループでは、同じ極性を持つ前記電極は前記長手方向平面の反対側に配置される。
【0021】
有利には、
前記モジュールは、前記セルを保持するように構成された容器を備え、前記第1のコネクタと前記第3のコネクタは、前記容器の外側に、好ましくは互いに隣接して配置される。
【0022】
積層バスバー及び電池モジュールの3つの実施形態についての以下の説明に照らしつつ、添付の図面を参照して非限定的な例としてのみ、本発明はより良く理解され、他の利点はより明確に示されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の第1の実施形態による積層バスバーを備えた、角柱状セルの好適なモジュールの斜視図である。
図2図2は、図1のモジュールの分解図である。
図3図3は、図2と同様の分解図であり、バスバーの幾つかの要素が隠され、バスバーの第1の導電層及び第2の導電層が示された分解図である。
図4図4は、2つのインサートa)及びb)について、バスバーの第2の導電層及び第1の導電層のそれぞれを示す上面図である。
図5図5は、2つのインサートa)及びb)について、第2の導電層及び第1の導電層の導電性要素の詳細をそれぞれ示す斜視図である。
図6図6は、図3と同様の斜視図であり、本発明の第2の実施形態によるバスバーの第1の導電層及び第2の導電層を示す斜視図である。
図7図7は、図4と同様の上面図であり、2つのインサートa)及びb)について、第2の実施形態によるバスバーの第2の導電層及び第1の導電層のそれぞれを示す上面図である。
図8図8は、本発明の第3の実施形態による好適な第2の導電層を示す上面図である。
図9図9は、本発明の第4の実施形態による好適な第2の導電層を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指すために用いられる。図面は必ずしも一定の縮尺であるとは限らないことを理解されたい。
【0025】
本発明の第1の実施形態を、図1から図5を参照して説明する。
【0026】
電池用のモジュール10を図1に示す。電池は、例えば、自動車用などの移動用に用いられるものであり、例えば、電気エネルギーを貯蔵し、電気自動車又はハイブリッド電気自動車の牽引モーターに電気エネルギーを供給するために用いられる。幾つかの実施形態によれば、電池は電気自動車に属するものである。電池は通常、互いに電気的に接続された幾つかのモジュール10を備える。
【0027】
モジュール10は、混合線によって概略的に箱状に示された容器12、角柱状電気セル22のパック20、及び積層バスバー100を備える。パック20は、セル22を保持するように構成される容器12内に配置され、したがって、パック20内では、セル22は、互いに固定された状態である。パック20の角柱状電気セル22は、以下に説明するように、積層バスバー100によって相互接続されている。積層バスバー100は、略して単に「バスバー100」とも呼ばれ、角柱状電気セル22は、略して単に「セル22」とも呼ばれる。
【0028】
図示された非限定的な例では、パック20は8つのセル22を備えるが、他の実施形態では、各パック20内のセル22の数は異なっていてもよい。この説明の範囲内で、特に明記しない限り、「セル22」は、角柱状電気セル22を指す。同じパック20のセル22は、同じ形状を有し、同様に機能し、好ましくは互いに同一である。セル22のいずれかについての説明は、他のセル22にも適用される。
【0029】
モジュール10の分解図が図2に示され、容器12は省略されている。図3では、バスバー100の幾つかの要素は示されず、パック20がより見やすくなっている。
【0030】
各セル22は、セル軸線A22に沿って投影された長方形の断面を有する、長方形の角柱形状を有する。図では、セル軸線A22は水平であると想定されている。各セル22は、2つの側面24を有し、これらは、セル軸線A22に直交する方向に延び、互いに反対方向を向いている。
【0031】
各セル22は、上面26及び上面26に配置された2つの電極28を有する。2つの電極28は、反対の極性を有し、互いに区別される第1電極28A及び第2電極28Bを含む。電極28は、外部要素との接続、特にバスバー100との接続のためにアクセス可能である。言い換えると、各セル22の電極28は、積層バスバー100に電気的に接続されるように構成される。
【0032】
パック20内で、セル22は、パック20の長手方向軸線A20に沿って互いに積み重ねられる。各セル22のセル軸線A22は、長手方向軸線A20と全体的に整列され、各セル22の上面26は、他のセル22と同じ方向に向けられている。2つの隣接するセル22について、2つのセル22のうちの第1の側面24は、2つのセル22のうちの他方の側面24に対向している。
【0033】
言い換えれば、パック20内で、セル22は、長手方向軸線A20に沿って一列に配置され、パック20は、第1のセル22A及び最後のセル22Bを備え、第1のセル22A及び最後のセル22Bは、パック20の2つの両端部に配置される。図1から図3では、図の左端のセル22が第1のセル22Aであり、図の右端のセル33が最後のセル22Bである。
【0034】
パック20の各セル22について、2つの電極28は、パック20の長手方向平面P20の反対側に配置され、長手方向平面P20は、長手方向軸線A20に垂直かつ平行である。
【0035】
電極28は、パック20の正中面P21によって幾何学的に位置決めされており、正中面P21は、長手方向軸線A20に平行であり、長手方向平面P20に直交している。図示の例では、各セル22の上側26は上向きであるとされており、正中面P21は水平である。
【0036】
パック20内で、セル22は、セル22の少なくとも2つのグループ30に配置され、各グループ30に同じ数のセル22が配置される。図示の例では、グループ30は、互いに直列に接続されている。本発明の第1の実施形態では、各グループ30は、1つのセル22のみを含む。言い換えると、パック20は、それぞれ1つのセル22の8つのグループ30を含み、すべてのセル22は、互いに直列に接続される。
【0037】
第1のセル22Aを備えるグループ30は、第1グループ30Aとも呼ばれ、最後のセル22Bを含むグループ30は、最後のグループ30Bとも呼ばれる。換言すれば、第1グループ30A及び最後のグループ30Bは、パック20の両端部に位置する。図1から図3において、第1グループ30Aは左側に位置し、最後のグループ30Bは右側に位置する。また、第1グループ30Aは、他の6つのグループ30によって最後のグループ30Bから分離されている。
【0038】
セル22の同じグループ30内で、同じ極性を有する電極28は、長手方向平面P20の同じ側に配置されている。言い換えれば、同じグループ30内で、第1電極28Aは、長手方向平面P20の一方の側に配置され、第2電極28Bは、長手方向平面P20の反対側に配置される。
【0039】
セル22の2つの隣接するグループ30について、同じ極性を有する電極28は、長手方向平面P20の反対側に配置される。換言すれば、セル22の2つの隣接するグループ30について、2つのグループ30のうちの一方の第1電極28A及び2つのグループ30の他方の第1電極28Aは、長手方向平面P20の反対側に配置される。
【0040】
図1から図3を参照して、積層バスバー100について説明する。
【0041】
積層バスバー100は、主軸線A100に沿って正中面P101内に延びる細長い平坦な形状を有する。バスバー100の長手方向平面A100も便宜上定義されており、長手方向平面A100は、主軸線A100に平行であり、正中面P101に直交している。図1に示すように、積層バスバー100がパック20と接続された構成にある場合、主軸線A100はパックの軸線A20に平行であり、バスバー100の長手方向平面P100は、長手方向平面P20とほぼ同一平面上にあり、バスバー100の正中面P101は、パック20の正中面P21に平行である。
【0042】
積層バスバー100は、第1の導電層110、第1の導電層110に積層された第1の絶縁層130、及び第1の絶縁層130に積層されて第1の絶縁層130により電気的に第1の導電層110から分離された第2の導電層140を備える。第1の導電層110は、積層バスバー100がセル20のパックに接続されるときに、第1の絶縁層130と電極28との間に挟まれる。本説明の範囲内では、第1の絶縁層130及び後述する他の絶縁層はそれぞれ、可撓性かつ電気的絶縁性の両方を持つ材料、好ましくはポリマー材料、例えばポリエステル又はポリイミドから作製される。各絶縁層は25μmから250μmの厚さを備える。
【0043】
第1の導電層110の上面図は、図4のインサートb)にも示されている。第1の導電層110は、少なくとも1つの導電性要素112を備え、各導電性要素112は、セルの2つの隣接するグループ30にそれぞれ属する電極28に電気的に接続するよう構成され、前記電極28は、長手方向平面P20の同じ側に配置されている。
【0044】
第1の導電層110はまた、電極28が第1の導電層110の導電性要素112に接続されていないセルの第1グループ30Aの電極28に接続されるように構成された第1の電気コネクタ114を備える。
【0045】
図示の例では、パック20は、セル22の8つのグループ30を含み、第1の導電層110は、7つの導電性要素112を含む。第1のコネクタ114は、ここでは、セル22の第1グループ30Aの第1電極28Aに接続される。
【0046】
任意選択で、第1のコネクタ114は、図示しないバスバーなどの外部要素への第1のコネクタ114の機械的接続のための機械的インタフェース116、ここではリベットを備える。
【0047】
第1の導電層110の導電性要素112は、同じように機能し、好ましくは同じ形状を有し、さらに好ましくは互いに同一である。導電性要素112の1つは、図5のインサートb)上に拡大して示されている。導電性要素112の1つについての記載は、他の導電性要素112にも有効である。
【0048】
各導電性要素112は、それぞれがセル22の1つの電極28に接続されるように構成された少なくとも2つの接続端子118、及び連結部材120を備える。導電性素子112内で、2つの隣接する接続端子118は、連結部材120によって互いに連結される。図示の例では、連結部材120は三角形の形状をなし、各接続端子118は長方形の形状をなしている。
【0049】
図示の非限定的な例では、各導電性要素112の接続端子118は、長手方向平面P100の同じ側に配置され、セル22の2つの隣接するグループ30に属して長手方向平面P100の同じ側に配置される電極28に接続されるように構成される。セル22は角柱状セルであり、長手方向平面P100の同じ側に配置された接続端子118は、長手方向平面P100に平行な方向に沿って互いに整列している。各連結部材120は、長手方向平面P100にまたがっており、接続端子118は、長手方向平面P100から離れて配置されている。
【0050】
各接続端子118は、それぞれの電極28に溶接されるように構成された溶接領域122を備える。図示の例では、各接続端子118は、有利には、接続端子118の中央領域に配置されたセンタリング穴124を備え、溶接領域122はセンタリング穴124の周囲に延びている。図5のb)では、各溶接領域122は、点線による省略記号によって概略的に示される。
【0051】
各センタリング穴124は、バスバー100とパック20との接続中に、実際の溶接動作の前に、溶接領域122が対応する電極28と適切に整列していることを視覚的にチェックできるように構成される。
【0052】
それぞれの電極28への接続端子118の溶接プロセスとしては、好ましくはレーザー溶接である。接続端子118のそれぞれの電極28への接続動作中、接続端子118は、良好な電気的接続を確実にするために、まず、対応する電極28に機械的に押し付けられ、次に溶接自体が行われる。
【0053】
図示の例では、第1の絶縁層130及び電極28は、第1の導電層110の反対側に配置されている。第1の絶縁層130は、各接続端子118の溶接領域124へのアクセスを許容するように構成された第1の開口132を備える。
【0054】
製造公差のために、各電極28の実際の位置は、各電極28が正中面P21によって幾何学的に位置決めされる理論的位置からずれていてもよい。
【0055】
各導電性要素112について、2つの隣接する接続端子118は、連結部材120によって互いに連結され、導電性要素112は、2つの隣接する接続端子118の間に配置される切り込み126を備える。
【0056】
各切り込み126は、主軸線A100に直交して延び、導電性要素112の弾性変形を容易にするように構成され、その結果、各接続端子118は、隣接する接続端子118から独立して主軸線A100と平行な回転軸線A118に沿って、連結部材120に対する相対的な回転が許容される。
【0057】
任意選択で、連結部材は、少なくとも1つの可撓性部128をさらに備える。可撓性部128は、ここでは、半円形の断面を備えた折り目によって概略的に表されている。あるいは、可撓性部128は、例えば、導電性要素112を打ち抜くことによって製造される平坦状である。
【0058】
各可撓性部128は、連結部材120を2つの隣接する連結部130に分離する。各可撓性部128は、主軸線A100に直交して延び、それぞれの切り込み126と整列する。各可撓性部128は弾性変形するため、各連結部130は、対応する可撓性部128に整列したピボット軸線A130に沿って、隣接する連結部130に対して相対的に回転する。
【0059】
2つの隣接する接続端子118の間に配置された切り込み126によって、また各切り込み126と整列した可撓性部128によって、各導電性要素112は、バスバー100が接続される電極28の位置変位に対応するように弾性的に変形する。
【0060】
第1の導電層110が第1の絶縁層130に積層される場合、導電性要素112は第1の絶縁層130上に積層され、互いに重なり合わない。導電性要素112は、好ましくは、効率的なプロセスである第1の絶縁層上に積層する前に、導電性材料の単一のシート、例えば金属のシートを切断及び/又はスタンプすることによって製造される。
【0061】
導電性要素112は、溶接プロセス中に導電性要素112が屈曲され、電極28の位置偏差に対応できるように充分に薄いが、モジュール10が電池内で使用されているときの電流密度に対処するのに充分な厚さを有する。図示の実施形態では、導電性要素112は、0.25mmから2mmの間で構成される厚さを有する。
【0062】
非限定的な例として、導電性要素112は、金属、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、又はそれらの合金の1つから作られている。好ましくは、第1の導電層110の面は、例えば酸化を防ぐために、スズ、ニッケル、銀、又はそれらの合金の1つなどのめっき材料でめっきされる。
【0063】
第2の導電層140は、主軸線A100に沿って延び、それぞれ第2の電気コネクタ142及び第3の電気コネクタ144を有する2つの両端部を備える。第2の電気コネクタ142及び第3の電気コネクタ144は、好ましくは、例えばレーザー溶接によって、それぞれの電極28に溶接によって接続される。
【0064】
第2の電気コネクタ142は、セル22の最後のグループ30Bの電極28に接続されるように構成され、その電極28は、第1の導電層110の導電性要素112には接続されない。
【0065】
図3に示される例では、第2の電気コネクタ142は、最後のセル22Bの第2電極28Bに接続され、最後のセル22Bの第1電極28Aは、導電性要素112に接続される。
【0066】
第3の電気コネクタ144は、第2の電気コネクタ142よりも第1のコネクタ114に近く、第3の電気コネクタ144は、第2の導電層140の残りを介して、セル22の最後のグループ30Bの電極28に接続されるように構成され、その電極28は、第1の導電層110の導電性要素112に接続されない。
【0067】
好ましくは、第3のコネクタ144は、図示の例のように、第1のコネクタ114の隣りに配置される。言い換えれば、第1のコネクタ114及び第3のコネクタ144は、パック20の同じ側に配置される。第2の導電層140は、バスバー100の戻り回路である。
【0068】
第1の導電層110と第2の導電層140の両方を含む積層構造をなすバスバー100によって、パック20の各電極28は、好ましくはレーザー溶接によって、自動化された方法で第1の導電層110若しくは第2の導電層140に接続することができ、これは非常に効率的である。図1に示されるように、モジュール10が組み立てられるとき、第1のコネクタ114及び第3のコネクタ144は、有利には容器12の外側に配置され、好ましくは互いに隣接する。モジュール10の各セル22は、バスバー100を介して接続されるものであってもよく、これは非常に便利である。
【0069】
任意選択で、第3のコネクタ144は、第1のコネクタ114を図示しないバスバーなどの外部要素に機械的に接続するための機械的インタフェース145、ここではスタッド(stud)を備える。
【0070】
第1の導電層110と第2の導電層140との間に挟まれた第1の絶縁層130は、切り欠き窓134を備え、これは、ここでは長方形の形状を有し、第2の電気コネクタ142と、セル22の最後のグループ30Bの対応する電極28との電気的な接続を許容するように構成される。
【0071】
第2の電気コネクタ142は、それぞれの電極28に溶接されるように構成された少なくとも1つの接続端子146を備える。第1の実施形態では、第2の電気コネクタ142は1つの接続端子146を備える。
【0072】
図5のa)に見られるように、第2の電気コネクタ142の接続端子146は、長方形の形状を有し、センタリング穴145を備える。これは、バスバー100とパック20との接続中に、実際の溶接動作の前に、第2の電気コネクタ142が対応する電極28と適切に整列していることを視覚的にチェックできるように構成される。
【0073】
第2の導電層140は、導電性材料、好ましくは、電気エネルギーの損失を回避するために良好な導電性を有する金属から作られている。非限定的な例として、第2の導電層140は、金属、例えば、銅、又はアルミニウム、又はニッケル、又はそれらの合金の1つから作られている。好ましくは、第2の導電層140の面は、酸化を防ぐために、例えば、スズ、又はニッケル、又は銀、又はそれらの合金の1つでめっきされる。第2の導電層140は、好ましくは、金属シートを切断及び/又はプレスすることによって作製される。
【0074】
モジュール10が使用されているとき、セル22内に電気エネルギーを貯蔵するか、又はセル22から電気エネルギーを供給するために、セル22及び導電性要素112は、熱くなる傾向がある。第1の絶縁層130上に積層された第2の導電層140は、第1の導電層110と部分的に重なり、第1の導電層110の熱エネルギーの一部を受け取る。言い換えると、第2の導電層140は、第1の導電層110の熱エネルギーの放熱を助ける。この放熱効果をより強くするために、第2の導電層140は、第1の導電層110の面の30%を超えて重なる面を有し、好ましくは50%を超え、好ましくはさらに75%を超える。
【0075】
第2の導電層140は、電池内のモジュール10が使用中にあるときの電流密度に対処するために、第1の導電層110に対する第2の導電層140の重なり率に応じて選択される厚さを有する。幾つかの例によれば、第2の導電層140は、0.25mmから2mmの間からなる厚さを有する。
【0076】
第2の導電層140は、第2の導電層140が第1の絶縁層110の開口132へのアクセスを妨げないように配置される。第1の実施形態では、第2の導電層140は、各接続端子118の溶接領域122へのアクセスを許容するように構成された第2の開口148を備える。バスバー100の第1の実施形態では、第1の導電層110及び第2の導電層140は、長手方向平面P100に直交して測定される幅がほぼ同じであり、第2の開口148は閉じた輪郭を有する。図示の例では、各第2の開口148は円形の輪郭を有し、正中面P101に直交する軸線に沿って、それぞれのセンタリング穴124と整列している。
【0077】
言い換えれば、第2の開口148は、第1の絶縁層130の第1の開口132と整列している。第1の開口132は、第1の開口132を介した短絡のリスクを低減するために、好ましくは第2の開口148よりも小さい。
【0078】
図示の例では、第2の導電層140は、長手方向平面P100の同じ側に位置する2つの隣接する開口148の間に配置された追加の切り込み150を備え、各追加の切り込み150は、長手方向平面P100に直交して延び、第2の導電層140の柔軟性、したがってバスバー100の全体的な柔軟性を向上するように構成される。
【0079】
図2に示されるように、積層バスバー100は、バスバー100の正中面P100に沿って延び、第1の導電層110上に積層された底部絶縁層160をさらに備える。言い換えれば、第1の導電層110は、第1の絶縁層130と底部絶縁層160との間に挟まれている。
【0080】
好ましくは、底部絶縁層は、パック20の全てのセル22の上面26上に実質的に延びる。底部絶縁層160は、各電極28とバスバー100との電気的な接続を許容するように構成された窓部162を備える。
【0081】
各窓部162は、電極28の輪郭と同様の輪郭を有し、その結果、バスバー100がパック20の上部に配置されると、各電極28は、それぞれの窓部162を通過し、それぞれの接続端子118又は第1のコネクタ114又は第2のコネクタ142と直接接触する。図示の例では、各電極28は長方形の輪郭を有し、各窓部162は同じ長方形の輪郭を有する。
【0082】
バスバー100がパック20に組み立てられると、底部絶縁層160はセル22の上面26上に置かれ、導電性要素112は電極28に接続される。底部絶縁層160は、導電性要素112をセル22の電極22に電気的に接続することを許容する穴162を備える。
【0083】
好ましくは、積層バスバー100は、電池10の動作状態、例えば温度を監視するように構成された監視回路170をさらに含む。
【0084】
図示の例では、監視回路170は、主軸線A100に沿って延びる細長い形状を有する感知回路172と、感知回路172の先端に接続されたコネクタ174とを備える。
【0085】
使用中、感知回路172は、セル22の上側26にわたって延びる。感知回路172は、好ましくはセル22ごとに少なくとも1つのセンサを備え、感知回路172のすぐ近くに位置するセル22の状態を監視するように構成される。
【0086】
感知回路172は、好ましくは、主軸線A100に沿って、第1のセル22Aから最後のセル22Bまで延び、パック20の各セル22の動作状態を監視するように構成される。例えば、感知回路172のセンサは温度センサであり、監視回路170は、パック20の各セル22の温度を監視するように構成される。
【0087】
積層バスバー100は、有利には、バスバー100の正中面P100に沿って延び、第2の導電層140上に積層された頂部絶縁層180を備える。換言すれば、第2の導電層140は、第1の絶縁層130と頂部絶縁層180との間に挟まれている。
【0088】
好ましくは、頂部絶縁層180は、パック20の全てのセル22の上面26を実質的に覆う。頂部絶縁層180は、バスバー100の電極28への溶接中に、接続端子118又は第1のコネクタ114又は第2のコネクタ144へのアクセスを許容するように構成された頂部窓部182を備える。図示の例では、各頂部窓部182は、それぞれの第1の開口132と同軸の円形を有する。
【0089】
図示の例では、感知回路172は、第1の導電層110と底部導電層160との間に挟まれている。例えば、感知回路172は、底部絶縁層160が第1の導電層110上に積層される前に、底部絶縁層160に積層される。このような組み立てプロセスは自動化することができ、効率的かつ低コストである。
【0090】
あるいは、感知回路172は、第1の導電層110と第1の絶縁層130との間、又は第1の絶縁層130と第2の導電層140との間、又は第2の導電層140と頂部絶縁層180との間に挟まれている。
【0091】
より一般的には、感知回路172は、バスバー100の任意の層に積層され、例えば、バスバー100の2つの隣接する層の間に挟まれ、これらの2つの層は、絶縁層160、130、又は180のうちの1つ、及び対応する導電層110又は導電層140を備える。
【0092】
図6及び図7は、本発明に係る電池10の代替の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態では、第1の実施形態のものと同一又は類似している電池の部品には、同じ参照番号が用いられている。以下、主に第1の実施形態と第2の実施形態との違いについて詳述する。
【0093】
本発明の第2の実施形態では、パック20のセル22はグループ300に配置され、各グループ300は、2つのセル22を備える。パック20は、ここでは、セル22の4つのグループ300を備える。
【0094】
第1のセル22Aを含むグループ300は、第1グループ300Aとも呼ばれ、最後のセル22Bを含むグループ300は、最後のグループ300Bとも呼ばれる。言い換えれば、第1グループ300Aと最後のグループ300Bは、パック20の両端部に配置されている。図6では、第1グループ300Aは左側に配置され、最後のグループ300Bは右側に配置され、第1グループ300Aは、他の2つのグループ300によって最後のグループ300Bから分離されている。
【0095】
電池10は、積層バスバー200を備える。
【0096】
積層バスバー200は、第1の実施形態のバスバー100の構造と同様の積層構造を有し、導電層が絶縁層の間に挟まれている。ただし、図6及び図7には導電層のみが示されている。
【0097】
積層バスバー200は、第1の導電層210及び第2の導電層240を備える。
【0098】
第1の導電層210は、少なくとも1つの導電性要素212を含み、各導電性要素212は、セル22のそれぞれ2つの隣接するグループ300に属する電極28を電気的に接続するように構成され、前記電極28は、長手方向平面P20の同じ側に配置される。
【0099】
各導電性要素212は、それぞれがセル22の1つの電極28に接続されるように構成された少なくとも2つの接続端子118、及び連結部材220を備える。各グループ300は、2つのセル22を含むため、各導電性要素212は、4つの接続端子118を含み、これらは連結部材220に連結される。
【0100】
より一般的には、同じグループ300に属するセル22は、互いに電気的に並列に接続され、一方、同じ導電性要素212によって互いに接続された2つの隣接するグループ300は、互いに直列に接続される。
【0101】
第1の導電層210はまた、電極28が導電性要素212に接続されていないセルの第1グループ300Aの電極28に接続されるように構成された第1の電気コネクタ214を備える。各グループ300は、第1グループ300Aを含む2つのセル22を含むため、第1のコネクタ214は、2つの電極28に接続されるように構成される。
【0102】
第2の導電層240は、主軸線A100に沿って延び、それぞれ第2の電気コネクタ242及び第3の電気コネクタ244を備えた2つの両端部を含む。
【0103】
第2の電気コネクタ242は、セル22の最後のグループ300Bの電極28に接続されるように構成され、その電極22は、第1の導電層210の導電性要素212に接続されないが、第3の電気コネクタ244は、第2の電気コネクタ242よりも第1のコネクタ214に近い。
【0104】
第2の実施形態では、最後のグループ300Bを含むセル22の各グループ300は、2つのセル22を含む。第2のコネクタ242は、2つの電極28に接続されるように構成され、この目的のために、2つの接続端子146を備える。
【0105】
第2の実施形態では、第1の導電層210及び第2の導電層240は、長手方向平面P100に直交して測定される幅がほぼ同じであり、第2の開口148は、閉じた輪郭、ここでは円形の輪郭を有し、各第2の開口148は、正中面P101に直交する軸線に沿って、それぞれのセンタリング穴124と整列している。
【0106】
本発明の第3の実施形態によるバスバー300が図8に示されている。バスバー300は第2の導電層340を備え、一方、バスバー300の図示しない他の構成要素は、第2の実施形態のバスバー200のものと同一である。
【0107】
第2の導電層340は、主軸線A100に沿って延び、それぞれ第2の電気コネクタ242及び第3の電気コネクタ244を備えた2つの両端部を備える。
【0108】
第3の実施形態では、第2の導電層340は、長手方向平面P100に直交して測定される幅を有し、第2の実施形態の第2の導電層240の幅の70%にほぼ等しい。
【0109】
バスバー300が組み立てられると、第2の導電層340は、第1の導電層の約70%と重なるため、バスバー300は、第2の導電層340を通して良好な放熱効果を維持しながら、第2の実施形態のバスバー200と比較して軽量である。
【0110】
第2の導電層340は、第2の導電層340が第1の絶縁層の開口へのアクセスを妨げないように配置されている。第3の実施形態では、第2の導電層340は、溶接動作中に第1の導電層へのアクセスを許容するように構成された第2の開口348を備える。第2の導電層340の幅の減少のために、各第2の開口148は、開いた輪郭、ここでは半円形の輪郭を有する。2つの隣接する第2の開口348は、前の実施形態の追加の切り込み150よりも短い追加の切り込み350によって分離されている。
【0111】
本発明の第4の実施形態によるバスバー400が図9に示されている。バスバー400は、第2の導電層440を備え、一方、バスバー400の図示しない他の構成要素は、第1の実施形態のバスバー100の構成要素と同一である。
【0112】
第2の導電層440は、第2の電気コネクタ142及び第3の電気コネクタ144が取り付けられる中央部分442を備える。第2の導電層440は、第2の導電層440が第1の絶縁層110の開口132へのアクセスを妨げないように配置されている。より正確には、第4の実施形態では、第2の導電層440は、前の実施形態の第2の開口148又は348などの開口を備えないが、中央部分442は、製造がより容易な真っ直ぐな形状を有する。
【0113】
より一般的には、第2の導電層の形状及び輪郭は、真っ直ぐな輪郭又は開口を含めて、設計要件に従って変更することができる。第2の開口148又は348及び追加の切り込み150又は350は、電気伝導率、熱伝導率、及び換算質量の制約を考慮した上で、変更及び/又は組み合わせ、及び/又は省略することができる。
【0114】
この説明で考慮されるモジュール10及びバスバー100の異なる実施形態及び変形についてのそれぞれの特徴は、組み合わせることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】