(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173152
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20221110BHJP
H04R 1/24 20060101ALI20221110BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20221110BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
H04R1/00 310F
H04R1/24 A
H04R17/00
H04R1/02 103B
【審査請求】有
【請求項の数】44
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076679
(22)【出願日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0058426
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0000008
(32)【優先日】2022-01-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】金 泰 亨
(72)【発明者】
【氏名】河 敬 輔
(72)【発明者】
【氏名】南 ▲スル▼ ▲キ▼
(72)【発明者】
【氏名】文 士 晟
【テーマコード(参考)】
5D004
5D018
【Fターム(参考)】
5D004AA02
5D004AA07
5D004CD07
5D004EE01
5D018AB02
(57)【要約】
【課題】 音響の音質を向上させることができ、音圧特性を向上させることができる振動装置を提供する。
【解決手段】 本明細書に係る装置は、振動部材、振動部材の背面に配置された背面カバー、背面カバーの第1背面領域に配置された第1振動装置、および背面カバーの第2背面領域に配置された第2振動装置を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部材と、
前記振動部材の背面に配置された背面カバーと、
前記背面カバーの第1背面領域に配置された第1振動装置と、
前記背面カバーの第2背面領域に配置された第2振動装置とを含む装置。
【請求項2】
前記第1振動装置は、前記背面カバーの水平領域および中間領域のうちの少なくとも1つと重畳する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2振動装置は、前記背面カバーの縁部分領域または中間領域と重畳する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記振動部材は、画像を表示する表示部材を含み、
前記背面カバーは、表示部材の背面に配置される背面カバー部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記背面カバー部は、前記第1振動装置および前記第2振動装置を支持する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記背面カバー部は、前記第1振動装置と重畳する第1ホールを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記背面カバー部は、前記第2振動装置と重畳する第2ホールをさらに含む、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記第2振動装置は、前記背面カバーの間に配置されるプレートをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記プレートは、アルミニウム、無含浸紙、および含浸紙のうちの少なくとも1つ以上を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2振動装置は、圧電素子を含み、
前記圧電素子は、
振動部と、
前記振動部の第1面に配置された第1電極部と、
前記第1面と反対側の第2面に配置される第2電極部とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記振動部は、圧電物質を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記振動部は、
圧電特性を有する複数の無機物質部と、
前記複数の無機物質部の間にある有機物質部とを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
第2振動装置は、
前記振動部の背面に配置されたプレートをさらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記第2振動装置は、圧電素子を含み、
前記圧電素子は、
第1グループおよび第2グループを含み、
前記第1グループおよび第2グループはそれぞれ、圧電特性を有する少なくとも1層を含む振動部と、
前記振動部の第1面に配置された第1電極部と、
前記第1面と反対側の第2面に配置される第2電極部とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記圧電素子は、第3グループをさらに含み、
前記第3グループは、圧電特性を有する少なくとも1層を含む振動部を含み、
前記第3グループは、前記第1グループおよび前記第2グループの間に配置される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第2振動装置は、2つ以上の振動発生器を含み、
前記2つ以上の振動発生器は、互いに同じ方向に振動する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記振動部材は、画像を表示する表示部材を含み、
前記表示部材は、
前記画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの背面の縁部分を支持し、前記背面カバーに支持されたガイド部材と、
前記背面カバーに支持され、前記表示パネルの背面に配置されたバックライト部とをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記バックライト部は、
前記背面カバーに配置される反射シートと、
前記反射シート上に配置された導光板と、
前記導光板上に配置された光学シート部とを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記背面カバーは、前記第1背面領域にある第1ホール、および第2背面領域にある第2のオールを含み、
前記反射シートは、前記第1ホールおよび前記第2ホールを覆う、または直接的に覆うように構成された、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
振動部材と、
前記振動部材の背面に配置された背面カバーと、
前記背面カバーの第1背面領域に配置され、前記背面カバーの水平領域および中間領域と重畳する第1振動装置と、 前記背面カバーの第2背面領域に配置され、前記背面カバーの縁領域または中間領域と重畳する第2振動装置とを含む、装置。
【請求項21】
前記第1振動装置および前記第2振動装置は、水平線方向または斜線方向に隣接して配置される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記振動部材は、画像を表示する表示部材を含み、
前記背面カバーは、前記表示部材の背面に配置される背面カバー部を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記背面カバー部は、前記第1振動装置および前記第2振動装置を支持するように構成された、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記背面カバー部は、前記第1振動装置と重畳する第1ホールを含む、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記背面カバー部は、前記第2振動装置と重畳する第2ホールをさらに含む、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記第2振動装置は、前記背面カバーの背面にあるプレートをさらに含む、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記プレートは、アルミニウム、無含浸紙、および含浸紙のうちの少なくとも1つ以上を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第2振動装置は、圧電素子を含み、
前記圧電素子は、
振動部と、
前記振動部の第1面に配置された第1電極部と、
前記第1面と反対側の第2面に配置された第2電極部分とを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項29】
前記振動部は、圧電物質を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記振動部は、
圧電特性を有する複数の無機物質部と、
前記複数の無機物質部の間にある有機物質部とを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
第2振動装置は、圧電素子と、前記圧電素子の背面に配置されたプレートとをさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項32】
前記第2振動装置は、圧電素子を含み、
前記圧電素子は、第1グループおよび第2グループを含み、
前記第1グループおよび第2グループはそれぞれ、
圧電特性を有する少なくとも1層を含む振動部と、
前記振動部の第1面にある第1電極部と、
前記振動部の第1面と反対側の第2面にある第2電極部とを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項33】
前記圧電素子は、第3グループをさらに含み、
前記第3グループは、圧電特性を有する少なくとも1層を含む振動部を含み、
前記第3グループは、前記第1グループおよび前記第2グループの間にある、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記第2振動装置は、2つ以上の振動発生器を含み、
前記2つ以上の振動発生器が同じ方向に振動する、請求項20に記載の装置。
【請求項35】
前記振動部材は、画像を表示する表示部材を含み、
前記表示部材は、
前記画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの背面の縁部分を支持し、前記背面カバーに支持されたガイド部材と、
前記背面カバーに支持され、前記表示パネルの背面に配置されたバックライト部をさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項36】
前記バックライト部は、
前記背面カバーに配置される反射シートと、
前記反射シート上にある導光板と、
前記導光板上にある光学シート部とを含む、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記背面カバーは、前記第1背面領域にある第1ホールと、前記第2背面領域にある第2ホールとを含み、
前記反射シートは、前記第1ホールと第2ホールを覆う、または直接的に覆うように構成された、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記背面カバーは、第1~第16領域を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項39】
前記第1振動装置は、第6領域~第8領域、および第10領域~第12領域のうちの少なくとも1つにある、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記第1振動装置は、第6領域、第7領域、第10領域、および第11領域のうちの少なくとも1つにある、請求項38に記載の装置。
【請求項41】
前記第2振動装置は、第1領域、第2領域、第5領域、第6領域、第9領域、第10領域、第13領域、および第14領域のうちの少なくとも1つにある、請求項38に記載の装置。
【請求項42】
前記第2振動装置は、第1領域、第5領域、第9領域、および第13領域のうちの少なくとも1つにある、請求項38に記載の装置。
【請求項43】
前記背面カバーの背面は、前記第1~第16領域を含む左側領域と右側領域を含み、
前記第1背面領域は、前記左側領域と前記右側領域において前記第1~第16領域のうちの1つ以上を含み、
前記第2背面領域は、前記左側領域と前記右側領域において前記第1~第16領域のうちの1つ以上を含む、請求項38~42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記左側領域が、左側の最上端から右側の最下端まで、前記第1~第16領域を含み、
前記右側領域は、右側最上端から左側最下端まで、前記第1~第16領域を含む、請求項43に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、装置に関するものであり、より詳細には音響を出力する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
装置は、音響を提供するために別個のスピーカまたは音響装置を含む。装置にスピーカを配置すると、スピーカが占める空間のために装置の設計および空間配置に制約があるという問題が生じる。
【0003】
装置に適用されるスピーカは、例えば、マグネットとコイルを含むアクチュエータであり得る。しかしながら、アクチュエータを装置に適用すると、厚さが厚いという欠点がある。それで、薄い厚さを実現できる圧電素子が注目されている。
【0004】
圧電素子は、脆性特性によって外部衝撃により破損が容易に発生し、それにより音響再生の信頼性が低いという問題点がある。そして、フレキシブル装置に圧電素子などのスピーカを適用した場合、脆性特性により圧電素子が容易に損傷される問題点がある。
【0005】
本明細書の実施例による解決課題は、上述の課題に限定されず、言及していない他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本明細書の発明者らは、上で言及した問題点を認識し、音響の音質を向上させることができ、音圧特性を向上させることができる振動装置を実現するためのいくつかの実験を行った。様々な実験を通じて音響の音質を向上させることができ、音圧特性を向上させることができる新しい振動装置と、それを含む装置および運送装置を発明した。
【0007】
本明細書の実施例に係る解決課題は、装置または振動対象物(または振動部材)を振動させて、振動または音響を発生させることができ、音響特性および/または音圧特性を向上できる振動装置と、それを含む装置を提供することである。
【0008】
本明細書の実施例による解決課題は、構造が単純化された振動装置とそれを含む装置を提供することである。
【0009】
本明細書の実施例に係る解決課題は、外部からの衝撃に強い振動装置とそれを含む装置を提供することである。
【0010】
本明細書の実施例による解決課題は、上述の課題に限定されず、言及していない他の課題は、以下の記載から当業者にはっきりと理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書の実施例による装置は、振動部材と、振動部材の背面に配置された背面カバーと、背面カバーの第1背面領域に配置された第1振動装置と、背面カバーの第2背面領域に配置された第2振動装置とを含むことができる。
【0012】
本明細書の実施例による装置は、振動部材、振動部材の背面に配置された背面カバー、背面カバーの第1背面領域に配置された第1振動装置、および背面カバーの第2背面領域に配置された第2振動装置を含み、背面カバーは、第1~第16領域を含み、第1振動装置は、背面カバーの水平領域および中間領域と重畳し、第2振動装置は、背面カバーの縁領域、または中間領域と重畳し、第1振動装置および第2振動装置は、水平線または斜線に隣接するように配置される。
【0013】
本明細書の実施例による装置は、振動部材と、振動部材の背面に配置された背面カバーとを含み、背面カバーは、左側領域と右側領域を含み、左側領域は、左側の最上端から右側の最下端までマトリックスシーケンスに分割された第1領域~第16領域を含み、右側領域は、右側の最上段から左側の最下段までマトリックスシーケンスに分割された第1領域~第16領域を含み、装置は、第1領域~第16領域のうちの背面カバーのセンターに隣接する1つ以上の領域に配置された第1振動発生装置、および第1領域~第16領域のうちの背面カバーの外側に隣接する1つ以上の領域に配置された第2振動発生装置を含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本明細書の実施例によって音響伝達が可能な装置を提供することができ、音質が改善され、視聴者の没入感を増加させることができる装置を提供することができる。
【0015】
本明細書の一実施例によれば、ディスプレイパネル(表示パネル)の前方に音響を出力することができる装置を提供することができる。
【0016】
本明細書の効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及していないその他の効果は、以下の記載から当業者に、明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本明細書の実施例による装置を示す図である。
【
図2A】
図1に示した装置の背面カバーに配置された振動装置を示す図である。
【
図2B】
図1に示した装置の背面カバーに配置された振動装置から高音が放射されることを例示する図である。
【
図2C】本明細書の実施例による装置を、第1~第16領域に区分した図である。
【
図5A】本明細書の実施例による
図3のB部分を示す図である。
【
図5B】
図3のB部分の他の実施例を示す図である。
【
図6A】本明細書の実施例による第2振動装置の断面図である。
【
図6D】本明細書の実施例による第2振動装置の斜視図である。
【
図6E】本明細書の他の実施例による第2振動装置の断面図である。
【
図6H】本明細書の他の実施例による第2振動装置の斜視図である。
【
図7】本明細書の実施例による第2振動装置の斜視図である。
【
図9】本明細書の実施例による第2振動装置の振動部の斜視図である。
【
図10】本明細書の実施例による第2振動装置の振動部の斜視図である。
【
図11】本明細書の実施例による第2振動装置の振動部の斜視図である。
【
図12】本明細書の実施例による第2振動装置の振動部の斜視図である。
【
図13A】本明細書の実施例による第2振動装置の平面図である。
【
図13B】本明細書の実施例による第2振動装置の平面図である。
【
図15】本明細書の実施例による第2振動装置の振動部の斜視図である。
【
図17】本明細書の実施例による第2振動装置の振動部の斜視図である。
【
図18】本明細書の実施例による第2振動装置の振動部の斜視図である。
【
図19】本明細書の実施例による第2振動装置の振動部の斜視図である。
【
図20】本明細書の実施例による第2振動装置の振動部の斜視図である。
【
図21】本明細書の実施例による装置の音圧特性を示すグラフである。
【
図22】
図2Aにより準備された第1振動装置、第2振動装置および装置の音圧特性を示すグラフである。
【
図23A】本明細書の実施形状による装置の写真である。
【
図23B】本明細書の実施例による装置の背面カバーに配置された振動装置を示す図である。
【
図24】本明細書の第1振動装置の共振周波数による導光板の共振モードを解析した図である。
【
図25A】本明細書の第1振動装置、背面カバー、および導光板の模式図である。
【
図25B】本明細書の背面カバーに第1振動装置の位置変化を示した図である。
【
図27A】本明細書の実施例による装置の背面カバーに配置された振動装置を示す図である。
【
図27B】本明細書の実施例による装置の背面カバーに配置された振動装置を示す図である。
【
図27C】本明細書の実施例による装置の背面カバーに配置された振動装置を示す図である。
【
図27D】本明細書の実施例による装置の背面カバーに配置された振動装置を示す図である。
【
図31】本明細書の実施例による第2振動装置の音圧特性を示すグラフである。
【
図34】
図2Bの装置と実験例の振動装置の音圧特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述される実施例を参照することによって明らかになるであろう。しかしながら、本明細書は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形状で実現されるものであり、本実施例は、単に本明細書の開示を完全にするものであり、本明細書が属する技術分野における通常の知識を有する者に、発明の範疇を完全に知らしめるために提供されるものであり、本明細書は、特許請求の範囲によってのみ定義されるものである。
【0019】
本明細書の実施例を説明するための図に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであり、本明細書が示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同じ参照番号は、同じ構成要素を指す。なお、本明細書の説明において、関連する公知技術の具体的な説明が、本明細書の要旨を不必要に曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略され得る。本明細書で言及される「含む」、「有する」、「からなる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0020】
構成要素を解釈する際に、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0021】
図1は、本明細書の実施例による装置を示す図であり、
図2Aは、
図1に示した装置の背面カバーに配置された振動装置を示す図であり、
図2Bは、
図1に示した装置の背面カバーに配置された振動装置から高音が放出されることを例示した図であり、
図2Cは、本明細書の実施例による装置を第1~第16領域に区分した図であり、
図3は、
図2Aの線I-I’の断面図であり、
図4は、
図3のA部分を示す図である。
【0022】
図1、
図2A~
図2C、
図3、および
図4を参照すると、本明細書の一実施例による装置10は、表示部材100、ガイド部材200、背面カバー600、第1振動装置400、および第2振動装置500を含むことができる。
【0023】
本明細書の一実施例による表示部材100は、映像を表示するディスプレイパネルを含むことができる。例えば、映像は、電子映像(electronic image)またはデジタル映像(digital image)または静止映像(still image)またはビデオ映像(video image)などを含むことができる。表示部材100は、液晶ディスプレイパネルであり得、これに限定されるものではない。例えば、発光ディスプレイパネル、電気泳動ディスプレイパネル、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル、電子湿潤ディスプレイパネル、または量子ドット発光ディスプレイパネルなどのディスプレイパネルであり得る。
【0024】
本明細書の一実施例による表示部材100は、ディスプレイパネル110およびバックライト部130を含むことができる。
【0025】
ディスプレイパネル110は、バックライト部130から照射される光を用いて映像を表示することができる。ディスプレイパネル110は、第1および第2振動装置400、500の振動(または駆動)によって振動して、前方に音響を出力する振動板の役割を兼ねることができる。例えば、ディスプレイパネル110は、第1振動装置400の振動による第1音域帯の第1音響(S1)および第2振動装置500の振動による第1音域帯とは異なる第2音域帯の第2音響(S2)を前方に同時または順次に出力することができる。本明細書の一実施例として、第1音域帯の第1音響(S1)は、ディスプレイパネル110の中間部分から前方に出力することができ、第1音域帯の第1音響(S1)よりも高い第2音域帯の第2音響(S2)は、ディスプレイパネル110の縁部分から
図2Bおよび
図4に示すように装置の後方および/または側方に出力することができる。
【0026】
第1振動装置400は、コイル型の振動発生装置であり得、第2振動装置500は、圧電型の振動発生装置であり得る。第2振動装置500は、圧電効果(piezoelectric effect)によって振動することができる。
【0027】
本明細書の実施例による装置は、振動部材、振動部材の第1背面領域に配置された第1振動装置400、および振動部材の第2背面領域に配置された第2振動装置500)を含むことができる。例えば、振動部材は、表示部材100またはディスプレイモジュールであり得る。
【0028】
振動部材は、金属、プラスチック、紙、繊維、布、および革のうちの1つ以上を含ことができる。
【0029】
本明細書の実施例による装置は、振動部材またはディスプレイパネルを振動プレートとして使用し、振動部材またはディスプレイパネルの前面方向に音響を発生させ、または出力することができる。
【0030】
第2振動発生装置500は、第1振動発生装置400の間に位置することができる。また、本明細書の他の実施例によると、第1振動発生装置400は、第2振動発生装置500の間に位置することができる。
【0031】
また、本明細書の他の実施例による装置は、振動部材、振動部材の背面に配置された背面カバー300、背面カバー300の第1背面領域に配置された第1振動装置400、および背面カバー400の第2背面領域に配置された第2振動装置500を含むことができる。例えば、振動部材は、表示部材100またはディスプレイモジュールであり得る。
【0032】
本明細書の一実施例によるディスプレイパネル110は、上部基板111、下部基板113、下部偏光部材115、および上部偏光部材117を含むことができる。
【0033】
上部基板111は、第1基板または薄膜トランジスタアレイ基板であって、複数のゲートラインと複数のデータラインによって交差する画素領域毎に形成された複数の画素を有する画素アレイ(または表示部)を含むことができる。複数の画素のそれぞれは、ゲートラインとデータラインに連結された薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタに連結された画素電極、および画素電極に隣接するように形成され、共通電圧が供給される共通電極を含むことができる。
【0034】
上部基板111は、第1縁(または第1非表示部)に設けられたパッド部、および第2縁(または第2非表示部)に設けられたゲート駆動回路をさらに含むことができる。
【0035】
パッド部は、外部から供給される信号を画素アレイおよびゲート駆動回路に供給することができる。例えば、パッド部は、複数のデータリンクラインを介して、複数のデータラインに連結された複数のデータパッド、およびゲート制御信号ラインを介して、ゲート駆動回路に連結された複数のゲート入力パッドとを含むことができる。本明細書の一実施例として、パッド部を含む上部基板111の第1縁部は、下部基板113の第1縁部に該当する側面から突出し、パッド部は、背面カバー300に向かう背面方向に露出することができる。例えば、上部基板111の大きさは、下部基板113の大きさより大きい大きさを有することができるが、これに限定されるものではない。
【0036】
本明細書の一実施例によるゲート駆動回路は、複数のゲートラインと一対一に連結するように、上部基板111の第2縁に内蔵(または集積)され得る。例えば、ゲート駆動回路は、画素領域に設けられた薄膜トランジスタと同じ工程によって形成されるトランジスタを含むシフトレジスタで実現することができる。
【0037】
本明細書の他の実施例によるゲート駆動回路は、上部基板111に内蔵せずに、集積回路の形状で実現して、パネル駆動回路に含むこともできる。
【0038】
下部基板113は、第2基板またはカラーフィルタアレイ基板であって、上部基板111に形成された各画素領域に重畳する開口領域を定義することができる画素定義パターン、および開口領域に形成されたカラーフィルタ層を含むことができる。本明細書の一実施例による下部基板113は、上部基板111より小さい大きさを有することができるが、これに限定されるものではない。例えば、下部基板113は、上部基板111の第1縁部を除いた残りの部分と重畳し得る。下部基板113は、シーラント(sealant)によって、液晶層を挟んで上部基板111の第1縁部を除いた残りの部分と接合することができる。
【0039】
液晶層は、上部基板111および下部基板113の間に介在するものであり、各画素に画素電極に印加されるデータ電圧と共通電圧によって形成される電界によって、液晶分子の配列方向が変化する液晶からなり得る。
【0040】
下部偏光部材115は、下部基板113の下面に付着してバックライト部130から入射して液晶層に進行する光を偏光させることができる。
【0041】
上部偏光部材117は、上部基板111の上面に付着して上部基板111を透過して外部に出射する光を偏光させることができる。
【0042】
本明細書の一実施例によるディスプレイパネル110は、各画素に印加されるデータ電圧と共通電圧によって、各画素に形成される電界によって液晶層を駆動することにより、液晶層を透過する光によって映像を表示することができる。
【0043】
本明細書の一実施例に係るディスプレイパネル110は、薄膜トランジスタアレイ基板からなる上部基板111が映像表示面を構成するので、別途の機構物によって覆われる部分なしに前面全体が外部に露出することができる。
【0044】
本明細書の他の実施例によるディスプレイパネル110は、上部基板111がカラーフィルタアレイ基板からなり、下部基板113が薄膜トランジスタアレイ基板からなり得る。例えば、本明細書の他の実施例によるディスプレイパネル110は、本明細書の一実施例によるディスプレイパネル110が、上下反転した形状を有することができる。この場合、本明細書の他の実施例によるディスプレイパネル110のパッド部は、別個の機構物によって覆われ得る。
【0045】
本明細書の一実施例による装置10は、緩衝部材150をさらに含むことができる。
【0046】
緩衝部材150は、ディスプレイパネル110の側面を囲むように形成することができる。緩衝部材150は、ディスプレイパネル110の各側面と各角を覆うように形成することができる。緩衝部材150は、外部衝撃からディスプレイパネル110の側面を保護したり、またはディスプレイパネル110の側面の光漏れを防止する役割を兼ねることができる。本明細書の一実施例による緩衝部材150は、シリコーン系または紫外線(UV)硬化系のシーリング剤(または樹脂(Resin))からなり得、工程タクトタイム(Tact Time)を考慮すると、紫外線(UV)硬化系列のシーリング剤からなり得る。また、本明細書の一実施例による緩衝部材150は、着色(例えば、青色、赤色、青緑色、または黒色)され得、これに限定されず、側面光漏れを防止するための着色樹脂または遮光性樹脂からなり得る。
【0047】
本明細書の一実施例による緩衝部材150の上面の一部は、上部偏光部材117によって覆われ得る。この場合、上部偏光部材170は、緩衝部材150の前面の一部を覆うように、上部基板111の外側面と対応する側面から長く延びて、緩衝部材150の前面の一部に付着した延長部を含むことができる。緩衝部材150と上部基板111の接合面(または緩衝部材150と上部基板111の境界部)は、上部偏光部材170の延長部によって隠されて、視聴者が位置する装置の前方に露出しないことがあり得る。緩衝部材150が形成されていない場合、ディスプレイパネル110の前面は、別途の機構物によって遮られずにそのまま装置の前方(FD)に露出するため、ディスプレイパネル110の側面光漏れ現象が発生し得る。したがって、緩衝部材150は、装置のベゼル幅を除去または最小化するために、ディスプレイパネル110の前面全体を前方(FD)に露出させる構造を有する装置において、ディスプレイパネル110の側面の光漏れ現象を防止し、ディスプレイパネル110の側面を保護するように構成することもでき、省略することもできる。
【0048】
バックライト部130は、ディスプレイパネル110の背面に配置され、ディスプレイパネル110の背面に光を照射することができる。
【0049】
本明細書の一実施例によるバックライト部130は、導光板131、光源部、反射シート133、および光学シート部135を含むことができる。
【0050】
導光板131は、ディスプレイパネル110と重畳するように背面カバー300上に配置され、少なくとも1つの一側壁に設けられた入光面を含むことができる。導光板131は、光透過性プラスチックまたはガラス材質を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。導光板131は、光源部から入光面を通じて入射する光をディスプレイパネル110の方に進行(または出光)させる。例えば、導光板131は、光ガイド部材または平面光源などで表現することができるが、これに限定されるものではない。
【0051】
光源部は、導光板131に設けられた入光面に光を照射する。光源部は、ディスプレイパネル110の第1縁と重畳するように背面カバー300に配置され得る。本明細書の一実施例による光源部は、光源用プリント回路基板に実装され、導光板131の入光面に光を照射する複数の発光ダイオード素子を含むことができる。
【0052】
反射シート133は、導光板131の背面を覆うように背面カバー300に配置することができる。反射シート133は、導光板131から入射した光を導光板131の方に反射させることで、光の損失を最小限に抑えることができる。
【0053】
光学シート部135は、導光板131の前面上に配置され、導光板131から出光する光の輝度特性を向上させる。本明細書の一実施例による光学シート部135は、下部拡散シート、下部プリズムシート、および上部プリズムシートを含むことができる。これに限定されず、拡散シート、プリズムシート、二重輝度強化フィルム、およびレンチキュラーシートのうち、1つ以上の積層組み合わせからなるか、または光の拡散と集光機能を有する一枚の複合シートからなり得る。
【0054】
ガイド部材200は、ディスプレイパネル110の背面の縁部分を支持することができる。ガイド部材200は、ディスプレイパネル110の背面の縁部分と重畳するように背面カバー300に支持または収納され得る。ガイド部材200は、ディスプレイパネル110の各側面の外側に突出しないように、ディスプレイパネル110の背面の縁部分の下に配置され得る。
【0055】
本明細書の一実施例によるガイド部材200は、パネル支持部210およびガイド側壁230を含むことができる。例えば、ガイド部材200は、パネル支持部210とガイド側壁230との結合構造によって、「┓」字または「┏」字形状の断面構造を有することができる。
【0056】
パネル支持部210は、ディスプレイパネル110の背面の縁部分と結合し、背面カバー300によって支持され得る。例えば、パネル支持部210は、ディスプレイパネル110の背面の縁部分を除く残りの中間部分と重畳する開口部を有する四角帯の形状を有することができ、この形状に限定されない。パネル支持部210は、ディスプレイパネル110の各側面の外側に突出しないように、ディスプレイパネル110の大きさと同じかまたは小さい大きさを有することができる。例えば、パネル支持部210の開口部は、ディスプレイパネル110に設けられた画素アレイ(または表示部)と同じ大きさを有するか、または大きな大きさを有することができる。
【0057】
パネル支持部210は、バックライト部130の最上面、例えば光学シート部135の最上面と直接に接触するか、光学シート部135の最上面から一定の距離に離隔することができる。
【0058】
ガイド側壁230は、パネル支持部210に連結され、背面カバー300の側面を包む。例えば、ガイド側壁230は、パネル支持部210から背面カバー300の側面の方に折り曲げられ、背面カバー300の側面を囲むか、または背面カバー300の側面によって囲まれ得る。
【0059】
本明細書の一実施例によるガイド部材200は、プラスチック材質、金属材質、またはプラスチック材質と金属材質の混合材質からなることができ、これらに限定されるものではない。例えば、ガイド部材200は、第2振動装置500によって発生した音振動を、ディスプレイパネル110の縁部分に伝達する振動伝達部材の役割を兼ねることができる。したがって、ガイド部材200は、ディスプレイパネル110の剛性を維持しながら、第2振動装置500によって発生する音振動を損失なく、ディスプレイパネル110に伝達することができる。例えば、ガイド部材200は、ディスプレイパネル110の剛性を維持しながら、第2振動装置500によって発生する音振動を、ディスプレイパネル110に伝達するための金属材質を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0060】
本明細書の一実施例によるガイド部材200は、第1結合部材250を介して、ディスプレイパネル110の背面の縁部分と結合することができる。
【0061】
第1結合部材250(またはパネル結合部材)は、ディスプレイパネル110の背面の縁部分とガイド部材200のパネル支持部210との間に介在して、ディスプレイパネル110をガイド部材200に連結または結合することができる。本明細書の一実施例による第1結合部材250は、アクリル系またはウレタン系の接着部材を含むことができ、これらに限定されるものではない。例えば、第1結合部材250は、ガイド部材200の振動が、ディスプレイパネル110に良好に伝達されるように、相対的に接着力が優秀で、硬度の高い特性を有するアクリル系の接着部材を含むことができる。この場合、第1結合部材250は、アクリル系の接着層を有する両面フォーム接着パッドまたはアクリル系の接着樹脂硬化層を含むことができる。
【0062】
本明細書の一実施例による第1結合部材250の前面は、ディスプレイパネル110の下部基板113または下部偏光部材115と結合することができ、ディスプレイパネル110との接着力を向上させるために、下部基板113の背面の縁部分と直接に結合することができる。この場合、第1結合部材250は、下部基板113の背面の縁部分に付着して、下部偏光部材115の側面を取り囲むことにより、下部偏光部材115で発生する側面光漏れを防止することができる。
【0063】
第1結合部材250は、一定の厚さ(または高さ)を有するように、ディスプレイパネル110とガイド部材200の間に、音伝達空間(STS)を設けることができる。音伝達空間STSは、バックライト部130とディスプレイパネル110との間のギャップを含むことができる。本明細書の一実施例による第1結合部材250は、ガイド部材200のパネル支持部210に、四辺密閉型または閉ループ形状に形成することができるが、これに限定されるものではない。この場合、第1結合部材250は、ガイド部材200の開口部を挟んで互いに向かい合うディスプレイパネル110の最背面とバックライト部130の最上面との間に密閉された音伝達空間(STS)を設けることにより、音伝達空間(STS)に伝達される音圧の漏れ(または損失)を防止または最小化することができる。音伝達空間(STS)は、バックライト部130の振動によって、音圧が発生する音圧発生空間または音圧によるディスプレイパネル110の振動を円滑にするパネル振動空間の役割を兼ねることができる。
【0064】
背面カバー300は、ガイド部材200を支持しながら表示部材100の背面を覆うことができる。また、背面カバー300は、第1および第2振動装置400、500を支持することができる。本明細書の一実施例による背面カバー300は、振動板の役割を兼ねることができ、金属材質または金属合金材質を含むことができる。例えば、背面カバー300は、アルミニウム(Al)材質、マグネシウム(Mg)、マグネシウム(Mg)合金材質、マグネシウムリチウム(Li)合金材質、およびアルミニウム(Al)合金材質のうちのいずれか1つの材質からなり得るが、これに限定されるものではない。
【0065】
本明細書の一実施例による背面カバー300は、表示部材100の背面を支持する背面カバー部310、およびガイド部材200を支持する側面カバー部330を含むことができる。
【0066】
背面カバー部310は、表示部材100の背面を覆うように配置され、表示部材100を支持することができる。背面カバー部310は、板状構造からなり、表示部材100のバックライト部130を支持し、第1振動装置400と第2振動装置500のそれぞれを支持することができる。例えば、背面カバー部310は、反射シート133の背面に直接に接触することにより、第1振動装置400および第2振動装置500のそれぞれの振動によって発生する音振動を、バックライト部130の反射シート133に伝達する役割を兼ねることができる。
【0067】
図4では、背面カバー部310がバックライト部130と密着して示されているが、これに限定されず、背面カバー部310は、バックライト部130と所定の空間に離隔することができる。離隔空間には、空気層を形成することができる。本明細書の一実施例によれば、背面カバー部310とバックライト部130の間の離隔空間は、表示部材100の中間部分に配置することができる。
【0068】
本明細書の一実施例によれば、背面カバー300は、第1ホール313および第2ホール315をさらに含むことができる。
【0069】
第1ホール313(または第1貫通ホールまたは第1背面カバーホール)は、第1振動装置400と重畳する背面カバー300の第1背面領域に配置され、バックライト部130の反射シート133で覆うことができる。例えば、第1ホール313は、背面カバー部310の中間領域(MA)に設けることもできる。第1ホール313は、背面カバー部310の厚さ方向(Z)に沿って、背面カバー部310の中間領域(MA)にある背面カバー部310を貫通するように形成することができる。本明細書の実施例によると、第1振動装置400は、円形状、楕円形状(ellipseまたはoval)、四角形状、または多角形状を有することができるが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。
【0070】
第1ホール313は、バックライト部130と第1振動装置400の間に第1ギャップ空間を設けることができる。例えば、第1ギャップ空間は、第1振動装置400の駆動による振動空間、第1振動装置400の振動によって音圧が発生する音圧空間(または響き部)、または第1振動装置400の振動によって発生する音波が、表示部材100に直接に伝播する音波伝播経路(または音響エネルギー入射部)として表現することができるが、これに限定されるものではない。
【0071】
本明細書の一実施例による第1ホール313の大きさ(または幅)は、第1振動装置400の大きさより小さい大きさを有することができる。第1ホール313の全体の大きさ(または全幅)が、第1振動装置400の全体の大きさより大きい場合、第1振動装置400は、第1ホール313に挿入(または貫通または収容)されることによって、別途の機構物なしで、第1振動装置400を第1ホール313に配置することができなくなる。したがって、第1ホール313の全体の大きさが第1振動装置400の全体の大きさより小さい場合、別途の機構物なしに第1振動装置400を第1ホール313に配置することができる。例えば、本明細書の一実施例による第1ホール313は、第1振動装置400と同じ形状を有してもよく、四角形状または円形状を有してもよいが、これに限定されるものではない。
【0072】
第2ホール315(または第2貫通ホールまたは第2背面カバーホール)は、第2振動装置500と重畳する背面カバー300の第2背面領域に配置され、バックライト部130の反射シート133で覆うことができる。例えば、第2ホール315は、背面カバー部310の縁領域(EA)に設けることができる。第2ホール315は、背面カバー部310の厚さ方向(Z)に沿って、背面カバー部310の縁領域(EA)にある背面カバー部310を貫通するように形成することができる。本明細書の実施例によると、第2ホール315は、円形状、楕円形状(ellipseまたはoval)、四角形状、または多角形状を有することができるが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。
【0073】
第2ホール315は、バックライト部130と第2振動装置500の間に第2ギャップ空間を設けることができる。例えば、第2ギャップ空間は、第2振動装置500の駆動による振動空間、第2振動装置500の振動によって音圧が発生する音圧空間(または響き部)、または第2振動装置500の振動によって発生する音波が、表示部材100に直接に伝播する音波伝播経路(または音響エネルギー入射部)として表現することができるものの、これに限定されるものではない。
【0074】
本明細書の一実施例による第2ホール315の大きさ(または幅)は、第2振動装置500の大きさより小さい大きさを有することができる。第2ホール315の全体の大きさ(または全幅)が、第2振動装置500の全体の大きさより大きい場合、第2振動装置500が、第2ホール315に挿入(または貫通または収容)されることにより、別途の機構物なしで第2振動装置500を第2ホール315に配置することができなくなる。したがって、第2ホール315の全体大きさが、第2振動装置500の全体の大きさより小さい場合、別途の機構物なしに第2振動装置500を第2ホール315に配置することができる。例えば、本明細書の一実施例による第2ホール315は、第2振動装置500と同じ形状を有するか、または四角形状、多角形状、楕円形状、または円形状を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0075】
側面カバー部330は、背面カバー部310の縁から曲げられ、ガイド部材200を支持することができる。側面カバー部330は、背面カバー部310上にバックライト収納空間を設け、バックライト収納空間に収納(または支持)されたバックライト部130の側面を囲む。側面カバー部330は、第2振動装置500によって、背面カバー部310に発生する音振動をガイド部材200に伝達する役割を兼ねることができる。
【0076】
本明細書の一実施例による背面カバー300は、補強部350をさらに含むことができる。補強部350は、背面カバー300の剛性を補強することができるので、剛性補強部であり得るが、これに限定されるものではない。
【0077】
本明細書の一実施例による補強部350は、背面カバー部310および側面カバー部330が交差する領域(または連結領域)に形成することができる。本明細書の一実施例として、補強部350は、背面カバー部313の縁領域(EA)に沿って形成することができる。例えば、補強部350は、背面カバー部310の先端から傾斜した傾斜面を有するように背面方向に突出することができる。背面カバー300が補強部350を含む場合、側面カバー部330は、補強部350の先端に連結することができる。
【0078】
第1振動装置400は、背面カバー300の第1背面領域に配置され、表示部材100の第1背面領域を振動させることができる。例えば、背面カバー300の第1背面領域は、表示部材100の中間領域(MA)または縁領域(EA)と重畳してもよく、表示部材100の第1背面領域は、中間領域(MA)または縁領域(EA)であり得る。
【0079】
第1背面領域は、振動部材の長手方向に2等分したとき、2等分された背面カバー300の縁を除いた、中央部と重畳する領域であり得る。例えば、背面カバー300の縁は、縁領域(EA)を含むことができ、中央部は、センター領域(CA)および中間領域(MA)を含むことができる。
【0080】
第1背面領域は、背面カバー300の中央部のうちの上端側に配置され得る。例えば、背面カバー300の上端側は、振動部材を縦方向に2等分したとき、上端部分であり得る。
【0081】
第1背面領域は、背面カバー300の中央部のうちの縁に配置され得、背面カバー300の縁は、振動部材の短辺角部に隣接する側であり得る。
【0082】
本明細書の一実施例による第1振動装置400は、背面カバー300の中間領域(MA)に配置され、表示部材100の中間領域(MA)を振動させることができる。第1振動装置400は、表示部材100の中間領域(MA)において、表示部材100と背面カバー300の間に音圧を発生させることができる。第1振動装置400は、表示部材100と背面カバー300の間に音圧を発生させ、この音圧によって、表示部材100の中間領域(MA)を振動させて、表示部材100の中間領域(MA)から第1音域帯の第1音響(S1)を発生させることができる。本明細書の一実施例による第1音域帯の第1音響(S1)は、低音域帯の周波数を有することができる。例えば、低音域帯は200Hz以下であり得るものの、必ずしもこれに限定されず、3kHz以下であり得る。
【0083】
本明細書の一実施例による第1振動装置400は、背面カバー300の背面カバー部310の中間領域(MA)に結合または配置することができる。したがって、第1振動装置400は、外部から入力する音響信号(またはボイス信号)に応答して、背面カバー部310の中間領域(MA)を振動させることにより音圧を発生させ、この音圧を介して表示部材100の中間領域(MA)を振動させて、第1音域帯の第1音響(S1)を発生させることができる。本明細書の一実施例による第1振動装置400は、音響アクチュエータ(sound actuator)または音響励振器(sound exciter)を含むことができるが、これに限定されず、コイル(またはボイスコイル)と磁石を使用する音響発生装置として実現することができる。
【0084】
本明細書の一実施例による第1振動装置400は、第1音響発生装置410および第2音響発生装置430を含むことができる。
【0085】
第1音響発生装置410は、表示部材100の中間領域(MA)のうち、第1中間領域(MA1)を振動させて、第1音域帯の第1音響(S1)をディスプレイパネル110の前方(FD)に出力することができる。第1音響発生装置410は、背面カバー部310の中間領域(MA)のうち、第1中間領域(MA1)に配置され得る。例えば、第1音響発生装置410は、背面カバー部310の第1中間領域(MA)1に形成された第1ホール313を覆うように、背面カバー部310に配置または連結することができる。
【0086】
本明細書の一実施例による第1音響発生装置410は、音響信号に応答して背面カバー部310の第1中間領域(MA1)を振動させて、第1ホール313の内部(または第1ギャップ空間)に音圧を発生させることにより、表示部材100の第1中間領域(MA1)を振動させて第1音域帯の第1音響(S1)を発生させることができる。例えば、第1音響発生装置410が音響信号によって振動すると、第1音響発生装置410の振動による背面カバー部310の第1中間領域(MA1)の振動によって、第1ホール313の内部に音圧が発生し、この音圧によるバックライト部130の振動によって、音伝達空間(STS)に音圧が発生し、音伝達空間(STS)に発生する音圧によるディスプレイパネル110の第1中間領域(MA1)の振動によって発生する第1音域帯の第1音響(S1)をディスプレイパネル110の前面(FD)に出力することができる。したがって、第1音響発生装置410の振動に伴って発生する音波は、第1ホール313を介して表示部材100に直接に伝達(または伝播)されることにより、第1音響(S1)の音圧特性と、音質を向上させることができる。
【0087】
第2音響発生装置430は、表示部材100の中間領域(MA)のうち、第2中間領域(MA2)を振動させて、第1音域帯の第1音響(S1)をディスプレイパネル110の前方に出力することができる。第2音響発生装置430は、背面カバー部310の中間領域(MA)のうち、第2中間領域(MA2)に配置され得る。例えば、第2音響発生装置430は、背面カバー部310の第2中間領域(MA2)のうち、第1ホール313を覆うように背面カバー部310に配置または連結され得る。
【0088】
本明細書の一実施例による第2音響発生装置430は、音響信号に応答して背面カバー部310の第2中間領域(MA2)を振動させて、第1ホール313の内部(または第1ギャップ空間)に音圧を発生させることにより、表示部材100の第2中間領域(MA2)を振動させて、第1音域帯の第1音響(S1)を発生させることができる。例えば、第2音響発生装置430が音響信号によって振動すると、第2音響発生装置430の振動による背面カバー部310の第2中間領域(MA2)の振動にしたがって、第1ホール313の内部に音圧が発生し、この音圧によるバックライト部130の振動によって音伝達空間(STS)に音圧が発生し、音伝達空間(STS)に発生する音圧ディスプレイパネル110の第2中間領域(MA2)の振動によって発生する第1音域帯の第1音響(S1)をディスプレイパネル110の前面(FD)に出力することができる。したがって、第2音響発生装置430の振動に伴って発生する音波は、第1ホール313を介して表示部材100に直接に伝達(または伝播)されることにより、第1音響(S1)の音圧特性と、音質を向上させることができる。
【0089】
本明細書の一実施例による第1音響発生装置410および第2音響発生装置430の位置は、第1音響発生装置410および第2音響発生装置430の振動による音響との調和または立体音響を含む音響の実現によって設定することができる。例えば、第1および第2音響発生装置410、430のそれぞれの配置位置は、表示部材100の第1方向(X)(または横方向)を基準とするとき、表示部材100の中間ライン(CL)を中心に対称構造を有するか、非対称に配置することができる。
【0090】
第2振動装置500は、背面カバー300の第2背面領域に配置され、表示部材100の第2背面領域を振動させることができる。例えば、背面カバー300の第2背面領域は、表示部材100の中間領域(MA)および縁領域(EA)のうち、第1振動装置400が配置された第1背面領域を除く部分であり得、表示部材100の第2背面領域は、中間領域(MA)および縁領域(EA)のうち、第1振動装置400が配置された第1背面領域を除いた部分であり得る。
【0091】
第2背面領域は、振動部材(またはディスプレイモジュールまたは表示部材)を横方向に2等分したが、2等分された振動部材の縁と重畳しながら最外郭の角と重畳する領域であり得る。第1背面領域と第2背面領域は、互いに非重畳になる領域であり得る。例えば、振動部材の縁は、縁領域(EA)を含む領域であり得、最外郭の角と重なる領域は、コーナー領域(CP)を含む領域であり得る。
【0092】
本明細書の一実施例による第2振動装置500は、背面カバー300の第2背面領域に配置され、表示部材100の中間領域(MA)または縁領域(EA)を振動させることができる。第2振動装置500は、表示部材100の中間領域(MA)または縁領域(EA)に音振動を発生させることができる。第2振動装置500は、表示部材100の中間領域(MA)および縁領域(EA)に発生する第1音域帯の第1音響(S1)とは異なる第2音域帯の第2音響(S2)を表示部材100の縁領域(EA)で発生させることができる。
【0093】
または、本明細書の一実施例による第2振動装置500は、背面カバー300の第2背面領域に配置され、表示部材100の縁領域(EA)を振動させることができる。第2振動装置500は、表示部材100の縁領域(EA)に音振動を発生させることができる。第2振動装置500は、表示部材100の中間領域(MA)に発生する第1音域帯の第1音響(S1)とは異なる第2音域帯の第2音響(S2)を表示部材100の縁領域(EA)で発生させることができる。
【0094】
本明細書の一実施例による第2音域帯の第2音響(S2)は、中高音域帯または高音域帯の周波数を有することができる。例えば、中音域帯は200Hz~3kHzであり得、必ずしもこれに限定されず、3kHz~5kHzであり得る。高音域は3kHz以上であり得、必ずしもこれに限定されず、5kHz以上であり得る。
【0095】
本明細書の一実施例による第2振動装置500は、背面カバー300の背面カバー部310のうち、縁領域(EA)に結合または配置され得る。例えば、第2振動装置500は、背面カバー部310の縁領域(EA)に結合または配置され得る。したがって、第2振動装置500は、外部から入力する音響信号(またはボイス信号)に応答して、背面カバー部310の縁領域(EA)を振動させることで音振動を発生させ、この音振動を介して表示部材100の縁領域を振動させて、第2音域帯の第2音響(S2)を発生させることができる。本明細書の一実施例による第2振動装置500は、圧電効果によって振動されるように実現され得る。本明細書の一実施例による第2振動装置500は、圧電効果(piezoelectric effect)(または逆圧電特性)を有する圧電素子または圧電物質を含むことができる。例えば、圧電素子は、圧電材料層、圧電振動部、圧電駆動部、圧電振動層、または圧電構造物などであり得、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。
【0096】
本明細書の一実施例による第2振動装置500は、第1圧電振動装置510および第2圧電振動装置530を含むことができる。
【0097】
第1圧電振動装置510は、表示部材100の縁領域(EA)のうち、第1縁領域(EA1)(または左縁部分)を振動させて第2音域帯の第2音響(S2)をディスプレイパネル110の前方に出力することができる。第1圧電振動装置510は、背面カバー部310の縁領域(EA)のうち、第1縁領域(または左縁領域)(EA1)に配置され得る。例えば、第1圧電振動装置510は、背面カバー部310の第1縁領域(EA1)のうち、第2ホール315を覆うように背面カバー部310に配置または結合され得る。
【0098】
本明細書の一実施例による第1圧電振動装置510は、音響信号に応答して、背面カバー部310の第1縁領域(EA1)を振動させてディスプレイパネル110の第1縁領域(EA1)を振動させることにより、ディスプレイパネル110の第1縁領域(EA1)に第2音域帯の第2音響(S2)を発生させることができる。例えば、第1圧電振動装置510が音響信号によって振動すると、第1圧電振動装置510の振動によって背面カバー部310の第1縁領域(EA1)に発生する音振動が、背面カバー300の側面カバー部330とガイド部材200を介して、ディスプレイパネル110の第1縁領域(EA1)に伝達され、ガイド部材200を介して伝達される音振動によるディスプレイパネル110の第1縁領域(EA1)の振動によって発生する第2音域帯の音響(S2)を、ディスプレイパネル110の前方に出力することができる。したがって、第1圧電振動装置510の振動に伴って発生する音波は、第2ホール315を介して表示部材100の第1縁部分(EP1)に直接に伝達(または伝播)されることにより、第2音響(S2)の音圧特性と音質を向上させることができ、第1圧電振動装置510の振動に伴う背面カバー部310の第1縁領域(EA1)の振動が減少するにつれて、第2音響(S2)の音圧特性と音質をさらに向上させることができる。
【0099】
本明細書の一実施例による第1圧電振動装置510は、背面カバー部310の第1縁領域(EA1)の音振動に相応するディスプレイパネル110の第1縁領域(EA1)の音振動によって発生する高音の第2音響(S2)を聴音者に直接に伝達することができるように、背面カバー300の側面カバー部330に近接するように配置することができる。例えば、第1圧電振動装置510は、ディスプレイパネル110の第1縁領域(EA1)を支持するガイド部材200のパネル支持部210と重畳するように、背面カバー部310の第1縁領域(EA1)に配置することができる。
【0100】
本明細書の一実施例に係る第1圧電振動装置510は、第2方向(Y)と平行な背面カバー部310の長手方向(または縦方向)を基準に、背面カバー部310の水平領域(HA)またはコーナー領域(CP)に配置することができる。例えば、本明細書の一実施例による第1振動装置400の第1音響発生装置410は、第1方向(X)を基準として、第1圧電振動装置510と同一線上に配置するか、第1方向(X)と平行な中間水平線の上側または下側に配置することができる。本明細書の一実施例として、第1音響発生装置410の中心部は、第1方向(X)に沿って第1圧電振動装置510の中心部から延長した中間水平線上に配置され得る。本明細書の他の実施例として、第1音響発生装置410の中心部は、第2方向(Y)を基準に水平領域(HA)に配置され得る。第1音響発生装置410の中心部は、表示部材100の中間領域(MA)のうち、第1中間領域(MA1)の振動によって発生する低音の第1音響(S1)が聴音者に直接に伝達されるように、第2方向(Y)を基準に水平線(または中間水平線)の上または水平線(または中間水平線)の下に配置することができる。
【0101】
本明細書の一実施例による第1圧電振動装置510は、第1接着部材512を介してベースプレート501に付着した第1圧電素子511を含むことができる。
【0102】
第1圧電素子511は、圧電効果(piezoelectric effect)を有する圧電物質層を含むことができる。
【0103】
圧電物質層は、電界によって振動を発生する圧電物質を含むことができる。ここで、圧電物質は、外力によって結晶構造に圧力またはねじれ現象が作用しながら、正(+)イオンと負(-)イオンの相対的な位置変化に伴う誘電分極によって電位差が発生し、逆に印加される電圧による電界によって振動が発生する特性を有する。
【0104】
本明細書の一実施例による圧電物質層は、高分子材料の圧電物質、薄膜材料の圧電物質、複合材料の圧電物質、または単結晶セラミックまたは多結晶セラミックの圧電物質を含むことができる。本明細書の一実施例による高分子材料の圧電物質は、PVDF(ポリビニリデンフルオライド;polyvinylidene fluoride)、P(VDF-TrFe)(ポリビニリデンフルオライド-トリフルオロエチレン;Poly(vinylidene fluoride-trifluoroethylene)、またはP(VDFTeFE)(ポリビニリデンフルオライド-テトラフルオロエチレン;Poly(vinylidene fluoride-tetrafluoroethylene)を含むことができる。本明細書の一実施例による薄膜材料の圧電物質は、ZnO、CdS、またはAlNを含むことができる。本明細書の一実施例による複合材料の圧電物質は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛;lead zirconate titanate)-PVDF、PZT-シリコンラバー(PZT-silcone rubber)、PZT-エポキシ(PZT-epoxy)、PZT-フォームポリマー(PZT-foam polymer)、またはPZT-フォームウレタン(PZT-foam urethane)を含むことができる。本明細書の一実施例による単結晶セラミックの圧電物質は、リン酸アルミニウム(aluminum phosphate)(例えば、ベルリン酸(berlinite)、α-AlPO4)、シリコンジオキシド(silicon dioxide)(例えば、α-SiO2)、ニオブ酸リチウム(lithium niobate)(LiNbO3)、テルビウムモリブデン酸塩(terbium molydbate)(Tb2(MoO4)3)、四ほう酸リチウム(lithium tetraborate)(Li2B4O7)、またはZnOを含むことができる。本明細書の一実施例による多結晶セラミックの圧電物質は、PZT系、PT系、PZT-コンプレックスペロブスカイト(PZT-complex perovskite)系、またはバリウムチタン酸塩(barium titanate;BaTiO3)を含むことができる。
【0105】
本明細書の一実施例による第1圧電素子511は、第1方向(X)と平行な第1長さおよび第2方向(Y)と平行な第2長さを有することができる。例えば、第1圧電素子511の第1長さは、第2長さより短くてもよく、また、本明細書の実施例がこれに限定されず、第2長さと同じでも長くてもよい。
【0106】
第1接着部材512は、両面テープまたは自然硬化性接着剤であり得、これに限定されるものではない。例えば、第1接着部材512は、熱硬化性接着剤または光硬化性接着剤からなり得るが、この場合、第1接着部材512の硬化工程の熱によって、第1圧電素子511の特性が低下し得る。
【0107】
本明細書の一実施例による第1圧電振動装置510は、第1圧電素子511の前面に付着した第1保護部材513、および背面に付着した第2保護部材515をさらに含むことができる。
【0108】
第1保護部材513および第2保護部材515の大きさは、第1圧電素子511よりも広い大きさを有するように形成され、第1圧電素子511の前面、および背面に付着することができる。第1保護部材513および第2保護部材515は、静電気等の電気的な衝撃および/または物理的な衝撃等による、第1圧電素子511の損傷を防止することができる。例えば、第1圧電素子511は、パネル駆動回路部などの表示部材100から発生したり外部から流入した静電気によって損傷することがあり、表示部材100の押圧に伴う表示部材100との物理的な接触によって損傷し得る。これにより、第1保護部材513は、圧電素子の前面に付着し、第2保護部材515は、第1圧電素子511の背面に配置されることで、表示部材100を介して第1圧電素子511に伝達される静電気を遮断して、静電気から第1圧電素子511を保護することができ、表示部材100から第1圧電素子511に加わる物理的な衝撃から、第1圧電素子511を保護することができる。本明細書の一実施例による第1保護部材513および第2保護部材515は、第1圧電素子511の背面に付着される粘着層を有する片面絶縁テープ、両面絶縁テープ、絶縁性片面フォームテープ、絶縁性両面フォームテープを含むことができる。例えば、第1保護部材513および第2保護部材515は、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリビニルクロリド(PVC)の材料を含むことができる。
【0109】
第2圧電振動装置530は、表示部材100の縁領域(EA)のうち、第2縁領域(EA2)(または右側縁部分)を振動させて、第2音域帯の第2音響(S2)をディスプレイパネル110の前方(FD)に出力することができる。第2圧電振動装置530は、背面カバー部310の縁領域(EA)のうち、第2縁領域(または右側縁領域)(EA2)に配置することもできる。例えば、第2圧電振動装置530は、背面カバー部310の第2端領域(EA2)のうち、第2ホール315を覆うように背面カバー部310に配置または結合され得る。
【0110】
本明細書の一実施例による第2圧電振動装置530は、音響信号に応答して背面カバー部310の第2縁領域(EA2)を振動させて、ディスプレイパネル110の第2縁領域(EA2)を音振動させることにより、ディスプレイパネル110の第2縁領域(EA2)に第2音域帯の第2音響(S2)を発生させることができる。例えば、第2圧電振動装置530が音響信号によって振動すると、第2圧電振動装置530の振動によって背面カバー部310の第2縁領域(EA2)に発生する音振動が、背面カバー300の側面カバー部330とガイド部材200を介して、ディスプレイパネル110の第2縁領域(EA2)に伝達され、ガイド部材200を介して伝達される音振動によるディスプレイパネル110の第2縁領域(EA2)の振動によって発生した第2音域帯の音響(S2)を、ディスプレイパネル110の前面(FD)に出力することができる。したがって、第2圧電振動装置530の振動によって発生する音波は、第2ホール315を介して、表示部材100の第2縁領域(EA2)に直接に伝達(または伝播)されることによって、第2音響(S2)の音圧特性と音質を向上させることができ、第2圧電振動装置530の振動による背面カバー部310の第2縁領域(EA2)の振動が減少することによって、第2音響(S2)の音圧特性と音質をさらに向上させることができる。
【0111】
本明細書の一実施例による第2圧電振動装置530は、表示部材100の中間ライン(CL)を中心に、第1圧電振動装置510と対称となるように背面カバー部310の第2縁領域(EA2)に配置されるか、または他の位置に配置され得る。
【0112】
本明細書の一実施例による第1圧電振動装置510と第2圧電振動腸530の位置は、第1圧電振動装置510と第2圧電振動装置530の振動による音響との調和、または立体音響を含む音響の実現によって設定することができる。例えば、第1圧電振動装置510および第2圧電振動装置530のそれぞれの配置位置は、表示部材100の第1方向(X)(または横方向)を基準とするとき、表示部材100の中間ライン(CL)を中心に対称構造を有するか、非対称に配置することができる。
【0113】
本明細書の一実施例による第2圧電振動装置530は、第1接着部材512を介して、背面カバー部310に付着した第2圧電素子を含むことができる。
【0114】
第2圧電素子は、圧電効果(piezoelectric effect)を有する圧電物質層を含むことができる。第2圧電素子は、第1圧電振動装置510の第1圧電素子511と実質的に同一の構成(または構造)を有するので、これに対する重複説明は省略する。
【0115】
第1接着部材512は、両面テープまたは自然硬化性接着剤であり得、これに限定されるものではない。第1接着部材512は、熱硬化性接着剤または光硬化性接着剤からなり得るが、この場合、第1接着部材512の硬化工程の熱によって第2圧電素子の特性が低下することがあり得る。
【0116】
本明細書の一実施例による第2圧電振動装置530は、第2圧電素子の前面に付着した第1保護部材513および背面に付着した第2保護部材515をさらに含むことができる。
【0117】
第1保護部材513および第2保護部材515の大きさは、第2圧電素子よりも広い大きさを有するように形成され、第2圧電素子の背面に付着される。第1保護部材513および第2保護部材515は、静電気等の電気的な衝撃および/または物理的な衝撃等による第2圧電素子の損傷を防止するものであり、これは第1圧電素子511の第1保護部材513および第2保護部材515と実質的に同一の構成(または構造)を有するので、これに対する重複説明は省略する。
【0118】
本明細書による装置は、背面カバー300の背面に配置されたシステム背面カバー600をさらに含むことができる。
【0119】
システム背面カバー600は、第1および第2振動装置400、500がそれぞれ結合した表示部材100を収納し、表示部材100の側面を包むことができる。例えば、システム背面カバー600は、セットカバー、背面セットカバー、最外郭セットカバー、製品カバー、または最外郭製品カバーなどで表わすことができ、これらに限定されるものではない。
【0120】
本明細書の一実施例によるシステム背面カバー600は、背面構造610および側面構造630を含むことができる。
【0121】
背面構造610は、装置の背面に位置する最外郭背面機構物であって、表示部材100を支持(または収納)して、表示部材100の背面を覆うことができる。
【0122】
側面構造630は、装置の側面に位置する最外側側面機構であり、背面構造610の端に連結されて表示部材100の側面を覆うことができる。
【0123】
図2Cは、本明細書の実施例による装置を左側領域、右側領域、および第1~第16領域(1~16)に区分したものである。
【0124】
図2Cを参照すると、本明細書の実施例による装置は、中間ライン(CL)を中心に左右対称とすることができ、左側領域(LA)と右側領域(RA)に区分することができ、左側領域(LA)は、左側最上端から行列順に16個の同一面積で、第1領域~第16領域(1~16)に区分することができ、右側領域は逆に右側最上端から行列順に第1領域~第16領域(1~16)に区分することができる。
【0125】
本明細書の実施例による装置は、第1方向(X)にセンター領域(CA)、第1、第2中間領域(MA1、MA2)を含む中間領域(MA)、第1、第2縁領域(EA1、EA2)を含む縁領域(EA)を含むことができる。センター領域(CA)は、第4領域、第8領域、第12領域、および第16領域を含むことができる。中間領域(MA)は、第2領域、第3領域、第6領域、第7領域、第10領域、第11領域、第14領域、および第15領域を含むことができる。縁領域(EA)は、第1領域、第5領域、第9領域、および第13領域を含むことができる。
【0126】
本明細書の実施形態による装置は、背面カバーのセンターにあるセンター領域、背面カバーの周辺にある周辺領域、およびセンター領域と周辺領域との間の中間領域を含むことができる。例えば、センター領域は、第8領域および第12領域を含み、周辺領域は、第1~第5領域、第9領域、第10領域、および第12領域~第16領域を含み、中間領域は、第2領域、第3領域、第6領域、第7領域、第10領域、および第11領域を含むことができる。本明細書のいくつかの実施例において、第1振動装置は、背面カバーのセンターに隣接する第1領域~第16領域のうちの1つ以上の領域に配置され得る。そして、第2振動装置は、背面カバーの外側に隣接する第1領域~第16領域のうちの1つ以上の領域に配置され得る。
【0127】
また、本明細書の実施例による装置は、第2方向(Y)に水平領域(HA)、および第1、第2コーナー領域(CP1、CP2)を含むコーナー領域(CP)を含むことができる。水平領域(HA)は、第5~第8領域および第9~第12領域を含むことができる。第1コーナー領域(CP1)は、第1~第4領域を含むことができ、第2コーナー領域(CP2)は、第13~第16領域を含むことができる。
図2Cに示すように、水平領域(HA)は、Y方向を基準にして、第1コーナー領域(CP1)と第2コーナー領域(CP2)との間に位置することができる。したがって、水平領域(HA)は、装置の中央部で左側側辺から右側側辺に延長される部分であり得る。
【0128】
本明細書の実施例によると、第1振動装置400は、第1および第2音響発生装置410、430を含むことができ、例えば背面カバー300の第6、7、10、11領域に配置され得る。
【0129】
本明細書の実施例によると、第2振動装置500は、第1および第2音響発生装置510、530を含むことができ、背面カバー300の第1、5、9、13領域に配置され得る。
【0130】
本明細書の実施例によると、第2振動装置500は、水平方向に基づいて、支持部材(または装置または背面カバー300))の背面の半分(half side)を16(または4×4)等分したとき、例えば第1領域~第16領域(1~16)のうち、第1領域1および第13領域13の1つ以上に配置され得、支持部材の角縁(またはコーナー)に隣接する側面に配置され得る。例えば、支持部材の縁は、コーナー領域(CP)を含むことができる。
【0131】
第2振動装置500が背面カバー300縁に配置される場合、背面カバー300の縁は、第2振動装置500から生成される高音(HSW)の伝達経路として確保(または活用)され得、第2振動装置500から生成される高音(HSW)が放射され得るので、装置の高音特性が向上され得る。例えば、背面カバー300縁は、縁領域(EA)を含むことができる。
【0132】
本明細書の実施例によると、第2振動装置500は、ディスプレイモジュール(または振動部材)の角またはコーナーを振動させるように構成され得る。例えば、第2振動装置500は、支持部材(または装置)の背面の半分(half side)を16(または4×4)等分したとき、第1領域~第16領域のうち、第1領域および第13領域のうちの1つ以上に配置され得る。
【0133】
本明細書の実施例によると、第1振動装置400は、第1~第16領域のうち、第6領域および第10領域のいずれかに配置され得る。また、第1振動装置400は、第1~第16領域のうち、第7領域および第11領域のいずれかに配置され得る。
【0134】
本明細書の実施例によると、第1背面領域は、支持部材(または装置)の背面を長手方向(X方向)に2等分したとき、2等分された支持部材(または振動部材)の縁を除いた中央部と重なる領域であり得る。例えば、中央部は、コーナー領域(CP)および中間領域(MA)を含むことができる。
【0135】
本明細書の実施例によると、第1背面領域は、中央部のうちの上端側に配置され得る。
【0136】
本明細書の実施例によると、第1背面領域は、中央部の縁に配置され得、縁は、支持部材(または振動部材)の短辺に隣接する側であり得る。
【0137】
本明細書の実施例によると、第1振動装置400は、振動板または振動部材の横方向および対角線方向に基づいて、横方向および対角線方向と重ならない領域または部分に配置され得る。例えば、第1振動装置400は、振動板または振動部材の縦方向および対角線方向を基準として、縦方向および対角線方向と重ならない領域または部分に配置され得る。例えば、横方向は、水平領域(HA)の中央部を横切る線であり得、縦方向は、中間ライン(CL)であり得、対角線方向は、対角線に面する2つの頂点を連結する線のうちの1つであり得る。
【0138】
本明細書の実施例によると、第1振動装置400は、振動板(例えば、ディスプレイモジュール)または振動部材の横方向、縦方向、および対角線方向を基準として、横方向、縦方向、および対角線方向と重畳ならない領域または部分に配置され得る。例えば、第1振動装置400は、第2振動装置500と同じ行または同じ列に配置されないことがあり得る。例えば、第1振動装置400は、第2振動装置500と横方向または縦方向と同じ横方向または縦方向に配置されないことがあり得る。例えば、第1振動装置400は、第2振動装置500と斜線方向または対角線方向に配置され得る。例えば、第1振動装置400は、第2振動装置500と斜線方向または対角線方向と同じ線に配置され得る。例えば、第1振動装置400の中心部と第2振動装置500の中心部は、横方向の横線と縦方向の縦線との間の斜線または対角線に配置され得る。例えば、同じ行、および同じ列は、第1~第16領域を含む振動部材で、第1方向または第2方向に同じ行または同じ列であり得る。
【0139】
本明細書の実施例によると、第2振動装置500は、支持部材(例えば、カバーボトム)の反り量の偏差が小さい位置に配置され得る。例えば、縁領域(EA)のうち、コーナー領域(CP)と重畳する領域の反り量の偏差は、縁領域(EA)のうち、コーナー領域(CP)と重畳ならない領域の反り量の偏差よりも小さくても良い。例えば、縁領域(EA)のうち、コーナー領域(CP)と重畳する領域は、第1領域1または第13領域13を含むことができ、縁領域(EA)のうち、コーナー領域(CP)と重畳ならない領域は、第5領域5または第9領域9を含むことができる。したがって、第2振動装置500は、第1領域1または第13領域13に配置され得る。
【0140】
図5Aは、本明細書の実施例による
図3のB部分を示したものであり、
図5Bは、
図3のB部分の他の実施例を示したものである。
図5Aおよび
図5Bは、
図3に示すB部分の拡大図であり、これは
図3に示した装置における第1および第2振動装置の構造を詳細に示したものである。したがって、以下の説明では、第1および第2振動装置のそれぞれについてのみ詳細に説明し、残りの構成に対しては
図3と同じ参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略するか、または簡単に説明することができる。
【0141】
図5Aを参照すると、本明細書の実施例に係る装置は、背面カバー300の背面に配置された第1振動装置400および第2振動装置500を含むことができる。
【0142】
本明細書の実施例に係る装置は、振動板と振動板の背面に配置された第1振動装置400を含むことができる。本明細書の実施例に係る第1振動装置400は、第1および第2音響発生装置410、430を含むことができる。例えば、第1振動装置400は、コイル型の振動装置であり得る。
【0143】
第1および第2音響発生装置410、430のそれぞれは、背面カバー300の背面カバー部310に形成された第1ホール313を覆うように背面カバー部310に支持され得る。第1および第2音響発生装置410、430のそれぞれは、音響信号によって振動して、表示部材100の中間領域(MA)を振動させることにより、表示部材100の中間領域(MA)における第1音響(S1)を発生させることができる。例えば、第1および第2音響発生装置410、430のそれぞれが、音響信号によって振動して音波を発生させ、この音波が、第1ホール313を通過して表示部材100に伝播(または伝達)され、表示部材100の中間領域(MA)が、第1ホール313を通過して伝達される音波によって振動することによって、表示部材100の中間領域(MA)における第1音響(S1)が表示部材100の前面(FD)に出力され得る。
【0144】
本明細書の実施例によれば、第1ホール313は、第1および第2音響発生装置410、430の振動によって発生する音波(または音響)または音響エネルギーが、表示部材100の背面に直接に伝播(または入射)する音波伝播経路(または音響エネルギー入射部)の役割を果たすことができる。
【0145】
本明細書の実施例によれば、第1および第2音響発生装置410、430のそれぞれは、背面カバー部310を振動させることなく独立して振動することにより、背面カバー部310を振動板として使用せずに、表示部材100の中間領域(MA)を直接に振動させることができ、背面カバー部310の振動を最小化して安定した音圧を発生させることができ、背面カバー部310の振動によるノイズの発生を最小限に抑えることができる。
【0146】
本明細書の実施例による第1および第2音響発生装置410、430のそれぞれは、モジュールフレーム401、ボビン402、磁石部材403、コイル404、センターポール405、およびダンパ406を含むことができる。例えば、第1および第2音響発生装置410、430のそれぞれにおいて、モジュールフレーム401は、背面カバー300が固定される固定部として表現し得る。例えば、第1および第2音響発生装置410、430のそれぞれにおいて、ボビン402、磁石部材403、コイル404、センターポール405、およびダンパ406は、表示部材100を振動させるための振動部として表現することができるが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。
【0147】
モジュールフレーム401は、背面カバー部310に支持され得る。本明細書の一実施例によるモジュールフレーム401は、フレームボディ401a、上部プレート401b、および固定ブラケット401cを含むことができる。本明細書の一実施例によると、第1振動装置400は、四角形状、楕円形状、または円形状を有することができ、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。本明細書の一実施例によるモジュールフレーム401は、四角形状、楕円形状、または円形状を有することができ、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。
【0148】
フレームボディ401aは、背面カバー部310に固定され得る。フレームボディ401aは、磁石部材403を支持する下部プレートの役割をすることができる。
【0149】
上部プレート401bは、中空部を有する円筒形状を有するようにフレームボディ401aの前面の縁に配置され得る。上部プレート401bの中空部は、円筒構造を有することができるが、またはこれに限定されない。例えば、上部プレート401bの中空部は、円形状または楕円形状を有することができる。フレームボディ401aと上部プレート401bは、「U」字形状を有する1つの本体からなり得る。例えば、フレームボディボディ401aと上部プレート401bは、用語に限定されず、ヨークなどの他の用語で表現され得る。フレームボディ401aと上板401bは、背面カバー300の背面カバー部310に形成された第1ホール313と対応する大きさを有することができる。
【0150】
固定ブラケット401cは、上部プレート401bの側面から突出することができる。固定ブラケット401cは、第2結合部材800によって背面カバー部310に固定され、これによりモジュールフレーム401は、背面カバー部310に固定され得る。第2結合部材800は、固定ブラケット401cおよび背面カバー部310の間に配置され得る。第2結合部材800は、固定ブラケット401cによって背面カバー300に連結され得る。例えば、第2結合部材800は、両面テープまたは両面接着パッドであり得る。例えば、第2結合部材800は、スクリューまたはボルトであり得る。
【0151】
ボビン402は、最上側の一部が背面カバー部310の第1ホール313に挿入または収容されるように、モジュールフレーム401上に配置され得る。このようなボビン402は、背面カバー部310の第1ホール313と重畳される領域313a内で磁気力によって振動、例えば上下往復運動して背面カバー部310の第1ホール313と重畳される領域313aに音波を発生させることができる。ボビン402は、磁気力によって振動、上下往復振動することにより、支持部材または背面カバー部310に配置された第1ホール313に隣接する振動部材(または振動板)を振動させることができる。
【0152】
本明細書の実施例によるボビン402は、モジュールフレーム401上に配置されて背面カバー部310を振動させることができる。本明細書の実施例によるボビン402は、中空部を有するように形成され得る。例えば、ボビン402は、パルプまたは紙を加工した材質、アルミニウムまたはマグネシウムまたはその合金、ポリプロピレン(polypropylene)などの合成樹脂、またはポリアミド(polyamide)系繊維などで形成された環状構造物で構成することができるが、これに限定されるものではない。
【0153】
本明細書の実施例に係るボビン402は、円の形状または楕円の形状(ellipseまたはoval)を有することができるが、これに限定されるものではない。楕円の形状のボビン402は、楕円形(elliptical shape)、先が丸い四角形(rectangular shape with rounded corners)、または幅が高さと異なる非円形の曲線型(non-circular curved shape having a width different from its height)を含むことができるが、これに限定されない。例えば、楕円形状のボビン402で、長軸の直径と短縮の直径の比は、1.3:1~2:1で構成され得る。楕円の形状のボビン402は、円の形状のボビンより高音域帯の音響を改善することができ、振動による熱の発生が少ないことがあるので、優れた放熱特性を有することができる。
【0154】
磁石部材403は、ボビン402の中空部402aに収容されるようにモジュールフレーム401上に配置することができる。例えば、磁石部材403は、永久磁石であり得る。本明細書の実施に係る磁石部材403は、バリウムフェライトなどの焼結磁石で実現され得る。磁石部材403の材質は、三酸化二鉄(Fe2O3)、炭酸バリウム(BaCO3)、ネオジム磁石、磁力成分が改善されたストロンチウムフェライト、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)の合金鋳造磁石などが、使用され得、これに限定されるものではない。例えば、ネオジム磁石は、ネオジム-鉄-ホウ素(Nd-Fe-B)であり、これに限定されるものではない。
【0155】
コイル404は、ボビン402の下側外周面を囲むように巻かれ、外部から音響信号(またはボイス信号)の供給を受けることができる。コイル404は、ボビン402と一緒に昇降され得る。コイル404に音響信号(または電流)が印加されると、コイル404の周囲に形成される印加磁場と磁石部材403の周囲に形成される外部磁場によって、フレミングの左手法則に基づいてボビン402全体が振動、例えば上下往復運動することができる。例えば、コイル404は、ボイスコイルなどで表現され得るが、これに限定されるものではない。
【0156】
センターポール405は、磁石部材403上に配置されてボビン402の振動を案内することができる。例えば、センターポール405は、ボビン402の中空部に挿入されるか、または収容されることにより、ボビン402によって囲むことができる。例えば、センターポール405は、昇降ガイドまたはポールピース(pole piece)などで表現され得るが、これに限定されるものではない。
【0157】
ダンパ406は、モジュールフレーム401とボビン402との間に配置され得る。本明細書の実施例に係るダンパ406は、モジュールフレーム401のフレームボディ401aとボビン402の上側の外周面との間に配置され得る。ダンパ406は、一端と他端との間に波形構造を有することによってボビン402の振動に応じて収縮および/または弛緩され得る。ダンパ406は、復元力によりボビン402の振動距離(または上下移動距離)を制限することができる。一実施例として,ボビン402が一定距離以上に振動した、または一定距離以下に振動する場合,ボビン402は、ダンパ406の復元力により元の位置に原状復帰することができる。例えば、ダンパ406は、スパイダー(spider)、サスペンション(suspension)、またはエッジ(edge)などの他の用語で表現され得るが、これに限定されるものではない。磁石部材403、コイル404、センターポール405、およびダンパ406のそれぞれは、背面カバー部310と重畳せず、第1ホール313にのみ重畳されるように配置され得る。
【0158】
本明細書の他の実施形状による第1の振動装置400は、装置の厚さが増加しないように相対的薄い厚さを有しなければならず、これにより、ボビン402の高さ(または厚さ)が低くなる場合は、音圧が低くなる問題がある。そこで、ボビン402の高さが低くなることに因る音圧が低くなる問題点を解決するために、ボビン402の周辺に配置されたダンパ406の面積を広くする構造を含むことができる。ダンパ406の面積が大きくする場合、コイル404に電流を印加するワイヤまたは配線の配置空間が狭くなるので、配線とダンパ406との干渉が発生することができる。
【0159】
本明細書の他の実施例に係る第1振動装置400は、ダンパ406を導電体で構成してダンパ406が配線の機能を一緒にできるように構成することができ,ダンパ406は、コイル402に電気的に連結された金属材質を含むことができる。例えば、ダンパ406は、ステンレス鋼(stainless steel)または銅(Cu)などで構成され得、これに限定されるものではない。本明細書の実施形状によると、ダンパ406の形状は、ジグザグ形状に構成することができる。斜線で構成する場合、ダンパ406の上下運動により切れが発生することができ、ダンパ406の長さを長くする場合共振周波数に影響を与えることができる。例えば、モジュールフレーム401と重畳される部分のダンパ406の厚さは、一定に構成し、幅を異に構成することで、モジュールフレーム401と重畳される部分での切れを防止することができる。
【0160】
本明細書の実施例に係る第1振動装置400は、磁石部材403がボビン402の中空部に挿入された内磁タイプ(またはマイクロタイプ)で表現され得る。本明細書の他の実施例に係る第1振動装置400は、磁石部材403がボビン402の外側を囲むように配置された外磁タイプ(またはダイナミックタイプ)で表現され得る。外磁タイプの第1振動装置400は、磁石部材403がフレームボディ401aと上部プレート401bとの間に設けられ、センターポール405がボビン402の中空部に収容されるか、または挿入されるようにフレームボディ401aまたは下部プレート上に配置されることを除いて、内磁タイプと同じであり得る。
【0161】
第2結合部材800は、第1ホール313周辺の背面カバー部310とモジュールフレーム401の固定ブラケット401cとの間に介在し、第1および第2音響発生装置410、430を、背面カバー300に結合または固定することができる。第2結合部材800は、接着層を有する両面テープ、片面テープ、両面フォームテープ、片面フォームテープ、両面フォームパッド、および片面フォームパッドのうちの少なくとも1つを含むことができる。本明細書の一実施例による第2結合部材800の接着層は、アクリル系またはウレタン系の接着物質を含むことができる。例えば、第2結合部材800の接着層は、第1および第2音響発生装置410、430の振動が、背面カバー部310に伝達されることを最小限に抑えるために、相対的に硬度の高い特性を有するアクリル系の接着物質ではなく、相対的に軟性特性を有するウレタン系の接着物質を含むことができるが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。したがって、第1振動装置400は、第2結合部材800によって振動部材または表示部材100に連結され得る。また、第1振動装置400は、第2結合部材800によって背面カバー部310に連結され得る。
【0162】
本明細書の一実施例による第2結合部材800は、背面カバー300の第1厚さ(T1)、例えば背面カバー部310の第1厚さ(T1)より厚い第2厚さ(T2)を有することができる。本明細書の一実施例による第2結合部材800の第2厚さ(T2)は、背面カバー部310の第1厚さ(T1)の1倍~4倍であり得る。例えば、第2結合部材800の第2厚さ(T2)は、背面カバー部310の第1厚さ(T1)の1倍未満の場合、表示部材100の最背面とボビン402間の距離(または間隔)が相対的に短いため、表示部材100の厚さ方向(Z)に沿って振動するボビン402が、第1ホール313を通過(または貫通)して表示部材100の裏面と物理的に接触して損傷することがあり得る。逆に、第2結合部材800の第2厚さ(T2)が、背面カバー部310の第1厚さ(T1)の4倍を超える場合、表示部材100の最背面とボビン402間の距離(または間隔)が相対的に長いため、距離に比例する高音域帯の音波の透過損失の増加によって、中高音域帯の音響が実現されないか、または中高音域帯の音圧が減少することがあり、第1振動装置400によって発生する中高音域帯の音響と第2振動装置500によって発生する中低音域帯の音響との間の音響分離現象が発生し得る。したがって、ボビン402が表示部材100の最背面と物理的に接触することなく第1ホール313内で安定して振動し、中高音域帯音響の実現および中高音域帯の音圧発生のために、第2結合部材800の第2厚さ(T2)は、背面カバー部310の第1厚さ(T1)の1倍~4倍に設定することができる。
【0163】
本明細書の他の実施例によると、第2結合部材800は、機械的構造物を含むことができ、固定ブラケット401cを通過して背面カバー部310に締結されるスクリューまたはボルトのうちの少なくとも1つを含むことができる。この例で、背面カバー部310と固定ブラケット401cとの間には緩衝リングが介在され得、緩衝リングは、第1振動装置400の振動による背面カバー部310の振動がフレーム401に伝達されることを防止することができる。
【0164】
本明細書の実施例による第1および第2音響発生装置410、430のそれぞれは、ボビン402の上部に配置されたボビン保護部材408をさらに含むことができる。例えば、ボビン保護部材408は、ボビン402と背面カバー300との間に配置され得る。
【0165】
本明細書の一実施例によるボビン保護部材408は、ボビン402の中空部402aと重畳される開口部を有する円筒形構造に形成されてボビン402の上面に結合されるか、または連結され得る。本明細書の一実施例によるボビン保護部材408は、ボビン402の上面を覆うことによってボビン402を保護することができるので、外部衝撃によるボビン402の変形を防止することができる。
【0166】
本明細書の他の実施例によるボビン保護部材408は、ボビン402の中空部402aと上面全体を覆う板状構造で形成され、ボビン402の上面に結合することができる。本明細書の他の実施例によるボビン保護部材408は、ボビン402の上面全体を覆うことによってボビン402を保護することができるので、外部衝撃によるボビン402の変形を防止することができ、ボビン402上に板状構造に配置され、ボビン402の振動によって発生する音圧を増加させることができる。
【0167】
本明細書の実施例によるボビン保護部材408は、片面テープ、両面テープ、片面フォームテープ、両面フォームテープ、片面フォームパッド、両面フォームパッド、または接着レジンを介してボビン402と連結されるか、または結合され得る。例えば、接着レジンは、エポキシレジン(epoxy resin)またはアクリルレジン(acrylic resin)であり得、これに限定されるものではない。
【0168】
したがって、本明細書の実施例による第1および第2音響発生装置410、430のそれぞれは、背面カバー部310を振動板として使用せずに、独立して振動して第1ホール313を通過(または貫通)して表示部材100を直接に振動させる音波(または音響)を発生させることができ、背面カバー部310の振動を最小化して安定した音圧を発生させることができ、背面カバー部310の振動によるノイズの発生を最小限に抑えることができる。
【0169】
図1および
図2Aおよび
図3を参照すると、本明細書の他の実施例による第2振動装置500は、第1および第2圧電振動装置510、530を含むことができる。
【0170】
第1および第2圧電振動装置510、530のそれぞれは、背面カバー300の背面カバー部310に形成された第2ホール315を覆うように、背面カバー部310に支持され得る。第1および第2圧電振動装置510、530のそれぞれは、音響信号によって振動して表示部材100の縁領域(EA)を振動させることにより、表示部材100の縁領域(EA)における第2音響(S2)を発生させることができる。例えば、第1および第2圧電振動装置510、530のそれぞれが音響信号によって振動して音波を発生させ、この音波が、第2ホール315を通過して表示部材100に伝播(または伝達)され、表示部材100の縁領域(EA)が第2ホール315を通過して伝達される音波によって振動することによって、表示部材100の縁領域(EA)から第2音響(S2)が表示部材100の前面(FD)に出力される。
【0171】
本明細書の実施例によれば、第2ホール315は、第1および第2圧電振動装置510、530の振動によって発生する音波(または音響)または音響エネルギーが、表示部材100の背面にそのまま伝播(または入射)する音波伝播経路(または音響エネルギー入射部)の役割を果たすことができる。
【0172】
本明細書の実施例によれば、第1および第2圧電振動装置510、530のそれぞれは、背面カバー部310を振動させることなく、独立して(または自体的にまたは個別的に)振動することによって、背面カバー部310を振動板として使用せずに、表示部材100の縁領域(EA)を直接に振動させることができ、背面カバー部310の振動を最小化して安定した音圧を発生させることができ、背面カバー部310の振動によるノイズの発生を最小化することができる。
【0173】
本明細書の実施例による第1および第2圧電振動装置510、530のそれぞれは、ベースプレート501および圧電素子511を含むことができる。
【0174】
ベースプレート501は、例えば、
図5Bに示すように、第3結合部材850(第3連結部材)を介して背面カバー300の背面カバー部310に結合されるか、または連結され得る。例えば、第1および第2圧電振動装置510、530は、第1接着部材512を介して背面カバー300の背面カバー部310に結合されるか、または連結され得る。ベースプレート501は、第3結合部材850を介して、背面カバー300の背面カバー部310に結合し、背面カバー部310に形成された第2ホール315を覆うことができる。例えば、ベースプレート501は、第2ホール315よりも大きい大きさを有することができる。例えば、ベースプレート501は、円形状、楕円形状、長方形状、または正方形状のうちの少なくとも1つの形状であり得、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。ベースプレート501は、金属、紙、およびポリマーフィルムのうちの1つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。ベースプレート501は、長方形または正方形の四角形状を有する場合、ベースプレート501の第1辺と直交する第2辺は、互いに同一するか、小さいか、または大きいことがあり得る。
【0175】
ベースプレート501は、第2ホール315の内部に音圧を発生させる振動板として用いることができる。本明細書の一実施例によるベースプレート501は、紙、繊維、布、革、プラスチック、ポリマーフィルム、ステンレススチール(stainless steel)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、マグネシウム(Mg)合金、マグネシウムリチウム(Mg-Li)合金、およびアルミニウム(Al)合金のうちのいずれか1つの金属材質のうちのいずれか1つ以上でからなり得るが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。例えば、ベースプレート501は、中高音域帯の音響を発生させるために、背面カバー部310の第1厚さ(T1)よりも薄い第3厚さ(T3)を有することができる。ベースプレートの第3厚さ(T3)が背面カバー部310の第1厚さ(T1)より厚い場合には、圧電素子511の振動が第2ホール313の内部に伝播し難いことがあり得る。ベースプレート501は、圧電素子511の振動によって振動し、3kHz以上の中高音域帯の音響(または音圧)を発生させて、第2ホール315の内部に伝播させることができる。
【0176】
第3結合部材850は、例えば、
図5Bに示すように、第2ホール315周辺の背面カバー部310とベースプレート501との間に介在(または挿入)されて、第1および第2圧電振動装置510、530を背面カバー部310(または背面カバー300)に結合または固定することができる。例えば、第3結合部材850は、四角帯の形状に構成され得る。第3結合部材850は、接着層を有する両面テープ、片面テープ、両面フォームテープ、片面フォームテープ、両面フォームパッド、および片面フォームパッドのうちの少なくとも1つを含むことができる。本明細書の一実施例による第3結合部材850の接着層は、アクリル系またはウレタン系の接着物質を含むことができる。例えば、第3結合部材850の接着層は、第1および第2圧電振動装置510、530の振動が背面カバー部310に伝達することを最小限に抑えるために、相対的に硬度の高い特性を有するアクリル系の接着物質ではなく、相対的に軟性特性を有するウレタン系の接着物質を含むことができるが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。
【0177】
例えば、第3結合部材850は、第1接着部材512と互いに異なるモジュラス(または接着力または硬度またはYoung’s modulus)を有することができる。例えば、第3結合部材850は、第1接着部材512より大きいモジュラス(または接着力または硬度)を有することができる。
【0178】
圧電素子511は、ベースプレート501に配置されてベースプレート501を振動させることができる。圧電素子511は、背面カバー部310の第2ホール315と重畳するようにベースプレート501の背面に配置され得る。例えば、圧電素子511は、第1接着層512を介して、ベースプレート501に結合され得る。
【0179】
本明細書の一実施例による圧電素子511は、背面カバー部310の第2ホール315と重畳する領域315a内に配置できるように、第2ホール315より小さい大きさを有することができる。例えば、圧電素子511の正中央部は、第2ホール315の正中央部に位置することができる。例えば、圧電素子511の中央部は、第2ホール315の中央部に位置することができる。
【0180】
第1接着部材512は、例えば、
図5Bに示すように、両面テープまたは自然硬化性接着剤であり得、これに限定されるものではない。例えば、第1接着部材512は、熱硬化性接着剤または光硬化性接着剤からなり得るが、この場合、第1接着部材512の硬化工程の熱によって圧電素子511の特性が低下することがあり得る。
【0181】
本明細書の実施例による第1および第2圧電振動装置510、530のそれぞれは、例えば、
図5Bに示すように、カバープレート(またはプレート)505をさらに含むことができる。
【0182】
図3および
図5Bを参照すると、カバープレート505は、第2接着部材514を介して、圧電素子511の背面に結合または連結され得る。カバープレート505は、圧電素子511の背面を覆うことによって、圧電素子511を保護する役割を果たすことができる。また、カバープレート505は、第1および第2圧電振動装置510、530の質量(mass)を補強し、質量増加に伴う第1および第2圧電振動装置510、530の共振周波数を減少させることにより、圧電振動装置510、530の低音域帯の音圧特性を向上させることができる。本明細書の一実施例によるカバープレート505は、ベースプレート501と同じ材質と同じ厚さを有することができる。これに限定されず、第1および第2圧電振動装置510、530に求められる音響特性によって、ベースプレート501と異なる材質または異なる厚さを有することができる。
【0183】
第2接着部材514は、両面テープまたは自然硬化性接着剤であり得、これに限定されるものではない。例えば、第2接着部材514は、熱硬化性接着剤または光硬化性接着剤からなり得るが、この場合、第2接着部材514の硬化工程の熱によって圧電素子511の特性が低下され得る。
【0184】
したがって、本明細書の実施例による装置は、
図2~
図4に示した装置と同じ効果を有することができる。また、本明細書の実施例による装置は、第1振動装置400および第2振動装置500のそれぞれの振動によって発生し、第2および第3背面カバーホール313、315のそれぞれを通過する音波により、表示部材100が振動して音響(S1、S2)を出力することにより、背面カバー300を振動板として使用せずに、表示部材100の振動によって音響(S1、S2)を出力させることができる。これにより、背面カバー部310の振動が最小化されるので、背面カバー部310の振動によるノイズの発生を防止または最小化され得る。
【0185】
図5Bを参照すると、本明細書の実施例による装置は、背面カバー300の背面に配置された第1振動装置400および第2振動装置500を含むことができる。
図5Bの第1振動装置400および第2振動装置500を含む装置は、
図5Aの装置と比較して第2結合部材800の構造が変更されたことを除いて、実質的に同一の構成(または構造)を有するので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0186】
第2結合部材800は、第1振動装置400を囲む構造を有することができる。第2結合部材800は、固定ブラケット401cと重畳する第1部分801および固定ブラケット401cの側面に突出されて第1振動装置400を囲む第2部分803を含むことができる。第2結合部材800の第2部分803の第2面は、背面カバー部310に連結されるか、または連結され得る。第2結合部材800の第2部分803の第1面は、固定ブラケット401cの第1面と同じ平面に配置され得るが、これに限定されるものではない。第1振動装置400は、第2結合部材800の第1部分801および第2部分803を介して背面カバー部310に連結されるか、または連結され得、
図5Aの第1振動装置400と比較して接着面積または固定面積が増加することができる。例えば、第2結合部材800の第1部分801および第2部分803は、互いに同じ材料を含むことができ、または異なる材料を含むことができる。例えば、第2結合部材800の第1の部分801および第2の部分803は、互いに同じモジュラス(または接着力または硬度)または互いに異なるモジュラス(または接着力または硬度)を有することができる。
【0187】
第2結合部材800の第1部分801は、係合部材、連結部材または接着部材などであり得るが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。第2係合部材800の第2部分803は、リングサポート(a ring support)、外側リングサポート、側面リングサポート、エキサイタサポート、または緩衝リングなどであり得るが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。
【0188】
第1部分801および第2部分802を含む第2結合部材800は、両面テープ、片面テープ、両面フォームテープ、片面フォームテープ、両面フォームパッド、および片面フォームパッドのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0189】
図6Aは、本明細書の実施例による第2振動装置の斜視図である。
【0190】
図6Aを参照すると、本明細書の実施例による第2振動装置500は、振動発生器540、ベースプレート501、カバープレート505、および第3結合部材を含むことができる。
図6Aで、振動発生器540は、圧電素子511、第1接着部材512、および第2接着部材514を含む構造を含むことができる。しかしながら、振動発生器540の構造がこれに限定されるものではなく、
図8で後述され第1カバー部材513、および第2カバー部材515をさらに含む構造としても定義され得る。
【0191】
振動発生器540は、印加される駆動信号(または電気信号またはボイス信号)によって振動(または変位または駆動)して、振動部材100を振動(または変位または駆動)させるように構成され得る。例えば、振動発生器540は、振動素子、振動構造物、振動器、振動発生素子、音響発生器、音響素子、音響発生構造物、または音響発生素子であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0192】
本明細書の一実施例による振動発生器540は、圧電特性を有する圧電物質(または電気活性物質)を含むことができる。振動発生器540は、圧電物質に印加される電気信号による圧電物質の振動(または変位または駆動)によって、自ら振動(または変位または駆動)し、または振動部材を振動(または変位または駆動)させることができる。例えば、振動発生器540は、圧電効果(piezoelectric effect)(または圧電特性)によって収縮および/または膨張を交互に繰り返すことで振動(または変位または駆動)することができる。例えば、振動発生器540は、逆圧電効果におよび/または収縮と膨張を交互に繰り返すことで垂直方向(または厚み方向)(Z)に振動(または変位または駆動)することができる。
【0193】
振動発生器540は、柔軟性を有するように構成され得る。例えば、振動発生器540は、曲面を含む非平面形状に曲がるように構成され得る。
【0194】
本明細書の一実施例による振動発生器540は、第1方向(X)と並んだ第1長さ、および第2方向(Y)と並んだ第2長さを有する四角形状を含むことができる。例えば、振動発生器540は、第1長さと第2長さが同じ正方形の形状を含むか、または第1長さと第2長さとが異なる直角形状を含むことができる。
【0195】
ベースプレート501は、第1接着部材512と結合されるか、または付着され得る。ベースプレート501は、振動発生器540よりも大きい大きさを有するか、または大きな面積を有することができる。例えば、ベースプレート501の中心部は、振動発生器540の中心部に位置し、または整列され得る。ベースプレート501は、第3連結部材850を介して背面カバー部310に結合されるか、または付着され得る。例えば、ベースプレート501は、
図5Bを参照して説明したベースプレート501と実質的に同じであるので、これに対する重複する説明は省略され得る。
【0196】
カバープレート505は、第2接着部材514を介して、圧電素子511の背面に結合されるか、または連結され得る。カバープレート505は、圧電素子511の背面を覆うことによって、圧電素子511を保護する役割を果たすことができる。また、カバープレート505は、第2振動装置500の質量(mass)を補強し、質量増加に伴う第2振動装置500の共振周波数を減少させることにより、第2振動装置500の低音域帯の音圧特性を増加させることができる。
【0197】
図6Aの第2振動装置500で、カバープレート505は、振動発生器540の背面に配置されたものと図示されたが、カバープレート505は、必要に応じて省略され得る。
【0198】
図6Aに示される第2振動装置500は、上下が逆に示されたものを除いては、
図5Bの第2振動装置500と実質的に同一の構成(または構造)を有するので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略され得る。
【0199】
【0200】
図6Bおよび
図6Cを参照すると、振動発生器540は、長方形または正方形の形状を有することができ、振動発生器540の縁の少なくとも一部には、信号ケーブル519が配置され得る。振動発生器540が長方形または正方形の形状を有する場合、振動発生器540の第1の辺と直交する第2辺は、互いに同一するか、小さいか、または大きいことがあり得る。音響処理回路と信号ケーブル519は、電気的に連結され得、第2の振動装置500は、音響処理回路で音響信号を信号ケーブル519に印加するために信号ケーブル519の一端に形成され、音響処理回路と電気的に連結されたカーボンナノチューブ(carbon nano tube)520または配線をさらに含むことができる。ベースプレート501は、振動発生器540より大きい大きさを有するか、または大きな面積を有することができ、正方形または円形の形状を有することができるが、これらに限定されるものではない。
【0201】
図6Dは、本明細書の他の実施例による第2振動装置200の斜視図である。
【0202】
図6Dを参照すると、本明細書の他の実施例による第2振動装置500は、振動発生器540、第4連結部材560、ベースプレート501、および第3連結部材850を含むことができる。
【0203】
第2振動装置200の振動発生器540、ベースプレート501、および第3連結部材850のそれぞれは、
図5A、および
図6A~
図6Cを参照して説明したものと同じであるので、これについては同一の図面の符号を付与し、これに対する重複する説明は省略され得る。
【0204】
図6Dの第2振動装置500は、
図6Aの第2振動装置500と比較して、カバープレート505が除去されたものおよび第4連結部材560をさらに含むことを除いては、同じ構造を有することができる。
【0205】
第4連結部材560は、振動発生器540の第1面540a、および第1面540aと異なる(または反対の)第2面540bのうちのいずれかの一面に連結されるか、または結合され得る。例えば、振動発生器540で、第1面540aは、上面、前面、上部面、または表面であり得る。振動発生器540で、第2面540bは、下面、背面、後面、下部面、または裏面であり得る。例えば、振動発生器540で、第1面540aは、第2面540bよりも第4連結部材560にさらに近く配置され得る。例えば、第4連結部材560は、第1連結部材、接着部材、または第1接着部材であり得るが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。
【0206】
本明細書の一実施例に係る第4連結部材560は、密着力または接着力に優れた接着層(または粘着層)を含むことができる。例えば、第4連結部材560は、両面接着テープ、両面接着フォームパッド、または粘着シートを含むことができる。例えば、第4連結部材560が粘着シート(または粘着層)を含む場合、第4連結部材560は、プラスチック材質などのベース部材なしに、接着層または粘着層のみを含むことができるが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。
【0207】
本明細書の一実施例に係る第4連結部材560の接着層(または粘着層)は、エポキシ(epoxy)、アクリル(acrylic)、シリコーン(silicone)、またはウレタン(urethane)を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。本明細書の他の実施例に係る第4連結部材560の接着層(または粘着層)は、PSA(pressure sensitive adhesive)、OCA(optically clear adhesive)、またはOCR(optically clear Resin)を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0208】
本明細書の一実施例に係る第4連結部材560は、
図6Dに示すように、振動発生器540をベースプレート501に連結させ、または結合させることができる。例えば、第4連結部材560は、ベースプレート501と振動発生器540の第1面540aとの間に配置され得る。
【0209】
図6Eは、本明細書の他の実施例による第2振動装置の断面図である。
図6Fおよび
図6Gは、
図6Eの第2振動装置の平面図の例である。
【0210】
図6E、
図6F、および
図6Gを参照すると、本明細書の他の実施例による第2振動装置200は、振動発生器540、ベースプレート501、カバープレート505、第3連結部材850およびパッド580を含むことができる。
【0211】
第2振動装置200の振動発生器540、ベースプレート501、および第3連結部材850のそれぞれは、
図6A~
図6Cを参照して説明したものと同じであるので、これについては同一の図面の符号を付与し、これに対する重複する説明は省略され得る。
【0212】
パッド580は、振動発生器540の第2面に結合されるか、または付着され得る。例えば、パッド580は、振動発生器540の第2面のうちの中心部に結合されるか、または付着され得る。パッド580は、振動発生器540と同じ大きさを有するか、または小さい大きさを有することができる。例えば、パッド580は、多角形の柱形状または円形の柱形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0213】
図6Eの第2振動装置500で、パッド580は、カバープレート505の第2面に結合されるか、または付着されているが、カバープレート505は、必要に応じて省略され得る。したがって、パッド580は、振動発生器540に直接に結合されるか、または付着され得る。
【0214】
本明細書の一実施例に係るパッド580は、圧電素子511の曲げ剛性よりも低い剛性を有する材質を含むことができる。本明細書の他の実施例に係るパッド580は、振動発生器540に対して重量体(または質量体)(mass)として作用することができる弾性材質からなり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0215】
本明細書の実施例に係るパッド580は、振動発生器540の重量を増加させることによって、振動発生器540の最低共振周波数(または最低固有周波数)を減少させることができる。したがって、振動発生器540は、パッド580による重量の増加による最低共振周波数(または最低固有周波数)の減少によって、相対的に低い周波数で振動することができる。これにより、振動発生器540の振動によって発生される低音域帯の音響特性および/または音圧特性が向上され得る。例えば、パッド580は、共振パッド、質量部材、重量錘、または重量部材であり得る。例えば、低音域帯は、300Hzまたは500Hz以下であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0216】
図6Hは、本明細書の他の実施例による第2振動装置の斜視図である。
【0217】
図6Hを参照すると、本明細書の他の実施例による第2振動装置200は、振動発生器540、ベースプレート501、カバープレート505、第3連結部材850、およびパッド580を含むことができる。本明細書の他の実施例で、パッド580は、除去され得る。
【0218】
第2振動装置500は、背面カバー300に連結されたベースプレート501と、ベースプレート501の背面に連結された振動発生器540を含むことができる。本明細書の他の実施例による第2振動装置500の振動発生器540、ベースプレート501、および第3連結部材850のそれぞれは、
図6A~
図6Gを参照して説明したものと同じであるので、これについては同一の図面の符号を付与し、これに対する重複する説明は省略され得る。
【0219】
図6Hに示される第2振動装置500は、
図6Eの第2振動装置500と比較して、カバープレート505が除去されたものおよび第4連結部材560をさらに含むことを除いては、同じ構造を有することができる。
【0220】
図7は、本明細書の実施例による第2振動装置の斜視図であり、
図8は、
図7の線II-II’の断面図である。
【0221】
図7および
図8を参照すると、本明細書の実施例による第2振動装置500は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動機、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルスピーカー、フレキシブル圧電スピーカ、フィルムアクチュエーター、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカ、またはフィルム型圧電複合体スピーカなどで表現することができるが、これに限定されるものではない。
【0222】
振動部511aは、圧電物質を含むことができる。例えば、振動部511aは、圧電効果を含む圧電物質(または電気活性材質)を含むことができる。例えば、圧電物質は、外力によって結晶構造に圧力またはねじれ現象が作用しながら、正(+)イオンと負(-)イオンの相対的な位置変化による誘電分極によって電位差が発生し、逆に印加される電圧による電界によって振動が発生する特性を有することができる。振動部511aは、振動層、振動構造物、圧電層、圧電物質層、電気活性層、振動部、圧電物質部、電気活性部、圧電構造物、圧電複合層、圧電複合体、または圧電セラミック複合体などの他の用語で表現することができるが、これに限定されるものではない。振動部511aは、透明、半透明、または不透明な圧電物質からなり得るので、振動部511aは、透明、半透明、または不透明であり得る。
【0223】
本明細書の実施例による振動部511aは、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系列の物質で構成してもよく、ペロブスカイト(perovskite)系列の結晶構造を有する圧電セラミックで構成してもよい。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する板状の構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABO3の式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなり得る。例えば、ABO3の式において、AサイトおよびBサイトはカチオンであり、Oはアニオンであり得る。例えば、PbTiO3、PbZrO3、PbZrTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも1つ以上を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0224】
ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または磁場により中央イオン、例えば、PbTiO3の場合、Tiイオンの位置が変動して分極(polarizationまたはpoling)が変化して圧電効果を発生することができる。例えば、ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または磁場によって対称な(symmetric)構造であるキュービック(cubic)形状から、非対称(unsymmetric)構造である四角形(tetragonal)、直方形(orthorhombic)、および菱形(rhombohedral)などの形状に変わることで圧電効果を発生させることができる。対称でない構造を有する四角形(tetragonal)および菱形(rhombohedral)の相転移が境界領域(Morphotropic Phase Boundary)で分極が高く、分極の再配列が容易であるため、高い圧電特性を有することができる。
【0225】
本明細書の実施例によれば、振動部511aは、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)のうちの少なくとも1つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0226】
本明細書の他の実施例による振動部511aは、単結晶セラミックまたは多結晶セラミックを含むことができる。単結晶セラミックは、一定の構造の単一結晶相を有する粒子が規則的に配列された材質であり得る。多結晶セラミックは、様々な結晶相が存在する不規則な粒子からなり得る。
【0227】
本明細書の他の実施例によれば、振動部511aは、(Pb)、ジルコニウム(Zr)、およびチタン(Ti)を含むPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系物質、または鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(ニッケルニオブ酸ジルコン酸鉛)系の物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。他の実施例では、振動部511aは、鉛(Pb)を含まないCaTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも1つ以上を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0228】
本明細書の他の実施例によれば、振動部511aは、厚さ方向(Z)による圧電ひずみ係数(d33)を1,000pC/N以上を有することができる。振動装置を大型のディスプレイパネルまたは振動部材に適用することができ、十分な振動特性または圧電特性を有するためには、高い圧電ひずみ係数(d33)を有することが必要である。例えば、高い圧電ひずみ係数(d33)を有するために、無機物質部はPZT系物質(PbZrTiO3)を主成分とし、Aサイト(Pb)にドープされたソフトナードーパント(softener dopant)物質、およびBサイト(ZrTi)にドープされたリラクサー(relaxor)強誘電体物質を含むことができる。
【0229】
ソフトナードーパント物質は、振動部511aの圧電特性および誘電特性を向上させることができ、例えば、無機物質部の圧電歪係数(d33)を増加させることができる。本明細書の実施例によるソフトナードーパント材質は、+2価~+3価の元素を含むことができる。PZT系物質(PbZrTiO3)にソフトナードーパント物質を含めて相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary;MPB)を構成できるので、圧電特性および誘電特性を向上させることができる。例えば、ソフトナードーパント材質は、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ランタナム(La)、ネオジム(Nd)、カルシウム(Ca)、イットリウム(Y)、エルビウム(Er)、またはイッテルビウム(Yb)を含むことができる。例えば、PZT系物質(PbZrTiO3)にドープされたソフトナードーパント物質のイオン(Sr2+、Ba2+、La2+、Nd3+、Ca2+、Y3+、Er3+、Yb3+)は、PZT系物質(PbZrTiO3)において鉛(Pb)の一部を置換し、その置換量は、2~20モル%であり得る。例えば、置換量が2mol%未満または20mol%を超えると、ペロブスカイト結晶構造が割れてしまうので、電気結合係数(kP)および圧電ひずみ係数(d33)を減少させることができる。ソフトナードーパント材質を置換する場合、相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary)を構成することができ、相転移境界領域で高い圧電特性および誘電特性を有することができるので、高い圧電特性および誘電特性を有する振動装置を実現することができる。
【0230】
本明細書の実施例によれば、PZT系物質(PbZrTiO3)にドープされたリラクサー強誘電体物質は、無機物質部の電気変形特性を向上させることができる。本明細書の実施例によるリラクサー強誘電体物質は、PMN(ニオブ酸マグネシウム鉛)系物質またはPNN(ニオブ酸ニケル鉛)系物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。PMN系物質は、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Mg、Nb)O3であり得る。PNN系物質は、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Ni、Nb)O3であり得る。例えば、PZT系物質(PbZrTiO3)にドープされたリラクサー強誘電体物質は、PZT系物質(PbZrTiO3)でジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)それぞれの一部を置換し、置換量は5~25mol%であり得る。例えば、置換量が5mol%未満または25mol%を超えると、ペロブスカイト結晶構造が割れてしまうので、電気結合係数(kP)および圧電ひずみ係数(d33)が減少し得る。
【0231】
本明細書の実施例によれば、振動部511aは、圧電ひずみ係数のさらなる向上のために、PZT系物質(PbZrTiO3)のBサイト(ZrTi)にドープされたドナー(ドナー)物質をさらに含むことができる。例えば、Bサイト(ZrTi)にドープされたドナー物質は、+4価~+6価の元素を含むことができる。例えば、Bサイト(ZrTi)にドープされるドナー物質は、テルリウム(Te)、ゲルマニウム(Ge)、ウラン(U)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、アンチモン(Sb)、またはタングステン(W)を含むことができる。
【0232】
本明細書の実施例に係る振動部511aは、厚さ方向(Z)による圧電ひずみ係数(d33)を1,000pC/N以上を有することができるので、振動特性が向上した振動装置を実現することができる。例えば、振動特性が向上した振動装置を大面積の装置または振動部材(または振動対象物)に実現することができる。
【0233】
第1電極部511bは、振動部511aの第1面(または上面)に配置され、振動部511aの第1面と電気的に連結され得る。第2電極部511cは、振動部511aの第1面とは異なる面に配置してもよい。例えば、第2電極部511cは、振動部511aの第2面(または下面)に配置され、振動部511aの第2面と電気的に連結され得る。例えば、振動部511aは、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化する温度雰囲気で第1電極部511bと第2電極部511cに印加される一定電圧によって分極化(またはポーリング)され得、これに限定されるものではない。
【0234】
例えば、第1電極部511bは、振動部511aの第1面全体に配置された共通電極(または単一電極)形状を有することができる。本明細書の実施例による第1電極部511bは、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電性物質は、ITO(インジウムスズ酸化物)またはIZO(インジウム亜鉛酸化物)を含むことができ、これらに限定されるものではない。不透明導電材質は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、 モリブデン(Mo)、またはマグネシウム(Mg)などを含むか、またはそれらの合金からなり得、これらに限定されるものではない。
【0235】
第2電極部511cは、振動部511aの第1面と反対側の第2面(または背面または後面)上に配置され、振動部511aの第2面と電気的に連結され得る。例えば、第2電極部511cは、振動部511aの第2面全体に配置された共通電極(または単一電極)形状を有することができる。本明細書の実施例による第2電極部511cは、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、第2電極部511cは、第1電極部511bと同じ物質で構成され得るが、これに限定されるものではない。本明細書の他の実施例では、第2電極部511cは、第1電極部511bと異なる物質で構成することができる。
【0236】
本明細書の他の実施例による第2振動装置500は、第1カバー部材513および第2カバー部材515をさらに含むことができる。
【0237】
第1カバー部材513は、第2振動装置500の第1面に配置することができる。例えば、第1カバー部材513は、第1電極部511bにあることができ。例えば、第1カバー部材513は、第1電極部511b上にあることができる。例えば、第1カバー部材513は、振動部511aの第1面上に配置された第1電極部511bを覆うことにより、振動部511aの第1面または第1電極部511bを保護することができる。
【0238】
第2カバー部材515は、振動装置500の第2面に配置することができる。例えば、第2カバー部材515は、第2電極部511cにあることができる。例えば、第2カバー部材515は、第2電極部511cの下にあり得る。例えば、第2カバー部材515は、振動部511aの第2面上に配置された第2電極部511cを覆うことにより、振動部511aの第2面または第2電極部511cを保護することができる。
【0239】
本明細書の実施例による第1カバー部材513および第2カバー部材515のそれぞれは、プラスチック、繊維、および木材のうちの1つ以上の材質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。例えば、第1カバー部材513と第2カバー部材515のそれぞれは、同一または異なる材質を含むことができる。例えば、第1カバー部材513および第2カバー部材515のそれぞれは、ポリイミドフィルム(polyimide film)またはポリエチレンテレフタレートフィルム(polyethylene terephthalate film)であり得るが、これに限定されるものではない。例えば、第1カバー部材513および第2カバー部材515のそれぞれは、圧電素子511の背面または前面に付着される粘着層を有する両面絶縁テープ、片面絶縁テープ、絶縁性片面フォームテープ、または絶縁性両面フォームテープを含むことができる。
【0240】
本明細書の他の実施例による振動装置500は、第1接着層512および第2接着層514をさらに含むことができる。例えば、第1接着層512は、第1カバー部材513と第1電極部511bの間に配置され得る。例えば、第2接着層514は、第2カバー部材515と第2電極部511cの間に配置され得る。
【0241】
本明細書の実施例による第1カバー部材513は、第1接着層512を介して、振動部511aの第1面に配置することができる。例えば、第1カバー部材513は、第1接着層512を介して、第1電極部511bに連結または結合することができる。例えば、第1カバー部材513は、第1接着層512を媒介とするフィルムラミネート工程によって振動部511aの第1面に配置することができる。したがって、振動部511aを第1カバー部材513に一体化(または配置)することができる。
【0242】
本明細書の実施例による第2カバー部材515は、第2接着層514を介して、振動部511aの第2面に配置することができる。例えば、第2カバー部材515は、第2接着層514を介して、第2電極部511cに連結または結合することができる。例えば、第2カバー部材515は、第2接着層514を媒介とするフィルムラミネート工程によって振動部511aの第2面に配置することができる。したがって、振動部511aを第2カバー部材515に一体化(または配置)することができる。
【0243】
例えば、第1接着層512および第2接着層514は、振動装置500全体を完全に囲むことができる。例えば、第1接着層512および第2接着層514は、振動部511a、第1電極部511b、および第2電極部511cを包むように、第1カバー部材513と第2カバー部材515の間に配置することができる。例えば、第1接着層512および第2接着層514は、振動部511a、第1電極部511b、および第2電極部511cを完全に包み込むように、第1カバー部材513と第2カバー部材515の間に配置することができる。例えば、振動部511aと第1電極部511bおよび第2電極部511cは、第1接着層512と第2接着層514の間に埋め込むか、または内蔵され得る。第1接着層512および第2接着層514は、説明の便宜上、第1接着層512および第2接着層514として示しており、1つの接着層として配置することができる。
【0244】
本明細書の実施例による第1接着層512および第2接着層514のそれぞれは、接着性を有しながら、圧縮および復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1接着層512および第2接着層514のそれぞれは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはウレタン樹脂を含むことができ、これらに限定されるものではない。
【0245】
オーディオ制御部は、音響源に基づいて、第1振動駆動信号および第2振動駆動信号を含む交流形状の振動駆動信号を生成することができる。第1振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれか1つであり、第2振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれか1つであり得る。例えば、第1振動駆動信号は、信号ケーブル519の端子とパッド部のパッド電極および第1電源供給ラインを介して、振動装置500の第1電極部511bに供給され得る。第2振動駆動信号は、信号ケーブルの端子とパッド部のパッド電極および第2電源供給ラインを介して、振動装置500の第2電極部511cに供給され得る。
【0246】
本明細書の実施例によれば、振動部511aは、第1および第2カバー部材513、515によって一体化して構成され得るので、構造が簡略化され、薄い厚さの振動装置を提供することができる。
【0247】
振動装置500のうちの1つ以上の第1電源供給ライン(PL1)は、第2方向(Y)に沿って長く延長することができる。第1電源供給ライン(PL1)は、第1カバー部材513に配置され、第1電極部511bと電気的に連結され得る。例えば、第1電源供給ライン(PL1)は、第1電極部511bと対向する第1カバー部材513の背面に配置され、第1電極部511bと電気的に連結され得る。例えば、第1電源供給ライン(PL1)は、第1電極部511bと直接に対向するカバー部材513の背面に配置され、第1電極部511bと電気的に直接に連結され得る。本明細書の一実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、異方性導電フィルムを介して、第1電極部511bと電気的に連結され得る。本明細書の他の実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、第1接着層512に含まれる導電性物質(または粒子)を介して、第1電極部511bと電気的に連結され得る。
【0248】
パッド部517は、第1および第2振動発生部500A、500Bの中央部に配置され得る。パッド部517は、第1電源供給ライン(PL1)および第2電源供給ライン(PL2)のうちの1つ以上の第1部分(一側または一端)と電気的に連結され得る。例えば、パッド部517は、第1カバー部材513および第2カバー部材515のうちの1つ以上の縁部分に配置され得る。パッド部517は、第1電源供給ライン(PL1)および第2電源供給ライン(PL2)のうちの1つ以上の第1部分(一側または一端)と電気的に連結され得る。
【0249】
本明細書の一実施例によるパッド部517は、第1電源供給ライン(PL1)の第1部分(一側または一端)と電気的に連結された第1パッド電極、および第2電源供給ライン(PL2)の第1部分(一側または一端)と電気的に連結された第2パッド電極を含むことができる。例えば、第1パッド電極と第2パッド電極のうちの1つ以上は、第1カバー部材513および第2カバー部材515のうちの1つ以上の第1端部に露出することができる。
【0250】
図9~
図12は、本明細書の実施例による第2振動装置500の振動部の斜視図である。
【0251】
図9~
図12を参照すると、振動部511aは、第1振動部511a1と第2振動部511a2を含むことができる。
【0252】
図9~
図12を参照すると、本明細書の実施例による振動素子511は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動機、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルスピーカー、フレキシブル圧電スピーカ、フィルムアクチュエーター、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカ、またはフィルム型圧電複合体スピーカなどで表現することができるが、これらに限定されるものではない。
【0253】
本明細書の実施例による振動部511aは、複数の第1部分511a1および複数の第2部分511a2を含むことができる。例えば、複数の第1部分511a1および複数の第2部分511a2は、第1方向(X)(または第2方向(Y))に沿って交互に繰り返し配置され得る。例えば、第1方向(X)は、振動部511aの横方向であり得、第2方向(Y)は、第1方向(X)と交差する振動部511aの縦方向であり得るが、これに限定されるものではない。例えば、第1方向(X)は、振動部511aの縦方向であり得、第2方向(Y)は、振動部511aの横方向であり得る。
【0254】
複数の第1部分511a1のそれぞれは、無機物質部で構成することができる。無機材質部は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質を含むことができる。例えば、複数の第1部分511a1のそれぞれは、電気活性部、無機物質部、圧電物質部、または振動部で表現され得るが、これに限定されるものではない。
【0255】
複数の第1部分511a1のそれぞれは、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系列の物質から構成され得、ペロブスカイト系列の結晶構造を有する圧電セラミックで構成され得る。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する板状の構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABO3の式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなり得る。例えば、ABO3の式において、AサイトおよびBサイトはカチオンであり、Oはアニオンであり得る。例えば、複数の第1部分511a1のそれぞれは、PbTiO3、PbZrO3、PbZrTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも1つ以上を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0256】
本明細書の実施例による振動部511aは、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、およびチタン(Ti)を含むPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系物質、または鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(ニッケルニオブ酸ジルコン酸鉛)系物質を含むことができ、これらに限定されるものではない。あるいは、振動部511aは、鉛(Pb)を含まないCaTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうち少なくとも1つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0257】
振動部511aにおいて、複数の第1部分511a1と複数の第2部分511a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配列)され得る。複数の第2部分511a2は、複数の第1部分511a1の間に配置され得る。例えば、複数の第2部分511a2のそれぞれは、多角形状のパターンを含むことができる。複数の第2部分511a2のそれぞれは、隣接する2つの第1部分511a1の間のギャップを埋めるように構成されることによって、隣接する第1部分511a1と連結または接着することができる。したがって、振動部511aは、第1部分511a1と第2部分511a2との側面結合(または連結)によって所望の大きさまたは長さに拡張することができる。
【0258】
図9を参照すると、本明細書の実施例による振動素子511の振動部511aは、第1方向(X)に沿って交互に繰り返し配置された複数の第1部分511a1と複数の第2部分511a2を含むことができる。複数の第1部分511a1のそれぞれは、複数の第2部分511a2の間に配置され、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な第1幅(W1)を有し、2方向(Y)(または第1方向(X))と平行な長さを有することができる。複数の第2部分511a2のそれぞれは、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な第2幅(W2)を有し、第2方向(Y)(または第1方向(X)))と平行な長さを有することができる。第1幅(W1)は、第2幅(W2)と同じでも異なっていてもよい。例えば、第1幅(W1)は、第2幅(W2)より大きくてもよい。例えば、第1部分511a1と第2部分511a2は、互いに同一または異なる大きさを有する線状またはストライプ形状を含むことができる。したがって、振動部511aは、2-2振動モードの圧電特性を有する2-2複合体構造を有することにより、20kHz以下の共振周波数を有することができるが、これに限定されるものではない。例えば、振動部511aの共振周波数は、形状、長さ、厚みなど少なくとも1つ以上によって変更することができる。
【0259】
図10を参照すると、本明細書の実施例による振動素子511の振動部511aは、複数の第1部分511a1および複数の第2部分511a2を含むことができる。例えば、複数の第1部分511a1および複数の第2部分511a2は、第2方向(Y)に沿って交互に繰り返し配置され得る。複数の第1部分511a1のそれぞれは、複数の第2部分511a2の間に配置され、第2方向(Y)と平行な第3幅(W3)を有し、第1方向(X)(または第2)方向(Y)と平行な長さを有することができる。複数の第2部分511a2のそれぞれは、第3幅(W3)と同じ第4幅(W4)を有し、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な長さを有することができる。例えば、第1部分511a1と第2部分511a2は、互いに同じ大きさを有する線状またはストライプ形状を含むことができる。このように、
図10に示す振動素子511の振動部511aは、2-2複合体を有することにより20kHz以下の共振周波数を有し得、これに限定されるものではない。例えば、振動部511aの共振周波数は、形状、長さ、厚さなど少なくとも1つ以上によって変更することができる。
【0260】
振動部511aにおいて、複数の第2部分511a2のそれぞれの幅(W2、W4)は、振動部511aまたは振動素子511の中間部分から両縁部分(または両端)側に行くほど、ますます減少することができる。
【0261】
本明細書の実施例によれば、複数の第2部分511a2のうち最大幅(W2、W4)を有する第2部分511a2は、振動部511aまたは振動素子511が上下する方向(Z)(または厚さ方向)で振動するとき、最大の応力が集中する部分に配置することができる。複数の第2部分511a2のうち、幅(W2、W4)が最も小さい第2部分511a2は、振動部511aまたは振動素子511が上下方向(Z)に振動するとき、相対的に最小の応力が発生する部分に配置することができる。例えば、複数の第2部分511a2のうち最大幅(W2、W4)を有する第2部分511a2は、振動部511aの中間部分に配置され、複数の第2部分511a2最も小さい幅(W2、W4)を有する第2部分511a2は、振動部511aの両縁部分に配置され得る。これにより、振動部511aまたは振動素子511が上下方向(Z)に振動するとき、最大の応力が集中する部分で発生する音波の干渉または共振周波数の重畳を最小限に抑えることができ、低音域帯で発生する音圧低下現象を改善することができ、低音域帯での音響特性の平坦度を向上させることができる。
【0262】
振動部511aにおいて、複数の第1部分511a1のそれぞれは、互いに異なる大きさ(または広さ)を有することができる。例えば、複数の第1部分511a1のそれぞれの大きさ(または幅)は、振動部511aまたは振動素子511の中間部分から両縁部分(または両端)にいくほど減少または増加し得る。この場合、振動部511aは、異なる大きさを有する複数の第1部分511a1のそれぞれの振動による多様な固有振動周波数により、音響の音圧特性を向上させることができ、音響の再生帯域を拡大することができる。
【0263】
複数の第2部分511a2のそれぞれは、複数の第1部分511a1の間に配置され得る。これにより、振動部511aまたは振動素子511は、第2部分511a2によって第1部分511a1の単位格子内のリンクによる振動エネルギーを増加させることができるため、振動特性を増加させることができ、圧電特性と柔軟性を確保することができる。例えば、第2部分511a2は、エポキシ系ポリマー、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマーのうちの1つ以上であり得るが、これらに限定されるものではない。
【0264】
本明細書の実施例による複数の第2部分511a2のそれぞれは、有機物質部で構成することができる。例えば、有機物質部は、無機物質部の間に配置されることにより、無機物質部(または第1部分)に加えられる衝撃を吸収することができ、無機物質部に集中するストレスを解放(releasing)し、振動部511aまたは振動素子511の耐久性を向上させることができ、振動部511aまたは振動素子511に柔軟性を提供することができる。
【0265】
本明細書の実施例による第2部分511a2は、第1部分511a1と比較して、低い弾性率(modulus)(またはYoung’s modulus)と粘弾性を有することができ、それによって第1部分511a1の脆性特性によって衝撃に弱い第1部分511a1の信頼性を向上させることができる。例えば、第2部分511a2は、0.01~1の損失係数と0.1~10Gpa(Giga Pascal)の弾性率を有する物質で構成することができる。
【0266】
第2部分511a2に構成される有機物質部は、第1部分511a1である無機物質部と比較して、柔軟な特性を有する有機物質、有機ポリマー、有機圧電物質、または有機非圧電物質を含むことができる。例えば、第2部分511a2は、柔軟性を有する接着部、伸縮部、曲げ部、ダンピング部、または軟性部などで表現することができるが、これに限定されるものではない。
【0267】
本明細書の実施例による振動部511aは、複数の第1部分511a1と第2部分511a2が同一平面上に配置(または連結)されることによって、単一の薄いフィルム形状を有することができる。例えば、振動部511aの複数の第1部分511a1が一側に連結した構造を有することができる。例えば、複数の第1部分511a1は、振動部511aの全体で連結した構造を有することができる。例えば、振動部511aは、振動特性を有する第1部分511a1によって表示部材または振動部材を基準に上下方向に振動することができ、柔軟性を有する第2部分511a2によって曲面形状に曲がることができる。なお、本明細書の実施例に係る振動部511aにおいて、第1部分511a1の大きさおよび第2部分511a2の大きさは、振動部511aまたは振動素子511に求められる圧電特性、および柔軟性によって設定できる。本明細書の一実施例として、柔軟性よりも圧電特性を求める振動部511aの場合、第1部分511a1の大きさは第2部分511a2の大きさより大きく構成することができる。本明細書の他の実施例では、圧電特性よりも柔軟性を求める振動部511aの場合、第2部分511a2の大きさを第1部分511a1の大きさより大きく構成することができる。したがって、振動部511aの大きさを求められる特性によって調整することができ、振動部511aの設計が容易であるという利点がある。
【0268】
図11を参照すると、本明細書の他の実施例による振動部511aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って、互いに離隔した複数の第1部分511a1と、複数の第1部分511a1の間に配置された第2部分511a2とを含むことができる。
【0269】
複数の第1部分511a1のそれぞれは、第1方向(X)と第2方向(Y)それぞれに沿って、互いに離隔するように配置され得る。例えば、複数の第1部分511a1のそれぞれは、互いに等しい大きさを有する六面体形状を有しながら格子状に配置され得る。複数の第1部分511a1のそれぞれは、
図9および
図10を参照して説明した第1部分511a1と実質的に同一の物質からなるため、同一の符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0270】
第2部分511a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、複数の第1部分511a1の間に配置することができる。第2部分511a2は、隣接する2つの第1部分511a1の間のギャップを埋めるか、または複数の第1部分511a1のそれぞれを囲むように構成されることによって、隣接する第1部分511a1と連結または接着することができる。本明細書の実施例によれば、第1方向(X)に沿って隣接する2つの第1部分511a1の間に配置された第2部分511a2の幅は、第1部分511a1の幅と同じまたは異なる。そして、第2方向(Y)に沿って隣接する2つの第1部分511a1の間に配置された第2部分511a2の幅は、第1部分511a1の幅と同じでも異なってもよい。第2部分511a2は、
図9および
図10を参照して説明した第2部分511a2と実質的に同一の物質で構成されるので、これには同一の符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0271】
このような、本明細書の他の実施例に係る振動部511aは、1-3振動モードの圧電特性を有する1-3複合体構造を含むことにより、30MHz以下の共振周波数を有することができるが、これに限定されものではない。例えば、振動部511aの共振周波数は、形状、長さ、厚さなど少なくとも1つ以上によって変更することができる。
【0272】
図11を参照すると、本明細書の他の実施例による振動部511aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って、互いに離隔した複数の第1部分511a1と、複数の第1部分511a1の間に配置された第2部分511a2とを含むことができる。
【0273】
複数の第1部分511a1のそれぞれは、円形の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分511a1のそれぞれは、円板形状を有することができるが、これに限定されるものではない。例えば、複数の第1部分511a1のそれぞれは、楕円形状、多角形状、またはドーナツ形状などを含む点形状を有することができる。複数の第1部分511a1のそれぞれは、
図9および
図10を参照して説明した第1部分511a1と実質的に同一の物質で構成されているので、それにたいしては同一符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0274】
第2部分511a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、複数の第1部分511a1の間に配置され得る。第2部分511a2は、複数の第1部分511a1のそれぞれを囲むように構成されることによって、複数の第1部分511a1のそれぞれの側面に連結または接着することができる。複数の第1部分511a1と第2部分511a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配列)され得る。第2部分511a2は、
図9および
図10を参照して説明した第2部分511a2と実質的に同一の物質で構成されているので、これには同一の符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0275】
図12を参照すると、本明細書の他の実施例による振動素子511において、振動部511aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔した複数の第1部分511a1と、複数の第1部分511a1の間に配置された第2部分511a2とを含むことができる。
【0276】
複数の第1部分511a1のそれぞれは、三角形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分511a1のそれぞれは、三角板形状を有することができる。複数の第1部分511a1のそれぞれは、
図9および
図10を参照して説明した第1部分511a1と実質的に同一の物質からなるため、これには同一の符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0277】
本明細書の実施例によれば、複数の第1部分511a1のうちの隣接する4つの第1部分511a1は、四角形(または正方形)をなすように隣接して配置することができる。四角形状をなす隣接する4つの第1部分511a1のそれぞれの頂点は、四角形状の中央部(または正中央部)に隣接して配置され得る。
【0278】
第2部分511a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、複数の第1部分511a1の間に配置され得る。第2部分511a2は、複数の第1部分511a1のそれぞれを囲むように構成されることによって、複数の第1部分511a1のそれぞれの側面に連結または接着することができる。複数の第1部分511a1と第2部分511a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配列)され得る。第2部分511a2は、
図9および
図10を参照して説明した第2部分511a2と実質的に同一の物質からなるため、これには同一の符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0279】
【0280】
図13A、
図13B、および
図14を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置500は、第1および第2振動発生部500A、500Bを含むことができる。
【0281】
第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれは、第1方向(X)に沿って互いに離隔して電気的に分離して配置され得る。第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれは、圧電効果により収縮と膨張を交互に繰り返すことで振動することができる。例えば、第1および第2振動発生部500A、500Bは、第1方向(X)に沿って一定の間隔(D1)で配置またはタイリングすることができる。したがって、第1および第2振動発生部500A、500Bがタイリングされた振動装置500は、振動アレイ、振動アレイ部、振動モジュールアレイ部、振動アレイ構造物、タイリング振動アレイ、タイリングアレイモジュール、またはタイリング振動フィルムであり得る。
【0282】
本明細書の実施例による第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれは、正方形の形状を有することができる。例えば、第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれは、5cm以上の幅を有する四角形状を有することができる。例えば、第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれは、5cm×5cm以上の大きさを有する正方形の形状を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0283】
第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれは,同一平面上に配置またはタイリングされることにより、振動装置500は相対的に小さい大きさを有する第1および第2振動発生部500A、500Bのタイリングによって大面積化することができる。
【0284】
第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれは、一定の間隔で配置またはタイリングされることによって独立して駆動せずに、完全な1つの単一体形状で駆動する1つの振動装置(または単一振動装置)として実現化すことができる。一実施例によれば、第1方向(X)に基づいて、第1および第2振動発生部500A、500B間の第1離隔距離(D1)は、0.1mm以上3cm未満であり得、これに限定されるものではない。
【0285】
本明細書の一実施例によれば、第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれは、0.1mm以上3cm未満の離隔距離(または間隔)(D1)を有するように配置またはタイリングされることによって、一つの振動装置として駆動することができ、第1および第2振動発生部500A、500Bの単一体振動に連動して発生する音響の再生帯域および音響の音圧特性のそれぞれを増加させることができる。例えば、第1および第2振動発生部500A、500Bの単一体振動に連動して発生する音響の再生帯域を増加させ、低音域帯音響、例えば500Hz以下での音圧特性を向上させるため、第1および第2振動発生部500A、500Bは、0.1mm以上5mm未満の間隔(D1)で配置され得る。
【0286】
本明細書の一実施例によれば、第1および第2振動発生部500A、500Bが0.1mm未満の間隔(D1)または間隔(D1)なしで配置されるとき、第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれの振動時、相互間の物理的な接触によるクラックの発生または破損により、第1および第2振動発生部500A、500Bまたは振動装置500の信頼性が低下し得る。
【0287】
本明細書の一実施例によれば、第1および第2振動発生部500A、500Bが3cm以上の間隔(D1)で配置されるとき、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの独立した振動により、第1および第2振動発生部500A、500Bが1つの振動装置として駆動しないことがあり得る。これにより、第1および第2振動発生部500A、500Bの振動によって発生する音響の再生帯域および音響の音圧特性が低下し得る。例えば、第1および第2振動発生部500A、500Bが3cm以上の間隔(D1)で配置されると、低音域帯、例えば500Hz以下での音響特性および音圧特性がそれぞれ低下し得る。
【0288】
本明細書の一実施例によれば、第1および第2振動発生部500A、500Bが5mmの間隔(D1)で配置されるとき、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれが1つの振動装置として駆動しないため、低音域帯、例えば200Hz以下で音響特性と音圧特性がそれぞれ低下し得る。
【0289】
本明細書の他の実施例によれば、第1および第2振動発生部500A、500Bが1mmの間隔(D1)で配置されるとき、第1および第2振動発生部500A、500Bが1つの振動装置として振動することで、音響の再生帯域が増加し、低音域帯の音響、例えば500Hz以下での音圧特性を向上させることができる。例えば、第1および第2振動発生部500A、500Bが1mmの間隔(D1)に配置された場合、振動装置500は、第1および第2振動発生部500A、500Bの間の離隔距離が最適化されることにより、大面積の振動体として実現することができる。これにより、第1および第2振動発生部500A、500Bの単一体振動による大面積振動体として駆動することができ、これにより振動装置500の大面積振動に連動して発生する音響の再生帯域と低音域帯での音響特性および音圧特性のそれぞれを増加または向上させることができる。
【0290】
したがって、第1および第2振動発生部500A、500Bの単一体振動(または1つの振動装置)を実現するために、第1および第2振動発生部500A、500B間の離隔距離(D1)は、0.1mm以上3cm未満に設定することができる。また、第1および第2振動発生部500A、500Bの単一体振動(または1つの振動装置)を実現しながら低音域帯の音響の音圧特性を増加させるため、第1および第2振動発生部500A、500B間の離隔距離(D1)は、0.1mm以上5mm未満に設定することができる。
【0291】
本明細書の一実施例による第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれは、圧電振動部511a、第1電極部511b、および第2電極部511cを含むことができる。
【0292】
第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれの振動部511aは、圧電効果を含む圧電物質(または電気活性物質)を含むことができる。例えば、第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれの振動部511aは、
図7~
図12を参照して説明した圧電振動部511aのうちのいずれか1つと実質的に同一に構成されるので、これに対して同一の符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0293】
本明細書の一実施例によれば、第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれは、
図7~
図12を参照して説明した振動部511aのうちのいずれか1つの圧電振動部511aを含むか、または互いに異なる振動部511aを含むことができる。
【0294】
第1電極部511bは、振動部511aの第1面に配置され、振動部511aの第1面と電気的に連結され得る。これは、
図8を参照して説明した第1電極部511bと実質的に同一であるので、これに対して同一の符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0295】
第2電極部511cは、振動部511aの第2面に配置され、振動部511aの第2面と電気的に連結され得る。これは、
図8を参照して説明した第1電極部511bと同じであるので、これに対して同一の符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0296】
本明細書の他の実施例による振動素子510は、第1カバー部材513および第2カバー部材515をさらに含むことができる。
【0297】
第1カバー部材513は、振動装置500の第1面に配置することができる。例えば、第1カバー部材513は、第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれの第1面に配置された第1電極部511bを覆うことにより、第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれの第1面に共通に連結するか、第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれの第1面を共通に支持することができる。これにより、第1カバー部材513は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1面または第1電極部511bを保護することができる。
【0298】
第2カバー部材515は、振動素子510の第2面に配置することができる。例えば、第2カバー部材515は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2面に配置された第2電極部511cを覆うことにより、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2面に共通に連結するか、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2面を共通に支持することができる。これにより、第2カバー部材515は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2面または第2電極部511cを保護することができる。
【0299】
本明細書の一実施例による第1カバー部材513および第2カバー部材515のそれぞれは、プラスチック、繊維、および木材のうちの1つ以上の材質を含むことができ、これらに限定されるものではない。例えば、第1カバー部材513と第2カバー部材515のそれぞれは、同一かまたは異なる材質を含むことができる。例えば、第1カバー部材513および第2カバー部材515のそれぞれは、ポリイミドフィルム(polyimide film)またはポリエチレンテレフタレートフィルム(polyethylene terephthalate film)であり得、これに限定されるものではない。
【0300】
本明細書の一実施例による第1カバー部材513は、第1接着層512を介して、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材513は、第1接着層512を媒介とするフィルムラミネート工程により、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1面に直接に配置され得る。したがって、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれは、一定の間隔(D1)を有するように、第1カバー部材513に一体化(または配置)するか、またはタイリングすることができる。
【0301】
本明細書の一実施例による第2カバー部材515は、第2接着層514を介して、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材515は、第2接着層514を媒介とするフィルムラミネート工程により、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2面に直接に配置され得る。したがって、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれは、一定の間隔(D1)を有するように第2カバー部材515に一体化(または配置)するか、またはタイリングすることができる。
【0302】
第1接着層512は、第1および第2振動発生部500A、500Bの間、および第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1面に配置され得る。例えば、第1接着層512は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1面に向かい合う第1カバー部材513の背面(または内部面)に形成され、第1および第2振動発生部500A、500Bの間に充填され、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1面と第1カバー部材512の間に配置され得る。
【0303】
第2接着層514は、第1および第2振動発生部500A、500Bの間、および第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2面に配置され得る。例えば、第2接着層514は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2面に向かい合う第2カバー部材515の前面(または内部面)に形成され、第1および第2振動発生部500A、500Bの間に充填され、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2面と第2カバー部材515の間に配置され得る。
【0304】
第1および第2接着層512、514は、第1および第2振動発生部500A、500Bの間で互いに連結または結合され得る。したがって、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれは、第1および第2接着層512、514によって囲まれ得る。例えば、第1および第2接着層512、514は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれを完全に取り囲むように、第1カバー部材513と第2カバー部材515の間に構成され得る。例えば、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれは、第1接着層512と第2接着層514の間に埋め込むか、または内蔵され得る。
【0305】
本明細書の一実施例による第1および第2接着層512、514のそれぞれは、接着性を有しながら、圧縮および復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1および第2接着層512、514のそれぞれは、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acrylic)樹脂、シリコーン(silicone)樹脂、またはウレタン(urethane)樹脂を含むことができ、これらに限定されるものではない。例えば、第1および第2接着層512、514のそれぞれは、透明、半透明、または不透明であるように構成され得る。
【0306】
本明細書の他の実施例による振動装置500は、第1カバー部材513に配置された第1電源供給ライン(PL1)、第2カバー部材515に配置された第2電源供給ライン(PL2)、および第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)に電気的に連結されたパッド部517とをさらに含むことができる。
【0307】
第1電源供給ライン(PL1)は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1面に向かい合う第1カバー部材513の背面に配置され得る。第1電源供給ライン(PL1)は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1電極部511bと電気的に連結され得る。例えば、第1電源供給ライン(PL1)は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1電極部511bと直接に電気的に連結され得る。本明細書の一実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、異方性導電フィルムを介して、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1電極部511bと電気的に連結され得る。本明細書の他の実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、第1接着層512に含まれる導電性物質(または粒子)を介して、第1および第2振動発生部500A、500Bのそれぞれの第1電極部511bと電気的に連結され得る。
【0308】
一実施例による第1電源ライン(PL1)は、第2方向(Y)に沿って配置された第1および第2上部電源ライン(PL1、PL2)を含むことができる。例えば、第1上部電源ライン(PL1)は、第1振動発生部510-1の第1電極部511bと電気的に連結され得る。第2上部電源ライン(PL2)は、第2振動発生部510-2の第1電極部511bと電気的に連結され得る。
【0309】
第2電源供給ライン(PL2)は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2面に向かい合う第2カバー部材515の前面に配置され得る。第2電源供給ライン(PL2)は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2電極部511cと電気的に連結され得る。例えば、第2電源供給ライン(PL2)は、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2電極部511cと直接に電気的に連結され得る。本明細書の一実施例として、第2電源供給ライン(PL2)は、異方性導電フィルムを介して、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2電極部511cと電気的に連結され得る。本明細書の他の実施例として、第2電源供給ライン(PL2)は、第2接着層514に含まれた導電性物質(または粒子)を介して、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2電極部511cと電気的に連結され得る。
【0310】
本明細書の一実施例による第2電源供給ライン(PL2)は、第2方向(Y)に沿って配置された第1および第2下部電源ライン(PL1、PL2)を含むことができる。第1下部電源ライン(PL1)は、第1振動発生部510-1の第2電極部511cと電気的に連結され得る。例えば、第1下部電源ライン(PL1)は第1上部電源ライン(PL1)と重畳し得る。第2下部電源ライン(PL2)は、第2振動発生部510-2の第2電極部511cと電気的に連結され得る。例えば、第2下部電源ライン(PL2)は、第2上部電源ライン(PL2)と重畳され得る。
【0311】
パッド部517は、第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)のそれぞれの一側(または一端)と電気的に連結されるように、第1カバー部材513および第2カバー部材515のうちのいずれか1つの一側縁部分に構成され得る。
【0312】
本明細書の一実施例によるパッド部517は、第1電源供給ライン(PL1)の一端と電気的に連結された第1パッド電極、および第2電源供給ライン(PL2)の一端と電気的に連結された第2パッド電極を含むことができる。
【0313】
第1パッド電極は、第1電源供給ライン(PL1)の第1および第2上部電源ライン(PL1、PL2)それぞれの一端に共通に連結され得る。例えば、第1および第2上部電源ライン(PL1、PL2)それぞれの一端は、第1パッド電極から分岐され得る。第2パッド電極は、第2電源供給ライン(PL2)の第1および第2下部電源ライン(PL1、PL2)それぞれの一端に共通に連結され得る。例えば、第1および第2下部電源ライン(PL1、PL2)それぞれの一端は、第2パッド電極から分岐され得る。
【0314】
本明細書の他の実施例による振動装置500は、信号ケーブル(または信号印加部材または信号供給部材)519をさらに含むことができる。
【0315】
信号ケーブル519は、振動装置500に配置されたパッド部517と電気的に連結され、音響処理回路から提供される振動駆動信号(または音響信号)を振動装置500に供給することができる。一例による信号ケーブル519は、パッド部517の第1パッド電極と電気的に連結された第1端子、およびパッド部517の第2パッド電極と電気的に連結された第2端子を含むことができる。例えば、フレキシブルプリント回路ケーブル、フレキシブルフラットケーブル、片面フレキシブルプリント回路、片面フレキシブルプリント回路基板、フレキシブル多層プリント回路、またはフレキシブル多層プリント回路基板で構成することができるが、本明細書の実施例がこれに限定されるものではない。
【0316】
音響処理回路は、音響データに基づいて、第1振動駆動信号および第2振動駆動信号を含む交流形状の振動駆動信号を生成することができる。第1振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれか1つであり、第2振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれか1つであり得る。例えば、第1振動駆動信号は、信号ケーブル519の第1端子と、パッド部517の第1パッド電極および第1電源供給ライン(PL1)を介して、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第1電極部511bに供給され得る。第2振動駆動信号は、信号ケーブル519の第2端子とパッド部517の第2パッド電極および第2電源供給ライン(PL2)を介して、第1および第2振動発生部500A、500Bそれぞれの第2電極部511cに供給され得る。
【0317】
このような、本明細書の他の実施例による振動素子510は、
図7~
図12を参照して説明した振動素子510と同様に、薄いフィルム形状で実現することができ、これにより、振動部材または振動対象物の形状に対応した形状に曲げることができ、様々な曲面部を含む振動部材を容易に振動させることができ、振動部材の振動によって発生する低音域帯での音響特性および/または音圧特性を向上させることができる。また、本明細書の他の実施例による振動素子510は、独立して駆動せずに、1つの単一振動体として実現されるように一定の間隔(D1)に配列(またはタイリング)された第1および第2振動発生部500A、500Bを含むことにより、第1および第2振動発生部500A、500Bの単一体振動による大面積振動体として駆動され得る。
【0318】
本明細書の実施例に係る振動装置500は、第1および第2振動発生部500、500Bの背面に配置されたパッド580をさらに含むことができる。例えば、パッド580は、第1および第2振動発生部500A、500Bの中央部に配置され得る。
【0319】
図13Bを参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動装置500は、第1振動発生部500A、第2振動発生部500B、第3振動発生部500C、および第4振動発生部500Dを含むことができる。
【0320】
第1振動発生部500A、第2振動発生部500B、第3振動発生部500C、および第4振動発生部500Dのそれぞれは、第1方向(X)および第2方向(Y)に沿って、互いに離隔しながら電気的に分離配置され得る。第1および第2の振動発生部500A、500Bのそれぞれ、および第3および第4の振動発生部500C、500Dのそれぞれは、第1方向(X)に沿って、互いに離隔しながら電気的に分離配置され得る。
【0321】
例えば、第1および第2振動部500A、500Bは、第1方向(X)に沿って一定の間隔(D1)で配置されるか、またはタイリングされ得、第3および第4振動部500C、500Dは、第1方向(X)に沿って一定の間隔(D1)で配置されるか、またはタイリングされ得る。例えば、第1および第3振動部500A、500Cは、第2方向(Y)に沿って一定の間隔(D2)で配置されるか、またはタイリングされ得、第2および第4振動部500B、500Dは、第2方向(Y)に沿って一定の間隔(D2)で配置されるか、またはタイリングされ得る。
【0322】
これにより、第1振動発生部500A、第2振動発生部500B、第3振動発生部500C、および第4振動発生部500Dがタイリングされた振動装置500は、振動アレイ、振動アレイ部、振動モジュールアレイ部、振動アレイ構造物、タイリング振動アレイ、タイリング振動アレイモジュール、またはタイリング振動フィルムであり得る。
【0323】
本明細書の実施例に係る振動装置500は、第1振動発生部500A、第2振動発生部500B、第3振動発生部500C、および第4振動発生部500Dの背面に配置されたパッド580をさらに含むことができる。例えば、パッド580は、第1振動発生部500A、第2振動発生部500B、第3振動発生部500C、および第4振動発生部500Dの中央部に配置され得る。
【0324】
図13Bの第2振動装置500は、
図13Aを参照して説明した第2振動装置500と比較して、分離配置された振動発生部の構造を除いて、実質的に同一であり、
図13Bの線III-III’の断面図は、
図14を参照して説明した
図13Aの断面図と同一の構成(または構造)を有するので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略され得る。
【0325】
図15は、本明細書の実施例による振動装置の振動部の斜視図であり、
図16は、
図15のIV-IV’断面図である。
【0326】
図15および
図16を参照すると、本明細書の実施例による振動装置500は、同じ方向に変位(または振動または駆動)するように積層された2つ以上の振動発生器540、570を含むことができる。
【0327】
本明細書の実施例によれば、第1振動発生器540は、連結部材550(または第1連結部材)を介して、表示部材100の背面に連結または配置することができる。第2振動発生器570は、連結部材550(または第3連結部材)を介して、第1振動発生器540に配置または接着され得る。
【0328】
本明細書の一実施例による連結部材550(または結合部材、または中間部材、または接着部材、など)は、第1振動発生器540および第2振動発生器570それぞれに対して、密着力または接着力に優れた接着層を含む接着材質で構成され得る。例えば、連結部材550は、フォームパッド、両面フォームパッド、両面テープ、または接着剤などを含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、連結部材550の接着層は、エポキシ(epoxy)、アクリル(acrylic)、シリコーン(silicone)、またはウレタン(urethane)を含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、連結部材550の接着層は、アクリル系の物質(または材質)より相対的に軟性特性を有するウレタン系の物質(または材質)を含むことができる。これにより、複数の振動発生器の間の変位の干渉による振動損失が最小限に抑え、または複数の振動発生器のそれぞれが自由に変位され得る。
【0329】
本明細書の他の実施例に係る連結部材550は、熱硬化性接着剤、光硬化性接着剤、および熱融着接着剤のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、連結部材550は、熱融着接着剤を含むことができる。熱融着接着剤は、熱活性タイプまたは熱硬化性タイプであり得る。例えば、熱融着接着剤を含む連結部材550は、熱と圧力によって、隣接する第1振動発生器540および第2振動発生器570を互いに接着させ、または結合させることができる。
【0330】
本明細書の一実施例による第1振動発生器540および第2振動発生器570は、連結部材550を用いたラミネート工程により1つの構造物(または部品)に一体化することができる。例えば、第1振動発生器540および第2振動発生器570は、ローラーを用いたラミネート工程により1つの構造物に一体化され得る。
【0331】
例えば、第1振動発生器540および第2振動発生器570は、互いに同一の駆動方向を有するように、互いに重ねたり積層されるように実現されることで、第1振動発生器540および第2振動発生器570を含む振動発生器の駆動力が増加または最大化され得、これにより第1振動発生器540および第2振動発生器570の振動に応じて振動部材またはベースプレート501で発生される中低音域帯の音響特性と音響の音圧特性のうちの1つ以上が向上され得る。例えば、中低音域帯は、200Hz~1kHzであり得、これに限定されるものではない。例えば、高音域帯は、1kHz以上または3kHz以上であり得、これに限定されるものではない。
【0332】
本明細書の実施例による第1および第2振動発生器540、570のそれぞれは、複数の振動発生部500A、500Bを含むことができる。複数の振動発生部500A、500Bのそれぞれは、振動素子、第1カバー部材513、および第2カバー部材515を含むことができる。
【0333】
本明細書の実施例による振動発生部500A、500B(または振動素子)は、振動部511a、振動部511aの第1面に配置された第1電極部511b、および振動部511aの第1面と反対側の第2面に配置された第2電極部511cとを含むことができる。振動部511aは、
図9~
図12を参照して説明した振動部511aのうちのいずれか1つと実質的に同一に構成されるので、これに対しては同一の符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0334】
第1電極部511bは、振動部511aの第1面(または上面)に配置され得る。第2電極部511cは、振動部511aの第1面と反対側の異なる第2面(または背面)上に配置され得る。第1電極部511bおよび第2電極部511cは、
図6および
図8で説明した第1電極部511bおよび第2電極部511cの説明と実質的に同一であるので、これに対する説明を省略するかまたは簡単にする。
【0335】
第1および第2振動発生器540、570のそれぞれにおいて、第1電極部511bは、第2電極部511cよりも表示部材100に近い位置に配置することができるが、これに限定されるものではない。例えば、本明細書に係る複数の振動発生器540、570を含む第2振動装置500において、複数の振動発生器540、570それぞれの第1電極部511bを、第2電極部511cよりも表示部材100に近い位置に配置することができる。
【0336】
第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または振動部511a)は、第2振動発生器570の振動素子511(または振動部511a)と同じ大きさを有することができる。振動装置500の変位量または振幅変位を最大化または増加させるために、第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または振動部511a)は、第2振動発生器570の振動素子511(または振動部511a)と、ずれることなく実質的に重なるかまたは重畳し得る。例えば、第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または振動部511a)は、第2振動発生器570の振動素子511(または振動部511a)とずれることなく、製造工程上の誤差範囲内で実質的に重なるかまたは重畳し得る。例えば、第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または振動部511a)と第2振動発生器570の振動発生部500A、500B(または振動部511a)は、互いに同じ大きさを有し、ずれることなく重なった積層構造で実現され、それによって、振動装置500の変位量または振幅変位を最大化または増加させることができる。例えば、第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または振動部511a)と第2振動発生器570の振動発生部500A、500B(または振動部511a)は、互いに同じ大きさを有し、ずれることなしに正確に重なった積層構造で実現され、それによって、振動装置500の変位量または振幅変位を最大化または増加させることができる。
【0337】
本明細書の実施例によれば、第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または振動部511a)それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)540aは、仮想の延長線(VL)に整列するか、または仮想の延長線(VL)(または垂直ラインまたは重畳ライン)に位置することができる。例えば、第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または振動部511a)それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)540aは、仮想の延長線(VL)に正確に整列するか、または仮想の延長線(VL)に正確に位置することができる。第2振動発生器570の振動発生部500A、500B(または振動部511a)のそれぞれの第2部分(端部または外側面または各角部分)570aは、仮想の延長線(VL)に整列するか、または仮想の延長線(VL)に位置することができる。例えば、第2振動発生器570の振動発生部500A、500B(または振動部511a)それぞれの第2部分(端部または外側面または各角部分)570aは、仮想の延長線(VL)に正確に整列するか、または仮想の延長線(VL)に正確に位置することができる。第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または振動部511a)それぞれの第1部分540aは、第2振動発生器570の振動発生部500A、500B(または振動部511a)それぞれの第2部分570aに整列または重畳することができる。例えば、第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または振動部511a)のそれぞれの第1部分540aは、第2振動発生器570の振動発生部500A、500B(または振動部511a)のそれぞれの第2部分570aに正確に整列または重畳することができる。例えば、第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または振動部511a)のそれぞれの第1部分540aは、第2振動発生器570の振動発生部500A、500B(または振動部511a)のそれぞれの第2部分570aに対応することができる。したがって、本明細書の実施例による振動装置は、第1振動発生器540の振動発生部500A、500B(または第1振動部)と、第2振動発生器570の振動発生部500A、500B(または第2振動部)が、互いに同じ方向に変位することによって、変位量または振幅変位を最大化または増加させることができる。これにより、表示部材100の変位量(または曲げ力)または振幅変位を増加(または最大化)することができる。
【0338】
第1振動発生器540では、第1カバー部材513を第1電極部511b上に配置することができる。第1カバー部材513は、第1電極部511bを保護することができる。第2カバー部材515は、第2電極部511c上に配置することができる。第2カバー部材515は、第2電極部511cを保護することができる。例えば、第1振動発生器540の第1カバー部材513および第2カバー部材515のそれぞれは、プラスチック材質、繊維材質、または木材材質からなり得、これに限定されるものではない。例えば、第1振動発生器540において、第1カバー部材513は、第2カバー部材515と同一または異なる材質からなり得る。第1振動発生器540の第1カバー部材513および第2カバー部材515のうちの1つ以上は、連結部材550(または第3連結部材)を介して、表示部材100の背面に連結または結合することができる。例えば、第1振動発生器540の第1カバー部材513は、連結部材550(または第3連結部材)を介して、表示部材100の背面に連結または結合することができる。
【0339】
第2振動発生器570では、第1カバー部材513を第1電極部511b上に配置することができる。第1カバー部材513は、第1電極部511bを保護することができる。第2カバー部材515は、第2電極部511c上に配置することができる。第2カバー部材515は、第2電極部511cを保護することができる。例えば、第2振動発生器570の第1カバー部材513および第2カバー部材515のそれぞれは、プラスチック材質、繊維材質、または木材材質からなり得、これらに限定されるものではない。例えば、第2振動発生器570において、第1カバー部材513は、第2カバー部材515と同一または異なる材質からなり得る。第2振動発生器570の第1カバー部材513および第2カバー部材515のうち少なくとも1つは、連結部材550(または第3連結部材)を介して、第1振動発生器540の背面に連結または結合することができる。例えば、第2振動発生器570の第1カバー部材513は、連結部材550を介して第1振動発生器540の第2カバー部材515に連結または結合することができる。
【0340】
第1および第2振動発生器540、570のそれぞれにおいて、プラスチック材質からなる第1および第2カバー部材513、515のそれぞれは、プラスチック材質からなり得る。例えば、第1および第2カバー部材513、515のそれぞれは、ポリイミドフィルム(polyimide film)またはポリエチレンテレフタレートフィルム(polyethylene terephthalate film)であり得、これに限定されるものではない。
【0341】
本明細書の実施例による第1および第2振動発生器510、570のうちの1つ以上は、第1接着層512および第2接着層514をさらに含むことができる。
【0342】
図16を参照すると、第1振動発生器510において、第1接着層512を振動発生部500A、500Bと第1カバー部材513の間に配置することができる。例えば、第1接着層512は、振動発生部500A、500Bの第1電極部511bと第1カバー部材513の間に配置することができる。第1カバー部材513は、第1接着層512を介して、振動部511aの第1面(または第1電極部511b)上に配置され得る。例えば、第1カバー部材513は、第1接着層512を介するラミネート工程によって、振動部511aの第1面(または第1電極部511b)に結合または連結され得る。
【0343】
第1振動発生器510において、第2接着層514を振動発生部500A、500Bと第2カバー部材515の間に配置することができる。例えば、第2接着層514は、振動発生部500A、500Bの第2電極部511cと第2カバー部材515の間に配置され得る。第2カバー部材515は、第2接着層514を介して、振動部511aの第2面(または第2電極部511c)上に配置され得る。例えば、第2保護部材515は、第2接着層514を媒介とするラミネート工程によって、振動部511aの第2面(または第2電極部511c)に結合または連結され得る。
【0344】
第1振動発生器510において、第1接着層512および第2接着層514は、第1カバー部材513と第2カバー部材515の間で互いに連結または結合され得る。例えば、第1振動発生器510において、第1接着層512および第2接着層514は、第1カバー部材513と第2カバー部材515の間の縁部分で互いに連結または結合することができる。したがって、第1振動発生器510では、振動発生部500A、500Bを第1接着層512および第2接着層514によって囲むことができる。例えば、第1接着層512および第2接着層514は、第1振動発生器510の振動発生部500A、500B全体を完全に囲むことができる。例えば、第1接着層512および第2接着層514は、1つの接着層として配置され得る。
【0345】
第2振動発生器570において、第1接着層512は、振動発生部500A、500Bと第1カバー部材513の間に配置され得る。例えば、第1接着層512は、振動発生部500A、500Bの第1電極部511bと第1カバー部材513の間に配置され得る。第1カバー部材513は、第1接着層512を介して、振動部511aの第1面(または第1電極部511b)上に配置され得る。例えば、第1カバー部材513は、第1接着層512を媒介とするラミネート工程により、振動発生部500A、500Bの第1面(または第1電極部511b)に結合または連結することができる。
【0346】
第2振動発生器570において、第2接着層514は、振動発生部500A、500Bと第2カバー部材515の間に配置され得る。例えば、第2接着層514は、振動発生部500A、500Bの第2電極部511cと第2カバー部材515の間に配置され得る。第2カバー部材515は、第2接着層514を介して、振動発生部500A、500Bの第2面(または第2電極部511c)上に配置され得る。例えば、第2カバー部材515は、第2接着層514を媒介とするラミネート工程により、振動発生部500A、500Bの第2面(または第2電極部511c)に結合または連結することができる。
【0347】
第2振動発生器570において、第1接着層512および第2接着層514は、第1カバー部材513と第2カバー部材515の間で互いに連結または結合され得る。例えば、第2振動発生器570において、第1接着層512および第2接着層514は、第1カバー部材513と第2カバー部材515の間の縁部分で互いに連結または結合され得る。したがって、第2振動発生器570では、振動発生部500A、500Bを第1接着層512および第2接着層514で囲むことができる。例えば、第1接着層512および第2接着層514は、第2振動発生器570の振動発生部500A、500B全体を完全に囲むことができる。例えば、第1接着層512および第2接着層514は、1つの接着層として配置され得る。
【0348】
第1および第2振動発生器510、570のそれぞれにおいて、第1接着層512および第2接着層514のそれぞれは、電気絶縁物質を含むことができる。例えば、電気絶縁物質は、接着性を有し、圧縮および復元が可能な物質であり得る。例えば、第1接着層512および第2接着層514のうちの1つ以上は、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acrylic)樹脂、シリコーン(silicone)樹脂、またはウレタン(urethane)樹脂を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0349】
図17は、本明細書の実施例による振動装置の振動部の斜視図である。
【0350】
図17を参照すると、本明細書による振動部511aは、複数の第1部分511a1と複数の第2部分511a2とを含むことができる。例えば、複数の第1部分511a1および複数の第2部分511a2は、第2方向(Y)(または第1方向(X))に沿って、交互に繰り返し配置され得る。例えば、第1方向(X)は、振動部511aの横方向であり得、第2方向(Y)は、第1方向(X)と交差する振動部511aの縦方向であり得、これに限定されるものではない。例えば、第1方向(X)は、振動部511aの縦方向であり得、第2方向(Y)は、振動部511aの横方向であり得る。例えば、第1部分511a1は、圧電部、圧電体、無機部、無機物質部、圧電層、振動層、変位層、または変位体などであり得、用語に限定されるものではない。例えば、第2部分511a2は、軟性部、弾性部、伸縮部、有機部、有機物質部、ダンピング部、曲げ部、または弾力部などであり得、用語に限定されるものではない。
【0351】
複数の第1部分511a1のそれぞれは、無機物質部で構成することができる。無機物質部は、前述の物質を含むことができる。第2部分511a2は、有機物質部で構成することができる。有機物質部は、前述の物質を含むことができる。
【0352】
本明細書による複数の第1部分511a1のそれぞれは、複数の第2部分511a2の間に配置され得る。複数の第1部分511a1および複数の第2部分511a2は、
図9で説明した複数の第1部分511a1および複数の第2部分511a2と実質的に同じ内容であるので、これに対する重複説明は省略する。
【0353】
第1振動発生器510の振動素子511と第2振動発生器570の振動素子511は、第2振動装置500の変位量または振幅変位を最大化または増加させるために、互いに同じ大きさを有しながら互いに重ねることができる。例えば、第1振動発生器510の振動素子511(または振動部511a)のそれぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)540aは、第2振動発生器570の振動素子511(または振動部511a)それぞれの第2部分(端部または外面または各角部分)570aと実質的に整列または重畳し得る。例えば、第1振動発生器510の振動素子511(または振動部511a)それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)540aは、第2振動発生器570の振動要素511(または振動部511a)それぞれの第2部分(端部または外側面または各角部分)570aと互いにずれることなしに製造工程上の誤差範囲内で、実質的に整列または重畳し得る。例えば、第1振動発生器510の振動素子511(または振動部511a)それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)540aは、仮想の第1延長線(VL1)に整列、または第1延長線(VL1)に位置することができる。第1振動発生器510の振動素子511(または振動部511a)のそれぞれの第1部分(端部または外面または各角部分)540aは、仮想の第1延長線(VL1)に正確に整列、または第1延長線(VL1)に正確に配置することができる。第2振動発生器570の振動素子511(または振動部511a)それぞれの第2部分(端部または外側面または各角部分)570aは、第1延長線(VL1)に整列、または第1延長線(VL1)に位置することができる。例えば、第2振動発生器570の振動素子511(または振動部511a)それぞれの第2部分(端部または外側面または各角部分)570aは、第1延長線(VL1)に正確に整列、または第1延長線(VL1)に正確に位置することができる。
【0354】
本明細書の実施例によれば、第1振動発生器510の複数の第1部分511a1は、第2振動発生器570の複数の第1部分511a1と互いに同じ大きさを有し、実質的に重なるかまたは重畳し得る。例えば、第1振動発生器510の複数の第1部分511a1は、第2振動発生器570の複数の第1部分511a1と同じ大きさを有し、互いにずれることなしに実質的に重なるか重畳し得る。本明細書の実施例によれば、第1振動発生器510の複数の第1部分511a1のそれぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)は、第2振動発生器570の複数の第1部分511a1それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)と実質的に重なるか重畳し得る。例えば、第1振動発生器510の複数の第1部分511a1のそれぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)は、第2振動発生器570の複数の第1部分511a1それぞれの第1部分(端部または外面または各端部分)と互いにずれることなしに実質的に重なるか重畳し得る。例えば、第1振動発生器510の複数の第1部分511a1それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)は、第2振動発生器570の複数の第1部分511a1それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)と第2延長線(VL2)に整列、または第2延長線(VL2)に位置することができる。例えば、第1振動発生器510の複数の第1部分511a1のそれぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)は、第2振動発生器570の複数の第1部分511a1のそれぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)と互いにずれることなく、第2延長線(VL2)に正確に整列、または第2延長線(VL2)に正確に位置することができる。
【0355】
本明細書の実施例によれば、第1振動発生器510の複数の第2部分511a2は、第2振動発生器570の複数の第2部分511a2と互いに同じ大きさを有するか、実質的に重なるか重畳し得る。例えば、第1振動発生器510の複数の第2部分511a2は、第2振動発生器570の複数の第2部分511a2と同じ大きさを有し、互いにずれることなしに実質的に重なるか重畳し得る。本明細書の実施例によれば、第1振動発生器510の複数の第2部分511a2それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)は、第2振動発生器570の複数の第2部分511a2それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)と実質的に重なるか重畳し得る。例えば、第1振動発生器510の複数の第2部分511a2それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)は、第2振動発生器570の複数の第2部分511a2それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)と互いにずれることなしに実質的に重なるか重畳し得る。例えば、第1振動発生器510の複数の第2部分511a2それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)は、第2振動発生器570の複数の第2部分511a2それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)と第2延長線(VL2)に整列、または第2延長線(VL2)に位置することができる。例えば、第1振動発生器510の複数の第2部分511a2それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)は、第2振動発生器570の複数の第2部分511a2それぞれの第1部分(端部または外側面または各角部分)と互いにずれることなしに第2延長線(VL2)に正確に整列、または第2延長線(VL2)に正確に位置することができる。したがって、本明細書の実施例による第2振動装置500は、第1振動発生器510の振動部511aと第2振動発生器570の振動部511aが、互いに同じ方向に変位(または振動または駆動)することによって、変位量または振幅変位を最大化または増加させることができ、それによって、表示部材100の変位量(または曲げ力)または振幅変位を増加(または最大化)させることができる。
【0356】
図17およびこれに関連する説明では、本明細書の他の実施例による振動装置500が第1および第2振動発生器540、570を含むものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本明細書の他の実施例による振動装置500は、複数(例えば、3つ以上)の振動発生器540、570を含むことができる。この場合にも、複数の振動発生器540、570は、振動装置500の変位量または振幅変位が最大化または増加するために、互いに同じ大きさを有しながら互いに重畳することができる。本明細書の実施例によれば、3つ以上の振動発生器540、570のうち上層(または上の層)に配置された振動発生器540の第1部分511a1と3つ以上の振動発生器540、570中の下層(または下の層)に配置された振動発生器570の第1部分511a1は、実質的に互いに重なるか重畳し得る。例えば、3つ以上の振動発生器540、570のうち、上層に配置された振動発生器540の第1部分511a1と、3つ以上の振動発生器540、570のうち、下層に配置された振動発生器570の第1部分511a1は、互いにずれることなしに実質的に互いに重なるか重畳し得る。例えば、3つ以上の振動発生器540、570のうち、上層に配置された振動発生器540の第1部分511a1と下層に配置された振動発生器570の第1部分511a1は、仮想の延長線(VL)に整列、または仮想延長線(VL)に位置することができる。例えば、3つ以上の振動発生器540、570のうち、上層に配置された振動発生器540の第1部分511a1と下層に配置された振動発生器570の第1部分511a1は、仮想の延長線(VL)に正確に整列、または仮想の延長線(VL)に正確に位置することができる。そして、3つ以上の振動発生器540、570のうち、上層に配置された振動発生器540の第2部分511a2と、3つ以上の振動発生器540、570のうち、下層に配置された振動発生器570の第2部分511a2は、実質的に互いに重なるか重畳し得る。例えば、3つ以上の振動発生器540、570のうち、上層に配置された振動発生器540の第2部分511a2と、3つ以上の振動発生器540、570のうち、下層に配置された振動発生器570の第2部分511a2は、互いにずれることなしに実質的に互いに重なるか重畳し得る。例えば、3つ以上の振動発生器540、570のうち、上層に配置された振動発生器540の第2部分511a2と下層に配置された振動発生器570の第2部分511a2は、仮想の延長線(VL)に整列、または仮想延長線(VL)に位置することができる。例えば、3つ以上の振動発生器540、570のうち、上層に配置された振動発生器540の第2部分511a2と下層に配置された振動発生器570の第2部分511a2は、仮想の延長線(VL)に正確に整列、または仮想延長線(VL)に正確に位置することができる。
【0357】
図18~
図20は、本明細書の実施例による振動装置の振動部の斜視図である。
図18~
図20により準備された振動装置500の振動部511aは、
図9および
図12に示す振動装置500を2つの振動発生器で構成したものであり、
図17に示す振動装置500の振動部511aの形状を変更して構成したものである。したがって、
図18~
図20に対する説明は実質的に同じであるため、これに対する説明は省略する。
【0358】
図21は、
図2Aにより準備された装置の音圧特性を示すグラフである。
【0359】
音響出力特性は、音響分析装置によって測定することができる。音圧測定は、商用機器であるAudioPrecision社のAPX525装備を使用した。測定時、印加電圧を10Vrmsに設定しながらEQ(Equalizer)に変換され、サインスイープ(Sine sweep)を10Hz~40kHzまで信号を増幅して振動装置500に印加し、振動対象物から0.5m離隔された位置でマイクを用いて平均音圧を測定した。測定された音圧は1/3オクターブ平滑化で補正され、音圧の測定は半無響室(Half anechoic chamber)で行われた。音響分析装置は、制御用PC(Control PC)と音を送受信するサウンドカード、サウンドカードから発生した音響を振動装置に増幅伝達するアンプ(amplifier)、および表示パネルから振動装置を通じて発生する音響を収集するマイクロで構成することができる。例えば、マイクは振動装置の中心に配置され、表示パネルとマイクの間の距離は50cmであり得る。振動装置にマイクを垂直にして音響を測定することができる。マイクで収集された音は、サウンドカードを介して制御用PCに入力され、これを制御用プログラムで確認して振動装置の音響を分析する。例えば、パルスプログラムを用いて20Hz~20kHzの周波数範囲の周波数応答特性を測定することができる。
図21において、横軸は周波数(Frequency、Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
【0360】
図21を参照すると、本明細書の実施例による装置は、導光板131の固有振動モード形状を考慮して第1振動装置400を、例えば背面カバー300の第6、7、10、11の領域に配置することで、音響の低音性能を確保することができる。また、本明細書の一実施例に係る装置は、第2振動装置500に連結され、高音透過性能に優れた材質の振動対象物またはプレート501を背面カバー300の角に配置することにより、第2振動装置500の高音性能の振動伝達効率および/または振動伝達特性を極大化できるので、100Hz~40kHzの周波数帯域の音圧特性を向上させることができる効果がある。
【0361】
図22は、
図2Aにより準備された第1振動装置、第2振動装置および装置の音圧特性を示すグラフである。
【0362】
音響出力特性の測定方法は、
図21で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
図22において、横軸は周波数(Frequency、Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
【0363】
図22において、太い実線は、
図2Aの装置の第6領域6に配置された第1振動装置400の音響出力特性を示し、一点鎖線は、
図2Aの装置の第1領域1に配置された第2振動装置500の音響出力特性を示し、点線は、
図2Aの装置の音響出力特性を示す。
【0364】
図22を参照すると、第6領域6に第1振動装置400を配置した場合、高音域帯の音響出力特性が十分に確保できないことを確認した。次に、第1領域1に第2振動装置500を配置した場合、中低音域帯の音響出力特性が十分に確保されないことを確認した。次に、第1振動装置400および第2振動装置500を同時に配置した場合、低音域帯である約100Hzの周波数で、約70dBの音響出力特性を確保しつつ、高音域帯である3kHZ~40kHzの周波数でも、約70dB水準の音響出力特性を確保できることを確認した。ここで、70dBの音響出力特性は、100Hz~20kHzまたは100Hz~40kHzの範囲で、音響出力特性を確保するための基準値またはチューニング目標値であり得る。
【0365】
図23Aは、本明細書の実施形状による装置の写真である。
図23Bは、本明細書の実施例による装置の背面カバーに配置された振動装置を示す図である。
【0366】
図23Aを参照すると、本明細書の実施形状による装置は、背面カバー部310に配置された一対の第1振動装置400、および一対の第2振動装置500を含むことができる。第1振動装置400は、
図2Cで説明した第5領域5と第7領域7との間に配置され、第2振動装置500は、
図2Cで説明した第1領域1に配置された。
【0367】
図23Bを参照すると、近距離視聴のディスプレイ装置は、使用者の聴音位置が近いので、第1振動装置400と第2振動装置500の間の距離が重要であり得る。音または音響の位置認識は、波長の1/2内で行われる。本明細書において高音は、表示部材100による透過伝達および装置10の機構伝達(角)から放射されるので、高音放射中心点は、装置10または表示部材100の角端に位置することができ、装置10の角端と第1振動装置400との間の距離は、音の位置を決定する上で重要な要素となり得る。人間の固有の音声周波数帯域は約8kHz帯域であり、音声の放射が画面内で発生する認識が必要なため、8kHzの音波長(Sound wavelenght)である428mmの半分(1/2)内に存在しなければならない。ここで、音波長とは、音波の1サイクル当たりの距離を意味する。
【0368】
第1振動装置400の中心点から第2方向(Y)に隣接する角までの長さを(La)と定義し、第1方向(X)に隣接した角までの長さを(Lb)と定義し、第2振動装置500の中心点から第2方向(Y)に隣接する角までの長さを(Lc)と定義し、第1方向(X)に隣接する角までの長さを(Ld)と定義した。このように定義した第1振動装置400および第2振動装置500の長さ(La、Lb、LcおよびLd)により、例えば下記式(1)による計算値を導出した場合、8kHzの音波長さ(Sound wavelenght)である428mmの半分(1/2)水準なので、音声の放射が画面内で発生することが認識できる。
【数1】
【0369】
図23BのBで示した部分の断面構造は、それぞれ
図5Aおよび
図5Bで説明した第1振動装置400および第2振動装置500と同じ構造を有することができる。
【0370】
図24は、本明細書の実施例による第1振動装置と導光板の共振特性を示すシミュレーション写真である。
図24において、各写真の下に共振周波数を示す。
【0371】
図24を参照すると、第1振動装置400の共振周波数は、109.8Hz、116.8Hzの共振周波数で、導光板131(130)の増幅が確認され、141.9Hz、156.8Hzの共振周波数で、導光板131(130)(または振動部材)の反共振ノード(Anti-resonance node)に近づくことにより、不要な共振ピークが抑制されたことを確認した。ここで、反共振ノードは、定在波で、隣接する2つのノード間の最大の振幅領域を意味する。したがって、これを参照すると、約100Hzの帯域共振周波数で適した第1振動装置400の位置を選定し、音響性能を極大化することができた。
【0372】
図25Aは、本明細書の第1振動装置、背面カバー、および導光板の模式図であり、
図25Bは、本明細書の背面カバーに第1振動装置の位置変化を示したものであり、
図26は、
図25Bの条件で測定された音圧特性を示すグラフである。
図25Aおよび
図25Bにおいて、背面カバー300における第1振動装置400の相対位置(例えば、上下移動)によるハーモニック音響延性解析による、導光板131(130)の二次加振(secondary vibration)で、音響特性の変化傾向を追加確認検証したものである。
図26において、支持部材(例えば背面カバー)をリジッド(Rigid)したと仮定し、内部空気および前面空気をモデリングして、振動位置移動(Case I-実線、Case II-点線、Case III-太い実線)による導光板131(130)の振動による音圧(SPL)の変化を比較した。
【0373】
図26において、横軸は周波数(Frequency、Hz)であり、縦軸は圧力(Pressure Level;Pa)を表し、圧力は所定の数式を通じて音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)に置換され得る。
【0374】
図25A、25Bおよび
図26を参照すると、Case Iの場合、第1振動装置400の位置が相対的に上方に位置した場合、Case II、Case IIIに比べて200~300Hzの間での低音が上昇することが分かる。これを参照すると、第1振動装置400の位置がリアカバー300上で右下端または下端に移動するほど、周波数が相対的に高周波数で移動することが分かる。
【0375】
図27A~27Dは、本明細書の実施例による装置の背面カバーに配置された振動装置を示す図である。
図27A~
図27Dにおいて、ディスプレイモジュールまたは背面カバー300は、水平方向を基準として、対称な左側領域(LA)と右側領域(RA)とを含むことができ、それぞれの左側領域(LA)と右側領域(RA)は、それぞれ、16等分され得、これは第1~第16領域(1~16)として定義され得る。
【0376】
図27Aで準備された装置は、
図2Aで準備された装置と比較して、第1振動装置400の第1音響発生装置410および第2音響発生装置430は、第9領域9および第10領域10の間に配置され、および第2振動装置500の第1圧電振動装置510および第2圧電振動装置530は、第5領域5に配置されるように構成した以外は、
図2Aの装置と同じであるため、
図2を参照して説明した装置10と実質的に同一であるため、これに対して同一の符号を付与して、これに対する重複説明を省略する。
【0377】
図27Bで準備された装置は、
図2Aで準備された装置と比較して、第1振動装置400の第1音響発生装置410および第2音響発生装置430が、第6領域6と第7領域7の間に配置され、および第2振動装置500の第1圧電振動装置510および第2圧電振動装置530が、第5領域5に配置されるように構成した以外は、
図2Aの装置と同じであるため、
図2を参照して説明した装置10と実質的に同一であるため、これに対して同一の符号を付与して、これに対する重複説明を省略する。
【0378】
図27Cにより準備された装置は、
図2Aによって準備された装置と比較して、第1振動装置400の第1音響発生装置410および第2音響発生装置430が、第5領域5と第6領域6の間に配置され、および第2振動装置500の第1圧電振動装置510および第2圧電振動装置530が、第9領域9に配置されるように構成した以外は、
図2Aの装置と同じであるため、
図2を参照して説明した装置10と実質的に同一であるため、これに対して同一の符号を付与して、これに対する重複説明を省略する。
【0379】
図27Dによって準備された装置は、
図27Dによって準備された装置と比較して、第1振動装置400の第1音響発生装置410および第2音響発生装置430が、第10領域10と第11領域11の間に配置され、および第2振動装置500の第1圧電振動装置510および第2圧電振動装置530が、第9領域9に配置されるように構成した以外は、
図2Aの装置と同じであるため、
図2を参照して説明した装置10と実質的に同一であるため、これに対して同一の符号を付与して、これに対する重複説明を省略する。
【0380】
図28は、
図27A~27Dの装置の音圧特性を示すグラフであり、表1は、
図28の結果をまとめたものである。
【0381】
音響出力特性の測定方法は、
図21で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
図28において、横軸は周波数(Frequency、Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
【0382】
【0383】
図28において、太い実線は
図27Aの装置の音響出力特性を示し、一点鎖線は
図27Bの装置の音響出力特性を示し、実線は
図27Cの装置の音響出力特性を示し、点線は
図27Dの装置の音響出力特性を示す。
【0384】
図28を参照すると、100Hzで音圧特性を比較すると、
図27Bの装置では65.5dBで最も高い音圧が測定され、
図27Aの装置では62.7dBの音圧が測定され、
図27Cの装置で57.0dBの音圧が測定され、
図27Dの装置では58.1dBの音圧が測定された。
図27Aの装置の100Hzで音圧は、
図27Bと比較して2.8dB小さくなり、
図27Cの装置の100Hzで音圧は、
図27Bと比較して8.5dB小さくなり、
図27Dの装置の100Hzで音圧は、
図27Bと比較して7.4dB小さくなった。これにより、100Hzでの音圧特性は、
図27Bの装置で最も高くなることが分かる。これにより、低音特性も
図27Bの装置で最も高くなることが分かる。
【0385】
次に、65dBで測定された周波数を比較すると、
図27Bの装置は、98Hzで最も低音で観察され、順に
図27D、
図27C、
図27Aの装置がそれぞれ113Hz、127Hz、148Hzの周波数で測定された。
【0386】
【0387】
図29、
図30Aおよび
図30Bを参照すると、第2振動装置500の振動素子(または圧電素子)511は、多層または多重層で構成することができる。本明細書の一実施例によれば、第2振動装置500の振動素子511の多層または多重層で構成することができ、少なくとも一部は、ダミー層で構成することができる。ダミー層は、多重層の中央部に配置することができるが、これに限定されるものではない。
【0388】
本明細書の実施例による振動素子511は、第1方向(X)と平行な第3長さ(L3)および第2方向(Y)と平行な第4長さ(L4)を有することができる。例えば、振動素子の第3長さ(L3)は、第4長さ(L4)よりも短くてもよいが、これに限定されるものではない。例えば、第3長さ(L3)は、第4長さ(L4)と同じか、または長くてもよい。
【0389】
本明細書の実施例による振動素子511は、振動部511a、第1電極部511b、および第2電極部511cを含むことができ、例えば、第1電極部511bと第2電極部511cは、互いに噛み合うように配置され得、互いに対向するように配置され得る。
【0390】
例えば、第1電極部511bは、振動部511aの第1面(または上面)に配置され、振動部511aの第1面と電気的に連結され得る。第2電極部511cは、圧電素子の第1面と反対側の第2面(または背面)上に配置され、振動素子の第2面と電気的に連結され得る。例えば、第1電極部511bおよび第2電極部511cは、振動部511aを挟んで配置され得る。例えば、第1電極部511bと第2電極部511cは同一の物質からなり得、これに限定されるものではない。本明細書の他の実施例では、第1電極部511bおよび第2電極部511cは、異なる物質で構成することができる。
【0391】
本明細書の実施例によれば、第1電極部511bおよび第2電極部511cのうちの少なくとも1つは、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電物質は、ITO(インジウムスズ酸化物)またはIZO(インジウム亜鉛酸化物)を含むことができ、これらに限定されるものではない。例えば、不透明導電性物質は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、またはマグネシウム(Mg)などを含むか、またはそれらの合金からなり得、これに限定されるものではない。
【0392】
図30Aおよび
図30Bを参照すると、第2振動装置500の圧電素子(または振動素子)511は、多層または多重層からなり得る。振動素子511は、マルチモルフ(multimorph)タイプで実現することができる。例えば、振動素子は、16層~20層からなることができ、それぞれ同じ層の上部グループ(UG)(または第1グループ)または下部グループ(BG)(または第2グループ)に区分され得る。あるいは、第2振動装置500の振動素子511は、それぞれ同一層の上部グループ(UG)(または第1グループ)および下部グループ(BG)(または第2グループ)を含み、中央にダミーグループ(DG)を含むことができる。ダミーグループ(DG)(または第3グループ)は、第1電極部511bおよび第2電極部511cを含まず、価格を節減することができる。
【0393】
第2振動装置500の振動素子511は、上部グループ(UG)(または第1グループ)および下部グループ(BG)(または第2グループ)を含み、中央にダミーグループ(DG)を含むことができる。
【0394】
本明細書の一例による装置は、第2振動装置500が振動素子511を含み、振動素子511が第1グループ~第2グループを含み、第1グループおよび第2グループは、それぞれ、圧電特性を有する少なくとも1層の振動部511a、振動部511aの第1面に配置された第1電極部511b、および振動部511aの第1面と反対側の第2面に配置された第2電極部511cを含む。
【0395】
本明細書の他の一例によれば、第2振動装置500は振動素子511を含み、圧電素子511は、第1グループ~第3グループを含み、第1グループ(UG)および第2グループ(BG)は、それぞれ、圧電特性を有する少なくとも1層の振動部511a、振動部の第1面に配置された第1電極部511b、および第1面に反対側の第2面に配置された第2電極部511cを含み、第3グループ(DG)は、圧電特性を有する少なくとも1層の振動部511aのみで構成され、第3グループは、第1グループおよび第2グループ間に配置され得る。
【0396】
図31は、本明細書の第2振動装置の音圧特性を示すグラフである。
【0397】
音響出力特性の測定方法は、
図21で説明した内容と比較して、周波数の測定範囲が100Hz~20kHzに変更されたことを除いて、同じであるので、ここでは説明を省略する。
図31において、横軸は周波数(Frequency、Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
図31は、振動対象物またはプレート501による第2振動装置の音圧特性を示しており、太い実線は振動対象物を無含浸紙で準備したものであり、一点鎖線は振動対象物を含浸紙で準備したものであり、点線は振動対象物をアルミニウムで準備したものである。
【0398】
図31を参照すると、2kHz以上の高音域帯の音響特性において、無含浸紙(太い実線)および含浸紙(一点鎖線)は、アルミニウム振動板(点線)に比べて向上したことが分かり、無含浸紙(太い実線)および含浸紙(一点鎖線)は、類似の音響特性を示すことが分かる。
【0399】
【0400】
音響出力特性の測定方法は、
図21で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
図32において、横軸は周波数(Frequency、Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
図32の音圧測定は、
図2Aの装置および
図27Bの装置を準備し、
図2Aの装置の音圧特性は
図32に点線で示し、
図27Bの装置の音圧特性は
図32に実線で示した。
【0401】
図32を参照すると、第2振動装置500が、
図27Bの装置10のように配置される場合、例えば、背面カバー300の第5領域5に配置される場合、背面カバー300の反り量の偏差により音圧が低下し得る。例えば、
図2Aの装置10の第2振動装置500は、第1領域1、または第13領域13などの長短軸外郭の角の周辺に配置することができる。例えば、
図27Bの装置10の第2振動装置500は、背面カバー300の短軸角領域に配置され得、例えば、第5領域5に配置され得る。第1振動装置400および/または第2振動装置500の振動時の短軸外郭の角周辺の背面カバー300の反り量の偏差は、長短軸外郭の角部分の背面カバー300の反り量の偏差よりも大きくなるため、音圧の差が発生し得る。例えば、背面カバー300の反り量の偏差が大きい
図27Bの第2振動装置500は、音圧の偏差が大きいことがあり得る。例えば、背面カバー300の反り量の偏差が小さい
図2Aの第2振動装置500は、音圧の偏差が小さいことがあり得る。したがって、支持部材(例えば、背面カバー)の反り量の偏差が小さい位置に、第2振動装置500を配置することで、音響特性および/または音圧特性が向上した装置を提供することができる。例えば、背面カバー300によって反り量の偏差が発生することがあるので、背面カバー300による反り量の偏差が小さい位置に、第2振動装置500を配置することができるので、装置の収率を向上させることができる。支持部材(例えば、背面カバー)のホールの大きさが大きいほど、または振動版、例えばディスプレイパネルの大きさが大きいほど、第2振動装置500は、
図27Bの装置10の構造において高音域帯を含む全音域帯の音圧を向上させることができる。
【0402】
【0403】
音響出力特性の測定方法は、
図21で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
図33において、横軸は周波数(Frequency、Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
図33において、
図2Aの第1振動装置の音圧特性を実線で示し、
図2Aの第2振動装置の音圧特性を点線で示し、
図27Bの第1振動装置の音圧特性を太い実線で示し、
図27Bの第2振動装置の音圧特性を太い点線で示した。また、
図2Aの第2振動装置は、
図29Bに例示したようにダミーグループ(DG)を含む圧電素子を準備した。
【0404】
図33を参照すると、
図2Bの第1振動装置(太い実線)は、
図27Bの第1振動装置(細い実線)と比較して、2kHz以下(中音)帯域の音圧特性が向上することが分かる。また、
図2Bの第2振動装置は、
図27Bの第2振動装置(点線)と比較して、圧電層の個数は約40%減少し、面積は約50%減少したが、第2振動装置500の配置によって、音響特性および/または音圧特性が類似していることが分かる。
【0405】
図34は、
図2Bの装置と実験例の振動装置の音響出力特性を示すグラフである。
【0406】
PCの音量は、100%に設定し、装置の2つのチャンネルのうちの一方のチャンネルのみを駆動した。メディアプレーヤーの駆動ソースピンクノイズマックスとして再生し、高速フーリエ変換(FFT,Fast Fourier Transform)分析で、20Hz~20kHzの周波数を200回測定した。
図34の音響出力特性の測定方法は、前述の部分を除いては、
図21で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
図34において、横軸は周波数(Frequency、Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。実験例の振動装置は、5W出力を有する2つの第1振動発生装置が装置の下端側に設置された装置で準備した。
図34において、
図2Aの装置の音響特性は実線で示し、一般的なパネル振動装置の音響特性は点線で示した。
【0407】
図34を参照すると、
図2Bにより準備された装置は、実験例の振動装置と比較して7kHz以上の高音で向上した音圧特性を有することが分かり、2kHz以下の中低音以下でも全体的に向上した音圧値を有することが分かる。例えば、50Hz~300Hzの音域帯では、
図2Bによって準備された装置は、実験例の振動装置と比較して向上した音圧特性を示すことが分かる。
【0408】
本明細書の実施例による装置は、以下のように説明することができる。
【0409】
本明細書の実施例による装置は、振動部材と、振動部材の背面に配置された背面カバーと、背面カバーの第1背面領域に配置された第1振動装置と、背面カバーの第2背面領域に配置された第2振動装置とを含むことができる。
【0410】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1振動装置は、背面カバーの水平領域および中間領域のうちの少なくとも一つと重畳することができる。
【0411】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は、背面カバーの縁部分領域または中間領域と重畳することができる。
【0412】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材は画像を表示する表示部材を含み、背面カバーは表示部材の背面に配置される背面カバー部を含むことができる。
【0413】
本明細書のいくつかの実施例によれば、背面カバー部は、第1振動装置および第2振動装置を支持することができる。
【0414】
本明細書のいくつかの実施例によれば、背面カバー部は、第1振動装置と重畳する第1ホールを含むことができる。
【0415】
本明細書のいくつかの実施例によれば、背面カバー部は、第2振動装置と重畳する第2ホールをさらに含むことができる。
【0416】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は、背面カバーの間に配置されるプレートをさらに含むことができる。
【0417】
本明細書のいくつかの実施例によれば、プレートは、アルミニウム、無含浸紙、および含浸紙のうちの少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0418】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は圧電素子を含み、圧電素子は、圧電特性を有する振動部と、振動部の第1面に配置された第1電極部と、第1面と反対側の第2面に配置された第2電極部とを含むことができる。
【0419】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部は、圧電物質を含むことができる。
【0420】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部は、圧電特性を有する複数の無機物質部と、および複数の無機物質部の間にある有機物質部とを含むことができる。
【0421】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は、振動部の背面に配置されたプレートをさらに含むことができる。
【0422】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は圧電素子を含み、圧電素子は、第1グループ~第2グループを含み、第1グループおよび第2グループのそれぞれは、圧電特性を有する少なくとも1層を含む振動部と、振動部の第1面に配置された第1電極部と、および第1面と反対側の第2面に配置された第2電極部とを含むことができる。
【0423】
本明細書のいくつかの実施例によれば、圧電素子は、第3グループをさらに含み、第3グループは、圧電特性を有する少なくとも1層を含む振動部を含み、第3グループは、第1グループおよび第2グループの間に配置され得る。
【0424】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は、2つ以上の振動発生器を含み、2つ以上の振動発生器は、互いに同じ方向に振動し得る。
【0425】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材は画像を表示する表示部材を含み、表示部材は、画像を表示する表示パネル(ディスプレイパネル)と、表示パネルの背面の縁部分を支持し、背面カバーに支持されたガイド部材と、背面カバーに支持され、表示パネルの背面に配置されたバックライト部とを含むことができる。
【0426】
本明細書のいくつかの実施例によれば、バックライト部は、背面カバーにある反射シートと、反射シート上に配置された導光板と、導光板上に配置された光学シート部とを含むことができる。
【0427】
本明細書のいくつかの実施例によれば、背面カバーは、第1背面領域にある第1ホール、および第2背面領域にある第2ホールを含み、反射シートは、第1ホールおよび第2ホールを覆う、または直接的に覆うように構成することができる。
【0428】
本明細書の他の実施例による装置は、振動部材と、振動部材の背面に配置された背面カバーと、背面カバーの第1背面領域に配置され、背面カバーの水平領域および中間領域と重畳する第1振動装置と、および背面カバーの第2背面領域に配置され、背面カバーの縁部分領域または中間領域と重畳する第2振動装置を含むことができる。
【0429】
本明細書の他の実施例による装置は、振動部材と、振動部材の背面に配置された背面カバーと、背面カバーは、第1方向に沿って背面カバーのセンターにあるセンター領域、背面カバーの周辺にある周辺領域、およびセンター領域と周辺領域との間の中間領域に分割され、第1方向に垂直な第2方向に沿って背面カバーの外面に近い2つのコーナー領域と、2つのコーナー領域の間の水平領域に分割され、中間領域および周辺領域で第1背面領域にあり、水平領域および中間領域のうちの少なくとも1つと重畳される第1振動素子と、中間領域および周辺領域で第1背面領域とは異なる第2背面領域にあり、周辺領域または中間領域と重畳される第2振動素子とを含むことができる。
【0430】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1振動装置および第2振動装置は、水平方向または斜線方向に隣接して配置され得る。
【0431】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材は画像を表示する表示部材を含み、背面カバーは表示部材の背面に配置される背面カバー部を含むことができる。
【0432】
本明細書のいくつかの実施例によれば、背面カバー部は、第1振動装置および第2振動装置を支持するように構成することができる。
【0433】
本明細書のいくつかの実施例によれば、背面カバー部は、第1振動装置と重畳する第1ホールを含むことができる。
【0434】
本明細書のいくつかの実施例によれば、背面カバー部は、第2振動装置と重畳する第2ホールをさらに含むことができる。
【0435】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は、背面カバーの背面にあるプレートをさらに含むことができる。
【0436】
本明細書のいくつかの実施例によれば、プレートは、アルミニウム、無含浸紙、および含浸紙のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0437】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は圧電素子を含み、圧電素子は、振動部と、振動部の第1面にある第1電極部と、第1面と反対側の第2面にある第2電極部とを含むことができる。
【0438】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部は、圧電特性を有することができる。
【0439】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部は、複数の無機材質部と、複数の無機材質部の間にある有機材質部とを含むことができる。
【0440】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は、圧電素子、および圧電素子の背面に配置されたプレートをさらに含むことができる。
【0441】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は圧電素子を含み、圧電素子は、第1グループおよび第2グループを含み、第1グループおよび第2グループはそれぞれ、圧電特性を有する少なくとも1層を含む振動部と、振動部の第1面にある第1電極部と、振動部の第1面と反対側の第2面にある第2電極部とを含むことができる。
【0442】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第3グループは圧電特性を有する少なくとも1層を含む振動部を含み、第3グループは、第1グループおよび第2グループの間にある。
【0443】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は、2つ以上の振動発生器を含み、2つ以上の振動発生器は、同じ方向に振動することができる。
【0444】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材は画像を表示する表示部材を含み、表示部材は、画像を表示する表示パネル(ディスプレイパネル)と、表示パネルの背面の縁部分を支持し、背面カバーに支持されたガイド部材と、背面カバーに支持され、表示パネルの背面に配置されたバックライト部とをさらに含むことができる。
【0445】
本明細書のいくつかの実施例によれば、バックライト部は、背面カバーに配置される反射シートと、反射シート上にある導光板と、導光板上にある光学シート部とを含むことができる。
【0446】
本明細書のいくつかの実施例によれば、背面カバーは、第1背面領域にある第1ホール、および第2背面領域にある第2ホールを含み、反射シートは、第1ホールと第2ホールを覆う、または直接的に覆うように構成され得る。
【0447】
本明細書のいくつかの実施例によれば、背面カバーは、第1~第16領域を含むことができる。
【0448】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材と、振動部材の背面に配置された背面カバーとを含み、背面カバーは、左側領域と右側領域を含み、左側領域は、左側の最上端から右側の最下端までマトリックスシーケンスに分割された第1領域~第16領域を含み、右側領域は、右側の最上段から左側の最下段までマトリックスシーケンスに分割された第1領域~第16領域を含み、装置は、第1領域~第16領域のうちの背面カバーのセンターに隣接する1つ以上の領域に配置された第1振動発生装置、および第1領域~第16領域のうちの背面カバーの外側に隣接する1つ以上の領域に配置された第2振動発生装置を含むことができる。
【0449】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1振動装置は、第6領域~第8領域、および第10~第12領域のうちの少なくとも1つにあり得る。
【0450】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1振動装置は、第6領域、第7領域、第10領域、および第11領域のうちの少なくとも1つにあり得る。
【0451】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は、第1領域、第2領域、第5領域、第6領域、第9領域、第10領域、第13領域、および第14領域のうちの少なくとも1つにあり得る。
【0452】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2振動装置は、第1領域、第5領域、第9領域、および第13領域のうちの少なくとも1つにあることができる。
【0453】
本明細書のいくつかの実施例によれば、背面カバーの背面は、第1~第16領域を含む左側領域と右側領域を含み、第1背面領域は、左側領域および右側領域それぞれにおいて、第1~第16領域のうちの1つ以上を含み、第2背面領域は、左側領域および右側領域それぞれにおいて、第1~第16領域のうちの1つ以上を含むことができる。
【0454】
本明細書のいくつかの実施例によれば、左側領域は、左側の最上段から右側の最下段まで、行列の順に第1~第16領域に区分され、右側領域は、右側の最上段から左側の最下段まで、行列の順に第1~第16領域に区分され得る。
【0455】
本明細書の実施例に係る振動装置は、装置に配置される振動装置に適用され得る。本明細書の実施例に係る装置は、モバイルデバイス、映像電話器、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、ウェアラブル機器(wearable apparatus)、フォルダブル機器(foldable apparatus)、ローラブル機器(rollable apparatus)、ベンダブル機器(bendable apparatus)、フレキシブルデバイス(flexible apparatus)、カーブ・ド・機器(curved apparatus)、スライディング機器(sliding apparatus)、可変機器(variable apparatus)、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション、(workstation)、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用表示装置、車両用装置、劇場用装置、劇場用表示装置、テレビ、ウオールペーパー(wallpaper)機器、サイネージ(signage)機器、ゲーム機器、ノートパソコン、モニター、カメラ、ビデオカメラ、および家電機器などに適用され得る。また、本明細書のいくつかの実施例に係る振動装置は、有機発光照明装置または無機発光照明装置に適用され得る。振動装置が照明装置に適用される場合、振動装置は、照明およびスピーカの役割をすることができる。また、本明細書のいくつかの実施例に係る振動装置がモバイルデバイスなどに適用される場合、振動装置は、スピーカ、レシーバー、およびハプティックのうちの1つ以上であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0456】
本明細書の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各実施例は互いに独立して実施可能であり、関連して一緒に実施することもできる。
【符号の説明】
【0457】
100:振動部材
200:ガイド部材
300:背面カバー
400:第1振動装置
500:第2振動装置