(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173157
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】潮流情報表示装置
(51)【国際特許分類】
G08G 3/00 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
G08G3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076786
(22)【出願日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】21172787.0
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥田 将斗
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA25
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF33
5H181MB02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】船舶の航行を支援する為の表示画面に潮流情報を表示するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】移動体に搭載される潮流情報表示装置は、移動体の位置を検出する測位部と、検出位置に基づいて表示画面に表示すべき地理的情報を決定する地理的情報選択部と、検出位置に基づいて潮流情報を受信・記憶する潮流情報受信部と、表示画面に表示された地理的情報上の所定位置に対応する潮流情報を表示する第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成する潮流情報表示部と、移動体が所定位置に到達するまでの推定時間を算出する航行時間算出部とを備える。第1GUIは、推定時間又は現在から推定時間後の推定時刻と、推定時刻における潮流の方向及び速度の少なくとも一方を表示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される潮流情報表示装置であって、
移動体の位置を検出する測位部と、
表示画面に表示する地理的情報を決定する地理的情報選択部と、
検出位置に基づいて潮流情報を受信・記憶する潮流情報受信部と、
表示画面に表示された地理的情報上の所定位置に対応する潮流情報を表示する為の第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示画面に表示する為の表示データを生成する潮流情報表示部と、
前記移動体が前記所定位置に到達するまでの推定時間を算出する航行時間算出部と、を備え、
前記第1GUIは、前記推定時間又は前記推定時間後の推定時刻と、前記推定時刻における潮流の方向及び速度のうちの少なくとも一つを含むこと、を特徴とする、潮流情報表示装置
【請求項2】
請求項1に記載の潮流情報表示装置において、
前記第1GUIは、
前記所定位置に到達するまでの推定時間又は前記推定時間後の推定時刻と、前記推定時刻における潮流の方向及び速度とを含む第1ゲージと、
推定時刻における移動体の推定機首方位を示す船舶形状記号と、
第1ゲージの周囲を移動可能で、推定された進行方向に対する潮流の方向を示す第1三角形状指示器とのうちの少なくとも一つを含むこと、を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の潮流情報表示装置において、
前記第1GUIはポップアップバルーンであり、
前記潮流情報表示部は、条件が満たされる場合に、前記第1GUIを前記表示画面に自動的に表示する為の表示データを生成し、
前記条件は、
操作者がクリック操作を行った場合、前記所定位置が前記移動体の検出位置から所定の範囲内にある場合、及び前記表示画面上のGUIの数が所定の最小閾値を下回った場合の少なくとも一つを含むこと、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の潮流情報表示装置において、
前記潮流情報表示部は、前記移動体の検出位置に対応する第2GUIを前記表示画面に表示する為の表示データを生成し、
前記第2GUIは、
前記移動体の検出位置における潮流の速度及び方向を含む第2ゲージと、
前記移動体の実際の進行方向を示す船舶状の記号と、
前記第2ゲージの周囲を移動可能で、前記移動体の実進行方向に対する潮流の方向を示す第1三角形状指示器と、
第2ゲージの周囲に固定された第2三角形状の指標であって、その満了時に潮流の方向が変化する推定時刻を示すこと、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の潮流情報表示装置において、
前記第2GUIはポップアップバルーンであり、
前記潮流情報表示部は、条件が満たされる場合に、前記第2GUIを前記表示画面に自動的に表示する為の表示データを生成し、
前記条件は、
操作者がクリック操作を行った場合、前記表示画面上のGUIの数が所定の最小閾値を下回った場合との少なくとも一方を含むこと、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の潮流情報表示装置において、
前記潮流情報表示部は、前記所定位置に対応する第3GUIを表示する為の表示データを生成し、
前記第3GUIは、前記推定時刻における潮流の方向を示す第2三角形状指示器を表示すること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載の潮流情報表示装置において、
前記所定位置は、
港の位置、予め設定された位置、操作者が設定したウェイポイント、予測位置のうちの少なくとも一つであること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の潮流情報表示装置において、
前記潮流情報受信部は、前記移動体に搭載される外部通信機器及び一つ以上のセンサのいずれかから前記潮流情報を受信すること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項9】
請求項1に記載の潮流情報表示装置において、
前記地理的情報は、
地理的地図と、前記移動体に搭載されるイメージセンサにより撮像される画像とのいずれかであること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項10】
請求項9に記載の潮流情報表示装置において、
前記潮流情報表示部は、さらに、
1番目、2番目、及び3番目のGUIをイメージに重畳し、
重畳画像を表示画面に表示する為の表示データを生成すること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の潮流情報表示装置において、
前記潮流情報表示部は、条件が満たされる場合に、前記第1GUI、前記第2GUI、及び前記第3GUIのうちの少なくとも一つを最大化又は最小化し、
前記条件は、
操作者がクリック操作を行った場合、前記所定位置が前記移動体の検出位置から所定の範囲を超えた場合、及び前記画像上のGUIの数が所定の最小閾値を超えた場合のうちの少なくとも一つを含むこと、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項12】
拡張現実(AR)を用いる航法装置であって、
移動体に搭載され、撮像して画像データを出力するイメージセンサと、
移動体の位置を検出する測位部と、
検出位置に基づいて潮流情報を受信・記憶する潮流情報受信部と、
表示画面に表示された画像上において、移動体が潮流の所定位置に到達するまでの推定時間を算出する航行時間算出部と、から構成され、
潮流情報表示部は、
潮流の所定位置に対応する潮流情報を表示画面に表示する為の第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成し、
移動体の検出位置が潮流の所定位置と一致する場合に、移動体の検出位置に潮流情報を表示する為の表示画面に第2GUIを表示する為の表示データを生成し、
1番目と2番目のGUIを画像に重畳し、
重畳画像を表示画面に表示する為の表示データを生成すること、
を特徴とする、航法装置。
【請求項13】
請求項12に記載の航法装置において、
前記第1GUIがポップアップバルーンであり、
前記所定位置に到達するまでの推定時間又は推定時間後の推定時刻と、前記推定時刻における潮流の方向及び速度と、前記推定時刻における前記移動体の前記推定進行方向を示す船印とを含む第1ゲージと、
推定された進行方向に対する潮流の方向を示す第1ゲージ202aの周囲202dを移動可能な第1三角形状指示器202cとを備えること、
を特徴とする、航法装置。
【請求項14】
請求項12に記載の航法装置において、
前記第2GUIはポップアップバルーンであり、
前記移動体の検出位置における潮流の速度及び方向を含む第2ゲージと、前記移動体の実際の進行方向を示す船舶状の記号と、
前記第2ゲージの周囲に移動可能であって、前記移動体の実進行方向に対する潮流の方向を示す第1三角形状指示器と、
第2ゲージの周囲に固定された第2三角形状の指標であって、その満了時に潮流の方向が変化する推定時刻を示すこと、
を特徴とする、航法装置。
【請求項15】
表示画面に表示された画像上に移動体の潮流情報を表示する方法であって、
移動体に搭載されるイメージセンサで撮像し、
移動体の位置検出し、
検出位置に基づく潮流情報の受信・保存し、
移動体が所定位置に到達するまでの推定時間を算出し、
表示画面に表示された画像上の所定位置に対応する潮流情報を表示する為の第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成し、
移動体の検出位置が潮流の所定位置と一致する場合に、移動体の検出位置に潮流情報を表示する為の第2グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成し、
1番目と2番目のGUIを画像に重畳し、
重畳画像を表示画面に表示する為の表示データを生成すること、
を特徴とする潮流情報表示方法。
【請求項16】
コンピュータによって実行されると、
移動体に搭載されるイメージセンサで撮像し、
移動体の位置検出し、
検出位置に基づく潮流情報の受信・保存し、
移動体が所定位置に到達するまでの推定時間を算出し、
表示画面に表示された画像上の所定位置に対応する潮流情報を表示する為の第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成し、
移動体の検出位置が潮流の所定位置と一致する場合に、移動体の検出位置に潮流情報を表示する為の第2グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成し、
1番目と2番目のGUIを画像に重畳し、
重畳画像を表示画面に表示する為の表示データを生成する、
コンピュータが実行可能な命令を記憶した、不揮発性コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
請求項2に記載の潮流情報表示装置において、
前記所定位置は、
港の位置、予め設定された位置、操作者が設定したウェイポイント、予測位置のうちの少なくとも一つであること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項18】
請求項2に記載の潮流情報表示装置において、
前記潮流情報受信部は、前記移動体に搭載される外部通信機器及び一つ以上のセンサのいずれかから前記潮流情報を受信すること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項19】
請求項3に記載の潮流情報表示装置において、
前記所定位置は、
港の位置、予め設定された位置、操作者が設定したウェイポイント、予測位置のうちの少なくとも一つであること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項20】
請求項3に記載の潮流情報表示装置において、
前記潮流情報受信部は、前記移動体に搭載される外部通信機器及び一つ以上のセンサのいずれかから前記潮流情報を受信すること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項21】
請求項4に記載の潮流情報表示装置において、
前記所定位置は、
港の位置、予め設定された位置、操作者が設定したウェイポイント、予測位置のうちの少なくとも一つであること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【請求項22】
請求項4に記載の潮流情報表示装置において、
前記潮流情報受信部は、前記移動体に搭載される外部通信機器及び一つ以上のセンサのいずれかから前記潮流情報を受信すること、
を特徴とする、潮流情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に潮流情報表示装置に関し、より具体的には、船舶の航法用の画像に潮流情報を拡張現実を用いて重畳することに関する。
【背景技術】
【0002】
潮流が海上の船舶の進路に影響を与えることが知られている。航海士、例えば船長、乗組員、又は船舶内の他の航海士は、各潮流がいつ、どのようにして船舶の進路に影響を及ぼすかを知らないことがある。例えば、潮流が船舶によって遭遇する可能性がある、又は異なるように述べられる水域では、潮流が発生する可能性のある位置、方向、時間を、航海士が知らない可能性があり、その結果、航海士は、そのような水域で準最適な航行経路を選択することを余儀なくされる可能性がある。長期間に亘り、そういった潮流の威力に晒され、又は単に遭遇するだけで、潮流は、船舶の構造保全、運用上の性能に悪影響を及ぼすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
船舶の航法を支援する為に、過去にも拡張現実(AR)を用いた航法システムが開発されている。慣例的にこれらのシステムは、航海士が船舶を航行させる際、例えば、船舶の現在の位置に関連した所定位置における潮流に関連した条件のように、船舶の周囲に関連した一つ以上の地理的条件を推定する為に有効でない潮流情報を描写してきた。このような地理的条件を推定する場合に、航海士は、適切な方法で船舶の航行を監視することで、航行を容易にする。例えば、このような地理的条件に関する情報を利用して、航海士は、例えば潮流の向きに基づいて船首の向きが変化するように、必要に応じて、効果的かつ適切に、自船の進行方向を調整することにより、自船を操縦することができる。
【0004】
また、船舶が水域の潮流帯を航行しようとする場合には、船舶に搭載されたセンシング装置を用いたり、衛星通信等の通信手段を用いて外部から潮流情報を取得することができる。しかしながら、これら各情報源からの潮流情報を受信しても、各情報源からの各々の情報は、従来の目的で設計された多くの航法システム上では効果的に表示する為に完全には統合されておらず、航海士による直感的な使用の為には最適ではない。
【0005】
従来の拡張現実(AR)を利用した航法システムでは、画像センサ(カメラ)で取得した画像情報や、レーダなどのセンサで取得した情報に基づいて取得した周囲の船舶や土地に関する情報を表示することができるが、潮流情報は自船に搭載されるセンサでは必ずしも得られる訳ではなく、通信装置を介して外部局からも取得されうる為、従来のAR航法システムでは潮流情報を表示することは困難であった。現在の技術水準では、特に自船以外から提供される潮流情報を、船舶を航行する際に使用する為に、航海士が直感的に把握することができる方法で表示することができるARを用いた航行用表示システムは存在しない。
【0006】
以上のような理由から、本願の目的は、船舶の航行を支援する為の表示画面に潮流情報を表示するシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態では、移動体に搭載される潮流情報表示装置は、測位部と、地理的情報選択部と、潮流情報受信部と、潮流情報表示部と、航行時間算出部とを備える。測位部は、移動体の位置を検出する。地理的情報選択部は、表示画面に表示する地理的情報を決定する。潮流情報受信部は、検出位置に基づいて潮流情報を受信・記憶する。潮流情報表示部は、表示画面に表示された地理的情報上の所定位置に対応する潮流情報を表示する為の第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示画面に表示する為の表示データを生成する。航行時間算出部は、移動体が所定位置に到達するまでの推定時間を算出する。第1GUIは、推定時間又は現在から推定時間後の推定時刻と、推定時刻における潮流の方向及び速度との少なくとも一方を表示する。
【0008】
また、前記第1GUIは、前記所定位置に到達するまでの推定時間又は現在から前記推定時間後の推定時刻と、推定時刻における前記潮流の方向と速度とを含む第1ゲージと、前記推定時刻における前記移動体の前記進行方向を示す船舶形状記号と、前記推定進行方向に対する前記潮流の方向を示す前記第1ゲージの周囲を移動可能な第1三角形状指示器と、のうちの少なくとも一つを表示するように構成されてもよい。
【0009】
また、第1GUIはポップアップバルーンであり、潮流情報表示部は、条件が満たされる場合に、第1GUIを表示画面上に自動的に表示する為の表示データを生成するように構成されてもよく、その条件は、操作者がクリック操作を行ったとき、所定位置が移動体の検出位置から所定の範囲内にあるとき、及び表示画面上のGUIの数が所定の最小閾値を下回ったときの少なくとも一つを含む。
【0010】
また、潮流情報表示部は、移動体の検出位置に対応する第2GUIを表示画面上に表示する為の表示データを生成するように構成されてもよく、第2GUIは、移動体の検出位置における潮流の速度及び方向を含む第2ゲージ、移動体の実際の進行方向を示す船舶状のシンボル、第2ゲージの周囲に移動可能であり、移動体の実際の進行方向に対する潮流の方向を示す第1三角形状指示器、及び第2ゲージの周囲に固定され、推定時間を示す第2三角形状指示器のうちの少なくとも一つを表示するように構成されてもよく、その時間が経過すると、潮流の方向が変化する。
【0011】
また、第2GUIはポップアップバルーンであり、潮流情報表示部は、条件が満たされる場合に、第2GUIを表示画面上に自動的に表示する為の表示データを生成するように構成されてもよく、その条件は、操作者がクリック操作を実行する場合、及び表示画面上の複数のGUIが所定の最小閾値を下回った場合の少なくとも一つを含む。
【0012】
また、潮流情報表示部は、所定位置に対応する第3GUIを表示する為の表示データを生成するように構成され、第3GUIは、推定時刻における潮流の方向を示す第2三角形状指示器を表示するように構成されてもよい。
【0013】
また、所定位置は、港の位置、予め設定された位置、操作者によって設定されたウェイポイント、及び予測された位置の少なくとも一つであってもよい。
【0014】
また、潮流情報受信部は、外部通信機器及び移動体に搭載される一つ以上のセンサのうちの一つから潮流情報を受信するように構成されてもよい。
【0015】
また、地理的情報は、地理的地図及び移動体に搭載されるイメージセンサによって取り込まれた画像のうちの一つであってもよい。
【0016】
また、潮流情報表示部は、第1、第2、及び第3GUIを画像上に重畳し、重畳した画像を表示画面上に表示する為の表示データを生成するようにさらに構成されてもよい。
【0017】
また、潮流情報表示部は、条件が満たされる場合に、第1GUI、第2GUI、及び第3GUIのうちの少なくとも一つを最大化または最小化するように構成されてもよく、その条件は、操作者がクリック操作を実行したとき、所定位置が移動体の検出位置から所定の範囲を超えたとき、及び画像上のGUIの数が所定の最小閾値を超えたときのうちの少なくとも一つを含む。
【0018】
本開示の別の形態では、イメージセンサと、測位部と、潮流情報受信部と、潮流情報表示部と、航行時間計算部とを含む、拡張現実(AR)を用いた移動体用ナビゲーション装置が提供される。イメージセンサは、移動体に搭載され、画像を撮像して画像データを出力する。測位部は、移動体の位置を検出する。潮流情報受信部は、検出位置に基づいて潮流情報を受信・記憶する。航行時間算出部は、表示画面に表示された画像上の潮流の所定位置に移動体が到達するまでの推定時間を算出する。潮流情報表示部は、潮流の所定位置に対応する潮流情報を表示画面上に表示する為の第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成し、移動体の検出位置が潮流の所定位置と一致する場合に、当該移動体の検出位置に潮流情報を表示する為の第2GUIを表示画面上に表示する為の表示データを生成し、第1及び第2GUIを画像上に重畳して表示し、重畳画像を表示画面上に表示する為の表示データを生成する。
【0019】
また、第1GUIは、ポップアップバルーンであって、所定位置に到達するまでの推定時間又現在から推定時間後の推定時刻と、推定時刻における潮流の方向及び速度と、推定時刻における移動体の推定進行方向を示す船舶形状のシンボルと、推定進行方向に対する潮流の方向を示す第1ゲージの周囲を移動可能な第1三角形状指示器とを表示するように構成されてもよい。
【0020】
また、第2GUIはポップアップバルーンであり、移動体の検出位置における潮流の速度及び方向を含む第2ゲージと、移動体の実際の進行方向を示す船型シンボルと、第2ゲージの周囲に移動可能であり、移動体の実際の進行方向に対する潮流の方向を示す第1三角形状指示器と、第2ゲージの周囲に固定され、推定時間を示す第2三角形状指示器とを表示するように構成されてもよい。
【0021】
本開示のさらに別の形態では、表示画面上に表示される画像上に移動体の潮流情報を表示する方法が提供される。本方法は、移動体に搭載されるイメージセンサによって画像を撮像するステップと、移動体の位置を検出するステップと、検出位置に基づいて潮流情報を受信・記憶するステップと、移動体が所定位置に到達するまでの推定時間を計算するステップと、表示画面に表示された画像上に所定位置に対応する潮流情報を表示する為の第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成するステップと、潮流移動体の検出位置が潮流の所定位置と一致する場合に、移動体の検出位置の情報を表示する為の第2グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成するステップと、画像上に第1及び第2GUIを重畳するステップと、重畳された画像を表示画面に表示する為の表示データを生成するステップと、を含む。
【0022】
本開示のさらに別の形態では、コンピュータによって実行されると、コンピュータに画像を捕捉させ、移動体の位置を検出し、検出位置に基づいて潮流情報を受信・記憶し、移動体が所定位置に到達するまでの推定時間を計算し、表示画面に表示された画像上の所定位置に対応する潮流情報を表示する為の第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成し、移動体の検出位置が潮流の所定位置と一致する場合に、移動体の検出位置に潮流情報を表示する為の表示画面上に第2グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示する為の表示データを生成し、第1及び第2GUIを画像上に重畳し、重畳画像を表示画面上に表示する為の表示データを生成するという、コンピュータが実行可能な命令を記憶した、不揮発性コンピュータ可読媒体が提供される。
【発明の効果】
【0023】
船舶の航海士が直感的に利用できる潮流情報を表示することができないという課題を、船舶の検出位置に対して、海の所定位置の潮流情報を描画する潮流情報表示装置を用いることにより解決される。従って、本開示の潮流情報表示装置は、極めて直感的な手法で利用される為、航海士に潮流情報を効率的かつ有効的に提示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
主題の図示された実施形態を、図面を参照することによって説明する。ここで、同様の構成部分は、全体を通して同様の符号で示される。以下の説明は、例としてのみ意図されており、本明細書で請求される主題と一致する装置、システム、及び方法の実施形態を簡単に示す。
【
図1】本発明の一実施形態に係り、イメージセンサを搭載する移動体に搭載される潮流情報表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】移動体を含む領域の重畳カメラ画像であり、第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、第2GUI、及び第3GUIを示す。
【
図3】
図2の重畳画像の拡大図であり、第1GUI及び第3GUIがそれぞれ潮流情報を提示している。
【
図4】
図2の重畳画像の拡大図であり、第2GUIが潮流情報を提示している。
【
図5】本開示の一実施形態に係り、表示画面に表示される画像に潮流情報を重畳して表示する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施する為の形態】
【0025】
本発明を実施するための形態として、本発明に係る装置の一例をここに記載する。本明細書に提示する主題の主旨または範囲から逸脱することなく、他の例示的な実施形態または特徴をさらに採用したり、一部変更することができる。以下の詳細な説明では、その一部を構成する添付図面を参照する。
【0026】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、限定するものではない。本明細書本文に記載され、図面に示される本開示の形態は、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、及び設計することができ、そのすべてが本明細書で明確に意図されている。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るイメージセンサ10を移動体11に搭載する潮流情報表示装置1の全体構成を示すブロック図である。
図2は、移動体を含む領域の重畳カメラ画像であり、第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、第2GUI、及び第3GUIを示す。
図3は、
図2の重畳画像の拡大図であり、第1GUI及び第3GUIがそれぞれ潮流情報を提示している。
図4は、
図2の重畳画像の拡大図であり、第2GUIが潮流情報を提示している。
【0028】
主に
図1を参照し、イメージセンサ10(以下、カメラ10とも称する)を移動体11(以下、船舶11とも称する)に搭載する。
【0029】
潮流情報表示装置1は、船舶11上に搭載され、後述の目的の為に船舶用の計器としてカメラ10を備えているか、または電気的に接続されている。
【0030】
カメラ10は、例えば、船舶11の周囲の近傍または周囲の少なくとも一部の水面Wを撮像する視野角限定型カメラや広角ビデオカメラ等として構成される。このカメラ10は、撮像結果であるビデオデータ(画像データ)をリアルタイムに生成して表示画面16に出力するライブ出力機能を有している。またカメラ10は、
図1に示すように、船体のほぼ前方の水面Wに撮像方向が向くように船舶11に設置される。
【0031】
カメラ10は、図示しない回転機構を介して船舶11に搭載され、潮流情報表示装置1を介してカメラのパーン/チルト等を指示するコマンドを入力することにより、例えば船舶11の船体に基づいて撮影方向を所定の角度範囲で変更することができる。
【0032】
潮流情報表示装置1は、後述する船舶11の検出位置等に基づいて、拡張現実(AR)を用いて移動体11の周囲の状況を表す画像200を生成し、画像上の潮流の所定位置に対応する第1GUI 202、第2GUI 204、及び第3GUI 206を画像200に重畳する表示画面16を備えたり、外部表示画面に接続可能である。
【0033】
表示画面16は、例えば、船舶11を航行する航海士が参照する航行補助装置の一部を構成する表示画面として構成される。しかしながら、表示画面16は、上記構成に限定されるものではなく、例えば、船舶11から周囲の状況を監視する操船者の助手が携帯するポータブルコンピュータ用の表示画面や、船舶11の客室内で乗客が見張る為の表示画面や、乗客が着用するウエアラブル眼鏡等のヘッドマウントディスプレイ用の表示部であってもよい。本開示の一実施形態では、カメラ10、潮流情報生成部14、及び表示画面16は、潮流情報表示装置1の外部にある。本開示の他の実施形態では、カメラ10、潮流情報生成部14、及び表示画面16は、潮流情報表示装置1の構成要素である。カメラ10、潮流情報生成部14、表示画面16及び潮流情報表示装置1は、自律的に、または少なくとも半自律的に、操作者が船舶11を横断して航行することを容易にする拡張現実(AR)を用いる航法装置を一体的に形成することも可能である。ARを用いる航法装置は、航海士が理解しやすい方法で、船の周囲のライブ画像にライブ潮流情報を重畳することによって、航海士が船舶を航行することを可能にする。
【0034】
潮流情報表示装置1は、本開示の機能に従って種々の機能を実行する為に、航海士(操作者)が操作できるキーボード及びマウスを含むが、これらに限定されない種々の周辺装置に接続することもできる。例えば操作者は、キーボードやマウスを操作することにより、潮流情報表示装置1及びカメラ10に対して画像の生成に関する各種指示を行うことができる。その指示には、カメラ10のパーン/チルト操作、各種情報の表示/非表示の設定、及び画像を取り込む視点の設定等が含まれる。
【0035】
潮流情報表示装置1は、さらに、水面W上の潮の位置を含む潮流情報を生成する潮流情報生成部14に接続されてもよい。潮流情報生成部14は、外部通信機器、例えば、陸上局、全地球航法衛星システム(GNSS)受信機、電子海図情報表示装置(ECDIS)、自動船舶識別装置(AIS)受信機、レーダ装置等を含むことができる。潮流情報は、潮流の位置に加えて、潮流の現在の速度及び方向、または船11が、添付の開示から明らかなように、潮の所定位置に到達すると推定されるすなわち推定された(将来の)到達時間における潮の速度及び方向をさらに含むことができる。加えて、または任意に、潮流情報生成部14は、船舶11に搭載される一つ以上のセンサを含んでもよい。これらのセンサは、GNSS受信機、AISシステム、または潮流を検出し、それらの関連潮流情報を測定する為の船上船舶装置の一部を形成する他の周辺装置を含むことができる。潮流情報生成部14は、地
図200の基準軸(例えば、210で示される子午線面に関して、
図3の図に示されるように)を基準として潮流情報を生成するように構成されており、潮流情報生成部14は、地域内の潮流の海図/全体座標を記憶することを意味する。
【0036】
さらに
図1に示されるように、潮流情報表示装置1は、本開示と一致する機能を実現する為に、画像データ及びセンサ情報入出力部12及び海図情報部13と接続され、それによって通信することができる。
【0037】
図1の潮流情報表示装置1は、処理回路15を含む。画像データ及びセンサ情報入出力部12は、イメージセンサ10によって取り込まれた画像を受け取り、その画像データを表示画面16に出力するように構成されてもよい。さらに、画像データ及びセンサ情報入出力部12は、全体的な地理的地図の基準軸に対するイメージセンサ10の位置及び方位を含むイメージセンサ情報を受信して格納するように構成されてもよい。イメージセンサ10は、船舶11に搭載されている。画像を取り組む際に、イメージセンサ10の位置は、例えば、地図上の船11の位置から、イメージセンサ10の方位は、例えば、子午線面(
図3において210)に対する船11の船首方向から、それぞれ推定されるものとすることができる。
【0038】
潮流情報表示装置1の処理回路15は、船11の位置を検出する測位部151を含む。その為に、測位部151は、海図情報部13から船舶11の位置情報を受信してもよい。海図情報部13は、電子海図情報に基づいて、その地域の全地球地図または他の特定の地理地図を受信・記憶するように構成されてもよい。
【0039】
測位部151は、船舶11の位置を、例えば、地上局又は、GNSS受信機、電子海図情報表示装置(ECDIS)、自動識別システム(AIS)受信機、レーダ装置、ソナー等の船上センシングシステムである外部装置を介して検出する。
【0040】
地理的情報選択部152は、測位部151により検出された船舶11の位置に基づいて、表示画面16に表示する地理的情報を決定する。一実施形態では、地理的情報は、船舶11を含む地域の地理的地図、またはイメージセンサ10の視野に対応する地域の地理的地図を含むように構成される。他の実施形態では、地理的情報は、船11に搭載されるイメージセンサ10によって取り込んだ画像を含むことができる。
【0041】
潮流情報受信部153は、船舶11の検出位置に基づく潮流情報を受信・記憶する。潮流情報受信部153は、潮流情報生成部14と通信可能であり、測位部151によって検出された船舶11の位置に基づく関連潮流情報を受信することができる。
【0042】
図1~
図3を参照すると、潮流情報表示部154は、表示画面16に表示する地理的情報上の所定位置、例えば潮流の所定位置に対応する潮流情報を表示する為の第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)202を表示画面16に表示する為の表示データを生成する。また、潮流情報表示装置1の処理回路15は、移動体11が所定位置に到達するまでの推定時間を算出する航行時間算出部155を備えている。第1GUI 202は、推定時間202a又は現在から推定時間後の推定時刻202aと、推定時刻における潮流の方向及び速度との少なくとも一方を表示する。
【0043】
図2及び
図3に示されるように、本実施形態では、第1GUI 202は、ポップアップバルーンである。本実施形態では、潮流情報表示部154は、条件が満たされる場合に、ポップアップバルーンを表示画面16に表示する為の表示データを生成する。他の実施形態では、操作者がクリック操作を行ったときに条件が満たされる。本明細書に開示されている「クリック操作」という操作は、潮流情報表示装置1の表示画面16上のタッチ操作インタフェースを使用して、または代替手段として、他の周辺装置、例えば、潮流情報表示装置1に接続可能なキーボードまたはマウスなどの入力装置(図示せず)を使用して、操作者が実行できる構成であってもよい。操作者は、イメージセンサ10から得られた画像200上で、潮流に対応する所定位置にGUI 202を表示するように潮流情報表示装置1を操作することができる。
【0044】
他の実施形態では、第1GUI 202は、潮流の所定位置が船舶11の検出位置から所定範囲、例えば5海里未満にあるときに、画像200上で、潮流の所定位置に対応する位置に現れるように構成されてもよい。
【0045】
さらに他の実施形態では、第1GUI 202は、画像上の複数のGUIが所定の最小閾値、例えば、領域内に3つの潮流が存在する場合に対応する3つ未満のGUIを下回る場合に表示され、画像センサ10によって取り込まれた画像200は、対応する3つの潮流情報を示すが、この場合、潮流情報の一部が欠落していることを許容して表示する。
【0046】
本明細書の実施形態において主に
図2を参照すると、
図3に示されるように、第1GUI 202は、例えば潮流の所定位置に到達するまでの推定時間又は現在からその推定時間後の推定時刻と、推定時刻における潮流の方向及び速度とを含む第1ゲージ202aを示す。また、第1GUI 202は、第1ゲージ202aの周囲202d上に、推定時刻における移動体11の推定方位を示す船舶マーク202bを表示するように構成してもよい。また、第1GUI 202は、第1ゲージ202aの周囲202dを移動可能で、潮流の方向、例えば、船11の予想船首方位に対する接近潮流を示す第1三角表示器202cを備えてもよい。
【0047】
図1~
図2を参照すると、潮流情報表示部154は、
図4の画像200の拡大図に示されるように、移動体11の検出位置に対応する第2GUI 204を表示画面16に表示する為の表示データを生成する。移動体11の検出位置が潮流の所定位置と一致すれば(例えば、移動体11の真下)、潮流情報表示部154は、移動体11の検出位置の潮流情報を自船上に表示(
図2の206)するように第2GUI 202を自動的に生成してもよく、例えば、
図2の表示画面16上の画像200(それぞれ
図2の206及び
図4の204)から、潮流の所定位置に移動体11の位置が一致していることが分かり、現在、潮流が移動体11の真下に位置していることが示されるように表示してもよい。
【0048】
他の実施形態では、
図2及び
図3に例示されるように、第2GUI 204は、ポップアップバルーンである。本実施形態では、潮流情報表示部154は、条件が満たされる場合に、ポップアップバルーンを表示画面16に表示する為の表示データを生成する。実施形態では、操作者がクリック操作を行ったときに、第2GUI 204を表示する為の条件が満たされてもよい。第1GUI 204に関連して本明細書で先に開示したように、本明細書に開示されている「クリック操作」という操作は、潮流情報表示装置1の表示画面16上のタッチ操作インタフェースを使用して、または代替的に、他の周辺装置、例えば、潮流情報表示装置1に接続可能なキーボードまたはマウスなどの入力装置(図示せず)を使用して、操作者によって実行されてもよい。
【0049】
他の実施形態では、第2GUI 204は、第1GUI 202に加えて、画像上の複数のGUIが所定の最小閾値、例えば、領域内に3つの潮流が存在する場合に対応する3つ未満のGUIを下回った場合に表示され、画像センサ10によって取り込まれた画像200は、対応して3つの潮流を示すが、そこから欠落している3つの潮流のうちの一つ以上に関する潮流情報を有する。
【0050】
他の実施形態では、
図2を参照すると、
図4の図に示されているように、第2GUI 204は、移動体11が潮流の真上にあるとき、別の言い方をすると、潮流が移動体11の真下にあるときに、移動体の検出位置における潮流の速度及び方向204aを含む第2ゲージ204を表示するように構成されており、船舶11の周囲の状態は、船舶11の検出位置が潮流の位置と一致しているか、または重畳されることによって、表示画面16に表示される画像200によって表される。
【0051】
また、第2GUI 204には、移動体11の実際の進行方向を示す船舶マーク204bを表示してもよい。ここで、実際の船首方位とは、船11の現在の船首方位をいう。
【0052】
また、第2GUI 204は、第2ゲージ204の周辺204dを動的に移動可能な第1三角表示器204cを備え、移動体11の実際の進行方向に対する潮流の方向を示してもよい。
【0053】
また、第2GUI 204は、第2ゲージ204の周囲204dに固定された第2三角表示器204eを表示して、その時刻になると潮流の向きが変化するという予測時間を表示するように構成してもよい。
図4の例では、第2三角形状の指標204eには、潮流の方向、すなわち潮流が第1三角形状の指標204cで示された方向から第2三角形状の指標204eで示された方向に変化し、このような潮流の方向の変化が現在から30分後に起こることを示す数字 「30」 が表示されている。なお、 「30」 は、デフォルトでは所定の間隔で1ずつ減っていてもよいし、操作者が設定してもよい。所定の間隔は、30秒、1分、10分、またはこれらの組み合わせであってもよい。一例では、30→20→10→9→ … →1のように、数字 「30」 は、最初の20分間は10分ごとに10ずつ減り、次の10分間は1分ごとに1ずつ減るように構成されてもよい。
【0054】
本明細書では、第2三角形状指示器204eを用いて、潮流の方向の変化、及びそのような潮流方向の変化が起こりやすい時間を示すことが開示されているが、これらは説明用の一例あり、本開示に限定されるものではない。他の実施形態では、第2三角形の表示器204eを利用して、第1三角形の表示器204cによって示されるように、現在船舶11が直面している潮流の位置で、続いて起こるであろう潮流を示すことができる。したがって、本明細書における各記号の具体的な意味について、例えば、第2三角形状指示器204eは、本明細書に開示されたものの代わりに、本開示の精神から逸脱することなく、別の解釈が可能であることが当業者には自明である。
【0055】
図1~
図3に戻って別の実施形態では、潮流情報表示部154は、表示画面16に表示された画像200上のさらに別の潮流等の所定位置に対応する第3GUI 206を表示する為の表示データを生成するように構成されてもよい。この実施形態では、第3GUI 206は、完全なGUI(例えば、第1GUI 202または第2GUI 204のうちの一つ)の最小化されたバージョンによって実現することができる。潮流情報表示部154は、潮の方向を示す為に、この最小化されたバージョンのGUI、すなわち第3GUI 206を画像200上に重畳することができる。
【0056】
本明細書の実施形態では主に
図1を参照し、また
図2~
図4にも示される図も併せて参照し、潮流情報表示部154は、一般に、第1GUI 202、第2GUI 204及び第三GUI 206のそれぞれを画像200に重畳して表示し、重畳画像200を表示画面16に表示する。潮流情報表示部154は、条件が満たされる場合に、第1GUI 202、第2GUI 204、第3GUI 206の少なくとも一つを最大化または最小化するように構成されており、その条件は、操作者がクリック操作を行った場合、所定位置が移動体11の検出位置から所定の範囲を超えた場合、及び画像上のGUIの数が所定の最小閾値を超えた場合の少なくとも一つを含む。
【0057】
一実施形態では、本明細書で開示している「所定位置」は、港の位置であってもよい。他の実施形態では、所定位置は、予め設定された位置、例えば、灯台等、海上における地理的位置を含むことができる。さらに他の実施形態では、所定位置は、操作者によって設定された一つ以上のウェイポイントを含むことができる。例えばウェイポイントのグループまたはセットは、船11が移動することが予定されているコース上に配置することができる。この場合、
図2及び
図3の202において、移動体11の推定方位を示す船舶マーク202bは、上記コースから推定される。さらに他の実施形態では、予め決定された位置は、例えば、表示画面16の操作者によって指定された位置からの指定ベクトルから計算される位置を含むことができる。予測位置は、船11の速度及び方向に基づいて、船11の現在の速度を考慮して、公知の従来技術を用いて算出することができる。
【0058】
本明細書の実施形態では、潮流情報表示部154は、第1GUI 202、第2GUI 204、及び第3GUI 206を表示画面16に出力し、これらのGUI 202、GUI 204、及びGUI 206をイメージセンサ10によって取り込まれた画像200に重畳し、重畳した画像を潮流情報表示装置1の表示画面16に表示する。このようにして、本開示の潮流情報表示装置1は、船舶11が所定位置に到達するときの推定時刻における潮流のそれぞれの位置に関する情報と関連する潮流情報を、利用者が視覚的に理解するのが容易な方法で船舶11の実際の又は推定された進行方向に基づいて有益に提供することができる。
【0059】
本開示に関連して、処理回路15は、プロセッサ、コンピュータ、マイクロコントローラ、または操作パネル及びメモリなどの様々な構成要素の動作を制御する他の回路を含む処理回路15は、ソフトウェア、ファームウェア、さらに揮発性または不揮発性メモリに格納されたり、または処理回路15に直接提供される他の命令群を実行することができる。
【0060】
第1GUI 202、第2GUI 204、及び第3GUI 206は、画像200上の3つの潮流のそれぞれに対応するように示されているが、地理的情報選択部152における地理的情報及び潮流情報受信部153における潮流情報に基づいて、潮流情報表示部154は、3つより少ない又は多い潮流を選択し、
図2の図に適当かつ例示的に示されているのとは対照的に、選択された潮流を対応する数のGUIと重畳することができることは、当業者には自明である。
【0061】
潮流情報表示装置1に接続された搭載船舶機器(測位部151、地理的情報選択部152の為の情報源)の範囲は、本明細書に開示された構成のいずれにも限定されず、本開示の範囲を制限することなく、他のタイプの機器を搭載船舶機器の一部を形成する為に含めてもよい。
【0062】
また、本発明は、海上を航行する船舶だけでなく、例えば湖上や河川上を航行することができる任意の水面移動体や、水中を航行する潜水艦にも適用することができる。
【0063】
図5は、表示画面に表示された画像上に移動体の潮流情報を表示する方法500を示すフローチャートである。
【0064】
ステップ502において、イメージセンサ10は、画像を取り込み、画像データを出力する。
【0065】
ステップ504において、測位部151は、移動体の位置を検出する。
【0066】
ステップ506において、潮流情報受信部153は、検出位置に基づいて潮流情報を受信・記憶する。
【0067】
ステップ508において、航行時間算出部155は、移動体が所定位置に到達するまでの推定時間を算出する。
【0068】
ステップ510において、潮流情報表示部154は、表示画面16に表示された画像上の所定位置に対応する潮流情報を表示する為の第1グラフィカルユーザインタフェース(GUI)202を表示する為の表示データを生成する。
【0069】
ステップ512において、潮流情報表示部154は、移動体の検出位置が潮流の所定位置と一致する場合に、表示画面16に第2GUI 204を表示する為の表示データを生成し、検出位置に対応する潮流情報を表示する。
【0070】
ステップ514において、潮流情報表示部154は、GUIを所定位置の画像に重畳する。
【0071】
ステップ516において、潮流情報表示部154は、重畳画像を表示画面16に表示する為の表示データを生成する。
【0072】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。