(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173158
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】商標支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20221110BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221110BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081048
(22)【出願日】2022-05-17
(62)【分割の表示】P 2021078820の分割
【原出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】513004065
【氏名又は名称】株式会社将星
(74)【代理人】
【識別番号】100155158
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 仁
(72)【発明者】
【氏名】渡部 仁
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC16
(57)【要約】
【課題】 商標登録を維持するかどうかを検討するのに好適な商標支援システムを提供する。
【解決手段】 商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、それら商標登録を維持する場合の維持費用と、それら商標登録の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用とを算出し、算出した維持費用及び統合費用に基づいて、複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。これにより、商標登録の維持又は統合を検討することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商標登録出願又は商標登録を含む複数の商標登録案件において指定された商品若しくは役務又はこれが属するグループに関する商品情報を取得する商品情報取得手段と、
前記商品情報取得手段で取得した商品情報に基づいて、前記複数の商標登録案件を維持する場合の維持費用を算出する維持費用算出手段と、
前記商品情報取得手段で取得した商品情報に基づいて、前記複数の商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する統合費用算出手段と、
前記維持費用算出手段で算出した維持費用及び前記統合費用算出手段で算出した統合費用に基づいて、前記複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成する評価情報生成手段とを備えることを特徴とする商標支援システム。
【請求項2】
商標登録出願又は商標登録を含む1又は複数の商標登録案件において指定された商品若しくは役務又はこれが属するグループに関する商品情報を取得する商品情報取得手段と、
前記商品情報取得手段で取得した商品情報及び追加の商品若しくは役務又はこれが属するグループに関する追加商品情報に基づいて、前記1又は複数の商標登録案件を維持し且つ前記追加の商品又は役務を含む商標登録出願を行う場合の維持費用を算出する維持費用算出手段と、
前記商品情報取得手段で取得した商品情報及び前記追加商品情報に基づいて、前記1又は複数の商標登録案件の内容及び前記追加の商品又は役務を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する統合費用算出手段と、
前記維持費用算出手段で算出した維持費用及び前記統合費用算出手段で算出した統合費用に基づいて、前記1又は複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成する評価情報生成手段とを備えることを特徴とする商標支援システム。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項において、
前記維持費用算出手段及び前記統合費用算出手段は、所定期間で発生する費用の合計を算出することを特徴とする商標支援システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記維持費用算出手段は、費用又は当該費用を算出するための要素を規定した情報であって第1事業者に係る第1要素情報に基づいて前記維持費用を算出し、
前記統合費用算出手段は、費用又は当該費用を算出するための要素を規定した情報であって前記第1事業者とは異なる第2事業者に係る第2要素情報に基づいて前記統合費用を算出することを特徴とする商標支援システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記統合費用算出手段で算出した統合費用が、前記維持費用算出手段で算出した維持費用を下回り又は当該維持費用と同一となる時点、期間又は費用を特定する特定手段を備えることを特徴する商標支援システム。
【請求項6】
商標登録出願若しくは商標登録を含む複数の商標登録案件を維持する場合の維持費用及び当該複数の商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用、又は、1若しくは複数の前記商標登録案件を維持し且つ追加の商品若しくは役務を含む商標登録出願を行う場合の維持費用及び当該1若しくは複数の商標登録案件の内容及び当該追加の商品若しくは役務を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する費用算出手段と、
事業者に関する事業者情報を、当該事業者が出願人又は権利者となる前記商標登録案件と対応づけて記憶する事業者情報記憶手段から、前記費用算出手段で算出した統合費用が、前記費用算出手段で算出した維持費用を下回り又は当該維持費用と同一となる商標登録案件に対応する前記事業者情報を取得する事業者情報取得手段とを備えることを特徴とする商標支援システム。
【請求項7】
商標登録出願若しくは商標登録を含む複数の商標登録案件を維持する場合の維持費用及び当該複数の商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用、又は、1若しくは複数の前記商標登録案件を維持し且つ追加の商品若しくは役務を含む商標登録出願を行う場合の維持費用及び当該1若しくは複数の商標登録案件の内容及び当該追加の商品若しくは役務を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する費用算出手段と、
事業者に関する事業者情報、及び、当該事業者が出願人又は権利者となる前記商標登録案件に関する案件情報を対応づけて記憶する事業者情報記憶手段から、前記費用算出手段で算出した統合費用が、前記費用算出手段で算出した維持費用を下回り又は当該維持費用と同一となる商標登録案件に対応する前記事業者情報及び前記案件情報を取得する事業者情報取得手段とを備えることを特徴とする商標支援システム。
【請求項8】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の評価情報生成手段、又は請求項6及び7のいずれか1項に記載の事業者情報取得手段を備えることを特徴とする商標支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商標に関する支援を行うシステムに係り、特に、商標登録を維持するかどうかを検討するのに好適な商標支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商標登録出願を支援する技術としては、例えば、特許文献1記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1記載の技術は、願書の作成時に検索キーワードを入力すると、入力した検索キーワードに対応する商品及び役務の区分に属するすべての商品又は役務が表示され、ユーザは、表示された商品又は役務のなかから所望のものを選択することができるというものである(同文献〔0033〕〔0042〕〔0044〕〔0046〕)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、商標登録出願を行うにあたっては、商標権が更新により永続的に保持できる権利である一方で、出願時の内容を超えて権利範囲を変更することはできないので、指定商品又は指定役務の内容について十分な検討が必要である。すなわち、現在の事業に係る商品又は役務だけを検討するのでは、将来の事業拡大等に伴い派生する新たな事業に十分に対応することができない権利を取得することとなる。この場合、後日、新たな事業に係る商品又は役務について商標登録を取得しなければならないが、保有する商標登録の件数が増えると維持費用の増加につながってしまう。このため、例えば更新時に、事業の内容及び維持費用の面から商標登録を維持するかどうかを検討することが必要となる。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、商標登録を維持するかどうかを検討するのに好適な商標支援システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔発明1〕 事業者が複数の商標登録(例えば、指定商品又は指定役務が異なる複数の商標登録)を有する場合、(1)複数の商標登録を維持する場合と、(2)複数の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品又は指定役務を統合した新たな商標登録出願を行う場合とでは、後者(2)の方が費用を抑えることができる場合がある。そこで、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、次の発明に想到した。
【0008】
上記目的を達成するために、発明1の商標支援システムは、商標登録出願又は商標登録を含む複数の商標登録案件において指定された商品若しくは役務又はこれが属するグループに関する商品情報を取得する商品情報取得手段と、前記商品情報取得手段で取得した商品情報に基づいて、前記複数の商標登録案件を維持する場合の維持費用を算出する維持費用算出手段と、前記商品情報取得手段で取得した商品情報に基づいて、前記複数の商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する統合費用算出手段と、前記維持費用算出手段で算出した維持費用及び前記統合費用算出手段で算出した統合費用に基づいて、前記複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成する評価情報生成手段とを備えることを特徴とする商標支援システムである。
【0009】
このような構成であれば、商品情報取得手段により商品情報が取得され、維持費用算出手段により、取得された商品情報に基づいて維持費用が算出され、統合費用算出手段により、取得された商品情報に基づいて統合費用が算出される。そして、評価情報生成手段により、算出された維持費用及び統合費用に基づいて評価情報が生成される。
【0010】
ここで、商標登録案件は、商標登録出願又は商標登録をいい、複数の商標登録案件としては、例えば、(1)商標登録出願のみで構成される場合、(2)商標登録のみで構成される場合、(3)商標登録出願及び商標登録で構成される場合が含まれる。以下、発明2、6~11の商標支援システムにおいて同じである。
【0011】
また、商品情報は、例えば、商品若しくは役務又はこれが属するグループを識別するための情報(例えば、名称、番号、ID、コード、URL等のリンク情報)として構成することができる。また、商品情報は、例えば、文字、数字、図形、符合、記号、画像、音声その他の情報として構成することができる。また、商品情報は、商品若しくは役務又はこれが属するグループに関するキーワード(例えば、商品又は役務の名称の一部を示す1又は複数のキーワード)として構成することができる。以下、発明2の商標支援システムにおいて同じである。
【0012】
また、商品情報には、例えば、(1)商標登録案件において指定された商品若しくは役務のうち一の商品若しくは役務(この段落において「一の指定商品等」という。)又はこれが属するグループに関する商品情報、(2)一の指定商品等を包括する上位概念の商品若しくは役務又はこれが属するグループに関する商品情報、(3)一の指定商品等に包括される下位概念の商品若しくは役務又はこれが属するグループに関する商品情報、(4)所定の基準(例えば、現在の審査基準)に適合する商品若しくは役務のうち一の指定商品等に対応するもの又はこれが属するグループに関する商品情報、(5)書換制度等において一の指定商品等を置き換えた商品若しくは役務(書換前若しくは書換後の商品若しくは役務)又はこれが属するグループに関する商品情報が含まれる。以下、発明2の商標支援システムにおいて同じである。
【0013】
また、商品情報取得手段は、例えば、入力装置等から商品情報を入力してもよいし、外部の端末等から商品情報を獲得又は受信してもよいし、記憶装置や記憶媒体等から商品情報を読み出してもよいし、情報処理等により商品情報を生成し又は算出してもよい。したがって、取得には、少なくとも入力、獲得、受信、読出(検索を含む。)、生成及び算出が含まれる。以下、取得の概念については同じである。
【0014】
また、商品情報取得手段として、例えば、商標登録案件において指定された商品若しくは役務又はこれが属するグループに関する商品情報を記憶する商品情報記憶手段から商品情報を取得する構成を採用することができる。以下、発明2の商標支援システムにおいて同じである。ここで、商品情報記憶手段は、商品情報をあらゆる手段で且つあらゆる時期に記憶するものであり、商品情報を予め記憶してあるものであってもよいし、商品情報を予め記憶することなく、本システムの動作時に外部からの入力等によって商品情報を記憶するようになっていてもよい。以下、他の記憶手段についても同じである。
【0015】
また、商品情報取得手段は、例えば、複数の商標登録案件のそれぞれについて商品情報を取得してもよいし、複数の商標登録案件のすべての内容に関する商品情報を取得してもよい。また、例えば、複数の商標登録案件の一部の内容に関する商品情報及び他部の内容に関する商品情報を取得してもよい。すなわち、商標登録案件の単位と商品情報の単位は必ずしも一致させる必要はなく、独立に構成することができる。
【0016】
また、商標登録案件の内容としては、例えば、商標登録案件に係る指定商品若しくは指定役務(この段落において「指定商品等」という。)又はこれに関連する商品若しくは役務(この段落において「関連商品等」という。)が含まれる。この内容には、指定商品等又は関連商品等のうち一部が含まれればよく、必ずしもすべての指定商品等又は関連商品等が含まれなくてもよい。また、関連商品等としては、例えば、(1)指定商品等を包括する上位概念の商品又は役務、(2)指定商品等に包括される下位概念の商品又は役務、(3)所定の基準(例えば、現在の審査基準)に適合する商品又は役務のうち指定商品等に対応するもの、(4)書換制度等において指定商品等を置き換えた商品又は役務(書換前又は書換後の商品又は役務)が含まれる。以下、発明2、6~9の商標支援システムにおいて同じである。
【0017】
また、統合とは、(1)1の商標登録出願に統合すること、(2)複数の商標登録出願に統合することが含まれる。以下、発明2、6~9の商標支援システムにおいて同じである。
【0018】
また、評価情報としては、例えば、(1)「維持がお勧め」「統合がお勧め」など定性的な評価情報、(2)「維持の場合は○○円」「統合の場合は○○円」など定量的な評価情報、(3)維持又は統合の費用に関する評価情報が含まれる。維持又は統合の費用に関する評価情報としては、例えば「維持費用の方が安い」「統合費用の方が安い」「維持費用の方が○○円安い」「統合費用の方が○○円安い」「維持費用は○○円、統合費用は○○円」といった情報が含まれる。以下、発明2の商標支援システムにおいて同じである。
【0019】
また、評価情報生成手段で生成した評価情報を出力する評価情報出力手段を備える構成を採用することができる。以下、発明2の商標支援システムにおいて同じである。ここで、評価情報出力手段は、例えば、表示、印刷、音声出力、記憶装置や記憶媒体等への書き出し、外部の端末等への送信、バイブレーション等の振動、発熱その他の方法により分析結果を出力することができる。したがって、出力には、少なくとも表示、印刷、音声出力、書き出し、送信、振動及び発熱が含まれる。以下、出力の概念については同じである。
【0020】
また、本システムは、単一の装置、端末その他の機器として実現するようにしてもよいし、複数の装置、端末その他の機器を通信可能に接続したネットワークシステムとして実現するようにしてもよい。後者の場合、各構成要素は、それぞれ通信可能に接続されていれば、複数の機器等のうちいずれに属していてもよい。以下、発明2、6~12の商標支援システムにおいて同じである。
【0021】
〔発明2〕 事業者が1又は複数の商標登録を有し、同一の商標について新たな商標登録(新たな事業で取り扱う商品又は役務に係る商標登録)の取得を検討する場合、(1)1又は複数の商標登録を維持し且つ追加の商品又は役務を含む商標登録出願を行う場合と、(2)1又は複数の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品又は指定役務及び追加の商品又は役務を統合した新たな商標登録出願を行う場合とでは、後者(2)の方が費用を抑えることができる場合がある。そこで、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、次の発明に想到した。
【0022】
上記目的を達成するために、発明2の商標支援システムは、商標登録出願又は商標登録を含む1又は複数の商標登録案件において指定された商品若しくは役務又はこれが属するグループに関する商品情報を取得する商品情報取得手段と、前記商品情報取得手段で取得した商品情報及び追加の商品若しくは役務又はこれが属するグループに関する追加商品情報に基づいて、前記1又は複数の商標登録案件を維持し且つ前記追加の商品又は役務を含む商標登録出願を行う場合の維持費用を算出する維持費用算出手段と、前記商品情報取得手段で取得した商品情報及び前記追加商品情報に基づいて、前記1又は複数の商標登録案件の内容及び前記追加の商品又は役務を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する統合費用算出手段と、前記維持費用算出手段で算出した維持費用及び前記統合費用算出手段で算出した統合費用に基づいて、前記1又は複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成する評価情報生成手段とを備えることを特徴とする商標支援システムである。
【0023】
このような構成であれば、商品情報取得手段により商品情報が取得され、維持費用算出手段により、取得された商品情報に基づいて維持費用が算出され、統合費用算出手段により、取得された商品情報に基づいて統合費用が算出される。そして、評価情報生成手段により、算出された維持費用及び統合費用に基づいて評価情報が生成される。
【0024】
ここで、商品情報取得手段は、例えば、1の商標登録案件について又は複数の商標登録案件のそれぞれについて商品情報を取得してもよいし、1又は複数の商標登録案件のすべての内容に関する商品情報を取得してもよい。また、例えば、1又は複数の商標登録案件の一部の内容に関する商品情報及び他部の内容に関する商品情報を取得してもよい。すなわち、商標登録案件の単位と商品情報の単位は必ずしも一致させる必要はなく、独立に構成することができる。
【0025】
〔発明3〕 さらに、発明3の商標支援システムは、発明1~2のいずれか1の商標支援システムにおいて、前記維持費用算出手段及び前記統合費用算出手段は、所定期間で発生する費用の合計を算出することを特徴とする商標支援システムである。
【0026】
このような構成であれば、維持費用算出手段及び統合費用算出手段により、所定期間で発生する費用の合計が算出される。
【0027】
〔発明4〕 さらに、発明4の商標支援システムは、発明1~3のいずれか1の商標支援システムにおいて、前記維持費用算出手段は、費用又は当該費用を算出するための要素を規定した情報であって第1事業者に係る第1要素情報に基づいて前記維持費用を算出し、前記統合費用算出手段は、費用又は当該費用を算出するための要素を規定した情報であって前記第1事業者とは異なる第2事業者に係る第2要素情報に基づいて前記統合費用を算出することを特徴とする商標支援システムである。
【0028】
このような構成であれば、維持費用算出手段により、第1事業者に係る第1要素情報に基づいて維持費用が算出され、統合費用算出手段により、第2事業者に係る第2要素情報に基づいて統合費用が算出される。
【0029】
〔発明5〕 さらに、発明5の商標支援システムは、発明1~4のいずれか1の商標支援システムにおいて、前記統合費用算出手段で算出した統合費用が、前記維持費用算出手段で算出した維持費用を下回り又は当該維持費用と同一となる時点、期間又は費用を特定する特定手段を備えることを特徴する商標支援システムである。
【0030】
このような構成であれば、特定手段により、統合費用が維持費用を下回り又は維持費用と同一となる時点、期間又は費用が特定される。
【0031】
〔発明6〕 また、上記目的を達成するために、発明6の商標支援システムは、商標登録出願若しくは商標登録を含む複数の商標登録案件を維持する場合の維持費用及び当該複数の商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用、又は、1若しくは複数の前記商標登録案件を維持し且つ追加の商品若しくは役務を含む商標登録出願を行う場合の維持費用及び当該1若しくは複数の商標登録案件の内容及び当該追加の商品若しくは役務を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する費用算出手段と、事業者に関する事業者情報を、当該事業者が出願人又は権利者となる前記商標登録案件と対応づけて記憶する事業者情報記憶手段から、前記費用算出手段で算出した統合費用が、前記費用算出手段で算出した維持費用を下回り又は当該維持費用と同一となる商標登録案件に対応する前記事業者情報を取得する事業者情報取得手段とを備えることを特徴とする商標支援システムである。
【0032】
このような構成であれば、費用算出手段により、維持費用及び統合費用が算出され、事業者情報取得手段により、統合費用が維持費用を下回り又は維持費用と同一となる商標登録案件に対応する事業者情報が事業者情報記憶手段から取得される。
【0033】
ここで、事業者は、自然人であってもよいし、法人であってもよい。以下、発明7~11の商標支援システムにおいて同じである。
【0034】
また、事業者情報は、例えば、事業者を識別するための情報(例えば、名称、番号、ID、コード、URL等のリンク情報)として構成することができる。また、事業者情報は、例えば、文字、数字、図形、符合、記号、画像、音声その他の情報として構成することができる。また、事業者情報は、事業者に関するキーワード(例えば、事業者の氏名又は名称の一部を示す1又は複数のキーワード)として構成することができる。以下、発明7の商標支援システムにおいて同じである。
【0035】
また、事業者情報を商標登録案件と対応づけて記憶することとしては、例えば、(1)事業者情報及び商標登録案件を同一のレコードに登録するなど、直接対応づけて記憶すること、(2)事業者情報及び中間情報を対応づけて登録するテーブルと、商標登録案件及び中間情報を対応づけて登録するテーブルを設けるなど、中間に1又は複数の情報を介して記憶することが含まれる。すなわち、商標登録案件から事業者情報を辿ることができる態様であれば、あらゆるデータ構造を採用することができる。なお、事業者情報は、商標登録案件と対応づけて事業者情報記憶手段に記憶すればよく、事業者情報記憶手段に商標登録案件を記憶することは必ずしも要しない。以下、情報を対応づけて記憶する概念については同じである。
【0036】
また、事業者情報取得手段としては、例えば、前記複数の商標登録案件のうち統合費用が維持費用を下回り又は維持費用と同一となる少なくとも1の商標登録案件に対応する事業者情報を取得すればよく、前記複数の商標登録案件のうちすべてのものに対応する事業者情報を取得する構成、前記複数の商標登録案件のうち一部のものに対応する事業者情報を取得する構成を採用することができる。以下、発明7の商標支援システムにおいて同じである。
【0037】
〔発明7〕 また、上記目的を達成するために、発明7の商標支援システムは、商標登録出願若しくは商標登録を含む複数の商標登録案件を維持する場合の維持費用及び当該複数の商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用、又は、1若しくは複数の前記商標登録案件を維持し且つ追加の商品若しくは役務を含む商標登録出願を行う場合の維持費用及び当該1若しくは複数の商標登録案件の内容及び当該追加の商品若しくは役務を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する費用算出手段と、事業者に関する事業者情報、及び、当該事業者が出願人又は権利者となる前記商標登録案件に関する案件情報を対応づけて記憶する事業者情報記憶手段から、前記費用算出手段で算出した統合費用が、前記費用算出手段で算出した維持費用を下回り又は当該維持費用と同一となる商標登録案件に対応する前記事業者情報及び前記案件情報を取得する事業者情報取得手段とを備えることを特徴とする商標支援システムである。
【0038】
このような構成であれば、費用算出手段により、維持費用及び統合費用が算出され、事業者情報取得手段により、統合費用が維持費用を下回り又は維持費用と同一となる商標登録案件に対応する事業者情報及び案件情報が事業者情報記憶手段から取得される。
【0039】
ここで、事業者情報取得手段としては、例えば、前記複数の商標登録案件のうち統合費用が維持費用を下回り又は維持費用と同一となる少なくとも1の商標登録案件に対応する案件情報を取得すればよく、前記複数の商標登録案件のうちすべてのものに対応する案件情報を取得する構成、前記複数の商標登録案件のうち一部のものに対応する案件情報を取得する構成を採用することができる。
【0040】
〔発明8〕 また、上記目的を達成するために、発明8の商標支援システムは、商標登録出願若しくは商標登録を含む複数の商標登録案件を維持する場合の維持費用及び当該複数の商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用、又は、1若しくは複数の前記商標登録案件を維持し且つ追加の商品若しくは役務を含む商標登録出願を行う場合の維持費用及び当該1若しくは複数の商標登録案件の内容及び当該追加の商品若しくは役務を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する費用算出手段と、事業者が出願人又は権利者となる前記商標登録案件において指定された商品又は役務に関する商品情報を当該商標登録案件と対応づけて記憶する商品情報記憶手段から、前記費用算出手段で算出した統合費用が、前記費用算出手段で算出した維持費用を下回り又は当該維持費用と同一となる商標登録案件に対応する前記商品情報を取得する商品情報取得手段と、前記商品情報取得手段で取得した商品情報に基づいて、前記複数の商標登録案件に係る指定商品又は指定役務に関する商品情報を含み且つ商品又は役務の重複を排除した商品リストを生成する商品リスト生成手段とを備えることを特徴とする商標支援システムである。
【0041】
このような構成であれば、費用算出手段により、維持費用及び統合費用が算出され、商品情報取得手段により、統合費用が維持費用を下回り又は維持費用と同一となる商標登録案件に対応する商品情報が商品情報記憶手段から取得され、商品リスト生成手段により、取得された商品情報に基づいて、複数の商標登録案件に係る指定商品又は指定役務に関する商品情報を含み且つ商品又は役務の重複を排除した商品リストが生成される。
【0042】
ここで、商品情報は、例えば、商品又は役務を識別するための情報(例えば、名称、番号、ID、コード、URL等のリンク情報)として構成することができる。また、商品情報は、例えば、文字、数字、図形、符合、記号、画像、音声その他の情報として構成することができる。また、商品情報は、商品又は役務に関するキーワード(例えば、商品又は役務の名称の一部を示す1又は複数のキーワード)として構成することができる。以下、発明9~11の商標支援システムにおいて同じである。
【0043】
また、商品情報には、例えば、(1)商標登録案件において指定された商品又は役務のうち一の商品又は役務(この段落において「一の指定商品等」という。)に関する商品情報、(2)一の指定商品等を包括する上位概念の商品又は役務に関する商品情報、(3)一の指定商品等に包括される下位概念の商品又は役務に関する商品情報、(4)所定の基準(例えば、現在の審査基準)に適合する商品又は役務のうち一の指定商品等に対応するものに関する商品情報、(5)書換制度等において一の指定商品等を置き換えた商品又は役務(書換前又は書換後の商品又は役務)に関する商品情報が含まれる。以下、発明9~11の商標支援システムにおいて同じである。
【0044】
〔発明9〕 また、上記目的を達成するために、発明9の商標支援システムは、商標登録出願又は商標登録を含む1又は複数の商標登録案件を維持し且つ追加の商品又は役務を含む商標登録出願を行う場合の維持費用を算出する維持費用算出手段と、前記1又は複数の商標登録案件の内容及び前記追加の商品又は役務を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する統合費用算出手段と、事業者が出願人又は権利者となる前記商標登録案件において指定された商品又は役務に関する商品情報を当該商標登録案件と対応づけて記憶する商品情報記憶手段から、前記統合費用算出手段で算出した統合費用が、前記維持費用算出手段で算出した維持費用を下回り又は当該維持費用と同一となる商標登録案件に対応する前記商品情報を取得する商品情報取得手段と、前記商品情報取得手段で取得した商品情報及び前記追加の商品又は役務に関する商品情報に基づいて、前記1又は複数の商標登録案件に係る指定商品又は指定役務及び前記追加の商品又は役務に関する商品情報を含み且つ商品又は役務の重複を排除した商品リストを生成する商品リスト生成手段とを備えることを特徴とする商標支援システムである。
【0045】
このような構成であれば、維持費用算出手段により維持費用が算出され、統合費用算出手段により統合費用が算出され、商品情報取得手段により、統合費用が維持費用を下回り又は維持費用と同一となる商標登録案件に対応する商品情報が取得される。そして、商品リスト生成手段により、取得された商品情報及び追加の商品又は役務に関する商品情報に基づいて、1又は複数の商標登録案件に係る指定商品又は指定役務及び追加の商品又は役務に関する商品情報を含み且つ商品又は役務の重複を排除した商品リストが生成される。
【0046】
〔発明10〕 また、上記目的を達成するために、発明10の商標支援システムは、事業者が出願人となる商標登録出願又は権利者となる商標登録を含む商標登録案件において指定された商品又は役務に関する商品情報を当該商標登録案件と対応づけて記憶する商品情報記憶手段から、同一又は関連の事業者が有する複数の商標登録案件に対応する前記商品情報を取得する商品情報取得手段と、前記商品情報取得手段で取得した商品情報に基づいて、前記複数の商標登録案件に係る指定商品又は指定役務に関する商品情報を含み且つ商品又は役務の重複を排除した商品リストを生成する商品リスト生成手段とを備えることを特徴とする商標支援システムである。
【0047】
このような構成であれば、商品情報取得手段により、同一又は関連の事業者が有する複数の商標登録案件に対応する商品情報が商品情報記憶手段から取得され、商品リスト生成手段により、取得された商品情報に基づいて、複数の商標登録案件に係る指定商品又は指定役務に関する商品情報を含み且つ商品又は役務の重複を排除した商品リストが生成される。
【0048】
ここで、関連の事業者としては、例えば、(1)資本関係がある事業者、(2)支配関係がある事業者、(3)競合関係にある事業者、(4)その他事業主体が関連する事業者が含まれる。以下、発明11の商標支援システムにおいて同じである。
【0049】
〔発明11〕 また、上記目的を達成するために、発明11の商標支援システムは、事業者が出願人となる商標登録出願又は権利者となる商標登録を含む商標登録案件において指定された商品又は役務に関する商品情報を当該商標登録案件と対応づけて記憶する商品情報記憶手段から、同一又は関連の事業者が有する1又は複数の商標登録案件に対応する前記商品情報を取得する商品情報取得手段と、前記商品情報取得手段で取得した商品情報及び追加の商品又は役務に関する商品情報に基づいて、前記1又は複数の商標登録案件に係る指定商品又は指定役務及び前記追加の商品又は役務に関する商品情報を含み且つ商品又は役務の重複を排除した商品リストを生成する商品リスト生成手段とを備えることを特徴とする商標支援システムである。
【0050】
このような構成であれば、商品情報取得手段により、同一又は関連の事業者が有する1又は複数の商標登録案件に対応する商品情報が取得される。そして、商品リスト生成手段により、取得された商品情報及び追加の商品又は役務に関する商品情報に基づいて、1又は複数の商標登録案件に係る指定商品又は指定役務及び追加の商品又は役務に関する商品情報を含み且つ商品又は役務の重複を排除した商品リストが生成される。
【0051】
〔発明12〕 また、上記目的を達成するために、発明12の商標支援システムは、発明1、2のいずれか1の評価情報生成手段、発明6、7のいずれか1の事業者情報取得手段、発明8、10の商品情報取得手段及び商品リスト生成手段、又は発明9、11の商品情報取得手段及び商品リスト生成手段を備えることを特徴とする商標支援システムである。
【発明の効果】
【0052】
以上説明したように、発明1の商標支援システムによれば、商標登録案件の維持又は統合を検討することができる。
【0053】
また、発明2の商標支援システムによれば、商品又は役務の追加を含め、商標登録案件の維持又は統合を検討することができる。
【0054】
さらに、発明3の商標支援システムによれば、商標登録案件の維持又は統合を期間で検討することができる。
【0055】
さらに、発明4の商標支援システムによれば、第1事業者に係る第1要素情報に基づいて商標登録案件を維持する場合と、第2事業者に係る第2要素情報に基づいて商標登録案件を統合する場合とを検討することができる。
【0056】
さらに、発明5の商標支援システムによれば、統合費用が維持費用を下回り又は維持費用と同一となる時点、期間又は費用を把握することができる。
【0057】
また、発明6の商標支援システムによれば、統合費用が維持費用を下回り又は維持費用と同一となる商標登録案件を有する事業者の事業者情報が得られる。
【0058】
また、発明7の商標支援システムによれば、統合費用が維持費用を下回り又は維持費用と同一となる商標登録案件を有する事業者の事業者情報及び案件情報が得られる。
【0059】
また、発明8~11の商標支援システムによれば、商品又は役務が重複しない商品リストが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】商標支援装置100のハードウェア構成を示す図である。
【
図2】商品情報テーブル400のデータ構造を示す図である。
【
図3】維持統合評価処理を示すフローチャートである。
【
図4】権利者の名称及び住所を入力する画面である。
【
図5】維持又は統合を検討する商標を選択する画面である。
【
図9】維持又は統合を検討する権利者を選択する画面である。
【
図10】特許事務所Wの料金表600を示す図である。
【
図11】商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図12】商品情報テーブル400Aのデータ構造を示す図である。
【
図13】所定期間で発生する費用を考慮して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図14】商標登録を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
【
図15】特許事務所Xの料金表610を示す図である。
【
図16】特許事務所W、Xに依頼して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図17】特許事務所Yの料金表620を示す図である。
【
図18】特許事務所W、Yに依頼して所定期間で発生する費用を考慮して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図19】特許事務所W、Yに依頼して商標登録を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
【
図20】商品情報テーブル420のデータ構造を示す図である。
【
図21】維持統合評価処理を示すフローチャートである。
【
図22】事業者の名称及び住所を入力する画面である。
【
図23】維持又は統合を検討する商標を選択する画面である。
【
図25】出願番号又は登録番号を入力する画面である。
【
図26】維持又は統合を検討する事業者を選択する画面である。
【
図27】商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図28】商品情報テーブル420Aのデータ構造を示す図である。
【
図29】特許事務所Zの料金表630を示す図である。
【
図30】所定期間で発生する費用を考慮して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図31】商標登録案件を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
【
図32】特許事務所W、Xに依頼して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図33】特許事務所W、Xに依頼して所定期間で発生する費用を考慮して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図34】特許事務所W、Xに依頼して商標登録案件を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
【
図35】維持統合評価処理を示すフローチャートである。
【
図37】商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図38】所定期間で発生する費用を考慮して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図39】商標登録を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
【
図40】特許事務所W、Xに依頼して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図41】特許事務所Y、Zに依頼して所定期間で発生する費用を考慮して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図42】特許事務所Y、Zに依頼して商標登録を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
【
図43】維持統合評価処理を示すフローチャートである。
【
図44】商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図45】所定期間で発生する費用を考慮して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図46】商標登録案件を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
【
図47】特許事務所W、Xに依頼して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図48】特許事務所Y、Zに依頼して所定期間で発生する費用を考慮して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【
図49】特許事務所Y、Zに依頼して商標登録案件を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
【
図50】維持統合評価処理を示すフローチャートである。
【
図51】統合費用が維持費用を下回る時点、期間及び費用を示す評価情報の表示画面である。
【
図52】商品情報テーブル400Bのデータ構造を示す図である。
【
図53】提案先リスト生成処理を示すフローチャートである。
【
図55】提案先リスト生成処理を示すフローチャートである。
【
図57】商品情報テーブル400Cのデータ構造を示す図である。
【
図58】商品リスト生成処理を示すフローチャートである。
【
図59】重複分を削除する前の商品リストの一例を示す図である。
【
図60】(a)は、重複分を削除した後の商品リストの一例を示す図であり、(b)は、(a)の商品リストから作成される願書情報の一例を示す図である。
【
図61】商品リスト生成処理を示すフローチャートである。
【
図63】(a)は、重複分を削除した後の商品リストの一例を示す図であり、(b)は、(a)の商品リストから作成される願書情報の一例を示す図である。
【
図64】商品リスト生成処理を示すフローチャートである。
【
図65】重複分を削除する前の商品リストの一例を示す図である。
【
図66】(a)は、重複分を削除した後の商品リストの一例を示す図であり、(b)は、(a)の商品リストから作成される願書情報の一例を示す図である。
【
図67】商品リスト生成処理を示すフローチャートである。
【
図68】(a)は、重複分を削除した後の商品リストの一例を示す図であり、(b)は、(a)の商品リストから作成される願書情報の一例を示す図である。
【
図69】統合を行う時点を考慮した費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
【
図70】3件の商標登録が2年後、4年後、6年後にそれぞれ更新期限を迎える場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0061】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1乃至
図11は、本実施の形態を示す図である。
【0062】
(用語の定義)
以下の説明において、商標登録出願及び商標登録を総称して「商標登録案件」と表記し、商品又は役務を「商品(役務)」と表記し、商標登録出願又は商標登録において指定された商品又は役務を「指定商品(役務)」と表記し、出願人及び権利者を総称して「事業者」と表記する。また、出願時の代理人費用及び特許庁費用を「出願費用」と表記し、登録時の代理人費用及び特許庁費用を「登録費用」と表記し、更新時の代理人費用及び特許庁費用を「更新費用」と表記する。
【0063】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、商標支援装置100のハードウェア構成を示す図である。
【0064】
商標支援装置100は、
図1に示すように、制御プログラムに基づいて演算及びシステム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)30と、所定領域に予めCPU30の制御プログラム等を格納しているROM(Read Only Memory)32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するRAM(Random Access Memory)34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(InterFace)38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互に且つデータ授受可能に接続されている。
【0065】
I/F38には、外部装置として、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置40と、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置42と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置44とが接続されている。
【0066】
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録を維持する場合と、複数の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する。
【0067】
次に、記憶装置42のデータ構造を説明する。
図2は、商品情報テーブル400のデータ構造を示す図である。
【0068】
記憶装置42は、
図2に示すように、商品情報テーブル400を記憶している。商品情報テーブル400は、例えば、特許庁が発行している商標公報をもとに作成することができる。
【0069】
商品情報テーブル400には、
図2に示すように、1又は複数のレコードが登録されている。各レコードは、商標登録の登録番号(以下単に「登録番号」と表記する。)を登録するフィールド401と、その商標登録に係る商標を登録するフィールド402と、その商標登録の権利者の氏名又は名称(以下、氏名又は名称を「名称」と表記する。)を登録するフィールド403と、その商標登録の権利者の住所又は居所(以下、住所又は居所を「住所」と表記する。)を登録するフィールド404と、その商標登録の権利者を識別するための識別番号(例えば、申請人識別番号)を登録するフィールド405と、その商標登録に係る指定商品(役務)が属する区分を登録するフィールド406と、その商標登録に係る指定商品(役務)を登録するフィールド407とを含んで構成されている。
【0070】
図2の例は、第1~5行目のレコードが権利者である「株式会社A」が有する商標登録に対応する商品情報であり、同様に、第6~9行目のレコードが権利者である「株式会社B」が有する商標登録に対応する商品情報である。また、
図2の例では、第1行目のレコードには、登録番号として「9,999,981」が、商標として「A」が、名称として「株式会社A」が、住所として「神奈川県鎌倉市」が、識別番号として「0001」が、区分として「30」が、指定商品(役務)として「菓子,パン,サンドイッチ」がそれぞれ登録されている。これは、神奈川県鎌倉市に所在する株式会社Aが登録番号「9,999,981」の商標登録を有し、その商標登録に係る商標が「A」、その商標登録に係る指定商品(役務)が「菓子,パン,サンドイッチ」、その商標登録に係る指定商品(役務)が属する区分が第30類であることを示している。
【0071】
次に、CPU30で実行される維持統合評価処理を説明する。
CPU30は、MPU(Micro-Processing Unit)等からなり、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図3のフローチャートに示す維持統合評価処理を実行する。
【0072】
図3は、維持統合評価処理を示すフローチャートである。
維持統合評価処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図3に示すように、まず、ステップS100に移行する。
【0073】
ステップS100では、商品情報を取得する。商品情報の取得方法としては、例えば、以下の8つの方法を採用することができる。
【0074】
(第1取得方法)
図4は、権利者の名称及び住所を入力する画面である。
第1取得方法は、
図4の入力画面で権利者の名称及び住所を入力して検索ボタンを押下することで、入力した権利者の名称及び住所に対応する同一の商標についての商品情報を商品情報テーブル400から検索することにより商品情報を取得する方法である。
【0075】
図4の例では、権利者の名称として「株式会社A」が、住所として「神奈川県鎌倉市」が入力されているので、その名称及び住所に対応する同一の商標についての商品情報が商品情報テーブル400から検索される。これにより、商標「A」「B」のいずれかについて株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報(フィールド401~407の情報)が取得される。なお、本実施の形態において、ステップS100で取得する商品情報は、少なくともフィールド406の情報を含む構成とすることができる。
【0076】
(第2取得方法)
図5は、維持又は統合を検討する商標を選択する画面である。
第2取得方法は、
図4の入力画面で権利者の名称及び住所を入力し、これらに対応する商品情報を商品情報テーブル400から検索し、索出された商品情報に基づいて登録番号及び商標の一覧を
図5の選択画面に表示する。次いで、
図5の選択画面に表示されたチェックボックスによって維持又は統合を検討する商標を選択して決定ボタンを押下することで、選択した商標についての商品情報を取得する方法である。
【0077】
図5の例では、株式会社Aが有する商標登録の登録番号及びこれらに係る商標「A」「B」の一覧が表示されており、各登録番号の左横にそれぞれチェックボックスが表示されている。ユーザは、マウスなどの入力装置40を用いてチェックボックスをチェックして、維持又は統合を検討する商標を選択し、選択した状態で決定ボタンを押下する。これにより、選択した商標についての商品情報が取得される。
【0078】
(第3取得方法)
図6は、権利者の識別番号を入力する画面である。
第3取得方法は、
図6の入力画面で権利者の識別番号を入力して検索ボタンを押下することで、入力した識別情報に対応する同一の商標についての商品情報を商品情報テーブル400から検索することにより商品情報を取得する方法である。
【0079】
図6の例では、株式会社Aの識別番号「0001」が入力されているので、その識別番号に対応する同一の商標についての商品情報が商品情報テーブル400から検索される。
【0080】
(第4取得方法)
第4取得方法は、
図6の入力画面で権利者の識別番号を入力し、これに対応する商品情報を商品情報テーブル400から検索し、索出された商品情報に基づいて登録番号及び商標の一覧を
図5の選択画面に表示する。次いで、
図5の選択画面に表示されたチェックボックスによって維持又は統合を検討する商標を選択して決定ボタンを押下することで、選択した商標についての商品情報を取得する方法である。
【0081】
(第5取得方法)
図7は、登録番号を入力する画面である。
第5取得方法は、
図7の入力画面で登録番号を入力して検索ボタンを押下することで、入力した登録番号に対応する商品情報を商品情報テーブル400から検索することにより商品情報を取得する方法である。
【0082】
図7の例では、登録番号「9,999,981」「9,999,982」「9,999,983」「9,999,984」が入力されているので、これら登録番号に対応する商品情報が商品情報テーブル400から検索される。
【0083】
(第6取得方法)
図8は、商標を入力する画面である。
第6取得方法は、
図8の入力画面で商標を入力して検索ボタンを押下することで、入力した商標に対応する同一の権利者についての商品情報を商品情報テーブル400から検索することにより商品情報を取得する方法である。
【0084】
図8の例では、商標「A」が入力されているので、商標「A」に対応する同一の権利者である「株式会社A」についての商品情報が商品情報テーブル400から検索される。
【0085】
(第7取得方法)
図9は、維持又は統合を検討する権利者を選択する画面である。
第7取得方法は、
図8の入力画面で商標を入力して検索ボタンを押下することで、入力した商標に対応する商品情報を商品情報テーブル400から検索し、索出された商品情報に基づいて権利者の一覧を
図9の選択画面に表示する。次いで、
図9の選択画面に表示されたチェックボックスによって維持又は統合を検討する商標登録の権利者を選択して決定ボタンを押下することで、入力した商標及び選択した権利者についての商品情報を取得する方法である。
【0086】
(第8取得方法)
第8取得方法は、商品情報テーブル400を用いず、同一の商標についての商品情報を入力装置40から直接入力することにより商品情報を取得する方法である。
【0087】
次いで、ステップS102に移行して、ステップS100で取得した商品情報に基づいて維持費用を算出し、ステップS104に移行する。
【0088】
ステップS104では、ステップS100で取得した商品情報に基づいて統合費用を算出し、ステップS106に移行する。
【0089】
ステップS106では、ステップS102、S104で算出した維持費用及び統合費用に基づいて評価情報を生成する。次いで、ステップS108に移行して、生成した評価情報を表示装置44に表示する。
【0090】
以下、
図3のステップS100において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を
図2の商品情報テーブル400から取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0091】
図10は、特許事務所Wの料金表600を示す図である。
なお、料金表600については、予めテーブルとして記憶装置42に記憶してもよいし、評価を行うタイミングで入力(登録)してもよい。
【0092】
図2に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」「9,999,983」「9,999,984」)を4件有している。そこで、特許事務所Wに依頼して、(1)4件の商標登録を維持する場合と、(2)4件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0093】
ステップS102において、特許事務所Wに依頼した場合の維持費用(以下「維持費用W」という。)は、各商標登録の区分数が1つであるので、料金表600の区分数「1」に対応する更新費用となり、次のとおりとなる。
【0094】
(30,000+38,800)×4件=275,200円
ステップS104において、特許事務所Wに依頼した場合の統合費用(以下「統合費用W」という。)は、区分数が4つとなるので、料金表600の区分数「4」に対応する出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0095】
50,000+37,800+50,000+112,800=250,600円
図11は、商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0096】
図11の例では、4件の商標登録について、維持費用が「275,200円」、統合費用が「250,600円」となり、維持費用>統合費用となるため、統合した方が維持するよりも「24,600円」安くなるといった内容の評価情報が表示される。
【0097】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、それら商標登録を維持する場合の維持費用と、それら商標登録の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用とを算出し、算出した維持費用及び統合費用に基づいて、複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0098】
これにより、商標登録の維持又は統合を検討することができる。
本実施の形態において、ステップS100は、発明1の商品情報取得手段に対応し、ステップS102は、発明1の維持費用算出手段に対応し、ステップS104は、発明1の統合費用算出手段に対応し、ステップS106は、発明1の評価情報生成手段に対応している。
【0099】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図12乃至
図14は、本実施の形態を示す図である。その他、
図3及び
図10を援用する。
【0100】
上記第1の実施の形態においては、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮しない場合について説明したが、本実施の形態では、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮して評価情報を生成する点で異なる。以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0101】
図12は、商品情報テーブル400Aのデータ構造を示す図である。
記憶装置42は、
図12に示すように、商品情報テーブル400Aを記憶している。商品情報テーブル400Aは、上記第1の実施の形態の商品情報テーブル400と同様の構成となっており、登録されているデータが一部異なるものである。
【0102】
図12の例では、第1~5行目のレコードが「株式会社A」が有する商標登録に対応する商品情報であり、商標「A」について3件の商標登録に対応する商品情報と、商標「B」について2件の商標登録に対応する商品情報とが登録されている。第6~9行目のレコードが「株式会社B」が有する商標登録に対応する商品情報であり、商標「C」について3件の商標登録に対応する商品情報と、商標「D」について1件の商標登録に対応する商品情報とが登録されている。
【0103】
以下、
図3のステップS100において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を
図12の商品情報テーブル400Aから取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0104】
図12に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」「9,999,983」)を3件有している。そこで、特許事務所Wに依頼して、(1)3件の商標登録を維持する場合と、(2)3件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0105】
ステップS102では、ステップS100で取得した商品情報に基づいて、特許事務所Wに依頼した場合の所定期間で発生する維持費用及びその合計を算出する。
【0106】
図13は、所定期間で発生する費用を考慮して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0107】
具体的に、初年度から50年目までの10年ごとの維持費用と、10年ごとのその費用の合計とを算出する。すなわち、維持費用は、料金表600から算出され、
図13に示すように、初年度から50年目まで10年ごとに「206,400円」となる。また、維持費用の合計は、初年度から9年目までが「206,400円」、初年度から19年目までが「412,800円」、初年度から29年目までが「619,200円」、初年度から39年目までが「825,600円」、初年度から49年目までが「1,032,000円」、初年度から50年目までが「1,238,400円」となる。
【0108】
ステップS104では、ステップS100で取得した商品情報に基づいて、特許事務所Wに依頼した場合の所定期間で発生する統合費用及びその合計を算出する。なお、本実施の形態並びに第4、第6、第8、第10、第12、第14、第16及び第17の実施の形態において、統合費用とは、(1)統合した新たな商標登録出願を行う出願費用及び登録費用、並びに(2)統合した新たな商標登録出願が商標登録を受け、その商標登録を維持する更新費用をいう。
【0109】
具体的に、初年度の統合費用及び10年目から50年目までの10年ごとの統合費用と、10年ごとのその費用の合計とを算出する。初年度の統合費用は、料金表600から算出され、
図13に示すように、「213,800円」となる。10年目以降の統合費用は、10年目から50年目まで10年ごとに「146,400円」となる。また、統合費用の合計は、初年度から9年目までが「213,800円」、初年度から19年目までが「360,200円」、初年度から29年目までが「506,600円」、初年度から39年目までが「653,000円」、初年度から49年目までが「799,400円」、初年度から50年目までが「945,800円」となる。
【0110】
ステップS106では、ステップS102、S104で算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの合計に基づいて、
図13に示すように、これらの10年ごとの各費用と、差額(維持費用から統合費用を減算した費用をいう。以下同じ。)の合計とを一覧表示した表と、この表の内容に基づく評価とが評価情報として生成される。そして、ステップS108において、生成された評価情報が表示される。
【0111】
図14は、商標登録を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
図14の例では、(1)上記3件の商標登録を維持する場合の維持費用の初年度から50年目までの合計の推移と、(2)上記3件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用の初年度から50年目までの合計の推移を比較して示している。
【0112】
図13及び
図14の例では、特許事務所Wに依頼した場合に、初年度は、統合費用の方が高いが、10年目以降は統合費用の方が維持費用よりも安くなっており、その内容が評価情報として表示されている。この評価情報によれば、10年目以降に発生する費用を考慮すると、初年度において統合を選択した方がよいと判断することができる。
【0113】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、それら商標登録を維持する場合に所定期間で発生する維持費用及びその合計と、それら商標登録の内容を統合した商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する統合費用及びその合計とを算出し、算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの所定期間の合計に基づいて、複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0114】
これにより、商標登録の維持又は統合を期間で検討することができる。
本実施の形態において、ステップS102は、発明1及び3の維持費用算出手段に対応し、ステップS104は、発明1及び3の統合費用算出手段に対応し、ステップS106は、発明1の評価情報生成手段に対応している。
【0115】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
図15及び
図16は、本実施の形態を示す図である。その他、
図2、
図3及び
図10を援用する。
【0116】
本実施の形態は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録について、特許事務所Xの料金表に基づいて、それら商標登録を維持する場合の維持費用を算出する。さらに、特許事務所Xとは異なる特許事務所Wの料金表に基づいて、それら商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用を算出する点で上記第1の実施の形態と異なる。以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0117】
以下、
図3のステップS100において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を
図2の商品情報テーブル400から取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0118】
図2に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」「9,999,983」「9,999,984」)を4件有している。そこで、(1)4件の商標登録を特許事務所Xに依頼して維持する場合と、(2)4件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を特許事務所Wに依頼して行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0119】
図15は、特許事務所Xの料金表610を示す図である。
ステップS102において、特許事務所Xに依頼した場合の維持費用(以下「維持費用X」という。)は、各商標登録の区分数が1つであるので、料金表610の区分数「1」に対応する更新費用となり、次のとおりとなる。
【0120】
(40,000+38,800)×4件=315,200円
ステップS104において、統合費用Wは、区分数が4つとなるので、料金表600の区分数「4」に対応する出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0121】
50,000+37,800+50,000+112,800=250,600円
ステップS106では、ステップS102、S104で算出した維持費用X及び統合費用Wに基づいて評価情報を生成する。次いで、ステップS108に移行して、生成した評価情報を表示する。
【0122】
図16は、特許事務所W、Xに依頼して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0123】
図16の例では、4件の商標登録について、維持費用Xが「315,200円」、統合費用Wが「250,600円」となり、維持費用X>統合費用Wとなる。このため、統合費用Wの方が維持費用Xよりも「64,600円」安くなるといった内容の評価情報が表示される。
【0124】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報及び料金表610に基づいて、それら商標登録を維持する場合の維持費用Xを算出し、取得した商品情報及び料金表600に基づいて、それら商標登録の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用Wを算出し、算出した維持費用X及び統合費用Wに基づいて、複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0125】
これにより、特許事務所Xに依頼して商標登録を維持する場合と、特許事務所Wに依頼して商標登録を統合する場合とを検討することができる。
【0126】
本実施の形態において、ステップS102は、発明1及び4の維持費用算出手段に対応し、ステップS104は、発明1及び4の統合費用算出手段に対応し、ステップS106は、発明1の評価情報生成手段に対応している。
【0127】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
図17乃至
図19は、本実施の形態を示す図である。その他、
図2、
図3及び
図10を援用する。
【0128】
上記第3の実施の形態においては、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮しない場合について説明したが、本実施の形態では、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮して評価情報を生成する点で異なる。以下、上記第3の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0129】
以下、
図3のステップS100において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を
図2の商品情報テーブル400から取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0130】
図2に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」「9,999,983」「9,999,984」)を4件有している。そこで、(1)4件の商標登録を特許事務所Yに依頼して維持する場合と、(2)4件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を特許事務所Wに依頼して行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0131】
ステップS102では、ステップS100で取得した商品情報に基づいて、特許事務所Yに依頼した場合の維持費用(以下「維持費用Y」という。)であって所定期間で発生する維持費用Y及びその合計を算出する。
【0132】
図17は、特許事務所Yの料金表620を示す図であり、
図18は、特許事務所W、Yに依頼して所定期間で発生する費用を考慮して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0133】
具体的に、初年度から50年目までの10年ごとの維持費用Yと、10年ごとのその費用の合計とを算出する。すなわち、維持費用Yは、料金表620から算出され、
図18に示すように、初年度から50年目まで10年ごとに「235,200円」となる。また、維持費用Yの合計は、初年度から9年目までが「235,200円」、初年度から19年目までが「470,400円」、初年度から29年目までが「705,600円」、初年度から39年目までが「940,800円」、初年度から49年目までが「1,176,000円」、初年度から50年目までが「1,411,200円」となる。
【0134】
ステップS104では、ステップS100で取得した商品情報に基づいて、所定期間で発生する統合費用W及びその合計を算出する。
【0135】
具体的に、初年度の統合費用W及び10年目から50年目までの10年ごとの統合費用Wと、10年ごとのその費用の合計とを算出する。初年度の統合費用Wは、料金表600から算出され、
図18に示すように、「250,600円」となる。10年目以降の統合費用Wは、10年目から50年目まで10年ごとに「185,200円」となる。また、統合費用Wの合計は、初年度から9年目までが「250,600円」、初年度から19年目までが「435,800円」、初年度から29年目までが「621,000円」、初年度から39年目までが「806,200円」、初年度から49年目までが「991,400円」、初年度から50年目までが「1,176,600円」となる。
【0136】
ステップS106では、ステップS102、S104で算出した維持費用Y及び統合費用W並びにこれらの合計に基づいて、
図18に示すように、これらの10年ごとの各費用と、差額の合計とを一覧表示した表と、この表の内容に基づく評価とが評価情報として生成される。そして、ステップS108において、生成された評価情報が表示される。
【0137】
図19は、特許事務所W、Yに依頼して商標登録を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
図19の例では、(1)上記4件の商標登録を維持する場合の維持費用Yの初年度から50年目までの合計の推移と、(2)上記4件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用Wの初年度から50年目までの合計の推移を比較して示している。
【0138】
図18及び
図19の例では、初年度は、統合費用Wの方が高いが、10年目以降は統合費用Wの方が維持費用Yよりも安くなっており、その内容が評価情報として表示されている。この評価情報によれば、10年目以降に発生する費用を考慮すると、初年度において特許事務所Wによる統合を選択した方がよいと判断することができる。
【0139】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報及び料金表620に基づいて、それら商標登録を維持する場合に所定期間で発生する維持費用Y及びその合計を算出し、取得した商品情報及び料金表600に基づいて、それら商標登録の内容を統合した商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する統合費用W及びその合計を算出し、算出した維持費用Y及び統合費用W並びにこれらの所定期間の合計に基づいて、複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0140】
これにより、特許事務所Yに依頼して商標登録を維持する場合と、特許事務所Wに依頼して商標登録を統合する場合とを期間で検討することができる。
【0141】
本実施の形態において、ステップS102は、発明1、3及び4の維持費用算出手段に対応し、ステップS104は、発明1、3及び4の統合費用算出手段に対応し、ステップS106は、発明1の評価情報生成手段に対応している。
【0142】
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
図20乃至
図27は、本実施の形態を示す図である。その他、
図8及び
図10を援用する。
【0143】
本実施の形態は、商標登録だけでなく商標登録出願についても統合の対象とする点で上記第1の実施の形態と異なる。以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0144】
まず、記憶装置42のデータ構造を説明する。
図20は、商品情報テーブル420のデータ構造を示す図である。
【0145】
記憶装置42は、
図20に示すように、商品情報テーブル420を記憶している。商品情報テーブル420は、例えば、特許庁が発行している商標公報をもとに作成することができる。
【0146】
商品情報テーブル420には、
図20に示すように、1又は複数のレコードが登録されている。各レコードは、商標登録出願の出願番号(以下単に「出願番号」と表記する。)を登録するフィールド421と、登録番号を登録するフィールド422と、その商標登録案件に係る商標を登録するフィールド423と、その商標登録案件の事業者の名称を登録するフィールド424と、その商標登録案件の事業者の住所を登録するフィールド425と、その商標登録案件の事業者を識別するための識別番号(例えば、申請人識別番号)を登録するフィールド426と、その商標登録案件に係る指定商品(役務)が属する区分を登録するフィールド427と、その商標登録案件に係る指定商品(役務)を登録するフィールド428とを含んで構成されている。
【0147】
図20の例は、第1~5行目のレコードが事業者である「株式会社A」が有する商標登録案件に対応する商品情報であり、同様に、第6~9行目のレコードが事業者である「株式会社B」が有する商標登録案件に対応する商品情報である。また、
図20の例では、第1行目のレコードには、出願番号として「2021-9999981」が、登録番号として「9,999,981」が、商標として「A」が、名称として「株式会社A」が、住所として「神奈川県鎌倉市」が、識別番号として「0001」が、区分として「30」が、指定商品(役務)として「菓子,パン,サンドイッチ」がそれぞれ登録されている。これは、神奈川県鎌倉市に所在する株式会社Aが出願番号「2021-9999981」及び登録番号「9,999,981」の商標登録案件を有し、その商標登録案件に係る商標が「A」、その商標登録案件に係る指定商品(役務)が「菓子,パン,サンドイッチ」、その商標登録案件に係る指定商品(役務)が属する区分が第30類であることを示している。
【0148】
次に、CPU30で実行される維持統合評価処理を説明する。
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図21のフローチャートに示す維持統合評価処理を実行する。
【0149】
図21は、維持統合評価処理を示すフローチャートである。
維持統合評価処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図21に示すように、まず、ステップS200に移行する。
【0150】
ステップS200では、商品情報を取得する。商品情報の取得方法としては、例えば、以下の8つの方法を採用することができる。
【0151】
(第9取得方法)
図22は、事業者の名称及び住所を入力する画面である。
第9取得方法は、
図22の入力画面で事業者の名称及び住所を入力して検索ボタンを押下することで、入力した事業者の名称及び住所に対応する同一の商標についての商品情報を商品情報テーブル400から検索することにより商品情報を取得する方法である。
【0152】
図22の例では、事業者の名称として「株式会社A」が、住所として「神奈川県鎌倉市」が入力されているので、その名称及び住所に対応する同一の商標についての商品情報が商品情報テーブル420から検索される。これにより、商標「A」「B」のいずれかについて株式会社Aが有する商標登録案件に対応する商品情報(フィールド421~428の情報)が取得される。なお、本実施の形態において、ステップS200で取得する商品情報は、少なくともフィールド427の情報を含む構成とすることができる。
【0153】
(第10取得方法)
図23は、維持又は統合を検討する商標を選択する画面である。
第10取得方法は、
図22の入力画面で事業者の名称及び住所を入力し、これらに対応する商品情報を商品情報テーブル420から検索し、索出された商品情報に基づいて出願番号又は登録番号及び商標の一覧を
図23の選択画面に表示する。次いで、
図23の選択画面に表示されたチェックボックスによって維持又は統合を検討する商標を選択して決定ボタンを押下することで、選択した商標についての商品情報を取得する方法である。
【0154】
図23の例では、株式会社Aが有する商標登録案件の出願番号又は登録番号及びこれらに係る商標「A」「B」の一覧が表示されており、各出願番号又は登録番号の左横にそれぞれチェックボックスが表示されている。ユーザは、マウスなどの入力装置40を用いてチェックボックスをチェックして、維持又は統合を検討する商標を選択し、選択した状態で決定ボタンを押下する。これにより、選択した商標についての商品情報が取得される。
【0155】
(第11取得方法)
図24は、事業者の識別番号を入力する画面である。
第11取得方法は、
図24の入力画面で事業者の識別番号を入力して検索ボタンを押下することで、入力した識別情報に対応する同一の商標についての商品情報を商品情報テーブル420から検索することにより商品情報を取得する方法である。
【0156】
図24の例では、株式会社Aの識別番号「0001」が入力されているので、その識別番号に対応する同一の商標についての商品情報が商品情報テーブル420から検索される。
【0157】
(第12取得方法)
第12取得方法は、
図24の入力画面で事業者の識別番号を入力し、これに対応する商品情報を商品情報テーブル420から検索し、索出された商品情報に基づいて出願番号又は登録番号及び商標の一覧を
図23の選択画面に表示する。次いで、
図23の選択画面に表示されたチェックボックスによって維持又は統合を検討する商標を選択して決定ボタンを押下することで、選択した商標についての商品情報を取得する方法である。
【0158】
(第13取得方法)
図25は、出願番号又は登録番号を入力する画面である。
第13取得方法は、
図25の入力画面で出願番号又は登録番号を入力して検索ボタンを押下することで、入力した出願番号又は登録番号に対応する商品情報を商品情報テーブル420から検索することにより商品情報を取得する方法である。
【0159】
図25の例では、出願番号「2021-9999983」及び登録番号「9,999,981」「9,999,982」が入力されているので、これら出願番号及び登録番号に対応する商品情報が商品情報テーブル420から検索される。
【0160】
(第14取得方法)
第14取得方法は、
図8の入力画面で商標を入力して検索ボタンを押下することで、入力した商標に対応する同一の事業者についての商品情報を商品情報テーブル420から検索することにより商品情報を取得する方法である。
【0161】
図8の例では、商標「A」が入力されているので、商標「A」に対応する同一の事業者である「株式会社A」についての商品情報が商品情報テーブル420から検索される。
【0162】
(第15取得方法)
図26は、維持又は統合を検討する事業者を選択する画面である。
第15取得方法は、
図8の入力画面で商標を入力して検索ボタンを押下することで、入力した商標に対応する商品情報を商品情報テーブル420から検索し、索出された商品情報に基づいて事業者の一覧を
図26の選択画面に表示する。次いで、
図26の選択画面に表示されたチェックボックスによって維持又は統合を検討する商標登録案件の事業者を選択して決定ボタンを押下することで、入力した商標及び選択した事業者についての商品情報を取得する方法である。
【0163】
(第16取得方法)
第16取得方法は、商品情報テーブル420を用いず、同一の商標についての商品情報を入力装置40から直接入力することにより商品情報を取得する方法である。
【0164】
次いで、ステップS202に移行して、ステップS200で取得した商品情報に基づいて維持費用を算出し、ステップS204に移行する。
【0165】
ステップS204では、ステップS200で取得した商品情報に基づいて統合費用を算出し、ステップS206に移行する。
【0166】
ステップS206では、ステップS202、S204で算出した維持費用及び統合費用に基づいて評価情報を生成する。次いで、ステップS208に移行して、生成した評価情報を表示装置44に表示する。
【0167】
以下、
図21のステップS200において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録案件に対応する商品情報を
図20の商品情報テーブル420から取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0168】
図20に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」)を2件、商標登録出願(出願番号「2021-9999983」)を1件有している。そこで、特許事務所Wに依頼して、(1)3件の商標登録案件を維持する場合と、(2)3件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0169】
ステップS202において、維持費用Wは、各商標登録案件の区分数が1つであるので、2件の商標登録につき料金表600の区分数「1」に対応する更新費用及び1件の商標登録出願につき料金表600の区分数「1」に対応する登録費用となり、次のとおりとなる。
【0170】
(30,000+38,800)×2件+(50,000+28,200)×1件=215,800円
ステップS204において、統合費用Wは、区分数が3つとなるので、料金表600の区分数「3」に対応する出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0171】
50,000+29,200+50,000+84,600=213,800円
図27は、商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0172】
図27の例では、3件の商標登録案件について、維持費用が「215,800円」、統合費用が「213,800円」となり、維持費用>統合費用となるため、統合した方が維持するよりも「2,000円」安くなるといった内容の評価情報が表示される。
【0173】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の事業者が有する複数の商標登録案件に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、それら商標登録案件を維持する場合の維持費用と、それら商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用とを算出し、算出した維持費用及び統合費用に基づいて、複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0174】
これにより、商標登録案件の維持又は統合を検討することができる。
本実施の形態において、ステップS200は、発明1の商品情報取得手段に対応し、ステップS202は、発明1の維持費用算出手段に対応し、ステップS204は、発明1の統合費用算出手段に対応し、ステップS206は、発明1の評価情報生成手段に対応している。
【0175】
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。
図28乃至
図31は、本実施の形態を示す図である。その他、
図21を援用する。
【0176】
上記第5の実施の形態においては、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮しない場合について説明したが、本実施の形態では、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮して評価情報を生成する点で異なる。以下、上記第5の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0177】
図28は、商品情報テーブル420Aのデータ構造を示す図である。
記憶装置42は、
図28に示すように、商品情報テーブル420Aを記憶している。商品情報テーブル420Aは、上記第5の実施の形態の商品情報テーブル420と同様の構成となっており、登録されているデータが一部異なるものである。
【0178】
図28の例では、第1~5行目のレコードが「株式会社A」が有する商標登録案件に対応する商品情報であり、商標「A」について2件の商標登録案件に対応する商品情報と、商標「B」について3件の商標登録案件に対応する商品情報とが登録されている。第6~9行目のレコードが「株式会社B」が有する商標登録案件に対応する商品情報であり、商標「C」について3件の商標登録案件に対応する商品情報と、商標「D」について1件の商標登録案件に対応する商品情報とが登録されている。
【0179】
以下、
図21のステップS200において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録案件に対応する商品情報を
図28の商品情報テーブル420Aから取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0180】
図28に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」)を1件、商標登録出願(出願番号「2021-9999982」)を1件有している。そこで、特許事務所Zに依頼して、(1)2件の商標登録案件を維持する場合と、(2)2件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0181】
図29は、特許事務所Zの料金表630を示す図である。
ステップS202では、ステップS200で取得した商品情報に基づいて、特許事務所Zに依頼した場合の所定期間で発生する維持費用及びその合計を算出する。
【0182】
図30は、所定期間で発生する費用を考慮して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0183】
具体的に、初年度から50年目までの10年ごとの維持費用と、10年ごとのその費用の合計とを算出する。すなわち、維持費用は、料金表630から算出され、
図30に示すように、初年度が「127,000円」、10年目から50年目まで10年ごとに「137,600円」となる。また、維持費用の合計は、初年度から9年目までが「127,000円」、初年度から19年目までが「264,600円」、初年度から29年目までが「402,200円」、初年度から39年目までが「539,800円」、初年度から49年目までが「677,400円」、初年度から50年目までが「815,000円」となる。
【0184】
ステップS204では、ステップS200で取得した商品情報に基づいて、特許事務所Zに依頼した場合の所定期間で発生する統合費用及びその合計を算出する。
【0185】
具体的に、初年度の統合費用及び10年目から50年目までの10年ごとの統合費用と、10年ごとのその費用の合計とを算出する。初年度の統合費用は、料金表630から算出され、
図30に示すように、「177,000円」となる。10年目以降の統合費用は、10年目から50年目まで10年ごとに「107,600円」となる。また、統合費用の合計は、初年度から9年目までが「177,000円」、初年度から19年目までが「284,600円」、初年度から29年目までが「392,200円」、初年度から39年目までが「499,800円」、初年度から49年目までが「607,400円」、初年度から50年目までが「715,000円」となる。
【0186】
ステップS206では、ステップS202、S204で算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの合計に基づいて、
図30に示すように、これらの10年ごとの各費用と、差額の合計とを一覧表示した表と、この表の内容に基づく評価とが評価情報として生成される。そして、ステップS208において、生成された評価情報が表示される。
【0187】
図31は、商標登録案件を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
図31の例では、(1)上記2件の商標登録案件を維持する場合の維持費用の初年度から50年目までの合計の推移と、(2)上記2件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用の初年度から50年目までの合計の推移を比較して示している。
【0188】
図30及び
図31の例では、特許事務所Zに依頼した場合に、初年度は、統合費用の方が高いが、20年目以降は統合費用の方が維持費用よりも安くなっており、その内容が評価情報として表示されている。この評価情報によれば、20年目以降に発生する費用を考慮すると、初年度において統合を選択した方がよいと判断することができる。
【0189】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の事業者が有する複数の商標登録案件に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、それら商標登録案件を維持する場合に所定期間で発生する維持費用及びその合計と、それら商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する統合費用及びその合計とを算出し、算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの所定期間の合計に基づいて、複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0190】
これにより、商標登録案件の維持又は統合を期間で検討することができる。
本実施の形態において、ステップS202は、発明1及び3の維持費用算出手段に対応し、ステップS204は、発明1及び3の統合費用算出手段に対応し、ステップS206は、発明1の評価情報生成手段に対応している。
【0191】
〔第7の実施の形態〕
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。
図32は、本実施の形態を示す図である。その他、
図10、
図15、
図20及び
図21を援用する。
【0192】
本実施の形態は、同一の商標について同一の事業者が有する複数の商標登録案件について、特許事務所Xの料金表に基づいて、それら商標登録案件を維持する場合の維持費用Xを算出する。さらに、特許事務所Xとは異なる特許事務所Wの料金表に基づいて、それら商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用Wを算出する点で上記第5の実施の形態と異なる。以下、上記第5の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0193】
以下、
図21のステップS200において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録案件に対応する商品情報を
図20の商品情報テーブル420から取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0194】
図20に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」)を2件、商標登録出願(出願番号「2021-9999983」)を1件有している。そこで、(1)3件の商標登録案件を特許事務所Xに依頼して維持する場合と、(2)3件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を特許事務所Wに依頼して行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0195】
ステップS202において、維持費用Xは、各商標登録案件の区分数が1つであるので、2件の商標登録につき料金表610の区分数「1」に対応する更新費用及び1件の商標登録出願につき料金表600の区分数「1」に対応する登録費用となり、次のとおりとなる。
【0196】
(40,000+38,800)×2件+(50,000+28,200)=235,800円
ステップS204において、統合費用Wは、区分数が3つとなるので、料金表600の区分数「3」に対応する出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0197】
50,000+29,200+50,000+84,600=213,800円
ステップS206では、ステップS202、S204で算出した維持費用X及び統合費用Wに基づいて評価情報を生成する。次いで、ステップS208に移行して、生成した評価情報を表示する。
【0198】
図32は、特許事務所W、Xに依頼して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0199】
図32の例では、3件の商標登録案件について、維持費用Xが「235,800円」、統合費用Wが「213,800円」となり、維持費用X>統合費用Wとなる。このため、統合費用Wの方が維持費用Xよりも「22,000円」安くなるといった内容の評価情報が表示される。
【0200】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の事業者が有する複数の商標登録案件に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報及び料金表610に基づいて、それら商標登録案件を維持する場合の維持費用Xを算出し、取得した商品情報及び料金表600に基づいて、それら商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用Wを算出し、算出した維持費用X及び統合費用Wに基づいて、複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0201】
これにより、特許事務所Xに依頼して商標登録案件を維持する場合と、特許事務所Wに依頼して商標登録案件を統合する場合とを検討することができる。
【0202】
本実施の形態において、ステップS202は、発明1及び4の維持費用算出手段に対応し、ステップS204は、発明1及び4の統合費用算出手段に対応し、ステップS206は、発明1の評価情報生成手段に対応している。
【0203】
【0204】
上記第7の実施の形態においては、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮しない場合について説明したが、本実施の形態では、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮して評価情報を生成する点で異なる。以下、上記第7の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0205】
以下、
図21のステップS200において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録案件に対応する商品情報を
図28の商品情報テーブル420Aから取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0206】
図28に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」)を1件、商標登録出願(出願番号「2021-9999982」)を1件有している。そこで、(1)2件の商標登録案件を特許事務所Xに依頼して維持する場合と、(2)2件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を特許事務所Wに依頼して行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0207】
ステップS202では、ステップS200で取得した商品情報に基づいて、所定期間で発生する維持費用X及びその合計を算出する。
【0208】
図33は、特許事務所W、Xに依頼して所定期間で発生する費用を考慮して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0209】
具体的に、初年度から50年目までの10年ごとの維持費用Xと、10年ごとのその費用の合計とを算出する。すなわち、維持費用Xは、料金表610から算出され、
図33に示すように、初年度が「157,000円」、10年目から50年目まで10年ごとに「157,600円」となる。また、維持費用Xの合計は、初年度から9年目までが「157,000円」、初年度から19年目までが「314,600円」、初年度から29年目までが「472,200円」、初年度から39年目までが「629,800円」、初年度から49年目までが「787,400円」、初年度から50年目までが「945,000円」となる。
【0210】
ステップS204では、ステップS200で取得した商品情報に基づいて、所定期間で発生する統合費用W及びその合計を算出する。
【0211】
具体的に、初年度の統合費用W及び10年目から50年目までの10年ごとの統合費用Wと、10年ごとのその費用の合計とを算出する。初年度の統合費用Wは、料金表600から算出され、
図33に示すように、「177,000円」となる。10年目以降の統合費用Wは、10年目から50年目まで10年ごとに「107,600円」となる。また、統合費用Wの合計は、初年度から9年目までが「177,000円」、初年度から19年目までが「284,600円」、初年度から29年目までが「392,200円」、初年度から39年目までが「499,800円」、初年度から49年目までが「607,400円」、初年度から50年目までが「715,000円」となる。
【0212】
ステップS206では、ステップS202、S204で算出した維持費用X及び統合費用W並びにこれらの合計に基づいて、
図33に示すように、これらの10年ごとの各費用と、差額の合計とを一覧表示した表と、この表の内容に基づく評価とが評価情報として生成される。そして、ステップS208において、生成された評価情報が表示される。
【0213】
図34は、特許事務所W、Xに依頼して商標登録案件を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
図34の例では、(1)上記2件の商標登録案件を維持する場合の維持費用Xの初年度から50年目までの合計の推移と、(2)上記2件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用Wの初年度から50年目までの合計の推移を比較して示している。
【0214】
図33及び
図34の例では、初年度は、統合費用Wの方が高いが、10年目以降は統合費用Wの方が維持費用Xよりも安くなっており、その内容が評価情報として表示されている。この評価情報によれば、10年目以降に発生する費用を考慮すると、初年度において特許事務所Wによる統合を選択した方がよいと判断することができる。
【0215】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の事業者が有する複数の商標登録案件に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報及び料金表610に基づいて、それら商標登録案件を維持する場合に所定期間で発生する維持費用X及びその合計を算出し、取得した商品情報及び料金表600に基づいて、それら商標登録案件の内容を統合した商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する統合費用W及びその合計を算出し、算出した維持費用X及び統合費用W並びにこれらの所定期間の合計に基づいて、複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0216】
これにより、特許事務所Xに依頼して商標登録案件を維持する場合と、特許事務所Wに依頼して商標登録案件を統合する場合とを期間で検討することができる。
【0217】
本実施の形態において、ステップS202は、発明1、3及び4の維持費用算出手段に対応し、ステップS204は、発明1、3及び4の統合費用算出手段に対応し、ステップS206は、発明1の評価情報生成手段に対応している。
【0218】
〔第9の実施の形態〕
次に、本発明の第9の実施の形態を説明する。
図35乃至
図37は、本実施の形態を示す図である。その他、
図2及び
図10を援用する。
【0219】
(用語の定義)
以下の説明において、複数の商標登録案件の内容に対し追加したい商品(役務)を「追加商品(役務)」と表記し、追加商品(役務)が属する区分を「追加区分」と表記し、追加商品(役務)に関する商品情報を「追加商品情報」と表記する。
【0220】
本実施の形態は、同一の商標について同一の権利者が有する1又は複数の商標登録を維持又は統合する場合において、同一の商標について同一の権利者が追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合も考慮する点で上記第1の実施の形態と異なる。以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0221】
以下、CPU30で実行される維持統合評価処理を説明する。
図35は、維持統合評価処理を示すフローチャートである。
【0222】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図35のフローチャートに示す維持統合評価処理を実行する。
【0223】
維持統合評価処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図35に示すように、まず、ステップS300に移行する。
【0224】
ステップS300では、商品情報を取得する。商品情報の取得方法としては、例えば、上記第1の実施の形態における第1~第8取得方法を採用することができる。
【0225】
次いで、ステップS302に移行して、追加商品情報を取得する。以下、追加区分を商品情報として取得する場合の動作を説明する。
【0226】
図36は、追加区分を入力する画面である。
図36の入力画面で追加区分を入力して決定ボタンを押下することで、入力した区分が追加商品情報として取得される。
【0227】
その他、追加商品情報の取得方法としては、例えば、上記第1の実施の形態における第1~第7取得方法を採用することができる。すなわち、第1~第7取得方法により、自社又は他社が有する商標登録に対応する商品情報を追加商品情報として商品情報テーブル400から取得することができる。
【0228】
次いで、ステップS304に移行して、ステップS300、S302で取得した商品情報に基づいて維持費用を算出し、ステップS306に移行する。
【0229】
ステップS306では、ステップS300、S302で取得した商品情報に基づいて統合費用を算出し、ステップS308に移行する。
【0230】
ステップS308では、ステップS304、S306で算出した維持費用及び統合費用に基づいて評価情報を生成する。次いで、ステップS310に移行して、生成した評価情報を表示装置44に表示する。
【0231】
以下、
図35のステップS300において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を
図2の商品情報テーブル400から取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0232】
図2に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」「9,999,983」「9,999,984」)を4件有している。そこで、特許事務所Wに依頼して、(1)4件の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願(これら商標登録とは異なる他の1区分)を行う場合と、(2)4件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0233】
ステップS304において、維持費用Wは、各商標登録の区分数が1つであり且つ追加の商標登録出願の区分数も1つであるので、料金表600の区分数「1」に対応する更新費用、出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0234】
(30,000+38,800)×4件+(50,000+12,000+50,000+28,200)=415,400円
ステップS306において、統合費用Wは、区分数が5つとなるので、料金表600の区分数「5」に対応する出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0235】
50,000+46,400+50,000+141,000=287,400円
図37は、商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0236】
図37の例では、4件の商標登録及び追加商品(役務)について、維持費用が「415,400円」、統合費用が「287,400円」となり、維持費用>統合費用となるため、統合した方が維持費用よりも「128,000円」安くなるといった内容の評価情報が表示される。
【0237】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する1又は複数の商標登録に対応する商品情報及び追加商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、1又は複数の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合の維持費用と、1又は複数の商標登録の内容及び追加商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用とを算出し、算出した維持費用及び統合費用に基づいて、1又は複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0238】
これにより、商品(役務)の追加を含め、商標登録の維持又は統合を検討することができる。
【0239】
本実施の形態において、ステップS300は、発明2の商品情報取得手段に対応し、ステップS304は、発明2の維持費用算出手段に対応し、ステップS306は、発明2の統合費用算出手段に対応し、ステップS308は、発明2の評価情報生成手段に対応している。
【0240】
〔第10の実施の形態〕
次に、本発明の第10の実施の形態を説明する。
図38及び
図39は、本実施の形態を示す図である。その他、
図2、
図29及び
図35を援用する。
【0241】
上記第9の実施の形態においては、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮しない場合について説明したが、本実施の形態では、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮して評価情報を生成する点で異なる。以下、上記第9の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0242】
以下、
図35のステップS300において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を
図2の商品情報テーブル400から取得し、ステップS302において、商標「A」について追加商品情報を取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0243】
図2に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」「9,999,983」「9,999,984」)を4件有している。そこで、特許事務所Zに依頼して、(1)4件の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願(これら商標登録とは異なる他の1区分)を行う場合と、(2)4件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0244】
ステップS304では、ステップS300、S302で取得した商品情報に基づいて、特許事務所Zに依頼した場合の所定期間で発生する維持費用及びその合計を算出する。
【0245】
図38は、所定期間で発生する費用を考慮して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0246】
具体的に、初年度から50年目までの10年ごとの維持費用と、10年ごとのその費用の合計とを算出する。すなわち、維持費用は、料金表630から算出され、
図38に示すように、初年度が「375,400円」、10年目から50年目まで10年ごとに「344,000円」となる。また、維持費用の合計は、初年度から9年目までが「375,400円」、初年度から19年目までが「719,400円」、初年度から29年目までが「1,063,400円」、初年度から39年目までが「1,407,400円」、初年度から49年目までが「1,751,400円」、初年度から50年目までが「2,095,400円」となる。
【0247】
ステップS306では、ステップS300、S302で取得した商品情報に基づいて、特許事務所Zに依頼した場合の所定期間で発生する統合費用及びその合計を算出する。
【0248】
具体的に、初年度の統合費用及び10年目から50年目までの10年ごとの統合費用と、10年ごとのその費用の合計とを算出する。初年度の統合費用は、料金表630から算出され、
図38に示すように、「407,400円」となる。10年目以降の統合費用は、10年目から50年目まで10年ごとに「224,000円」となる。また、統合費用の合計は、初年度から9年目までが「407,400円」、初年度から19年目までが「631,400円」、初年度から29年目までが「855,400円」、初年度から39年目までが「1,079,400円」、初年度から49年目までが「1,303,400円」、初年度から50年目までが「1,527,400円」となる。
【0249】
ステップS308では、ステップS304、S306で算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの合計に基づいて、
図38に示すように、これらの10年ごとの各費用と、差額の合計とを一覧表示した表と、この表の内容に基づく評価とが評価情報として生成される。そして、ステップS310において、生成された評価情報が表示される。
【0250】
図39は、商標登録を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
図39の例では、(1)上記4件の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願を行う場合の維持費用の初年度から50年目までの合計の推移と、(2)上記4件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用の初年度から50年目までの合計の推移を比較して示している。
【0251】
図38及び
図39の例では、特許事務所Zに依頼した場合に、初年度は、統合費用の方が高いが、10年目以降は統合費用の方が維持費用よりも安くなっており、その内容が評価情報として表示されている。この評価情報によれば、10年目以降に発生する費用を考慮すると、初年度において統合を選択した方がよいと判断することができる。
【0252】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する1又は複数の商標登録に対応する商品情報及び追加商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、1又は複数の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する維持費用及びその合計と、1又は複数の商標登録の内容及び追加商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する統合費用及びその合計とを算出し、算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの所定期間の合計に基づいて、1又は複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0253】
これにより、商品(役務)の追加を含め、商標登録の維持又は統合を期間で検討することができる。
【0254】
本実施の形態において、ステップS304は、発明1及び3の維持費用算出手段に対応し、ステップS306は、発明1及び3の統合費用算出手段に対応し、ステップS308は、発明2の評価情報生成手段に対応している。
【0255】
〔第11の実施の形態〕
次に、本発明の第11の実施の形態を説明する。
図40は、本実施の形態を示す図である。その他、
図2、
図10、
図15及び
図35を援用する。
【0256】
本実施の形態は、同一の商標について同一の権利者が有する1又は複数の商標登録について、特許事務所Xの料金表に基づいて、1又は複数の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合の維持費用Xを算出する。さらに、特許事務所Xとは異なる特許事務所Wの料金表に基づいて、1又は複数の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用Wを算出する点で上記第9の実施の形態と異なる。以下、上記第9の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0257】
以下、
図35のステップS300において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を
図2の商品情報テーブル400から取得し、ステップS302において、商標「A」について追加商品情報を取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0258】
図2に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」「9,999,983」「9,999,984」)を4件有している。そこで、(1)4件の商標登録を特許事務所Xに依頼して維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願(これら商標登録とは異なる他の1区分)を行う場合と、(2)4件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を特許事務所Wに依頼して行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0259】
ステップS304において、維持費用Xは、各商標登録の区分数及び追加区分の数が1つであるので、料金表610の区分数「1」に対応する更新費用、出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0260】
(40,000+38,800)×4件+(50,000+12,000+50,000+28,200)=455,400円
ステップS306において、統合費用Wは、区分数が5つとなるので、料金表600の区分数「5」に対応する出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0261】
50,000+46,400+50,000+141,000=287,400円
ステップS308では、ステップS304、S306で算出した維持費用X及び統合費用Wに基づいて評価情報を生成する。次いで、ステップS310に移行して、生成した評価情報を表示する。
【0262】
図40は、特許事務所W、Xに依頼して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0263】
図40の例では、4件の商標登録及び追加商品(役務)について、維持費用Xが「455,400円」、統合費用Wが「287,400円」となり、維持費用X>統合費用Wとなる。このため、統合費用Wの方が維持費用Xよりも「168,000円」安くなるといった内容の評価情報が表示される。
【0264】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する1又は複数の商標登録に対応する商品情報及び追加商品情報を取得し、取得した商品情報及び料金表610に基づいて、1又は複数の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合の維持費用Xを算出し、取得した商品情報及び料金表600に基づいて、1又は複数の商標登録の内容及び追加商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用Wを算出し、算出した維持費用X及び統合費用Wに基づいて、1又は複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0265】
これにより、特許事務所Xに依頼して追加の商標登録出願を行うとともに商標登録を維持する場合と、特許事務所Wに依頼して追加分も含めて商標登録を統合する場合とを検討することができる。
【0266】
本実施の形態において、ステップS300は、発明2及び4の商品情報取得手段に対応し、ステップS306は、発明2及び4の維持費用算出手段に対応し、ステップS308は、発明2及び4の統合費用算出手段に対応し、ステップS310は、発明2の評価情報生成手段に対応している。
【0267】
【0268】
上記第11の実施の形態においては、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮しない場合について説明したが、本実施の形態では、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮して評価情報を生成する点で異なる。以下、上記第11の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0269】
以下、
図35のステップS300において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を
図2の商品情報テーブル400から取得し、ステップS302において、商標「A」について追加商品情報を取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0270】
図2に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」「9,999,983」「9,999,984」)を4件有している。そこで、(1)4件の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願(これら商標登録とは異なる他の1区分)を特許事務所Yに依頼して行う場合と、(2)4件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を特許事務所Zに依頼して行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0271】
ステップS304では、ステップS300、S302で取得した商品情報に基づいて、所定期間で発生する維持費用Y及びその合計を算出する。
【0272】
図41は、特許事務所Y、Zに依頼して所定期間で発生する費用を考慮して商標登録を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0273】
具体的に、初年度から50年目までの10年ごとの維持費用Yと、10年ごとのその費用の合計とを算出する。すなわち、維持費用Yは、料金表620から算出され、
図41に示すように、初年度が「335,400円」、10年目から50年目まで10年ごとに「294,000円」となる。また、維持費用Yの合計は、初年度から9年目までが「335,400円」、初年度から19年目までが「629,400円」、初年度から29年目までが「923,400円」、初年度から39年目までが「1,217,400円」、初年度から49年目までが「1,511,400円」、初年度から50年目までが「1,805,400円」となる。
【0274】
ステップS306では、ステップS300、S302で取得した商品情報に基づいて、特許事務所Zに依頼した場合の統合費用(以下「統合費用Z」という。)であって所定期間で発生する統合費用Z及びその合計を算出する。
【0275】
具体的に、初年度の統合費用Z及び10年目から50年目までの10年ごとの統合費用Zと、10年ごとのその費用の合計とを算出する。初年度の統合費用Zは、料金表630から算出され、
図41に示すように、「407,400円」となる。10年目以降の統合費用Zは、10年目から50年目まで10年ごとに「224,000円」となる。また、統合費用Zの合計は、初年度から9年目までが「407,400円」、初年度から19年目までが「631,400円」、初年度から29年目までが「855,400円」、初年度から39年目までが「1,079,400円」、初年度から49年目までが「1,303,400円」、初年度から50年目までが「1,527,400円」となる。
【0276】
ステップS308では、ステップS304、S306で算出した維持費用Y及び統合費用Z並びにこれらの合計に基づいて、
図41に示すように、これらの10年ごとの各費用と、差額の合計とを一覧表示した表と、この表の内容に基づく評価とが評価情報として生成される。そして、ステップS310において、生成された評価情報が表示される。
【0277】
図42は、特許事務所Y、Zに依頼して商標登録を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
図42の例では、(1)上記4件の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願を行う場合の維持費用Yの初年度から50年目までの合計の推移と、(2)上記4件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用Zの初年度から50年目までの合計の推移を比較して示している。
【0278】
図41及び
図42の例では、10年目までは、統合費用Zの方が高いが、20年目以降は統合費用Zの方が維持費用Yよりも安くなっており、その内容が評価情報として表示されている。この評価情報によれば、20年目以降に発生する費用を考慮すると、初年度において特許事務所Zによる統合を選択した方がよいと判断することができる。
【0279】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する1又は複数の商標登録に対応する商品情報及び追加商品情報を取得し、取得した商品情報及び料金表620に基づいて、1又は複数の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する維持費用Y及びその合計を算出し、取得した商品情報及び料金表630に基づいて、1又は複数の商標登録の内容及び追加商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する統合費用Z及びその合計を算出し、算出した維持費用Y及び統合費用Z並びにこれらの所定期間の合計に基づいて、1又は複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0280】
これにより、特許事務所Yに依頼して追加の商標登録出願を行うとともに商標登録を維持する場合と、特許事務所Zに依頼して追加分も含めて商標登録を統合する場合とを期間で検討することができる。
【0281】
本実施の形態において、ステップS304は、発明2、3及び4の維持費用算出手段に対応し、ステップS306は、発明2、3及び4の統合費用算出手段に対応し、ステップS308は、発明2の評価情報生成手段に対応している。
【0282】
〔第13の実施の形態〕
次に、本発明の第13の実施の形態を説明する。
図43及び
図44は、本実施の形態を示す図である。その他、
図10及び
図20を援用する。
【0283】
本実施の形態は、同一の商標について同一の事業者が有する1又は複数の商標登録案件を維持又は統合する場合において、同一の商標について同一の事業者が追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合も考慮する点で上記第5の実施の形態と異なる。以下、上記第5の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0284】
以下、CPU30で実行される維持統合評価処理を説明する。
図43は、維持統合評価処理を示すフローチャートである。
【0285】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図43のフローチャートに示す維持統合評価処理を実行する。
【0286】
維持統合評価処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図43に示すように、まず、ステップS400に移行する。
【0287】
ステップS400では、商品情報を取得する。商品情報の取得方法としては、例えば、上記第5の実施の形態における第9~第16取得方法を採用することができる。
【0288】
次いで、ステップS402に移行して、追加商品情報を取得する。追加商品情報の取得方法としては、例えば、上記第9の実施の形態におけるステップS302で例示の取得方法を採用することができる。その他、例えば、上記第5の実施の形態における第9~第16取得方法を採用することができる。すなわち、第9~第16取得方法により、自社又は他社が有する商標登録案件に対応する商品情報を追加商品情報として
図20の商品情報テーブル420から取得することができる。
【0289】
次いで、ステップS404に移行して、ステップS400、S402で取得した商品情報に基づいて維持費用を算出し、ステップS406に移行する。
【0290】
ステップS406では、ステップS400、S402で取得した商品情報に基づいて統合費用を算出し、ステップS408に移行する。
【0291】
ステップS408では、ステップS404、S406で算出した維持費用及び統合費用に基づいて評価情報を生成する。次いで、ステップS410に移行して、生成した評価情報を表示装置44に表示する。
【0292】
以下、
図43のステップS400において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録案件に対応する商品情報を
図20の商品情報テーブル420から取得し、ステップS402において、商標「A」について追加商品情報を取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0293】
図20に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」)を2件、商標登録出願(出願番号「2021-9999983」)を1件有している。そこで、特許事務所Wに依頼して、(1)3件の商標登録案件を維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願(これら商標登録案件とは異なる他の1区分)を行う場合と、(2)3件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0294】
ステップS404において、維持費用Wは、各商標登録案件及び追加の商標登録出願の区分数が1つであるので、2件の商標登録につき料金表600の区分数「1」に対応する更新費用及び1件の商標登録出願につき料金表600の区分数「1」に対応する登録費用、並びに追加の商標登録出願につき料金表600の区分数「1」に対応する出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0295】
(30,000+38,800)×2件+(50,000+28,200)×1件+(50,000+12,000+50,000+28,200)×1件=356,000円
ステップS406において、統合費用Wは、区分数が4つとなるので、料金表600の区分数「4」に対応する出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0296】
50,000+37,800+50,000+112,800=250,600円
図44は、商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0297】
図44の例では、3件の商標登録案件及び追加商品(役務)について、維持費用が「356,000円」、統合費用が「250,600円」となり、維持費用>統合費用となるため、統合した方が維持費用よりも「105,600円」安くなるといった内容の評価情報が表示される。
【0298】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の事業者が有する1又は複数の商標登録案件に対応する商品情報及び追加商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、1又は複数の商標登録案件を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合の維持費用と、1又は複数の商標登録案件の内容及び追加商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用とを算出し、算出した維持費用及び統合費用に基づいて、1又は複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0299】
これにより、商品(役務)の追加を含め、商標登録案件の維持又は統合を検討することができる。
【0300】
本実施の形態において、ステップS400は、発明2の商品情報取得手段に対応し、ステップS404は、発明2の維持費用算出手段に対応し、ステップS406は、発明2の統合費用算出手段に対応し、ステップS408は、発明2の評価情報生成手段に対応している。
【0301】
〔第14の実施の形態〕
次に、本発明の第14の実施の形態を説明する。
図45及び
図46は、本実施の形態を示す図である。その他、
図28、
図29及び
図43を援用する。
【0302】
上記第13の実施の形態においては、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮しない場合について説明したが、本実施の形態では、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮して評価情報を生成する点で異なる。以下、上記第13の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0303】
以下、
図43のステップS400において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録案件に対応する商品情報を
図28の商品情報テーブル420Aから取得し、ステップS402において、商標「A」について追加商品情報を取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0304】
図28に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」)を1件、商標登録出願(出願番号「2021-9999982」)を1件有している。そこで、特許事務所Zに依頼して、(1)2件の商標登録案件を維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願(これら商標登録案件とは異なる他の1区分)を行う場合と、(2)2件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0305】
ステップS404では、ステップS400、S402で取得した商品情報に基づいて、特許事務所Zに依頼した場合の所定期間で発生する維持費用及びその合計を算出する。
【0306】
図45は、所定期間で発生する費用を考慮して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0307】
具体的に、初年度から50年目までの10年ごとの維持費用と、10年ごとのその費用の合計とを算出する。すなわち、維持費用は、料金表630から算出され、
図45に示すように、初年度が「227,200円」、10年目から50年目まで10年ごとに「206,400円」となる。また、維持費用の合計は、初年度から9年目までが「227,200円」、初年度から19年目までが「433,600円」、初年度から29年目までが「640,000円」、初年度から39年目までが「846,400円」、初年度から49年目までが「1,052,800円」、初年度から50年目までが「1,259,200円」となる。
【0308】
ステップS406では、ステップS400、S402で取得した商品情報に基づいて、特許事務所Zに依頼した場合の所定期間で発生する統合費用及びその合計を算出する。
【0309】
具体的に、初年度の統合費用及び10年目から50年目までの10年ごとの統合費用と、10年ごとのその費用の合計とを算出する。初年度の統合費用は、料金表630から算出され、
図45に示すように、「253,800円」となる。10年目以降の統合費用は、10年目から50年目まで10年ごとに「146,400円」となる。また、統合費用の合計は、初年度から9年目までが「253,800円」、初年度から19年目までが「400,200円」、初年度から29年目までが「546,600円」、初年度から39年目までが「693,000円」、初年度から49年目までが「839,400円」、初年度から50年目までが「985,800円」となる。
【0310】
ステップS408では、ステップS404、S406で算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの合計に基づいて、
図45に示すように、これらの10年ごとの各費用と、差額の合計とを一覧表示した表と、この表の内容に基づく評価とが評価情報として生成される。そして、ステップS410において、生成された評価情報が表示される。
【0311】
図46は、商標登録案件を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
図46の例では、(1)上記2件の商標登録案件を維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願を行う場合の維持費用の初年度から50年目までの合計の推移と、(2)上記2件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用の初年度から50年目までの合計の推移を比較して示している。
【0312】
図45及び
図46の例では、特許事務所Zに依頼した場合に、初年度は、統合費用の方が高いが、10年目以降は統合費用の方が維持費用よりも安くなっており、その内容が評価情報として表示されている。この評価情報によれば、10年目以降に発生する費用を考慮すると、初年度において統合を選択した方がよいと判断することができる。
【0313】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の事業者が有する1又は複数の商標登録案件に対応する商品情報及び追加商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、1又は複数の商標登録案件を維持する場合に所定期間で発生する維持費用及びその合計と、1又は複数の商標登録案件の内容及び追加商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する統合費用及びその合計とを算出し、算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの所定期間の合計に基づいて、1又は複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0314】
これにより、商品(役務)の追加を含め、商標登録案件の維持又は統合を期間で検討することができる。
【0315】
本実施の形態において、ステップS404は、発明2及び3の維持費用算出手段に対応し、ステップS406は、発明2及び3の統合費用算出手段に対応し、ステップS408は、発明2の評価情報生成手段に対応している。
【0316】
〔第15の実施の形態〕
次に、本発明の第15の実施の形態を説明する。
図47は、本実施の形態を示す図である。その他、
図10、
図15、
図20及び
図43を援用する。
【0317】
本実施の形態は、同一の商標について同一の事業者が有する1又は複数の商標登録案件について、特許事務所Xの料金表に基づいて、1又は複数の商標登録案件を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合の維持費用Xを算出する。さらに、特許事務所Xとは異なる特許事務所Wの料金表に基づいて、1又は複数の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用Wを算出する点で上記第13の実施の形態と異なる。以下、上記第13の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0318】
以下、
図43のステップS400において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録案件に対応する商品情報を
図20の商品情報テーブル420から取得し、ステップS402において、商標「A」について追加商品情報を取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0319】
図20に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」「9,999,982」)を2件、商標登録出願(出願番号「2021-9999983」)を1件有している。そこで、(1)3件の商標登録案件を特許事務所Xに依頼して維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願(これら商標登録案件とは異なる他の1区分)を行う場合と、(2)3件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を特許事務所Wに依頼して行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0320】
ステップS404において、維持費用Xは、各商標登録案件の区分数及び追加区分の数が1つであるので、2件の商標登録につき料金表610の区分数「1」に対応する更新費用及び1件の商標登録出願につき料金表610の区分数「1」に対応する登録費用、並びに追加の商標登録出願につき料金表610の区分数「1」に対応する出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0321】
(40,000+38,800)×2件+(50,000+28,200)×1件+(50,000+12,000+50,000+28,200)×1件=376,000円
ステップS406において、統合費用Wは、区分数が4つとなるので、料金表600の区分数「4」に対応する出願費用及び登録費用の合計となり、次のとおりとなる。
【0322】
50,000+37,800+50,000+112,800=250,600円
ステップS408では、ステップS404、S406で算出した維持費用X及び統合費用Wに基づいて評価情報を生成する。次いで、ステップS410に移行して、生成した評価情報を表示する。
【0323】
図47は、特許事務所W、Xに依頼して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0324】
図47の例では、3件の商標登録案件及び追加商品(役務)について、維持費用Xが「376,000円」、統合費用Wが「250,600円」となり、維持費用X>統合費用Wとなる。このため、統合費用Wの方が維持費用Xよりも「125,400円」安くなるといった内容の評価情報が表示される。
【0325】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の事業者が有する1又は複数の商標登録案件に対応する商品情報及び追加商品情報を取得し、取得した商品情報及び料金表610に基づいて、1又は複数の商標登録案件を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合の維持費用Xを算出し、取得した商品情報及び料金表600に基づいて、1又は複数の商標登録案件の内容及び追加商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用Wを算出し、算出した維持費用X及び統合費用Wに基づいて、1又は複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0326】
これにより、特許事務所Xに依頼して追加の商標登録出願を行うとともに商標登録案件を維持する場合と、特許事務所Wに依頼して追加分も含めて商標登録案件を統合する場合とを検討することができる。
【0327】
本実施の形態において、ステップS400は、発明2及び4の商品情報取得手段に対応し、ステップS406は、発明2及び4の維持費用算出手段に対応し、ステップS408は、発明2及び4の統合費用算出手段に対応し、ステップS410は、発明2の評価情報生成手段に対応している。
【0328】
【0329】
上記第15の実施の形態においては、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮しない場合について説明したが、本実施の形態では、維持又は統合する場合に所定期間で発生する費用を考慮して評価情報を生成する点で異なる。以下、上記第15の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0330】
以下、
図43のステップS400において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録案件に対応する商品情報を
図28の商品情報テーブル420Aから取得し、ステップS402において、商標「A」について追加商品情報を取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0331】
図28に示すように、株式会社Aは、商標「A」について商標登録(登録番号「9,999,981」)を1件、商標登録出願(出願番号「2021-9999982」)を1件有している。そこで、(1)2件の商標登録案件を維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願(これら商標登録案件とは異なる他の1区分)を特許事務所Yに依頼して行う場合と、(2)2件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を特許事務所Zに依頼して行う場合とで、どちらが費用面で有利かを検討するための評価情報を生成する場合の動作を説明する。
【0332】
ステップS404では、ステップS400、S402で取得した商品情報に基づいて、所定期間で発生する維持費用Y及びその合計を算出する。
【0333】
図48は、特許事務所Y、Zに依頼して所定期間で発生する費用を考慮して商標登録案件を維持又は統合する場合の評価情報の表示画面である。
【0334】
具体的に、初年度から50年目までの10年ごとの維持費用Yと、10年ごとのその費用の合計とを算出する。すなわち、維持費用Yは、料金表620から算出され、
図48に示すように、初年度が「237,200円」、10年目から50年目まで10年ごとに「176,400円」となる。また、維持費用Yの合計は、初年度から9年目までが「237,200円」、初年度から19年目までが「413,600円」、初年度から29年目までが「590,000円」、初年度から39年目までが「766,400円」、初年度から49年目までが「942,800円」、初年度から50年目までが「1,119,200円」となる。
【0335】
ステップS406では、ステップS400、S402で取得した商品情報に基づいて、所定期間で発生する統合費用Z及びその合計を算出する。
【0336】
具体的に、初年度の統合費用Z及び10年目から50年目までの10年ごとの統合費用Zと、10年ごとのその費用の合計とを算出する。初年度の統合費用Zは、料金表630から算出され、
図48に示すように、「253,800円」となる。10年目以降の統合費用Zは、10年目から50年目まで10年ごとに「146,400円」となる。また、統合費用Zの合計は、初年度から9年目までが「253,800円」、初年度から19年目までが「400,200円」、初年度から29年目までが「546,600円」、初年度から39年目までが「693,000円」、初年度から49年目までが「839,400円」、初年度から50年目までが「985,800円」となる。
【0337】
ステップS408では、ステップS404、S406で算出した維持費用Y及び統合費用Z並びにこれらの合計に基づいて、
図48に示すように、これらの10年ごとの各費用と、差額の合計とを一覧表示した表と、この表の内容に基づく評価とが評価情報として生成される。そして、ステップS410において、生成された評価情報が表示される。
【0338】
図49は、特許事務所Y、Zに依頼して商標登録案件を維持又は統合する場合の費用の経過年数に対する合計の変化を示すグラフである。
図49の例では、(1)上記2件の商標登録案件を維持し且つ追加商品(役務)を含む1件の商標登録出願を行う場合の維持費用Yの初年度から50年目までの合計の推移と、(2)上記2件の商標登録案件を維持せずそれら商標登録案件に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用Zの初年度から50年目までの合計の推移を比較して示している。
【0339】
図48及び
図49の例では、初年度は、統合費用Zの方が高いが、10年目以降は統合費用Zの方が維持費用Yよりも安くなっており、その内容が評価情報として表示されている。この評価情報によれば、10年目以降に発生する費用を考慮すると、初年度において特許事務所Zによる統合を選択した方がよいと判断することができる。
【0340】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の事業者が有する1又は複数の商標登録案件に対応する商品情報及び追加商品情報を取得し、取得した商品情報及び料金表620に基づいて、1又は複数の商標登録案件を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する維持費用Y及びその合計を算出し、取得した商品情報及び料金表630に基づいて、1又は複数の商標登録案件の内容及び追加商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する統合費用Z及びその合計を算出し、算出した維持費用Y及び統合費用Z並びにこれらの所定期間の合計に基づいて、1又は複数の商標登録案件の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0341】
これにより、特許事務所Yに依頼して追加の商標登録出願を行うとともに商標登録案件を維持する場合と、特許事務所Zに依頼して追加分も含めて商標登録案件を統合する場合とを期間で検討することができる。
【0342】
本実施の形態において、ステップS404は、発明2、3及び4の維持費用算出手段に対応し、ステップS406は、発明2、3及び4の統合費用算出手段に対応し、ステップS408は、発明2の評価情報生成手段に対応している。
【0343】
【0344】
本実施の形態は、統合費用が維持費用を下回る時点、統合費用が維持費用を下回るまでの期間及び統合費用が維持費用を下回ったときの費用を特定し、特定した内容に基づく評価情報を生成する点で上記第2及び第10の実施の形態と異なる。以下、上記第2及び第10の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0345】
以下、CPU30で実行される維持統合評価処理を説明する。
図50は、維持統合評価処理を示すフローチャートである。
【0346】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図50のフローチャートに示す維持統合評価処理を実行する。
【0347】
維持統合評価処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図50に示すように、まず、ステップS500に移行する。
【0348】
ステップS500では、ステップS500と同様に商品情報を取得し、ステップS502に移行して、ステップS502と同様に追加商品情報を取得し、ステップS504に移行する。
【0349】
ステップS504では、ステップS304と同様に、ステップS500、S502で取得した商品情報に基づいて、所定期間で発生する維持費用及びその合計を算出し、ステップS506に移行する。
【0350】
ステップS506では、ステップS306と同様に、ステップS500、S502で取得した商品情報に基づいて、所定期間で発生する統合費用及びその合計を算出し、ステップS508に移行する。
【0351】
ステップS508では、ステップS504、S506で算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの合計に基づいて、統合費用が維持費用を下回る時点、統合費用が維持費用を下回るまでの期間及び統合費用が維持費用を下回ったときの費用を特定し、ステップS510に移行する。
【0352】
ステップS510では、ステップS508で特定した情報に基づいて評価情報を生成する。次いで、ステップS512に移行して、生成した評価情報を表示装置44に表示する。
【0353】
以下、ステップS500において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を
図12の商品情報テーブル400Aから取得し、ステップS502において、商標「A」について追加商品情報を入力しないこととして具体的な動作を説明する。また、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録はいずれも2021年4月が登録日であるとする。
【0354】
ステップS504、S506の動作については、上記第2の実施の形態におけるステップS102、S104と同様となる。すなわち、
図13に示すように、初年度から50年目までの維持費用及び統合費用並びにこれらの合計が算出される。
【0355】
ステップS508では、ステップS504、S506の算出結果に基づいて、統合費用が維持費用を下回る時点、統合費用が維持費用を下回るまでの期間及び統合費用が維持費用を下回ったときの費用として差額が特定される。
図13に示すように、10年目において、差額がプラスとなっていることから、統合費用が維持費用を下回る時点が「2031年4月」、統合費用が維持費用を下回るまでの期間が「10年」、統合費用が維持費用を下回ったときの差額が「52,600円」とそれぞれ特定される。
【0356】
ステップS510、S512では、ステップS508で特定した情報に基づいて評価情報が生成され、生成された評価情報が表示される。
【0357】
図51は、統合費用が維持費用を下回る時点、期間及び費用を示す評価情報の表示画面である。
【0358】
図51の例では、統合費用が維持費用を下回る時点、期間及び費用は、「2031年4月」「10年」「52,600円」といった内容が評価情報として表示される。なお、評価情報として、
図13の評価情報も一緒に又は別に表示するようにしてもよい。
【0359】
以下、ステップS500において、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を
図2の商品情報テーブル400から取得し、ステップS502において、商標「A」について追加商品情報を取得したこととして具体的な動作を説明する。
【0360】
ステップS504、S506の動作については、上記第10の実施の形態におけるステップS304、S306と同様となる。すなわち、
図38に示すように、初年度から50年目までの維持費用及び統合費用並びにこれらの合計が算出される。
【0361】
ステップS508では、ステップS504、S506の算出結果に基づいて、統合費用が維持費用を下回る時点、統合費用が維持費用を下回るまでの期間及び統合費用が維持費用を下回ったときの費用として差額が特定される。
図38に示すように、10年目において、差額がプラスとなっていることから、統合費用が維持費用を下回る時点が「2031年4月」、統合費用が維持費用を下回るまでの期間が「10年」、統合費用が維持費用を下回ったときの差額が「88,000円」とそれぞれ特定される。
【0362】
ステップS510、S512では、ステップS508で特定した情報に基づいて評価情報が生成され、生成された評価情報が表示される。
【0363】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、それら商標登録を維持する場合に所定期間で発生する維持費用及びその合計と、それら商標登録の内容を統合した商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する統合費用及びその合計とを算出し、算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの所定期間の合計に基づいて、統合費用が維持費用を下回る時点、期間及び費用を特定し、この特定した内容に基づいて、複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0364】
これにより、統合費用が維持費用を下回る時点、期間及び費用を把握することができる。
【0365】
また、商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する1又は複数の商標登録に対応する商品情報及び追加商品情報を取得し、取得した商品情報及び料金表に基づいて、1又は複数の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する維持費用及びその合計と、1又は複数の商標登録の内容及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合に所定期間で発生する統合費用及びその合計とを算出し、算出した維持費用及び統合費用並びにこれらの所定期間の合計に基づいて、統合費用が維持費用を下回る時点、期間及び費用を特定し、この特定した内容に基づいて、1又は複数の商標登録の維持又は統合に関する評価情報を生成し、生成した評価情報を表示する。
【0366】
これにより、統合費用が維持費用を下回る時点、期間及び費用を把握することができる。
【0367】
本実施の形態において、ステップS500は、発明1、3及び5の商品情報取得手段に対応し、ステップS504は、発明1及び3の維持費用算出手段に対応し、ステップS506は、発明1及び3の統合費用算出手段に対応し、ステップS508は、発明5の特定手段に対応し、ステップS510は、発明1の評価情報生成手段に対応している。
【0368】
〔第18の実施の形態〕
次に、本発明の第18の実施の形態を説明する。
図52乃至
図54は、本実施の形態を示す図である。
【0369】
本実施の形態は、評価情報に代えて、商標登録の統合を提案する提案先となる権利者の権利者情報を含む提案先リストを生成する点で上記第1の実施の形態と異なる。以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0370】
まず、記憶装置42のデータ構造を説明する。
図52は、商品情報テーブル400Bのデータ構造を示す図である。
【0371】
記憶装置42は、
図52に示すように、商品情報テーブル400Bを記憶している。商品情報テーブル400Bは、上記第1の実施の形態の商品情報テーブル400と同様の構成となっており、登録されているデータが一部異なるものである。
【0372】
図52の例では、第1~5行目のレコードが「株式会社A」が有する商標登録に対応する商品情報であり、商標「A」について4件の商標登録に対応する商品情報と、商標「B」について1件の商標登録に対応する商品情報とが登録されている。第6~9行目のレコードが「株式会社B」が有する商標登録に対応する商品情報であり、商標「C」について3件の商標登録に対応する商品情報と、商標「D」について1件の商標登録に対応する商品情報とが登録されている。第10~13行目のレコードが「株式会社C」が有する商標登録に対応する商品情報であり、商標「E」について4件の商標登録に対応する商品情報が登録されている。第14~16行目のレコードが「株式会社D」が有する商標登録に対応する商品情報であり、商標「F」について1件の商標登録に対応する商品情報と、商標「G」について2件の商標登録に対応する商品情報とが登録されている。
【0373】
次に、CPU30で実行される提案先リスト生成処理を説明する。
図53は、提案先リスト生成処理を示すフローチャートである。
【0374】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図53のフローチャートに示す提案先リスト生成処理を実行する。
【0375】
提案先リスト生成処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図53に示すように、まず、ステップS600に移行する。
【0376】
ステップS600では、権利者リストから権利者を設定する。権利者リストは、例えば、商品情報テーブル400Bであれば、権利者である株式会社A~Dがそれぞれ1つずつ登録されたリストとなり、これらのうちから未設定の1の権利者が設定される。
【0377】
次いで、ステップS602に移行して、ステップS600で設定した権利者に対応する商標リストから商標を設定する。商標リストは、例えば、ステップS600で設定した権利者が「株式会社A」である場合に、商品情報テーブル400Bにおける、株式会社Aが有する商標登録に係る商標「A」「B」がそれぞれ1つずつ登録されたリストとなり、このリストから未設定の1の商標が設定される。
【0378】
次いで、ステップS604に移行して、ステップS600で設定した権利者及びステップS602で設定した商標に対応する商品情報を取得する。例えば、ステップS600で設定した権利者が「株式会社A」、ステップS602で設定した商標が商標「A」であれば、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報を商品情報テーブル400Bから取得する。
【0379】
次いで、ステップS606に移行して、ステップS102と同様に、ステップS604で取得した商品情報に基づいて維持費用を算出する。例えば、権利者として「株式会社A」が設定され且つ商標「A」が設定されている場合に、商標「A」について株式会社Aが有する4件の商標登録を維持する場合の維持費用が算出される。
【0380】
次いで、ステップS608に移行して、ステップS104と同様に、ステップS604で取得した商品情報に基づいて統合費用を算出する。例えば、権利者として「株式会社A」が設定され且つ商標「A」が設定されている場合に、商標「A」について株式会社Aが有する4件の商標登録の内容を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用が算出される。
【0381】
次いで、ステップS610に移行して、ステップS608で算出した統合費用が、ステップS606で算出した維持費用を下回るか否かを判定し、統合費用が維持費用を下回ると判定した場合(Yes)は、ステップS612に移行する。
【0382】
ステップS612では、ステップS604で取得した商品情報に基づいて、現在設定されている権利者の権利者情報を提案先リストに追加する。権利者情報としては、例えば、権利者の名称及び住所が提案先リストに追加される。
【0383】
次いで、ステップS614に移行して、現在設定されている権利者に対応する商標リストに登録されたすべての商標について処理が終了したか否かを判定し、処理が終了したと判定した場合(Yes)は、ステップS616に移行する。
【0384】
ステップS616では、権利者リストに登録されたすべての権利者について処理が終了したか否かを判定し、処理が終了したと判定した場合(Yes)は、ステップS620に移行して、提案先リストを記憶装置42に記憶し、一連の処理を終了する。
【0385】
一方、ステップS616で、すべての権利者について処理が終了していないと判定した場合(No)は、ステップS622に移行して、現在設定されている権利者に代えて権利者リスト中の次の未設定の権利者を設定し、ステップS602に移行する。
【0386】
一方、ステップS614で、すべての商標について処理が終了していないと判定した場合(No)は、ステップS618に移行して、現在設定されている商標に代えて商標リスト中の次の未設定の商標を設定し、ステップS604に移行する。
【0387】
一方、ステップS610で、統合費用が維持費用を下回らないと判定した場合(No)は、ステップS614に移行する。
【0388】
以下、
図52の商品情報テーブル400Bから提案先リストを生成する場合の具体的な動作を説明する。
図54は、提案先リストの一例を示す図である。
【0389】
図52に示すように、株式会社Aは、商標「A」について4件の商標登録を有しているので、ステップS606において、これらの維持費用が「275,200円」と算出され、ステップS608において、これらの統合費用が「250,600円」と算出される。これにより、ステップS610において、「維持費用275,200円>統合費用250,600円」と判定され、ステップS612において、
図54の例に示すように、権利者情報として「株式会社A」「神奈川県鎌倉市」が提案先リストに追加される。
【0390】
株式会社Bは、商標「C」について3件の商標登録を有するが「維持費用206,400円<213,800円」となるので提案先リストには追加されない。
【0391】
株式会社Cは、商標「E」について4件の商標登録を有し「維持費用275,200円>統合費用250,600円」となるので、
図54の例に示すように、権利者情報として「株式会社E」「神奈川県平塚市」が提案先リストに追加される。
【0392】
株式会社Dは、商標「G」について2件の商標登録を有するが「維持費用137,600円<177,000円」となるので提案先リストには追加されない。
【0393】
このようにして
図54に例示した提案先リストが生成され、生成された提案先リストが記憶装置42に記憶される。
【0394】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録を維持する場合の維持費用及びそれら商標登録の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出し、統合費用が維持費用を下回る商標登録に対応する権利者情報を取得し、取得した権利者情報を含む提案先リストを生成する。
【0395】
これにより、統合費用が維持費用を下回る商標登録を有する権利者の権利者情報が得られる。
【0396】
本実施の形態において、ステップS606、S608は、発明6の費用算出手段に対応し、ステップS610、S612は、発明6の事業者情報取得手段に対応している。
【0397】
〔第19の実施の形態〕
次に、本発明の第19の実施の形態を説明する。
図55及び
図56は、本実施の形態を示す図である。その他、
図52を援用する。
【0398】
本実施の形態は、権利者情報に加えて案件情報も含む提案先リストを生成する点で上記第18の実施の形態と異なる。以下、上記第18の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0399】
以下、提案先リスト生成処理を説明する。
図55は、提案先リスト生成処理を示すフローチャートである。
【0400】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図55のフローチャートに示す提案先リスト生成処理を実行する。
【0401】
提案先リスト生成処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図55に示すように、まず、ステップS700に移行する。
【0402】
ここで、ステップS700~S710及びステップS714~S722の処理については、上記第18の実施の形態におけるステップS600~S610及びステップS614~S622の処理と同様となるので説明を省略する。
【0403】
ステップS712では、ステップS704で取得した商品情報に基づいて、現在設定されている権利者の権利者情報並びに現在設定されている権利者及び商標に対応する案件情報を提案先リストに追加する。案件情報としては、例えば、商標、登録番号、区分及び指定商品(役務)が提案先リストに追加される。
【0404】
以下、
図52の商品情報テーブル400Bから提案先リストを生成する場合の具体的な動作を説明する。
図56は、提案先リストの一例を示す図である。
【0405】
図52に示すように、株式会社Aは、商標「A」について4件の商標登録を有しているので、ステップS710において、「維持費用275,200円>統合費用250,600円」と判定される。このため、ステップS712において、
図56の例に示すように、提案先リストの1行目には、権利者情報として、「株式会社A」「神奈川県鎌倉市」が、案件情報として、商標「A」、登録番号「9,999,981」、区分「30」及び指定商品(役務)「菓子,パン,サンドイッチ」が追加される。提案先リストの2行目には、同権利者情報が、案件情報として、同商標、登録番号「9,999,982」、区分「29」及び指定商品(役務)「ジャム,コンポート,加工野菜及び加工果実」が追加される。提案先リストの3行目には、同権利者情報が、案件情報として、同商標、登録番号「9,999,983」、区分「43」及び指定商品(役務)「飲食物の提供,宿泊施設の提供」が追加される。提案先リストの4行目には、同権利者情報が、案件情報として、同商標、登録番号「9,999,984」、区分「16」及び指定商品(役務)「印刷物,文房具類」が追加される。
【0406】
株式会社Bは、商標「C」について3件の商標登録を有するが「維持費用206,400円<213,800円」となるので提案先リストには追加されない。
【0407】
株式会社Cは、商標「E」について4件の商標登録を有し「維持費用275,200円>統合費用250,600円」となるので、
図56の例に示すように、提案先リストの5行目には、権利者情報として「株式会社E」「神奈川県平塚市」が、案件情報として、商標「E」、登録番号「9,999,990」、区分「30」及び指定商品(役務)「菓子,パン,サンドイッチ」が追加される。提案先リストの6行目には、同権利者情報が、案件情報として、同商標、登録番号「9,999,991」、区分「29」及び指定商品(役務)「ジャム,コンポート,加工野菜及び加工果実」が追加される。提案先リストの7行目には、同権利者情報が、案件情報として、同商標、登録番号「9,999,992」、区分「43」及び指定商品(役務)「飲食物の提供,宿泊施設の提供」が追加される。提案先リストの8行目には、同権利者情報が、案件情報として、同商標、登録番号「9,999,993」、区分「16」及び指定商品(役務)「印刷物,文房具類」が追加される。
【0408】
株式会社Dは、商標「G」について2件の商標登録を有するが「維持費用137,600円<177,000円」となるので提案先リストには追加されない。
【0409】
このようにして
図56に例示した提案先リストが生成され、生成された提案先リストが記憶装置42に記憶される。
【0410】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録を維持する場合の維持費用及びそれら商標登録の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出し、統合費用が維持費用を下回る商標登録に対応する権利者情報及び案件情報を取得し、取得した権利者情報を含む提案先リストを生成する。
【0411】
これにより、統合費用が維持費用を下回る商標登録を有する権利者の権利者情報及び案件情報が得られる。
【0412】
本実施の形態において、ステップS706、S708は、発明7の費用算出手段に対応し、ステップS710、S712は、発明7の事業者情報取得手段に対応している。
【0413】
〔第20の実施の形態〕
次に、本発明の第20の実施の形態を説明する。
図57乃至
図60は、本実施の形態を示す図である。その他、
図10を援用する。
【0414】
本実施の形態は、提案先リストに代えて、商品リストを生成する点で上記第18の実施の形態と異なる。以下、上記第18の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0415】
まず、記憶装置42のデータ構造を説明する。
図57は、商品情報テーブル400Cのデータ構造を示す図である。
【0416】
記憶装置42は、
図57に示すように、商品情報テーブル400Cを記憶している。商品情報テーブル400Cは、上記第1の実施の形態の商品情報テーブル400と同様の構成となっており、登録されているデータが一部異なるものである。
【0417】
図57の例では、第1~7行目のレコードが「株式会社A」が有する商標登録に対応する商品情報であり、商標「A」について5件の商標登録に対応する商品情報と、商標「B」について2件の商標登録に対応する商品情報とが登録されている。第8~11行目のレコードが「株式会社B」が有する商標登録に対応する商品情報であり、商標「C」について3件の商標登録に対応する商品情報と、商標「D」について1件の商標登録に対応する商品情報とが登録されている。第12~15行目のレコードが「株式会社C」が有する商標登録に対応する商品情報であり、商標「E」について4件の商標登録に対応する商品情報が登録されている。第16~18行目のレコードが「株式会社D」が有する商標登録に対応する商品情報であり、商標「F」について1件の商標登録に対応する商品情報と、商標「G」について2件の商標登録に対応する商品情報とが登録されている。
【0418】
次に、CPU30で実行される商品リスト生成処理を説明する。
図58は、商品リスト生成処理を示すフローチャートである。
【0419】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図58のフローチャートに示す商品リスト生成処理を実行する。
【0420】
商品リスト生成処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図58に示すように、まず、ステップS800に移行する。
【0421】
ここで、ステップS800~S808の処理については、上記第18の実施の形態におけるステップS600~S608の処理と同様となるので説明を省略する。
【0422】
ステップS810では、ステップS808で算出した統合費用が、ステップS806で算出した維持費用を下回るか否かを判定し、統合費用が維持費用を下回ると判定した場合(Yes)は、ステップS812に移行する。
【0423】
ステップS812では、ステップS804で取得した商品情報に基づいて、現在設定されている商標について現在設定されている権利者が有する商標登録に対応する商品情報を商品リストに追加する。商品情報としては、例えば、区分及び指定商品(役務)が商品リストに追加される。
【0424】
次いで、ステップS814に移行して、ステップS812で商品情報を追加した商品リストにおいて区分及び指定商品(役務)の重複分を削除する。ここで、重複分を削除とは、例えば、同一の商標について異なる2つの商標登録で同じ区分及び重複する指定商品(役務)が指定されている場合に、区分を1つに統合するとともに両者の指定商品(役務)の重複部分を削除する処理である。例えば、2件の商標登録において同じ区分「30」で指定商品(役務)として「菓子」が重複して指定されていた場合は、区分を1つに統合して両者の指定商品(役務)を合わせたときに重複するの「菓子」の一方を削除する。
【0425】
次いで、ステップS816に移行して、ステップS814で重複分を削除した商品リストを記憶装置42に記憶する。これにより、権利者ごと及び同一の商標ごとに、維持費用>統合費用となる商標登録に対応する商品情報を登録した商品リストが生成される。
【0426】
次いで、ステップS818に移行して、現在設定されている権利者に対応する商標リストに登録されたすべての商標について処理が終了したか否かを判定し、処理が終了したと判定した場合(Yes)は、ステップS822に移行する。
【0427】
ステップS822では、権利者リストに登録されたすべての権利者について処理が終了したか否かを判定し、処理が終了したと判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了する。
【0428】
一方、ステップS822で、すべての権利者について処理が終了していないと判定した場合(No)は、ステップS824に移行して、現在設定されている権利者に代えて権利者リスト中の次の未設定の権利者を設定し、ステップS802に移行する。
【0429】
一方、ステップS818で、すべての商標について処理が終了していないと判定した場合(No)は、ステップS820に移行して、現在設定されている商標に代えて商標リスト中の次の未設定の商標を設定し、ステップS804に移行する。
【0430】
一方、ステップS810で、統合費用が維持費用を下回らないと判定した場合(No)は、ステップS818に移行する。
【0431】
以下、
図57の商品情報テーブル400Cに基づいて、商標「A」について株式会社Aが有する商品リストを生成する場合の具体的な動作を説明する。また、維持費用及び統合費用は、
図10の料金表600に基づいて算出することとする。
図59は、重複分を削除する前の商品リストの一例を示す図であり、
図60(a)は、重複分を削除した後の商品リストの一例を示す図であり、(b)は、(a)の商品リストから作成される願書情報の一例を示す図である。
【0432】
図57に示すように、株式会社Aは、商標「A」について5件の商標登録を有しているので、ステップS806において、これらの維持費用が「344,000円」と算出され、ステップS808において、これらの統合費用が「250,600円」(統合後の区分数が4つ)と算出される。これにより、ステップS810において、「維持費用344,000円>統合費用250,600円」と判定され、ステップS812において、
図59の例に示すように、区分「30」「30」「29」「43」「16」と、これらの区分に属する指定商品(役務)「菓子,パン,サンドイッチ」「菓子,調味料」「ジャム,コンポート,加工野菜及び加工果実」「飲食物の提供,宿泊施設の提供」「印刷物,文房具類」とが商品リストに追加される。
【0433】
図59の商品リストでは、区分「30」が重複するとともに、区分「30」に属する指定商品(役務)の「菓子」が重複しているので、ステップS814において、区分「30」が1つに統合されるとともに、指定商品(役務)「菓子,パン,サンドイッチ,菓子,調味料」のうち重複する「菓子」の一方が削除され、さらに、区分の数字が小さい順に並び変えられて、
図60(a)に示す商品リストが生成される。すなわち、
図60(a)の例に示すように、区分「16」「29」「30」「43」と、これらの区分に属する指定商品(役務)「印刷物,文房具類」「ジャム,コンポート,加工野菜及び加工果実」「菓子,パン,サンドイッチ,調味料」「飲食物の提供,宿泊施設の提供」とが登録された商品リストが生成される。
【0434】
また、商標「A」について株式会社Aが有する5件の商標登録を統合した新たな商標登録出願を行う場合に、
図60(a)の商品リストに基づいて、
図60(b)に示すように、商標登録出願の願書に記載する記載事項の一部を作成することができる。
【0435】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する複数の商標登録を維持する場合の維持費用及びそれら商標登録の内容を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出し、統合費用が維持費用を下回る商標登録に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、複数の商標登録に係る指定商品(役務)を含み且つ指定商品(役務)の重複を排除した商品リストを生成する。
【0436】
これにより、商品(役務)が重複しない商品リストが得られる。
本実施の形態において、ステップS804は、発明8の商品情報取得手段に対応し、ステップS806、S808は、発明8の費用算出手段に対応し、ステップS812、S814は、発明8の商品リスト生成手段に対応している。
【0437】
〔第21の実施の形態〕
次に、本発明の第21の実施の形態を説明する。
図61乃至
図63は、本実施の形態を示す図である。その他、
図57及び
図59を援用する。
【0438】
本実施の形態は、追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合を考慮した商品リストを生成する点で上記第20の実施の形態と異なる。以下、上記第20の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0439】
以下、CPU30で実行される商品リスト生成処理を説明する。
図61は、商品リスト生成処理を示すフローチャートである。
【0440】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図61のフローチャートに示す商品リスト生成処理を実行する。
【0441】
商品リスト生成処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図61に示すように、まず、ステップS900に移行する。
【0442】
ここで、ステップS900~S904の処理については、上記第20の実施の形態におけるステップS800~S804の処理と同様となるので説明を省略する。
【0443】
ステップS906では、追加商品情報を取得し、取得した商品情報を商品リストに追加する。
【0444】
図62は、追加商品(役務)を入力する画面である。
図62の入力画面で追加区分及び追加商品(役務)を入力して決定ボタンを押下することで、入力した区分及び商品(役務)が追加商品情報として取得される。
【0445】
その他、追加商品情報の取得方法としては、例えば、上記第1の実施の形態における第1~第7取得方法を採用することができる。すなわち、第1~第7取得方法により、自社又は他社が有する商標登録に対応する商品情報を追加商品情報として商品情報テーブル400Cから取得することができる。
【0446】
次いで、ステップS908に移行して、上記第9の実施の形態におけるステップS304と同様に、ステップS904、S906で取得した商品情報に基づいて維持費用を算出する。例えば、権利者として「株式会社A」が設定され且つ商標「A」が設定されている場合に、商標「A」について株式会社Aが有する5件の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合の維持費用が算出される。
【0447】
次いで、ステップS910に移行して、上記第9の実施の形態におけるステップS306と同様に、ステップS904、S906で取得した商品情報に基づいて統合費用を算出する。例えば、権利者として「株式会社A」が設定され且つ商標「A」が設定されている場合に、商標「A」について株式会社Aが有する5件の商標登録の内容及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用が算出される。
【0448】
次いで、ステップS912に移行して、ステップS910で算出した統合費用が、ステップS908で算出した維持費用を下回るか否かを判定し、統合費用が維持費用を下回ると判定した場合(Yes)は、ステップS914に移行する。
【0449】
ステップS914では、ステップS904、S906で取得した商品情報に基づいて、現在設定されている商標について現在設定されている権利者が有する商標登録に対応する商品情報及び追加商品情報を商品リストに追加する。商品情報としては、例えば、区分及び指定商品(役務)が商品リストに追加される。
【0450】
次いで、ステップS916に移行して、ステップS914で商品情報を追加した商品リストにおいて区分及び指定商品(役務)の重複分を削除する。重複部分の削除については、上記第20の実施の形態と同様となる。
【0451】
以降のステップS918~S926の処理は、上記第20の実施の形態のステップS816~S824の処理と同様となるので説明を省略する。
【0452】
以下、
図57の商品情報テーブル400Cに基づいて、商標「A」について株式会社Aが有する商標登録及び
図62に例示した追加分も含めて商品リストを生成する場合の具体的な動作を説明する。
図63(a)は、重複分を削除した後の商品リストの一例を示す図であり、(b)は、(a)の商品リストから作成される願書情報の一例を示す図である。
【0453】
図57に示すように、株式会社Aは、商標「A」について5件の商標登録を有している。そこで、ステップS906において、株式会社Aが有する商標登録に係る商標「A」について、
図62の例に示すように、区分「30」及び商品(役務)「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー」が追加商品情報として取得される。そして、ステップS908において、これらの維持費用が「484,200円」と算出され、ステップS910において、これらの統合費用が「250,600円」(統合後の区分数が4つ)と算出される。これにより、ステップS912において、「維持費用484,200円>統合費用250,600円」と判定され、ステップS914において、上記5件の商標登録に対応する商品情報及び追加商品情報が商品リストに追加される。
【0454】
これにより、上記第20の実施の形態における
図59の商品リストに、
図62の区分及び商品(役務)を追加した商品リストが生成される。この商品リストにおいて、区分「30」が重複するとともに、区分「30」に属する指定商品(役務)のうち「菓子」が3つ重複し、「パン」「サンドイッチ」がそれぞれ2つ重複しているので、ステップS916において、区分「30」が1つに統合されるとともに、追加分を含む指定商品(役務)「菓子,パン,サンドイッチ,菓子,調味料,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー」のうち、3つ重複する「菓子」の2つと、2つ重複する「パン」「サンドイッチ」の一方とが削除される。さらに、区分の数字が小さい順に並び変えられて、
図63(a)に示す商品リストが生成される。すなわち、
図63(a)の例に示すように、区分「16」「29」「30」「43」と、これらの区分に属する指定商品(役務)「印刷物,文房具類」「ジャム,コンポート,加工野菜及び加工果実」「菓子,パン,サンドイッチ,調味料,中華まんじゅう,ハンバーガー」「飲食物の提供,宿泊施設の提供」とが登録された商品リストが生成される。
【0455】
また、商標「A」について株式会社Aが有する5件の商標登録の内容及び追加商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合に、
図63(a)の商品リストに基づいて、
図63(b)に示すように、商標登録出願の願書に記載する記載事項の一部を作成することができる。
【0456】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の商標について同一の権利者が有する1又は複数の商標登録を維持し且つ追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合の維持費用を算出し、1又は複数の商標登録の内容及び追加商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合の統合費用を算出し、統合費用が維持費用を下回る商標登録に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報及び追加商品情報に基づいて、1又は複数の商標登録に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を含み且つこれら商品(役務)の重複を排除した商品リストを生成する。
【0457】
これにより、商品(役務)が重複しない商品リストが得られる。
本実施の形態において、ステップS904は、発明9の商品情報取得手段に対応し、ステップS908は、発明9の維持費用算出手段に対応し、ステップS910は、発明9の統合費用算出手段に対応し、ステップS914、S916は、発明9の商品リスト生成手段に対応している。
【0458】
〔第22の実施の形態〕
次に、本発明の第22の実施の形態を説明する。
図64乃至
図66は、本実施の形態を示す図である。その他、
図57を援用する。
【0459】
本実施の形態は、上記第20の実施の形態が権利者ごと且つ商標ごとに商品リストを生成するのに対し、指定した権利者ごとに商品リストを生成する点が異なる。以下、上記第20の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0460】
以下、CPU30で実行される商品リスト生成処理を説明する。
図64は、商品リスト生成処理を示すフローチャートである。
【0461】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図64のフローチャートに示す商品リスト生成処理を実行する。
【0462】
商品リスト生成処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図64に示すように、まず、ステップS1000に移行する。
【0463】
ステップS1000では、指定した権利者が有する商標登録について商品情報を取得する。例えば、
図57の商品情報テーブル400Cにおいて株式会社Aを指定した場合は、商標「A」「B」について株式会社Aが有する商標登録に対応する商品情報(区分及び指定商品(役務))が、商品情報テーブル400Cから取得される。
【0464】
次いで、ステップS1002に移行して、ステップS1000で取得した商品情報を商品リストに追加する。商品情報としては、例えば、区分及び指定商品(役務)が商品リストに追加される。
【0465】
次いで、ステップS1004に移行して、ステップS814と同様に、ステップS1002で商品情報を追加した商品リストにおいて区分及び指定商品(役務)の重複分を削除し、ステップS1006に移行する。
【0466】
ステップS1006では、ステップS1004で生成した商品リストを記憶装置42に記憶し、一連の処理を終了する。すなわち、指定した権利者が有するすべての商標登録について商品リストが生成される。
【0467】
以下、
図57の商品情報テーブル400Cに基づいて、株式会社Aを指定して商品リストを生成する場合の具体的な動作を説明する。
図65は、重複分を削除する前の商品リストの一例を示す図であり、
図66(a)は、重複分を削除した後の商品リストの一例を示す図であり、(b)は、(a)の商品リストから作成される願書情報の一例を示す図である。
【0468】
図57の例に示すように、株式会社Aは、商標「A」について5件の商標登録と、商標「B」について2件の商標登録を有しているので、ステップS1000において、これら7件の商標登録に対応する商品情報(区分及び指定商品(役務))が商品情報テーブル400Cから取得される。次いで、ステップS1002において、取得したこれら7件の商標登録に対応する商品情報が商品リストに追加され、
図65の商品リストが生成される。すなわち、
図65の例に示すように、区分「30」「30」「29」「43」「16」「35」「43」と、これらの区分に属する指定商品(役務)「菓子,パン,サンドイッチ」「菓子,調味料」「ジャム,コンポート,加工野菜及び加工果実」「飲食物の提供,宿泊施設の提供」「印刷物,文房具類」「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」「飲食物の提供,会議室の貸与」とが商品リストに追加される。
【0469】
図65の商品リストでは、区分「30」「43」が重複するとともに、区分「30」に属する指定商品(役務)の「菓子」が重複し、区分「43」に属する指定商品(役務)の「飲食物の提供」が重複しているので、ステップS1004において、区分「30」が1つに統合されるとともに、指定商品(役務)「菓子,パン,サンドイッチ,菓子,調味料」のうち、重複する「菓子」の一方が削除される。加えて、区分「43」が1つに統合されるとともに、指定商品(役務)「飲食物の提供,宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議室の貸与」のうち、重複する「飲食物の提供」の一方が削除される。さらに、区分の数字が小さい順に並び変えられて、
図66(a)に示す商品リストが生成される。すなわち、
図66(a)の例に示すように、区分「16」「29」「30」「35」「43」と、これらの区分に属する指定商品(役務)「印刷物,文房具類」「ジャム,コンポート,加工野菜及び加工果実」「菓子,パン,サンドイッチ,調味料」「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」「飲食物の提供,宿泊施設の提供、会議室の貸与」とが登録された商品リストが生成される。
【0470】
このようにして、株式会社Aが有する7件の商標登録に係るすべての区分及び指定商品(役務)の重複を排除した商品リストが生成される。このような商品リストは、例えば、多数の商標登録を有する権利者が、ハウスマークなど権利者を代表するブランドマークについて商標登録の取得を検討する場合に有用となる。
【0471】
また、株式会社Aが自社の商標登録の内容を考慮した新たな商標登録出願を行う場合に、
図66(a)の商品リストに基づいて、
図66(b)に示すように、商標登録出願の願書に記載する記載事項の一部を作成することができる。
【0472】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の権利者が有する複数の商標登録に対応する商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、複数の商標登録に係る指定商品(役務)を含み且つ指定商品(役務)の重複を排除した商品リストを生成する。
【0473】
これにより、商品(役務)が重複しない商品リストが得られる。
本実施の形態において、ステップS1000は、発明10の商品情報取得手段に対応し、ステップS1002、S1004は、発明10の商品リスト生成手段に対応している。
【0474】
〔第23の実施の形態〕
次に、本発明の第23の実施の形態を説明する。
図67及び
図68は、本実施の形態を示す図である。その他、
図57及び
図62を援用する。
【0475】
本実施の形態は、追加商品(役務)を含む商標登録出願を行う場合の商品リストを生成する点で上記第22の実施の形態と異なる。以下、上記第22の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0476】
CPU30で実行される商品リスト生成処理を説明する。
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、
図67のフローチャートに示す商品リスト生成処理を実行する。
【0477】
図67は、商品リスト生成処理を示すフローチャートである。
商品リスト生成処理は、ユーザからの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、
図67に示すように、まず、ステップS1100に移行する。
【0478】
ステップS1100では、ステップS1000と同様に商品情報を取得し、ステップS1102に移行して、上記第21の実施の形態におけるステップS906と同様に追加商品情報を取得し、ステップS1104に移行する。
【0479】
ステップS1104では、ステップS1100、S1102で取得した商品情報を商品リストに追加し、ステップS1106に移行する。
【0480】
ステップS1106では、ステップS1004と同様に、ステップS1104で商品情報を追加した商品リストにおいて区分及び指定商品(役務)の重複分を削除し、ステップS1108に移行する。
【0481】
ステップS1108では、ステップS1106で生成した商品リストを記憶装置42に記憶し、一連の処理を終了する。すなわち、指定した権利者が有するすべての商標登録及び追加商品(役務)について商品リストが生成される。
【0482】
以下、
図57の商品情報テーブル400Cに基づいて、株式会社Aを指定して商品リストを生成する場合の具体的な動作を説明する。
図68(a)は、重複分を削除した後の商品リストの一例を示す図であり、(b)は、(a)の商品リストから作成される願書情報の一例を示す図である。
【0483】
図57の例に示すように、株式会社Aは、商標「A」について5件の商標登録と、商標「B」について2件の商標登録を有しているので、ステップS1100において、これら7件の商標登録に対応する商品情報(区分及び指定商品(役務))が商品情報テーブル400Cから取得される。次いで、ステップS1102において、
図62の例に示すように、区分「30」及び商品(役務)「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー」が追加商品情報として取得される。次いで、ステップS1104において、取得したこれら7件の商標登録に対応する商品情報及び追加商品情報が商品リストに追加される。すなわち、区分「30」「30」「29」「43」「16」「35」「43」及び追加分の「30」と、これらの区分に属する指定商品(役務)「菓子,パン,サンドイッチ」「菓子,調味料」「ジャム,コンポート,加工野菜及び加工果実」「飲食物の提供,宿泊施設の提供」「印刷物,文房具類」「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」「飲食物の提供,会議室の貸与」「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー」とが商品リストに追加される。
【0484】
この商品リストでは、区分「30」「43」が重複するとともに、区分「30」に属する指定商品(役務)の「菓子」が3つ重複し、「パン」「サンドイッチ」がそれぞれ2つ重複し、区分「43」に属する指定商品(役務)の「飲食物の提供」が2つ重複している。このため、ステップS1106において、区分「30」が1つに統合されるとともに、指定商品(役務)のうち重複分が削除される。加えて、区分「43」が1つに統合されるとともに、指定商品(役務)のうち重複分が削除される。さらに、区分の数字が小さい順に並び変えられて、
図68(a)に示す商品リストが生成される。すなわち、
図68(a)の例に示すように、区分「16」「29」「30」「35」「43」と、これらの区分に属する指定商品(役務)「印刷物,文房具類」「ジャム,コンポート,加工野菜及び加工果実」「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,調味料」「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」「飲食物の提供,宿泊施設の提供、会議室の貸与」とが登録された商品リストが生成される。
【0485】
このようにして、株式会社Aが有する7件の商標登録に係るすべての区分及び指定商品(役務)並びに追加区分及び指定商品(役務)の重複を排除した商品リストが生成される。このような商品リストは、例えば、多数の商標登録を有する権利者が、ハウスマークなど権利者を代表するブランドマークについて商標登録の取得を検討する場合に有用となる。
【0486】
また、株式会社Aが自社の商標登録の内容及び追加商品(役務)を考慮した新たな商標登録出願を行う場合に、
図68(a)の商品リストに基づいて、
図68(b)に示すように、商標登録出願の願書に記載する記載事項の一部を作成することができる。
【0487】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
商標支援装置100は、同一の権利者が有する1又は複数の商標登録に対応する商品情報及び追加商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて、複数の商標登録に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を含み且つこれら商品(役務)の重複を排除した商品リストを生成する。
【0488】
これにより、商品(役務)が重複しない商品リストが得られる。
本実施の形態において、ステップS1100は、発明11の商品情報取得手段に対応し、ステップS1104、S1106は、発明11の商品リスト生成手段に対応している。
【0489】
〔変形例〕
なお、上記第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14及び第16の実施の形態においては、現在から所定期間で発生する費用の合計を算出したが、これに限らず、現在以外の時点を基準時として設定し、基準時から所定期間で発生する費用の合計を算出することができる。
図69は、3件の商標登録が2年後、4年後、6年後にそれぞれ更新期限を迎える場合において、(1)3件の商標登録を維持する場合の維持費用の合計の推移と、(2)3年後(基準時=3年後)に統合を行う場合の統合費用の合計の推移と、(3)5年後(基準時=5年後)に統合を行う場合の統合費用の合計の推移と、(4)年後(基準時=7年後)に統合を行う場合の統合費用の合計の推移とを比較して示している。基準時は、現在よりも過去の時点を設定してもよい。
【0490】
図69に示すように、統合を行う時点をシミュレーションする場合において、どの時点で統合を行うのがよいかを提案することができる。例えば、2年後に更新期限を迎える商標登録が存在する場合に、商標登録の残存費用(費用(出願費用及び登録費用又は過去に更新を行っている場合は更新費用)を商標権の存続期間で除算し更新までの残り期間を乗じて得た費用)が最も小さくなる2年後に更新をせず統合を行うことを提案することができる。
【0491】
また、上記第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14及び第16の実施の形態並びにその変形例においては、複数の商標登録が同時に更新期限を迎える場合において費用を算出したが、これに限らず、更新期限を別々に迎える場合の費用を算出することができる。
図70は、3件の商標登録が2年後、4年後、6年後にそれぞれ更新期限を迎える場合の維持費用と統合費用との経過年数に対する合計費用の変化を示すグラフである。
【0492】
図70の例では、3件の商標登録が2年後、4年後、6年後にそれぞれ更新期限を迎える場合において、(1)3件の商標登録を維持する場合の維持費用の合計の推移と、(2)3件の商標登録を維持せずそれら商標登録に係る指定商品(役務)を統合した新たな商標登録出願を行う場合の統合費用の合計の推移を比較して示している。
【0493】
初年度から15年目までは維持費用よりも統合費用の方が高く、16~19年目までは統合費用よりも維持費用の方が高く、20~23年目までは維持費用よりも統合費用の方が高く、24~29年目までは統合費用よりも維持費用の方が高く、30~31年目までは維持費用よりも統合費用の方が高く、32~50年目までは統合費用よりも維持費用の方が高くなる。したがって、例えば、初年度~31年目まではそのまま維持し、32年目以降は統合するといった判断が可能となる。
【0494】
また、上記第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14及び第16の実施の形態並びにその変形例においては、評価情報として差額を生成、表示したが、これに限らず、統合費用から維持費用を減算した費用を生成、表示することができる。
【0495】
また、上記第17の実施の形態及びその変形例においては、統合費用が維持費用を下回る時点、期間及び費用を特定したが、これに限らず、統合費用が維持費用を下回る時点、期間及び費用のうち少なくとも1つを特定することができる。
【0496】
また、上記第17の実施の形態及びその変形例においては、統合費用が維持費用を下回ったときの費用として差額を特定したが、これに限らず、統合費用が維持費用を下回ったときの統合費用、維持費用その他の費用(例えば、統合費用から維持費用を減算した費用)を特定することができる。
【0497】
また、上記第17の実施の形態及びその変形例においては、統合費用が維持費用を下回る時点、期間及び費用を特定したが、これに限らず、統合費用が維持費用と同一となる時点、期間及び費用を特定することができる。これにより、統合費用が維持費用と同一となる時点、期間及び費用を把握することができる。
【0498】
また、上記第17の実施の形態及びその変形例は、上記第2及び第10の実施の形態を前提として構成したが、これに限らず、上記第4、第6、第8、第12、第14及び第16の実施の形態及びその変形例を前提として構成することができる。すなわち、(1)維持又は統合の対象が商標登録のみか商標登録及び商標登録出願か、(2)追加商品(役務)を考慮するか否か、(3)維持費用及び統合費用の算出にあたって異なる特許事務所の料金表を用いるか否かについての各構成要素を任意の組み合わせで採用した構成に対し、上記第17の実施の形態及びその変形例を適用することができる。
【0499】
また、上記第18~第21の実施の形態及びその変形例においては、ステップS610、S710、S810、S912で統合費用が維持費用を下回るか否かを判定したが、これに限らず、統合費用が維持費用以下であるか否か、又は統合費用が維持費用と同一であるか否かを判定することができる。すなわち、統合費用が維持費用と同一となる商標登録をリスト追加への対象とすることができる。これにより、統合費用が維持費用と同一となる商標登録を有する権利者の権利者情報、案件情報又は商品情報が得られる。
【0500】
また、上記第18~第20の実施の形態及びその変形例においては、上記第1の実施の形態における維持費用及び統合費用の算出方法を適用したが、これに限らず、上記第2~第8の実施の形態における維持費用及び統合費用の算出方法を適用することができる。
【0501】
また、上記第21の実施の形態及びその変形例においては、上記第9の実施の形態における維持費用及び統合費用の算出方法を適用したが、これに限らず、上記第10~第16の実施の形態における維持費用及び統合費用の算出方法を適用することができる。
【0502】
また、上記第18及び第19の実施の形態並びにその変形例において、事業者の名称等を提案先リストに追加する場合に併せて、その商標登録の維持又は統合に関する評価情報を提案先リストに追加することができる。例えば、上記第1~第16の実施の形態における評価情報を生成し、事業者の名称等とともに又は事業者の名称等に代えて提案先リストに追加する。
【0503】
また、上記第18及び第19の実施の形態の変形例として、同一の事業者が有するすべての商標登録案件に対応する権利者情報を取得する構成、同一の事業者が有する一部の商標登録案件に対応する権利者情報を取得する構成を採用することができる。
【0504】
また、上記第19の実施の形態の変形例として、同一の事業者が有するすべての商標登録案件に対応する案件情報を取得する構成、同一の事業者が有する一部の商標登録案件に対応する案件情報を取得する構成を採用することができる。
【0505】
また、上記第20の実施の形態及びその変形例においては、
図60(b)の願書情報を
図60(a)の商品リストから作成したが、これに限らず、ステップS812~S816において、
図60(b)の内容の商品リストを生成することができる。
【0506】
また、上記第21の実施の形態及びその変形例においては、
図63(b)の願書情報を
図63(a)の商品リストから作成したが、これに限らず、ステップS912~S918において、
図63(b)の内容の商品リストを生成することができる。
【0507】
また、上記第22の実施の形態及びその変形例においては、
図66(b)の願書情報を
図66(a)の商品リストから作成したが、これに限らず、ステップS1002~S1006において、
図66(b)の内容の商品リストを生成することができる。
【0508】
また、上記第23の実施の形態及びその変形例においては、
図68(b)の願書情報を
図68(a)の商品リストから作成したが、これに限らず、ステップS1104~S1108において、
図68(b)の内容の商品リストを生成することができる。
【0509】
また、上記第20~第23の実施の形態及びその変形例において、商標登録に係る指定商品(役務)をそのまま利用するのではなく、第1商品(役務)を第2商品(役務)と対応づけて記憶する変換テーブルを記憶装置42に記憶しておき、商標登録に係る指定商品(役務)(第2商品(役務))に対応する第1商品(役務)をテーブルから取得することにより商標登録に係る指定商品(役務)を第1商品(役務)に変換した上で、商品(役務)の重複を排除した商品リストを生成することができる。ここで、第1商品(役務)としては、例えば、(1)第2商品(役務)を包含する上位概念の商品(役務)、(2)第2商品(役務)に包含される下位概念の商品(役務)、(3)第2商品(役務)に対応し所定の基準(例えば、現在の審査基準)に適合する商品(役務)、(4)書換制度等において第2商品(役務)を置き換えた商品(役務)(書換前又は書換後の商品又は役務)を採用することができる。
【0510】
また、上記第1~第8及び第17~第20の実施の形態並びにその変形例において、統合費用は、商標登録案件に係る指定商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合を想定して算出したが、これに限らず、上記変換テーブルを用いて指定商品(役務)を変換した商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合を想定して算出することができる。前者と後者では区分数が異なり、統合費用が異なることがあり得る。
【0511】
また、上記第9~第16及び第21の実施の形態並びにその変形例において、統合費用は、商標登録案件に係る指定商品(役務)及び追加商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合を想定して算出したが、これに限らず、(1)上記変換テーブルを用いて指定商品(役務)及び追加商品(役務)を変換した商品(役務)を統合した商標登録出願を行う場合、(2)上記変換テーブルを用いて指定商品(役務)を変換した商品(役務)及び追加商品(役務)統合した商標登録出願を行う場合、又は(3)上記変換テーブルを用いて追加商品(役務)を変換した商品(役務)及び指定商品(役務)統合した商標登録出願を行う場合を想定して算出することができる。前者と後者(1)~(3)では区分数が異なり、統合費用が異なることがあり得る。
【0512】
また、上記第18~第20及び第22の実施の形態並びにその変形例は、上記第1の実施の形態を前提として構成したが、これに限らず、上記第2~第16の実施の形態及びその変形例を前提として構成することができる。すなわち、(1)維持又は統合の対象が商標登録のみか商標登録及び商標登録出願か、(2)追加商品(役務)を考慮するか否か、(3)所定期間で発生する費用を考慮するか否か、(4)維持費用及び統合費用の算出にあたって異なる特許事務所の料金表を用いるか否かについての各構成要素を任意の組み合わせで採用した構成に対し、上記第18~第20及び第22の実施の形態並びにその変形例を適用することができる。
【0513】
また、上記第21及び第23の実施の形態並びにその変形例は、上記第9の実施の形態を前提として構成したが、これに限らず、上記第10~第16の実施の形態及びその変形例を前提として構成することができる。すなわち、(1)維持又は統合の対象が商標登録のみか商標登録及び商標登録出願か、(2)所定期間で発生する費用を考慮するか否か、(3)維持費用及び統合費用の算出にあたって異なる特許事務所の料金表を用いるか否かについての各構成要素を任意の組み合わせで採用した構成に対し、上記第21及び第23の実施の形態並びにその変形例を適用することができる。
【0514】
また、上記第21の実施の形態及びその変形例においては、追加商品情報の取得処理(ステップS906の処理)をステップS904の直後に設けたが、これに限らず、例えば、次の構成を採用することができる。
【0515】
第1の構成は、追加商品情報の取得処理をステップS900の直後に設け、ステップS926の処理が終了するとステップS902に戻る。すなわち、複数の権利者に対し共通の追加区分及び追加商品(役務)を入力する。
【0516】
第2の構成は、追加商品情報の取得処理をステップS902の直後に設け、ステップS922の処理が終了するとステップS904に戻る。すなわち、同一の権利者が有する商標登録に係る複数の商標について共通の追加区分及び追加商品(役務)を入力する。
【0517】
第3の構成は、追加商品情報の取得処理のうち追加区分を取得する処理をステップS904の直後に設け、追加商品情報の取得処理のうち追加商品(役務)を取得する処理をステップS912又はステップS914の直後に設ける。すなわち、維持費用及び統合費用を算出するために追加区分を入力し、統合費用が維持費用を下回った商標登録についてのみ追加商品(役務)を入力する。なお、追加区分を取得する処理は、上記第1の構成と同様にステップS900の直後に設けてもよいし、上記第2の構成と同様にステップS902の直後に設けてもよい。
【0518】
第4の構成は、上記第21の実施の形態又は上記第1~第3の構成において追加区分を入力して商品リストを生成し、生成した商品リストを表示した後、追加商品(役務)を取得し、商品リストを生成し直す。すなわち、商品リストに追加される候補を確認した上で追加商品(役務)を入力する。
【0519】
また、上記第1~第4、第9~第12及び第17~第23の実施の形態並びにその変形例においては、同一の権利者が有する同一の商標についての商標登録を対象としたが、これに限らず、関連の権利者が有する同一の商標についての商標登録を対象とすることができる。関連の権利者としては、例えば、資本関係がある権利者、支配関係がある権利者、競合関係にある権利者、その他事業主体が関連する権利者が含まれる。具体的な構成としては、例えば、権利者Aと関連の権利者Bを権利者Aと対応づけて記憶するテーブルを記憶装置42に記憶しておき、対象権利者Aに対応する権利者Bをテーブルから取得し、対象権利者A及び権利者Bが有する同一の商標についての商品情報を取得する構成を採用することができる。
【0520】
また、上記第5~第8及び第13~第16の実施の形態並びにその変形例においては、同一の事業者が有する同一の商標についての商標登録案件を対象としたが、これに限らず、関連の事業者が有する同一の商標についての商標登録案件を対象とすることができる。関連の事業者としては、例えば、資本関係がある事業者、支配関係がある事業者、競合関係にある事業者、その他事業主体が関連する事業者が含まれる。具体的な構成としては、例えば、事業者Aと関連の事業者Bを事業者Aと対応づけて記憶するテーブルを記憶装置42に記憶しておき、対象事業者Aに対応する事業者Bをテーブルから取得し、対象事業者A及び事業者Bが有する同一の商標についての商品情報を取得する構成を採用することができる。
【0521】
また、上記第18~第23の実施の形態及びその変形例においては、権利者情報を、当該権利者が有する商標登録に係る指定商品(役務)と対応づけて記憶したが、これに限らず、例えば、次の構成を採用することができる。
【0522】
第1の構成は、事業者Aの事業者情報を、事業者Aと同一又は類似の業種に属する他の事業者Bが出願人又は権利者となる商標登録案件に係る指定商品(役務)と対応づけて記憶する。ここで、指定商品(役務)に代えて、(1)指定商品(役務)を包含する上位概念の商品(役務)、(2)指定商品(役務)に包含される下位概念の商品(役務)、(3)指定商品(役務)に対応し所定の基準(例えば、現在の審査基準)に適合する商品(役務)、(4)書換制度等において指定商品(役務)を置き換えた商品(役務)(書換前又は書換後の商品又は役務)を採用することができる。以下の第2~第8の構成において同じである。
【0523】
第2の構成は、事業者Aの事業者情報を、事業者Aと同一又は近い地域の事業者Bが出願人又は権利者となる商標登録案件に係る指定商品(役務)と対応づけて記憶する。
【0524】
第3の構成は、事業者Aの事業者情報を、事業者Aと同一又は近い属性の事業者Bが出願人又は権利者となる商標登録案件に係る指定商品(役務)と対応づけて記憶する。
【0525】
第4の構成は、事業者Aの事業者情報を、事業者Aと関連の事業者Bが出願人又は権利者となる商標登録案件に係る指定商品(役務)と対応づけて記憶する。ここで、関連の事業者としては、例えば、資本関係がある事業者、支配関係がある事業者、競合関係にある事業者、その他事業主体が関連する事業者が含まれる。以下、第8の構成において同じである。
【0526】
第5の構成は、事業者Aと同一又は類似の業種に属する他の事業者Bの事業者情報を、事業者Aが出願人又は権利者となる商標登録案件に係る指定商品(役務)と対応づけて記憶する。
【0527】
第6の構成は、事業者Aと同一又は近い地域の事業者Bの事業者情報を、事業者Aが出願人又は権利者となる商標登録案件に係る指定商品(役務)と対応づけて記憶する。
【0528】
第7の構成は、事業者Aと同一又は近い属性の事業者Bの事業者情報を、事業者Aが出願人又は権利者となる商標登録案件に係る指定商品(役務)と対応づけて記憶する。
【0529】
第8の構成は、事業者Aと関連の事業者Bの事業者情報を、事業者Aが出願人又は権利者となる商標登録案件に係る指定商品(役務)と対応づけて記憶する。
【0530】
第9の構成は、商標公報を用いることなく、事業者情報を商品(役務)と対応づけて記憶する。
【0531】
また、上記第1~第21の実施の形態及びその変形例において、料金表600~630に基づいて所定の算出方法により維持費用及び統合費用を算出したが、これに限らず、任意の要素を規定した料金規定情報(例えば料金表)(維持費用又は統合費用そのものを規定した料金規定情報を含む。)を採用することができ、任意の算出方法(料金規定情報を用いない算出方法を含む。)を採用することができる。例えば、次の構成を採用することができる。
【0532】
第1の構成は、指定商品(役務)に基づいて維持費用又は統合費用を算出する(
図71、72)。
図71は、商品情報テーブルを示す図であり、
図72は、区分変換テーブルを示す図である。例えば、維持又は統合の対象となる商標登録案件に係る指定商品(役務)を
図71の商品情報テーブルから取得し、取得した指定商品(役務)に対応する区分を
図72の区分変換テーブルから取得し、取得した区分の数及び料金規定情報に基づいて維持費用又は統合費用を算出する。また例えば、指定商品(役務)又はその数、統計量(例えば、出現回数、出現率、順位、差分、分散、標準誤差、標準偏差、偏差値、平均値、中央値、最頻値、尖度、歪度、最小値、最大値その他の統計量)その他の要素(第1及び第2の構成において「指定商品(役務)等」という。)に基づいて維持費用若しくは統合費用又はこれを算出するための要素を規定した料金規定情報を設け、指定商品(役務)等及び料金規定情報に基づいて維持費用又は統合費用を算出する。
【0533】
第2の構成は、第1の構成において、料金規定情報を設けず、指定商品(役務)又は指定商品(役務)等に基づいて所定の演算式により維持費用又は統合費用を算出する。
【0534】
第3の構成は、指定商品(役務)に割り当てられる類似群コードに基づいて維持費用又は統合費用を算出する(
図73、74)。
図73は、商品情報テーブルを示す図であり、
図74は、区分変換テーブルを示す図である。例えば、維持又は統合の対象となる商標登録案件に係る指定商品(役務)に割り当てられる類似群コードを
図73の商品情報テーブルから取得し、取得した類似群コードに対応する区分を
図74の区分変換テーブルから取得し、取得した区分の数及び料金規定情報に基づいて維持費用又は統合費用を算出する。また例えば、類似群コード又はその数、統計量(例えば、出現回数、出現率、順位、差分、分散、標準誤差、標準偏差、偏差値、平均値、中央値、最頻値、尖度、歪度、最小値、最大値その他の統計量)その他の要素(第3~第5の構成において「類似群コード等」という。)に基づいて維持費用若しくは統合費用又はこれを算出するための要素を規定した料金規定情報を設け、類似群コード等及び料金規定情報に基づいて維持費用又は統合費用を算出する。
【0535】
第4の構成は、第3の構成において、料金規定情報を設けず、類似群コード又は類似群コード等に基づいて所定の演算式により維持費用又は統合費用を算出する。
【0536】
第5の構成は、第3又は第4の構成において、類似群コード又は類似群コード等に代えて、他の分類コード又は独自の分類コードその他の商品情報を採用する。
【0537】
その他の構成として、維持費用又は統合費用を任意に規定することができる。同様に、維持費用又は統合費用を算出するための要素や方法も任意に規定することができる。
【0538】
また、上記第1~第23の実施の形態及びその変形例においては、同一の商標についての商標登録案件を維持又は統合の対象としたが、これに限らず、(1)実質的に同一の商標(書体に変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更する商標、外観において同視される図形からなる商標その他社会通念上同一と認められる商標を含む。)、(2)同一の商標を構成の一部に含む商標、又は(3)実質的に同一の商標を構成の一部に含む商標についての商標登録案件を維持又は統合の対象とすることができる。さらに、類似の商標、又は類似の商標を構成の一部に含む商標についての商標登録案件を維持又は統合の対象とすることができる。
【0539】
また、上記第1~第23の実施の形態及びその変形例においては、1つの区分のみを含む商標登録案件を対象としたが、これに限らず、2以上の区分を含む商標登録案件を対象とすることができる。この場合、例えば、第29類及び第30類を含む商標登録案件と、第30類及び第31類を含む商標登録案件とを統合する場合、新たな商標登録出願の区分数は、第29類、第30類及び第31類の3つになる。
【0540】
また、上記第9~第16、第21及び第23の実施の形態並びにその変形例において、追加商品(役務)は、1つの区分に属する商品(役務)としたが、これに限らず、2以上の区分に属する商品(役務)とすることができる。また、追加区分の数を任意に決定することができる構成のほか、固定(例えば、追加区分の数は1つだけ)とする構成を採用することができる。
【0541】
また、上記第9~第16、第21及び第23の実施の形態並びにその変形例において、追加商品(役務)は、事業者が有する商標登録案件とは異なる区分に属する商品(役務)としたが、これに限らず、追加商品(役務)の一部又は全部は、事業者が有する商標登録案件と同一の区分に属する商品(役務)とすることができる。
【0542】
また、上記第1~第4及び第9~第12の実施の形態並びにその変形例においては、商標登録案件として商標登録のみを対象とし、第5~第8及び第13~第16の実施の形態並びにその変形例においては、商標登録案件として商標登録出願及び商標登録を対象としたが、これに限らず、商標登録案件として商標登録出願のみを対象とすることができる。
【0543】
また、上記第1~第21の実施の形態及びその変形例において、1の商標登録出願に統合する場合を想定して統合費用を算出したが、これに限らず、複数の商標登録出願に統合する場合を想定して統合費用を算出することができる。
【0544】
また、上記第1~第16の実施の形態及びその変形例において、評価情報としては、例えば、(1)「維持がお勧め」「統合がお勧め」など定性的な評価情報、(2)「維持の場合は○○円」「統合の場合は○○円」など定量的な評価情報、(3)維持又は統合の費用に関する評価情報が含まれる。維持又は統合の費用に関する評価情報としては、例えば「維持費用の方が安い」「統合費用の方が安い」「維持費用の方が○○円安い」「統合費用の方が○○円安い」「維持費用は○○円、統合費用は○○円」といった情報が含まれる。
【0545】
また、上記第1~第23の実施の形態及びその変形例においては、商品情報をテーブルから取得したが、これに限らず、入力装置40から入力したり外部記憶媒体(USBメモリ等)やネットワークから取得したりすることができる。
【0546】
また、上記第1~第23の実施の形態及びその変形例において、商品情報は、商品(役務)又はこれが属するグループ(区分)に関する情報として構成したが、これに限らず、商品情報としては、例えば、商品のみに関する情報、役務のみに関する情報、商品(役務)に関する情報、商品が属するグループのみに関する情報、役務が属するグループに関する情報、商品及び商品が属するグループに関する情報、商品及び役務が属するグループに関する情報、役務及び商品が属するグループに関する情報、役務及び役務が属するグループに関する情報、商品及び役務並びに商品が属するグループに関する情報、商品及び役務並びに役務が属するグループに関する情報、商品及び役務並びに商品及び役務が属するグループに関する情報を採用することができる。
【0547】
また、上記第1~第21の実施の形態及びその変形例において、区分の数に基づいて維持費用又は統合費用を算出する構成の場合、
図2等の商品情報テーブルに代えて、
図75(a)の商品情報テーブル又は
図75(b)の商品情報テーブルを採用することができる。
図75(a)及び(b)は、商品情報テーブルを示す図である。
【0548】
また、上記第1~第23の実施の形態及びその変形例において、
図3、
図21、
図35、
図43、
図50、
図53、
図55、
図58、
図61、
図64及び
図67のフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROM32に予め格納されているプログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM34に読み込んで実行するようにしてもよい。
【0549】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0550】
また、上記第1~第23の実施の形態及びその変形例は相互に適用することができる。
また、上記第1~第23の実施の形態及びその変形例においては、商標登録案件の維持又は統合を検討する場合等について本発明を適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0551】
100…商標支援装置、 30…CPU、 32…ROM、 34…RAM、 38…I/F、 39…バス、 40…入力装置、 42…記憶装置、 44…表示装置、 400,400A,400B,400C,420,420A…商品情報テーブル、 600~630…料金表