(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173187
(43)【公開日】2022-11-18
(54)【発明の名称】超高DK材料
(51)【国際特許分類】
G02C 7/04 20060101AFI20221111BHJP
C08F 283/12 20060101ALI20221111BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20221111BHJP
C08F 2/00 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
G02C7/04
C08F283/12
C08F290/06
C08F2/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022131221
(22)【出願日】2022-08-19
(62)【分割の表示】P 2020573495の分割
【原出願日】2018-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】520514562
【氏名又は名称】アキュイティー ポリマーズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボナフィニ、ジェイムズ、エイ.、ジュニア
(57)【要約】
【課題】超高Dk材料を製造する方法を提供する。
【解決手段】超高Dk材料を製造する方法は、フルオロアルキルメタクリラートと、アルキルグリコールジメタクリラートと、メタクリル酸のような親水性剤と、ヒドロキシアルキルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサンと、スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、が接触すること及び反応することを含む。上記反応は、不活性雰囲気内で、少なくとも25ポンド/平方インチ(PSI)の圧力で、一定期間、上記超高Dk材料を製造するのに十分な温度で行われる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超高Dk材料を製造する方法であって、
a)フルオロアルキルメタクリラートと、
b)アルキルグリコールジメタクリラートと、
c)親水性剤と、
d)ヒドロキシアルキルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
e)ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサンと、
f)スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、が接触すること及び反応することを含み、
前記反応は、不活性雰囲気内で、少なくとも25ポンド/平方インチ(PSI)の圧力で、一定期間、前記超高Dk材料を製造するのに十分な温度で実行される、方法。
【請求項2】
前記フルオロアルキルメタクリラートが、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラートであり、前記アルキルグリコールジメタクリラートが、ネオペンチルグリコールジメタクリラートであり、前記ヒドロキシアルキルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、3-メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランであり、前記ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサンが、4-メタクリロキシブチル末端ポリジメチルシロキサンであり、前記親水性剤が、メタクリル酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、前記材料の14%を占める、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、前記材料の7%~20%を占める、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、前記材料の14%を占める、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記材料が、175を超えるDk値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記反応が、窒素、アルゴン、又はヘリウム雰囲気下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記反応が、25psi~1,000psiで行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記反応が、容器内で行われ、前記超高Dk材料が前記容器の形状に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
容器は、前記高Dk材料がレンズ、ブランク、又はロッドとして形成される容器が選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記容器が、前記不活性雰囲気を含む前記不活性ガスを透過する容器材料で構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記容器が、ポリプロピレン又はポリテトラフルオロエチレンで構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記反応が、室温で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記反応が、室温を上回る温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法に従って製造された超高Dk材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超高ガス透過性(Dk)材料及びその方法、より具体的には、175を超えるDk値を有する超高Dk材料、さらに具体的には、硬質ガス透過性コンタクトレンズとしての使用に適した超高Dkに関する。
【背景技術】
【0002】
当初、ハードコンタクトレンズは、ポリ(メチルメタクリラート)で構成されており、酸素を透過しなかった。その結果、このようなレンズの装用者は、角膜への酸素の不足による眼精疲労や目の疲れをすぐに訴えていた。そのため、コンタクトレンズの科学は、硬質ガス透過性(RGP)コンタクトレンズを含むシリコンベースのコンタクトレンズへ進歩した。RGPコンタクトレンズは、ある程度の酸素透過性を提供するが(30~70、最大で140~145のDk値)、装用者は日が進むにつれて眼精疲労や目の疲れに言及し続ける。装用時間は増加する一方で、角膜への酸素不足の結果として、疲労と疲れが依然として問題となっている。したがって、必要なのは、超高酸素透過性(175以上のDk値)を示すRGPレンズとしての使用に適した材料である。
【0003】
有酸素角膜代謝のための酸素は、主に大気に由来する。したがって、ガス透過性のソフト又はハードコンタクトレンズの装用中の角膜の生理学的完全性は、主にレンズを通過する酸素の消費に依存すると考えられている。したがって、眼に接触するコンタクトレンズの生理学的性能の予測には、レンズを通過する酸素を推定できる指標が必要である。
【0004】
1971年、FattとSt.Helenは、コンタクトレンズを通過する酸素の課題にフィックの法則を適用し、それによって酸素透過率(Dk/t)の概念をこの分野にもたらした。このベンチトップ測定は、コンタクトレンズの比較の基本として広く使用されてきている。しかしながら、Fattが指摘しているように、レンズ性能の尺度として使用されるDk/tの用語それ自体は、「期待外れ」だった。Dk/t係数は、酸素がレンズを通して拡散できる「容易さ」の尺度を示す。ただし、所定の状況でコンタクトレンズを通過する酸素は、レンズ全体の駆動力、つまり分圧差にも依存する。酸素流動(j)は、所定時間にレンズの単位面積を通過する酸素量の正確な指標である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によれば、超高Dk材料を製造する方法は、フルオロアルキルメタクリラートと、アルキルグリコールジメタクリラートと、メタクリル酸のような親水性剤と、ヒドロキシアルキルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサンと、スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、が接触すること及び反応することを含む。上記反応は、不活性雰囲気内で、少なくとも25ポンド/平方インチ(PSI)の圧力で、一定期間、上記超高Dk材料を製造するのに十分な温度で行われる。例として、上記フルオロアルキルメタクリラートが、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラートであってもよく、上記アルキルグリコールジメタクリラートが、ネオペンチルグリコールジメタクリラートであってもよく、上記ヒドロキシアルキルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、3-メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランであってもよく、また上記ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサンが、4-メタクリロキシブチル末端ポリジメチルシロキサンであってもよい。上記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、上記材料の14%を含んでもよい。この結果として得られた材料は、175を超えるDk値を有する。
【0006】
本発明の一態様によれば、上記反応は、窒素、アルゴン、又はヘリウム雰囲気下で行われ、また、25psi(pounds per square inch)~1,000psiで行われる。上記反応は、サーモスタット制御炉内で行うことができる。反応温度は、室温(20℃~25℃)、又は例えば最高で約50℃までの高温であってもよい。上記炉はまた、上記反応の過程中、可変温度制御ができるようにプログラム可能であってもよい。上記反応は、さらに容器内で行われ、上記超高Dk材料が上記容器の形状に形成される。一態様では、上記高Dk材料は、ブランク又はロッドとして形成される。上記容器は、ポリプロピレン又はポリテトラフルオロエチレンなどの、上記不活性雰囲気を含む不活性ガスを透過する容器材料で構成されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0007】
高圧下での適切なモノマー試薬の重合は、周囲圧力で行われる反応よりも酸素透過性が向上した高分子材料を生成し得る。高い酸素親和性を有する出発モノマーを使用する場合、酸素透過性の向上が、さらに顕著になり得る。結果として、超高Dk値を有する材料が製造され得る。本明細書で使用される場合、「超高Dk」という用語は、175を超えるDk値を有する材料を指す。そのためには、本発明による重合反応は、室温でサーモスタット制御炉内で高圧(少なくとも25psi)下で行われる。「室温」は、20℃~25℃の範囲であってよい。本発明のさらなる態様によれば、上記重合反応は、最大約1000psiを含む25psiより高い圧力及び/又は例えば最高で約50℃までの、より高い温度で行ってもよい。上記反応圧力が増大するにつれて、より高い酸素透過性が実現され得る。さらに、上記重合反応は、これらに限定されず、窒素、ヘリウム、及び/又はアルゴン雰囲気などの不活性雰囲気中で行われるものとする。任意の特定の理論に縛られることなく、上記超高Dk高分子材料は、キセロゲル又はキセロゲルのような材料として形成されると考えられている。さらに、上記不活性ガスは溶媒のように作用し、高分子網目が形成されると、上記不活性ガスは周囲ガスに置き換えられ、これによって微孔性構造を形成すると考えられている。本発明のさらなる態様では、上記超高Dk高分子材料は、超臨界流体条件下で製造してもよい。したがって、特定のモノマー及び架橋剤を使用して得られた高分子網目の剛性は、上記微孔性構造の崩壊を防ぐと考えられている。
【0008】
本発明の一態様によれば、非限定的で例示的な超高Dk配合物を表1に示す。
【表1】
高圧(少なくとも25psi)下での重合と組み合わされたスチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランの重量パーセント(7%~20%、より具体的には14%)が、超高Dk材料の製造に重要であることに注意する必要がある。上記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランは、高い自由体積構造を作り出すのに役立ち、3-メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと相乗的であると考えられている。
【0009】
本発明のさらなる一態様によれば、超高Dk材料を製造する方法は、フルオロアルキルメタクリラートと、アルキルグリコールジメタクリラートと、メタクリル酸のような親水性剤と、ヒドロキシアルキルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサンと、スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、が接触すること及び反応することを含む。例として、これに限定されないが、上記フルオロアルキルメタクリラートが、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラートであってもよく、上記アルキルグリコールジメタクリラートが、ネオペンチルグリコールジメタクリラートであってもよく、上記ヒドロキシアルキルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、3-メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランであってもよく、上記ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサンが、4-メタクリロキシブチル末端ポリジメチルシロキサンであってもよい。上記反応は、不活性雰囲気(例えば、窒素、アルゴン、又はヘリウム)内で、少なくとも25psiの圧力で、一定期間、上記超高Dk材料を製造するのに十分な温度で行われる。上述のように、上記反応は、室温、例えば、約20℃~25℃、又は例えば最高で約50℃までの高温、及び約25psi~約1,000psiの圧力下で行ってもよい。結果として、反応はより高い圧力で行われ、より高いDk値の材料を生成することで、上記超高Dk材料は、175を超えるDk値を有し得る。加えて、本発明による超高Dk材料は、シリコン含有量が比較的低くてもよく、これにより、高シリコンガス透過性材料が直面する表面濡れ課題を回避する。結果として、本発明によって製造された上記超高Dk材料は、プラズマ処理などの表面処理を必要としない。
【0010】
上記重合反応は、内部寸法及び形状大きさが、上記超高Dk材料の所望のサイズ及び形状に対応する容器内で行ってもよい。すなわち、上記超高Dk材料は、上記容器内で、上記容器の空洞の形状に重合するであろう。上記容器は、ポリプロピレン又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの、上記不活性雰囲気を含む不活性ガスを透過する材料で構成されてもよい。本発明の一態様によれば、上記容器は、20℃~50℃などの特定の温度に設定されたサーモスタット制御炉に存在してもよく、又は上記炉は、可変温度プロファイルを用いて反応させるようにプログラム可能であってもよい。
【0011】
例として、本発明の一態様によって製造された超高Dk材料を使用して、硬質ガス透過性(RGP)コンタクトレンズを作ってもよい。この非限定的な例では、高Dk材料は、約7mm~28mmの直径を有するレンズ、ブランク、又はロッドとして形成されてもよい。上記ブランクの高さは約2mm~約15mmであってもよく、上記ロッドの高さは任意であってもよい。上記ロッド又はブランクの直径は、その使用目的に応じて選択され得る。例えば、従来のRGPコンタクトレンズの直径は、約7mm~約12mm(通常は9mm~10mm)であり、強膜レンズの直径は、約14mm~約24mm(通常は15mm~20mm)である。次に、この技術分野で知られているように、上記超高Dk材料のブランク及びロッドを旋盤加工によって成形して、所望のレンズを製造してもよい。あるいは、レンズは、記載された条件下で直接鋳造してもよい。
【0012】
本発明を、その好ましい実施形態を参照して説明したが、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の最大限の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができることが理解される。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超高Dk材料を製造する方法であって、
a)フルオロアルキルメタクリラートと、
b)アルキルグリコールジメタクリラートと、
c)親水性剤と、
d)メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を有するトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
e)メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を末端に有するポリジメチルシロキサンと、
f)スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、が接触すること及び反応することを含み、
前記反応は、不活性雰囲気内で、少なくとも25ポンド/平方インチ(PSI)(172kPa)の圧力で、一定期間、前記超高Dk材料を製造するのに十分な温度で実行される、方法。
【請求項2】
前記フルオロアルキルメタクリラートが、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラートであり、前記アルキルグリコールジメタクリラートが、ネオペンチルグリコールジメタクリラートであり、前記メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を有するトリス(トリメチルシロキシ)シランが、3-メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランであり、前記メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を末端に有するポリジメチルシロキサンが、4-メタクリロキシブチル末端ポリジメチルシロキサンであり、前記親水性剤が、メタクリル酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、前記材料の14%を占める、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、前記材料の7%~20%を占める、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、前記材料の14%を占める、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記反応が、窒素、アルゴン、又はヘリウム雰囲気下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記反応が、25psi~1,000psi(172kPa~6895kPa)で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記反応が、容器内で行われ、前記超高Dk材料が前記容器の形状に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
容器は、前記超高Dk材料がレンズ、ブランク、又はロッドとして形成される容器が選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記容器が、前記不活性雰囲気を含む前記不活性ガスを透過する容器材料で構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記容器が、ポリプロピレン又はポリテトラフルオロエチレンで構成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記反応が、室温で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記反応が、室温を上回る温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の一態様によれば、超高Dk材料を製造する方法は、フルオロアルキルメタクリラートと、アルキルグリコールジメタクリラートと、メタクリル酸のような親水性剤と、メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を有するトリス(トリメチルシロキシ)シランと、メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を末端に有するポリジメチルシロキサンと、スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、が接触すること及び反応することを含む。上記反応は、不活性雰囲気内で、少なくとも25ポンド/平方インチ(PSI)の圧力で、一定期間、上記超高Dk材料を製造するのに十分な温度で行われる。例として、上記フルオロアルキルメタクリラートが、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラートであってもよく、上記アルキルグリコールジメタクリラートが、ネオペンチルグリコールジメタクリラートであってもよく、上記メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を有するトリス(トリメチルシロキシ)シランが、3-メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランであってもよく、また上記メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を末端に有するポリジメチルシロキサンが、4-メタクリロキシブチル末端ポリジメチルシロキサンであってもよい。上記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、上記材料の14%を含んでもよい。この結果として得られた材料は、175を超えるDk値を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明のさらなる一態様によれば、超高Dk材料を製造する方法は、フルオロアルキルメタクリラートと、アルキルグリコールジメタクリラートと、メタクリル酸のような親水性剤と、メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を有するトリス(トリメチルシロキシ)シランと、メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を末端に有するポリジメチルシロキサンと、スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、が接触すること及び反応することを含む。例として、これに限定されないが、上記フルオロアルキルメタクリラートが、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラートであってもよく、上記アルキルグリコールジメタクリラートが、ネオペンチルグリコールジメタクリラートであってもよく、上記メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を有するトリス(トリメチルシロキシ)シランが、3-メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランであってもよく、上記メタクリロイルオキシ基に由来する官能性を末端に有するポリジメチルシロキサンが、4-メタクリロキシブチル末端ポリジメチルシロキサンであってもよい。上記反応は、不活性雰囲気(例えば、窒素、アルゴン、又はヘリウム)内で、少なくとも25psiの圧力で、一定期間、上記超高Dk材料を製造するのに十分な温度で行われる。上述のように、上記反応は、室温、例えば、約20℃~25℃、又は例えば最高で約50℃までの高温、及び約25psi~約1,000psiの圧力下で行ってもよい。結果として、反応はより高い圧力で行われ、より高いDk値の材料を生成することで、上記超高Dk材料は、175を超えるDk値を有し得る。加えて、本発明による超高Dk材料は、シリコン含有量が比較的低くてもよく、これにより、高シリコンガス透過性材料が直面する表面濡れ課題を回避する。結果として、本発明によって製造された上記超高Dk材料は、プラズマ処理などの表面処理を必要としない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明を、その好ましい実施形態を参照して説明したが、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の最大限の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができることが理解される。
本発明に包含され得る諸態様または諸実施形態は、以下のとおり要約される。
[1].
超高Dk材料を製造する方法であって、
a)フルオロアルキルメタクリラートと、
b)アルキルグリコールジメタクリラートと、
c)親水性剤と、
d)ヒドロキシアルキルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、
e)ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサンと、
f)スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランと、が接触すること及び反応することを含み、
前記反応は、不活性雰囲気内で、少なくとも25ポンド/平方インチ(PSI)の圧力で、一定期間、前記超高Dk材料を製造するのに十分な温度で実行される、方法。
[2].
前記フルオロアルキルメタクリラートが、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラートであり、前記アルキルグリコールジメタクリラートが、ネオペンチルグリコールジメタクリラートであり、前記ヒドロキシアルキルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、3-メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランであり、前記ヒドロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサンが、4-メタクリロキシブチル末端ポリジメチルシロキサンであり、前記親水性剤が、メタクリル酸である、上記項目1に記載の方法。
[3].
前記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、前記材料の14%を占める、上記項目2に記載の方法。
[4].
前記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、前記材料の7%~20%を占める、上記項目1に記載の方法。
[5].
前記スチリルエチルトリス(トリメチルシロキシ)シランが、重量で、前記材料の14%を占める、上記項目4に記載の方法。
[6].
前記材料が、175を超えるDk値を有する、上記項目1に記載の方法。
[7].
前記反応が、窒素、アルゴン、又はヘリウム雰囲気下で行われる、上記項目1に記載の方法。
[8].
前記反応が、25psi~1,000psiで行われる、上記項目1に記載の方法。
[9].
前記反応が、容器内で行われ、前記超高Dk材料が前記容器の形状に形成される、上記項目1に記載の方法。
[10].
容器は、前記高Dk材料がレンズ、ブランク、又はロッドとして形成される容器が選択される、上記項目9に記載の方法。
[11].
前記容器が、前記不活性雰囲気を含む前記不活性ガスを透過する容器材料で構成される、上記項目9に記載の方法。
[12].
前記容器が、ポリプロピレン又はポリテトラフルオロエチレンで構成される、上記項目11に記載の方法。
[13].
前記反応が、室温を上回る温度で行われる、上記項目1に記載の方法。
[14].
前記反応が、室温以上で行われる、上記項目1に記載の方法。
[15].
上記項目1に記載の方法に従って製造された超高Dk材料。
【外国語明細書】