(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173269
(43)【公開日】2022-11-18
(54)【発明の名称】改善された係留/張力付与装置および張力付与方法
(51)【国際特許分類】
B63B 21/20 20060101AFI20221111BHJP
B63B 21/18 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
B63B21/20 Z
B63B21/20 B
B63B21/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143156
(22)【出願日】2022-09-08
(62)【分割の表示】P 2021545967の分割
【原出願日】2020-02-11
(31)【優先権主張番号】1902103.9
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1912851.1
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】521345763
【氏名又は名称】フリントストーン テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】スミス,デイヴィッド
(57)【要約】
【課題】係留および/または張力付与装置を提供すること。
【解決手段】構造物を係留させる、かつ/または、係留索に張力を付与するための装置(300)は、本体(325)と、係留索経路(320)に沿って第1係留索(310)の少なくとも一部をガイドするためのガイド部(305)と、を備えており、本体は、第1係留索をガイドおよび/または固定させるための開放チャンネル(365)を備えている。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物を係留させる、かつ/または、係留索に張力を付与するための装置またはデバイスであって、
本体と、
係留索経路に沿って第1係留索の少なくとも一部をガイドするためのガイド部と、を備えており、
上記本体は、上記第1係留索をガイドおよび/または固定させるための開放チャンネルを備えている、装置またはデバイス。
【請求項2】
上記開放チャンネルは、部分十字形または半十字形の表面を有しており、
上記開放チャンネルは、第1のU字形またはD字形表面を含み、第2の、より小さいD字形またはU字形表面が上記第1のU字形またはD字形表面の中間点に配置され、
上記開放チャンネルは、第1のカップ状またはカップ形状表面を含み、第2の、より小さなカップ形状またはカップ状、D形状またはU形状表面が上記第1のカップ状またはカップ形状表面の中間点に配置され、
上記開放チャンネルは、実質的に凹んだ又は凹んだ第1の部分を含み、第2の凹んだ部分は、上記第1の部分の中間点に配置され、
上記開放チャンネルは、第1のトラフを備え、第2のより小さなトラフは、上記第1のトラフの最も深い部分の中間点に配置され、かつ/または、
上記開放チャンネルの断面は、実質的にT字型である、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項3】
上記部分十字形または半十字形の表面は、上記第1係留索の少なくとも一部に適合する形状およびサイズであり、かつ/または、
上記部分十字形または半十字形の表面は、上記係留索を固定させるように構成される、請求項2に記載の装置またはデバイス。
【請求項4】
上記開放チャンネルの表面、または上記部分十字形または半十字形の表面は、上記係留索経路に垂直でかつ上記ガイド部から離れる第1方向における上記本体に対する上記係留索の枢動を阻害するように構成され、
上記開放チャンネルは、上記開放チャンネルの表面と上記ガイド部との間における、上記本体に対する上記係留索の旋回を可能とするように設けられ、かつ/または、
上記開放チャンネルは、上記係留索の第3方向における旋回を阻止するように構成された側壁を含んでおり、上記第3方向は、上記係留索経路および上記第1方向と垂直である、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項5】
上記開放チャンネルは上記本体の周辺部に、または周辺部に隣接して設けられまたは配置され、
上記開放チャンネルは、上記装置の入口点および/または出口点に設けられまたは配置され、
上記入口点および/または出口点は上記係留索の入口点および/または出口点であり、
上記開放チャンネルは使用時に、上記ガイド部と係留される構造物との間に設けられる、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項6】
上記本体は、上記装置またはデバイスを第2係留索に接続するための接続部分を備え、上記ガイド部は、上記接続部分と上記開放チャンネルとの間に配置され、
上記接続部分は上記第1および/または第2係留索に張力をかけている間に、上記第1係留索が上記本体の傾斜または回転に応答して本体に対して移動または枢動するように、上記本体上に配置され、上記本体に対する上記第1係留索の上記移動または枢動は、上記開放チャンネルの表面と上記ガイド部との間での移動または枢動であり、
上記接続部分は上記係留索に張力付与中に、上記本体が傾斜又は回転し、上記ガイド部の中心と上記接続部分との間のラインを上記第2係留索と直線に整列させるように、上記本体上に配置され、かつ/または、
上記接続部分は、パッドアイ、シャックル又はUリンクを含む、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項7】
使用時に、上記第1係留索が、上記開放チャンネルにおいて上記本体に対して、自由に動く、又は旋回する、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項8】
上記装置は、ロック機構又は手段を含む、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項9】
上記ロック機構または手段は上記係留索経路に沿った方向の上記本体に対する上記係留索の運動を阻止し、上記係留索経路に沿った逆方向の上記本体に対する上記係留索の運動を可能にするように、上記第1係留索に係合するように適合され
上記ロック機構または手段は、上記ガイド部から上記係留索経路の反対側に設けられ、
上記ロック機構または手段は、使用時に上記ガイド部と係留される建造物との間に設けられるように適合され、
上記ロック機構は、上記ガイド部と、係留索の経路に沿って係留される構造物との間に設けられ、
上記ロック機構は、上記ガイド部の近位または近傍に設けられ、
上記ロック機構または手段は、上記ガイド部にまたがるように構成され、
上記ロック機構はヨークを含み、上記ヨークは、上記ガイド部を跨ぐように構成され、かつ/または、上記ヨークは、上記第1係留索を跨ぐように構成され、
上記ロック機構は、フィンガを備え、上記フィンガは上記ガイド部と干渉するように構成され、かつ/または、フィンガは上記係留索と干渉するように、構成され、かつ/または、
上記ロック機構または手段は、上記第1係留索を跨ぐように構成される、請求項8に記載の装置またはデバイス。
【請求項10】
上記ロック機構又は手段は、ロック部材を含み、
ロック解除された第1配置では、上記ロック部材が上記係留索経路の遠位にあり、または、上記係留索経路と一致しておらず、かつ/または、ロックされた第2配置において、上記ロック部材の少なくとも一部は、上記係留索経路と一致しており、上記ロック部材の端部は、上記(第1)係留索と係合し、
上記ロック部材は上記本体に接続されるか、または上記本体上に設けられ、かつ/または、
上記ロック部材の端部は、ロック解除された上記第1配置にあるときよりも、ロックされた上記第2配置にあるときに係留された構造物に近い、請求項9に記載の装置またはデバイス。
【請求項11】
上記ロック機構または手段は、旋回可能な部材またはクラッカーを備え、かつ/または、上記ロック部材は、旋回可能な部材またはクラッカーを備え、かつ/または、
上記ロック機構または手段は、上記ロック機構または手段、あるいは上記旋回可能な部材またはクラッカーを上記第1係留索との係合に向かって偏らせるために、カウンタウェイト、を備え、
上記旋回可能な部材又はクラッカーの回転点は、上記ガイド部から上記係留索経路の反対側に設けられ、
上記ロック機構または手段は、上記ガイド部と上記旋回可能な部材またはクラッカーとの間に、上記係留索を保持または固定させるように適合され、かつ/または、
使用時に、上記第1係留索の少なくとも一部は、ロック機構または手段とガイド部との間に配置される、請求項8に記載の装置またはデバイス。
【請求項12】
上記係留索経路は、曲線経路を含み、
上記係留索経路は、内抱角または内角αおよび除外角または外角βを含み、
上記ガイド部は、係留経路の内角α上又は内角αの内側に設け
ロック機構又は手段は、上記係留索経路の上記外角β上又は内側に設ける、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項13】
上記ガイド部は、運動可能に、上記本体上に取り付けられ、
上記ガイド部は、チェーンホイール、スプロケットまたはポケットホイールを備え、上記ガイド部は、実質的に円形であり、
上記ガイド部は、スプラグホイール、シーブ、歯車である、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項14】
上記装置またはデバイスは、沖合および/または海底作業に適し、使用時に水中に沈められ、
上記装置により、上記第1係留索に張力を付与することができ、
上記装置は、「中間ラインテンショナ」および/または「インラインテンショナ」である、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項15】
ロック機構は、係留索ロックを備え、
使用中、上記第1係留索の少なくとも一部は、上記ロック機構によって配置され、ロックされ、かつ/または固定され、
ロックは、上記ロック機構と本体の外周/周辺部分との間で上記第1係留索を固定及び/又はロックするように適合し
上記ガイド部は、上記本体に、回転可能に接続され、かつ/または、
ロック機構は、上記本体にヒンジ式でまたは枢動可能に接続される、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項16】
複数の上記係留索の少なくとも一方または両方の少なくとも一部は、チェーン、ワイヤ、またはロープであり、
上記第1係留索の少なくとも一部は、第1の鎖であり、
第2係留索の少なくとも一部は、第2の鎖である、請求項1に記載の装置またはデバイス。
【請求項17】
第1係留索に張力を付与するための係留システムであって、上記係留システムは、請求項1に記載の少なくとも1つの装置またはデバイス、第1係留索、および第2係留索を備える、システム。
【請求項18】
係留索に張力を付与する方法であって、上記方法は、
請求項17に記載の係留索に張力を付与するシステムを提供するステップを含み、
係留索の第1の部分に、上記装置またはデバイスから離れる方向に引張力を加えるステップをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は構造物/船舶を係留し、および/または係留索または鎖、例えば係留ラインテンショナに張力をかけるための装置またはデバイスに関する。本発明はまた、構造物/船舶を係留し、および/または係留索に張力をかける方法、ならびに構造物/船舶を係留し、および/または係留ラインに張力をかけるためのシステムに関する。係留ラインは海洋、沖合、浮遊または半潜水可能な船舶または構造物などの船舶または構造物を、例えば、水域の海底または底部に係留するための係留索であってもよい。
【0002】
本発明は特に、中線(中間ライン)、インライン、または中水テンショナ、例えば、係留索の端部の間の、例えば、係留索の長さに沿った位置に設けられたテンショナに限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
浮遊構造物またはプラットフォームなどの海洋構造物は、係留チェーンなどの係留索によって係留することができる。これは、係留される構造物に少なくとも1つの係留索を取り付けることと、海底に位置するアンカーまたは杭などの別の構造物に各係留索を直接または間接的に結合することとを含むことができる。
【0004】
係留索の各々に張力を加えることができる。例えば張力装置を使用することによって、各係留索に必要な張力を加えることができる。張力装置は、ウィンチなどによる使用に適合されてもよい。張力の用途は、浮動構造体またはプラットフォームを所望の位置に係留させる役割を果たすことができる。
【0005】
係留索に適切な張力が加えられたとき、ロック機構はロックまたは係合させて、係留索における張力を維持することができる。同様に、係留索から張力を取り除かなければならない場合、例えば、浮動構造体またはプラットフォームの移動が望まれる場合、ロック機構は、ロック解除または係合解除されてもよい。
【0006】
張力装置は、プラットフォームの浮遊構造体上に配置されてもよく、またはプラットフォームの浮遊構造体に連結されてもよい。このような構成では、係留チェーンおよび/または張力装置が係留チェーンに対する浮遊構造物またはプラットフォームの移動によって引き起こされる面外応力に起因して、摩耗および/または破損する傾向があり得る。
【0007】
張力装置は係留チェーン上に配置されてもよく、または係留チェーンに連結されてもよく、係留チェーンの自由端を表面に向けて、例えば、船舶上に配置されたウィンチによって、係留索(複数可)の張力の調整を可能にしてもよい。
【0008】
係留索の張力下中、係留索が引っ張られ、及び/又は張力装置の周囲で曲げられることにより、係留索に曲げひずみが作用することがある。これは、係留チェーン及び/又は装置の摩耗及び/又は損傷を増大させる可能性がある。係留索のひずみを最小限に抑えるために、係留索を表面に向けて案内するためのより大きな角度に対応するように、張力装置のサイズを大きくすることができる。しかしながら、これは、張力装置のコスト及び重量の増加につながり得る。さらに、張力装置の重量が増加すると、係留チェーンへの荷重も増加し、その後、係留チェーンの所望の傾斜角度を維持するためにさらに大きな張力が必要となる。
【0009】
関節式テンショナと非関節式テンショナが知られている。
【0010】
関節式テンショナは、関節式フレームが鎖脚の角度に合うように動き、テンショナーフレームが任意の角度配置に調整することを許可する。しかしながら、フレームは複雑であり、単純な非関節式テンショナよりも重い可能性がある。
【0011】
非関節式テンショナはより単純であり、潜在的に軽量である。しかしながら、非関節式テンショナは、ホイールピボット点、リアペイ、およびロックの間の関係が固定されているので、テンショニングのための「スイートスポット」を有するので、欠点が生じる。テンショナが設計された角度にない場合、鎖は手前のガイドの上部または下部のいずれかを擦ることがある。フレームのガイド・ロック部の前部に鎖擦れが発生する場合がある。この擦れは、張力操作の操作をぎくしゃくにする可能性があり、これは望ましくない。
【0012】
全ての中線テンショナが直面する別の問題は、このようなものが係留索内の重量を効果的に凝集させることである。ホイールと同じ係留索の側面から旋回するロックを備えたテンショナはロックが壊れないように、ホイールから十分離れた位置にロックを配置する必要がある。必要な構造は質量を増加させる。
【0013】
側部から関節運動する二重ストッパロックを想像しても、ドアが壊れないことを保証するのに必要な距離が依然としてある。
【0014】
チェーンの反対側にストッパをフリップさせることによって、本願発明者らはストッパをホイールにできるだけ近づけて旋回させることができ、ホイール上に位置するチェーンリンクを止めることさえできることを見出した(ただし、ホイールとストッパがホイールの投影直径の内側でかみ合い/相互作用するように設計されていることを条件とする)。ストッパはホイールに非常に近づけることができる。
【0015】
本発明の少なくとも1つの態様の少なくとも1つの実施形態の目的は、従来技術における少なくとも1つの問題を未然に防ぐか、または少なくとも軽減することであり得る。
【0016】
本発明の少なくとも1つの態様の少なくとも1つの実施形態の目的は、従来技術よりも、技術的に単純で、ならびに/もしくは、商業的により費用効果の高い係留のための装置および/または方法を提供することであり得る。
【0017】
本発明の少なくとも1つの態様の少なくとも1つの実施形態の目的は、中線テンショナなどの装置を提供することであり得る。装置は例えば、よりコンパクトであり、より軽量であり、および/または製造コストがより安価であるなど、従来技術よりも改善されてもよい。
【発明の概要】
【0018】
(第1の発明)
本発明によれば、添付の特許請求の範囲による装置またはデバイスが提供される。
【0019】
本発明の第1の態様によれば、構造物を係留し、および/また張係留索に張力を加えるための(係留)装置またはデバイスが提供される。
【0020】
装置またはデバイスは、第1係留索の一部を案内するための案内部分または部材(またはシーブ)を備えることができる。
【0021】
装置またはデバイスは、ロック機構または手段を備えることができる。
装置又は装置は、係留索経路を設けることができる。
【0022】
ロック機構または手段は係留索経路の案内部分から反対側に、少なくとも係止解除された配置で設けられるか、または提供可能であってもよい。ロック装置は使用時に、少なくともロックされた配置で、例えば係留索経路に沿って、ガイド部分と係留される構造体との間に設けられるか、または提供可能であるように適合されてもよい。
【0023】
ロック機構は、案内部分と係留索経路に沿って、例えば係留索経路に沿って係留される構造体との間に設けられるか、または提供可能であってもよい。
【0024】
ロック機構はガイド部分の近位または近傍に設けられるかまたは、提供可能であってもより。
【0025】
装置またはデバイスは、本体または「フレーム」を備えてもよい。
【0026】
本体は、装置またはデバイスを第2の係留索に接続または連結するための、例えば直接接続または連結するための構成を備えてもよい。
【0027】
装置またはデバイスは、係留チェーンを備える係留索と共に使用するように適合されてもよい。
【0028】
使用時には係留チェーンのロックされたリンクがガイド部分とロック機構との間に設けられ、および/またはガイド部分とロック機構との一方または両方と係合されてもよい。
【0029】
ロック機構は、ロック部材又は爪を含むことができる。
【0030】
ロック部材は、ピン又はヨークを含むことができる。ガイド部分は、円周溝又は円周歯を有するホイールを含むことができる。
【0031】
ロックされた配置にあるとき、例えばロック部材のロック面、例えばロックされたリンクに隣接する、例えばロック面は、装置を第2係留索に接続するための構成に面することができる。
【0032】
案内部の一部または点、例えば、周辺または円周部分または点はロックされた配置にあるとき、第2係留索の接続機構とロック機構/部材との間に提供されてもよい。
【0033】
ガイド部分は、円形であってもよく、および/またはホイールを含んでもよい。
【0034】
ロックされた配置では、ガイド部の一部の接面または接線がロック機構または部材および第2係留索の接続配置を通過し得るか、またはその部分(円周部分)から延在し得る。
【0035】
接面または接線は少なくともロックされた配置にあるときに、ロック機構または部材の点またはそれに隣接する点でガイド部に接触することができる。
【0036】
この構成によって、使用時に、第1係留索経路の(線形)部分または第1係留索の張力をかけられた部分と、ガイド部の接面または接線と、第2係留索経路の(線形)部分または第2係留索経路とを含む線形荷重経路を設けることができる。
【0037】
好都合に、この構成により、第1係留索経路のガイド部の周囲又は湾曲部の周囲には、荷重をかけなくてもよい。
【0038】
したがって、第1係留索の張力は、ガイド部の周囲ではなく、ガイド部との接触点又は接触点の近傍で取ることができる。
【0039】
第2係留索の接続機構とロック装置/ロック部材との間に延在する線(または接線)に垂直に延在するガイド部の半径(少なくともロックされた配置にあるとき)は、第2係留索の接続機構とロック装置/部材との間の位置で前記線と交差してもよい。
【0040】
言い換えれば、荷重部材(ストッパ)は、第1係留索での張力がかかった/張力をかけれる部分に沿ってガイドホイールの前方にあり有益である。
【0041】
ガイド部の前方にロック機構を有する利点は、ガイド部が荷重に曝されないことであってもよい。フェアリード上の負荷ホイールは係留チェーンに付加的な応力を及ぼすことが知られている。本発明においては、係留ガイド部を介するのではなく、ロック機構を介して荷重が伝達される。
【0042】
ロック機構は、ロック機構の一部が可動ガイド部(すなわち、車輪)の投影された足跡(直径)の内側で動作するように設けられてもよい。ロック機構は第1係留索部の反対側から可動ガイド部に、又はガイド部分と意図される係留索接触点(例えば、入ってくるテンションチェーンの接点)に隣接して、作動/枢動/関連付けすることができる。これは、荷重の大部分がロック機構に伝達され、ガイド部には伝達されないことを保証することができる。また、これにより、進入時にチェーンが可動ガイド部と直接接触し、ほとんどの状態でスムーズに進入することができる。可動ガイド部(ホイール)、チェーンおよびロック機構は使用時に噛み合い、重なり合い、または相互作用するように設計される。
【0043】
ガイド部およびロック機構/ロック部材は、ラチェット機構として機能するか、またはラチェット機構を備えてもよい。
【0044】
ロック部材又はラチェットの張力側は、ガイド部の周囲に延びていてもよい。ロック部材の張力/張力が作用する側は、ガイド部から離れて延在してもよい。
【0045】
ロックされた構成では、ロックされたリンクおよび/または第1負荷されたリンクがロック部材、および例えば、線形負荷経路に沿った、ガイド部分からの接線とともに、線形配置で設けられてもよい。
【0046】
ロック機構は、カウンタウェイトを含むことができる。カウンタウェイトは、ロック部材と共に形成されてもよく、ロック部材に接続されてもよく、またはロック部材に解放可能に接続可能であってもよい。
【0047】
ガイド部およびロック部材は使用時に、ロックされたリンクがガイド部と係合または当接するように構成されてもよい。
【0048】
(また)ロックされたリンクは、ロック部材のロック機構/部材/ロック面と係合または当接してもよい。
【0049】
前述の構成は第1(軸方向に)負荷されたリンクが使用時に、例えば、接線上で、ガイド部に対して実質的に接線方向に配置されることを可能にしてもよい。
【0050】
第1係留索経路は、例えば係留装置から離れてガイド部上の接線接触点から(直線状に)延びる、第1係止又は係止又は張力下/張力印加可能な部分を備えることができる。
【0051】
第1係留索経路は例えば、ガイド部上の接線接触点から、例えば、少なくとも部分的に案内部の周囲に延びる、第2の自由な、引っ張り可能な又はテンショニング部又は端部を備えることができる。
【0052】
開放またはロック解除された配置にあるとき、ロック部材またはロック面は、第1係留索経路の外角度上および/または係留索経路のガイド部とは反対側にあってもよい。
【0053】
閉鎖またはロックされた配置にあるとき、ロック部材またはロック面の少なくとも一部は、第1係留索経路内またはその上にあってもよく、および/または第2係留索の接続構成に面してもよい。
【0054】
ロック機構またはロック部材のピボット(点)は、外側角度または、第1係留索経路のガイド部とは反対側にあってもよい。
【0055】
本発明の装置またはデバイスは、従来技術よりもガイド部にかなり近いロック構成を提供することができる。これは、1つ以上の利点、例えば、長さの減少、重量の減少、および/または装置もしくはデバイスのコストの減少をもたらし得る。
【0056】
本発明の装置またはデバイスはまた、使用時に、ロック機構によって張力がかけられるので、構造体が係留されるときに、ガイド部周りの係留索が張力を受けないという点で、1つまたは複数の従来技術の装置を超える利点を提供することができる。
【0057】
係留索経路は湾曲した経路を備えてもよいし、含んでもよい。
【0058】
係留索経路は、内角αおよび除外角βまたは外角βを含むことができる。
【0059】
ガイド部は、係留経路の内角α上又は内側に設けることができる。
【0060】
ロック機構又は手段は係留索経路の外角β上又は内に、少なくともロック解除された配置で設けることができる。
【0061】
本発明は、ロック機構又は手段が係留索経路の内角の上又は外に、例えば、装置又はデバイスの下又は下に設けることができるという点で、従来技術に優る有利点を提供することができる。これは、ロック機構または手段へのアクセスを可能にする際に有益であり得る。
【0062】
本発明は使用時に、第1係留索がガイド部の周りに延びる前に、ロック機構が第1係留索を把持または引っ張ることができるという点で、従来技術に勝る有利点を提供することができる。したがって、第1係留索は、ガイド部の周りで張力を受けないようにすることができる。
【0063】
装置またはデバイスは、本体またはフレームを備えることができる。
【0064】
ガイド部は本体上に(または本体に対して)移動可能に、例えば回転可能に取り付けられてもよい。
【0065】
ロック機構又は手段は、例えばロック面又は側面を有するロック部材を含むことができる。ロック解除された第1配置では、ロック部材が係留索経路の遠位にあってもよいし、係留索経路と一致していなくてもよい。ロックされた第2配置では、ロック部材の少なくとも一部は、係留索経路と一致してもよい。例えば、前記第2配置において、ロック部材の端部は、係留索、例えば係留チェーンを含む係留索のリンクと係合することができる。
【0066】
ロック部材は本体に接続されるか、または本体上に設けられ、例えば、本体に旋回可能に取り付けられてもよい。ロック部材の枢動点は、ガイド部とは係留索経路の反対側上であってもよい。
【0067】
ロック部材の端部は、第1ロック解除配置にあるときよりも、第2ロック配置にあるときに係留される構造物に近くてもよい。
【0068】
本体は、装置またはデバイスを第2係留索に接続または連結するための、例えば直接接続または連結するための構成を備えてもよい。
【0069】
接続機構は、本体上に設けることができる。
【0070】
装置又はデバイスは「中線テンショナ」を備えていてもよく、又は「中線テンショナ」として参照されていてもよい。
【0071】
ガイド部は、円形部材又はホイールを備えることができる。ガイド部は、円周方向に配置された複数の歯及び/又は円周方向の溝又は凹部を備えることができる。複数の円周方向に配置された歯および/または円周方向の溝または凹部は使用時に、ロック部材の端部と協働することができる。例えば、ロックされた第2配置にあるときに、係留索を装置またはデバイスに対してロックする。
【0072】
ロック機構は、便宜上「チェーンストッパ」と呼ぶことができる。
【0073】
ガイド部は、第1および第2の側面を含んでもよい。第1および第2の側面は円形であってもよく、それぞれの第1および第2の歯を備えてもよく、第1および第2の歯のペアは円周方向に整列されてもよく、例えば、互いに向かい合ってもよい。
【0074】
係留索経路の少なくとも一部は、ガイド部の第1側面と第2側面との間に設けられてもよい。
【0075】
本体は係留索の一部を、例えば、装置またはデバイスの内外に案内するためのガイド機構を備えてもよい。一実施形態では、ガイド機構が一対の対向するガイド部材を含むことができる。代替の実施形態では、ガイド機構が第1係留索を案内及び/又は固定するための開放チャンネルを含むことができる。
【0076】
ロック機構はガイド部とガイド機構との間に設けられてもよいし、設けることができる。
【0077】
使用時に、係留される構造体の遠位の係留索の端部に、または構造体とは反対側の装置またはデバイスに張力が加えられるとき、ロック部材は、ロック解除された第1配置に向かうか、または配置される傾向がある。
【0078】
使用時に、構造物の遠位の係留索の端部または装置もしくはデバイスの反対側から張力が除去されるとき、ロック部材は、ロック解除された第2配置に向かうか、または配置される傾向がある。
【0079】
この装置により、(第1の)係留索は張力が加えられる。
【0080】
ロック機構は例えば、第1係留索をロック又は保持することができる係留索ロックを備えることができる。
【0081】
使用時に、第1係留索の少なくとも一部は、ロック機構によって配置され、ロックされ、および/または固定されてもよい。第1係留索の少なくとも一部は、ロックされたリンクを含むことができる。ガイド部から離れる方向にロックされたリンクに隣接するリンクは、第1負荷リンクを含むことができる。
【0082】
ロックは、ロック機構と、例えば外周/円周部分であるガイド部の一部との間で第1係留索を固定及び/又はロックするように構成することができる。
【0083】
ガイド部は本体に対し、例えば軸線上または軸回りに回転可能に接続されてもよい。
【0084】
ロック機構は、本体にヒンジ式または枢動可能に接続されてもよい。
【0085】
有利には、係留索の少なくとも一方または両方の少なくとも一部がチェーン、あるいはワイヤ、ロープなどであってもよい。第1係留索の少なくとも一部は、第1チェーンであってもよい。第2係留索の少なくとも一部は、第2チェーンであってもよい。
【0086】
ガイド部はシーブまたはホイールであってもよく、および/または、ガイド部の中心軸の周りなど、本体に対して回転可能である係留索ホイールまたは鎖ホイールなど、実質的に円形であってもよい。ガイド部は、スプラグホイールであってもよい。ガイド部は、シーブであってもよい。ガイド部は、歯車等の歯付きホイールであってもよい。
【0087】
本発明の第2の態様によれば、構造物を係留するための(係留)装置またはデバイスが提供される:装置またはデバイスは、
本体と、
第1係留索の一部をガイドするためのガイド部と、
ロック機構または手段と、を備えており、
上記ガイド部は、上記本体の第1側面または端部上および/またはその内部に設けられており、上記ロック機構または上記手段は、上記本体の第2側面または端部上および/またはその内部に設けられ、上記第2側面または端部は、上記第1側面または端部と少なくとも部分的に対向しうる、装置またはデバイス。
【0088】
上記装置または上記デバイスは、係留索経路を提供してもよい。上記ロック機構または上記手段は、上記ガイド部(少なくともロック解除配置で)から上記係留索経路の反対側に設けられてもよい。上記ロック機構または上記手段は、使用時に(少なくともロックされた配置で)、上記ガイド部分と係留される構造物との間に設けられてもよい(設けられるように適合されてもよい)。
【0089】
本発明の第3の態様によれば、構造物を係留させるための装置またはデバイスであって、
第1係留索の一部をガイドするためのガイド部と、
ロック機構または手段と、を備えており、
上記装置または上記デバイスは、内包角を有する係留索経路を提供し、上記ロック機構は、使用時に、上記内包角から上記係留索経路の反対側に、かつ、上記ガイド部分と係留される構造物との間に、設けられる、装置またはデバイスが提供される。
【0090】
ガイド部は含まれる角度の側部に設けられてもよいし、またはその範囲内に設けられてもよい。
【0091】
本発明の第4の態様によれば、構造物を係留し、かつ/または係留索に張力をかけるための装置またはデバイスが提供される:装置は、
本体またはフレームと、:
上記本体に回転可能に取り付けられた、第1係留索の一部をガイドするためのガイド部と、;
ロックされていない位置とロックされた位置(およびロックされた位置とロックされていない位置)との間で移動可能なロック部材を含むロック機構と、を備えており、;
上記本体は、上記装置を第2係留索に接続するための構成を有しており、
上記装置は、第1係留索経路を提供し、
上記ロック部材は、アンロック位置にある場合には、上記ガイド部から上記第1係留索経路の反対側に設けられ、
上記ロック部材は、ロック位置にある場合には、上記第1係留索経路内または上記第1係留索経路上に少なくとも部分的に設けられ、使用時に、
係留チェーンのロックされたリンクは、上記ガイド部と上記ロック機構との一方または両方との間に設けられうる、かつ/または、上記ガイド部と上記ロック機構との一方または両方と係合し、
上記ロック部材のロック面は、ロック位置にある場合には、上記装置を上記第2係留索に接続するための上記構成と向き合う。
【0092】
本発明の第5の態様によれば構造物を係留し、かつ/または係留索に張力をかけるための装置またはデバイスが提供される:装置は、
本体またはフレームと、:
上記本体に回転可能に取り付けられた、第1係留索の一部をガイドするためのガイド部と、;
ロックされていない位置とロックされた位置(およびロックされた位置とロックされていない位置)との間で移動可能なロック部材を含むロック機構と、を備えており、;
上記本体は、上記装置を第2係留索に接続するための構成を有しており、
上記装置は、第1係留索経路を提供し、
上記ロック部材は、アンロック位置にある場合には、上記ガイド部から上記第1係留索経路の反対側に設けられ、
上記ロック部材は、ロック位置にある場合には、上記第1係留索経路内または上記第1係留索経路上に少なくとも部分的に設けられ、
ロック位置において、上記ガイド部の一部の接線または上記ガイド位置の一部から延在する接線が、上記ロック部材および上記第2係留索接続構成を通過する。
【0093】
本発明の第6の態様によれば、(第1)係留索に張力を付与するためのシステムであって、本発明の第1の態様から第5の態様のいずれかに記載の少なくとも1つの係留および/または張力付与装置を備えている。
【0094】
システムは、第1係留索又はチェーンを含むことができる。システムは、第2係留索又はチェーンを含むことができる。
【0095】
システムは、浮遊構造物、沖合構造物、浮遊プラットフォームなどの少なくとも1つの構造物を含むことができる。
【0096】
第1係留索の一部は、装置又はデバイスを通って螺合又は螺合可能であってもよい。
【0097】
第1係留索の第1の部分又は端部は、構造体又は装置に接続又は接続可能であるように構成することができる。
【0098】
システムは、ブイを備えてもよい。システムは、浮遊船舶を備えてもよい。システムは、ウインチ及び/又はプーリを備えてもよい。ウィンチ及び/又はプーリは、浮遊船舶上又は浮遊船舶内に配置することができる。ブイは、水中ブイ、半水中ブイ、水中タレットプロダクションブイ、水中タレットローディングブイ等であってもよい。
【0099】
第1係留索の第2の部分または端部は、ブイおよび/または浮揚船舶および/またはウィンチおよび/またはプーリに接続されるように構成されてもよい。ウィンチおよび/またはプーリは、第1係留索の張力を設定、調整、または増加させるように適合されてもよい。
【0100】
第2係留索の第1の部分または端部は、装置の少なくとも一部に接続されてもよい。なお、第2係留索の第1の部分又は端部は、本体に接続されていてもよい。第2係留索の第1の部分は、本体に解放可能に接続されてもよい。
【0101】
システムは、アンカーを含むことができる。アンカーは、固定点を含んでもよい。アンカーは、吸引杭等の杭であってもよい。アンカーは海底層であってもよい。アンカーは、海底での使用に適合されてもよい。
【0102】
第2係留索の第2部分は、アンカー又はアンカーポイントに接続することができる。
【0103】
本発明の第7の態様によれば、(第1)係留索に張力を付与する方法は、
本発明の第6の態様に記載の(第1)係留索に張力を付与するためのシステムを提供するステップを含んでおり、
上記方法は、第1係留索の第1部分に対し、上記装置または上記デバイスから離れる方向に引張力を印加するステップを(さらに)含んでいる。
【0104】
上記引張力は、上記装置またはデバイスに、上記第1係留索の少なくとも1つの他の部分を第2係留索に向かって引っ張らせることができてもよい。
【0105】
上記引張力は、上記装置に、上記第1の係留索の少なくとも1つの他の部分を上記装置に向かって引っ張らせることができてもよい。
【0106】
適切なまたは所望の張力が上記係留索に印加されたとき、上記ロック機構は上記ロック位置に配置されることができてもよい。
【0107】
適切なまたは所望の張力が上記係留索に印加されたとき、上記第1係留索の上記第1部分または端部はブイなどに取り付けられることができてもよい。
【0108】
適切な張力が上記係留索に印加されたとき、上記第1係留索の上記第1部分の少なくとも一部は、切り取られることができ、かつ/または、除去されることができ、かつ/または、上記装置または上記デバイスに固定されることができ、かつ/または、上記第1係留索および/または上記第2係留索に固定されることができてもよい。
【0109】
本発明の第8の態様によれば、係留索の張力を解放するための方法であって、
本発明の第6の態様に記載の係留索に張力を付与するためのシステムを提供するステップを含んでおり、上記方法は、
第1係留索の第1部分に対し、上記装置またはデバイスから離れる方向に引張力を印加するステップと、
ロックをロック位置から解放し、かつ/または、上記ロック機構をアンロック位置に保持するステップと、
上記引張力を低減および/または除去するステップと、を(さらに)含んでいる。
【0110】
ロック機構をロック解除配置に保持ステップは、少なくとも1つのロックピンの除去および/または再配置および/または挿入を必要とし得る。
【0111】
〔第2の発明〕
本発明の第9の態様によれば、構造物を係留させる装置またはデバイスは、
本体と、
係留索経路に沿って第1係留索の少なくとも一部をガイドするためのガイド部と、を備えており、
上記本体は、上記第1係留索をガイドおよび/または固定させるための開放チャンネルを備えている。
【0112】
上記開放チャンネルは、部分十字形または半十字形の表面を有していてもよい。
【0113】
開放チャンネルは、第1のU字形またはD字形表面を含んでもよく、第2の、より小さいD字形またはU字形表面が第1のU字形またはD字形表面の中間点に配置される。
【0114】
開放チャンネルは、第1のカップ状またはカップ状表面を含んでもよく、第2の、より小さなカップ状またはカップ状、D形状またはU形状表面が第1のカップ状またはカップ状表面の中間点に配置されてもよい。
【0115】
すなわち、開放チャンネルは実質的に凹んだ又は凹んだ第1の部分を含んでもよく、第2の凹んだ部分は、第1の部分の中間点に配置される。開放チャンネルは、実質的に凹んだ又は凹んだ第1の部分を含んでもよく、第2の、より深い凹んだ部分が第1の部分の中間点に配置される。
【0116】
開放チャンネルは第1のトラフを備えることができ、第2のより小さなトラフは、第1のトラフの最も深い部分の中間点に配置される。開放チャンネルは第1のトラフを備えることができ、第2のより小さなトラフは、第1のトラフの最も深い部分に配置される。
【0117】
開放チャンネルの断面は、実質的にT字型であってもよい。
【0118】
上記部分十字形または半十字形の表面は、上記第1係留索の少なくとも一部に適合する形状およびサイズであってもよく、例えば、係留索またはチェーンに適合するような形状および大きさにすることができる。
【0119】
上記部分十字形または半十字形の表面は、上記係留索を固定させるように構成されていてもよい。
【0120】
開放チャンネルの表面、または部分十字形または半十字形の表面は、係留索経路に垂直でかつガイド部から離れる第1の方向における本体に対する係留索の枢動を阻害するように構成されてもよい。
【0121】
上記開放チャンネルは、上記開放チャンネルの表面と上記ガイド部との間における、上記本体に対する上記係留索の旋回を可能とするように設けられてもよい。
【0122】
上記開放チャンネルは、上記係留索の第3方向における旋回を阻止するように構成された側壁を含んでおり、
上記第3方向は、上記係留索経路および上記第1方向と垂直であってもよい。
【0123】
開放チャンネルは本体の周辺部に、または周辺部に隣接して設けられまたは配置されてもよい。
【0124】
開放チャンネルは、装置の入口点および/または出口点に設けられまたは配置されてもよい。
【0125】
入口点および/または出口点は係留索の入口点および/または出口点、例えば、本体に対する係留索の入口点および/または出口点であってもよい。
【0126】
開放チャンネルは使用時に、ガイド部と係留される構造物との間に設けられてもよい。
【0127】
本体は、装置またはデバイスを第2係留索に接続するための接続部分を備えることができる。ガイド部は、接続部と開放チャンネルとの間に配置されてもよい。
【0128】
接続部分は第1および/または第2係留索に張力をかけている間に、第1係留索が本体の傾斜または回転に応答して本体に対して移動または旋回するように、本体上に配置されてもよい。本体に対する第1係留索の移動または枢動は、開放チャンネルの表面とガイド部の表面との間で移動または枢動であってもよい。
【0129】
使用時に、第1係留索が、開放チャンネルにおいて本体に対して、自由に動くことができ、又は旋回することができる。
【0130】
接続部分は係留索に張力付与中に、本体が傾斜又は回転させ、ガイド部の中心と接続部分との間のラインを第2係留索と直線に整列させるように、本体上に配置されてもよい。
【0131】
接続部分は、パッドアイ、シャックル又はUリンクを含むことができる。
【0132】
装置は、ロック機構又は手段を含むことができる。
【0133】
ロック機構または手段は係留索経路に沿った方向の本体に対する係留索の運動を阻止し、係留索経路に沿った逆方向の本体に対する係留索の運動を可能にするように、第1係留索に係合するように適合されてもよい。
【0134】
ロック機構または手段は、ガイド部から係留索経路の反対側に設けることができる。
【0135】
ロック機構または手段は、使用時にガイド部と係留される建造物との間に設けられるように適合されてもよい。
【0136】
ロック機構は、ガイド部と、係留索に沿って例えば係留索経路に沿って係留される構造物との間に設けることができる。
【0137】
ロック機構は、ガイド部の近位または近傍に設けることができる。
【0138】
本発明の装置またはデバイスは、従来技術よりもガイド部にかなり近いロック機構を提供することができる。これは、1つ以上の利点、例えば、長さの減少、重量の減少、および/または装置もしくはデバイスのコストの減少をもたらし得る。
【0139】
ロック機構または手段は、ガイド部にまたがるように設定可能であってもよい。
【0140】
ロック機構はヨークを含むことができる。ヨークは、ガイド部を跨ぐように構成されていてもよい。ヨークは、第1係留索、例えば第1係留索を跨ぐように構成してもよい。
【0141】
ロック機構は、フィンガを備えてもよい。フィンガはガイド部分と干渉するように、例えば当接するように構成されてもよい。フィンガは係留索、例えば、第1係留索と干渉するように、例えば、当接するように構成されてもよい。
【0142】
ロック機構または手段は、第1係留索を跨ぐように設定可能であってもよい。
【0143】
ロック機構又は手段は、ロック部材を含むことができる。ロック解除された第1配置では、ロック部材が係留索経路の遠位にあってもよいし、係留索経路と一致していなくてもよい。ロックされた第2配置において、ロック部材の少なくとも一部は、係留索経路と一致してもよい。例えば、前記第2配置において、ロック部材の端部は、(第1)係留索、例えば係留チェーンを含む係留索のリンクと係合することができる。
【0144】
ロック部材は本体に接続されるか、または本体上に設けられ、例えば、本体に旋回可能に取り付けられてもよい。
【0145】
ロック部材の端部は、ロック解除された第1配置にあるときよりも、ロックされた第2配置にあるときに係留された構造物に近くてもよい。
【0146】
ロック機構または手段は、旋回可能な部材またはクラッカーを備えてもよい。ロック部材は、旋回可能な部材またはクラッカーであり得る。
【0147】
ロック機構または手段はロック機構または手段、または旋回可能部材またはクラッカーを第1係留索との係合に向かって偏らせるために、カウンタウェイト、たとえば取り外し可能なカウンタウェイトを備えることができる。
【0148】
旋回可能な部材又はクラッカーの回転点は、ガイド部から係留索経路の反対側に設けられてもよい。
【0149】
ロック機構または手段は、ガイド部と旋回可能部材またはクラッカーとの間に、係留索を保持または固定させるように適合されてもよい。
【0150】
使用時に、第1係留索の少なくとも一部は、ロック機構または手段とガイド部との間に配置されてもよい。
【0151】
係留索経路は、曲線経路を含んでもよい。
【0152】
係留索経路は、内抱角または内角αおよび除外角または外角βを含むことができる。
【0153】
ガイド部は、係留経路の内角α上又は内角αの内側に設けることができる。
【0154】
ロック機構又は手段は、例えば第1(ロックされた)位置において、係留索経路の外角β上又は内側に設けることができる。
【0155】
ガイド部は、運動可能に、例えば回転可能に本体上に取り付けられてもよい。
【0156】
ガイド部は、チェーンホイール、スプロケットまたはポケットホイールを備えることができる。ガイド部は、ガイド部の中心軸の周りなど、本体に対して回転可能な係留索ホイールまたは鎖ホイールなど、実質的に円形とすることができる。ガイド部は、スプラグホイールであってもよい。ガイド部は、シーブであってもよい。ガイド部は、はめ歯歯車等の歯車であってもよい。
【0157】
装置またはデバイスは、沖合および/または海底作業に適していてもよく、使用時に水中に沈めてもよい。この装置により、(第1の)係留索に張力が付与され得る。
【0158】
この装置は「中間ラインテンショナ」および/または「インラインテンショナ」として知られ得る、かつ/または呼ばれ得る。
【0159】
装置は、中間ラインテンショナであってもよい。
【0160】
ロック機構は、例えば、第1係留索をロック又は保持することができる係留索ロックを備えることができる。
【0161】
使用中、第1係留索の少なくとも一部は、ロック機構によって配置され、ロックされ、かつ/または固定されてもよい。
【0162】
ロックは、ロック機構と本体の外周/周辺部分との間で第1係留索を固定及び/又はロックするように適合していてもよい。
【0163】
ガイド部は、本体に、例えば軸上または軸回りに回転可能に接続されてもよい。
【0164】
ロック機構は、本体にヒンジ式でまたは枢動可能に接続されてもよい。
【0165】
複数の係留索の少なくとも一方または両方の少なくとも一部は、チェーン、ワイヤ、ロープなどであってもよい。第1係留索の少なくとも一部は、第1の鎖であってもよい。第2係留索の少なくとも一部は、第2の鎖であってもよい。
【0166】
本発明の一態様によれば、構造物を係留するための装置またはデバイスが提供され、この装置またはデバイスは、本体と、係留索経路に沿って第1係留索の少なくとも一部を案内するためのガイド部と、本体を第2係留索に接続するための接続部とを備え、係留索への張力付与時に、この装置またはデバイスは、本体の傾斜または回転に応答して、ガイド部と本体との間の空間またはギャップ内への、本体に対する第1係留索の移動または旋回を可能にするように構成される。
【0167】
本発明の第10の態様によれば、構造物を係留するための装置またはデバイスが提供され、この装置またはデバイスは、本体と、係留索経路に沿って第1係留索の少なくとも一部を案内するためのガイド部と、本体を第2係留索に接続するための接続部とを備え、係留索への張力付与時に、本体が傾斜または回転して、接続部とガイド部の中心との間のラインを第2係留索に整列させる傾向があるように、接続部は本体上に配置される。
【0168】
本発明の第11の態様によれば、構造物を係留するための装置またはデバイスが提供され、この装置またはデバイスは、第1係留索の少なくとも一部を案内するためのガイド部と、第1係留索と係合するように適合されたロック機構または手段とを備え、ガイド部は第1係留索と係合するように適合され、ロック機構はガイド部および/または第1係留索をまたぐように構成可能である。
【0169】
本発明の第12の態様によれば、第1係留索に張力を付与するための(係留)システムが提供され、このシステムは、第9、第10、または第11の態様による少なくとも1つの装置またはデバイス、第1係留索、および第2係留索を備える。
【0170】
第1係留索は鎖であってもよく、開放チャンネルは第1係留索の長手方向断面図に一致するような形状および大きさであってもよい。
【0171】
システムは、浮遊構造物、沖合構造物、浮遊プラットフォーム等のような少なくとも1つの構造物を含んでもよいし、係留してもよい。
【0172】
本発明の第13の態様によれば、係留索に張力を付与する方法が提供され、この方法は、第12の態様による係留索に張力を付与するシステムを提供するステップを含み、この方法は、第1係留索の第1の部分に、装置またはデバイスから離れる方向に引張力を加えるステップをさらに含む。
【0173】
本発明の任意の態様に従って、または本発明の任意の特定の実施形態に関連する以下で定義された特徴は例えば、本発明のさらなる態様または実施形態を形成するように、単独で、または任意の他の特徴と組み合わせて、または任意の他の態様または実施形態で定義されて、利用されてもよいことを理解されたい。そのようなさらなる組み合わせは、単に簡潔さのために本明細書に記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0174】
本発明の実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して説明される:
【
図4】本発明の一実施形態による係留装置または装置の側面図;
【
図5】現場での第1の係留索を有する
図4の係留装置の側断面図;
【
図6】
図4の係留装置の上側および片側から見た斜視図;
【
図7】現場での第1および第2の係留索を有する
図4の係留装置の側面図;
【
図8】現場での第1および第2の係留索を有する
図4の係留装置の側断面図;
【
図9】現場での第1および第2の係留索を有する
図4の係留装置の上面図;
【
図10】現場に第1の係留索を有する
図4の係留装置の端面図;
【
図13】
図4の係留装置の一側面及び一端から拡大されたスケールまでの部分図;
【
図14】
図4の係留装置を含む係留システムの概略図;
【
図15】本発明の一実施形態による係留装置または装置の斜視図;
【
図20a】使用中の本発明の実施形態による係留装置または装置の一連の写真;
【
図20b】使用中の本発明の実施形態による係留装置または装置の一連の写真;
【
図20c】使用中の本発明の実施形態による係留装置または装置の一連の写真;
【
図21a】使用中の本発明の実施形態による係留装置またはデバイスのさらなる一連の写真;
【
図21b】使用中の本発明の実施形態による係留装置またはデバイスのさらなる一連の写真;
【
図22】本発明の一実施形態による係留装置の一連の側断面図;
【
図23】本発明の一実施形態による係留装置の一連の側断面図;
【
図24】本発明の一実施形態による係留装置の一連の側断面図;
【
図25】本発明の一実施形態による係留装置の一連の側断面図;
【
図26】本発明の一実施形態による係留装置の側断面図;
【
図28a】本発明の実施形態による第1の係留装置の斜視図;
【
図28b】本発明の実施形態による第2の係留装置の斜視図;
【
図28c】本発明の実施形態による第3の係留装置の斜視図;
【
図28d】本発明の実施形態による第4の係留装置の斜視図;
【
図29a】本発明の実施形態で使用するためのガイド部分およびロック部材の第1および第2の組み合わせを示す図;
【
図29b】本発明の実施形態で使用するためのガイド部分およびロック部材の第1および第2の組み合わせを示す図;
【
図30a】本発明の多数の先に開示された実施形態に対応する係留装置の一連の概略側面図;
【
図30b】本発明の多数の先に開示された実施形態に対応する係留装置の一連の概略側面図;
【
図30c】本発明の多数の先に開示された実施形態に対応する係留装置の一連の概略側面図;
【
図30d】本発明の多数の先に開示された実施形態に対応する係留装置の一連の概略側面図;
【
図31a】本発明の先に開示された多数の実施形態に対応する係留装置の一連の概略側面図。
【
図31b】本発明の先に開示された多数の実施形態に対応する係留装置の一連の概略側面図。
【
図31c】本発明の先に開示された多数の実施形態に対応する係留装置の一連の概略側面図。
【
図31d】本発明の先に開示された多数の実施形態に対応する係留装置の一連の概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0175】
[図面の詳細な説明]
最初に
図1を参照すると、米国特許出願公開第2014/0216323 A1号(SINGLE BUOY MOORINGS)に開示されている、従来技術によるチェーンテンショナ17が示されている。
図1に示すように、チェーンテンショナ17は、チェーンリンク14及びバウシャックル22のようなコネクタ部材を介してチェーンセクション15の上端に接続側18でもって固定的に取り付けられている。チェーン部15の代わりに、適当なコネクタ部材を用いてチェーンテンショナ装置17の側部18に接続するためにワイヤロープ又は他のライン部が利用される。チェーンセクション15の上端をチェーンテンショナ装置17に接続する間、チェーンセクション15は船舶の甲板上にクランプされたままである。例えば200メートルの長さを有する作業チェーン20は、チェーンテンショナ17の導入側19を介して作業チェーン20の下部によって形成されたテンショニングチェーンセクション28を、チェーンストッパ25を通りシーブ23に沿って供給することによって、チェーンテンショナ17を移動可能に通過し、船舶の甲板上にある。チェーンストッパ25はラチェットとして機能し、Tで示す方向に引っ張ると長くなる短いテンショニングチェーンセクション28の方向にのみ、テンショナハウジング27を通って、作業チェーン20の通過のみを可能とする。テンショニングチェーン20のテンショニングチェーンセクション28は、回転可能シーブ23を介してチェーンテンショナ17のハウジング27の開口26を通って案内される。比較的大きな直径の引っ張り環24は、遠隔操作車両(ROV)によって取り扱うためにテンションチェーンセクション28に取り付けられている。
【0176】
ところで、
図2および
図3を参照すると、構造物を係留するための装置が示されており、この装置はWO 2018/025018 A1(FLINTSTONE TECHNOLOGY LIMITED)の先行技術に開示されているように、一般に10と示されている係留テンショナを備える。
【0177】
ところで、
図4~
図13を参照すると、本発明の一実施形態による、全体を100で示す、(係留および/または張力付与)装置またはデバイスが示されている。以下、装置またはデバイス100を装置100と呼ぶ。
【0178】
装置100は以下を含む:
第1(作業)係留索110の一部分を案内するためのガイド部(またはシーブ)105と、ロック機構または手段115とを備え、装置100は係留索経路120を提供し、ロック機構115はガイド部105から係留索経路120の反対側に設けられ、ロック機構115は使用時に、少なくともロック位置で、例えば係留索経路に沿って、ガイド部105と係留される構造物200との間に設けられることができる。
【0179】
ロック機構115は、ガイド部105と係留される構造体200との間で、係留索(係留ライン)の経路すなわち係留索経路120に沿って、設けられることができる。
【0180】
ロック機構115はガイド部105の近位にまたは隣接して(隣に)設けられる。
【0181】
装置100は、従来技術よりもガイド部105に著しく近いロック機構115を提供する。これは、1つ以上の利点、例えば、長さ低下、重量低下、および/または装置100のコスト低下につなげられる。
【0182】
また、装置100は使用時に、構造物200が係留されるときに、ロック機構115によって張力がかけられるので、ガイド部105の周りの係留索110が張力を受けないという点で、1つ以上の従来技術の装置に勝る利点を提供する。
【0183】
係留索経路120は、湾曲した経路を備える。係留索経路120は、内抱角または内角αと、除外角または外角βとを含む。
【0184】
ガイド部105は、係留索経路の内角α上またはその間に設けられている。ロック機構115は、係留索経路の外角β上またはその間、すなわち、少なくともロックされていない配置である、ガイド部115から係留索経路の反対側上に設けられている。
【0185】
装置100は、本体125を備える。ガイド部105は本体125上に移動可能に、すなわち回転可能に取り付けられている。
【0186】
ロック機構115は、係止面または側面131を有するロック部材130を備える。(ロック解除された)第1配置(位置)では、ロック部材130が係留索経路120に対して遠位または非一致である。(ロックされた)第2配置(位置)では、ロック部材130の少なくとも一部は係留索経路120と一致する。(装置100の動作に関するさらなる詳細は、
図30(a)~(d)および
図31(a)~(d)から理解することができる。例えば、前記第2配置において、ロック部材130の端部135は、係留索(係留索)110、例えば係留チェーンを含む係留索110のリンク140、と係合する。ロック部材130は、付勢手段(図示せず)によって第2配置に付勢することができる。
【0187】
ロック部材130は、本体125に接続されるか、またはその上に設けられ、すなわち本体125に枢動可能に取り付けられる。ロック部材130の旋回軸131は、ガイド部105に対し、係留索経路120の反対側上にある。
【0188】
ロック部材130の端部135は、ロックされた第2配置にあるときには、ロック解除された第1配置にあるときよりも係留される構造物200に近い。
【0189】
本体125は、装置100を第2の係留索150に接続または結合するための機構145を備える。
【0190】
ガイド部105は、円形部材又はホイールを備える。ガイド部105は、円周方向に配置された複数の歯155を備える。複数の円周方向に配置された歯155は使用時に、例えば、ロック部材130の端部135と共に作用してもよく、例えば、ロック部材130が(ロックされた)第2配置にあるときに、装置100に関する係留索110をロックする。したがって、ロック部材130は歯止めとして作用し、歯止めは歯付きガイド部105と共に、ラチェット型機構として作用することができる。
【0191】
ロック機構115は、便宜上「チェーンストッパ」と呼ばれる。
【0192】
この実施形態では、ガイド部105が第1および第2の側面を備え、第1および第2の側面は円形であり、それぞれ第1および第2の歯155a、155bを含み、それらの対は円周方向に整列され、すなわち互いに面する。
【0193】
係留索経路120の少なくとも一部は、ガイド部105の第1側面と第2側面との間に設けられている。
【0194】
本体115は係留索110の一部を、例えば、装置100の内外に案内するためのガイド機構160を備える。この実施形態では、ガイド機構160が一対の対向するガイド部材を含む。
【0195】
ロック機構115は、ガイド部105とガイド機構160との間に設けられている。
【0196】
使用時に、構造物200の遠位のまたは構造物200から装置100の反対側の係留索110の端部に、張力が加えられると、ロック部材130は、(ロック解除された)第1配置に向かうか、または配置される結果となる。これにより、係留索110に張力をかけることができる。
【0197】
使用時に、構造物200の遠位のまたは構造物200から装置100の反対側の係留索100の端部から、張力が取り除かれると、ロック部材130は、(ロックされた)第2配置に向かうか、または配置される結果となる。これにより、係留索110を(装置100に対して)ロックすることができる。
【0198】
この装置100によって、(第1の)係留索110が張力を受けてもよい。装置100は、「中間ライン(mid-line)テンショナ」を備え、および/または「中間ラインテンショナ」と呼ぶことができる。
【0199】
ロック装置115は、第1の係留索110をロックまたは保持することができる係留索(係留索)ロックを備える。
【0200】
使用時には、第1係留索110の少なくとも一部がロック装置115およびガイド部105によって配置され、ロックおよび/または固定される。
【0201】
第1係留索110の少なくとも一部は、ロックされたリンク111を含む。ガイド部105から離れる方向でロックリンク111に隣接するリンクは、第1の負荷リンク112と呼ぶことができる。ロック部材130はロック面131を有する。
【0202】
ロック機構115は、ロック機構115と本体125の外周部との間で第1係留索110を固定および/またはロックするようになっている。
【0203】
ガイド部105は例えば、軸上または軸の周りで、本体125に回転可能に接続される。
【0204】
ロック機構115および/またはロック部材130は、本体125にヒンジ式又は枢動可能に接続され、有益には、ガイド部105とは係留索経路の反対側にある。
【0205】
係留索110、150の少なくとも一方または両方の少なくとも一部は、チェーン、ワイヤ、ロープなどとすることができる。第1係留索110の少なくとも一部は、第1チェーンとすることができる。第2係留索150の少なくとも一部は、第2チェーンとすることができる。
【0206】
ガイド部105は、シーブまたはホイールであってもよく、かつ/または、ガイド部105の中心軸Aの周りなどに、本体125に対して回転可能であってもよい係留索ホイールまたはチェーンホイールなどのように、実質的に円形であってもよい。ガイド部105は、スプラグホイールとすることができる。ガイド部105は、シーブとすることができる。ガイド部105は、はめば歯車等の歯付きホイールとすることができる。
【0207】
本発明は構造物200を係留するための(係留)装置またはデバイス100を提供し、この装置または装置100は以下を備える:
本体125;
第1係留索110の一部を案内するためのガイド部105;
ロック機構または手段115であって、ガイド部105が本体125の第1の側部または端部上および/またはその内部に設けられ、ロック機構または手段115が本体125の第2の側部または端部上および/またはその内部に設けられ、本体125の第2の側部または端部は、本体125の第1の側部または端部に少なくとも部分的に対向する、ロック機構または手段115。
【0208】
装置100は係留索経路120を提供する。ロック機構125は、ガイド部105から係留索経路120の反対側に設けられている。ロック機構115は使用時に、ガイド部分105と係留される構造体200との間に設けられる。
【0209】
図14を参照すると、本発明は(第1)係留索110に張力をかけるためのシステム205を提供し、システム205は、上述したような少なくとも1つの係留装置110を備える。
【0210】
システム205は、第1係留索110を備える。システム205は、第2係留索150を備える。
【0211】
システム205は、浮遊構造物、沖合(オフショア)構造物、浮遊プラットフォームなどのような少なくとも1つの構造物205を係留する。
【0212】
第1係留索110の一部は、装置200を通っている、または通ることが可能である。
【0213】
第1係留索110の第1の部分または端部116は、構造物200に接続されている、または接続可能であるように構成される。
【0214】
システム205は、ブイ(図示せず)を備えることができる。システム205は、浮遊船舶210を含む。システム205は、ウィンチおよび/またはプーリ215を備える。ウィンチ及び/又はプーリ215は、浮遊船舶210の上又は中に配置することができる。ブイは、水中ブイ、半水中ブイ、水中タレットプロダクションブイ、水中タレットローディングブイ等であり得る。
【0215】
第1係留索110の第2の部分または端部117は、ブイおよび/または浮遊船舶および/またはウィンチおよび/またはプーリ215に接続されるように構成される。ウィンチ及び/又はプーリ215は、第1係留索110での張力を調整又は増加させるように適合させることができる。
【0216】
第2係留索115の第1の部分又は端部118は、装置110の少なくとも一部に接続することができる。第2係留索150の第1の部分または端部116は、本体125に接続することができる。第2の係留索150の第1の部分は、本体125に取り外し可能に接続することができる。
【0217】
システム205は、アンカー220を備える。アンカー220はアンカーポイントを含む。アンカー220は、吸引パイル等のパイルとすることができる。アンカー220は、海底構造であってもよい。アンカー220は、海底225上での使用に適合させることができる。
【0218】
第2係留索150の第2部分119は、アンカー220又はアンカーポイントに接続することができる。
【0219】
本発明は、(第1)係留索110に張力をかける方法を提供し、その方法は次を含む。:
上述したように、(第1)係留索110に張力をかけるためのシステム205を提供し、その方法は(さらに)次を含む。:
第1係留索110の一部117に装置100から離れる方向に引っ張り力を加えること。
【0220】
引っ張り力は、装置100に、第1係留索110の少なくとも1つの他の部分を第2係留索150に向かって引っ張らせることができる。
【0221】
引っ張り力は、装置100に、第1係留索110の少なくとも1つの他の部分を装置100に向かって引っ張らせることができる。
【0222】
係留索110に適切な又は所望の張力を加えたとき、ロック機構115はロック位置に配置され得る。
【0223】
係留索110に適切な又は所望の張力を加えたとき、第1係留索110の一部又は端部117をブイ等に取り付けることができる。
【0224】
係留索110に適切な張力を加えたとき、第1係留索110の第1の部分の少なくとも一部は、切り取られ、および/または除去され、および/または装置100に固定され、および/または第1の係留索110に固定され、および/または第2の係留索150に固定され得る。
【0225】
本発明は、係留索の張力を解放する方法を提供し、本発明は、上述した係留索に張力をかけるためのシステムを提供することを含み、この方法は(さらに)次を含む:
第1の係留索110の第1の部分112に、装置100から離れる方向に引っ張り力を加えること;
ロック115をロック位置から解放すること、および/またはアンロック位置にロック機構115を保持すること;
および、引っ張り力を低減および/または除去すること、を含む。
【0226】
ロック機構115をアンロック位置に保持する工程は、少なくとも1つのロックピン(図示せず)の取り外しおよび/または再配置および/または挿入を必要とすることがある。
【0227】
ここで
図15および
図16を参照すると、本発明の一実施形態による係留および/または張力付与装置またはデバイスであり、一般に300で示されている。以下、装置またはデバイス300を装置300と呼ぶ。
【0228】
装置300は、本体325と、係留索経路320に沿って第1の係留索310の少なくとも一部を案内するためのガイド部305とを備える。本体325は第1係留索310を案内し、固定させるための開放チャンネル365を備える。
【0229】
図17により明確に分かるように、開放チャンネル365は部分十字形または半十字形形状の表面を含み、
図17は、
図15および
図16の係留装置300の本体325の正面図を示す。すなわち、開放チャンネル365の断面は以下により詳細に記載されるように、実質的にT字形である。
【0230】
開放チャンネル365は、第1のU字形表面370を備え、第2の、より小さいU字形表面375が第1のU字形表面370の中間点に配置される。他の実施形態では、開放チャンネル365が第1のD字形表面を含み、第2の、より小さいD字形表面が第1のD字形表面の中間点に配置される。さらなる実施形態では開放チャンネル365が第1のトラフ370に対応し、第2のより小さいトラフ375は第1のトラフ370の最も深い部分の中間点に配置される。
【0231】
開放チャンネルの表面370、375は、第1係留索310の少なくとも一部に適合するように形状及び寸法が決められている。
【0232】
開放チャンネル365の表面370、375は、係留索310を固定するように構成される。
【0233】
開放チャンネル365の表面370、375は、係留索経路320に垂直でかつガイド部305から離れる第1の方向380における本体325に対する係留索310の枢動を抑制するように構成される。
【0234】
開放チャンネル365は、開放チャンネル365の表面とガイド部305との間の本体325に対する係留索310の枢動を可能にするために設けられる。
【0235】
開放チャンネル365は、係留索310の第3の方向350での枢動を抑制するように構成された側壁390、395を含んでもよく、第3の方向は係留索経路320および第1の方向380に対して垂直である。
【0236】
本体325は、装置300を第2の係留索(図示せず)に接続または結合するための接続部345を備える。
【0237】
接続部345は、パッドアイ(pad-eye)、シャックル又はU字金具を含むことができる。
図15、
図16、および
図17の例示的な実施形態では、接続部345はパッドアイである。
【0238】
ガイド部305は、連結部345と開放チャンネル365との間に配置されている。
【0239】
接続部345は、第1の係留索310及び第2の係留索の張力付与時に、第1の係留索310が本体325の傾斜又は回転に応じて本体325に対して移動又は枢動するように、本体325上に配置される。本体325に対する第1の係留索310の移動または枢動は、開放チャンネル365の表面370、375とガイド部305との間での移動または枢動である。
【0240】
使用時に、第1係留索310は、本体325に対して、開放チャンネル365内で自由に移動または枢動することができる。
【0241】
接続部345は、係留索の張力付与の間、ガイド部の中心と接続部との間のライン360を第2係留索と一直線に整列させて、本体325が傾斜または回転する傾向にあるように、本体325上に配置される。
【0242】
装置300はロック機構または手段315をさらに備え、ロック機構315は係留索経路320のガイド部305とは反対側に設けられ、ロック機構315は使用時にガイド部305と係留されるべき構造物との間に設けられる。
【0243】
ロック機構315は、係留索の経路に沿って、すなわち係留索経路320に沿って、係留される構造物(図示せず)とガイド部305との間に設けられる。
【0244】
ロック機構315は第1係留索310と係合して、係留索経路320に沿った方向への本体325に対する第1係留索310の運動を抑制し、係留索経路320に沿った反対方向への本体325に対する第1係留索310の運動を可能にするように適合される。
【0245】
ロック機構315は、例えば少なくともアンロック位置(ロック解除位置)において、係留索経路320のガイド部305とは反対側に、設けられる。
【0246】
ロック機構315は、使用時に、例えば、少なくともロック位置において、ガイド部305と係留される構造物との間に設けられるように適合される。
【0247】
図15、
図16および
図17の例示的な実施形態では、ロック機構315がガイド部305にまたがるように構成可能である。
図15、
図16、および
図17の例示的な実施形態では、ロック機構315が第1係留索310にまたがるように構成可能である。
【0248】
ロック機構315は
図18に示されるように、枢動可能部材またはクラッカー405を備える。
【0249】
ロック機構315は、枢動可能部材またはクラッカー405を第1係留索310との係合に向かって偏らせるカウンタウェイト410(取り外し可能であり得る)を備える。
【0250】
ロック機構315は、ガイド部305と枢動可能部材又はクラッカー405との間で係留索310を保持又は固定させるように適合される。
【0251】
使用時には、第1係留索310の少なくとも一部がロック機構315とガイド部305との間に配置される。
【0252】
ロック機構315は、ガイド部305の近位または隣に設けられる。
【0253】
装置300は、従来技術よりもガイド部305にかなり近いロック機構315を提供する。これは、1つ以上の利点、例えば、長さ低下、重量低下、および/または装置300のコスト低下につなげられる。
【0254】
また、装置300は使用時に、ロック装置315によって張力がかけられるので、構造物(図示せず)が係留されるときに、ガイド部305の周りの係留索310が張力を受けないという点で、1つ以上の従来技術の装置に勝る利点を提供する。
【0255】
係留索経路320は、湾曲した経路を備える。係留索経路320は、包括角または内角θと、除外角または外角φとを含む。
【0256】
ガイド部305は、係留索経路の内角θ上またはその間に設けられている。ロック機構または手段315は、少なくともアンロック位置において、係留索経路320の外角φ上またはその間、すなわち、ガイド部315から係留索経路の反対側上に設けられている。
【0257】
装置300は、本体325を備える。ガイド部305は本体325に移動可能に、例えば回転可能に取り付けられている。
【0258】
ロック機構315は、ロック部材330、例えば、枢動可能部材またはクラッカー405を備える。(ロック解除された)第1配置では、ロック部材330が係留索経路320に対して遠位または非一致である。(ロックされた)第2配置では、ロック部材330の少なくとも一部は係留索経路320と一致する。例えば、前記第2配置において、ロック部材330の端部335は、係留索310、例えば係留チェーンを含む係留索310のリンク340と係合する。ロック部材330は、付勢手段(図示せず)によって第2配置に付勢されることができる。
【0259】
ロック部材330は本体325に接続されるか、またはその上に設けられ、例えば本体325に枢動可能に取り付けられる。
【0260】
ロック部材330の端部335は、ロックされた第1配置にあるときには、ロック解除された第2配置にあるときよりも係留される構造物(図示せず)に近い。
【0261】
装置300は、中間ラインテンショナを備える。
【0262】
ガイド部305は、円形部材又はホイールを備える。ガイド部305は、円周方向に配置された複数の歯355を備える。複数の円周方向に配置された歯355は使用時に、ロック部材330の(上記)端部335と協働することができ、例えば、その結果、複数の円周方向に配置された歯355はロック部材330がロックされた第2の配置にあるときに、装置300に対して係留索310をロックする。したがって、ロック部材330は歯止めとして作用し、歯止めは歯付きガイド部305と共に、ラチェット型機構として作用することができる。
【0263】
ロック機構315は、便宜上「チェーンストッパ」と呼ばれる。
【0264】
ロック機構315は、ガイド部305と開放チャンネル365との間に設けられる。
【0265】
使用時に、構造物(図示せず)の遠位の、または構造物から装置300の反対側の係留索310の端部に張力が加えられるとき、ロック部材330は、(ロックされた)第2配置に向かうか、または配置される。これにより、係留索310に張力をかけることができる。
【0266】
使用時に、構造物(図示せず)の遠位の、または構造物から装置300の反対側の係留索310の端部から張力が除去されるとき、ロック部材330は、(ロック解除された)第1配置に向かうか、または配置される。
【0267】
この装置300によって、(第1)係留索310が張力を受けてもよい。装置300は、「中間ラインテンショナ」と呼ぶことができる。
【0268】
ロック装置315は係留索ロックを備え、すなわち、第1の係留索310をロックまたは保持することができる。
【0269】
使用時には、第1係留索310の少なくとも一部が、ロック機構315及びガイド部305によって配置され、ロックされ、かつ/又は固定される。
【0270】
ガイド部305は、本体325に例えば軸上または軸回りに回転可能に連結される。
【0271】
ロック機構315および/またはロック部材330は、本体325にヒンジ式でまたは枢動可能に接続される。
【0272】
係留索310の少なくとも一部は、チェーン、ワイヤ、またはロープ等とすることができる。
【0273】
ガイド部305は、ホイールであってもよく、かつ/またはガイド部分305の中心軸の周りなど、本体325に対して回転可能な、係留索ホイールまたは鎖ホイールなどのように、実質的に円形であってもよい。ガイド部305は、スプラグホイールとすることができる。ガイド部305は、シーブであってもよい。ガイド部305は歯付きホイール、例えば、歯車、スプロケットなどとすることができる。
【0274】
装置300は、沖合および/または海底作業に適していてもよく、使用時に水中に沈めてもよい。
【0275】
図19は、使用中の、全体的に400で示される装置の写真を示す。装置400は、第1係留索410を案内および/または固定させるための開放チャンネルを備えていない。第1係留索410は、矢印420で示す経路に沿って引っ張られ、したがって、第1係留索410と第2係留索430とに張力をかける。係留チェーンである第1係留索410は、閉鎖チャネル440の上部と干渉することがわかる。すなわち、係留索410、430の張力下時において、第1係留索410が装置400の閉鎖チャネル440に入る角度のため、装置100は、装置400に対する第1係留索410の運動を妨げることがある。このような干渉は、第1係留索400において、装置400に対して揺れるように動くことをもたらし、第1の係留索410および/または装置400に損傷をもたらすことがある。さらに、そのような挙動は、装置400内または周囲の第1係留索410の妨害につながる可能性がある。
【0276】
図20(a)~(c)は、本発明の一実施形態による装置500の一連の写真を示す。
図20(a)において、第1係留索510および第2係留索530は低張力下にあり、例えば、矢印520で示される方向の実質的な張力が、まだ第1係留索510に印加されていない。装置500は、第1係留索510を案内および/または固定させるための開放チャンネル540を備える。
【0277】
図20(b)において、第1係留索510は、矢印520で示される経路に沿って引っ張られ、したがって、第1係留索510と第2係留索530とに張力を加える。
図19とは対照的に、係留チェーンである第1係留索510は、チャネル540と干渉しないことが分かる。すなわち、係留索510、530の張力下において、開放チャンネル540のため、装置500は、ガイド部560に向かう第1係留索510の運動を妨げない。
図20cは、
図20bに対してさらに引張られた第1係留索510および第2係留索530を示す。係留索510、530の張力下において、ガイド部の中心と接続部590との間のライン580を第2係留索530に整列させて、装置500の本体570は傾斜するか又は回転する傾向がある。
【0278】
図21(a)および21(b)は、使用中の係留装置500のさらなる一連の写真を示す。
図21(a)および
図21(b)では、第1係留索510が矢印525によって示される経路に沿って引っ張られており、したがって、第1係留索510および第2係留索530に張力をかけている。
図20bとは対照的に、矢印525と第1係留索515の部分との間の角度は、
図20(b)の矢印525と第1係留索515の部分との間の角度よりも実質的に低いことが分かる。すなわち、ガイド部560の周りの巻き付け角度は、
図20(b)よりも
図21(a)および
図21(b)の方が大きい。その結果、第1係留索510は、開放チャンネル内にさらに持ち上げられる。
【0279】
図22~
図25を参照すると、コンパクトテンショナと呼ばれる、本発明の一実施形態による装置600が示されている。装置600は
図22(a)の係留装置500と同様である。同様の部品は同様の番号で識別されるが、「100」の差で繰り返される。
【0280】
図22は、張力をかけている間の、第1係留索610が開放チャンネル665に接触するかまたは接する、比較的大きな谷の内(包)角αを示す。
【0281】
図23は、張力をかけている間の、第1係留索がガイド部605に向かって、開放チャンネル665から離れるように偏っている、比較的小さな値の内角αを示す。これは、装置500への入口における第1係留索610を刻む(chaffing:チャッフィング)機会を減少させることができる。
【0282】
図22および
図23の両方において、ロック機構615は、ロック解除位置にあり、ガイド部605から係留索経路620の反対側に設けられている。
【0283】
ロック機構615は一時的な(例えば、取り外し可能である)または恒久的なカウンタウェイトを設けられることができることに留意されたい。
【0284】
図24を参照すると、装置500は、第1係留索610が張力をかけられた状態で示されている。ロック機構615は、ロックされた配置にあり、係留経路620上に少なくとも部分的に設けられ、第1係留索610と係合する。特に、ロック機構615のロック(またはストッパ)面は、ロックされたライン(索)に当接する。
【0285】
図25を参照すると、
図24に示すように一度張力が加えられると、過剰なチェーンを解放することができる(そして落下させることができる)。
【0286】
装置600は、使用中の配置に反転することができる。
【0287】
ロックされたリンクは、ガイド部605(または動的ガイド)に係合していることに留意されたい。
【0288】
第1クラウドリンクは、理想化された、または仮想の係留索経路のラインの中にあることを留意されたい。
【0289】
図26を参照すると、本発明の一実施形態による装置700が示されており、「超小型」テンショナと呼ばれている。装置700は
図22~
図25の装置600と同様であり、同様の部品は同様の番号で識別されるが、「100」の差で繰り返される。
【0290】
図26は、
図25に示されている装置600と同様の使用中の配置で係留装置700を示す。
【0291】
ロックされたリンクは、ガイド部605(または動的ガイド)に係合していることに留意されたい。
【0292】
第1負荷リンクは、理想化された仮想係留索経路のラインの中にあることに留意されたい。
【0293】
図27(a)を参照すると、
図22~
図25の装置600と、ロックされたリンクおよび第1負荷リンクの位置とがさらに詳細に示されている。
【0294】
図27(b)を参照すると、
図26の装置600と、ロックされたリンクおよび第1負荷リンクの位置とがさらに詳細に示されている。
【0295】
図28(a)~(d)を参照すると、本発明の実施形態による第1~第4の装置が示されている。
【0296】
第1~第4の装置は
図26の係留装置と同様であり、同様の部分は、それぞれ「100」の単位および「a」~「d」の接尾辞が付けられた同様の数字部分によって識別される。
【0297】
【0298】
【表1】
図29(a)および(b)を参照すると、本発明の実施形態で使用するためのガイド部およびロック部材の第1および第2の組み合わせが示されている。
【0299】
図29(a)の組み合わせでは、ガイド部が平らな/歯付き車輪を含み、ロック部材は平らな/歯付き車輪の平らな/歯と噛み合うことができるヨークストッパを含む。
【0300】
図29(b)の組み合わせでは、ガイド部が溝ホイール、すなわち、円周溝を有するホイールと、円周溝と噛み合うことができるフィンガまたはピンタイプのストッパを備えるロック部材と、を備える。ホイールの第1および第2の外側部材は、互いに並列分散され、さらなる歯または拍車を備えることができる。
【0301】
図28(a)~(d)および
図29(a)および(b)に示すガイド部、ロック機構およびカウンタウェイトは、本発明の任意の実施形態、例えば、上記に開示した実施形態において有用性を見出すことができることが理解されるのであろう。
【0302】
図30(a)~(d)を参照すると、本発明による全体的に800で説明される装置の一連の概略側面図が示されている。係留装置800は、先に開示した本発明の実施形態による係留装置と類似している。
【0303】
係留装置800は、ガイド部805と、ロック機構815と、第1係留索経路820と、第2係留索経路821と、ガイド部805からの接線Tとを含む。
【0304】
図30(c)に見られるように、使用中、すなわち、第1係留索810に張力をかけ、ロック機構815をロックした後、接線Tは、上方に延在する、すなわち係留される構造物へ/から延在する、第1係留索経路820の部分と、下方に延在する、例えばアンカーポイントまでの、第2係留索経路821と、に整列する。したがって、連続的な負荷経路が提供される。
【0305】
図31(a)~(d)を参照すると、全体的に900で説明される装置の一連の概略側面図が示されている。装置900は本発明の実施形態による装置、例えば、上で開示された
図26に類似する。
【0306】
装置900は
図31(a)から(d)に、それぞれ
図30(a)から(d)に示される装置800と同じ配置で、同様に動作して示される。
【0307】
図30(a)~(d)の装置800では、使用中、すなわち第1係留索経路810に張力が加えられているとき、ロックされたリンク811および第1負荷リンク812が係留索経路820にあることに留意されたい。また、ロックされたリンク811は、ガイド部805上にある。
【0308】
図31(a)~(d)の装置900では、使用中、すなわち第1係留索経路810に張力が加えられているとき、第1負荷リンク912のみが、使用中の係留索経路920にあることに留意されたい。また、ロックされたリンク911は、ガイド部905上にある。
【0309】
上述した本発明の実施形態は単に例として与えられたものであり、本発明の範囲を限定することを意味するものではないことが理解されるのであろう。開示された実施形態の各々は本発明の記述および添付の特許請求の範囲に記載された特徴を提供し、そのような特徴は単に簡潔さのために、本明細書に完全に記載されていない。