(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173384
(43)【公開日】2022-11-18
(54)【発明の名称】ヒートシンクの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20221111BHJP
【FI】
H01L23/36 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153606
(22)【出願日】2022-09-27
(62)【分割の表示】P 2019068460の分割
【原出願日】2019-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深川 栄生
(57)【要約】
【課題】ヒートシンク部材の種類が少なくても様々な高さ寸法や巾寸法のヒートシンクを製造できるヒートシンクの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかるヒートシンクの製造方法は、ベース3にフィン5を列設した一方のヒートシンク部材7と、ベース3にフィン5を列設した他方のヒートシンク部材9を備え、一方のヒートシンク部材7及び/又は他方のヒートシンク部材9のフィン5を切断し、各ヒートシンク部材7、9のフィン5の高さh2を合わせる工程(a-1)(a-2)と、ヒートシンク部材7、9同士を一方のヒートシンク部材7のフィン5、5間に他方のヒートシンク部材9の各フィン5が収まるように組み合わせて固定する工程(d)(e)とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースにフィンを列設した一方のヒートシンク部材と、ベースにフィンを列設した他方のヒートシンク部材を備え、一方のヒートシンク部材及び/又は他方のヒートシンク部材のフィンを切断し、各ヒートシンク部材のフィンの高さを合わせる工程と、ヒートシンク部材同士を一方のヒートシンク部材のフィン間に他方のヒートシンク部材の各フィンが収まるように組み合わせて固定する工程とを有することを特徴とするヒートシンクの製造方法。
【請求項2】
ベースにフィンを列設した一方のヒートシンク部材と、ベースにフィンを列設した他方のヒートシンク部材を備え、一方のヒートシンク部材及び/又は他方のヒートシンク部材のベースをフィンの列設方向の任意の位置で切断して長さを決める工程と、ヒートシンク部材同士を一方のヒートシンク部材のフィン間に他方のヒートシンク部材の各フィンが収まるように組み合わせて固定する工程とを有することを特徴とするヒートシンクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシンクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートシンク部材を組合せて様々な高さ寸法や巾寸法のヒートシンクを形成する場合、ヒートシンク部材の種類が多くなってしまい、種類が少なくても対応できるものが求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、ヒートシンク部材の種類が少なくても様々な高さ寸法や巾寸法のヒートシンクを製造できるヒートシンクの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、ベースにフィンを列設した一方のヒートシンク部材と、ベースにフィンを列設した他方のヒートシンク部材を備え、一方のヒートシンク部材及び/又は他方のヒートシンク部材のフィンを切断し、各ヒートシンク部材のフィンの高さを合わせる工程と、ヒートシンク部材同士を一方のヒートシンク部材のフィン間に他方のヒートシンク部材の各フィンが収まるように組み合わせて固定する工程とを有することを特徴とするヒートシンクの製造方法である。
【0005】
請求項2に記載の発明は、ベースにフィンを列設した一方のヒートシンク部材と、ベースにフィンを列設した他方のヒートシンク部材を備え、一方のヒートシンク部材及び/又は他方のヒートシンク部材のベースをフィンの列設方向の任意の位置で切断して長さを決める工程と、ヒートシンク部材同士を一方のヒートシンク部材のフィン間に他方のヒートシンク部材の各フィンが収まるように組み合わせて固定する工程とを有することを特徴とするヒートシンクの製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、ヒートシンク部材の種類が少なくても様々な高さ寸法のヒートシンクを製造できる。
請求項2に記載の発明によれば、ヒートシンク部材の種類が少なくても様々な巾寸法のヒートシンクを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1実施の形態にかかるヒートシンクの製造方法の工程図であって、ヒートシンク部材及びヒートシンクの縦断面図である。
【
図2】本発明の第1実施の形態にかかるヒートシンクのかしめ工程を示す縦断面図である。
【
図3】本発明の第1実施の形態にかかるヒートシンクの製造方法により製造したヒートシンク部材及びヒートシンクと、高さ寸法を切断しないで製造したヒートシンク部材及びヒートシンクを並べて示す縦断面図である。
【
図4】本発明の第1実施の形態にかかるヒートシンクの斜視図である。
【
図5】本発明の第2実施の形態にかかるヒートシンクの製造方法の工程図であって、ヒートシンク部材及びヒートシンクの縦断面図である。
【
図6】本発明の第2実施の形態にかかるヒートシンクであって、巾寸法が異なる各ヒートシンクを並べて示す縦断面図である。
【
図7】本発明の第3実施の形態にかかるヒートシンクの製造方法で用いるヒートシンク部材及び製造したヒートシンクと、高さ寸法を切断しないで製造したヒートシンク及びそれに用いるヒートシンク部材を並べて示す縦断面図である。
【
図8】本発明の第4実施の形態にかかるヒートシンクの製造方法で用いるヒートシンク部材及び製造したヒートシンクと、巾寸法を切断しないで製造したヒートシンク及びそれに用いるヒートシンク部材を並べて示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、まず、
図1~
図4を参照して本発明の第1実施の形態について説明する。
図4に示すように、本発明の実施の形態に係る製造方法により製造したヒートシンク1は、略直方体形状を成しており、上面1a又は下面1bに電子部品等を接触させて放熱を図るものである。
このヒートシンク1は、ベース3にフィン5を列設した一方のヒートシンク部材7と、ベース3にフィン5列設した他方のヒートシンク部材9を備えている。
本実施の形態では、一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材9とは同種のものを用いており、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等の伝熱性を有する材料で製造されている。
また、一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材9とは同種の押出し金型で製造したものを用いている。
【0009】
一方のヒートシンク部材7のベース3には、そのフィン5、5間に、他方のヒートシンク部材9のフィン5の先端5aが嵌め込まれる溝11が形成されている。同様に、他方のヒートシンク部材9のベース3にも、そのフィン5、5間に、一方のヒートシンク部材7のフィン5の先端5aが嵌め込まれる溝11が形成されている。
【0010】
図1(e)に拡大して示すように、溝11は、対向する一方の溝壁11aと他方の溝壁11bとを有し、一方の溝壁11aは正面(
図1(e)の正面)から見て略長方形状の垂直壁としてある。一方の溝壁11aの厚さmは、フィン5の厚さnよりも薄く形成されている。
他方の溝壁11bは、正面から見た形状が略台形形状であり、フィン当接面11cは垂直面としてあるが、その反対側は傾斜面11dとしてある。他方の溝壁11bの厚さpは一方の溝壁11aの厚さmよりも厚い寸法としてある。
本実施の形態では、一方のヒートシンク部材7は正面から見た左側(
図1(b-2)において左側)の端に一方の溝壁(垂直壁)11aがある。
フィン5は、板状であり、溝11の長手方向に長く形成されている。
【0011】
図4に示すように、本実施の形態により製造したヒートシンク1は、フィン5の列設方向(巾方向)Xの巾寸法X1と、溝11の長手方向Yである奥行寸法Y1と、高さ方向Hの高さ寸法H2を有している。
図3(a―1)に示すように、切断して高さを合わせる前の一方及び他方のヒートシンク部材7、9は、ベース3がフィン5の列設方向Xの巾寸法X1であり、フィン5は高さh1である。
図3(b―2)に示すように、フィンを切断して高さを合わせた後の一方及び他方のヒートシンク部材7、9は、ベース3がフィン5の列設方向Xの巾寸法X1であり、フィン5は高さh2である。
【0012】
図4に示すように、一方のヒートシンク部材7では、フィンの列設方向Xの右端(
図4において右端)に位置している一方の溝壁11aをカシメ部12でカシメ固定している。他方のヒートシンク部材9では、フィンの列設方向Xの左端(
図4において左端)に位置している一方の溝壁11aを、一方のヒートシンク部材7と同様に、カシメ固定している(図示せず)。
【0013】
本実施の形態では、
図3(a―2)で示す高さ調整をしていない高さH1のヒートシンク1と、高さH1より低い高さH2に高さ調整(切断)したヒートシンク1(
図3(b-1))とを、
図3(a-1)で示す同種の一方及び他方のヒートシンク部材7、9を用いて製造するものである。
尚、
図3(a-2)(b-2)において、矢印Kで示すのは、カシメ固定の箇所を示している。
【0014】
次に、
図1を参照して、
図4に示す高さH2のヒートシンク1の製造方法について、説明する。
図1(a-1)(a-2)に示すように、一方のヒートシンク部材7と、他方のヒートシンク部材9とは同種のヒートシンク部材であり、
図3(a-2)で示す高さH1のヒートシンク1の製造に用いるものである。
各一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材9とについて、フィン5の高さh1を任意の所定高さh2のフィン切断位置Aで切断し、
図1(b-1)(b-2)に示す高さ寸法h2の一方のヒートシンク部材7と、他方のヒートシンク部材9にする。
次に、
図1(c-2)に示すように、他方のヒートシンク部材9を水平方向で180度回転する。
そして、
図1(d)で示すように、
図1(c-1)で示す一方のヒートシンク部材7に
図1(c-2)で示す他方のヒートシンク部材9を、一方のヒートシンク部材7の各フィン5の先端5aが他方のヒートシンク部材9の溝11(
図1(e)の拡大図参照)に、他方のヒートシンク部材9の各フィン5の先端5aが一方のヒートシンク部材7の溝11に嵌るように、一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材を互いに嵌合する。
その後、
図1(e)に拡大して示すように一方のヒートシンク部材7の左端にある一方の溝壁(垂直壁)11aをカシメ治具13でカシメ固定する。同様に、他方のヒートシンク部材9の右端にある一方の溝壁(垂直壁)11aをカシメ治具13でカシメ固定する。
【0015】
次に、カシメ治具13によるカシメ固定について詳しく説明する。
図2(a)に示すように、一方のシンク部材7の左端に位置する溝11に他方のシンク部材9のフィン5の先端5aを嵌合した状態で、
図2(b)に示すように、カシメ治具13の先端部13aを、ベース3の左側にから一方の溝壁(垂直壁)11aに打ち込む。これにより、一方の溝壁11aがカシメ治具13の先端部13aの形状に沿って凹むと共にフィン5側に食い込む凸部14が形成されると共に、溝11に嵌合している他方部材のフィン5の先端5aが他方の溝壁11b側に突出する凸部15が他方の溝壁11bに食い込む。
その後、
図2(c)に示すように、カシメ治具13を一方の溝壁11aから離して、カシメ固定が完了する。
上述した
図2(a)~(c)のカシメ固定を、一方のシンク部材7で2箇所(
図4参照)、他方のシンク部材9でも同様に2箇所おこなう。
【0016】
第1実施の形態に係るヒートシンクの製造方法の作用効果について説明する。
上述した実施の形態によれば、
図3(a-1)に示す一方及び他方のヒートシンク部材7、9をそのまま用いて、
図3(a-2)に示す高さH1のヒートシンク1を製造することもできるし、
図3(b-1)に示すように、フィン5を切断して高さを変えることで、
図3(b-2)に示すように、H1よりも低い高さH2のヒートシンク1を製造できるから、ヒートシンク部材7、9の種類が少なくても様々な高さ寸法のヒートシンクを製造できる。
図3(a-1)及び(b-1)に示すように、一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材9は同種のものであり、フィン5を所定高さh2で切断したものを用いて、
図3(a-2)に示す高さH1のヒートシンク1と、
図3(b-2)に示す異なる高さ寸法H2のシートシンク1を製造できるから、一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材9はアルミ押出形材である場合、押出金型1つで異なる高さのヒートシンク1に対応でき、高さHの異なる種類のヒートシンク1を製造する場合のコストを抑えられる。
図1(d)(e)に示すように、一方のヒートシンク部材7のフィン5、5間の溝11に他方のヒートシンク部材9のフィン5が嵌まり込んでいるから、ヒートシンク1の製造時において、両ヒートシンク部材7、9を組み合わせる際に位置決めがし易い。
【0017】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図5及び
図6を参照して、本発明の第2実施の形態にかかるヒートシンクの製造方法を説明する。
第2実施の形態にかかるヒートシンクの製造方法は、様々な巾寸法(フィン5の列設方向Xの寸法)X1(
図4参照)のヒートシンクを製造する方法である。
図5(a-1)及び(a-2)に示すように、同種の一方及び他方のヒートシンク部材7、9を用いて、
図5(b-1)に示すように、一方のヒートシンク部材7ではその巾方向の左端側(
図5(b-1)において左端側)で、一つの溝11を含む端部部分19を巾方向の切断位置Bで切断する。また、
図5(b-2)に示すように、他方のシンク部材9では、その巾方向の右端側(
図5(b-2)において右端側)で、一方のヒートシンク部材7と同様に、巾方向の切断位置Bで切断するが、他方のヒートシンク部材9では、一方の溝壁(垂直壁)11aを右端に残す位置で切断する。
次に、
図5(c-1)に示すように、他方のシンク部材9を上下に180度回転して、ベース3を上にフィン5を下にする。
その後、
図5(d)に示すように、一方のヒートシンク部材7の各フィン5の先端5aが他方のヒートシンク部材9の溝11(
図5(b-2)の拡大図参照))に、他方のヒートシンク部材9の各フィン5の先端5aが一方のヒートシンク部材7の溝11(
図5(b-1)の拡大図参照))に嵌るように、一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材を互いに嵌合する。
その後、
図1(e)に拡大して示すように、他方のヒートシンク部材9の左端にある一方の溝壁(垂直壁)11aをカシメ治具13でカシメ固定する。同様に、他方のヒートシンク部材9の右端にある一方の溝壁(垂直壁)11aをカシメ治具13でカシメ固定する。
【0018】
この第2実施の形態によれば、巾方向の切断位置B(
図5(b-1)(b-2)参照)で切断しないで、一方のヒートシンク部材7と他方のシンク部材9を嵌合して製造した
図6(a)に示す巾寸法X1のヒートシンク1や、上述した第2実施の形態で製造した
図6(b)に示す巾寸法X2のヒートシンク1や、巾方向の切断位置B(
図5(b-1)(b-2)参照)の箇所を変えることで
図6(c)に示す更に巾の小さい巾寸法X3のヒートシンク1を製造できるから、ヒートシンク部材7、9の種類が少なくても様々な巾寸法のヒートシンクを製造できる。
図5(a-1)及び(a-2)に示すように、一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材9は同種のものであり、(b-1)に示す一方のヒートシンク部材7は左側(
図5(b-1)において左側)を巾方向の切断位置Bで切断したものであり、(b-2)に示す他方のヒートシンク部材9は右側(
図5(b-2)において右側)を巾方向の切断位置Bで切断したものであるから、一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材9はアルミ押出形材である場合、押出金型1つで異なる巾のヒートシンク1に対応でき、巾方向(フィンの列設方向)Xの寸法が異なる種類のヒートシンク1を製造する場合のコストを抑えられる。
図5(d)(e)に示すように、一方のヒートシンク部材7のフィン5,5間の溝11に他方のヒートシンク部材9のフィン5が嵌まり込んでいるから、ヒートシンク1の製造時において、両ヒートシンク部材7、9を組み合わせる際に位置決めがし易い。
図5(b-2)に示すように、ベース3にはフィン5、5間に、カシメ固定する為の一方の溝壁(垂直壁)11aを有し、一方の溝壁(垂直壁)11aを端にした位置で切断してあるから、ヒートシンク1の巾方向(フィンの列設方向)Xのどこで切断しても、カシメ部としての一方の溝壁(垂直壁)11aが端に位置するため、カシメ作業が容易である。
【0019】
図7に第3実施の形態に係るヒートシンクの製造方法を示す。この第3実施の形態では、フィン5が第1実施の形態のように溝の長手方向に長い板状でなく、
図7(aー1)に示すように、水平片5bを有している点が第1実施の形態と異なっており、その他の構成及び製造方法は第1実施の形態と同様である。
この第3実施の形態によれば、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、フィン5には水平片5bが設けてあるので、放熱効果を高めることができる。
【0020】
図8に第4実施の形態に係るヒートシンクの製造方法を示す。この第4実施の形態では、
図8(a-1)に示すように、第3実施の形態と同様にフィン5を高さ方向の切断位置Aで切断して高さ寸法を変えていると共に、
図8(aー3)に示すように、左端(
図8(a-3)において左)に一方の溝壁11aを残すと共にフィン5を含めた巾方向の切断位置Bで切断して、巾方向の寸法を変えて製造していることが第3実施の形態と異なっている。
【0021】
この第4実施の形態によれば、上述したヒートシンク部材7、9の種類が少なくても様々な高さ寸法H及び巾寸法(フィンの列設方向)Xのヒートシンクを製造できる。
図8(a-1)に示すように、一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材9は同種のものであり、(a-3)に示す一方のヒートシンク部材7はフィン5を所定高さh2で切断し、更に巾寸法X2で切断したものを用いているから、一方のヒートシンク部材7と他方のヒートシンク部材9はアルミ押出形材である場合、押出金型1つで異なる高さ及び巾のヒートシンク1に対応でき、高さH及び巾Xの異なる種類のヒートシンク1を製造する場合のコストを抑えられる。
図8(a-2)(a-4)に示すように、一方のヒートシンク部材7のフィン5、5間の溝11に他方のヒートシンク部材9のフィン5が嵌まり込んでいるから、ヒートシンク1の製造時において、両ヒートシンク部材7、9を組み合わせる際に位置決めがし易い。
図8(a-3)に示すように、ベース3にはフィン5、5間に、カシメ固定する為の一方の溝壁(垂直壁)11aを有し、一方の溝壁(垂直壁)11aを端にした位置で切断してあるから、ヒートシンク1の巾方向Xのどこで切断しても、カシメ部としての一方の溝壁(垂直壁)11aが端に位置するため、カシメ作業が容易である。
【0022】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、第1、3~第4の実施の形態において、高さ寸法が同一である一方及び他方のヒートシンク部材7、9は、両方のフィン5について、高さ方向の切断位置Aで切断して2つのヒートシンク部材7、9を組み合わせて固定するものであったが、高さ寸法の異なる2つのヒートシンク部材があって、高さ寸法の小さい一方のヒートシンク部材7の高さ寸法に合わせて他方のヒートシンク部材9のフィン5を切断して、2つのヒートシンク部材7、9を組み合わせて固定するものであっても良い。
第2、第4の実施の形態において、巾寸法が同一である一方及び他方のヒートシンク部材7、9は両方のベースについて、巾方向の切断位置Bで切断して2つのヒートシンク部材7、9を組み合わせて固定するものであったが、巾寸法の異なる2つのヒートシンク部材があって、巾寸法の小さい一方のヒートシンク部材7の巾寸法に合わせて他方のヒートシンク部材9の端部部分19を切断して、2つのヒートシンク部材7、9を組み合わせて固定するものであっても良い。
【符号の説明】
【0023】
1 ヒートシンク
3 ベース
5 フィン
5a 先端
7 一方のヒートシンク部材
9 他方のヒートシンク部材
A 高さ方向の切断位置
B 巾方向の切断位置
X 巾方向(フィンの列設方向)
【手続補正書】
【提出日】2022-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースにフィンを列設した一方のヒートシンク部材と、ベースにフィンを列設した他方のヒートシンク部材を備え、一方のヒートシンク部材及び他方のヒートシンク部材のベースをフィンの列設方向の任意の位置で切断して巾寸法を合わせる工程と、ヒートシンク部材同士を一方のヒートシンク部材のフィン間に他方のヒートシンク部材の各フィンが収まるように組み合わせて固定する工程とを有することを特徴とするヒートシンクの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
請求項1に記載の発明は、ベースにフィンを列設した一方のヒートシンク部材と、ベースにフィンを列設した他方のヒートシンク部材を備え、一方のヒートシンク部材及び他方のヒートシンク部材のベースをフィンの列設方向の任意の位置で切断して巾寸法を合わせる工程と、ヒートシンク部材同士を一方のヒートシンク部材のフィン間に他方のヒートシンク部材の各フィンが収まるように組み合わせて固定する工程とを有することを特徴とするヒートシンクの製造方法である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、ヒートシンク部材の種類が少なくても様々な巾寸法のヒートシンクを製造できる。