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特開2022-173398情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173398
(43)【公開日】2022-11-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/216 20140101AFI20221111BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20221111BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20221111BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20221111BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20221111BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/65
A63F13/69
A63F13/55
A63F13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153963
(22)【出願日】2022-09-27
(62)【分割の表示】P 2020169072の分割
【原出願日】2019-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 元輝
(57)【要約】
【課題】ユーザの位置情報を用いたゲームにおいて、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲を喚起させることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】位置情報ゲームシステムにおいて実行される情報処理は、ユーザが所定状態設定地点との間で所定の位置条件を満たした場合、ユーザの所定状態設定指示に基づいて、指定されたキャラクタを所定状態に設定する所定状態設定処理(S101)、所定状態に設定された後、所定状態の終了条件を満たしたキャラクタの能力を変化させる能力変化処理(S102)、所定状態の終了条件を満たした後、ユーザが所定状態設定地点又は特典付与地点との間で所定の位置条件を満たした場合、ユーザの解除指示に基づいて、そのキャラクタの所定状態を解除する所定状態解除処理(S103)の3つのフェーズから構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの位置情報に基づいて、ゲームにおける前記ユーザの地図上の位置を特定する位置特定部と、
前記ユーザの地図上の位置が、前記地図上に配置された第一オブジェクトに対して所定の位置条件を満たす場合に、前記ユーザが前記ゲーム内で所有するキャラクタを所定状態に設定可能とする所定状態設定部と、
前記所定状態となった後、前記所定状態の終了条件を満たした場合に、前記キャラクタが備える能力を変化させる能力変化部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPS(Global Positioning System)等を使用して測定した、現実空間におけるユーザ(厳密には、ユーザの携帯する情報端末。)の地理的位置に関する情報(以下、位置情報という。)に基づいて、ゲームを進行していく位置情報ゲームが知られている。
【0003】
例えば、非特許文献1には、キャラクタの収集等を行う位置情報ゲームであって、地図上に配置されている施設(ポケストップ)からゲームに役立つアイテムを入手することができる位置情報ゲームが開示されている。
また、非特許文献2には、目的地を定め、敵キャラクタを倒す等して冒険を進める位置情報ゲームであって、地図上の任意の場所に、プレイヤーの体力等を回復させることができる施設(自宅)を設置することができる位置情報ゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】[Pokemon GO 公式サイト]、[online]、Niantic, Inc.、株式会社ポケモン、任天堂株式会社、[2019年11月25日検索]、インターネット[https://www.pokemongo.jp/]
【非特許文献2】[ドラゴンクエストク 公式プロモーションサイト]、[online]、株式会社スクウェア・エニックス、[2019年11月25日検索]、インターネット[https://www.dragonquest.jp/walk/]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1又は非特許文献2のような従来の位置情報ゲームでは、ユーザが上記の施設の周囲に所在することにより、アイテムを入手できたり、体力等を回復させたりすることができるものの、ユーザの位置情報に関連して、ユーザが操作するキャラクタ等の能力を変化させたり向上させたりすることはできない。そのため、ユーザ自身が移動することがゲーム内のアクションとして反映される位置情報ゲーム特有の面白さを利用しつつ、キャラクタ等を成長させていきたいユーザにとっては、ゲームの娯楽性という面においては物足りず、ゲームに対するプレイ意欲の低下を招く恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザの位置情報を用いたゲームにおいて、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲を喚起させることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザの位置情報に基づいて、ゲームにおけるユーザの地図上の位置を特定する位置特定部と、ユーザの地図上の位置が、地図上に配置された第一オブジェクトに対して所定の位置条件を満たす場合に、ユーザがゲーム内で所有するキャラクタを所定状態に設定可能とする所定状態設定部と、所定状態となった後、所定状態の終了条件を満たした場合に、キャラクタが備える能力を変化させる能力変化部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ユーザの位置情報を用いたゲームにおいて、ユーザは、地図上に配置された第一オブジェクトに対して所定の位置条件を満たす場合に、ゲームで使用するキャラクタを所定状態に設定して能力を変化させることができる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲を喚起させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む位置情報ゲームシステムの概念図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置、及び端末の各々のハードウェア構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る端末の機能の説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を構成するサーバの機能の説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理の流れを示すフローチャートである。
図6】所定状態設定処理の流れを示すシーケンス図である。
図7】(a)及び(b)は、所定状態に設定可能な状況であることを通知する表示画面の一例を示す図である。
図8】(a)及び(b)は、所定状態に設定する際の表示画面の一例を示す図である。
図9】所定状態に設定したことを通知する表示画面の一例を示す図である。
図10】能力変化処理の流れを示すシーケンス図である。
図11】(a)は、所定状態設定中であることを示す表示画面の一例を示す図である。(b)は、所定状態が終了したことを示す表示画面の一例を示す図である。
図12】時短処理の流れを示すフローチャートである。
図13】所定状態解除処理の流れを示すシーケンス図である。
図14】(a)は、所定状態を解除可能な状況であることを通知する表示画面の一例を示す図である。(b)は、所定状態を解除したことを通知する表示画面の一例を示す図である。
図15】中断処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
さらに、以下の説明の中で参照される各図が示す画面例についても一例に過ぎず、画面の構成例、表示される情報及びGUI(Graphical User Interface)の具体的な内容等については、設計仕様及びユーザの好みに応じて自由に設計及び変更し得るものである。
【0011】
<位置情報ゲームについて>
図1に示される通信システム(以下、位置情報ゲームシステムSという。)は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置(以下、サーバ30という。)を含む通信システムであり、ユーザUに対して、位置情報ゲームを提供する。
【0012】
「位置情報ゲーム」とは、現実空間におけるユーザUの物理的な移動距離や現在位置(緯度及び経度等の座標位置)等の位置情報に基づいて、ユーザUに対応したプレイヤーキャラクタ(以下、プレイヤーPという。)及びその他のオブジェクト等が、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)又は複合現実(MR)等の空間内に形成された地図上を移動し、発生する種々のクエスト(イベント)を消化しながら進行して遊ぶ(以下、プレイという。)電子ゲームである。なお、以下、単に「ゲーム」と記載する場合は「位置情報ゲーム」を含むものとする。
【0013】
「地図」とは、本明細書中においては、ゲーム内の地図を指し、現実空間の地理に対応した情報に基づき作成された、拡張現実、仮想現実又は複合現実等の空間内における二次元又は三次元の図をいう。地図上には、現実空間における地理的要素、道路及び建物等の位置情報、大きさ及び形状等を反映させた仮想的なオブジェクトが配置されている。また、地図上には、後述する所定状態設定地点51及び特典付与地点52がランダムに出現する。
【0014】
「クエスト」とは、ゲーム内でユーザUに与えられる任務、すなわち、ゲームを構成する個別のステージのことをいう。クエストは、実施期間と達成条件がそれぞれ設定されており、ゲームを進めていくにしたがって種々発生する。クエストには、例えば、ある地点に到達することを目的とするクエスト、敵キャラクタ等と遭遇したり戦ったりするクエスト、又は、アイテムが獲得できるクエスト等がある。なお、設定された達成条件を満たしてクエストを終了することをクリアという。
【0015】
本実施形態では、ゲームの一例として、ユーザUが、複数のキャラクタから成るチームを編成し(例えば四体で一組)、それらのキャラクタを所定のアクションにより操作して戦い、ゲーム内に用意されている複数のクエストに順次挑戦してクリアしていくことにより進行するゲームを挙げる。
【0016】
本実施形態のゲームにおいては、ユーザUは、複数のキャラクタを所有し、操作することになるが、それらのキャラクタは、売却したり、アイテム又は他のキャラクタと引換したり、他のユーザUとの間で貸し借りしたりすることもできる。また、ユーザUは、ゲームをプレイすることによって経験値を溜めたり、アイテム等を使用したりすることによって、キャラクタの能力を変化させることができる。また、地図上に配置されている所定状態設定地点51を利用して、キャラクタの能力を変化させることもできる。
【0017】
「能力を変化」とは、キャラクタの能力を変化させることであり、一例として、以下に挙げる変化を含む。なお、基本的には、ユーザUに有利になるような変化であるが、ユーザUに不利になるような変化を除外するものではない。
(a)キャラクタが備えるパラメータ(レベル、体力、攻撃力、スピード、又は運等に関する設定データ)を向上させて、キャラクタを強化する。
(b)キャラクタが備えるパラメータについて、予め規定された上限値(最大値)を向上させて、キャラクタをさらに強化する。なお、以下、「上限解放」といった場合は、キャラクタが備えるパラメータの上限値を向上させることを指す。
(c)キャラクタに特殊な能力(技等)を追加する。
(d)キャラクタが有する特殊な能力を変更する。
(e)キャラクタの属性を変化させる。例えば、キャラクタの職業を職業Aから職業Bに変化させる。
【0018】
「所定状態設定地点」とは、第一オブジェクトに相当し、地図上に配置された地点(施設)であって、ユーザUが所定の位置条件を満たした場合に、ゲーム内で所有するキャラクタを預けて所定状態に設定することができる地点である。また、所定状態の終了条件を満たすキャラクタを、引き取って所定状態を解除することができる地点である。所定状態設定地点51は、地図上のあらゆる地点に、定期又は不定期に出現し、同時期に複数の所定状態設定地点51が配置されていてもよい。また、所定状態設定地点51は、予め設定されている有効期間が満了した後等に消滅又は移動等することとしてもよい。さらに、後述する特典付与地点52が、定期又は不定期に所定状態設定地点51に変更されることとしてもよい。
【0019】
「所定の位置条件」とは、所定状態設定地点51とユーザUとの位置関係を示す条件をいい、例えば、所定状態設定地点51に対応した現実空間における位置の所定範囲内に、ユーザUが実際に所在する場合等をいう。また、所定状態設定地点51とは異なる地点であっても、所定状態設定地点51とその異なる地点とを関連付けておき、その異なる地点に対応した現実空間における位置の所定範囲内に、ユーザUが実際に所在する場合等であってもよい。
【0020】
「所定状態」とは、所定状態設定地点51に預けられている状態であって、キャラクタの能力を変化させるために必要な期間(以下、所定期間という。)中、キャラクタがユーザUの手元を離れている状態をいう。すなわち、本実施形態では、キャラクタを所定状態設定地点51に所定期間継続して預けて所定状態とし、その所定状態の終了条件を満たした場合に、所定状態に設定していたキャラクタの能力が変化する。なお、本実施形態では、所定期間は、原則として、最大24時間とする。
【0021】
本実施形態では、原則として、所定状態に設定できるキャラクタは、能力が上限値まで到達している等の特定の条件を満たす特定キャラクタに限定する。また、所定状態に設定できる回数は、キャラクタ1体につき1回のみに限定する。また、他のユーザUとの間で貸借中のキャラクタは所定状態に設定できない。ただし、全てのキャラを所定状態に設定できることとしてもよいし、所定状態に設定できる回数を複数回としてもよい。また、他のユーザUから借りたキャラクタを所定状態に設定できることとした場合は、能力が変化した状態のまま他のユーザUに返却されることとしてもよい。
【0022】
また、ユーザUが、一定期間内又は同時に、所定状態に設定できるキャラクタの数を所定数に限定してもよい。例えば、1日に1体のみ所定状態に設定できることとし、同時に複数のキャラクタを所定状態に設定することができないこととする。ただし、ユーザUごとに同時に所定状態に設定することができるキャラクタの数を変更してもよい。例えば、経験値が高いユーザUについては、同時に複数のキャラクタを所定状態に設定できるようにすることもできる。
【0023】
ユーザUは、原則として、所定状態に設定中のキャラクタをゲームで使用することができない。すなわち、所定期間中は、そのキャラクタを戦いに出撃するチームのメンバーに組み込んで、ゲームをプレイすることができない。また、そのキャラクタに対してアイテム等を使用することもできない。さらに、そのキャラクタは、売却、引換、及び、他のユーザUとの間で貸し借り等をすることもできない
【0024】
ユーザUは、上記のとおり、所定状態に設定中のキャラクタをゲームで使用することができないが、アイテム等を使用することにより、所定期間を直ぐに終了させたり、所定期間を短縮(以下、時短という。)させたりすることもできる。本実施形態では、所定状態を終了又は時短するために、第一アイテム及び第二アイテムの二種類のアイテムを使用することができる。第一アイテムは、消費量(個数)に応じて時短することができる。例えば、第一アイテム1個につき60分短縮できる(なお、残りの所定期間が60分未満であっても1個は消費する。)。一方、第二アイテムは、残りの所定期間にかかわらず、1個で所定状態を即終了することができる。また、アイテムを使用する際には、ユーザUが第一アイテムを保有している場合は、第二アイテムよりも優先して第一アイテムが自動的に先に消費される。
【0025】
本実施形態では、上記アイテムは、ユーザUの任意のタイミングで使用することができる。また、例えば、クエストに挑戦する際、出撃するメンバーの中に所定状態に設定中のキャラクタが含まれている場合には、所定状態を終了又は時短するために、アイテムを消費して時短することができる旨を案内してもよい。
【0026】
所定期間が経過又はアイテムを使用することにより、所定状態の終了条件を満たしたキャラクタは、所定状態を解除することによって、ゲームで再び使用できるようになる。本実施形態では、ユーザUが、キャラクタを預けた所定状態設定地点51、その他の所定状態設定地点51(所定状態設定地点51が複数配置されている場合。)、又は、後述する特典付与地点52との間で所定の位置条件を満たした場合に、キャラクタを引き取って所定状態を解除することができる。なお、所定状態の解除は、上記以外の地点で行うことができるようにしてもよいし、ユーザUの所在する位置に関係なく、所定状態が終了すると同時に行ってもよい。
【0027】
また、上記のとおり、所定状態に設定中のキャラクタは、ゲームで使用することができないため、ユーザUにとっては、設定した所定状態を中断したい場合が生じることもあり得る。その場合は、ユーザUは、所定期間中であっても所定状態を任意のタイミングで中断(キャンセル)することができる。所定状態の終了条件を満たす前に中断して終了した場合は、当然ながら、キャラクタの能力は変化しないが、ゲームで使用可能な状態に戻る。
なお、一度中断した場合であっても、あらためて所定状態に設定し直すことにより、それまでの所定期間を引き継いだ状態で再開できることとしてもよい。その場合は、同一の所定状態設定地点51であってもよいし、他の所定状態設定地点51であってもよい。
【0028】
「特典付与地点」とは、第二オブジェクトに相当し、地図上に配置された地点(施設)であって、ユーザUが所定の位置条件を満たした場合に、その特典付与地点52に関連付けて設定されている特典がユーザUに付与される地点である。特典付与地点52は、地図上のあらゆる地点に、定期又は不定期に出現し、同時期に複数の特典付与地点52が配置されていてもよい。また、特典付与地点52は、予め設定されている有効期間が満了した後等に消滅又は移動等することとしてもよい。さらに、特典付与地点52が複数配置されている場合、その中の一部が、定期又は不定期に所定状態設定地点51に変更されることとしてもよい。さらにまた、所定状態の終了条件を満たすキャラクタを、特典付与地点52にて引き取って所定状態を解除することができることとしてもよい。
【0029】
「所定の位置条件」とは、所定状態設定地点51における所定の位置条件と概ね同様であり、特典付与地点52とユーザUとの位置関係を示す条件をいう。例えば、特典付与地点52に対応した現実空間における位置の所定範囲内に、ユーザUが実際に所在する場合等が該当する。また、特典付与地点52とは異なる地点であっても、特典付与地点52とその異なる地点とを関連付けておき、その異なる地点に対応した現実空間における位置の所定範囲内に、ユーザUが実際に所在する場合等であってもよい。
【0030】
「特典」とは、ゲーム又はクエストを進めるうえで、ユーザUに対して付与される有利な効果の総称をいい、本実施形態では、特典の一例として、以下のような有利な効果が発生する。
(a)ゲーム内で使用できる仮想通貨アイテム又はその欠片(複数ポイント集めると所定の仮想通貨アイテムと交換可能になるオブジェクト)を取得する。
(b)特別なキャラクタを取得する。
(c)特別なクエストのプレイ資格を取得する。
(d)クエストの進行に主として作用するパラメータ(キャラクタのレベル、体力、攻撃力、スピード、又は運等に関する設定データ)が有利な方向に変化する。
(e)クエストのクリア報酬の計算に主として作用するパラメータ(回復する体力、獲得する経験値、獲得するポイント、又は特別な報酬の発生率等に関する設定データ)が有利な方向に変化する。
【0031】
本実施形態では、ユーザUが単独でプレイすることは勿論、複数のユーザUが各々のユーザ端末10を操作して共通のクエストを同時にプレイする所謂マルチプレイ(以下、共同プレイという。)も可能である。この共同プレイでは、特定のクエストに対して共同プレイを主催して仲間を募集するユーザU(以下、ホストという。)と、その募集に応募して共同プレイに参加するユーザU(以下、ゲストという。)とにより、共同関係が形成され、プレイの進行が共同プレイを行うユーザ間で同期される。
【0032】
共同プレイは、各ユーザUのユーザ端末10の通信機能を通じて行われる。具体的には、あるユーザUが、ホストの募集する共同プレイに対して参加の申込を行い、ホストがその申込を許可すると、そのあるユーザUはゲストとして、ホストとの間に共同プレイ用の通信経路が確立される。なお、共同プレイの申込資格は、特に限定されず、任意に設定することができる。例えば、現実空間において、ホストの現在位置から所定距離の範囲内に所在するユーザUが申込を行うことができることとしてもよい。また、あるユーザUと交友関係がある他のユーザUであって、ユーザU同士で互いに承認したフレンドユーザ(以下、承認ユーザという。)が申込を行うことができることとしてもよい。
【0033】
その後、共同プレイに要する各種データの送受信が、公知の通信方式に従って実施される。このときのデータは、サーバ30を介したクライアント・サーバ方式であってもよく、サーバ30を介さないP2P(ピア・ツー・ピア)方式であってもよい。また、共同プレイの様式は、完全同期型及び非同期型に分類されるが、いずれの様式を採用してもよい。なお、完全同期型は、キー入力同期方式及びコマンド入力方式を含み、非同期型にはサーバ集中処理型及びクライアント分散処理が含まれる。
【0034】
なお、共同プレイ対応型のゲームには、複数のユーザUが協力する協力プレイゲーム、及び、ユーザU同士が対戦する対戦ゲームが含まれるが、いずれのタイプであってもよい。また、一回の共同プレイにおけるユーザU数の上限(最大プレイ人数)については、特に限定されず任意の数に設定してもよいが、例えば最大で4人程度に設定するのがよい。
【0035】
<位置情報ゲームシステムSの構成について>
次に、上記の位置情報ゲームをユーザUに提供するための位置情報ゲームシステムSの構成について説明する。
図1に示されるように、位置情報ゲームシステムSは、ユーザUが位置情報ゲームをプレイするために構築されたものであり、ユーザUによって操作される情報端末(以下、ユーザ端末10という。)と、サーバ30とから構成されている。ユーザ端末10とサーバ30とは、インターネット等のネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。また、ユーザ端末10は、GPS衛星Gと通信可能に接続されている。
【0036】
ユーザ端末10は、端末内に格納されたプログラムと、そのプログラムを実行するプロセッサとを搭載しており、その所有者であるユーザUによって携帯され、ユーザUは、プレイの際にそのユーザ端末10を操作する。ユーザ端末10としては、ゲーム用の端末として用いられる公知の機器、例えば、スマートフォン、携帯電話、ノート型PC、タブレット端末、ウェアラブル端末、又は通信機能を備えるゲーム専用機器等が利用可能である。なお、位置情報ゲームシステムSを構成するユーザ端末10の台数は、特に限定されず任意の台数であってよいが、図1では、図示の便宜上、ユーザ端末10の台数を3台としている。
【0037】
サーバ30は、本発明の情報処理装置を構成するコンピュータである。例えば、ゲーム提供会社が管理するサーバコンピュータによって構成されており、ゲームの進行処理を担う。具体的には、ユーザUのゲームアカウント、ステータス及び位置情報等をユーザUごとに管理し、各ユーザUに対してゲーム進行用データを配信する。また、サーバ30は、単独で特定の機能を発揮する一台のコンピュータから成るサーバ装置に限定されず、分散して存在しているものの特定の機能を発揮するために協働する複数台のコンピュータから成るサーバ装置群により構成されている場合であってもよい。
【0038】
ネットワークNは、ユーザ端末10とサーバ30とをデータ通信が可能な状態で接続するものであればよい。有線であるか無線であるかは問わず、インターネット、モバイル通信ネットワーク、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット及びイーサネット(登録商標)等を含む。また、ユーザ端末10同士は、ネットワークNを介して通信してもよいし、Bluetooth(登録商標)又はWifi-Direct等を通じてネットワークNを介さずに直接通信してもよい。
【0039】
本実施形態の位置情報ゲームシステムSでは、上記構成により、ユーザ端末10とサーバ30とが協働することにより、ゲームが進行する。具体的には、ゲーム進行処理の一部をサーバ30側で行い、グラフィック処理等の一部をユーザ端末10側で実行する。例えば、サーバ30側で、一定のルール、ロジック及びアルゴリズムを含むプログラムを実行する。一方、ユーザ端末10側では、サーバ30と同期しつつ、サーバ30で実行されているプログラムと同様のルール、ロジック及びアルゴリズムにより、各ユーザUに対応するプレイヤーP、及び、その他のオブジェクトを移動させ、種々のクエストを発生させてゲームを進行させる。
【0040】
<ユーザ端末10の構成>
次に、本実施形態に係るユーザ端末10の構成について説明する。
図2に示されるように、ユーザ端末10は、ハードウェア構成として、プロセッサ11、記憶装置12、通信用インターフェース(図2中、通信用I/Fと表記。)13、入力装置14及び出力装置15を備え、これらの機器は不図示のバスを介して電気的に接続されている。
【0041】
プロセッサ11は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit)、グラフィクスプロセッサ(Graphics Processing Unit)、又は、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor)等を含み、記憶装置12に記憶されるプログラム又はデータに基づいて各種の演算処理を実行すると共に、ユーザ端末10の各部を制御する。プロセッサ11によって実行されるプログラムには、ユーザ端末10全体を制御するためのシステムソフトウェアであるOS(Operating System)、及びゲーム用のアプリケーションプログラム等が含まれ、それらの各種プログラムがプロセッサ11に読み取られて実行されることにより、位置情報ゲームシステムSを構成するユーザ端末10としての機能が発揮される。
【0042】
記憶装置12は、例えばメモリ又はストレージ等を含み、各種のプログラム又はデータを記憶する。
メモリは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成され、プログラム及びデータを一時的に記憶することでプロセッサ11に作業領域を提供し、プロセッサ11が実行する処理によって生成される各種データを一時的に記憶する。
ストレージは、ゲームに関する各種データを記憶し、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、及びUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されている。
【0043】
通信用インターフェース13は、例えば、ネットワークインターフェースカード(NIC)等により構成され、ユーザ端末10の通信処理を制御する。通信用インターフェース13による通信規格については、特に限定されるものではなく、公衆向けの通信規格であれば制限なく適用可能である。また、通信用インターフェース13による通信方式は、無線方式であっても有線方式であってもよい。
【0044】
入力装置14は、ユーザUの操作を受け付けて、受け付けた操作の内容を示すデータを生成するデバイスである。一例としては、ユーザ端末10に設けられた操作キー、操作ボタン、集音用マイク、及び撮影用カメラ等が利用可能である。
【0045】
出力装置15は、画面を描画して画像及び文字列情報等を表示したり、音声を再生したりするデバイスである。一例としては、ユーザ端末10に設けられた液晶ディスプレイ又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ及びスピーカー等が利用可能である。なお、本実施形態においては、出力装置15として、少なくともディスプレイを有する。ディスプレイは、タッチパネルディスプレイのように入力装置14及び出力装置15の両方の機能を兼ね備えるものであってもよい。
【0046】
次に、図3を参照しながら、ユーザ端末10の構成について機能面から改めて説明する。
図3に示されるように、ユーザ端末10は、複数の機能部、具体的には、操作特定部16、位置情報取得部17、端末側記憶部18、端末側生成部19、端末側送受信部20、及び表示処理部21を備える。これらの機能部は、ユーザ端末10のハードウェア機器と、ユーザ端末10に格納されたソフトウェアとしてのプログラムとが協働することで実現される。
【0047】
[操作特定部16]
操作特定部16は、主にプロセッサ11及び入力装置14により実現され、ユーザUがユーザ端末10の入力装置14を通じて行った各種の操作の内容を特定する。操作特定部16によって特定する操作には、ゲーム進行用の操作及び共同プレイに関する操作(共同プレイの募集、共同プレイへの申込及びその申込に対する許否に関する操作)等が含まれる。ゲーム進行用の操作には、特典付与地点から特典の取得を指示する操作、キャラクタを所定状態に設定することを指示する操作、キャラクタの所定状態の時短を指示する操作、キャラクタの所定状態の中断を指示する操作、及び、キャラクタの所定状態の解除を指示する操作等も含まれる。
【0048】
[位置情報取得部17]
位置情報取得部17は、主にプロセッサ11及び通信用インターフェース13により実現され、ユーザ端末10の位置、すなわち、ユーザ端末10を携帯しているユーザUの現実空間での位置情報(座標位置)を取得する。位置情報を取得する方法としては、例えば、GPSのようにGPS衛星Gからの信号によってユーザ端末10の位置を検出する方法、又は、不図示の携帯電話システムの基地局若しくはWifi通信のアクセスポイント等からの電波強度によってユーザ端末10の位置を検出する方法等が含まれる。
【0049】
[端末側記憶部18]
端末側記憶部18は、主にプロセッサ11及び記憶装置12により実現され、ゲーム進行に関する各種データ(例えば、映像データ、画像データ、及び音声データ等)を記憶する。
【0050】
[端末側生成部19]
端末側生成部19は、主にプロセッサ11及び記憶装置12により実現され、操作特定部16によって特定されたユーザUの操作内容に応じたゲーム操作データ、及び、位置情報取得部17によって取得された位置情報に関する位置情報データ等を生成する。ここで生成されるゲーム操作データには、特典付与地点からの特典取得指示に基づく特典取得操作データ、キャラクタを所定状態に設定する指示に基づく設定指示操作データ、キャラクタの所定状態を時短する指示に基づく時短指示操作データ、キャラクタの所定状態を中断する指示に基づく中断指示操作データ、キャラクタの所定状態を解除する指示に基づく解除指示操作データ、及び、共同プレイに関する操作データ(共同プレイの募集、共同プレイへの申込及びその申込に対する許否に関する操作データ等を含む。)が含まれる。これらの生成されたデータは、端末側送受信部20によってサーバ30に向けて送信される。
【0051】
[端末側送受信部20]
端末側送受信部20は、主にプロセッサ11、記憶装置12及び通信用インターフェース13により実現され、サーバ30及び他のユーザのユーザ端末10との間でデータ及び情報の送受信を行う。例えば、ゲームのプレイ中、端末側送受信部20は、サーバ30から送られてくるゲーム進行用データを受信し、ゲーム操作データ及びユーザUの現在位置を示す位置情報データをサーバ30に向けて送信する。また、ゲームの共同プレイが行われている場合、端末側送受信部20は、他のユーザUのユーザ端末10との間で共同プレイ用データ(具体的には、各ユーザUのゲーム操作データ)を送受信する場合がある。
【0052】
[表示処理部21]
表示処理部21は、主にプロセッサ11、記憶装置12及び出力装置15により実現され、端末側送受信部20が受信したデータ及び情報を、ブラウジング機能によってディスプレイに表示する表示処理を実行する。具体的に説明すると、表示処理部21は、ゲーム開始時にゲーム画面を描画し、ゲームプレイ中、端末側送受信部20がサーバ30から受信したゲーム進行用データを展開し、ゲーム画面中に映像及びその他の情報を表示する。また、ゲームプレイ中、表示処理部21は、端末側生成部19が生成したゲーム操作データに応じて変化する映像(具体的には、ユーザUの操作に応じて動く映像)をゲーム画面中に表示する。特に、位置情報取得部17が取得したユーザUの現実空間における実際の位置情報に基づいて、ゲーム内の地図上にユーザUの位置情報を示すプレイヤーPを表示する。
【0053】
<サーバの構成>
次に、本実施形態に係るサーバ30の構成について説明する。
図2に示されるように、サーバ30は、一般的なサーバコンピュータのハードウェア構成と同様であり、プロセッサ31、記憶装置32、及び通信用インターフェース(図2中、通信用I/Fと表記。)33を備え、これらの機器は不図示のバスを介して電気的に接続されている。
【0054】
プロセッサ31は、CPU、MPU、GPU、及びDSP等によって構成され、サーバ30にインストールされたプログラムを実行することで各種の処理を実行する。プロセッサ31によって実行されるプログラムは、サーバ30全体を制御するためのシステムソフトウェアであるOS、及び、サーバ30を本発明の情報処理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム等である。
【0055】
記憶装置32は、例えばメモリ又はストレージ等を含み、各種のプログラム又はデータを記憶する。
メモリは、ROM及びRAMなどの半導体メモリによって構成され、プログラム及びデータを一時的に記憶することでプロセッサ31に作業領域を提供し、プロセッサ31が実行する各種処理によって生成されるデータを一時的に記憶する。
ストレージは、ユーザU、地図及びゲーム等に関する各種データを記憶し、例えば、フラッシュメモリ、HDD、SSD、FD、MOディスク、CD、DVD、SDカード、及びUSBメモリ等によって構成されている。なお、サーバ30とネットワークNを介して接続されたデータベース用のサーバコンピュータをストレージとして利用してもよい。
【0056】
通信用インターフェース33は、例えば、ネットワークインターフェースカード等により構成され、サーバ30の通信処理を制御する。通信用インターフェース33による通信規格については、特に限定されるものではなく、公衆向けの通信規格であれば制限なく適用可能である。また、通信用インターフェース33による通信方式は、無線方式であっても有線方式であってもよい。
【0057】
次に、図4を参照しながら、サーバ30の構成について機能面から改めて説明する
図4に示されるように、サーバ30は、複数の機能部、具体的には、サーバ側記憶部34、サーバ側送受信部35、サーバ側生成部36、位置特定部37、所定状態設定部38、能力変化部39、所定状態解除部40、特典付与部41、オブジェクト変換部42、アイテム付与部43、及び、アイテム消費部44を備える。これらの機能部は、サーバ30のハードウェア機器と、サーバ30に格納されたソフトウェアとしてのプログラムとが協働することで実現される。なお、サーバ30が複数台のコンピュータによって構成される場合には、上述の機能を分散させて、複数台のコンピュータの各々が互いに異なる機能を発揮してもよい。
【0058】
[サーバ側記憶部34]
サーバ側記憶部34は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、ユーザUに関するデータ、地図情報に関するデータ、及び、ゲームの進行処理に関するデータ(ゲーム進行用データ)等を含む各種データを記憶する。
ユーザUに関するデータとしては、ユーザU又はユーザUが使用しているユーザ端末10を特定する識別子(ユーザID又は端末ID)とその識別子に関連付けられた各種情報(ユーザUの個人情報、ユーザ端末10の機種、アクセス履歴、決済履歴、又は、現在の位置情報若しくはステータス等のゲームの進捗状況等)を含む。
ゲーム進行用データとしては、ユーザUが所有するキャラクタに関する情報(名前、属性、能力及びレベル等)、クエストに関する情報、所定状態設定地点51に関する情報(設定可否、有効期間及び配置位置等)、及び、特典付与地点52に関する情報(特典内容、有効期間及び配置位置等)を含む。
【0059】
[サーバ側送受信部35]
サーバ側送受信部35は、主にプロセッサ31、記憶装置32及び通信用インターフェース33により実現され、ユーザ端末10との間でデータ及び情報の送受信を行う。例えば、ゲームのプレイ中、サーバ側送受信部35は、ユーザUのユーザ端末10に向けてゲーム進行用データを送信し、そのユーザ端末10からゲーム操作データを受信する。また、ユーザ端末10から現実空間におけるユーザUの現在位置を示す位置情報データを受信し、その位置情報を地図上に表示するデータ(広義のゲーム進行用データ)をユーザ端末10に送信する。さらに、ゲームの共同プレイが行われる間、サーバ側送受信部35は、共同プレイを行う複数のユーザUの各々のユーザ端末10から、共同プレイ用データを受信し、ユーザU間で同期を取るためのデータ(広義のゲーム進行用データ)を各ユーザ端末10に向けて送信する。
【0060】
[サーバ側生成部36]
サーバ側生成部36は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、サーバ側送受信部35によって送信されるデータを生成する。ここで生成されるデータには、具体的には、ユーザ端末10から受信したゲーム操作データに対応したゲーム進行用データ等が含まれる。なお、ゲーム進行用データには、ユーザ端末10から取得した位置情報に基づいてその位置情報を地図上に表示するデータ、及び、ゲームの共同プレイが行われる間、共同プレイを行う複数のユーザU間で同期を取るためのデータ等も含まれる。
【0061】
[位置特定部37]
位置特定部37は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、ユーザ端末10から取得した位置情報に基づいて、ユーザUの地図上における位置を特定する。ここで特定されたユーザUの地図上の位置は、サーバ側生成部36によりゲーム進行用データとして生成され、サーバ側送受信部35によりユーザ端末10に送信される。
【0062】
[所定状態設定部38]
所定状態設定部38は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、位置特定部37により特定したユーザUの地図上の位置が、地図上に配置された所定状態設定地点51に対して所定の位置条件を満たす場合に、そのユーザUが所有するキャラクタを所定状態に設定可能な状況とし、ユーザUからの設定指示に基づき、指定されたキャラクタを所定状態に設定する。
【0063】
[能力変化部39]
能力変化部39は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、所定状態設定部38により所定状態となった後、所定期間が経過又はアイテムを使用することにより、所定状態の終了条件を満たしたキャラクタについて、上述のとおり、そのキャラクタの備える能力を変化させる。
【0064】
[所定状態解除部40]
所定状態解除部40は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、所定状態の終了条件を満たした後、所定状態に設定中のキャラクタを所定状態から解除する。具体的には、位置特定部37により特定したユーザUの地図上の位置が、地図上に配置された所定状態設定地点51又は特典付与地点52との間で所定の位置条件を満たす場合に、所定状態に設定中のキャラクタを所定状態から解除可能な状況とし、ユーザUからの解除指示に基づき、そのキャラクタの所定状態を解除する。ただし、ユーザUの位置情報に関係なく、ユーザUがどこに所在していても所定状態を解除できることとしてもよい。
また、所定状態解除部40は、所定状態の終了条件を満たす前であっても、ユーザUからの中断指示に基づき、所定状態に設定中のキャラクタの所定状態を中断して終了する。
【0065】
[特典付与部41]
特典付与部41は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、位置特定部37により特定したユーザUの地図上の位置が、地図上に配置された特典付与地点52に対して所定の位置条件を満たす場合に、特典付与地点52に関連付けて設定されている特典をユーザUに付与する。また、特典付与部41は、特典付与地点52が配置される際に、候補となる複数の特典の中から、その特典付与地点52に関連付けて設定する特典を選択する。なお、関連付けられている特典の内容は、一日一回(例えば午前4時)等、所定時間ごとに変更されることとしてもよい。
【0066】
[オブジェクト変換部42]
オブジェクト変換部42は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、特典付与地点52が複数配置されている場合、複数の特典付与地点52のうちの一部を所定状態設定地点51に変更する。本実施形態では、一日一回(例えば午前4時)等、所定時間ごとに定期的に変更するが、不定期であってもよい。
【0067】
[アイテム付与部43]
アイテム付与部43は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、購入、又は、ログインボーナス、クエストクリア若しくは共同プレイへの参加等の付与条件を満たした場合に、上記の第一アイテム及び第二アイテムを、ユーザに付与する。付与されたアイテムは、ユーザUごとに関連付けられて、サーバ側記憶部34に記憶する。
【0068】
[アイテム消費部44]
アイテム消費部44は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、ユーザUからの時短指示に基づき、ユーザUが所有するアイテムを消費する。このとき、第一アイテムを所有している場合は、第二アイテムよりも優先して、自動的に第一アイテムから先に消費する。アイテム消費に伴い、サーバ側記憶部34にユーザUごとに関連付けて記憶されていたデータを更新する。
【0069】
なお、一般的にユーザ端末10及びサーバ30は、上記以外にも種々の機能を有しているが、ここでは、本発明における位置情報ゲームシステムSにおいて作用効果を奏する特徴的な機能のみを説明することとし、その他の既知の機能等については図示及び説明を省略する。
【0070】
<位置情報ゲームシステムSの処理の流れについて>
次に、フローチャート、シーケンス図、及び、各画面の一例を示す図を参照しながら、上記構成からなる位置情報ゲームシステムSにおいて実行される処理の流れについて説明する。
本実施形態に係る情報処理方法は、コンピュータシステムとして機能する位置情報ゲームシステムSを用いることで実現され、換言すると、位置情報ゲームシステムSが実行する情報処理では、本実施形態に係る情報処理方法が適用されている。
【0071】
図5に示されるように、本実施形態における位置情報ゲームシステムSにおいて実行される情報処理は、大別すると、キャラクタを所定状態に設定する所定状態設定処理(S101)、所定状態終了後にキャラクタの能力を変化させる能力変化処理(S102)、キャラクタの所定状態を解除する所定状態解除処理(S103)の3つのフェーズから構成されている。以下、それぞれの処理について個別に説明する。
【0072】
[所定状態設定処理]
先ず、図6乃至図9に基づいて、所定状態設定処理について説明する。
「所定状態設定処理」とは、ユーザ端末10とサーバ30との通信を通じて実行される処理であり、ゲームプレイ中に、ユーザUが所定状態設定地点51との間で所定の位置条件を満たした場合、ユーザUからの所定状態への設定指示に基づいて、指定されたキャラクタを所定状態に設定する処理をいう。
【0073】
図6に示されるように、ユーザUがゲームをプレイすると、先ず、ユーザ端末10は、位置情報取得部17により、ユーザ端末10の現実空間における現在の位置情報を取得して、ユーザ端末10を携帯しているユーザUが所在する現在位置を特定し(S201)、その現在の位置情報を位置情報データとしてサーバ30に送信する(S202)。
【0074】
サーバ30は、ユーザ端末10から送信された位置情報データを受信し、ユーザUの現在の位置情報を取得すると(S203)、位置特定部37により、取得したユーザUの現在位置を特定しつつ、所定状態設定部38により、特定したユーザUの現在位置が所定状態設定地点51との間で前述の所定の位置条件を満たすか否かを判断する(S204)。その結果、所定の位置条件を満たす場合(S204:YES)、サーバ側生成部36により、所定状態に設定可能な状況であることを通知する情報を示すデータを生成し、ゲーム進行用データとしてユーザ端末10に送信する(S205)。
なお、前述の所定の位置条件を満たさない場合は(S204:NO)、そのまま処理を終了する。
【0075】
ユーザ端末10は、サーバ30から送信された上記のゲーム進行用データを受信すると、そのデータに基づき、表示処理部21により、ディスプレイに表示されている地図上に、ユーザUの現在位置情報と、所定状態設定地点51において所定状態に設定可能な状況であることを通知する情報とをディスプレイに表示する(S206)。
【0076】
図7は、このときにユーザ端末10のディスプレイに表示される表示画面の一例、すなわち、所定状態設定地点51において所定状態に設定可能な状況であることを通知する表示画面の一例を示す図である。
図7(a)に示されるように、画面に表示される地図上には、ユーザUの現在位置情報を示すオブジェクトであるプレイヤーPと、所定状態設定地点51と、特典付与地点52と、が表示されている。また、所定状態に設定することが可能な状況であることを通知する情報である所定状態設定可能領域53が表示されている。なお、特典付与地点52は、ユーザUに対して既に特典付与済みの特典付与地点52aと、未だ特典を付与していない特典付与地点52bとを区別して表示してもよい。
【0077】
所定状態設定可能領域53は、例えば、所定状態設定地点51を中心点とした円形であり、プレイヤーPがその所定状態設定可能領域53内に入るか又は所定の距離まで近付くと表示される。そして、プレイヤーPがその所定状態設定可能領域53内に入ると、ユーザUは、キャラクタを所定状態に設定することが可能となる。所定状態に設定することが可能となると、図7(b)に示されるように、ダイアログボックスが表示され、その旨が通知される。なお、本実施形態の画面上では、所定状態に設定することを「修行」と表記し、所定状態設定地点51のことを「修行の間」と表記している(以下、図8図9及び図11も同じ。)。なお、所定状態設定可能領域53は、円形に限定されるものではない。
【0078】
図8は、所定状態に設定可能な状況になった後、所定状態に設定する際の表示画面の一例を示す図である。
ユーザが、図7(b)のダイアログボックスの中に表示された「修行する」ボタンをタップ等すると、図8(a)に示されるように、自身が所有しているキャラクタの一覧画面が表示される。なお、このとき、所定状態に設定できる特定キャラクタを予め絞り込んでおき、所有している全てのキャラクタではなく、その特定キャラクタのみ表示する構成であってもよい。
次に、ユーザUは、その一覧画面の中から、所定状態に設定したい任意のキャラクタを選択してタップ等する。そして、任意のキャラクタが選択されると、図8(b)に示されるように、そのキャラクタについての詳細が表示され、ユーザUが、「これにする」ボタンをタップ等することにより、所定状態に設定するキャラクタが決定される。
【0079】
図6に戻り、ユーザ端末10は、操作特定部16により、ユーザUから上記の所定状態設定指示操作を受け付けると(S207:YES)、端末側生成部19により、設定指示操作データを生成し、ゲーム操作データとしてサーバ30に送信する(S208)。
なお、ユーザUから所定状態設定指示操作を受け付けない場合は(S207:NO)、そのまま処理を終了する。
【0080】
サーバ30は、ユーザ端末10から送信された所定状態への設定指示を示すゲーム操作データを受信すると(S209)、所定状態設定部38により、指定されたキャラクタを所定状態に設定する(S210)。そして、サーバ側生成部36により、所定状態に設定したことを通知する情報を示すデータを生成し、ゲーム進行用データとしてユーザ端末10に送信する(S211)。なお、上述したとおり、所定状態に設定されたキャラクタは、所定期間中、ゲームで使用できない状態となる。
【0081】
ユーザ端末10は、サーバ30から送信された上記のゲーム進行用データを受信すると、そのデータに基づき、表示処理部21により、所定状態に設定したことを通知する情報を表示する(S212)。
【0082】
図9は、このときにユーザ端末10のディスプレイに表示される表示画面の一例、すなわち、キャラクタを所定状態に設定したことを通知する表示画面の一例を示す図である。
図9に示されるように、画面には、所定状態に設定された旨(図9中、「修行開始」と表記。)、所定状態終了後の能力変化についての説明、及び、時短することができることの説明等が、ダイアログボックスによって通知される。
【0083】
以上までに説明してきた一連の工程が終了した時点で、所定状態設定処理が終了する。以降、ユーザUがゲームをプレイしている最中は、上記一連の工程が繰り返し実行される。
以上が、所定状態設定地点51における所定状態設定処理の一例である。
【0084】
[能力変化処理]
次に、図10及び図11に基づいて、能力変化処理について説明する。
「能力変化処理」とは、ユーザ端末10とサーバ30との通信を通じて実行される処理であり、ゲームプレイ中に、所定状態に設定された後、所定状態の終了条件を満たしたキャラクタについて、そのキャラクタの備える能力を変化させる処理をいう。
【0085】
図10に示されるように、キャラクタが所定状態に設定されると、先ず、サーバ30は、能力変化部39により、そのキャラクタが所定状態に設定されてから所定期間が経過したか否かについて判断する(S301)。その結果、所定期間が未だ経過していない場合(S301:NO)、サーバ側生成部36により、所定状態設定中であることを示す情報を示すデータを生成し、ゲーム進行用データとしてユーザ端末10に送信する(S302)。
【0086】
ユーザ端末10は、サーバ30から送信された上記のゲーム進行用データを受信すると、そのデータに基づき、表示処理部21により、キャラクタが所定状態設定中であることを示す情報をディスプレイに表示する(S303)。
【0087】
図11(a)は、このときにユーザ端末10のディスプレイに表示される表示画面の一例、すなわち、キャラクタが所定状態設定中であることを示す表示画面の一例を示す図である。
図11(a)に示されるように、所定状態に設定中(図11中、「修行中」と表記。)のキャラクタは、所定期間が終了するまでの残り時間と共に表示される。また、同画面には、「短縮する」ボタン及び「修行をやめる」ボタンが配置されている。ユーザUは、所定状態を時短したい場合、その中の「短縮する」ボタンをタップ等する。なお、ユーザUは、この図11(a)の画面以外であっても、ゲームプレイ中の画面の一部等で、所定状態に設定中のキャラクタの状況について、いつでも確認することができる。
【0088】
図10に戻り、ユーザ端末10は、操作特定部16により、ユーザUから上記の時短操作を受け付けると(S304:YES)、端末側生成部19により、時短指示操作データを生成し、ゲーム操作データとしてサーバ30に送信する(S305)。
なお、ユーザUから時短指示操作を受け付けない場合は(S304:NO)、そのまま処理を終了する。
【0089】
サーバ30は、ユーザ端末10から送信された所定状態の時短指示を示すゲーム操作データを受信すると(S306)、能力変化部39により、時短処理を実行する(S307)。なお、時短処理の詳細については、後述する。
【0090】
その時短処理(S307)の結果、所定状態の終了条件を満たした場合(S308:YES)、又は、所定期間が既に経過している場合(S301:YES)、能力変化部39により、キャラクタの能力を変化させる(S309)。そして、サーバ側生成部36により、所定状態が終了したことを通知する情報を示すデータを生成し、ゲーム進行用データとしてユーザ端末10に送信する(S310)。
なお、所定状態の終了条件を満たしていない場合(S308:NO)、再び、所定状態設定中であることを示す情報を示すデータを生成し、ゲーム進行用データとしてユーザ端末10に送信する(S302)
【0091】
ユーザ端末10は、サーバ30から送信された上記のゲーム進行用データを受信すると、そのデータに基づき、表示処理部21により、所定状態が終了したことを通知する情報を表示する(S311)。
【0092】
図11(b)は、このときにユーザ端末10のディスプレイに表示される表示画面の一例、すなわち、所定状態が終了したことを通知する表示画面の一例を示す図である。
図11(b)に示されるように、画面には、所定状態が終了(図11中、「修行完了」と表記。)した旨、及び、所定状態終了後の能力変化についての説明(図11中、「修行が完了し、LV上限が解放されました」と表記。)等が、ダイアログボックスによって通知される。なお、通知は、ゲームをプレイしていないときでも、その都度通知することとしてもよい(プッシュ通知)。また、同画面には、「引き取る」ボタンが配置されており、ユーザUは、所定状態終了後に能力が変化したキャラクタを引き取って所定状態を解除したい場合、その「引き取る」ボタンをタップ等する。なお、この所定状態解除処理については、後述する。
【0093】
以上までに説明してきた一連の工程が終了した時点で、能力変化処理が終了する。以降、ユーザUがゲームをプレイしている最中、厳密には、ユーザUがキャラクタを所定状態に設定している最中は、上記一連の工程が繰り返し実行される。
以上が、能力変化処理の一例である。
【0094】
[時短処理]
ここで、図12に基づいて、能力変化処理の中で実行される処理であり、所定状態を時短する時短処理の詳細について説明する。なお、時短処理は、図10に示した能力変化処理のうち、ステップS307にて実行される処理である。
【0095】
図12に示されるように、サーバ30は、先ず、ユーザUが第一アイテムを保有しているか否かについて判断する(S401)。ユーザUが第一アイテムを保有していると判断すると(S401:YES)、所定時間の残時間から、所定状態の終了条件を満たすために必要となる第一アイテムの個数nを特定する(S402)。そして、ユーザUが保有している第一アイテムの個数が、n個あるか否かを判断し(S403)、n個保有している場合は(S403:YES)、第一アイテムをn個使用して所定状態をそのまま即終了し(S404)、処理を終了する。また、保有している第一アイテムの数がn個に足りない場合は(S403:NO)、ユーザUが保有している第一アイテムを使用して、その使用数に応じた所定期間を短縮して(S405)、処理を終了する。
【0096】
一方、ユーザUが第一アイテムを保有していないと判断すると(S401:NO)、次に、ユーザUが第二アイテムを保有しているか否かについて判断する(S406)。ユーザUが第二アイテムを保有している場合は(S406:YES)、その第二一アイテムを1個使用して所定状態をそのまま即終了し(S407)、処理を終了する。なお、第二アイテムも保有していない場合は(S406:NO)、時短処理を実行せずにそのまま処理を終了する。
【0097】
このように、本実施形態では、第一アイテムが第二アイテムよりも優先して先に消費される。なお、時短処理においては、第一アイテム又は第二アイテムを使用する際に、使用認否を確認するためのゲーム進行用データをユーザ端末10に送信し、その都度、ユーザUに確認することが好ましい。また、第一アイテムを使用する際には、使用する個数をユーザUに選択させることとしてもよい。
【0098】
[所定状態解除処理]
次に、図13及び図14に基づいて、所定状態解除処理について説明する。
「所定状態解除処理」とは、ユーザ端末10とサーバ30との通信を通じて実行される処理であり、ゲームプレイ中に、所定状態の終了条件を満たした後、ユーザUが所定状態設定地点51又は特典付与地点52との間で所定の位置条件を満たした場合、ユーザUからの解除指示に基づいて、そのキャラクタの所定状態を解除する処理をいう。
【0099】
図13に示されるように、ユーザUがゲームをプレイすると、先ず、ユーザ端末10は、位置情報取得部17により、ユーザ端末10の現実空間における現在の位置情報を取得して、ユーザ端末10を携帯しているユーザUが所在する現在位置を特定し(S501)、その現在の位置情報を位置情報データとしてサーバ30に送信する(S502)。
【0100】
サーバ30は、ユーザ端末10から送信された位置情報データを受信し、ユーザUの現在の位置情報を取得すると(S503)、位置特定部37により、取得したユーザUの現在位置を特定しつつ、所定状態解除部40により、特定したユーザUの現在位置が所定状態設定地点51又は特典付与地点52との間で前述の所定の位置条件を満たすか否かを判断する(S504)。その結果、所定の位置条件を満たす場合(S504:YES)、サーバ側生成部36により、所定状態を解除可能な状況であることを通知する情報を示すデータを生成し、ゲーム進行用データとしてユーザ端末10に送信する(S505)。
なお、前述の所定の位置条件を満たさない場合は(S504:NO)、そのまま処理を終了する。
【0101】
ユーザ端末10は、サーバ30から送信された上記のゲーム進行用データを受信すると、そのデータに基づき、表示処理部21により、ディスプレイに表示されている地図上に、ユーザUの現在位置情報と、所定状態設定地点51又は特典付与地点52において所定状態を解除可能な状況であることを通知する情報とをディスプレイに表示する(S506)。
【0102】
図14(a)は、このときにユーザ端末10のディスプレイに表示される表示画面の一例、すなわち、所定状態設定地点51において所定状態を解除可能な状況であることを通知する表示画面の一例を示す図である。
図14(a)に示されるように、画面に表示される地図上には、ユーザUの現在位置情報を示すオブジェクトであるプレイヤーPと、所定状態設定地点51と、特典付与地点52と、が表示されている。また、所定状態を解除可能な状況であることを通知する情報である所定状態解除可能領域54が表示されている。
【0103】
所定状態解除可能領域54は、所定状態の終了条件を満たした未解除のキャラクタが存在する場合に、上述の所定状態設定可能領域53の代わりに表示されるものであり、プレイヤーPがその所定状態解除可能領域54内に入るか又は所定の距離まで近付くと表示される。そして、プレイヤーPがその所定状態解除可能領域54内に入ると、ユーザUは、所定状態の解除を指示する操作が可能となる。
なお、図14(a)では、所定状態設定地点51において、所定状態解除可能領域54が表示される例を示したが、特典付与地点52においても、同様の条件で同様の効果を備えた所定状態解除可能領域(不図示)が表示される。
【0104】
図13に戻り、ユーザ端末10は、操作特定部16により、ユーザUから所定状態解除指示操作を受け付けると(S507:YES)、端末側生成部19により、解除指示操作データを生成し、ゲーム操作データとしてサーバ30に送信する(S508)。
なお、ユーザUから所定状態解除指示操作を受け付けない場合は(S507:NO)、そのまま処理を終了する。
【0105】
サーバ30は、ユーザ端末10から送信された所定状態の解除指示を示すゲーム操作データを受信すると(S509)、所定状態解除部40により、指定された所定状態の終了条件を満たすキャラクタの所定状態を解除する(S510)。そして、サーバ側生成部36により、所定状態を解除したことを通知する情報を示すデータを生成し、ゲーム進行用データとしてユーザ端末10に送信する(S511)。なお、上述したとおり、所定状態を解除されたキャラクタは、能力が変化した状態で、ゲームで再び使用できる状態となる。
【0106】
ユーザ端末10は、サーバ30から送信された上記のゲーム進行用データを受信すると、そのデータに基づき、表示処理部21により、所定状態が解除されたことを通知する情報を表示する(S512)。
【0107】
図14(b)は、このときにユーザ端末10のディスプレイに表示される表示画面の一例、すなわち、所定状態を解除したことを通知する表示画面の一例を示す図である。
図14(b)に示されるように、画面には、所定状態が解除された旨(図14中、「引き取り完了」と表記。)等が、ダイアログボックスによって通知される。
【0108】
以上までに説明してきた一連の工程が終了した時点で、所定状態解除処理が終了する。以降、ユーザUがゲームをプレイしている最中、厳密には、所定状態の終了条件を満たした未解除のキャラクタが存在している最中は、上記一連の工程が繰り返し実行される。
以上が、所定状態設定地点51又は特典付与地点52における所定状態解除処理の一例である。
【0109】
[中断処理]
次に、図15に基づいて、中断処理について説明する。
「中断処理」とは、ユーザ端末10とサーバ30との通信を通じて実行される処理であり、ゲームプレイ中に、所定状態の終了条件を満たす前に、ユーザUからの中断指示に基づいて、そのキャラクタの所定状態を中断する処理をいう。具体的には、図11(a)の所定状態設定中であることを示す表示画面において、ユーザUが、「修行をやめる」ボタンをタップ等したときに実行される処理である。
【0110】
図15に示されるように、キャラクタが所定状態に設定されると、先ず、サーバ30は、能力変化部39により、そのキャラクタが所定状態に設定されてから所定期間が経過したか否かについて判断する(S601)。その結果、所定期間が未だ経過していない場合(S601:NO)、サーバ側生成部36により、所定状態設定中であることを示す情報を示すデータを生成し、ゲーム進行用データとしてユーザ端末10に送信する(S602)。
なお、所定期間が既に経過している場合(S601:YES)、そのまま処理を終了する。
【0111】
ユーザ端末10は、サーバ30から送信された上記のゲーム進行用データを受信すると、そのデータに基づき、表示処理部21により、図11(a)に示されるように、キャラクタが所定状態設定中であることを示す情報をディスプレイに表示する(S603)。そして、ユーザUが、「修行をやめる」ボタンをタップ等することにより、ユーザ端末10は、操作特定部16により、ユーザUから中断指示操作を受け付け(S604:YES)、端末側生成部19により、中断指示操作データを生成し、ゲーム操作データとしてサーバ30に送信する(S605)。
なお、ユーザUから中断指示操作を受け付けない場合は(S604:NO)、そのまま処理を終了する。
【0112】
サーバ30は、ユーザ端末10から送信された中断指示を示すゲーム操作データを受信すると(S606)、所定状態解除部40により、指定されたキャラクタの所定状態を解除する(S607)。そして、サーバ側生成部36により、所定状態を中断して解除したことを通知する情報を示すデータを生成し、ゲーム進行用データとしてユーザ端末10に送信する(S608)。なお、上述したとおり、所定状態を中断して終了した場合、そのキャラクタの能力は変化せず、ゲームで再び使用できる状態となる。
【0113】
ユーザ端末10は、サーバ30から送信された上記のゲーム進行用データを受信すると、そのデータに基づき、表示処理部21により、所定状態を中断して終了したことを通知する情報を表示する(S609)。
【0114】
以上までに説明してきた一連の工程が終了した時点で、中断処理が終了する。以降、ユーザUがゲームをプレイしている最中、厳密には、ユーザUがキャラクタを所定状態に設定している最中は、上記一連の工程が繰り返し実行される。
以上が、中断処理の一例である。
【0115】
<その他の実施形態>
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、サーバ30に本発明のプログラムを実行させ、本発明の情報処理装置として機能させているが、サーバ30が有する情報処理装置としての機能のうちの一部又は全部をユーザ端末10に備えることとしてもよい。例えば、位置特定部37、所定状態設定部38、能力変化部39、所定状態解除部40、特典付与部41、オブジェクト変換部42、アイテム付与部43、及び、アイテム消費部44に相当する機能が、ユーザ端末10に備わっていてもよい。
【0116】
また、本実施形態では、ゲームの一例として、ユーザUが操作するユーザ端末10とサーバ30との間で行われるデータ通信を利用するオンラインゲームについて説明した。ただし、ゲームの種類については特に限定されるものではなく、データ通信不要なオフラインゲームであってもよい。また、例えば、WebブラウザとSNS(Social Networking Service)のアカウントのみで利用可能なソーシャルゲーム等であってもよい。
【0117】
また、本実施形態では、所定状態を終了したキャラクタの能力変化の一例として、上限解放を挙げて説明した。ただし、能力変化は、これに限定されるものではない。例えば、所定状態終了後に、キャラクタの職業を「戦士」から「司祭」に変更したり、キャラクタの攻撃又は防御の性質を「水」タイプから「火」タイプに変更したりする等、属性を変化させることとしてもよい。また、敵キャラクタとの戦いを有利に進めるために、敵キャラクタに大きなダメージを与えることができたり、敵キャラクタからの攻撃を受けないようにしたり、敵キャラクタの動きを止めることができたりする等の特殊な能力を、所定状態終了後に得ることとしてもよい。
【0118】
また、所定状態設定地点51の配置場所によって、能力変化の種類又は効果等が異なることとしてもよい。例えば、人があまり訪れないような地域又は訪れることが困難な地域等に配置された所定状態設定地点51であれば、能力変化で得られる効果を大きくしてもよい。また、海辺に配置されている所定状態設定地点51であれば、海辺に因んだ能力変化が得られたり、名所旧跡に配置されている所定状態設定地点51であれば、その名所旧跡に因んだ能力変化が得られたりする等、各地域に応じた能力変化を行うこととしてもよい。このような設定であれば、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつさらに高めることができるうえ、併せて地域活性化の効果も期待できる。
【0119】
<まとめ>
以上説明した本実施形態に係るプログラム、情報処理方法及び情報処理装置の主な特徴は以下の通りである。
【0120】
[1]本実施形態に係る情報処理装置は、ユーザの位置情報に基づいて、ゲームにおけるユーザの地図上の位置を特定する位置特定部と、ユーザの地図上の位置が、地図上に配置された第一オブジェクトに対して所定の位置条件を満たす場合に、ユーザがゲーム内で所有するキャラクタを所定状態に設定可能とする所定状態設定部と、所定状態となった後、所定状態の終了条件を満たした場合に、キャラクタが備える能力を変化させる能力変化部と、を有する。
上記の情報処理装置によれば、ユーザの位置情報を用いたゲームにおいて、ユーザは、第一オブジェクトに対して所定の位置条件を満たす場合に、ゲームで使用するキャラクタを所定状態に設定して能力を変化させることができる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲を喚起させることができる。
【0121】
[2]上記の情報処理装置は、ユーザの地図上の位置が、地図上に配置された第二オブジェクトとの関係において所定の位置条件を満たす場合に、第二オブジェクトに関連付けられた特典をユーザに付与する特典付与部、をさらに有する。
こうすることにより、ユーザは、第一オブジェクトでキャラクタの能力を変化させることができるうえ、第二オブジェクトでは特典を得ることもできる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつさらに高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲をより一層喚起させることができる。
【0122】
[3]上記の情報処理装置は、第二オブジェクトが複数配置されている場合、複数の第二オブジェクトのうちの一部を第一オブジェクトに変更するオブジェクト変更部、をさらに有する。
こうすることにより、特典を得ることができる第二オブジェクトが、キャラクタの能力を変化させることができる第一オブジェクトに変更されることにより、ユーザは、オブジェクトの変化を楽しむことができる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつさらに高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲をより一層喚起させることができる。
【0123】
[4]上記の情報処理装置は、終了条件を満たした後、ユーザの地図上の位置が、第一オブジェクト又は第二オブジェクトのいずれかに対して所定の位置条件を満たす場合に、所定状態を解除可能とする所定状態解除部、をさらに有する。
こうすることにより、ユーザは、第一オブジェクト又は第二オブジェクトに対して所定の位置条件を満たす場合に、能力を変化させたキャラクタを所定状態から解除することができる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつさらに高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲をより一層喚起させることができる。
【0124】
[5]上記の情報処理装置は、終了条件は、所定状態を所定期間継続させることにより満たす。
こうすることにより、ユーザは、ゲームで使用するキャラクタの能力を変化させることができるものの、キャラクタの能力を変化させるためには所定状態を所定期間継続させる必要があるので、ゲームの難易度が安易に下がることがない。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲をより一層喚起させることができる。
【0125】
[6]上記の情報処理装置は、消費量に応じて所定期間を短縮する第一アイテムと、消費することにより所定期間を終了する第二アイテムとを、ユーザに付与するアイテム付与部と、第一アイテム又は第二アイテムを消費する際には、第一アイテムを第二アイテムよりも優先して消費するアイテム消費部と、をさらに有する。
こうすることにより、ユーザは、付与された第一アイテム又は第二アイテムを消費することにより効率的にキャラクタの能力を変化させることができる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲をより一層喚起させることができる。
【0126】
[7]上記の情報処理装置は、所定状態に設定したキャラクタは、ゲームで使用できない。
こうすることにより、ユーザは、ゲームで使用するキャラクタの能力を変化させることができるものの、キャラクタの能力を変化させるために所定状態としている間はそのキャラクタをゲームで使用することができないので、ゲームの難易度が安易に下がることがない。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲をより一層喚起させることができる。
【0127】
[8]上記の情報処理装置は、所定状態は、終了条件を満たす前に中断可能である。
こうすることにより、ユーザは、キャラクタの能力を変化させるために所定状態としている間でも任意のタイミングで中断することができる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲をより一層喚起させることができる。
【0128】
[9]上記の情報処理装置は、同時に所定状態に設定可能なキャラクタの数は、所定数に限定する。
こうすることにより、ユーザは、ゲームで使用するキャラクタの能力を変化させることができるものの、同時に能力を変化させることができるキャラクタの数が限定されることから、所定状態とするキャラクタを慎重に厳選することになる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲をより一層喚起させることができる。
【0129】
[10]上記の情報処理装置は、所定状態に設定可能なキャラクタは、キャラクタのうち特定の条件を満たす特定キャラクタとする。
こうすることにより、ユーザは、ゲームで使用するキャラクタの能力を変化させることができるものの、能力を変化させることができるキャラクタが特定キャラクタに限定されることから、ゲームの難易度が安易に下がることがないうえ、所定状態とするキャラクタを慎重に厳選することになる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲をより一層喚起させることができる。
【0130】
[11]また、本実施形態に係る情報処理方法によれば、コンピュータが、ユーザの位置情報に基づいて、ゲームにおけるユーザの地図上の位置を特定し、ユーザの地図上の位置が、地図上に配置された第一オブジェクトに対して所定の位置条件を満たす場合に、ユーザがゲーム内で所有するキャラクタを所定状態に設定可能とし、所定状態となった後、所定状態の終了条件を満たした場合に、キャラクタが備える能力を変化させる。
こうすることにより、ユーザの位置情報を用いたゲームにおいて、ユーザは、第一オブジェクトに対して所定の位置条件を満たす場合に、ゲームで使用するキャラクタを所定状態に設定して能力を変化させることができる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲を喚起させることができる。
【0131】
[12]また、本実施形態に係るプログラムによれば、コンピュータにより実行されるプログラムであって、コンピュータに、ユーザの位置情報に基づいて、ゲームにおけるユーザの地図上の位置を特定させ、ユーザの地図上の位置が、地図上に配置された第一オブジェクトに対して所定の位置条件を満たす場合に、ユーザがゲーム内で所有するキャラクタを所定状態に設定可能とさせ、所定状態となった後、所定状態の終了条件を満たした場合に、キャラクタが備える能力を変化させる。
こうすることにより、ユーザの位置情報を用いたゲームにおいて、ユーザは、第一オブジェクトに対して所定の位置条件を満たす場合に、ゲームで使用するキャラクタを所定状態に設定して能力を変化させることができる。そのため、ゲームの娯楽性を位置情報と関連させつつ高めることができ、ゲームをプレイしようとするユーザの意欲を喚起させることができる。
【符号の説明】
【0132】
10 ユーザ端末
11 プロセッサ
12 記憶装置
13 通信用インターフェース
14 入力装置
15 出力装置
16 操作特定部
17 位置情報取得部
18 端末側記憶部
19 端末側生成部
20 端末側送受信部
21 表示処理部
30 サーバ
31 プロセッサ
32 記憶装置
33 通信用インターフェース
34 サーバ側記憶部
35 サーバ側送受信部
36 サーバ側生成部
37 位置特定部
38 所定状態設定部
39 能力変化部
40 所定状態解除部
41 特典付与部
42 オブジェクト変換部
43 アイテム付与部
44 アイテム消費部
51 所定状態設定地点
52 特典付与地点
53 所定状態設定可能領域
54 所定状態解除可能領域
G GPS衛星
N ネットワーク
P プレイヤー
S 位置情報ゲームシステム
U ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15