(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173467
(43)【公開日】2022-11-18
(54)【発明の名称】半導体装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20221111BHJP
【FI】
H01L27/146 D
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156847
(22)【出願日】2022-09-29
(62)【分割の表示】P 2020155558の分割
【原出願日】2016-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2015100742
(32)【優先日】2015-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】琴尾 健吾
(72)【発明者】
【氏名】小池 薫
(57)【要約】
【課題】半導体チップ間の接合強度を向上させる。
【解決手段】半導体装置において、第1の半導体チップは、第1の絶縁層と第1の絶縁層により絶縁される第1の内層回路が電気的に接続される複数の第1のパッドと複数の第1のパッドの外側に配置される線状の第1の金属層とを有する第1の接合面を備える。第2の半導体チップは、第2の絶縁層と第1のパッドに対向する位置に配置されるとともに第2の絶縁層により絶縁される第2の内層回路が電気的に接続される複数の第2のパッドと第1の金属層に対向する位置に配置される線状の第2の金属層とを有して第1の接合面と接合される第2の接合面を備える。第1の金属層および第2の金属層の幅を、第1の半導体チップの端部から第1のパッドに至る領域の第1の絶縁層および第2の絶縁層の接合強度と第1の金属層および第2の金属層の接合強度とに基づく幅にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素アレイ内の複数の画素と第1パッドおよび第1ガードリングを含む第1配線層とを含む第1基板と、
信号処理領域および第2配線層を含む第2基板と
を具備し、
前記複数の画素は、複数の画素信号を前記信号処理領域に出力し、
前記第2配線層は、第2パッドおよび第2ガードリングを含み、
前記第1パッドは、前記第2パッドに接合され、
前記第1パッドおよび前記第2パッドは、互いに電気的に接続され、
前記第1パッドは、前記第1基板に電気的に接続され、
前記第2パッドは、前記第2基板に電気的に接続され、
前記第1ガードリングおよび前記第2ガードリングは、前記画素アレイの外側に配置され、
前記第1ガードリングは、前記第2ガードリングに接合され、
前記第1ガードリングおよび前記第2ガードリングは、異なる幅を有する
光検出装置。
【請求項2】
前記第1基板は、第1ビアをさらに含む
請求項1記載の光検出装置。
【請求項3】
前記第1ビアは、前記第1ガードリングに電気的に接続される
請求項2記載の光検出装置。
【請求項4】
前記第1ガードリングは、接地導体に電気的に接続される
請求項3記載の光検出装置。
【請求項5】
前記第1基板は、前記第2基板に機械的に接合される
請求項1記載の光検出装置。
【請求項6】
前記信号処理領域は、前記画素信号の処理を行うように構成される
請求項1記載の光検出装置。
【請求項7】
前記処理は、前記画素信号のアナログデジタル変換を含む
請求項6記載の光検出装置。
【請求項8】
前記信号処理領域は、前記画素に関する制御信号を生成するように構成される
請求項6記載の光検出装置。
【請求項9】
前記第1ガードリングは、前記第1パッドの外側に配置された線状の金属層である
請求項1記載の光検出装置。
【請求項10】
前記第2ガードリングは、前記第2パッドの外側に配置された線状の金属層である
請求項9記載の光検出装置。
【請求項11】
前記第1ガードリング、前記第1パッド、前記第2ガードリングおよび前記第2パッドは、銅から形成される
請求項10記載の光検出装置。
【請求項12】
前記第1基板は、第1絶縁層をさらに含み、前記第1ガードリング、第1パッドおよび前記第1絶縁層は、前記第1基板の接合面の一部を形成する
請求項1記載の光検出装置。
【請求項13】
前記第2基板は、第2絶縁層をさらに含み、前記第2ガードリング、第2パッドおよび前記第2絶縁層は、前記第1基板の接合面の一部を形成する
請求項12記載の光検出装置。
【請求項14】
前記第1基板の接合面と前記第2基板の接合面とは互いに接合される
請求項13記載の光検出装置。
【請求項15】
前記第1パッドは、前記第1絶縁層に埋め込まれ、前記第2パッドは、前記第2絶縁層に埋め込まれる
請求項14記載の光検出装置。
【請求項16】
前記第1パッドおよび前記第1ガードリングの間の前記第1絶縁層の少なくとも一部と、前記第2パッドおよび前記第2ガードリングの間の前記第2絶縁層の少なくとも一部とが互いに接合される
請求項15記載の光検出装置。
【請求項17】
前記第1ガードリングおよび前記第2ガードリングは、同一の幅を有する
請求項1記載の光検出装置。
【請求項18】
前記第1基板は、複数の配線層を含む
請求項1記載の光検出装置。
【請求項19】
複数のビアと前記複数の配線層とは、前記画素を前記信号処理領域に接続する
請求項18記載の光検出装置。
【請求項20】
画素アレイ内の複数の画素と第1パッドおよび第1ガードリングを含む第1配線層とを含む第1基板と、信号処理領域および第2配線層を含む第2基板とを含む光検出装置と、
複数のマイクロレンズと、
複数のカラーフィルタと
を具備し、
前記複数の画素は、複数の画素信号を前記信号処理領域に出力し、
前記第2配線層は、第2パッドおよび第2ガードリングを含み、
前記第1パッドは、前記第2パッドに接合され、
前記第1パッドおよび前記第2パッドは、互いに電気的に接続され、
前記第1パッドは、前記第1基板に電気的に接続され、
前記第2パッドは、前記第2基板に電気的に接続され、
前記第1ガードリングおよび前記第2ガードリングは、前記画素アレイの外部に配置され、
前記第1ガードリングは、前記第2ガードリングに接合され、
前記第1ガードリングおよび前記第2ガードリングは、異なる幅を有し、
少なくとも1つのマイクロレンズは、前記複数の画素における各画素に設けられ、
前記カラーフィルタは、前記マイクロレンズおよび前記画素の間にある
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体装置および撮像装置に関する。詳しくは、2つの半導体チップを接合して形成された半導体装置および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の半導体チップを積層して3次元構成とし、小型化を図った半導体装置が使用されている。例えば、撮像装置において、受光素子を有する画素が2次元アレイ状に配置されて構成された半導体チップである受光素子チップと、この受光素子チップを駆動する周辺回路よりなる周辺回路チップとが、ぞれぞれの製造プロセスに基づいて個別に製造される。その後、これらを接合して積層することにより、撮像装置を構成する製造方法が採用されている。このような製造方法を採用する場合、撮像装置の信頼性を向上させるため、接合面における接合強度を高めることが望ましい。
【0003】
これらのチップの接合面には、半導体チップの内部の回路と電気的に接続されたパッドが配置されており、これらパッド同士が接合されることにより、チップ間における電気信号の伝達が可能になる。これらのパッドは、銅(Cu)等の金属により構成されるため、比較的高い接合強度を得ることができる。一方、接合面のパッド以外の領域には、パッド等を絶縁するための絶縁層が配置されている。この絶縁層同士の接合強度はパッド同士の接合と比較して低いことから、プラズマ処理により接合面を活性化して接合強度を向上させるシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術は、活性化により接合面の絶縁膜同士の接合強度を向上させる効果がある一方、パッドがダメージを受けて劣化するほか、パッドを構成する銅(Cu)が飛散して半導体チップの接合装置が汚染されるという問題がある。
【0006】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、接合面の活性化処理を行うことなく半導体チップ間の接合強度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、第1の絶縁層と上記第1の絶縁層により絶縁される第1の内層回路が電気的に接続される複数の第1のパッドと上記複数の第1のパッドの外側に配置される線状の第1の金属層とを有する第1の接合面を備える第1の半導体チップと、第2の絶縁層と上記第1のパッドに対向する位置に配置されるとともに上記第2の絶縁層により絶縁される第2の内層回路が電気的に接続される複数の第2のパッドと上記第1の金属層に対向する位置に配置される線状の第2の金属層とを有して上記第1の接合面と接合される第2の接合面を備える第2の半導体チップとを具備する半導体装置であって、上記第1の金属層および上記第2の金属層の幅は、上記第1の半導体チップの端部から上記第1のパッドに至る領域の上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合強度と上記第1の金属層および上記第2の金属層の接合強度とに基づく幅である半導体装置である。これにより、上記第1の半導体チップの端部から上記第1のパッドに至る領域の上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合強度と上記第1の金属層および上記第2の金属層の接合強度とに基づく幅の上記第1の金属層および上記第2の金属層が配置されるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記第1の金属層および上記第2の金属層の幅は、上記領域における上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合強度と上記第1の金属層および上記第2の金属層の接合強度との平均値に基づく幅であってもよい。これにより、上記領域における上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合強度と上記第1の金属層および上記第2の金属層の接合強度との平均値に基づく幅の上記第1の金属層および上記第2の金属層が配置されるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記第1の金属層および上記第2の金属層の幅は、以下の関係式を満たす幅Qに略等しい幅であってもよい。
(x×P+y×Q)/R>z
ただし、
z:上記第1の半導体チップおよび上記第2の半導体チップの単位面積当たりの接合強度、
x:上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の単位面積当たりの接合強度、
y:上記第1の金属層および上記第2の金属層の単位面積当たりの接合強度、
P:上記第1の半導体チップの端部と略垂直に交わる経路における上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合部分の長さ、
R:上記経路における上記第1のパッドと上記第1の半導体チップの端部との間の長さ
である。これにより、上記第1の半導体チップの端部と略垂直に交わる経路における上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合部分の長さ等に基づく幅の上記第1の金属層および上記第2の金属層が配置されるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記経路は、上記第1の半導体チップの端部と略垂直に交わって上記第1の半導体チップの端部から最初に上記第1のパッドに至る経路であってもよい。これにより、上記第1の半導体チップの端部と上記第1のパッドとの間の最短の上記経路における上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合部分の長さ等に基づく幅の上記第1の金属層および上記第2の金属層が配置されるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記経路は、上記第1の半導体チップの端部と略垂直に交わって上記第1の半導体チップの端部から最初に上記第1のパッドに至る経路のうち最も距離が長い経路であってもよい。これにより、最も接合強度が小さい上記経路における上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合部分の長さ等に基づく幅の上記第1の金属層および上記第2の金属層が配置されるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記第1の接合面は、上記第1の内層回路が電気的に接続されない第1のダミーパッドをさらに有し、上記第2の接合面は、上記第1のダミーパッドと対向する位置に配置されるとともに上記第2の内装回路と電気的に接続されない第2のダミーパッドをさらに有し、上記第1の金属層および上記第2の金属層の幅は、上記第1の半導体チップの端部から最初に上記第1のパッドまたは上記第1のダミーパッドに至る領域の上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合強度と上記第1の金属層および上記第2の金属層の接合強度とに基づく幅であってもよい。これにより、上記第1の半導体チップの端部から最初に上記第1のパッドまたは上記第1のダミーパッドに至る領域の上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合強度と上記第1の金属層および上記第2の金属層の接合強度とに基づく幅の上記第1の金属層および上記第2の金属層が配置されるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記第1の金属層および上記第2の金属層は、所定の個数に分割されてもよい。これにより、上記第1の金属層および上記第2の金属層が分割されるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記第1の半導体チップおよび上記第2の半導体チップは、矩形形状に構成され、上記第1の金属層および上記第2の金属層の幅は、上記第1の半導体チップおよび上記第2の半導体チップのそれぞれの辺毎の上記領域における上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合強度と上記第1の金属層および上記第2の金属層の接合強度とに基づく幅であってもよい。これにより、半導体チップのそれぞれの辺毎の上記領域における上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合強度と上記第1の金属層および上記第2の金属層の接合強度とに基づく幅の上記第1の金属層および上記第2の金属層が配置されるという作用をもたらす。
【0015】
また、本技術の第2の側面は、第1の絶縁層と上記第1の絶縁層により絶縁される第1の内層回路が電気的に接続される複数の第1のパッドと上記複数の第1のパッドの外側に配置される線状の第1の金属層とを有する第1の接合面および上記第1の内層回路が電気的に接続されて照射された光を電気信号に変換する半導体領域を有する第1の拡散層を備える第1の半導体チップと、第2の絶縁層と上記第1のパッドに対向する位置に配置されるとともに上記第2の絶縁層により絶縁される第2の内層回路が電気的に接続される複数の第2のパッドと上記第1の金属層に対向する位置に配置される線状の第2の金属層とを有して上記第1の接合面と接合される第2の接合面および上記第2の内層回路が電気的に接続されて上記電気信号を処理する半導体領域を有する第2の拡散層を備える第2の半導体チップとを具備する撮像装置であって、上記第1の金属層および上記第2の金属層の幅は、上記第1の半導体チップの端部から上記第1のパッドに至る領域の上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合強度と上記第1の金属層および上記第2の金属層の接合強度とに基づく幅である撮像装置である。これにより、上記第1の半導体チップの端部から上記第1のパッドに至る領域の上記第1の絶縁層および上記第2の絶縁層の接合強度と上記第1の金属層および上記第2の金属層の接合強度とに基づく幅の上記第1の金属層および上記第2の金属層が配置されるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0016】
本技術によれば、接合面の活性化処理を行うことなく半導体チップ間の接合強度を向上させるという優れた効果を奏し得る。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本技術の第1の実施の形態における半導体装置10の構成例を示す図である。
【
図2】本技術の第1の実施の形態における半導体チップの構成例を示す図である。
【
図3】本技術の第1の実施の形態におけるガードリングの幅を示す図である。
【
図4】本技術の第1の実施の形態におけるアライメント時のずれ等を示す図である。
【
図5】本技術の第1の実施の形態の変形例におけるガードリングの幅を示す図である。
【
図6】本技術の第2の実施の形態におけるガードリングを示す図である。
【
図7】本技術の第3の実施の形態における半導体装置10の構成例を示す図である。
【
図8】本技術の第3の実施の形態におけるダミーパッドを示す図である。
【
図9】本技術の実施の形態におけるガードリングの設計手順を示す図である。
【
図10】本技術の実施の形態における最大絶縁物接合長算出手順(ステップS910)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(ガードリングを使用する場合の例)
2.第2の実施の形態(ガードリングを分割する場合の例)
3.第3の実施の形態(ダミーパッドを使用する場合の例)
【0019】
<1.第1の実施の形態>
[半導体装置の構成]
図1は、本技術の第1の実施の形態における半導体装置10の構成例を示す図である。同図は、カメラ等に使用する撮像装置の構成を表した断面図である。この撮像装置を例に挙げて、本技術の実施の形態における半導体装置10の構成を説明する。この半導体装置10は、第1の半導体チップ100と、第2の半導体チップ200とを備える。また、半導体装置10は、第1の半導体チップ100および第2の半導体チップ200が同図に記載した「B」の位置において接合されて構成される。なお、半導体装置10は、請求の範囲に記載の撮像装置の一例である。
【0020】
第1の半導体チップ100は、画像を電気信号に変換するものである。この第1の半導体チップ100には、照射された光に応じた電気信号を生成する画素(不図示)が2次元アレイ状に配置される。これらの画素により生成された電気信号は、第2の半導体チップ200に対して出力される。この第1の半導体チップ100は、マイクロレンズ101と、カラーフィルタ102と、第1の拡散層110と、配線層131と、ビア132と、第1の絶縁層129と、第1のパッド124と、第1のガードリング121とを備える。
【0021】
マイクロレンズ101は、上述の画素に光学画像を結像するものである。カラーフィルタ102は、所望の波長の光を画素に入射させるための光学的なフィルタである。
【0022】
第1の拡散層110は、上述の画素が生成された半導体領域である。この画素には、マイクロレンズ101およびカラーフィルタ102がそれぞれ配置される。
【0023】
配線層131は、電気信号を伝達するものである。この配線層131は、XYマトリクス状に配置されて、第1の拡散層110に形成された複数の画素のそれぞれに配線される。この配線層131を経由して、画素に対する電源の供給、制御信号の入力、電気信号の出力が行われる。配線層131は、複数の層状に積層することができる。同図においては、3層に積層された配線層131の例を表した。ビア132は、異なる層に配置された配線層131を電気的に接続するものである。これら、配線層131およびビア132には、例えば、銅(Cu)を使用することができる。なお、配線層131およびビア132は、第1の内層回路を構成する。
【0024】
第1の絶縁層129は、配線層131およびビア132を絶縁するものである。この第1の絶縁層129は、後述する第2の絶縁層229と接合される。第1の絶縁層129には、例えば、二酸化ケイ素(SiO2[0])や有機シリカガラスを使用することができる。
【0025】
第1のパッド124は、配線層131およびビア132と電気的に接続されて、電気信号を第2の半導体チップ200との間で相互に伝達するものである。伝達する信号に応じた個数の第1のパッドを第1の半導体チップ100に配置することができる。また、第1のパッド124は、後述する第2のパッド224と接合される。この第1のパッド124には、例えば、銅(Cu)を使用することができる。
【0026】
第1のガードリング121は、第1のパッドの外側に配置される線状の金属の層である。また、第1のガードリング121は、後述する第2のガードリング221と接合される。この第1のガードリング121は、配線層131およびビア132と電気的に接続されて、例えば、接地線に接続することができる。また、この第1のガードリング121を配線層131およびビア132とは接続せず、電気的に独立した構成にしてもよい。この第1のガードリング121には、例えば、銅(Cu)を使用することができる。なお、第1のガードリング121は、請求の範囲に記載の第1の金属層の一例である。
【0027】
第2の半導体チップ200は、第1の半導体チップ100と電気的および機械的に接合されて第1の半導体チップ100の画素に対する制御信号の生成および画素により生成された電気信号の処理等を行うものである。この処理としては、例えば、第1の半導体チップ100により生成されたアナログの電気信号をデジタルの電気信号に変換するアナログデジタル変換が該当する。この第2の半導体チップ200は、第2の拡散層210と、配線層231と、ビア232と、第2の絶縁層229と、第2のパッド224と、第2のガードリング221とを備える。
【0028】
第2の拡散層210は、上述の制御信号の生成および電気信号の処理等を行う半導体領域である。この半導体領域により処理された電気信号は、画像信号として半導体装置10の外部に出力される。
【0029】
配線層231は、電気信号を伝達するものである。配線層131と同様に、この配線層231は、複数の層状に積層することができる。同図においては、4層に積層された配線層231の例を表した。ビア232は、異なる層に配置された配線層231を電気的に接続するものである。これら、配線層231およびビア232には、例えば、銅(Cu)を使用することができる。なお、配線層231およびビア232は、第2の内層回路を構成する。
【0030】
第2の絶縁層229は、配線層231およびビア232を絶縁するものである。前述のように、この第2の絶縁層229は、第1の絶縁層129と接合される。第2の絶縁層229には、例えば、二酸化ケイ素(SiO2[0])や有機シリカガラスを使用することができる。
【0031】
第2のパッド224は、配線層231およびビア232と電気的に接続されて、電気信号を第1の半導体チップ100との間で相互に伝達するものである。前述のように、この第2のパッド224は、第1のパッド124と接合される。この第1のパッド224には、例えば、銅(Cu)を使用することができる。
【0032】
第2のガードリング221は、第2のパッドの外側に配置される線状の金属の層である。前述のように、第2のガードリング221は、第1のガードリング121と接合される。この第2のガードリング221には、例えば、銅(Cu)を使用することができる。なお、第2のガードリング221は、請求の範囲に記載の第2の金属層の一例である。
【0033】
[半導体チップの構成]
図2は、本技術の第1の実施の形態における半導体チップの構成例を示す図である。同図は、接合される前の第1の半導体チップ100および第2の半導体チップ200の構成を表したものである。同図におけるaは第2の半導体チップ200における接合面120(同図におけるaの点線で示される面)の構成を表し、同図におけるbは第2の半導体チップ200における接合面220(同図におけるbの点線で示される面)を表している。何れの半導体チップも矩形形状の接合面を有している。
【0034】
接合面120には、第1の絶縁層129と、第1のパッド124と、第1のガードリング121とが配置されている。
【0035】
第1のパッド124は、第1の絶縁層129に埋め込まれた島状に配置される。また、第1のガードリング121は、接合面120を縁取りする形状に配置される。
【0036】
接合面220には、第2の絶縁層229と、第2のパッド224と、第2のガードリング221とが配置される。
【0037】
第2のパッド224は、第2の絶縁層229に埋め込まれた島状に配置される。また、第2のパッド224は、第1のパッド124と対称な位置に配置される。第2のガードリング221は、接合面220を縁取りする形状に配置される。
【0038】
これら第1の接合面120および第2の接合面220が接合される。この際、第1のパッド124および第2のパッド224、第1の絶縁層129および第2の絶縁層229ならびに第1のガードリング121および第2のガードリング221がそれぞれ接合される。接合方法については、後述する。
【0039】
通常、第1のパッド124および第2のパッド224のような金属同士の結合強度は、比較的高い。一方、接合面の大部分を占める第1の絶縁層129および第2の絶縁層229の間の接合強度は、比較的低い。活性化処理を行った場合には、絶縁層同士の接合強度を向上させることができるが、前述のような問題が発生する。そこで、第1のガードリング121および第2のガードリング221を接合面に配置し、接合面に占める金属同士の接合部を増やすことにより、所望の接合強度を得ることができる。また、第1のガードリング121および第2のガードリング221をそれぞれ接合面120および220の端部を縁取りする形状に配置することにより、接合面の端部におけるクラックの発生を防止する効果がある。通常、接合面の端部は、応力が集中するため、クラックを生じ易い。そこで、この部分にガードリング221等を配置して接合強度を向上させることにより、クラックの発生を防止することができる。
【0040】
[ガードリングの幅]
図3は、本技術の第1の実施の形態におけるガードリングの幅を示す図である。同図は、第1のガードリング121および第2のガードリング221の幅の算出方法を表したものである。同図におけるaは第1の半導体チップ100の端部の正面図を表し、同図におけるbは半導体装置10の接合部の断面図を表している。
【0041】
前述のように、第1のパッド124および第2のパッド224のような金属同士の接合強度と比べて、絶縁層同士の接合強度は低い。通常、第1のパッド124等は、応力が集中する第1の半導体チップ100等の周縁部から離れた領域に配置される。このため、ガードリング121等を第1の半導体チップ100等の周縁部に配置して接合強度の不足を補うことができる。ここで、第1のガードリング121および第2のガードリング221の幅をQにより表す。このQは、第1の半導体チップ100の端部から第1のパッド124に至る領域の第1の絶縁層129および第2の絶縁層229の接合強度と第1のガードリング121および第2のガードリング221の接合強度とに基づいて算出することができる。
【0042】
同図におけるaの「C」を付した第1のパッド124を例に挙げて説明すると、第1の半導体チップ100の端部から第1のパッド124までの領域の絶縁層同士の接合強度とガードリング同士の接合強度に基づいてQを算出することができる。ここで、この領域における絶縁層同士の接合部分の長さをPにより表す。第1の半導体チップ100および第2の半導体チップ200において所望の接合強度を得るためには、上記領域における絶縁層部分の接合強度とガードリング部分の接合強度との平均の接合強度をこの所望の接合強度を超える値にする必要がある。ここで、第1の半導体チップ100および第2の半導体チップ200の所望の接合強度とは、半導体装置10に要求される信頼性等を考慮して設定される接合強度であり、これら半導体チップの単位面積当たりの接合強度により表される値である。
【0043】
これをzにより表すと、zとPおよびQとの関係は次式のようになる。
(x×P+y×Q)/R>z ・・・式1
ただし、xは、第1の絶縁層129および第2の絶縁層229の単位面積当たりの接合強度を表す。yは、第1のガードリングおよび第2のガードリングの単位面積当たりの接合強度を表す。Rは、第1のパッド124と第1の半導体チップ100の端部との間の長さを表す。なお、同図においては、RはPおよびQの合計と等しい長さになる。式1の左辺は、上記領域における単位長さ(同図におけるaの縦方向の単位長さ)当たりの接合強度の合計値をRで除算して当該領域の接合強度の平均値を算出する演算を表している。
【0044】
図2において説明したように、第1の半導体チップ100および第2の半導体チップ200の接合面は矩形形状であるため、Qの算出は、4辺について行う。なお、Qの値は、辺毎に異なる値を採用することができる。また、全ての辺について算出したQのうち最大のものを4辺共通のQの値にすることもできる。
【0045】
なお、同図におけるaに表したように、上述のPには、第1の半導体チップ100の端部と略垂直に交わる経路における第1の絶縁層129および第2の絶縁層229の接合部分の長さを用いることができる。また、当該経路中に第1のパッド124が間に入らない経路を選択することも可能である。例えば、同図におけるaの「D」を付した第1のパッド124は、第1の半導体チップ100の端部までの経路に「E」を付した第1のパッド124が入っているため、この経路に係るP'は接合強度の算出から除外する。このような場合には、「E」を付した第1のパッド124により、Qの算出が行われる。これにより、Qの算出をより正確に行うことができる。
【0046】
また、上述した第1のパッド124が間に入らない経路のうち、最長の経路に基づいてQを算出すると好適である。Pの部分が最も長い部分は絶縁層同士の接合部分が最も長い部分に該当する。このため、最も接合強度が小さい部分を基準としてQを算出することとなり、Qの算出精度をさらに向上させることが可能なためである。
【0047】
[アライメント時のずれ等を考慮する場合]
図4は、本技術の第1の実施の形態におけるアライメント時のずれ等を示す図である。同図におけるaは、第1の半導体チップ100および第2の半導体チップ200を接合する際にアライメントずれe1を生じた場合の例を表したものである。このような場合には、第1のガードリング121および第2のガードリング221の接合部分の長さが減少する。このため、e1をQに加えて第1のガードリング121および第2のガードリング221を製造する必要がある。
【0048】
また、同図におけるbは、ウェハから半導体装置10を切り出す際のダイシングのずれe2を生じた場合の例を表したものである。ここで、同図におけるbの401は、ダイシング位置を表す。このような場合にも、第1のガードリング121および第2のガードリング221の接合部分の減少を防ぐため、e2をQに加える必要がある。
【0049】
[半導体装置の製造方法]
半導体装置10は、以下の手順により製造することができる。前述のように算出された幅Qの第1のガードリング121および第2のガードリング221を備えた第1の半導体チップ100および第2の半導体チップ200を製造する。これらは、一般的な半導体チップの製造方法により製造することができる。また、第1のガードリング121および第2のガードリング221は、第1のパッド124および第2のパッド224と同一の製法により製造することができる。次に、第1の半導体チップ100の第1の接合面120および第2の半導体チップ200の接合面220を研磨して、これらの接合面を平滑にする。この研磨にはCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用することができる。次に、第1の半導体チップ100および第2の半導体チップ200のアライメントを行い、接合面同士の貼合せを行う。貼り合せた状態で300から600℃の温度に加熱し、両者を接合させる。これにより、半導体装置10を製造することができる。
【0050】
このように、本技術の第1の実施の形態では、半導体チップのそれぞれの接合面に第1のガードリング121および第2のガードリング221を設ける。これらのガードリングとして、第1の半導体チップ100の端部から第1のパッド124に至る領域の絶縁層同士の接合部分の強度とガードリング同士の接合部分の強度とに基づいて算出された幅のガードリングを使用する。これにより、半導体装置10の接合強度を所望の接合強度にすることができる。
【0051】
[第1の変形例]
上述の実施の形態では、第1のガードリング121および第2のガードリング221は、同一の幅にしていた。これに対し、第1のガードリング121および第2のガードリング221の幅を異なる値にすることもできる。アライメントずれ等の製造時の誤差を吸収するためである。
【0052】
図5は、本技術の第1の実施の形態の変形例におけるガードリングの幅を示す図である。同図は、第1のガードリング121および第2のガードリング221の幅が異なる場合の例を表した図である。この場合においても、第1のガードリング121および第2のガードリング221の接合部分の長さをQに等しくすることにより、所望の接合強度を得ることができる。
【0053】
<2.第2の実施の形態>
上述の実施の形態では、半導体チップにはそれぞれ1つのガードリングを使用していた。これに対し、本技術の第2の実施の形態では、ガードリングを分割し、複数のガードリングを使用する。これにより、CMP研磨時の不具合の発生を防止する。
【0054】
[ガードリングの構成]
図6は、本技術の第2の実施の形態におけるガードリングを示す図である。前述のように、半導体装置10の製造工程において、CMP法による半導体チップの接合面の研磨が行われる。この際、第1のガードリング121および第2のガードリング221の幅Qが大きすぎると、ガードリング部分が過剰に削られる、いわゆるディッシングが生じる場合がある。これを防ぐため、同図に表したように第1のガードリング121および第2のガードリング221を分割して配置する。同図は、それぞれ4つに分割した例を表したものである。この際、分割されたガードリングの幅の合計をQに等しくする。これ以外の半導体装置10の構成は
図1において説明した半導体装置10と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、ガードリングを分割することにより、所望の接合強度保ちながら、CMP研磨時のディッシングの発生を防止することができる。
【0056】
<3.第3の実施の形態>
上述の実施の形態では、第1の半導体チップ100の端部から第1のパッド124に至る領域の絶縁層同士の接合部分の強度等に基づいてQを算出していた。これに対し、本技術の第3の実施の形態では、接合面にダミーパッドを追加して第1の半導体チップ100の端部から第1のパッド124またはダミーパッドに至る領域に変更し、Qを算出する。これにより、接合強度を保ちながらQを小さくすることができる。
【0057】
[半導体装置の構成]
図7は、本技術の第3の実施の形態における半導体装置10の構成例を示す図である。同図の半導体装置10は、第1のダミーパッド125および第2のダミーパッド225がそれぞれ第1の半導体チップ100および第2の半導体チップ200に配置されている点で、
図1において説明した半導体装置10と異なっている。
【0058】
[ダミーパッドの構成]
図8は、本技術の第3の実施の形態におけるダミーパッドを示す図である。本技術の第1の実施の形態では、第1の半導体チップ100の端部から第1のパッド124に至る領域の絶縁物同士の接合強度等に基づいてQを算出していた。しかし、同図における上側の図に表したように、第1のパッド124と第1の半導体チップ100の端部との距離が大きい場合、Qの値も大きなものとなる。このため、第1のガードリング121が他の第1のパッドと接近し、デザインルール違反となる場合が生じる。そこで、同図における下側の図に表したように、第1のパッド124と第1の半導体チップ100の端部との間に第1のダミーパッド125を配置する。この第1のダミーパッド125は、接合面120に配置されるものの、配線層131およびビア132とは接続されておらず、電気的に独立したパッドである。
【0059】
なお、接合面220には、この第1のダミーパッド125と対向する位置にダミーパッド225が配置される。また、Qは、第1の半導体チップ100の端部から最初に第1のパッド124または第1のダミーパッド125に至る領域の絶縁層同士の接合強度とガードリング同士の接合強度とに基づいて算出される。第1のダミーパッド125および第2のダミーパッド225を追加することにより、Pを短くすることができ、これに基づくQも短くすることができる。これにより、デザインルール違反を回避することができる。これ以外の半導体装置10の構成は
図1において説明した半導体装置10と同様であるため、説明を省略する。
【0060】
[ガードリングの設計手順]
図9は、本技術の実施の形態におけるガードリングの設計手順を示す図である。同図は、ダミーパッドの追加およびガードリングの分割の手順を含むガードリングの設計手順を表したものである。まず、最大絶縁物接合長を算出する(ステップS910)。ここで、最大絶縁物接合長とは、Pの最大値である。次に、最大絶縁物接合長に基づいてガードリング幅を算出する(ステップS901)。これは、前述の式1により算出することができる。次に、ガードリングの幅がデザインルールに適合するか否かを判断する(ステップS902)。ここで、デザインルールには、CMP法の適用に関するルールが含まれている。その結果、デザインルールに適合する場合には(ステップS902:Yes)、ガードリング位置を決定し(ステップS903)、ガードリングの設計を終了する。
【0061】
一方、デザインルールに適合しない場合には(ステップS902:No)、ガードリングとパッドとが干渉するか否かを判断する(ステップS904)。すなわち、ガードリングとパッドとの距離が適切か否かを判断する。その結果、ガードリングとパッドとが干渉する場合には(ステップS904:Yes)、ダミーパッドを追加し(ステップS906)、再度ステップS910からの手順を実行する。一方、ガードリングとパッドとが干渉しない場合には(ステップS904:No)、ガードリングを分割し(ステップS905)、再度ステップS910からの手順を実行する。
【0062】
図10は、本技術の実施の形態における最大絶縁物接合長算出手順(ステップS910)を示す図である。まず、最大絶縁物接合長(Pmax)を値「0」に初期化する(ステップS911)。次に、半導体チップの辺を選択し(ステップS912)、パッドを選択する(ステップS913)。選択したパッドと辺との間に他のパッドがあるか否かを判断し(ステップS914)、他のパッドがある場合には(ステップS914:Yes)、再度ステップS913に戻り、他のパッドを選択する。一方、他のパッドがない場合には(ステップS914:No)、
図3において説明したPを算出する(ステップS915)。算出したPとPmaxとを比較し、PmaxよりPの方が大きい場合には(ステップS916:Yes)、PmaxをPに変更し(ステップS917)、ステップS918の手順に移行する。一方、PがPmax以下の場合には(ステップS916:No)、ステップS917の手順をスキップしてステップS918の手順に移行する。
【0063】
ステップS918において、次のパッドがあるか否かを判断する(ステップS918)。すなわち、全てのパッドについてPの算出を行ったか否かを判断する。次のパッドがある場合には、(ステップS918:Yes)、再度ステップS913からの手順を実行する。一方、次のパッドがない場合には(ステップS918:No)、次の辺があるか否かを判断する(ステップS919)。すなわち、全ての辺についてPmaxの算出を行ったか否かを判断する。その結果、次の辺がある場合には、再度ステップS912からの手順を実行する。一方、次の辺がない場合には、最大絶縁物接合長算出手順を終了する。
【0064】
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、ダミーパッドを追加することにより、所望の接合強度を保ちながら、デザインルール違反を回避することができる。
【0065】
上述のように、本技術の実施の形態では、半導体チップの端部からパッドに至る領域における絶縁層同士の接合部分の強度とガードリング同士の接合部分の強度とに基づいて算出された幅のガードリングを接合面に配置して使用する。これにより、接合面の活性化処理を行うことなく、半導体装置の接合強度を所望の接合強度にすることができる。
【0066】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0067】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disc)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)等を用いることができる。
【0068】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0069】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)第1の絶縁層と前記第1の絶縁層により絶縁される第1の内層回路が電気的に接続される複数の第1のパッドと前記複数の第1のパッドの外側に配置される線状の第1の金属層とを有する第1の接合面を備える第1の半導体チップと、
第2の絶縁層と前記第1のパッドに対向する位置に配置されるとともに前記第2の絶縁層により絶縁される第2の内層回路が電気的に接続される複数の第2のパッドと前記第1の金属層に対向する位置に配置される線状の第2の金属層とを有して前記第1の接合面と接合される第2の接合面を備える第2の半導体チップと
を具備する半導体装置であって、
前記第1の金属層および前記第2の金属層の幅は、前記第1の半導体チップの端部から前記第1のパッドに至る領域の前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層の接合強度と前記第1の金属層および前記第2の金属層の接合強度とに基づく幅である半導体装置。
(2)前記第1の金属層および前記第2の金属層の幅は、前記領域における前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層の接合強度と前記第1の金属層および前記第2の金属層の接合強度との平均値に基づく幅である前記(1)に記載の半導体装置。
(3)前記第1の金属層および前記第2の金属層の幅は、以下の関係式を満たす幅Qに略等しい前記(2)に記載の半導体装置。
(x×P+y×Q)/R>z
ただし、
z:前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップの単位面積当たりの接合強度、
x:前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層の単位面積当たりの接合強度、
y:前記第1の金属層および前記第2の金属層の単位面積当たりの接合強度、
P:前記第1の半導体チップの端部と略垂直に交わる経路における前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層の接合部分の長さ、
R:前記経路における前記第1のパッドと前記第1の半導体チップの端部との間の長さ
である。
(4)前記経路は、前記第1の半導体チップの端部と略垂直に交わって前記第1の半導体チップの端部から最初に前記第1のパッドに至る経路である前記(3)に記載の半導体装置。
(5)前記経路は、前記第1の半導体チップの端部と略垂直に交わって前記第1の半導体チップの端部から最初に前記第1のパッドに至る経路のうち最も距離が長い経路である前記(4)に記載の半導体装置。
(6)前記第1の接合面は、前記第1の内層回路が電気的に接続されない第1のダミーパッドをさらに有し、
前記第2の接合面は、前記第1のダミーパッドと対向する位置に配置されるとともに前記第2の内装回路と電気的に接続されない第2のダミーパッドをさらに有し、
前記第1の金属層および前記第2の金属層の幅は、前記第1の半導体チップの端部から最初に前記第1のパッドまたは前記第1のダミーパッドに至る領域の前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層の接合強度と前記第1の金属層および前記第2の金属層の接合強度とに基づく幅である
前記(1)から(5)のいずれかに記載の半導体装置。
(7)前記第1の金属層および前記第2の金属層は、所定の個数に分割される前記(1)から(6)のいずれかに記載の半導体装置。
(8)前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップは、矩形形状に構成され、
前記第1の金属層および前記第2の金属層の幅は、前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップのそれぞれの辺毎の前記領域における前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層の接合強度と前記第1の金属層および前記第2の金属層の接合強度とに基づく幅である
前記(1)から(7)のいずれかに記載の半導体装置。
(9)第1の絶縁層と前記第1の絶縁層により絶縁される第1の内層回路が電気的に接続される複数の第1のパッドと前記複数の第1のパッドの外側に配置される線状の第1の金属層とを有する第1の接合面および前記第1の内層回路が電気的に接続されて照射された光を電気信号に変換する半導体領域を有する第1の拡散層を備える第1の半導体チップと、
第2の絶縁層と前記第1のパッドに対向する位置に配置されるとともに前記第2の絶縁層により絶縁される第2の内層回路が電気的に接続される複数の第2のパッドと前記第1の金属層に対向する位置に配置される線状の第2の金属層とを有して前記第1の接合面と接合される第2の接合面および前記第2の内層回路が電気的に接続されて前記電気信号を処理する半導体領域を有する第2の拡散層を備える第2の半導体チップと
を具備する撮像装置であって、
前記第1の金属層および前記第2の金属層の幅は、前記第1の半導体チップの端部から前記第1のパッドに至る領域の前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層の接合強度と前記第1の金属層および前記第2の金属層の接合強度とに基づく幅である撮像装置。
【符号の説明】
【0070】
10 半導体装置
100 第1の半導体チップ
101 マイクロレンズ
102 カラーフィルタ
110 第1の拡散層
120 第1の接合面
121 第1のガードリング
124 第1のパッド
125 第1のダミーパッド
129 第1の絶縁層
131、231 配線層
132、232 ビア
200 第2の半導体チップ
210 第2の拡散層
220 第2の接合面
221 第2のガードリング
224 第2のパッド
225 第2のダミーパッド
229 第2の絶縁層
【手続補正書】
【提出日】2022-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素アレイ内の複数の画素と第1電極および第2電極を含む第1配線層とを含む第1基板と、
信号処理領域および第2配線層を含む第2基板と
を具備し、
前記複数画素は、複数の画素信号を前記信号処理領域に出力し、
前記第2配線層は、第3電極および第4電極を含み、
前記第1電極は、前記第2電極に接合され、
前記第1電極および前記第3電極は、互いに電気的に接続され、
前記第1電極は、前記第1基板に電気的に接続され、
前記第3電極は、前記第2基板に電気的に接続され、
前記第2電極および前記第4電極は、前記画素アレイの外側に配置され、
前記第2電極は、前記第4電極に接合され、
前記第2電極および前記第4電極は、前記複数の画素信号と異なる電位に電気的に接続され、
前記第2電極および前記第4電極のそれぞれは、複数の部分に分割され、
前記第2電極の複数の部分および前記第4電極の複数の部分のそれぞれは、前記画素アレイの周囲を囲むように配置され、
前記複数の部分の1つは、前記第1配線層および前記第2配線層のそれぞれの端部に隣接する
光検出装置。
【請求項2】
前記第1基板は、第1ビアをさらに含む
請求項1記載の光検出装置。
【請求項3】
前記第1ビアは、前記第2電極に電気的に接続される
請求項2記載の光検出装置。
【請求項4】
前記第2電極は、接地導体に電気的に接続される
請求項3記載の光検出装置。
【請求項5】
前記第1基板は、前記第2基板に機械的に接合される
請求項1記載の光検出装置。
【請求項6】
前記信号処理領域は、前記画素信号の処理を行うように構成される
請求項1記載の光検出装置。
【請求項7】
前記処理は、前記画素信号のアナログデジタル変換を含む
請求項6記載の光検出装置。
【請求項8】
前記信号処理領域は、前記画素に関する制御信号を生成するように構成される
請求項6記載の光検出装置。
【請求項9】
前記第2電極は、前記第1電極の外側に配置された線状の金属層である
請求項1記載の光検出装置。
【請求項10】
前記第4電極は、前記第3電極の外側に配置された線状の金属層である
請求項9記載の光検出装置。
【請求項11】
前記第2電極、前記第1電極、前記第4電極および前記第3電極は、銅から形成される
請求項10記載の光検出装置。
【請求項12】
前記第1基板は、第1絶縁層をさらに含み、前記第2電極、第1電極および前記第1絶縁層は、前記第1基板の接合面の一部を形成する
請求項1記載の光検出装置。
【請求項13】
前記第2基板は、第2絶縁層をさらに含み、前記第4電極、第3電極および前記第2絶縁層は、前記第1基板の接合面の一部を形成する
請求項12記載の光検出装置。
【請求項14】
前記第1基板の接合面と前記第2基板の接合面とは互いに接合される
請求項13記載の光検出装置。
【請求項15】
前記第1電極は、前記第1絶縁層に埋め込まれ、前記第3電極は、前記第2絶縁層に埋め込まれる
請求項14記載の光検出装置。
【請求項16】
前記第1電極および前記第2電極の間の前記第1絶縁層の少なくとも一部と、前記第3電極および前記第4電極の間の前記第2絶縁層の少なくとも一部とが互いに接合される
請求項15記載の光検出装置。
【請求項17】
前記第2電極および前記第4電極は、同一の幅を有する
請求項1記載の光検出装置。
【請求項18】
前記第1基板は、複数の配線層を含む
請求項1記載の光検出装置。
【請求項19】
複数のビアと前記複数の配線層とは、前記画素を前記信号処理領域に接続する
請求項18記載の光検出装置。
【請求項20】
画素アレイ内の複数の画素と第1電極および第2電極を含む第1配線層とを含む第1基板と、信号処理領域および第2配線層を含む第2基板とを含む光検出装置と、
複数のマイクロレンズと、
複数のカラーフィルタと
を具備し、
前記複数の画素は、複数の画素信号を前記信号処理領域に出力し、
前記第2配線層は、第3電極および第4電極を含み、
前記第1電極は、前記第3電極に接合され、
前記第1電極および前記第3電極は、互いに電気的に接続され、
前記第1電極は、前記第1基板に電気的に接続され、
前記第3電極は、前記第2基板に電気的に接続され、
前記第2電極および前記第4電極は、前記画素アレイの外部に配置され、
前記第2電極は、前記第4電極に接合され、
前記第2電極および前記第4電極は、前記複数の画素信号と異なる電位に電気的に接続され、
前記第2電極および前記第4電極のそれぞれは、複数の部分に分割され、
前記第2電極の複数の部分および前記第4電極の複数の部分のそれぞれは、前記画素アレイの周囲を囲むように配置され、
前記複数の部分の1つは、前記第1配線層および前記第2配線層のそれぞれの端部に隣接し、
少なくとも1つのマイクロレンズは、前記複数の画素における各画素に設けられ、
前記カラーフィルタは、前記マイクロレンズおよび前記画素の間にある
撮像装置。