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特開2022-173519神経筋疾患、神経変性疾患、自己免疫疾患、発達疾患および/または代謝疾患の処置のための、脳由来神経栄養因子(BDNF)の誘導された発現
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173519
(43)【公開日】2022-11-18
(54)【発明の名称】神経筋疾患、神経変性疾患、自己免疫疾患、発達疾患および/または代謝疾患の処置のための、脳由来神経栄養因子(BDNF)の誘導された発現
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/06 20060101AFI20221111BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20221111BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221111BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20221111BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20221111BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20221111BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20221111BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20221111BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20221111BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
A61K31/06
A61P3/00
A61P25/00
A61P37/06
A61P21/00
A61P25/08
A61P25/16
A61P25/14
A61K9/20
A61K9/48
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022159466
(22)【出願日】2022-10-03
(62)【分割の表示】P 2021031635の分割
【原出願日】2016-01-21
(31)【優先権主張番号】62/106,365
(32)【優先日】2015-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517255441
【氏名又は名称】マイトコン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロバート アロンソ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジェラード ガイスラー
(57)【要約】
【課題】神経筋疾患、神経変性疾患、自己免疫疾患、発達疾患および/または代謝疾患の処置のための、脳由来神経栄養因子(BDNF)の誘導された発現の提供。
【解決手段】一実施形態では、本発明は、外傷性CNS傷害、神経変性疾患、および/または自己免疫疾患、および/または発達障害、および/または代謝疾患を、BDNFを増大させて疾患の進行を和らげるまたは症状の軽減をもたらすために、DNPを体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり10mg未満の用量範囲で投与することによって処置する方法を提供する。DNPを様々な用量にわたってマウスに毎日投与し、その後、脳におけるBDNF発現に用量依存性かつ非線形の発現の増大が示された。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面の一部に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の名称
神経筋疾患、神経変性疾患、自己免疫疾患、発達疾患および/または代謝疾患の処置のための、脳由来神経栄養因子(BDNF)の誘導された発現
【0002】
関連出願への相互参照
本出願は、2015年1月22日に出願された米国仮出願第62/106,365号への優先権を主張し、その全体は、本明細書において明示的に参考として援用される。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
脳由来神経栄養因子(BDNF)は、神経発達において重要な役割を果たすいくつかの内因性タンパク質のうちの1つである。BDNFは、ニューロトロフィンとして、および/またはマイオカインとして神経成長に影響を及ぼす。したがって、BDNFの発現を誘導するための改善された方法が必要とされている。本発明は、DNPを投与することにより、BDNFを発現が増大するように内因的に誘導できるという発見、およびBDNFの発現に有用であり、かつ患者に対して有害ではない、0.001mg/kgから10mg/kg未満の間の用量範囲が存在するという発見に関する。さらに、疾患の宿主を処置するために、BDNFを、血液脳関門を横断させる多くの手法が行われている。例えば、これらの疾患としては、これらに限定されないが、外傷性傷害、脳卒中、ハンチントン病、てんかん、多発性硬化症(MS)、ループス、1型糖尿病および2型糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY)、重症筋無力症(MG)、関節リウマチ(RA)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、メタボリックシンドローム、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、重度の熱傷、老化、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、フリードライヒ失調症、バッテン病、アルツハイマー病、視神経炎、レーベル遺伝性視神経症(LHON)、自閉症、レット症候群、バッテン病、アンジェルマン症候群、リー病、脆弱X症候群、統合失調症、うつ病、パーキンソン病およびミトコンドリア病が挙げられる。処置は、神経筋障害、神経変性障害、自己免疫障害、発達障害および/または代謝障害を逆転させる、遅らせる、または予防するプロセスによって働く。
【0004】
発明の分野
本発明は、神経筋疾患、神経変性疾患、自己免疫疾患、発達疾患および/または代謝疾患を処置する方法、ならびに、神経筋疾患、神経変性疾患、自己免疫疾患、発達疾患および/または代謝疾患を処置するための、単位用量を含む医薬組成物に関する。具体的には、本発明は、ミトコンドリア脱共役剤(プロトノフォアまたはイオノフォア)2,4-ジニトロフェノール(「DNP」)または二分(bipartite)ジニトロフェノールアイソフ
ォーム(2,3-DNP、2,4-DNP、2,5-DNP、2,6-DNP、3,4-DNP、または3,5-DNP)または、例えばCCCP、FCCP、SF6847、フルフェナム酸、PCP、TTFBなどの、解離可能なプロトンを有するミトコンドリア脱共役剤もしくは弱酸を、それを必要とする患者に、約0.001mg/kg~5mg/kgの有効用量を使用して投与することにより、ヒトの全身の器官を脳由来ニューロトロフィン因子(「BDNF」)の発現が増大するように内因的に誘導すること、および関連するDNPの医薬組成物およびDNPの単位用量に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概要
一実施形態では、本発明は、外傷性CNS傷害、神経変性疾患、および/または自己免疫疾患、および/または発達障害、および/または代謝疾患を、BDNFを増大させて疾患の進行を和らげるまたは症状の軽減をもたらすために、DNPを体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり10mg未満の用量範囲で投与することによって処置する方法を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも以下の疾患:外傷性脳損傷(TBI)、虚血性脳卒中、ハンチントン病(成人発症型ハンチントン病、若年性ハンチントン病)、てんかん(群発発作、不応性発作、非定型欠伸発作、脱力発作、間代性発作、ミオクローヌス発作、強直性発作、強直間代性発作、単純部分発作、複雑部分発作、二次性全般発作、熱性痙攣、非てんかん性発作、笑い・泣き発作(Gelastic and Dacrystic Seizure)、および欠伸発作)、多発性硬化症(MS)(再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次進行性MS(SPMS)、一次進行性MS(PPMS)、および進行性再発性MS(PRMS))、ループス(全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状(皮膚)ループス、薬物誘発性ループス(dil)および新生児ループス)、真性糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY:MODY1、MODY2、MODY3、MODY4、MODY5、MODY6、MODY7、MODY8、MODY9、MODY10、MODY11))、統合失調症(妄想型統合失調症、破瓜型統合失調症、緊張型統合失調症、残遺型統合失調症、統合失調感情性障害)、重症筋無力症(MG)(眼筋型重症筋無力症、先天性MGおよび全身性重症筋無力症)、関節リウマチ(RA)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型、筋緊張性、先天性、エメリー・ドレイフス型、顔面肩甲上腕型、肢帯型、遠位型、および眼咽頭型)、重度の熱傷、老化、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動失調(フリードライヒ失調症、脊髄小脳失調症1(SCA1)、脊髄小脳失調症2(SCA2)、脊髄小脳失調症3(SCA3)、脊髄小脳失調症6(SCA6)、脊髄小脳失調症7(SCA7)、脊髄小脳失調症11(SCA11)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)およびグルテン失調症)、バッテン病または神経セロイドリポフスチン沈着症(NCL)(小児性NCL(INCL)、遅発型小児性NCL(LINCL)、若年性NCL(JNCL)または成人型NCL(ANCL))、アルツハイマー病(早期発症型アルツハイマー病、遅発型アルツハイマー病、および家族性アルツハイマー病(FAD))、視神経炎(ON)、レーベル遺伝性視神経症(LHON)、自閉症スペクトラム障害(ASD)(アスペルガー症候群、広汎性発達障害(PDD)、小児期崩壊性障害(CDD)、および自閉症性障害)、レット症候群、アンジェルマン症候群、リー病、プラダー・ウィリー症候群、脆弱X症候群、うつ病(大うつ病、気分変調症、産後うつ病、季節性情動障害、非定型うつ病、精神病性うつ病、双極性障害、月経前不快気分障害、状況因性うつ病(Situational Depression))、パーキンソン病(特発性パーキンソン病、脳血管性パーキンソニズム、レビー小体型認知症、遺伝性パーキンソン病、薬剤性パーキンソン症候群、若年性パーキンソン病および非定型パーキンソニズム)、ミトコンドリア病、発達障害、メタボリックシンドローム(血圧上昇、高血糖レベル、ウエスト周りの過剰な体脂肪および異常なコレステロールレベル)および/または自己免疫障害を、DNPによる処置を用いてBDNF mRNA発現およびタンパク質レベルを誘導して、神経筋および/または神経変性および/または筋消耗を逆転させる、遅らせる、または予防することにより処置する方法を提供する。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、有効用量のDNPを含む、DNPまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物の組成物であって、DNPの有効用量が、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mgの範囲内である、組成物に関する。
【0007】
さらに別の実施形態では、本発明は、単位用量を含む、DNPまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物の医薬組成物であって、単位用量が、0.1mg~
300mgの範囲内である、医薬組成物に関する。
【0008】
さらに別の実施形態では、本発明は、神経筋障害または自己免疫障害または発達障害または神経変性障害または代謝障害を処置する方法であって、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分な長さの期間にわたって受けるステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で受け続ける、方法に関する。
【0009】
本発明の第5の態様は、神経筋障害または自己免疫障害または発達障害または代謝障害または神経変性障害を処置する方法であって、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分な長さの期間にわたって投与するための指示を提供するステップを含み、DNPの有効用量が、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で受けるよう指示される、方法に関する。
【0010】
本発明は、本発明のある特定の性質を例示する以下の図面を考察することにより、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に従って、DNPの投与により、脳におけるBDNFレベルが上昇することを示すチャートである。
【0012】
図2a図2aは、MS、実験的自己免疫性脳脊髄炎のマウスモデルからの免疫ブロットによる、BDNFタンパク質レベルの変化を示す図である。
【0013】
図2b図2bは、MSのマウスモデルからの、免疫ブロット試験に基づくBDNFタンパク質レベルのパーセント変化を示すグラフである。
【0014】
図2c図2cは、疾患の進行の緩和を示す、MSモデルにおける表現型の進行に対するMP101の影響を臨床スコアに関して示すグラフである。
【0015】
図2d図2dは、プラセボと比較した、5mg/kgのMP101を用いて処置したマウスについての16日目(発症のおよそのピーク)における代表的なマウス脊髄の電子顕微鏡画像である。
【0016】
図3a図3aは、6週齢時の時点でDNPを用いて処置した後の、レット症候群のモデルであるMecp2突然変異マウスを用いた試験の結果を示すグラフである。
【0017】
図3b図3bは、12週齢時の時点でDNPを用いて処置した後の、レット症候群のモデルであるMecp2突然変異マウスを用いた試験の結果を示すグラフである。
【0018】
図4図4は、「クラスピング試験」における1mg/kgのDNPの効果を示す、1カ月間の経口強制飼養による処置を受けた後、12週齢時のMecp2突然変異マウスを用いた試験の結果を示すグラフである。
【0019】
図5a図5a、図5bおよび図5cは、アルツハイマー病試験における、DNPの経口強制飼養による送達による4カ月間の処置を受けた後、4カ月齢時のAPP/PS1マウスを用いた試験の結果を示すグラフである。
図5b図5a、図5bおよび図5cは、アルツハイマー病試験における、DNPの経口強制飼養による送達による4カ月間の処置を受けた後、4カ月齢時のAPP/PS1マウスを用いた試験の結果を示すグラフである。
図5c図5a、図5bおよび図5cは、アルツハイマー病試験における、DNPの経口強制飼養による送達による4カ月間の処置を受けた後、4カ月齢時のAPP/PS1マウスを用いた試験の結果を示すグラフである。
【0020】
図6図6は、マウスを、DNPを1mg/kg、5mg/kgおよび10mg/kgで用いて経口強制飼養によって2週間処置し、次いで、脳にカイニン酸(kanic acid)を注射して発作時間に対する影響を決定したマウス試験の結果を示すグラフである。
【0021】
図7a図7aは、保護性ドパミン作動性ニューロン減少に対する影響を調べるために、マウスをDNPを用いて14日間処置したマウス試験の結果を示すグラフである。
【0022】
図7b図7bは、保護性ドパミン作動性ニューロン減少に対する影響を調べるために、マウスをDNPを用いて14日間処置した別のマウス試験の結果を示すグラフである。
【0023】
図8a図8aは、野生型(WT)、突然変異ハンチントンマウスビヒクル(HD)のDNPによる処置に伴う脳容積変化のMRI画像である。
【0024】
図8b図8bは、DNPによる処置後の皮質内の定量的な脳容積減少を示すグラフである。
【0025】
図8c図8cは、DNPによる処置後の線条体内の定量的な脳容積減少を示すグラフである。
【0026】
図8d図8dは、26週齢時にバイオマーカーDARPP32を使用した、DNPを用いた処置により中型有棘ニューロンが保存されることを示すマウス試験の結果を示す。
【0027】
図8e図8eは、N171-82Q HDマウスにおいてシナプス後タンパク質PSD95レベルに対するバイオマーカーを用いた、DNPを用いた処置により一般ニューロン減少が保存されることを示すマウス試験の結果を示す。
【0028】
図8f図8fは、DNPを用いた処置により、処置の17週間後に先細台および平均台のどちらにおいても運動機能が改善されることを示すマウス試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、「内因性」という用語は、特に定義されていなければ、深部組織から成長すること、例えばヒトの脳から成長することまたは成長により産生されることを意味する。あるいは、「内因性」という用語は、特に定義されていなければ、生物体または系の内部の因子によって引き起こされることを意味する。あるいは、「内因性」という用語は、特に定義されていなければ、生物体または系の内部で産生または合成されることを意味する。
【0030】
以下、特に定義されていなければ、「筋消耗」という用語は、ヒトの筋肉(例えば、呼吸のための横隔膜)の萎縮を意味する。筋萎縮は、筋肉が衰えた時である。筋消耗の主要な理由は、身体活動の不足である。これは、疾患または傷害によって腕または脚を動かすことが困難または不可能になった場合に起こり得る。
【0031】
以下、特に定義されていなければ、「有効用量」または「有効な軽減」という用語は、
用量または軽減の効果の有効な評価を達成するための以下の定量的評価:アルツハイマー病についてのADS COG;ハンチントン病についてのHDRS;パーキンソン病についてのパーキンソン評価尺度(Parkinson Rating Scale);多発性硬化症についてのFSSおよびEDSS;ALSについてのALSAQ;NIH脳卒中スケール(NIH Stroke Scale)またはバーセルインデックス(Barthel Index)などの、脳卒中に関する脳卒中評価尺度(Stroke Assessment Scale);自閉症についての小児自閉症評定尺度(Childhood Autism Rating Scale)(CARS);デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)についての6分間歩行試験;および発作についての発作重症度尺度のうちの1つまたは複数を使用して客観的に測定される。
【0032】
以下、特に定義されていなければ、「約」という用語は、参照される値のプラス10%またはマイナス10%を意味する。例えば、「約1mg/kg」とは、0.9mg/kg~1.1mg/kgを意味する。
【0033】
ミトコンドリア脱共役剤、例えば、2,4-ジニトロフェノール(DNP)は、外傷性CNS傷害、神経変性疾患、自己免疫疾患、発達障害、および代謝疾患の場合の神経保護のための治療的手法として有利に投与することができる。ミトコンドリア脱共役は、以下の作用機構(MOA)、1)酸素(O)消費を増大させ、それにより微小環境におけるO分圧を低下させることによってスーパーオキシドラジカルアニオン(O )の形成を防止すること、2)反応性酸素種(ROS)の実質的な供給源として公知の複合体IおよびIIIなどの呼吸鎖中間体の酸化レベルをより高くすること、3)NADHレベルを低く維持し、それによりミトコンドリアマトリックスフラビンタンパク質によるROS形成を防止すること、および4)複合体IIからIへの電子伝達の作用の逆転が熱力学的に不利な状態である低膜電位(ΔΨ)に起因して細胞ストレスの低減を導く軽度の脱共役により呼吸数を増強することによる、脳細胞に対する保護効果を有し得る。
【0034】
さらに、理論的には、ROSを低減させるための使用を越えた脱共役剤の使用により、神経突起伸長が達成される。虚血後にDNPを急性的に単回投薬することにより、ROS種を低減すること、および梗塞体積を低下させることができることが公知であるが、転帰の改善および修復による回復の利点は、BDNFの発現を増大させることで実現することができ、十分なレベルの当該ニューロトロフィンを誘導するためには長期にわたる処置が必要である。したがって、梗塞体積は、長期にわたるDNP処置による、損傷を受けた組織の修復/成長によってさらに低下させることができる。
【0035】
一実施形態では、本発明は、BDNFは、DNPによる処置を用いて、発現が増大するように内因的に誘導することができるという発見、および、有効であり、かつ有害になるほど高過ぎず効果がないほど低すぎない、DNPの用量範囲が存在するという発見に関する。BDNFの誘導におけるDNPの効果は、DNPの用量が増加するにしたがって直線的には増大しない。一実施形態では、有益な効果がこれ以上増大しないDNP投与量が存在すること、および、有意に、DNPの有益な効果が実際に低下する投与量が存在することを示す。
【0036】
理論に縛られることなく、DNPの作用機構は、非ゲノム事象からゲノム事象への変換である可能性がある。ミトコンドリア脱共役剤は、タンパク質に直接作用するのではなく、場所、すなわちミトコンドリアマトリックスに作用する。ミトコンドリアマトリックスは、チトクロムを通じたプロトン(水素またはH)の汲出しに起因して、塩基性pH環境である。ミトコンドリア脱共役剤は、解離可能なプロトンを有する弱酸であるので、ミトコンドリアマトリックスの塩基性環境に誘引され、そこで、陽イオンとして移動し、プロトン(H)が外れ、次いで、プロトン化されないまま細胞質基質の酸性環境中に陰イ
オンとして戻り、次いで、再プロトン化されて陽イオンに戻り、代謝および/または排除されるまで反復するサイクルが開始される。この事象により、ミトコンドリア膜電位が低下し、それにより、膜電位を再確立するために、グルコースおよび脂質の消費と共にエネルギー消費量が増加する。この効果は、DNPはタンパク質を通じて直接作用するまたはタンパク質と接触するのではなく、たまたま唯一の塩基性pH環境の場所である細胞内の独特の場所にただ向かうだけであるので、非ゲノム的なものであると考えられる。この効果により、ミトコンドリア内カルシウムも低減する。3’5’-環状一リン酸塩(サイクリックAMPまたはcAMP)を合成する酵素であるアデニル酸シクラーゼは、他に「二次メッセンジャー」として公知であり、カルシウムおよびマグネシウムの変化に対する感受性が高く、また、DNPにより、cAMP供給が上方制御されることが示されている。カスケードにより、アデニル酸シクラーゼの上方制御が影響を受け、より多くのcAMPが産生され、次いで、DNPの非ゲノム的効果がゲノム的効果に変換され、それにより、cAMP応答エレメント結合性タンパク質(CREB)として公知のBDNFに対する転写因子の増加を含め、多くの遺伝子の発現が変化する。
【0037】
単に例として、BDNFはハンチントン病では低く、BDNFをほぼ正常なレベルまで回復させることが、疾患の発症を和らげるために欠かせないと考えられる。したがって、血液脳関門を有効に横断し、内因性BDNFの発現を誘導する、DNPを用いた処置は、BDNFの発現の増加により神経保護がもたらされる疾患を処置するために有利である。同様に、レット症候群は、少女における発達障害であると考えられており、低レベルのBDNFに関連付けられる。レベルをほぼ正常なレベルまで回復させることにより、発症の1つのマーカーとしてのおよそ18カ月齢付近での頭部成長の阻止が防止され得る。多発性硬化症(MS)などの他の疾患に関しては、BDNFの正の影響は十分に試験されていないが、本発明者らは、MSのモデルにおいて、DNPによる長期にわたる処置の下では、BDNFレベルが脳において上昇すること、および髄鞘を破壊する自己免疫障害から軸索が顕著に保護されることを示した。他者により、BDNFによって肥満症および糖尿病のモデルにおいてグルコースレベルを低下させることができることが示されている。他者により、若年の非肥満インスリン抵抗性患者ではBDNFの循環レベルが低く、それがパラ分泌として作用し、メタボリックシンドロームにおける因子であり得ることが見出されている。したがって、BDNFの増加の上昇および持続により、神経変性障害、発達障害、自己免疫障害、代謝障害および神経筋障害における広範な効果がもたらされ得る。さらに、中心区画および/または末梢区画の両方におけるBDNFの増加も有益であり得る。
【0038】
脳に加えて、BDNFは、他の筋組織においても発現し、神経変性からの保護に加えて、神経筋または筋肉の保護をもたらすためのマイオカインとしての機能を果たすと考えられる。
【0039】
驚いたことに、例えば、外傷性傷害、脳卒中、ハンチントン病、てんかん、多発性硬化症(MS)、ループス、1型糖尿病および2型糖尿病、MODY、メタボリックシンドローム、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、重度の熱傷、老化、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、フリードライヒ失調症、バッテン病、アルツハイマー病、視神経炎、自閉症、レット症候群、バッテン病、アンジェルマン症候群、脆弱X症候群、統合失調症、うつ病、およびパーキンソン病などの筋肉疾患、神経筋疾患、神経変性疾患、自己免疫疾患、発達疾患および/または代謝疾患の処置において、約0.001~5mg/kgの用量範囲が有効であることが示されている。一実施形態では、本発明は、DNPの、哺乳動物の脳におけるBDNFの発現を誘導するための、約0.01~10mg/kg未満の有効用量範囲での使用を示し、この用量は、多すぎるBDNFの誘導が害になることを回避するか、またはBDNFの誘導が少なすぎることによる作用がない用量である。
【0040】
本明細書において下記の通り、ミトコンドリア脱共役剤DNPを、マウスにおいて0.
5mg/kgのDNPから10mg/kgのDNPまでの用量範囲で、経口的な長期にわたる処置の下で試験して、脳においてBDNFの増加を内因的に誘導するために必要な脳内の薬物の量を用量設定した。DNPにより、脳においてBDNFが実際に誘導されるが、10mg/kgの最高用量では、それよりも低い次の2つの用量と比較してBDNFのレベルが低下することが発見された。したがって、BDNFレベルの上昇が有益である疾患の宿主に対して統計的に有意な生存および行動利益を達成するために必要な特異的かつ限定されたDNPの用量範囲が存在することが発見された。一実施形態では、例えば、これらに限定されないが、外傷性脳損傷(TBI)、虚血性脳卒中、ハンチントン病(成人発症型ハンチントン病、若年性ハンチントン病)、てんかん(群発発作、不応性発作、非定型欠伸発作、脱力発作、間代性発作、ミオクローヌス発作、強直性発作、強直間代性発作、単純部分発作、複雑部分発作、二次性全般発作、熱性痙攣、非てんかん性発作、笑い・泣き発作、および欠伸発作)、多発性硬化症(MS)(再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次進行性MS(SPMS)、一次進行性MS(PPMS)、および進行性再発性MS(PRMS))、ループス(全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状(皮膚)ループス、薬剤誘発性ループス(dil)および新生児ループス)、真性糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY:MODY1、MODY2、MODY3、MODY4、MODY5、MODY6、MODY7、MODY8、MODY9、MODY10、MODY11))、統合失調症(妄想型統合失調症、破瓜型統合失調症、緊張型統合失調症、残遺型統合失調症、統合失調感情性障害)、重症筋無力症(MG)(眼筋型重症筋無力症、先天性MGおよび全身性重症筋無力症)、関節リウマチ(RA)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型、筋緊張性、先天性、エメリー・ドレイフス型、顔面肩甲上腕型、肢帯型、遠位型、および眼咽頭型)、重度の熱傷、老化、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動失調(フリードライヒ失調症、脊髄小脳失調症1(SCA1)、脊髄小脳失調症2(SCA2)、脊髄小脳失調症3(SCA3)、脊髄小脳失調症6(SCA6)、脊髄小脳失調症7(SCA7)、脊髄小脳失調症11(SCA11)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)およびグルテン失調症)、バッテン病または神経セロイドリポフスチン沈着症(NCL)(小児性NCL(INCL)、遅発型小児性NCL(LINCL)、若年性NCL(JNCL)または成人型NCL(ANCL))、アルツハイマー病(早期発症型アルツハイマー病、遅発型アルツハイマー病、および家族性アルツハイマー病(FAD))、視神経炎(ON)、レーベル遺伝性視神経症(LHON)、自閉症スペクトラム障害(ASD)(アスペルガー症候群、広汎性発達障害(PDD)、小児期崩壊性障害(CDD)、および自閉症性障害)、レット症候群、アンジェルマン症候群、リー病、プラダー・ウィリー症候群、脆弱X症候群、うつ病(大うつ病、気分変調症、産後うつ病、季節性情動障害、非定型うつ病、精神病性うつ病、双極性障害、月経前不快気分障害、状況因性うつ病)、パーキンソン病(特発性パーキンソン病、脳血管性パーキンソニズム、レビー小体型認知症、遺伝性パーキンソン病、薬剤性パーキンソン症候群、若年性パーキンソン病および非定型パーキンソニズム)、ミトコンドリア病、発達障害、メタボリックシンドローム(血圧上昇、高血糖レベル、ウエスト周りの過剰な体脂肪および異常なコレステロールレベル)および/または自己免疫障害などの全身の器官および脳、ランゲルハンス島、肝臓および脳の疾患および障害には、特異的かつ限定されたDNP用量を用いてBDNFレベルを用量設定することが有益である。
【0041】
野生型C57BL/6Jマウスを、2,4-ジニトロフェノールを用い、0.5mg/kg、1.0mg/kg、5.0mg/kg、および10.0mg/kgのDNPまたはプラセボ、群当たりN=8で、2週間にわたって毎日、経口強制飼養によって処置した。mRNAのデルタ-デルタCT変化を決定するためにGapDHに対して正規化した内因性BDNFレベルを決定するための半定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に脳組織を使用した。データは、プラセボを与えた対照群と比較したパーセント変化として表した、各用量レベルのDNPについてのデルタ-デルタCT変化を示す。
【0042】
図1は、野生型マウスにおけるDNPの投与により、0.1mg/kgのDNPから10mg/kgのDNPの間で、脳におけるBDNFレベルが上昇することを示し、また、高用量である10.0mg/kgのDNPではBDNFの発現が少なくなるような鐘状曲線が同定された。一実施形態では、BDNFはマイオカインであり、筋消耗に対して正の利益をもたらし得るので、ハンチントン病、レット症候群、てんかん、および多発性硬化症(MS)、ならびに他の形態の神経変性障害および筋肉障害または神経筋障害などの、より高いBDNFレベルを必要とする患者集団には高用量範囲のDNPが有益であり得る。
【0043】
図2aは、MS、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)のマウスモデルからの免疫ブロットによる、BDNFタンパク質レベルの変化を示す。試験の42日目、回復期に、1日目にMOGペプチドを用いて免疫し、次いで、MP101を用いた処置を7日目に開始して21日目に停止した代表的なマウスの腰髄から組織を取得した。BDNFバンドの強度は、プラセボから、0.5mg/kg、1mg/kgまで増大し、5mg/kgにおいてプラトー効果が生じた。無処置の動物はナイーブと示す。したがって、BDNFレベルの変化は、DNP(MP101としても公知)を用いた処置後3週間である。DNPは、BDNFを増加させるだけでなく、BDNFを増加させるその効果は、現在まで明らかになっていない永続効果である。
【0044】
図2bは、処置後3週間の、MS、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)のマウスモデルからの免疫ブロットによるBDNFタンパク質レベルのパーセント変化を示す。
【0045】
図2cは、疾患の進行の緩和を示す、MSモデルにおける表現型の進行に対するMP101の影響を臨床スコアに関して示す。
【0046】
図2dは、5mg/kgのMP101で処置したマウスにおける、プラセボと比較した、16日目(発症のおよそのピーク)における代表的なマウス脊髄の電子顕微鏡画像を示す。保護的な軸索周囲の髄鞘および軸索は、プラセボ群と比較して完全にインタクトである。
【0047】
したがって、DNPを、野生型モデルの脳におけるBDNFの誘導に関してmRNA変化によって試験し、また、DNPを、タンパク質レベルでのBDNFの増大について試験し、MS、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)のモデルにおいて保護効果がもたらされることを実証した。
【0048】
MP101を、Mecp2突然変異マウスを使用してレット症候群のモデルにおいて試験した。レット症候群は、少女における発達障害であり、頭部成長の低減を含めた最初の症状は約18カ月齢で始まる。図3a、3b、3cおよび4は、これらの突然変異マウスを0.5mg/kg、1mg/kgおよび5mg/kgのMP101を用いて経口強制飼養により処置することの効果を示す。
【0049】
図3aおよび3bでは、レット症候群のモデルであるMecp2突然変異マウスを、6週齢時にMP101(DNP)を用いて処置し、当該マウスの歩行のための協調を回転シリンダー(ロータロッド)で試験した。ビヒクル、0.5mg/kgのMP101、1mg/kgのMP101および5mg/kgのMP101を用いて経口強制飼養によって処置したMecp2突然変異マウスと比較した一般的な行動の衰えのベンチマークとして野生型マウスを使用する。図3aでは、データは、8週齢時に、突然変異ビヒクルで処置したマウスはロータロッド上を歩行する能力を失ったが、一方、野生型マウスおよび薬物で処置した動物では、落下が少なく、より速い回転スピードに対処することができたことを
示す。図3bでは、データは、1カ月間の処置後、12週齢時における同様の所見を示す。
【0050】
図4では、「クラスピング試験」における、1mg/kgのMP101の効果を示す、12週齢であり、1カ月間の経口強制飼養による処置を受けた後のMecp2突然変異マウスの結果を示す。
【0051】
さらに、認知症の全症例の約70%を占めるアルツハイマー病を、APPswe突然変異およびPS1deltaE9突然変異を発現し、比較的急速なAβ病態および失認が発生するAPP/PS1マウスを使用して評価した。4カ月齢時に、APP/PS1マウスを、0.5mg/kg、1mg/kgおよび5mg/kgのMP101(DNP)の経口強制飼養による送達によって4カ月にわたって処置した。図5a、5bおよび5cは、MP101により、ビヒクルで処置したマウスと比較して認知が改善されたことを示す。四分円内で過ごした時間の量が、マウスが大まかな場所を記憶しているかどうかの指標であり、時間の増大により、記憶の増大が示される。
【0052】
図5a、5bおよび5cは、全ての用量のDNPで、隠れたプラットフォームの場所の記憶の認知についてモリス水迷路で試験したところ、記憶できなかったビヒクルに対して、APP/PS1マウスでは短期間の記憶が改善されたことを示す。図5aは、隠れたプラットフォームを有する四分円内で、プラットフォームを探して移動した距離を示し、図5bは、四分円内のプラットフォームが隠れている場所で過ごした時間の量を示し、図5cは、プラットフォームへの立ち入りの回数を示す。四分円内で過ごした時間の量は、対象が大まかな場所を記憶しているかどうかの指標である。
【0053】
DNPを、てんかんの処置についても評価した。カイニン酸モデルは、ニューロンを過剰刺激し、死滅を引き起こすグルタミン酸の類似体(カイニン酸)を右海馬に注射することによって引き起こされるてんかんの急性モデルである。図6は、DNPが保護薬としてカイニン酸による過剰刺激および死滅に対する効果をもたらすかどうかを決定するために、野生型マウスを、カイニン酸を注射する前に1mg/kg、5mg/kgおよび10mg/kgのMP101(DNP)の経口強制飼養によって14日間処置した効果を示す。
【0054】
図6は、1mg/kg、5mg/kgおよび10mg/kgのMP101(DNP)の経口強制飼養による2週間の処置、次いでマウスの脳へのカイニン酸の注射後に、発作時間が短縮されることを示す。DNPにより、ビヒクルと比較して、カイニン酸によって引き起こされる過剰刺激からの神経の保護がもたらされた。
【0055】
MP101(DNP)を用いてパーキンソン病を処置することの利点を、野生型マウスおよびSIRT3 KOマウスにおいて、2週間のMP101による処置後に6-OHDAを注射することで評価した。2~3カ月齢の雄C57Bl/6マウスまたはSIRT3
KOマウスの脳の右線条体に神経毒である6-ヒドロキシドパミン(6-OHDA)の単回の片側定位固定注射を行うことによって誘導される黒質線条体ニューロンのドパミン作動性変性に対する、種々のMP-101用量(0.5mg/kg、1mg/kg、5mg/kg)の神経保護効果を調査した。SIRT3 KOは、グルタミン酸により誘導されるカルシウム過負荷および興奮毒性、ならびに酸化ストレスおよびミトコンドリアストレスに対する感受性を高めたモデルであり、したがって、パーキンソン病、ハンチントン病および側頭葉てんかんを評価するために理想的である。図7は、MP101により、ドパミン作動性ニューロンが6-OHDAの毒作用から保護されたことを示す。
【0056】
図7aおよび7bは、最終日後に右線条体に6-OHDAを注射した際の保護性ドパミン作動性ニューロン減少に対する、DNP(MP101)の経口強制飼養による14日間
の処置の効果を示す。図7aは、マウスをシリンダーに入れた際の壁への左足および右足の接触のパーセントが野生型マウスでは改善されることを示し、図7bは、パーキンソン病に対する脆弱性が高いSIRT3 KOマウスにおいて、MP101(DNP)を用いて処置し、回転シリンダー(ロータロッド)に乗せたところ運動協調性が改善されたことを示す。
【0057】
「フラグメントモデル」N171-82 HDマウスであるハンチントン病のマウスモデルにおいて、MP101(DNP)を使用して、その神経保護効果を決定した。N171-82 HDマウスを、0.5mg/kg、1mg/kgおよび5mg/kgのMP101の経口強制飼養によって毎日、17週間超にわたって処置した。26週齢(17週間の処置)時に、マウスを、行動の変化、脳容積、有棘ニューロンおよび一般ニューロンの減少について試験した。図8a、8b、8c、8d、8e、および8fは、DNP(MP101薬物処置)の効果を示す。
【0058】
図8a~8fは、ハンチントン病モデルN171-82Qにおける、13週間(22週齢)および/または17週間(26週齢)にわたるDNPを用いた処置後のMP101の効果を示す。図8aは、野生型(WT)、突然変異ハンチントンマウスビヒクル(HD)およびMP101(HD-MP101)で処置したマウスの脳容積変化のMRI画像を示す。図8bは、皮質内の定量的な脳容積減少を示す。図8cは、線条体内の定量的な脳容積減少を示す。HDプラセボ(HD)では、CtxおよびStrのどちらの減少も示される。MP-101では、皮質および線条体における軽微な減少が示される。図8dは、26週齢時にバイオマーカーDARPP32を使用して、DNPを用いた処置により中型有棘ニューロンが保存されることを示す。図8eは、N171-82Q HDマウスにおいてシナプス後タンパク質PSD95レベルに対するバイオマーカーを用いて、DNPを用いた処置により一般ニューロン減少が保存されることを示す。図8fは、DNPを用いた処置により、処置の17週間後に先細台および平均台のどちらにおいても運動機能が改善されることを示す。
【0059】
前述のことを考慮して、本発明は、ある特定の疾患においてBDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすためのDNPの有効な使用に関連する方法および製剤を記載する。
使用方法
【0060】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0061】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.001mg~体重1kg当たり約5mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0062】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状
態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0063】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.01mg~体重1kg当たり約5mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0064】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり1mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0065】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.01mg~体重1kg当たり約1mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0066】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.005mg~体重1kg当たり2mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0067】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.005mg~体重1kg当たり約2mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0068】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量
のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.02mg~体重1kg当たり0.9mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0069】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.02mg~体重1kg当たり約0.9mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0070】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.02mg~体重1kg当たり0.06mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0071】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.02mg~体重1kg当たり約0.06mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0072】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.05mg~体重1kg当たり0.09mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0073】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.05mg~体重1kg当たり約0.09mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0074】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげる
または症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.2mg~体重1kg当たり0.6mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0075】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.2mg~体重1kg当たり約0.6mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0076】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.5mg~体重1kg当たり0.9mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0077】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.5mg~体重1kg当たり約0.9mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0078】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり0.1mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0079】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.01mg~体重1kg当たり約0.1mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0080】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり0.5mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0081】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.01mg~体重1kg当たり約0.5mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0082】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.05mg~体重1kg当たり0.5mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0083】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.05mg~体重1kg当たり約0.5mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0084】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.05mg~体重1kg当たり0.9mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0085】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.05mg~体重1kg当たり約0.9mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0086】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.02mg~体重1kg当たり1mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0087】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものおよび上述の疾患または状
態のいずれかを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.02mg~体重1kg当たり約1mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0088】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり0.1mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0089】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.01mg~体重1kg当たり約0.1mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0090】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.1mg~体重1kg当たり1mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0091】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連するものを含めた、神経変性障害、神経筋障害、発達障害、代謝障害、自己免疫障害またはミトコンドリア障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約0.1mg~体重1kg当たり約1mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0092】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連する神経筋障害または神経変性障害を処置する方法であって、外傷性CNS傷害または神経変性疾患の処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり1mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0093】
一実施形態では、本発明の使用方法は、加齢に関連する神経筋障害または神経変性障害を処置する方法であって、外傷性CNS傷害または神経変性疾患の処置を必要とする患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進
行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり約1mg~体重1kg当たり約5mgの用量範囲で継続する、方法を含み得る。
【0094】
ある実施形態では、DNPまたはその薬学的に許容される塩の、本明細書に記載の任意の目的のための、本明細書に記載の任意の形態または組合せでの投与の用量範囲は、体重1kg当たり約0.001mg~体重1kg当たり約5mg、体重1kg当たり約0.001mg~体重1kg当たり約4mg、体重1kg当たり約0.001mg~体重1kg当たり約3mg、体重1kg当たり約0.001mg~体重1kg当たり約0.005mg、体重1kg当たり約0.005mg~体重1kg当たり約.01mg、体重1kg当たり約0.01mg~体重1kg当たり約1mg、体重1kg当たり約0.01mg~体重1kg当たり約0.1mg、体重1kg当たり約0.02mg~体重1kg当たり約0.08mg、体重1kg当たり約0.025mg~体重1kg当たり約0.06mg、体重1kg当たり約0.03mg~体重1kg当たり約0.05mg、体重1kg当たり約0.05mg~体重1kg当たり約0.1mg、体重1kg当たり約0.04mg~体重1kg当たり約0.06mg、体重1kg当たり約0.06mg~体重1kg当たり約0.09mg、体重1kg当たり約0.07mg~体重1kg当たり約0.08mg、体重1kg当たり約0.09mg~体重1kg当たり約0.11mg、体重1kg当たり約0.1mg~体重1kg当たり約0.5mg、体重1kg当たり約0.2mg~体重1kg当たり約0.4mg、体重1kg当たり約0.3mg~体重1kg当たり約0.5mg、体重1kg当たり約0.4mg~体重1kg当たり約0.6mg、体重1kg当たり約0.5mg~体重1kg当たり約1mg、体重1kg当たり約0.6mg~体重1kg当たり約0.9mg、体重1kg当たり約0.7mg~体重1kg当たり約0.8mg、体重1kg当たり約0.8mg~体重1kg当たり約1.2mg、体重1kg当たり約1mg~体重1kg当たり約5mg、または体重1kg当たり約2mg~体重1kg当たり約4mgである。
【0095】
ある実施形態では、DNPまたはその薬学的に許容される塩の、本明細書に記載の任意の目的のための、本明細書に記載の任意の形態または組合せでの投与の用量範囲は、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mg、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり4mg、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり3mg、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり0.005mg、体重1kg当たり0.005mg~体重1kg当たり0.01mg、体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり1mg、体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり0.1mg、体重1kg当たり0.02mg~体重1kg当たり0.08mg、体重1kg当たり0.025mg~体重1kg当たり0.06mg、体重1kg当たり0.03mg~体重1kg当たり0.05mg、体重1kg当たり0.05mg~体重1kg当たり0.1mg、体重1kg当たり0.04mg~体重1kg当たり0.06mg、体重1kg当たり0.06mg~体重1kg当たり0.09mg、体重1kg当たり0.07mg~体重1kg当たり0.08mg、体重1kg当たり0.09mg~体重1kg当たり0.11mg、体重1kg当たり0.1mg~体重1kg当たり0.5mg、体重1kg当たり0.2mg~体重1kg当たり0.4mg、体重1kg当たり0.3mg~体重1kg当たり0.5mg、体重1kg当たり0.4mg~体重1kg当たり0.6mg、体重1kg当たり0.5mg~体重1kg当たり1mg、体重1kg当たり0.6mg~体重1kg当たり0.9mg、体重1kg当たり0.7mg~体重1kg当たり0.8mg、体重1kg当たり0.8mg~体重1kg当たり1.2mg、体重1kg当たり1mg~体重1kg当たり5mg、または体重1kg当たり2mg~体重1kg当たり4mgである。
【0096】
ある実施形態では、DNPまたはその薬学的に許容される塩の、本明細書に記載の任意の目的のための、本明細書に記載の任意の形態または組合せでの投与は、約0.001mg/kg、約0.002mg/kg、約0.003mg/kg、約0.004mg/kg
、約0.005mg/kg、約0.006mg/kg、約0.007mg/kg、約0.008mg/kg、約0.009mg/kg、約0.01mg/kg、約0.015mg/kg、約0.02mg/kg、約0.025mg/kg、約0.03mg/kg、約0.035mg/kg、約0.04mg/kg、約0.045mg/kg、約0.05mg/kg、約0.055mg/kg、約0.06mg/kg、約0.065mg/kg、約0.07mg/kg、約0.075mg/kg、約0.08mg/kg、約0.085mg/kg、約0.09mg/kg、約0.095mg/kg、約0.1mg/kg、約0.15mg/kg、約0.2mg/kg、約0.25mg/kg、約0.3mg/kg、約0.35mg/kg、約0.4mg/kg、約0.45mg/kg、約0.5mg/kg、約0.55mg/kg、約0.6mg/kg、約0.65mg/kg、約0.7mg/kg、約0.75mg/kg、約0.8mg/kg、約0.85mg/kg、約0.9mg/kg、約0.95mg/kg、約1.0mg/kg、約1.1mg/kg、約1.2mg/kg、約1.3mg/kg、約1.4mg/kg、約1.5mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約3.5mg/kg、約4mg/kg、約4.5mg/kg、または約5.0mg/kgである。
【0097】
ある実施形態では、DNPまたはその薬学的に許容される塩の、本明細書に記載の任意の目的のための、本明細書に記載の任意の形態または組合せでの投与は、0.001mg/kg、0.002mg/kg、0.003mg/kg、0.004mg/kg、0.005mg/kg、0.006mg/kg、0.007mg/kg、0.008mg/kg、0.009mg/kg、0.01mg/kg、0.015mg/kg、0.02mg/kg、0.025mg/kg、0.03mg/kg、0.035mg/kg、0.04mg/kg、0.045mg/kg、0.05mg/kg、0.055mg/kg、0.06mg/kg、0.065mg/kg、0.07mg/kg、0.075mg/kg、0.08mg/kg、0.085mg/kg、0.09mg/kg、0.095mg/kg、約0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.45mg/kg、0.5mg/kg、0.55mg/kg、0.6mg/kg、0.65mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、0.95mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、2mg/kg、2.5mg/kg、3mg/kg、3.5mg/kg、4mg/kg、4.5mg/kg、または5.0mg/kgである。
【0098】
ある実施形態では、DNPまたはその薬学的に許容される塩の、本明細書に記載の任意の目的のための、本明細書に記載の任意の形態または組合せでの投与は、体重1kg当たり約10mgもしくはそれ未満、体重1kg当たり約5mgもしくはそれ未満、約4.5mg/kgもしくはそれ未満、約4mg/kgもしくはそれ未満、約3.5mg/kgもしくはそれ未満、約3mg/kgもしくはそれ未満、約2.5mg/kgもしくはそれ未満、約2mg/kgもしくはそれ未満、約1.5mg/kgもしくはそれ未満、約1mg/kgもしくはそれ未満、約0.95mg/kgもしくはそれ未満、約0.9mg/kgもしくはそれ未満、約0.85mg/kgもしくはそれ未満、約0.8mg/kgもしくはそれ未満、約0.75mg/kgもしくはそれ未満、約0.7mg/kgもしくはそれ未満、約0.65mg/kgもしくはそれ未満、約0.6mg/kgもしくはそれ未満、約0.55mg/kgもしくはそれ未満、約0.5mg/kgもしくはそれ未満、約0.45mg/kgもしくはそれ未満、約0.4mg/kgもしくはそれ未満、約0.35mg/kgもしくはそれ未満、約0.3mg/kgもしくはそれ未満、約0.25mg/kgもしくはそれ未満、約0.2mg/kgもしくはそれ未満、約0.15mg/kgもしくはそれ未満、約0.1mg/kgもしくはそれ未満、約0.09mg/kgもしくはそれ未満、約0.08mg/kgもしくはそれ未満、約0.07mg/kgもしくはそれ未
満、約0.06mg/kgもしくはそれ未満、約0.05mg/kgもしくはそれ未満、約0.04mg/kgもしくはそれ未満、約0.03mg/kgもしくはそれ未満、約0.02mg/kgもしくはそれ未満、約0.01mg/kgもしくはそれ未満、または約0.005mg/kgもしくはそれ未満である。全ての場合において、本明細書に記載の用量は、ゼロmg/kg超である。
【0099】
ある実施形態では、DNPまたはその薬学的に許容される塩の、本明細書に記載の任意の目的のための、本明細書に記載の任意の形態または組合せでの投与は、約4mg/kgもしくはそれ超、約3.5mg/kgもしくはそれ超、約3mg/kgもしくはそれ超、約2.5mg/kgもしくはそれ超、約2mg/kgもしくはそれ超、約1.5mg/kgもしくはそれ超、約1mg/kgもしくはそれ超、約0.95mg/kgもしくはそれ超、約0.9mg/kgもしくはそれ超、約0.85mg/kgもしくはそれ超、約0.8mg/kgもしくはそれ超、約0.75mg/kgもしくはそれ超、約0.7mg/kgもしくはそれ超、約0.65mg/kgもしくはそれ超、約0.6mg/kgもしくはそれ超、約0.55mg/kgもしくはそれ超、約0.5mg/kgもしくはそれ超、約0.45mg/kgもしくはそれ超、約0.4mg/kgもしくはそれ超、約0.35mg/kgもしくはそれ超、約0.3mg/kgもしくはそれ超、約0.25mg/kgもしくはそれ超、約0.2mg/kgもしくはそれ超、約0.15mg/kgもしくはそれ超、約0.1mg/kgもしくはそれ超、約0.09mg/kgもしくはそれ超、約0.08mg/kgもしくはそれ超、約0.07mg/kgもしくはそれ超、約0.06mg/kgもしくはそれ超、約0.05mg/kgもしくはそれ超、約0.04mg/kgもしくはそれ超、約0.03mg/kgもしくはそれ超、約0.02mg/kgもしくはそれ超、約0.01mg/kgもしくはそれ超、約0.009mg/kgもしくはそれ超、約0.007mg/kgもしくはそれ超、約0.005mg/kgもしくはそれ超、約0.003mg/kgもしくはそれ超、または約0.001mg/kgもしくはそれ超である。全ての場合において、本明細書に記載の用量は、10mg/kg未満である。
【0100】
一部の例では、有効用量を経口的に送達する。一部の例では、有効用量を静脈内に送達する。一部の例では、有効用量を生理食塩水と一緒に点滴静注によって静脈内に送達する。一部の例では、有効用量を他の薬、ビタミン、流体または栄養と一緒に点滴静注によって静脈内に送達する。一部の例では、有効用量を皮下に送達する。一部の例では、有効用量を局所的に送達する。一部の例では、有効用量を経皮送達する。一部の例では、有効用量を他の必要な薬、ビタミン、流体または栄養と組み合わせる。
【0101】
一部の例では、DNPによる処置を用いてBDNFを誘導することによって以下の疾患または状態のいずれかを処置、予防または緩和するために有効用量を使用する:外傷性脳損傷(TBI)、虚血性脳卒中、ハンチントン病(成人発症型ハンチントン病、若年性ハンチントン病)、てんかん(群発発作、不応性発作、非定型欠伸発作、脱力発作、間代性発作、ミオクローヌス発作、強直性発作、強直間代性発作、単純部分発作、複雑部分発作、二次性全般発作、熱性痙攣、非てんかん性発作、笑い・泣き発作、および欠伸発作)、多発性硬化症(MS)(再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次進行性MS(SPMS)、一次進行性MS(PPMS)、および進行性再発性MS(PRMS))、ループス(全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状(皮膚)ループス、薬剤誘発性ループス(dil)および新生児ループス)、真性糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY:MODY1、MODY2、MODY3、MODY4、MODY5、MODY6、MODY7、MODY8、MODY9、MODY10、MODY11))、統合失調症(妄想型統合失調症、破瓜型統合失調症、緊張型統合失調症、残遺型統合失調症、統合失調感情性障害)、重症筋無力症(MG)(眼筋型重症筋無力症、先天性MGおよび全身性重症筋無力症)、関節リウマチ(RA)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカ
ー型、筋緊張性、先天性、エメリー・ドレイフス型、顔面肩甲上腕型、肢帯型、遠位型、および眼咽頭型)、重度の熱傷、老化、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動失調(フリードライヒ失調症、脊髄小脳失調症1(SCA1)、脊髄小脳失調症2(SCA2)、脊髄小脳失調症3(SCA3)、脊髄小脳失調症6(SCA6)、脊髄小脳失調症7(SCA7)、脊髄小脳失調症11(SCA11)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)およびグルテン失調症)、バッテン病または神経セロイドリポフスチン沈着症(NCL)(小児性NCL(INCL)、遅発型小児性NCL(LINCL)、若年性NCL(JNCL)または成人型NCL(ANCL))、アルツハイマー病(早期発症型アルツハイマー病、遅発型アルツハイマー病、および家族性アルツハイマー病(FAD))、視神経炎(ON)、レーベル遺伝性視神経症(LHON)、自閉症スペクトラム障害(ASD)(アスペルガー症候群、広汎性発達障害(PDD)、小児期崩壊性障害(CDD)、および自閉症性障害)、レット症候群、アンジェルマン症候群、リー病、プラダー・ウィリー症候群、脆弱X症候群、うつ病(大うつ病、気分変調症、産後うつ病、季節性情動障害、非定型うつ病、精神病性うつ病、双極性障害、月経前不快気分障害、状況因性うつ病)、パーキンソン病(特発性パーキンソン病、脳血管性パーキンソニズム、レビー小体型認知症、遺伝性パーキンソン病、薬剤性パーキンソン症候群、若年性パーキンソン病および非定型パーキンソニズム)、ミトコンドリア病、発達障害、メタボリックシンドローム(血圧上昇、高血糖レベル、ウエスト周りの過剰な体脂肪および異常なコレステロールレベル)および/または自己免疫障害。
【0102】
一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.005mg/kg~1.0mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kg~0.5mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.02mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.02mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.025mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.025mg/kg~0.08mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.03mg/kg~0.075mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.09mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.08mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.075mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.045mg/kg~0.055mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.055mg/kg~0.085mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.055mg/kg~0.065mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.065mg/kg~0.075mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.075mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用され
る有効用量は、0.07mg/kg~0.09mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.085mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.09mg/kg~0.2mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kg~0.3mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.2mg/kg~0.4mg/kgである。
【0103】
一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.005mg/kg~約1.0mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.01mg/kg~約0.5mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.01mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.02mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.02mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.025mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.025mg/kg~約0.08mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.03mg/kg~約0.075mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.09mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.08mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.075mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.045mg/kg~約0.055mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.055mg/kg~約0.085mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.055mg/kg~約0.065mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.065mg/kg~約0.075mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.075mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.07mg/kg~約0.09mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.085mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.09mg/kg~約0.2mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.1mg/kg~約0.3mg/kgである。一部の例では、ハンチントン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.2mg/kg~約0.4mg/kgである。
【0104】
一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有
効用量は、0.001mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.002mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.003mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.004mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.005mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.025mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.075mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、1mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.5mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.35mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.25mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.075mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、ハンチントン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kgまたはそれ未満である。全ての場合において、本明細書に記載の用量は、ゼロmg/kg超、かつ5mg/kg未満である。
【0105】
一部の例では、多発性硬化症(MS)の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kg~5mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kg~1mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kg~5mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kg~1mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.06mg/kg~1mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.07mg/kg~0.9mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.075mg/kg~0.8mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.07mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.08mg/kg~0.5mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kg~0.8mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.3mg/kg~0.8m
g/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.4mg/kg~0.7mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.7mg/kg~0.8mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.8mg/kg~1mg/kgである。
【0106】
一部の例では、多発性硬化症(MS)の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.05mg/kg~約5mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.01mg/kg~約1mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.05mg/kg~約5mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.05mg/kg~約1mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.06mg/kg~約1mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.07mg/kg~約0.9mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.075mg/kg~約0.8mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.07mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.08mg/kg~約0.5mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.1mg/kg~約0.8mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.3mg/kg~約0.8mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.4mg/kg~約0.7mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.7mg/kg~約0.8mg/kgである。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.8mg/kg~約1mg/kgである。
【0107】
一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、1.0mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.9mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.8mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.7mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.6mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.5mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.4mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.3mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.2mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.09mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防また
は緩和するために使用される有効用量は、0.08mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.07mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.06mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.07mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.08mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.09mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.15mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.2mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.25mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.3mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.35mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.4mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.45mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.5mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.55mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.6mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.65mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.70mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.75mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.8mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、1.0mg/kgまたはそれ超である。全ての場合において、本明細書に記載の用量は、ゼロmg/kg超、かつ5mg/kg未満である。
【0108】
一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kg~1mg/kgである。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.5mg/kg~1mg/kgである。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.6mg/kg~0.9mg/kgである。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.7mg/kg~0.8mg/kgである。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.5mg/kg~約1mg/kgである。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.6mg/kg~約0.9mg/kgである。一部の例では
、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.7mg/kg~約0.8mg/kgである。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.4mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.5mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.6mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.7mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.8mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、1mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.9mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.8mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.7mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、てんかんを処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.5mg/kgまたはそれ未満である。全ての場合において、本明細書に記載の用量は、ゼロmg/kg超、かつ5mg/kg未満である。
【0109】
一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.005mg/kg~1mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.02mg/kg~1mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kg~0.5mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.02mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.025mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.025mg/kg~0.08mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.03mg/kg~0.075mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.09mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.08mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.075mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.045mg/kg~0.055mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.055mg/kg~0.085mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.055mg/kg~0.065mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.065mg/kg~0.075mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.075mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.07mg/kg~0.09mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.085mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用さ
れる有効用量は、0.09mg/kg~0.2mg/kgである。
【0110】
一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.005mg/kg~約1.0mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.02mg/kg~約1mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.01mg/kg~約0.5mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.02mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.025mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.025mg/kg~約0.08mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.03mg/kg~約0.075mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.09mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.08mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.075mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.045mg/kg~約0.055mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.055mg/kg~約0.085mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.055mg/kg~約0.065mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.065mg/kg~約0.075mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.075mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.07mg/kg~約0.09mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.085mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、レット症候群を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.09mg/kg~約0.2mg/kgである。
【0111】
一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.02mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.03mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.04mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.06mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.07mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.08mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.09mg/kgまたはそれ超である。一
部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.5mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.3mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.075mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、レット症候群の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kgまたはそれ未満である。全ての場合において、本明細書に記載の用量は、ゼロmg/kg超、かつ5mg/kg未満である。
【0112】
一部の例では、パーキンソン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kg~1mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kg~0.5mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kg~0.5mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.06mg/kg~0.5mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.07mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.08mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.09mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.075mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.09mg/kg~0.2mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.2mg/kg~0.5mg/kgである。
【0113】
一部の例では、パーキンソン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.01mg/kg~約1mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.01mg/kg~約0.5mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.05mg/kg~約0.5mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.05mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.06mg/kg~約0.5mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.07mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.08mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.09mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.075mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.09mg/kg~約0.2mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防ま
たは緩和するために使用される有効用量は、約0.1mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.2mg/kg~約0.5mg/kgである。
【0114】
一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、1.0mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.5mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.4mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.3mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.2mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.09mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.08mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.07mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.06mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.07mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.08mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.09mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.15mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.2mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.25mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.3mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、多発性硬化症(MS)を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.35mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.4mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.45mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、パーキンソン病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.5mg/kgまたはそれ超である。全ての場合において、本明細書に記載の用量は、ゼロmg/kg超、かつ5mg/kg未満である。
【0115】
一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、.005mg/kg~1.0mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kg~0.5mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.02mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.
025mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.025mg/kg~0.08mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.03mg/kg~0.075mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.4mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.09mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.08mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kg~0.075mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.045mg/kg~0.055mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.055mg/kg~0.085mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.055mg/kg~0.065mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.065mg/kg~0.075mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.075mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.07mg/kg~0.09mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.085mg/kg~0.1mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.09mg/kg~0.2mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kg~0.3mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.2mg/kg~0.4mg/kgである。
【0116】
一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.005mg/kg~約1.0mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.01mg/kg~約0.5mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.02mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.025mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.025mg/kg~約0.08mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.03mg/kg~約0.075mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.4mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.09mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.08mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.035mg/kg~約0.075mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.045mg/kg~約
0.055mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.055mg/kg~約0.085mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.055mg/kg~約0.065mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.065mg/kg~約0.075mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.075mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.07mg/kg~約0.09mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.085mg/kg~約0.1mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.09mg/kg~約0.2mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.1mg/kg~約0.3mg/kgである。一部の例では、アルツハイマー病を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、約0.2mg/kg~約0.4mg/kgである。
【0117】
一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.001mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.002mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.003mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.004mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.005mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.01mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.025mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.035mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.075mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kgまたはそれ超である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.5mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.35mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.25mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.1mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.075mg/kgまたはそれ未満である。一部の例では、アルツハイマー病の症状を処置、予防または緩和するために使用される有効用量は、0.05mg/kgまたはそれ未満である。全ての場合において、本明細書に記載の用量は、ゼロmg/kg超、かつ5mg/kg未満である。
【0118】
一部の例では、本発明は、これらの疾患のいずれかを処置する方法、または、加齢に関連する神経筋障害、神経変性障害、自己免疫障害、発達障害、代謝障害、もしくは任意の障害を処置する方法であって、外傷性CNS傷害または神経変性疾患の処置を必要とする
患者に、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分に長い期間にわたって投与するステップを含み、脳におけるBDNF発現を誘導するために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で継続する、方法である。実際に、本発明は、DNPの投与を含み、DNPの用量は、多すぎるBDNFの誘導を回避するか、またはBDNFの誘導が少なすぎることによる作用を有しない手段としてヒトにおける害を予防するのに有用である。本明細書の開示から同様に明らかである通り、BDNFは、脳だけでなく、筋肉においても発現し、また、マイオカインとしての機能を果たし得るので、本発明は、BDNFの発現を増強し、それにより筋消耗または筋機能障害からの保護をもたらすことも含む。
【0119】
一部の例では、本発明は、神経筋障害または神経変性障害または自己免疫障害または発達障害または代謝障害を処置する方法であって、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分な長さの期間にわたって受けるステップを含み、BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、DNPの有効用量を、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で受け続ける、方法である。一部の例では、本発明は、神経筋障害または神経変性障害または自己免疫障害または発達障害または代謝障害を処置する方法であって、有効用量のDNPまたはその薬学的に許容される塩を、疾患の症状の寛解を達成するのに十分な長さの期間にわたって投与するための指示を提供するステップを含み、DNPの有効用量が、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で受けるよう指示される、方法である。
【0120】
一部の例では、本発明は、本明細書において識別される疾患のいずれかを処置する方法であって、有効用量のDNPが、DNPの最後の投薬を受けた後最大3週間にわたるBDNFのレベルの上昇の持続に対する永続効果を有する、方法である。一部の例では、本発明は、本明細書において識別される疾患のいずれかを処置する方法であって、DNPの最後の投薬を受けた後最大2週間にわたるBDNFのレベルの上昇の持続に対する永続効果を有する、方法である。一部の例では、本発明は、本明細書において識別される疾患のいずれかを処置する方法であって、有効用量のDNPが、DNPの最後の投薬を受けた後最大1週間にわたるBDNFのレベルの上昇の持続に対する永続効果を有する、方法である。一部の例では、本発明は、本明細書において識別される疾患のいずれかを処置する方法であって、有効用量のDNPが、DNPの最後の投薬を受けた後最大3日間にわたるBDNFのレベルの上昇の持続に対する永続効果を有する、方法である。一部の例では、本発明は、本明細書において識別される疾患のいずれかを処置する方法であって、有効用量のDNPが、DNPの最後の投薬を受けた後最大2日間にわたるBDNFのレベルの上昇の持続に対する永続効果を有する、方法である。一部の例では、本発明は、本明細書において識別される疾患のいずれかを処置する方法であって、有効用量のDNPが、DNPの最後の投薬を受けた後最大1日間にわたるBDNFのレベルの上昇の持続に対する永続効果を有する、方法である。
【0121】
ある実施形態では、本発明に包含される用量は、組成物として、対象の体重に基づいて投与することができる。ある実施形態では、用量は、対象の単位体重当たり(例えば、対象の体重1kg当たりの、本明細書に記載の組成物のmg数)で投与することができる。ある実施形態では、本発明に包含される用量は、組成物として、対象の体重を考慮せずに用量の重量のみに基づいて(例えば、対象に投与される用量当たりの、本明細書に記載の組成物のmg数)投与することができる。ある実施形態では、用量は、担体中の活性成分の重量に基づいて決定する。別の実施形態では、用量は、担体中の組成物の活性成分の総重量に基づいて決定する。本発明者らの用量範囲では、平均成人患者の体重をおよそ60kgと仮定している。
組成物
【0122】
一部の実施形態では、医薬組成物は、DNPまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含み、有効用量のDNPを含み、DNPの有効用量は、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mg;0.01mg/kg~1mg/kg;0.01mg/kg~0.1mg/kg;0.1mg/kg~0.5mg/kg;または1mg/kg~5mg/kgの範囲内である。一部の実施形態では、医薬組成物は、BDNF発現を誘導して神経筋および/または神経変性および/または筋消耗を逆転させる、遅らせる、または予防するのに有効な用量である。
【0123】
一部の実施形態では、医薬組成物は、DNPまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含み、有効用量のDNPを含み、DNPの有効用量は、体重1kg当たり約0.001mg~体重1kg当たり約5mg;約0.01mg/kg~約1mg/kg;約0.01mg/kg~約0.1mg/kg;約0.1mg/kg;約0.1mg/kg~約0.5mg/kg;約0.5mg/kg;約1mg/kg;約1mg/kg~約5mg/kg;約5mg/kgの範囲内である。一部の実施形態では、医薬組成物は、BDNF発現を誘導して神経筋および/または神経変性および/または筋消耗を逆転させる、遅らせる、または予防するのに有効な用量である。
【0124】
一部の実施形態では、医薬組成物は、即時放出形態である。一部の実施形態では、医薬組成物は、急速溶解性である。一部の実施形態では、医薬組成物は、持続放出形態である。一部の実施形態では、医薬組成物は、制御放出形態である。
【0125】
他の実施形態では、本明細書の他の箇所により詳細に記載されている通り、活性成分の投薬量および投薬レジメンは、処置を受ける対象の健康および状態、ならびに処置の所望の転帰に基づいて最適化することができる。
単位用量
【0126】
一部の実施形態では、医薬組成物は、DNPまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含み、単位用量を含み、単位用量は、約0.1mg~約300mgの範囲内である;単位用量は、約0.1mg~約1mgの範囲内である;単位用量は、約1mg~約5mgの範囲内である;単位用量は、約1mgである;単位用量は、約2mgである;単位用量は、約3mgである;単位用量は、約4mgである;単位用量は、約5mgである;単位用量は、約5mg~約10mgの範囲である;単位用量は、約6mgである;単位用量は、約7mgである;単位用量は、約8mgである;単位用量は、約9mgである;単位用量は、約10mgである;単位用量は、約10mg~約15mgの範囲である;単位用量は、約11mgである;単位用量は、約12mgである;単位用量は、約13mgである;単位用量は、約14mgである;単位用量は、約15mgである;単位用量は、約15mg~約20mgの範囲である;単位用量は、約16mgである;単位用量は、約17mgである;単位用量は、約18mgである;単位用量は、約19mgである;単位用量は、約20mgである;単位用量は、約20mg~約30mgの範囲である;単位用量は、約25mgである;単位用量は、約30mgである;単位用量は、約30mg~約40mgの範囲である;単位用量は、約35mgである;単位用量は、約40mgである;単位用量は、約40mg~約50mgの範囲である;単位用量は、約45mgである;単位用量は、約50mgである;単位用量は、約50mg~約100mgの範囲である;単位用量は、約75mgである;単位用量は、約100mgである;単位用量は、約100mg~約200mgの範囲である;単位用量は、約150mgである;単位用量は、約200mgである;単位用量は、約200mg~約300mgの範囲である;単位用量は、約200mgである;単位用量は、約250mgである;または単位用量は、約300mgである。
【0127】
一部の実施形態では、医薬組成物は、DNPまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含み、単位用量を含み、単位用量は、0.1mg~300mgの範囲内である;単位用量は、0.1mg~1mgの範囲内である;単位用量は、1mg~5mgの範囲内である;単位用量は、1mgである;単位用量は、2mgである;単位用量は、3mgである;単位用量は、4mgである;単位用量は、5mgである;単位用量は、5mg~10mgの範囲である;単位用量は、6mgである;単位用量は、7mgである;単位用量は、8mgである;単位用量は、9mgである;単位用量は、10mgである;単位用量は、10mg~15mgの範囲である;単位用量は、11mgである;単位用量は、12mgである;単位用量は、13mgである;単位用量は、14mgである;単位用量は、15mgである;単位用量は、15mg~20mgの範囲である;単位用量は、16mgである;単位用量は、17mgである;単位用量は、18mgである;単位用量は、19mgである;単位用量は、20mgである;単位用量は、20mg~30mgの範囲である;単位用量は、25mgである;単位用量は、30mgである;単位用量は、30mg~40mgの範囲である;単位用量は、35mgである;単位用量は、40mgである;単位用量は、40mg~50mgの範囲である;単位用量は、45mgである;単位用量は、50mgである;単位用量は、50mg~100mgの範囲である;単位用量は、75mgである;単位用量は、100mgである;単位用量は、100mg~200mgの範囲である;単位用量は、150mgである;単位用量は、200mgである;単位用量は、200mg~300mgの範囲である;単位用量は、200mgである;単位用量は、250mgである;または、単位用量は、300mgである。
【0128】
一部の実施形態では、医薬組成物は、DNPまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含み、単位用量を含み、単位用量は、0.1mgもしくはそれ超の範囲内である;単位用量は、0.5mgもしくはそれ超の範囲内である;単位用量は、1mgもしくはそれ超の範囲内である;単位用量は、5mgもしくはそれ超である;単位用量は、10mgもしくはそれ超である;単位用量は、15mgもしくはそれ超である;単位用量は、20mgもしくはそれ超である;単位用量は、30mgもしくはそれ超である;単位用量は、40mgもしくはそれ超である;単位用量は、50mgもしくはそれ超である;単位用量は、100mgもしくはそれ超である;単位用量は、150mgもしくはそれ超である;単位用量は、200mgもしくはそれ超である;または、単位用量は、250mgもしくはそれ超であるが、全ての場合において、300mgを超えない。
【0129】
一部の実施形態では、医薬組成物は、DNPまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含み、単位用量を含み、単位用量は、0.25mgもしくはそれ未満であるが、全ての場合において、ゼロを超える;単位用量は、0.5mgもしくはそれ未満である;単位用量は、1mgもしくはそれ未満である;単位用量は、5mgもしくはそれ未満である;単位用量は、10mgもしくはそれ未満である;単位用量は、15mgもしくはそれ未満である;単位用量は、20mgもしくはそれ未満である;単位用量は、30mgもしくはそれ未満である;単位用量は、40mgもしくはそれ未満である;単位用量は、50mgもしくはそれ未満である;単位用量は、100mgもしくはそれ未満である;単位用量は、150mgもしくはそれ未満である;単位用量は、200mgもしくはそれ未満である;単位用量は、250mgもしくはそれ未満である;または、単位用量は、300mgもしくはそれ未満である。
【0130】
一部の実施形態では、単位用量は、即時放出形態である。一部の実施形態では、単位用量は、延長放出形態である。一部の実施形態では、単位用量は、持続放出形態である。一部の実施形態では、単位用量は、制御放出形態である。一部の実施形態では、単位用量は、経口剤形である。一部の実施形態では、経口剤形は、錠剤である。一部の実施形態では、経口剤形は、カプセル剤である。一部の実施形態では、単位用量は、充填剤を伴わないカプセル剤である。一部の実施形態では、経口剤形は、急速溶解性である。
【0131】
一部の実施形態では、単位用量を静脈内に送達する。一部の実施形態では、単位用量を生理食塩水と一緒に点滴静注によって送達する。一部の実施形態では、単位用量を生理食塩水、他の医薬、ビタミンおよび/または栄養分と一緒に点滴静注によって送達する。一部の実施形態では、単位用量を皮下に送達する。一部の実施形態では、単位用量を局所的に送達する。一部の実施形態では、単位用量を経皮送達する。一部の実施形態では、単位用量は、パッチ剤の形態である。
【0132】
一部の実施形態では、単位用量は、BDNF発現を誘導して神経筋および/または神経変性および/または筋消耗を逆転させる、遅らせる、または予防するための有効量である。一部の実施形態では、単位用量は、ハンチントン病に対する処置である。一部の実施形態では、単位用量は、多発性硬化症(MS)に対する処置である。一部の実施形態では、単位用量は、てんかんに対する処置である。一部の実施形態では、単位用量は、パーキンソン病に対する処置である。一部の実施形態では、単位用量は、アルツハイマー病に対する処置である。一部の実施形態では、単位用量は、レット症候群に対する処置である。一部の実施形態では、単位用量は、これらに限定されないが、外傷性脳損傷(TBI)、虚血性脳卒中、ハンチントン病(成人発症型ハンチントン病、若年性ハンチントン病)、てんかん(群発発作、不応性発作、非定型欠伸発作、脱力発作、間代性発作、ミオクローヌス発作、強直性発作、強直間代性発作、単純部分発作、複雑部分発作、二次性全般発作、熱性痙攣、非てんかん性発作、笑い・泣き発作、および欠伸発作)、多発性硬化症(MS)(再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次進行性MS(SPMS)、一次進行性MS(PPMS)、および進行性再発性MS(PRMS))、ループス(全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状(皮膚)ループス、薬剤誘発性ループス(dil)および新生児ループス)、真性糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY:MODY1、MODY2、MODY3、MODY4、MODY5、MODY6、MODY7、MODY8、MODY9、MODY10、MODY11))、統合失調症(妄想型統合失調症、破瓜型統合失調症、緊張型統合失調症、残遺型統合失調症、統合失調感情性障害)、重症筋無力症(MG)(眼筋型重症筋無力症、先天性MGおよび全身性重症筋無力症)、関節リウマチ(RA)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD))、ベッカー型、筋緊張性、先天性、エメリー・ドレイフス型、顔面肩甲上腕型、肢帯型、遠位型、および眼咽頭型)、重度の熱傷、老化、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動失調(フリードライヒ失調症、脊髄小脳失調症1(SCA1)、脊髄小脳失調症2(SCA2)、脊髄小脳失調症3(SCA3)、脊髄小脳失調症6(SCA6)、脊髄小脳失調症7(SCA7)、脊髄小脳失調症11(SCA11)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)およびグルテン失調症)、バッテン病または神経セロイドリポフスチン沈着症(NCL)(小児性NCL(INCL)、遅発型小児性NCL(LINCL)、若年性NCL(JNCL)または成人型NCL(ANCL))、アルツハイマー病(早期発症型アルツハイマー病、遅発型アルツハイマー病、および家族性アルツハイマー病(FAD))、視神経炎(ON)、レーベル遺伝性視神経症(LHON)、自閉症スペクトラム障害(ASD)(アスペルガー症候群、広汎性発達障害(PDD)、小児期崩壊性障害(CDD)、および自閉症性障害)、レット症候群、アンジェルマン症候群、リー病、プラダー・ウィリー症候群、脆弱X症候群、うつ病(大うつ病、気分変調症、産後うつ病、季節性情動障害、非定型うつ病、精神病性うつ病、双極性障害、月経前不快気分障害、状況因性うつ病)、パーキンソン病(特発性パーキンソン病、脳血管性パーキンソニズム、レビー小体型認知症、遺伝性パーキンソン病、薬剤性パーキンソン症候群、若年性パーキンソン病および非定型パーキンソニズム)、ミトコンドリア病、発達障害、メタボリックシンドローム(血圧上昇、高血糖レベル、ウエスト周りの過剰な体脂肪および異常なコレステロールレベル)および/または自己免疫障害に対する処置である。
【0133】
用量は、1日1回の用量として、1日2回の用量として、1日3回、またはより高頻度で投与することができる。用量は、週3回、週2回、週1回、またはより低頻度で投与することができる。ある実施形態では、投与頻度は、1日1回から5回の間であってよい。別の実施形態では、投与頻度は、1日2回から4回の間であってよい。別の実施形態では、投与頻度は、1日に少なくとも3回であってよい。別の実施形態では、投与頻度は、1日2回であってよい。別の実施形態では、投与頻度は、1日1回であってよい。別の実施形態では、投与頻度は、1日1回よりも低頻度であってよい。他の実施形態では、投与頻度は、2日に1回または3日に1回または4日に1回または5日に1回または6日に1回であってよい。別の実施形態では、投与頻度は、週に1回であってよい。別の実施形態では、投与頻度を、時間とともに変化させ、例えば1日1回または1日2回などのある特定の割合で開始し、次いで、1日処置した後に、例えば2日に1回または3日に1回、または週に1回など、より低頻度に減らしてもよい。別の実施形態では、投与頻度を、時間とともに変化させ、例えば1日1回または1日2回などのある特定の割合で開始し、次いで、最初の2日間または3日間処置した後に、例えば2日に1回または3日に1回、または週に1回など、より低頻度に減らしてもよい。別の実施形態では、投与頻度を、時間とともに変化させ、例えば1日1回または1日2回などのある特定の割合で開始し、次いで、最初の1週間処置した後に、例えば2日に1回または3日に1回、または週に1回など、より低頻度に減らしてもよい。別の実施形態では、投与頻度は、治療的処置が必要であるまたは望ましいなどの要望に応じたものであってよい。
【0134】
MSのEAEモデルにおける試験から、2週間にわたるDNPによる処置の3週間後に、BDNFタンパク質のレベルが統計学的に上昇したことが示されたので(図2b)、投薬頻度は、BDNFタンパク質レベルが上昇するまで慢性的なものにし、その後、低頻度の投薬または「薬物休止期」を続けることができる。低頻度の投薬は、BDNFを上昇したレベルに保つための維持用量として使用する。したがって、最初の高頻度の投薬の期間後に、投薬の頻度を週に1回、2週間に1回、3週間に1回または1カ月に1回に減らすことができる。
【0135】
本明細書に包含される開示に基づいて、対象に追加的および/または継続的な投薬が必要かどうかの決定の仕方が理解されよう。選択された投薬頻度には、活性成分の投薬量の調整が必要な場合があることも理解されよう。本明細書に包含される開示に基づいて、選択された活性成分の投薬量には、投薬頻度の調整が必要な場合があることも理解されよう。本明細書に包含される開示と当技術分野の技術の組合せにより、当業者が、それを必要とする対象を処置するために活性成分の投薬量および活性成分の投与の頻度の両方を最適化することが可能になる。
【0136】
単位用量は、患者のサイズに基づいて調整することもできる。本明細書で提供される数値は、60kgの患者に基づく。サイズの小さな患者またはサイズの大きな患者に同じ治療をもたらすことができるが、用量サイズを低下または増大させる。単に例として、20kgの小児には、はるかに少ない用量が必要になる。
組成物の共投与
【0137】
ある実施形態では、本明細書に記載の組成物を1つまたは複数の他の医薬または消費者製品と併せて投与する。そのような他の医薬または消費者製品は、当技術分野で公知の形態および投薬量で、またはそれに代わるもので、本明細書に記載の組成物を使用した活性成分の投与に関して上記の通り、投与または共投与することができる。単に例として、脳卒中患者に関しては、DNPを、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)と一緒に投与することができる。
【0138】
真性糖尿病に関しては、DNPを、インスリン(Humulin N、Novolin
N)もしくは他の生物学的製剤と一緒に注射剤として、または、経口用錠剤としてメトホルミン(Glucophage、Glumetza、その他)、スルホニル尿素系(グリブリド(DiaBeta、Glynase)、グリピジド(Glucotrol)およびグリメピリド(Amaryl)など)、メグリチニド(レパグリニド(epaglinide)(Prandin)およびナテグリニド(Starlix))、チアゾリジンジオン(ロシグリタゾン(Avandia)およびピオグリタゾン(Actos))、DPP-4阻害剤(シタグリプチン(Januvia)、サクサグリプチン(Onglyza)およびリナグリプチン(Tradjenta))、GLP-1受容体アゴニスト((Byetta)およびリラグルチド(Victoza))、SGLT2阻害剤(カナグリフロジン(Invokana)および/もしくはダパグリフロジン(Farxiga))と一緒に投与することができる。
【0139】
ハンチントン病に関しては、DNPを、テトラベナジン(Xenazine)、ハロペリドール(Haldol)などの抗精神病薬、またはアマンタジン、レベチラセタム(Keppra)および/もしくはクロナゼパム(Klonopin)などの他のものと一緒に投与することができる。
【0140】
パーキンソン病に関しては、DNPを、カルビドパ-レボドパ(Rytary、Sinemet)、ドパミンアゴニスト、例えばプラミペキソール(Mirapex)、ロピニロール(Requip)およびロチゴチン(パッチ剤としてもたらされる、Neupro)など、短時間作用型注射用ドパミンアゴニスト、アポモルヒネ(Apokyn)、MAO-B阻害剤(Eldepryl、Zelapar)、またはカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤(エンタカポン(Comtan)、トルカポン(Tasmar)など)、抗コリン薬(ベンズトロピン(Cogentin)、トリヘキシフェニジル)、および/またはアマンタジンと一緒に投与することができる。
【0141】
アルツハイマー病に関しては、DNPを、コリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジル(Aricept)、ガランタミン(Razadyne)およびリバスチグミン(Exelon))、ならびに/またはメマンチン(Namenda)と一緒に投与することができる。
【0142】
うつ病に関しては、DNPを、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(フルオキセチン(luoxetine)(Prozac)、パロキセチン(Paxil、Pexeva
)、セルトラリン(Zoloft)、シタロプラム(Celexa)およびエスシタロプラム(Lexapro))、ノルエピネフリン-ドパミン再取り込み阻害薬(NDRI)、ブプロピオン(Wellbutrin、Aplenzin、Forfivo XL)、非定型抗うつ薬(トラゾドン、ミルタザピン(Remeron)、ボルチオキセチン(Brintellix)、ビラゾドン(Viibryd)など)、ならびに/または三環系抗うつ薬(イミプラミン(Tofranil)、ノルトリプチリン(Pamelor)、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)トラニルシプロミン(Parnate)、フェネルジン(Nardil)、イソカルボキサジド(Marplan)など)と一緒に投与することができる。
【0143】
統合失調症に関しても同様に、DNPを、非定型抗精神病薬(アリピプラゾール(Abilify)、アセナピン(Saphris)、クロザピン(Clozaril)、イロペリドン(Fanapt)など)、従来の、または典型的な、および/または抗精神病薬(クロルプロマジン、フルフェナジン、ハロペリドール(Haldol)、ペルフェナジンなど)と一緒に投与することができる。
【0144】
MSに関しては、DNPを、コルチコステロイド(プレドニゾン、静脈内メチルプレド
ニゾロン)、ベータインターフェロン、酢酸グラチラマー(Copaxone)、フマル酸ジメチル(Tecfidera)、フィンゴリモド(Gilenya)、テリフルノミド(Aubagio)、ナタリズマブ(Tysabri)、アレムツズマブ(Lemtrada)、および/またはミトキサントロンなどと一緒に投与することができる。
【0145】
てんかんに関しては、DNPを、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エスリカルバゼピン、エトスクシミド、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナマイド、バルプロ酸ナトリウム、チアガビン、トピラマート、ビガバトリン、および/またはゾニサミドなどと一緒に投与することができる。
【0146】
外傷性脳損傷(TBI)に関しては、DNPを、利尿薬、抗けいれん薬、および/または昏睡誘導薬と一緒に投与することができる。
【0147】
ループスに関しては、DNPを、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(ナプロキセンナトリウム(Aleve)およびイブプロフェン(Advil、Motrin IB、その他))、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil)などの抗マラリア薬、コルチコステロイド(Prednisoneなど)、および/または免疫抑制剤(アザチオプリン(Imuran、Azasan)、ミコフェノール酸(CellCept)、レフルノミド(Arava)、メトトレキサート(Trexall)など)と一緒に投与することができる。
【0148】
プラダー・ウィリー症候群に関しては、DNPを、ヒト成長ホルモン(HGH)、および/または性ホルモン処置剤(男性に対してテストステロンまたは女性に対してエストロゲンおよびプロゲステロン)などと一緒に投与することができる。
【0149】
グレーブス病に関しては、DNPを、抗甲状腺薬(プロピルチオウラシルおよびメチマゾール(Tapazole))、および/またはベータ遮断薬(プロプラノロール(Inderal)、アテノロール(Tenormin)、メトプロロール(Lopressor、Toprol-XL)、ナドロール(Corgard))と一緒に投与することができる。
【0150】
筋ジストロフィーに関しては、DNPを、プレドニゾンなどのコルチコステロイドおよび/またはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤もしくはベータ遮断薬などの心臓薬と一緒に投与することができる。
【0151】
DNPは、疼痛軽減薬、ビタミン、栄養、水分補給液(hydration fluid)、または他の医薬と一緒に投与することもできる。
【0152】
「共投与」または「併用療法」という用語は、皮膚の状態または本明細書に記載の別の障害を同時に処置する、対処する、またはそれに影響を及ぼすために本明細書に記載の1つまたは複数の製品組成物を含み得る少なくとも2つの組成物を使用する治療について記載するために使用される。ある実施形態では、皮膚の状態または本明細書に記載の別の障害を同時に処置する、対処する、またはそれに影響を及ぼすために少なくとも2つの組成物を有効量で使用する。別の実施形態では、皮膚の状態または本明細書に記載の別の障害を同時に処置する、対処する、またはそれに影響を及ぼすために少なくとも2つの活性成分(その組合せは有効量を含む)を使用する。ある実施形態では、少なくとも2つの組成物を用いた処置の結果は、各組成物を別々に使用して得られる処置結果に対して、直接相加的であるか、または2つの組成物を別々に用いて得られる結果よりも低い程度に相加的
であるかのいずれかで、相加的であり得る。ある実施形態では、少なくとも2つの組成物を用いた処置の結果は、種々の程度に相乗的であり得る。ある実施形態では、少なくとも2つの組成物を用いた処置の結果は、各組成物を別々に使用して得られた処置結果よりも優れたものになり得る。ある態様では、少なくとも2つの活性成分についての処置の結果は、活性成分を別々に用いて得られる結果よりも劣るが、組成物中の他の活性成分については、別々に得られる処置の結果とほぼ同じである。ある態様では、組成物中の全ての活性成分についての処置の結果が、活性成分を別々に用いて得られる結果よりも劣る。
【0153】
共投与という用語は、2つの組成物を患者に同時に投与することを包含するが、必ずしも組成物を患者に同時に投与しなくてもよく、しかし、組成物により送達される個々の活性成分の有効量が同時に患者中に存在する。
【0154】
本明細書に記載の製品組成物は、皮膚の状態または別の障害の処置の改善をもたらすために、少なくとも1つの他の治療剤と組み合わせて有利に投与することができる。本発明の処置の組合せ、使用および方法により、他の公知の処置に対して適切に応答できない患者または消費者の処置における利点ももたらされる。ある実施形態では、本明細書に記載の製品組成物は、本明細書に記載の状態の任意の組合せの処置の改善をもたらすために、少なくとも1つの他のスキンケア組成物を用いた処置をすでに受けている患者に投与することができる。ある実施形態では、本明細書に記載の製品組成物を1つまたは複数のローション剤、フォーム剤、またはクリーム剤と共投与する。
【0155】
さらに、上記の投薬量および投薬レジメンの実施形態に加えて、投薬量および投薬レジメンのどちらも、必要に応じて、処置を受ける対象の状態を考慮して検討し、それぞれ調整されることも当業者には理解されよう。
【0156】
上に示されており、説明されている例示的な実施形態に、本発明の広範な概念から逸脱することなく、変更を加えることができることが当業者には理解されよう。したがって、本発明は、示されており説明されている例示的な実施形態には限定されず、特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に入る修正を網羅するものとすることが理解される。例えば、例示的な実施形態の特定の特徴は、特許請求された発明の一部である場合もそうでない場合もあり、開示されている実施形態の様々な特徴を組み合わせることができる。
【0157】
本明細書に具体的に記載されていなければ、「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」という用語は、1つの要素に限定されず、その代わりに、「少なくとも1つの(at least one)」という意味に取られるべきである。
【0158】
本発明の図面および説明の少なくとも一部は、本発明の明確な理解のために、関連する要素に焦点を当てるために簡易化したものであり、明瞭にする目的で排除されていても、当業者に理解される他の要素が本発明の一部を含み得ることも理解されるべきである。しかし、そのような要素は当技術分野で周知であるので、また、そのような要素によって必ずしも本発明の理解がより容易になるとは限らないので、本明細書ではそのような要素については記載しない。
【0159】
さらに、本発明の方法が本明細書に記載されているステップの特定の順序に依拠するものでない限りでは、ステップの特定の順序は、特許請求の範囲に対する限定と解釈されるべきではない。本発明の方法を対象とする任意の請求項は、それらのステップを記載されている順序で実施することに限定されるべきではなく、当業者は、ステップは変動する可能性があり、それでも本発明の精神および範囲内にとどまることを容易に理解することができる。
本発明の実施形態の例として、以下の項目が挙げられる。
(項目1)
神経筋障害、自己免疫障害、神経変性障害、発達障害または代謝障害を処置する方法であって、
外傷性CNS傷害または神経変性疾患の処置を必要とする患者に、有効用量の2,4-ジニトロフェノール(DNP)またはその薬学的に許容される塩を、前記疾患の症状の寛解を達成するのに十分な長さの期間にわたって投与するステップ
を含み、
BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、前記有効用量の2,4-ジニトロフェノール(DNP)を体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で継続する、方法。
(項目2)
前記有効用量が、体重1kg当たり約1.0mg~体重1kg当たり約5mgの範囲内である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記有効用量が、体重1kg当たり約0.1mg~体重1kg当たり約1.0mgの範囲内である、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記有効用量が、体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり約0.1mgの範囲内である、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記有効用量が、体重1kg当たり約0.1mg~体重1kg当たり約0.5mgの範囲内である、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記有効用量が、体重1kg当たり約0.5mg~体重1kg当たり約1.0mgの範囲内である、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記有効用量が、体重1kg当たり約1.0mgである、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記有効用量を経口的にまたは静脈内に送達する、項目1から7までのいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記有効用量を経口的に送達する、項目1から7までのいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記有効用量を静脈内に送達する、項目1から7までのいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記疾患が、外傷性脳損傷(TBI)、虚血性脳卒中、ハンチントン病、てんかん、多発性硬化症(MS)(再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次進行性MS(SPMS)、一次進行性MS(PPMS)、および進行性再発性MS(PRMS))、ループス、糖尿病、統合失調症、重症筋無力症(MG)、関節リウマチ(RA)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、筋ジストロフィー、重度の熱傷、老化、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動失調、バッテン病または神経セロイドリポフスチン沈着症(NCL)、アルツハイマー病、視神経炎(ON)、レーベル遺伝性視神経症(LHON)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、レット症候群、アンジェルマン症候群、リー病、プラダー・ウィリー症候群、脆弱X症候群、うつ病、パーキンソン病、ミトコンドリア病、発達障害、メタボリックシンドロームおよび/または自己免疫障害からなる群から選択される、項目1から7までのいずれかに記載の方法。
(項目12)
前記疾患が、ハンチントン病である、項目1から10までのいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記疾患が、多発性硬化症(MS)(MS)である、項目1から10までのいずれかに記載の方法。
(項目14)
前記疾患が、てんかんである、項目1から10までのいずれかに記載の方法。
(項目15)
前記疾患が、パーキンソン病である、項目1から10までのいずれかに記載の方法。
(項目16)
DNPの用量が、多すぎるBDNFの誘導を回避するか、またはBDNFの誘導が少なすぎることにより作用を有しないための手段として、ヒトにおける害を予防するのに有用である、項目1から10までのいずれかに記載の方法。
(項目17)
BDNFの発現の増強により、筋消耗または筋機能障害からの保護がもたらされる、項目1から10までのいずれかに記載の方法。
(項目18)
有効用量の2,4-ジニトロフェノール(DNP)を含む、2,4-ジニトロフェノール(DNP)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物の医薬組成物であって、前記2,4-ジニトロフェノール(DNP)の有効用量が、体重1kg当たり0.001mg~体重1kg当たり5mgの範囲内である、医薬組成物。
(項目19)
約0.001mg/kg~約.01mg/kgの範囲内である、項目18に記載の医薬組成物。
(項目20)
約0.01mg/kg~約.1mg/kgの範囲内である、項目18に記載の医薬組成物。
(項目21)
約0.1mg/kg~約1mg/kgの範囲内である、項目18に記載の医薬組成物。(項目22)
約1mg/kg~約5mg/kgの範囲内である、項目18に記載の医薬組成物。
(項目23)
即時放出形態を含む、項目18から22までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目24)
制御放出形態を含む、項目18から22までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目25)
持続放出形態を含む、項目18から22までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目26)
前記組成物が、BDNF発現を誘導して神経筋および/または神経変性および/または筋消耗を逆転させる、遅らせる、または予防するのに有効な用量である、項目18から22までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目27)
2,4-ジニトロフェノール(DNP)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物の医薬組成物であって、単位用量を含み、前記単位用量が、約.1mg~約300mgの範囲内である、医薬組成物。
(項目28)
前記単位用量が、約0.1mg~約1mgの範囲内である、項目27に記載の医薬組成物。
(項目29)
前記単位用量が、1mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目30)
前記単位用量が、約1mg~約5mgの範囲内である、項目27に記載の医薬組成物。(項目31)
前記単位用量が、約5mg~約10mgの範囲内である、項目27に記載の医薬組成物。
(項目32)
前記単位用量が、5mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目33)
前記単位用量が、10mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目34)
前記単位用量が、15mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目35)
前記単位用量が、20mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目36)
前記単位用量が、30mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目37)
前記単位用量が、40mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目38)
前記単位用量が、50mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目39)
前記単位用量が、75mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目40)
前記単位用量が、100mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目41)
前記単位用量が、150mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目42)
前記単位用量が、200mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目43)
前記単位用量が、250mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目44)
前記単位用量が、300mgである、項目27に記載の医薬組成物。
(項目45)
即時放出形態を含む、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目46)
制御放出形態を含む、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目47)
持続放出形態を含む、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目48)
経口剤形を含む、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目49)
前記経口剤形が錠剤を含む、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目50)
前記経口剤形が、カプセル剤を含む、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目51)
前記経口剤形が、急速溶解性である、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目52)
静脈内に送達される、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目53)
皮下に送達される、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目54)
経皮送達される、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目55)
前記組成物が、BDNF発現を誘導して神経筋および/または神経変性および/または筋消耗を逆転させる、遅らせる、または予防するのに有効な単位用量である、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目56)
ハンチントン病に対する処置を含む、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目57)
多発性硬化症(MS)に対する処置を含む、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目58)
外傷性脳損傷(TBI)、虚血性脳卒中、ハンチントン病、てんかん、多発性硬化症(MS)、ループス、糖尿病、統合失調症、重症筋無力症(MG)、関節リウマチ(RA)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、重度の熱傷、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動失調、バッテン病または神経セロイドリポフスチン沈着症(NCL)、アルツハイマー病、視神経炎(ON)、レーベル遺伝性視神経症(LHON)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、レット症候群、アンジェルマン症候群、リー病、プラダー・ウィリー症候群、脆弱X症候群、うつ病、パーキンソン病、ミトコンドリア病、発達障害、メタボリックシンドロームおよび/または自己免疫障害に対する処置を含む、項目27から44までのいずれかに記載の医薬組成物。
(項目59)
神経筋障害、神経変性障害、自己免疫障害、発達障害または代謝障害を処置する方法であって、
有効用量の2,4-ジニトロフェノール(DNP)またはその薬学的に許容される塩を、前記疾患の症状の寛解を達成するのに十分な長さの期間にわたって受けるステップ
を含み、
BDNFを増加させて疾患の進行を和らげるまたは症状の寛解をもたらすために、前記有効用量の2,4-ジニトロフェノール(DNP)を体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で受け続ける、方法。
(項目60)
神経筋障害、神経変性障害、自己免疫障害、発達障害または代謝障害を処置する方法であって、
有効用量の2,4-ジニトロフェノール(DNP)またはその薬学的に許容される塩を、前記疾患の症状の寛解を達成するのに十分な長さの期間にわたって投与するための指示を提供するステップ
を含み、
前記有効用量の2,4-ジニトロフェノール(DNP)を体重1kg当たり0.01mg~体重1kg当たり5mgの用量範囲で受けるよう指示される、方法。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
【外国語明細書】