(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173525
(43)【公開日】2022-11-18
(54)【発明の名称】車両用窓ガラス
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/32 20060101AFI20221111BHJP
H01Q 1/52 20060101ALI20221111BHJP
H01Q 5/30 20150101ALI20221111BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20221111BHJP
H01Q 21/28 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
H01Q1/32 A
H01Q1/52
H01Q5/30
H01Q1/22 C
H01Q21/28
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159624
(22)【出願日】2022-10-03
(62)【分割の表示】P 2021063201の分割
【原出願日】2016-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2015213123
(32)【優先日】2015-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004008
【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】土居 亮吉
(57)【要約】
【課題】狭い領域において、複数のメディアを受信可能なアンテナを実装することが可能な、車両用窓ガラスを提供する。
【解決手段】本発明に係る車両用窓ガラスは、ガラス板と、前記ガラス板に配置される第1給電部と、前記ガラス板に配置され、前記第1給電部から延びる混合アンテナ素子と、を備え、前記混合アンテナ素子は、主として第1メディアの周波数帯域を受信する第1メディア用エレメントと、主として前記第1メディアよりも高い周波数帯域を有する第2メディアの周波数帯域を受信する第2メディア用エレメントと、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板と、
前記ガラス板に配置される第1給電部と、
前記ガラス板に配置され、前記第1給電部から延びる混合アンテナ素子と、
を備え、
前記混合アンテナ素子は、主として第1メディアの周波数帯域を受信する第1メディア用エレメントと、主として前記第1メディアよりも高い周波数帯域を有する第2メディアの周波数帯域を受信する第2メディア用エレメントと、を備えている、車両用窓ガラス。
【請求項2】
前記混合アンテナ素子は、前記第1メディア用エレメントと前記第2メディア用エレメントとの間に、前記第2メディアの周波数帯域の受信信号を遮断又は減衰させるキャンセルエレメントをさらに備えている、請求項1に記載の車両用窓ガラス。
【請求項3】
前記ガラス板上に配置され、複数の水平加熱線を有するデフォッガをさらに備えている、請求項1または2に記載の車両用窓ガラス。
【請求項4】
前記デフォッガと、前記混合アンテナ素子の前記第1メディア用エレメントとが、容量結合または直接結合している、請求項3に記載の車両用窓ガラス。
【請求項5】
前記デフォッガから延びる延長エレメントをさらに備え、
前記第1メディア用エレメントの少なくとも一部が、前記延長エレメントと平行に延びている、請求項4に記載の車両用窓ガラス。
【請求項6】
前記ガラス板に配置される第2給電部と、
前記ガラス板に配置され、前記第2給電部から延び、前記第1メディアの周波数帯域を受信する第1メディア用アンテナ素子と、
をさらに備えている、請求項1から5のいずれかに記載の車両用窓ガラス。
【請求項7】
前記ガラス板に配置される第2給電部と、
前記ガラス板に配置され、前記第2給電部から延び、前記第1メディアの周波数帯域を受信する第1メディア用アンテナ素子と、
をさらに備え、
前記デフォッガと、前記第1メディア用アンテナ素子とが、容量結合または直接結合する、請求項3に記載の車両用窓ガラス。
【請求項8】
前記デフォッガと、前記混合アンテナ素子の前記第1メディア用エレメントとが、容量結合または直接結合している、請求項7に記載の車両用窓ガラス。
【請求項9】
前記デフォッガから延びる延長エレメントをさらに備え、
前記第1メディア用エレメントの少なくとも一部が、前記延長エレメントに近接している、請求項7または8に記載の車両用窓ガラス。
【請求項10】
前記延長エレメントを前記混合アンテナ素子の前記第1メディア用エレメントに近接させることで、前記混合アンテナ素子の前記第1メディア用エレメントと前記デフォッガとの距離、及び前記延長エレメントと前記デフォッガとの距離を相違させる、請求項9に記載の車両用窓ガラス。
【請求項11】
前記第1メディア用エレメントの少なくとも一部が、前記延長エレメントと平行に延びている、請求項9または10に記載の車両用窓ガラス。
【請求項12】
前記第1メディア用エレメントにおいて、前記延長エレメントと平行な部分の長さが、200mm以下である、請求項11に記載の車両用窓ガラス。
【請求項13】
前記第1メディアがFM放送であり、前記第2メディアがDAB放送である、請求項1から12のいずれかに記載の車両用窓ガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用窓ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に取り付けられる車両用の窓ガラス(特に、リアガラス)の表面には、所定の電波を受信するためのアンテナ等が設けられることがある。アンテナとしては、例えば、DAB(Digital Audio Broadcasting。以下、「DAB」と称する)の放送を受信するためのDABアンテナ素子が用いられることがあり、特許文献1では、DABアンテナ素子を設けた車両用の窓ガラスが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のような窓ガラスでは、DABアンテナのほか、FMアンテナ、AMアンテナ、キーレスエントリー用アンテナなど、種々のアンテナを実装する必要がある。しかしながら、窓ガラスによっては、アンテナのほか、防曇用のデフォッガが配置されるため、窓ガラスにおけるアンテナ配置の設計には、多くの制限があり、これを改善することが要望されていた。本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、狭い領域において、複数のメディアを受信可能なアンテナを実装することが可能な、車両用窓ガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車両用窓ガラスは、ガラス板と、前記ガラス板に配置される第1給電部と、前記ガラス板に配置され、前記第1給電部から延びる混合アンテナ素子と、を備え、前記混合アンテナ素子は、主として第1メディアの周波数帯域を受信する第1メディア用エレメントと、主として前記第1メディアよりも高い周波数帯域を有する第2メディアの周波数帯域を受信する第2メディア用エレメントと、を備えている。
【0006】
上記車両用窓ガラスにおいて、前記混合アンテナ素子は、前記第1メディア用エレメントと前記第2メディア用エレメントとの間に、前記第2メディアの周波数帯域の受信信号を遮断又は減衰させるキャンセルエレメントをさらに備えることができる。
【0007】
上記各車両用窓ガラスにおいては、前記ガラス板上に配置され、複数の水平加熱線を有するデフォッガをさらに備えることができる。
【0008】
上記各車両用窓ガラスにおいては、前記デフォッガと、前記混合アンテナ素子の前記第1メディア用エレメントとを、容量結合または直接結合することができる。
【0009】
上記各車両用窓ガラスにおいては、前記デフォッガから延びる延長エレメントをさらに備えることができ、前記第1メディア用エレメントの少なくとも一部が、前記延長エレメントと平行に延びるように構成できる。
【0010】
上記各車両用窓ガラスにおいては、前記ガラス板に配置される第2給電部と、前記ガラス板に配置され、前記第2給電部から延び、前記第1メディアの周波数帯域を受信する第1メディア用アンテナ素子と、をさらに備えることができる。
【0011】
上記各車両用窓ガラスにおいては、前記ガラス板に配置される第2給電部と、前記ガラス板に配置され、前記第2給電部から延び、前記第1メディアの周波数帯域を受信する第1メディア用アンテナ素子と、をさらに備えることができ、前記デフォッガと、前記第1メディア用アンテナ素子とが、容量結合または直接結合するように構成できる。
【0012】
上記車両用窓ガラスにおいては、前記デフォッガと、前記混合アンテナ素子の前記第1メディア用エレメントとが、容量結合または直接結合するように構成できる。
【0013】
上記各車両用窓ガラスにおいては、前記デフォッガから延びる延長エレメントをさらに備え、前記第1メディア用エレメントの少なくとも一部が、前記延長エレメントに近接するように構成できる。
【0014】
上記車両用窓ガラスにおいては、前記延長エレメントを前記混合アンテナ素子の前記第1メディア用エレメントに近接させることで、前記混合アンテナ素子の前記第1メディア用エレメントと前記デフォッガとの距離、及び前記延長エレメントと前記デフォッガとの距離を相違させることができる。
【0015】
上記各車両用窓ガラスにおいては、前記第1メディア用エレメントの少なくとも一部が、前記延長エレメントと平行に延びるように構成できる。
【0016】
上記車両用窓ガラスでは、前記第1メディア用エレメントにおいて、前記延長エレメントと平行な部分の長さを、200mm以下とすることができる。
【0017】
上記各車両用窓ガラスにおいては、前記第1メディアがFM放送であり、前記第2メディアがDAB放送とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る車両用窓ガラスによれば、狭い領域において、複数のメディアを受信可能なアンテナを実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る車両用窓ガラスの一実施形態である自動車のリアガラスの正面図である。
【
図2】
図1におけるFM/DAB兼用アンテナ素子付近の拡大図である。
【
図3】実施例1に係る窓ガラスのアンテナの寸法を示す図である。
【
図5】実施例1及び2におけるFMアンテナ素子の受信感度を示すグラフである。
【
図6】実施例1及び2におけるFM/DAB兼用アンテナ素子のFM用エレメントの受信感度を示すグラフである。
【
図7】実施例3~5に係る窓ガラスを示す図である。
【
図8】実施例3~5に係る長さLとFMアンテナ素子の受信感度との関係を示すグラフである。
【
図9】実施例3~5に係る長さLとFM/DAB兼用アンテナ素子のFM用エレメントの受信感度との関係を示すグラフである。
【
図10】実施例5において長さLを変更した場合の、FM/DAB兼用アンテナ素子の周波数と受信感度との関係を示すグラフである。
【
図12】実施例6及び7におけるFMアンテナ素子の受信感度を示すグラフである。
【
図13】実施例6及び7におけるFM/DAB兼用アンテナ素子の受信感度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る車両用窓ガラスの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態に係る車両用窓ガラスが適用される自動車のリアガラスの正面図、
図2は
図1におけるFM/DAB兼用アンテナ素子付近の拡大図である。なお、以下では、説明の便宜のため、
図1の向きを基準に、
図1の上下方向を、上下方向または垂直方向、
図1の左右方向を、左右方向または水平方向と称することがあるが、この向きは、本発明を限定するものではない。
【0021】
<1.車両用窓ガラス>
図1に示すように、本実施形態に係る車両用窓ガラスは、ガラス板1上に、デフォッガ2、FMアンテナ素子3、AMアンテナ素子4、及びFM/DAB兼用アンテナ素子5が、実装されている。以下、各部材について、順に説明する。
【0022】
<1-1.ガラス板>
ガラス板1は、自動車用の公知のガラス板を利用することができる。例えば、ガラス板1として、熱線吸収ガラス、一般的なクリアガラス若しくはグリーンガラス、又はUVグリーンガラスが利用されてもよい。ただし、このようなガラス板1は、自動車が使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現する必要がある。例えば、日射吸収率、可視光線透過率などが安全規格を満たすように調整することができる。以下に、クリアガラスの組成の一例と、熱線吸収ガラス組成の一例を示す。
【0023】
(クリアガラス)
SiO2:70~73質量%
Al2O3:0.6~2.4質量%
CaO:7~12質量%
MgO:1.0~4.5質量%
R2O:13~15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe2O3に換算した全酸化鉄(T-Fe2O3):0.08~0.14質量%
【0024】
(熱線吸収ガラス)
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe2O3に換算した全酸化鉄(T-Fe2O3)の比率を0.4~1.3質量%とし、CeO2の比率を0~2質量%とし、TiO2の比率を0~0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl2O3)をT-Fe2O3、CeO2及びTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
【0025】
なお、ガラス板1の種類は、クリアガラス又は熱線吸収ガラスに限られず、実施の形態に応じて適宜選択可能である。例えば、ガラス板1は、アクリル系、ポリカーボネート系等の樹脂窓であってもよい。
【0026】
また、このようなガラス板1は、単一のガラス板で構成するほか、複数のガラスで樹脂などの中間膜を挟持した合わせガラスであってもよい。
【0027】
<1-2.デフォッガ>
次に、デフォッガ2について説明する。
図1に示すように、デフォッガ2は、ガラス板1における垂直方向の中央付近に配置されており、ガラス板1の左右方向全体に亘って延びるように形成されている。具体的には、このデフォッガ2は、ガラス板1の両側縁に沿って上下方向に延びる一対の給電用のバスバー21a,21bを備えている。両バスバー21a,21bの間には、複数の水平エレメント(水平加熱線)22が所定間隔をおいて平行に配置されており、バスバー21a,21bからの給電により、防曇用の熱が発生するようになっている。また、このデフォッガ2には、水平エレメント22を水平方向に概ね4等分するように、上下方向に延びる3つの垂直FMエレメント23が設けられている。これら垂直FMエレメント23は、後述するFM帯域受信用のアンテナ素子の一部として機能する。また、これら垂直FMエレメントは、最も上方にある水平エレメント(以下、最上部水平エレメントという)221と、下から3番目の水平エレメント22とを結ぶように延びている。
【0028】
また、右側のバスバー21aの上端部からは、延長エレメント24が延びている。この延長エレメント24は、ガラス板1の右縁に沿って上方に延びる垂直部241と、この垂直部241の上端からガラス板1の上縁に沿って左側へ延びる水平部242と、を備えている。垂直部241と水平部242の連結部分は湾曲している。また、水平部242の左端は、後述する右側給電部50付近まで延びている。
【0029】
<1-3.FMアンテナ素子>
次に、FMアンテナ素子(第1メディア用アンテナ素子)3について説明する。このFMアンテナ素子3は、ガラス板1上で、デフォッガ2の上方にあるスペースに配置されている。具体的には、このFMアンテナ素子3は、ガラス板の上縁の中央よりも左側に設けられた左側給電部(第2給電部)30から延びるように形成されている。具体的には、このFMアンテナ素子3は、下方に延びる垂直エレメント31と、この垂直エレメント31から左側へ延びる4本の水平エレメント、つまり第1~第4水平エレメント321~324と、を備えている。第1~第4水平エレメント321~324は、上下方向に所定間隔をおいて平行に配置されており、最も下側に配置される第4水平エレメント324は、垂直エレメント31の下端から左側へ延びている。また、この第4水平エレメント324は、デフォッガ2の最上部水平エレメント221と、距離D1の間隔をあけ、平行に延びている。これにより、デフォッガ2とFMアンテナ素子3とは、容量結合しており、その結果、FMアンテナ素子3の実効面積を広げることができる。距離D1は、0~60mmであることが好ましく、20~50mmであることがさらに好ましく、30~45mmであることが特に好ましい。但し、第4水平エレメント324とデフォッガ2の最上部水平エレメント221とを直接結合してもよく、この場合、距離D1は0mmとなる。なお、このFMアンテナ素子3は、AM放送の受信にも用いられる。
【0030】
<1-4.AMアンテナ素子>
AMアンテナ素子4は、FMアンテナ素子と同じく、左側給電部30から延びるように形成されている。具体的には、このAMアンテナ素子4は、FMアンテナ素子3の垂直エレメント31の右側で、左側給電部30から下方に延びる第1垂直エレメント411と、この垂直エレメント31の上端付近から右側へ延びる第1水平エレメント421と、を備えている。さらに、このAMアンテナ素子4は、第1水平エレメント421の右端から下方へ延びる第2垂直エレメント412と、この第2垂直エレメント412から左側へ延びる3つの水平エレメント、つまり第2~第4水平エレメント422~424と、を備えている。
【0031】
第1及び第2垂直エレメント411,412は、FMアンテナ素子3の垂直エレメント31と概ね平行で、且つ同じ長さとなっている。また、第2~第4水平エレメント422~424は、第1水平エレメント421よりも短く、これによって、第2~第4水平エレメント422~424の左端と、第1垂直エレメント411との間には隙間が形成されている。このうち、第4水平エレメント424は、FMアンテナ素子3の第4水平エレメント324と同様に、デフォッガ2の最上部水平エレメント221と、間隔をあけ、平行に延びている。なお、このAMアンテナ素子4は、FM放送の受信には用いられない。
【0032】
また、図示を省略するが、左側給電部30は、リード線などを介してFM用及びAM用のアンプにそれぞれ接続されている。なお、これらのアンプは別個の筐体に収容してもよいし、同一の筐体に収容してもよい。
【0033】
<1-5.FM/DAB兼用アンテナ素子>
続いて、FM/DAB兼用アンテナ素子(混合アンテナ素子)5について説明する。DABは、ヨーロッパ等で採用されているデジタルラジオの放送規格である。DABでは、主に、周波数帯域が174MHz~240MHzのバンド3と周波数帯域が1452MHz~1492MHzのLバンドとが用いられている。本発明においては、主としてバンド3を周波数帯域とするDAB放送が対象となる。
【0034】
本実施形態に係るFM/DAB兼用アンテナ素子5は、ガラス板の上縁の右側に配置された右側給電部(第1給電部)50から延びている。具体的には、FM/DAB兼用アンテナ素子5は、右側給電部50から下方へ概ね垂直に延びるDAB用エレメント(第2メディア用エレメント)51と、DAB用エレメント51の上端付近から右側へ延びる略U字型のキャンセルエレメント52と、このキャンセルエレメント52から右側へ延びるFM用エレメント(第1メディア用エレメント)53と、を備えている。
【0035】
DAB用エレメント51は、主としてDAB周波数帯域を受信するものであり、下方に延びる本体部511と、この本体部511の下端から右側へわずかに延びる水平部512と、を備えている。本体部511の下端は、FMアンテナ素子3の第2水平エレメントの下端とほぼ同じ位置まで延びている。また、水平部512は、FMアンテナ素子3の第4水平エレメント324、及びAMアンテナ素子4の第4水平エレメント424と、平行に延びている。
【0036】
キャンセルエレメント52は、上述したように、概ねU字型に形成されており、DAB用エレメント51の上端付近から、右側へ水平に延びる第1水平部521、この第1水平部521の右端からわずかに上方に延びる第1垂直部522、この第1垂直部522の上端から左側へ水平に延びる第2水平部523、及び第2水平部523の左端からわずかに上方に延びる第2垂直部524、を備えている。第2水平部523はDAB用エレメント51の本体部511に近接する位置まで延び、第2垂直部524は、本体部511の上端付近まで延びている。
【0037】
FM用エレメント53は、主としてFM周波数帯域で共振し受信感度を向上させるための補助エレメントであり、キャンセルエレメント52の第2垂直部524の上端から右側へ延びる水平部531と、この水平部531の右端から下方へ延びる垂直部532と、を備えている。これら水平部531と垂直部532との連結部分は円弧状に形成されている。また、水平部531は、上述した延長エレメント24の水平部242よりもやや下方で、これと平行に延びている。そして、垂直部532は、延長エレメント24の垂直部241よりもやや左側で、これと平行に延びており、上下方向には、キャンセルエレメント52のやや下方まで延びている。すなわち、FM用エレメント53は、延長エレメント24に沿って、これと平行に延びている。このとき、FM用エレメント53と延長エレメント24との間隔の距離D2は、0~20mmであることが好ましく、5~15mmであることがさらに好ましく、8~13mmであることが特に好ましい。但し、FM用エレメント53と延長エレメント24とを直接結合してもよく、この場合、距離D2は0mmとなる。
【0038】
FM用エレメント53において、延長エレメント24と平行に延びる箇所の長さLは、例えば、200mm以下が好ましく、140mm以下がさらに好ましく、100mm以下が特に好ましい。これにより、FM/DAB兼用アンテナ素子5におけるFM周波数帯域の受信感度を向上することができる。但し、後述するように、FM用エレメント53と、上述したFMアンテナ素子3との距離を調整すれば(例えば、距離を長くすれば)、上記長さLをさらに長くしても、受信感度を向上することができる。なお、長さLを200mm以下とする場合には、FM用エレメント53と延長エレメント24とは,容量結合させる必要がある。
【0039】
また、図示を省略するが、右側給電部50は、リード線などを介してFM用及びDAB用のアンプにそれぞれ接続されている。
【0040】
<1-6.材料>
上記のようなデフォッガ2、及び各アンテナ素子3,4,5は、導電性を有する導電性材料をガラス板1の表面に所定のパターンを有するように積層することで形成することができる。そのような材料としては、導電性を有していればよく、実施の形態に適宜選択可能であり、一例として、銀、金、白金等を挙げることができる。この上記各部材は、例えば、銀粉末、ガラスフリット等を含む導電性の銀ペーストをガラス板1の表面に印刷し焼成することによって形成することができる。
【0041】
<1-7.製造方法>
次に、本実施形態に係る窓ガラスの製造方法を説明する。本実施形態に係る窓ガラスのガラス板1は、プレスによって成形するプレス成形工法、ガラス板1の自重で曲げる自重曲げ工法等によって成形することができる。
【0042】
ここで、それぞれの工法においてガラス板1を成形する際には、ガラス板1は加熱炉内で軟化点付近まで加熱される。この加熱炉内に搬入される前には、ガラス板1は、平板状に形成されており、上述した各材料用のペースト、例えば、銀ペーストがこのガラス板1の表面に印刷される。そして、ガラス板1を加熱炉内に搬入することで、ガラス板1を成形すると共に、ガラス板1に印刷された銀ペーストを焼成して、デフォッガ2、及び各アンテナ素子3,4,5を形成することができる。
【0043】
<2.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、FM/DAB兼用アンテナ素子5を有することで、1つの給電部50から延びるアンテナ素子にもかかわらず、FM周波数帯域及びDAB周波数帯域の両方の受信が可能となる。また、このFM/DAB兼用アンテナ素子5は、DAB用エレメント51とFM用エレメント53との間に、折り返し部分522を有するキャンセルエレメント52を有しており、これによって、DAB周波数帯域の受信信号を遮断又は減衰させることができる。その結果、DAB用エレメント51がFM用エレメント53に影響を受けず、DAB用エレメント51の長さを、DAB周波数帯域の受信に合わせたものとすることができる。特に、第1水平部521及び第2水平部523のいずれか一方の長さが、DAB放送の波長帯のλ/4付近±50mm(好ましくは±30mm、さらに好ましくは±10mm)であれば、この効果が顕著になる。これは、インピーダンスを無限大にすることで電波に対する抵抗を最大にして、DAB周波数帯域の受信信号をキャンセルしてしまうからである。なお、実際のキャンセルエレメントの長さは、車体の影響を考慮して、チューニングする必要がある。
【0044】
一方、FM用エレメント53は、延長エレメント24を介して、デフォッガ2と容量結合しているため、DAB用エレメント51に影響を受けることなく、FM周波数帯域の受信のための実効面積を広げることができる。
【0045】
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
【0046】
<3-1>
上記実施形態のデフォッガ2の形態は一例であり、水平エレメント22の数、垂直FMエレメント23の数、交差数などは、特には限定されない。また、受信感度を向上するために、追加のエレメントを適宜設けることもできる。
【0047】
<3-2>
上記実施形態におけるFMアンテナ素子3、AMアンテナ素子4、FM/DAB兼用アンテナ素子5の形態は一例であり、エレメントの数、長さ、方向などは、特には限定されない。また、FMアンテナ素子3、AMアンテナ素子4の給電部30を別個にすることもできる。さらに、各アンテナ3,4,5を、アース接続エレメントを設けた、いわゆる双曲型アンテナにより構成することもできる。
【0048】
<3-3>
上記実施形態では、FM/DAB兼用アンテナ素子5のキャンセルエレメント52を設け、DAB用エレメント51がFM用エレメント53に影響を受けるのを防止しているが、FM/DAB兼用アンテナ素子5の各部位の長さによっては、このキャンセルエレメント52をDAB用アンテナ及び/またはFM用アンテナとして機能させることができる。
【0049】
<3-4>
上記実施形態では、FMアンテナ素子3をデフォッガ2と容量結合させているが、直接結合でもよい。また、FM/DAB兼用アンテナ素子5のFM用エレメント53は、延長エレメント24を介して、デフォッガ2と容量結合しているが、延長エレメント24を設けることなく、FM用エレメント53とデフォッガ2を近接させることにより、容量結合させることもできる。また、FM用エレメント53と延長エレメント24とを直接結合することもできる(この場合は、FM用エレメント53と延長エレメント24の区別がなくなり、FM用エレメント53がデフォッガ2と直接結合されたことになる)。このような直接結合を行うと、容量結合よりも位相差を調整できる点で優れている。この場合、FM用エレメント53は、デフォッガ2に直接結合されているため、必ずしも右側給電部50に接続されていなくても(延長エレメント24のように離れていてもよい)、FM放送波を受信することができる。但し、このFM用エレメント53をデフォッガ2と容量結合させることもできる。さらに、延長エレメント24とFM用エレメント53とは、容量結合のために一部が平行に延びるように配置しているが、必ずしも厳密な平行でなくてもよく、例えば、両者の間隔が20mm以下であれば、平行に配置した場合と同様の効果を奏する。
【0050】
<3-5>
FM/DAB兼用アンテナ素子5のキャンセルエレメント52は、必ずしも必須ではない。また、キャンセルエレメント52の長さや形状は、特には限定されず、上述した以外の形状も可能である。すなわち、所望の性能のために、長さを変更したり、折り返し部分の数を減らしたり、増やしたりすることができる。
【0051】
<3-6>
上記実施形態では、FMアンテナ素子3、デフォッガ2、及びAMアンテナ素子4を設けているが、本発明に係る車両用窓ガラスにおいては、少なくともFM/DAB兼用アンテナ素子5が設けられていればよい。但し、種々のアンテナ素子を付加することもでき、例えば、キー用アンテナ素子などを設けることもできる。キー用アンテナ素子とは、例えば、キーレスエントリーやスマートエントリー等のリモコンによるドアの施錠や解錠のための信号を受信するためのものである。
【0052】
<3-7>
FMアンテナ素子3やFM/DAB兼用アンテナ素子5とデフォッガ2とが容量結合した場合、一般的には、給電部30,50とアンプ(図示省略)の間にRFC回路を設けなくてもよい。また、一般的に、デフォッガ2のGND側のバスバーと車体とを接続するハーネスが短い場合には、バスバーとの車体との間に、RFC回路を設けると、受信感度が向上する。
【0053】
<3-8>
FMアンテナ素子3とFM/DAB兼用アンテナ素子5との受信感度の調整は、通常のダイバーシステムにより行うことができるほか、FMフェイズダイバーシステムを用いることもできる。
【0054】
<3-9>
上記実施形態では、本発明の第1メディアとしてFM放送を採用し、第2メディアとしてDAB放送を採用したが、これに限定されるものではない。すなわち、第2メディアの周波数帯域が第1メディアよりも高いものであれば採用でき、例えば、第1メディアをFM放送とし、第2メディアをDTV(デジタルテレビ放送)とすることもできる。
【0055】
<3-10>
上記実施形態では、本発明に係るガラスアンテナを自動車のリアガラスに実装した例を示したが、これ以外のガラスのガラス面に実装することもできる。
【実施例0056】
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0057】
<1.キャンセルエレメントによるFM/DAB兼用アンテナ素子の受信性能への影響>
実施例1として、
図1及び
図2に示す車両用窓ガラスを準備した。各パーツの寸法は、
図3に示している。また、実施例2として、
図4に示す車両用窓ガラスを準備した。実施例2では、キャンセルエレメントを設けず、DAB用エレメントに、FM用エレメントを直接接続した。これらを用いて、FM/DAB兼用アンテナ素子におけるFM周波数帯域(88~108MHz)、及びDABのバンド3(174~240MHz)における受信性能を下記のとおり実測した。
【0058】
すなわち、上記各実施例に係る窓ガラスを自動車に装着した。そして、車両に対して電波(V偏波)を放射し、感度を測定した。測定に当たっての条件は以下の通りである。
・アンテナが実装された窓ガラスの取付角:水平方向に対して23度傾斜
・角度分解能:角度3度毎に自動車を360度回転させて測定
・電波の発信位置とアンテナとの仰角:1.7度(地面と水平方向を0度、天頂方向を90度とする)
【0059】
なお、この測定方法は、後述する実施例3~7についても同様である。結果は、
図5及び
図6に示すとおりである。
【0060】
図5はFM周波数帯域(88~108MHz)における受信感度を示しているが、実施例1,2は概ね同じである。したがって、キャンセルエレメントの有無に関わらず、FM周波数帯域における受信性能には影響がないことが分かった。一方、
図6はDABのバンド3(174~240MHz)における受信感度を示しているが、キャンセルエレメントを設けることで、受信感度が向上することが分かった。
【0061】
<2.FM/DAB兼用アンテナ素子とFMアンテナ素子との位置関係等と、受信性能への影響>
次に、FM/DAB兼用アンテナ素子とFMアンテナ素子との距離、及びFM/DAB兼用アンテナ素子のFM用エレメントと延長エレメントとの平行箇所の長さLが、各FMアンテナの受信感度にどのように影響するかを検討した。すなわち、
図7に示すように、FM/DAB兼用アンテナ素子とFMアンテナ素子との距離Xが異なる3つの実施例、つまり実施例3~5を準備した。実施例3での距離Xは447mm、実施例4での距離Xは587mm,実施例5での距離Xは517mmとした。また、実施例3~5においては、FM/DAB兼用アンテナ素子からキャンセルエレメントを取り除くとともに、FM用エレメントをDAB用エレメントに連結した。また、FM用エレメントと延長エレメントとの距離D2は10mmとした。また、各実施例3~5においては、FM用エレメントの長さを調整し、延長エレメントと平行な箇所の長さLを変えつつ、受信感度を算出した。すなわち、FM周波数帯域(88~108MHz)における受信感度を上記条件で実測した。
【0062】
結果は、
図8及び
図9に示すとおりである。これらの図では、長さLが0~450mmにおける受信感度の最低値を示している。
図8は、FMアンテナ素子の受信感度を示している。同図によれば、FM/DAB兼用アンテナ素子とFMアンテナ素子との距離Xの相違による受信感度に違いほとんどなく、また、長さLに関わらず、実施例3~5で、FMアンテナ素子の受信感度はほぼ一定であった。なお、長さLが0mmのときは、一見、FM用エレメントが設けられていないことになるが、この場合は、延長エレメントがFM用エレメントとして機能するため、FM/DAB兼用アンテナ素子は、デフォッガの影響もあり、FM周波数帯域の電波を受信することが可能である。
【0063】
一方、
図9はFM/DAB兼用アンテナ素子のFM周波数帯域の受信感度を示している。同図によれば、FM/DAB兼用アンテナ素子とFMアンテナ素子との距離Xが長くなると、長さLに関わらず受信感度が向上することが分かった。すなわち、FM/DAB兼用アンテナ素子とFMアンテナ素子との距離Xが短くなると、長さLが長くなるほど、受信感度が低下した。長さLが0である場合、実施例3~5での受信感度の最低値は-11dBdであるが、概ね、この受信感度を維持するには、実施例3では長さLを200mm以下、好ましくは、140mm以下、更に好ましくは100mm以下とすればよいことが分かった。すなわち、FM/DAB兼用アンテナ素子とFMアンテナ素子との距離Xを短くした場合には、FM用エレメントの長さを短くすることで、受信感度を向上することができる。一方、実施例4のようにFM/DAB兼用アンテナ素子とFMアンテナ素子との距離Xが長くなると、長さLが変わっても受信感度は低下しないため、ガラス板におけるアンテナの位置の制限により、FM/DAB兼用アンテナ素子とFMアンテナ素子との距離Xを離さなくてはいけない場合には、長さLをどのような長さにしても、受信感度は概ね低下しない。
【0064】
また、
図9に示すように、長さLが200mm以下、好ましくは、140mm以下、更に好ましくは100mm以下であれば、実施例3~5における受信感度の相違が小さくなる。換言すると、アンテナ間の距離Xに関わらず、FM/DAB兼用アンテナ素子の受信感度が低下するのを防止することができる。一方、長さLが200mmより大きくなると、アンテナ間の距離Xによっては受信感度が低下する。
【0065】
また、実施例5(X=517mm)について、長さLを以下の表1のように変化させたときの周波数域と受信感度の関係について、検討した結果を
図10に示す。
【表1】
【0066】
図10に示すように、長さL=0mmのとき(実施例5-1)の受信感度を基準感度とすると、長さLが概ね300mm以下であれば、基準感度よりも受信感度が概ね高くなる。したがって、長さLは、0~250mmであることが好ましく、100~200mmであることがさらに好ましい。
【0067】
この点については、以下のように考えられる。すなわち、デフォッガをFMアンテナとして作用させた場合、デフォッガの寸法が大きいため、インダクタンスの性能をもつことになる。この場合、延長エレメントとFM/DAB兼用アンテナ素子のFM用エレメントとの間をキャパシタンスとして作用させると、デフォッガのインダクタンスとキャパシタンスが合わされる。その結果、FM帯域での共振が発生し、FM/DAB兼用アンテナ素子の感度を向上させることができる。このとき、直列共振を発生させるためのキャパシタンスは、長さLに影響を受けるが、長さLが短いと共振が発生しやすくなり、受信感度を向上することができる。
【0068】
<3.FM/DAB兼用アンテナ素子のFM用エレメントと延長エレメントとの平行箇所の有無と、受信性能への影響>
次に、実施例6及び7を準備した。実施例6では、
図4と同様に、FM/DAB兼用アンテナ素子からキャンセルエレメントを取り除くとともに、FM用エレメントをDAB用エレメントに直接連結した。また、FM用エレメントと延長エレメントとの平行箇所の長さLを245mmとした。一方、実施例7は、
図11に示すように、
図4のFM/DAB兼用アンテナ素子からFM用エレメント及びキャンセルエレメントを取り除いた。但し、この場合、
図4の延長エレメントは、
図11に示すように、FM用エレメントとして機能する。そして、FM周波数帯域(88~108MHz)における受信感度を上記条件で実測した。
【0069】
結果は、
図12及び
図13に示すとおりである。これらの図では、FM周波数帯域(88~108MHz)における受信感度の平均値を示している。
図12は、FMアンテナ素子の受信感度を示している。同図によれば、平行箇所を設けた実施例6は、88~92MHz付近での受信感度が向上することが分かった。また、
図13は、FM/DAB兼用アンテナ素子のFM周波数帯域の受信感度を示している。同図によれば、平行箇所を設けた実施例6は、すべての周波数域での受信感度が向上することが分かった。
【0070】
これは、次の理由であると考えられる。すなわち、デフォッガをFMアンテナとして機能させると、デフォッガによる受信エネルギは、FMメインアンテナであるFMアンテナ素子と、FMサブアンテナであるFM/DAB兼用アンテナ素子のFM用エレメントとに分配されると考えられる。したがって、実施例7では、FMサブアンテナであるFM/DAB兼用アンテナには、
図4のような給電部に接続されたFM用エレメントが設けられておらず、給電部には接続されていないが、デフォッガと接続されたFM用エレメント(
図4の延長エレメント)が設けられている。したがって、実施例7では、
図4のようなFM用エレメントと延長エレメントとのセットを有していないため、デフォッガはFMアンテナとしては十分に動作していない。これにより、デフォッガの受信エネルギーはほとんどFMメインアンテナに供給されていると考えられる。その結果、
図12に示すように、88~92MHzを除く帯域でFMメインアンテナの受信感度が向上する。
【0071】
一方、実施例6においては、FM用エレメントと延長エレメントとのセットを有し、FM/DAB兼用アンテナのFM用エレメントが、デフォッガからの延長エレメントと適切な長さで容量結合している。そのため、デフォッガと延長エレメントとFM用エレメントとの組み合わせが、FMアンテナとして動作している。その結果、デフォッガの受信エネルギーはFMサブアンテナであるFM/DAB兼用アンテナに一定量供給されるため、
図13に示すようにFMサブアンテナの受信感度が向上し、相対的に、FMメインアンテナの受信感度が低下すると考えられる。