(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173563
(43)【公開日】2022-11-18
(54)【発明の名称】血管閉塞の血管内処置および関連デバイス、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3207 20060101AFI20221111BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022160947
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2018521280の分割
【原出願日】2016-10-24
(31)【優先権主張番号】62/245,935
(32)【優先日】2015-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/268,296
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/268,406
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518138011
【氏名又は名称】イナリ メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フィル マーチャンド
(72)【発明者】
【氏名】ジョン シー. スレス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ エフ. ロウ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジェイ. コックス
(72)【発明者】
【氏名】リチャード クイック
(57)【要約】
【課題】血管閉塞の血管内処置および関連デバイス、システムおよび方法の提供。
【解決手段】患者の胎内の血管からの血栓の除去のためのシステムおよび方法が、本明細書に開示される。方法は、一体型有窓構造から形成されている近位自己拡張式部材と、網状フィラメントメッシュ構造から形成されている遠位略円筒形部分と、網状フィラメントメッシュ構造の遠位端に接続されている内側シャフト部材とを含む血栓抽出デバイスを提供することと、血栓抽出デバイスを拘束するカテーテルを血管血栓を通して前進させることと、血栓抽出デバイスを展開することと、血栓抽出デバイスを後退させ、血栓の一部を血管壁から分離させ、血栓の一部を網状フィラメントメッシュ構造内に捕捉することと、血栓抽出デバイスを体から引き抜き、血栓を患者から除去することとを含むことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載された発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮出願第62/245,935号(2015年10月23日出願、名称「INTRAVASCULAR TREATMENT OF VASCULAR OCCLUSION AND ASSOCIATED DEVICES, SYSTEMS AND METHODS」)の利益を主張し;本願は、米国出願第15/268,296号(2016年9月16日出願、名称「INTRAVASCULAR TREATMENT OF VASCULAR OCCLUSION AND ASSOCIATED DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS」)の利益を主張し、該出願は、米国仮出願第62/245,935号(2015年10月23日出願、名称「INTRAVASCULAR TREATMENT OF VASCULAR OCCLUSION AND ASSOCIATED DEVICES, SYSTEMS AND METHODS」)の利益を主張し;本願は、米国出願第15/268,406号(2016年9月16日出願、名称「INTRAVASCULAR TREATMENT OF VASCULAR OCCLUSION AND ASSOCIATED DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS」)の利益を主張し、該出願は、米国出願第15/268,296号(2016年9月16日出願、名称「INTRAVASCULAR TREATMENT OF VASCULAR OCCLUSION AND ASSOCIATED DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS」)の継続出願であり、該出願は、米国仮出願第62/245,935号(2015年10月23日出願、名称「INTRAVASCULAR TREATMENT OF VASCULAR OCCLUSION AND ASSOCIATED DEVICES,
SYSTEMS AND METHODS」)の利益を主張し;上記出願の各々の全体は、参照により本明細書に引用される。
【背景技術】
【0002】
血栓は、血管の内側で生じる血塊のための用語であって、静脈血栓は、静脈内で形成される、血塊(血栓)である。静脈血栓の一般的タイプは、深部静脈血栓(DVT)である。DVTは、主に、脚部における深部静脈内の血塊(血栓)の形成である。非特異的兆候として、疼痛、膨隆、発赤、温感、および充血した表在静脈が挙げられ得る。
【0003】
血栓が破壊し(塞栓を起こし)、肺に向かって流動する場合、肺内の血塊である、命を脅かす肺塞栓症(PE)となり得る。PEから生じ得る死亡に加え、DVTは、弁および脈管損傷に起因する、慢性膨隆、圧力、疼痛、および潰瘍を生じさせ得る、血栓後症候群等の有意な健康上の問題を生じさせ得る。さらに、DVTは、関連合併症の処置および患者の就業不能性を通して、直接または間接的のいずれかにおいて、有意な医療費をもたらし得る。
【0004】
3つのプロセスが、静脈血栓をもたらすと考えられる。これらは、低下した血流率(静脈鬱滞)、塊になる増加傾向(凝固性亢進)、血管壁への変化である。DVT形成は、典型的には、ふくらはぎの静脈の弁の内側で開始し、そこで、血液は、比較的酸素欠乏状態となり、これは、ある生化学的経路を活性化する。糖尿病、癌、外傷、および抗リン脂質抗体症候群を含む、いくつかの医療状態は、DVTのリスクを増加させる。他のリスク要因として、高齢化、外科手術、固定化(床上安静、整形外科用ギプス、長距離飛行時の着座等)、混合経口避妊薬、妊娠、産褥、および遺伝的要因が挙げられる。DVTの率は、子供から高齢にかけて劇的に増加し、成人では、年間、約1,000人に1人が、発症している。
【0005】
DVTの防止および/または処置の現在のデバイスおよび方法が存在するが、DVT再発の高発症率、大量の塊を除去するように設計されていないデバイスの使用、および/または複数の処置デバイスならびに/もしくは医薬品を伴う複雑な処置を含む、未だ解決されていない、いくつかの欠点がある。故に、血栓、特に、DVTを処置する新しいデバイス、システム、および方法が、所望される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の側面は、血栓抽出、特に、末梢血管系からの血栓抽出のためのシステムおよび方法に関する。本発明の血栓抽出デバイスは、血栓溶解剤等の医薬品の低減された必要性を伴って、成熟および器質化塊を含む、大量の塊を除去するように設計される。これは、出血のリスク、処置後回復時間を低減させ、医療手技コストを削減する。血栓抽出デバイスは、例えば、静脈系または動脈系内の大脈管から、分離された血栓を編組網内に捕捉しながら、大量の血栓を効果的に除心し、分離するように、編組網に接続される自己拡張式除心部分を備え得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、血栓は、自己拡張式漏斗を有する、導入器シースと、血栓抽出デバイスを含む、血栓抽出カテーテルとを含む、血栓切除術システムの使用を介して抽出されることができる。血栓抽出デバイスは、ステント部分であり得る、自己拡張式除心部分と、編組フィラメントメッシュであり得る、拡張可能円筒形部分とを含むことができる。拡張可能円筒形部分は、一体型血栓抽出デバイスを形成するように、自己拡張式除心部分の遠位端上に形成されることができる。いくつかの実施形態では、除心要素は、鋭い切断縁を有し、脈管壁から血栓を取り外すその能力をさらに向上させ得る。
【0008】
本開示の一側面は、患者の末梢血管系内の深部静脈血栓症を処置する方法に関する。本方法は、一体型有窓構造から形成されるステントであり得る、近位自己拡張式除心部分と、編組フィラメントメッシュ構造から形成される管状であり得る、遠位拡張可能円筒形部分とを含む、血栓抽出デバイスを提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、メッシュ構造は、メッシュ構造の近位端が有窓構造の遠位端に取り付けられているように、有窓構造と一体的に形成される。本方法は、血栓抽出デバイスを拘束するカテーテルを静脈血管内の血管血栓を通して前進させるステップを含む。いくつかの実施形態では、中間シャフトは、カテーテルを通してスライド可能に延び、その遠位端は、有窓構造の近位端に結合されている。いくつかの実施形態では、内側シャフトは、スライド可能に中間シャフトを通して延び、その遠位端は、メッシュ構造の遠位端に結合される。本方法は、拘束された構成から拡張された構成に血栓抽出デバイスをカテーテルから展開するステップを含む。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスは、完全拡張時、血管血栓の一部を遠位に過ぎて、少なくとも静脈血管の壁に係合する。本方法は、除心部分が、血管血栓の一部を除心し、静脈血管壁から分離する一方、メッシュ構造が、血管血栓部分を捕捉するように、血栓抽出デバイスを近位に後退させるステップを含む。本方法は、血栓抽出デバイスを患者から引き抜き、血管血栓部分を静脈血管から除去するステップを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、カテーテルを前進させるステップは、カテーテルの放射線不透過性遠位先端が血管血栓部分を遠位に過ぎるまで、カテーテルを静脈血管の中に挿入するステップを含む。いくつかの実施形態では、拘束された構成から拡張された構成に血栓抽出デバイスをカテーテルから展開するステップは、血栓抽出デバイスの除心部分がカテーテルの遠位端を越えるまで、中間シャフトを遠位に前進させるステップを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスを展開するステップはさらに、中間シャフトをカテーテルに対して係止するステップと、血栓抽出デバイスの完全拡張のために、内側シャフト上に固定される停止特徴が内側シャフトにスライド可能に接続されるステント部分上の対応する特徴に係合し、ステント部分が、完全拡張時、十分な半径方向力を静脈血管壁上に維持し、血管血栓部分を除心および分離するまで、内側シャフトをカテーテルおよび中間シャフトに対して後退させるステップと、内側シャフトを中間シャフトに対して動的に結合するステップとを含む。いくつかの実施形態では、除心部分は、血栓抽出デバイスが完全拡張時、30度~45度の除心角度を有する。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスを展開するステップはさらに、カテーテル上に位置する第1の放射線不透過性マーカと、中間シャフト、内側シャフト、ステント部分、またはメッシュ構造のうちの少なくとも1つ上に位置する第2の放射線不透過性マーカとの撮像を介して、カテーテルに対する血栓抽出デバイスの位置を決定するステップを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、血管血栓部分は、少なくとも自己拡張式ステント部分の近位端に位置する開口部または開口を介して、拡張可能管状部分および/または円筒形部分に進入することによって、メッシュ構造の中に捕捉される。いくつかの実施形態では、本方法は、カテーテルを静脈血管の中にアクセス部位を通して挿入するステップを含み、アクセス部位は、膝窩アクセス部位、大腿アクセス部位、または内頸アクセス部位である。いくつかの実施形態では、静脈血管は、少なくとも5ミリメートルの直径を有し、大腿静脈、腸骨静脈、膝窩静脈、後脛骨静脈、前脛骨静脈、または腓骨静脈のうちの少なくとも1つである。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、患者の静脈血管の中へのアクセス部位を通して、導入器シースを用いて、患者の静脈血管に経皮的にアクセスするステップと、導入器シースの遠位端を血管血栓の近位の位置まで前進させるステップと、導入器シースの遠位端上の自己拡張式漏斗を展開するステップと、カテーテルの遠位先端が血管血栓部分を遠位に過ぎるように、カテーテルを導入器シースの管腔を通して挿入するステップとを含む。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗を展開するステップは、その遠位端上に捕捉シース特徴を有する閉塞具を前進させ、自己拡張式漏斗を捕捉シース特徴内の拘束された構成から捕捉シース特徴から解放された展開された構成に抜出させるステップと、展開された自己拡張式漏斗を通してまたはその外側に、および導入器シースの管腔を通してまたはその外側に閉塞具を後退させることによって、閉塞具を導入器シースから除去するステップとを含む。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスを患者から引き抜くステップは、自己拡張式ステント部分の開口部が自己拡張式漏斗内に来るまで、血栓抽出デバイスを導入器シースに対して後退させるステップと、血管血栓部分をその中に圧縮するように、ステント部分およびメッシュ構造を圧潰させるステップと、ステント部分およびメッシュ構造を導入器シースの中に後退させるステップと、血栓抽出デバイスを導入器シースから除去するステップとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、血管血栓部分の少なくともいくつかを拡張可能管状部分および/または円筒形部分の遠位部分に位置する細孔を通して押出し、血管血栓部分の少なくともいくつかの一部を自己拡張式漏斗内に捕捉する、または血管血栓部分の少なくとも1つの断片を自己拡張式漏斗のメッシュを通してさらに圧縮するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、自己拡張式漏斗内に残っている血管血栓部分の少なくとも1つの断片を静脈血管から導入器シースの近位端に接続される吸引ポートを通して吸引するステップを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステント部分およびメッシュ構造を圧潰させるステップに先立って、蛍光透視法を介して、自己拡張式ステント部分の開口部が自己拡張式漏斗内にあることを照合するステップを含む。いくつかの実施形態では、ステント部分およびメッシュ構造を圧潰させるステップは、内側シャフトおよび中間シャフトを分断するステップと、内側シャフトを中間シャフトに対して遠位に前進させるステップとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、血栓抽出の前、間、または後に、血栓溶解剤を静脈血管の中に注入する、またはそこから吸引するステップを含む。
【0015】
本開示の一側面は、患者の末梢血管系内の深部静脈血栓症を処置する方法に関する。本方法は、患者の静脈血管の中への膝窩アクセス部位を通して、導入器シースを用いて、患者の静脈血管に経皮的にアクセスするステップと、カテーテルの遠位先端が静脈血管内の血管血栓の一部を遠位に過ぎるように、血栓抽出デバイスを拘束するカテーテルを導入器シースの管腔を通して挿入するステップであって、血栓抽出デバイスは、一体型有窓構造から形成される、近位自己拡張式ステント部分と、編組フィラメントメッシュ構造から形成される、遠位拡張可能管状部分および/または円筒形部分とを含む、ステップとを含む。いくつかの実施形態では、メッシュ構造の近位端は、有窓構造の遠位端に取り付けられる。本方法は、血栓抽出デバイスのステント部分がカテーテルの遠位端を越えるまで、中間シャフトを遠位に前進させることによって、拘束された構成から拡張された構成に血栓抽出デバイスをカテーテルから展開するステップを含み、中間シャフトは、カテーテルを通してスライド可能に延び、その遠位端は、有窓構造の近位端に結合されている。本方法は、ステント部分が、血管血栓の一部を除心し、静脈血管壁から分離する一方、メッシュ構造が、血管血栓部分を捕捉するように、血栓抽出デバイスを近位に後退させるステップを含む。本方法は、血栓抽出デバイスを患者から引き抜くステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスを展開するステップはさらに、血栓抽出デバイスの完全拡張のために、内側シャフト上の停止特徴がステント部分上の対応する特徴に係合するまで、内側シャフトをカテーテルおよび中間シャフトに対して後退させるステップを含む。いくつかの実施形態では、ステント部分は、十分な半径方向力を静脈血管壁上に維持し、完全拡張時、血管血栓部分を除心および分離し、いくつかの実施形態では、内側シャフトは、中間シャフトを通してスライド可能に延び、その遠位端は、メッシュ構造の遠位端に結合される。いくつかの実施形態では、本方法は、導入器シースの遠位端上の自己拡張式漏斗を血管血栓の近位で展開するステップを含む。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗を展開するステップは、捕捉シース特徴をその遠位端上に有する閉塞具を前進させ、自己拡張式漏斗を捕捉シース特徴内の拘束された構成から捕捉シース特徴から解放された展開された構成に抜出させるステップと、展開された自己拡張式漏斗を通してまたはその外側に、および導入器シースの管腔を通してまたはその外側に閉塞具を後退させることによって、閉塞具を導入器シースから除去するステップとを含む。
【0017】
本開示の一側面は、患者の体内の血管からの血栓の除去のための方法に関し、血管は、動脈または静脈であることができる。本方法は、一体型有窓構造から形成されている近位自己拡張式部材と、一体型有窓構造に取り付けられている網状フィラメントメッシュ構造から形成されている遠位略円筒形部分と、網状フィラメントメッシュ構造の遠位端に接続されている内側シャフト部材とを含む、血栓抽出デバイスを提供するステップと、血栓抽出デバイスを拘束するカテーテルを血管血栓を通して前進させるステップと、血栓抽出デバイスをカテーテルの遠位端を越えて前進させるか、またはカテーテルを血栓抽出デバイスに対して後退させるかのいずれかによって、血栓抽出デバイスを展開し、したがって、血栓抽出デバイスを血栓の一部を過ぎて遠位に露出し、血栓抽出デバイスの拡張が血管の壁に係合することを可能にするステップとを含む。本方法は、血栓抽出デバイスを後退させ、血栓の一部を脈管壁から分離し、血栓の一部を網状フィラメントメッシュ構造内に捕捉するステップと、血栓抽出デバイスを身体から引き抜き、血栓を患者から除去するステップとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、カテーテルを前進させるステップは、カテーテルの放射線不透過性遠位先端が血栓部分を遠位に過ぎるまで、カテーテルを血管の中に挿入するステップを含む。いくつかの実施形態では、網状フィラメントメッシュ構造は、網状フィラメントメッシュ構造の近位端が有窓構造の遠位端に取り付けられているように、有窓構造と一体的に形成される。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスの自己拡張式部材は、ステント部分を含み、血栓抽出デバイスを後退させるステップはさらに、ステント部分を用いて血栓部分を血管壁から除心するステップを含む。いくつかの実施形態では、血栓部分は、ステント部分の近位端に位置する少なくとも1つの開口または開口部を介して、網状フィラメントメッシュ構造に進入することによって、網状フィラメントメッシュ構造を用いて捕捉される。
【0019】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスは、カテーテルを通して中間シャフトを遠位に前進させることによって、カテーテルの遠位端を越えて前進させられ、中間シャフトは、カテーテルを通してスライド可能に延び、中間シャフトの遠位端は、有窓構造の近位端に結合されている。いくつかの実施形態では、本方法は、内側シャフト部材上に固定されている停止特徴が、血栓抽出デバイスの拡張完全のために、有窓構造上の対応する特徴に係合し、内側シャフト部材を中間シャフトに対して係止するまで、内側シャフト部材をカテーテルおよび中間シャフトに対して後退させるステップを含む。いくつかの実施形態では、内側シャフト部材は、中間シャフトに対して動的に係止されることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、本方法は、血栓抽出デバイスを身体から引き抜くステップに先立って、血栓部分をその中に圧縮するように、血栓抽出デバイスを圧潰させるステップを含む。いくつかの実施形態では、圧潰させるステップは、内側シャフト部材および中間シャフトを係止解除し、内側シャフト部材を中間シャフトに対して遠位に前進させるステップを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、血栓抽出デバイスの展開を蛍光透視的に監視し、血栓抽出デバイス上に位置する第2の放射線不透過性マーカに対するカテーテル上に位置する第1の放射線不透過性マーカの位置に基づいて、カテーテルの遠位端を越えての血栓抽出デバイスの前進または血栓抽出デバイスに対するカテーテルの後退を中止するステップを含む。いくつかの実施形態では、血栓は、患者の末梢血管系に位置し、血管は、少なくとも5ミリメートルの直径を有し、大腿静脈、腸骨静脈、膝窩静脈、後脛骨静脈、前脛骨静脈、または腓骨静脈のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法は、膝窩アクセス部位を通して、導入器シースを用いて、患者の静脈血管であり得る血管に経皮的にアクセスするステップと、カテーテルを導入器シースの管腔を通して患者の静脈血管の中に挿入するステップとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、大腿アクセス部位を通して、導入器シースを用いて、患者の静脈血管に経皮的にアクセスし、カテーテルを導入器シースの管腔を通して患者の静脈血管の中に挿入するステップを含み、血栓抽出デバイスは、膝窩シース内に延び、抽出デバイスの血栓の後退は、血流方向である。いくつかの実施形態では、本方法は、内頸アクセス部位を通して、導入器シースを用いて、患者の静脈血管に経皮的にアクセスし、カテーテルを導入器シースの管腔を通して患者の静脈血管の中に挿入するステップを含み、血栓抽出デバイスは、患者から延びている膝窩シース内に延び、抽出デバイスの血栓の後退は、血流方向である。いくつかの実施形態では、本方法は、血栓抽出の前、間、または後に、血栓溶解剤を血管の中に注入する、またはそこから吸引するステップを含む。
【0023】
本開示の一側面は、患者の血管からの血管血栓の除去のための血栓抽出デバイスに関する。血栓抽出デバイスは、近位端および遠位端と、第1の管腔を画定する、外側シャフトと、第2の管腔を画定する、中間シャフトと、内側シャフトとを有する、カテーテルであって、中間シャフトは、第1の管腔と同軸であって、内側シャフトは、第2の管腔と同軸である、カテーテルと、近位端および遠位端を有する一体型有窓構造から形成され、血管血栓の一部を除心し、血管から分離するように構成されている近位自己拡張式除心要素であって、有窓構造の近位端は、中間シャフトの遠位端に結合されている、近位自己拡張式除心要素と、近位端および遠位端を有する編組フィラメントメッシュ構造から形成され、血管血栓部分を捕捉するように構成されている遠位拡張可能円筒形部分であって、メッシュ構造の近位端は、有窓構造の遠位端に取り付けられ、メッシュ構造の遠位端は、内側シャフトの遠位端に結合される、遠位拡張可能円筒形部分とを含む。いくつかの実施形態では、メッシュ構造および有窓構造の完全拡張は、カテーテルの内側シャフトに対する中間シャフトの位置に基づいて変動する。
【0024】
いくつかの実施形態では、除心要素は、ステントを含む。いくつかの実施形態では、ステントは、内側シャフトおよび/またはステントの1つもしくはいくつかの支柱にスライド可能に結合されているリング特徴を含み、内側シャフトは、内側シャフトに固定されている停止特徴を含み、停止特徴は、メッシュ構造およびステントが完全拡張にあるとき、リング特徴と係合するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、メッシュ構造およびステントが完全拡張にあるとき、内側シャフトを中間シャフトに対して固定し得る、係止機構を含む。いくつかの実施形態では、係止機構は、ステントが圧縮されると、所望の半径方向力を血管壁上に維持することができる。いくつかの実施形態では、係止機構は、ばねを介して、内側シャフトを中間シャフトに対して移動可能に固定する。
【0026】
いくつかの実施形態では、メッシュ構造の近位端は、有窓構造の遠位端と一体的に形成され、一体型構造を作成する。いくつかの実施形態では、除心要素およびメッシュ構造は、外側シャフト内に受け取り可能である。いくつかの実施形態では、除心要素およびメッシュ構造は、外側シャフト内に受け取られているとき、拘束された構成にあり、外側シャフトの拘束から解放されているとき、拡張された構成にある。
【0027】
いくつかの実施形態では、メッシュ構造は、縦方向に間隔を置かれた複数の半径方向リブまたは溝をメッシュ構造の近位端と遠位端との間に含む。いくつかの実施形態では、メッシュ構造は、近位部分における第1の細孔サイズと、遠位部分における第2の細孔サイズとを有し、第1の細孔サイズは、第2の細孔サイズと異なる。いくつかの実施形態では、第2の細孔サイズは、第1の細孔サイズを上回る。
【0028】
いくつかの実施形態では、有窓構造の近位端は、血栓抽出デバイスの縦軸に対してある除心角度で延びている複数の支柱を介して、中間シャフトの遠位端に結合される。いくつかの実施形態では、除心角度は、30度~45度の範囲内である。いくつかの実施形態では、除心要素は、例えば、圧潰された状態では、25ミリメートル~100ミリメートルの範囲の長さを有し、メッシュ構造は、100ミリメートル~500ミリメートルの範囲の長さを有する。いくつかの実施形態では、除心要素は、完全拡張時、8ミリメートル~25ミリメートルの範囲の直径を有し、メッシュ構造は、完全拡張時、8ミリメートル~25ミリメートルの範囲の直径を有する。
【0029】
いくつかの実施形態では、有窓構造は、複数の相互接続される支柱を含む。いくつかの実施形態では、有窓構造の近位端は、有窓構造の遠位端より少ない支柱を有し、それによって、除心要素の圧潰を促進し、血管が蛇行性であるとき、除心の向きの維持を促進する。いくつかの実施形態では、有窓構造は、開口部を有窓構造の近位端に画定する、複数の相互接続される支柱を含む。いくつかの実施形態では、開口部を画定する複数の相互接続されている支柱のうちの少なくともいくつかは、鋭い近位縁を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、外側シャフト上に位置している第1の放射線不透過性マーカと、内側シャフトの遠位端上に位置している第2の放射線不透過性マーカとを含む。いくつかの実施形態では、本デバイスは、中間シャフトに対する外側シャフトの相対的位置を固定し得る、係止機構を含む。いくつかの実施形態では、本デバイスは、中間シャフトに対する内側シャフトの相対的位置を制御し、中間シャフトに対する内側シャフトの相対的位置を選択的に固定し得る、プランジャを含む、ハンドルを含む。
【0031】
本開示の一側面は、患者の血管内の血栓にアクセスし、それを除去するための導入器シースに関する。導入器シースは、近位端と、遠位端と、それらの間に延びている管腔とを含む、細長いシースと、細長いシースの遠位端に取り付けられている自己拡張式漏斗と、閉塞具の遠位端に近接して位置している捕捉シースを有する、細長いシャフトを含む、閉塞具とを含み、捕捉シースは、自己拡張式漏斗を拘束された構成に保持することができ、閉塞具は、細長いシースの管腔内に受け取られるように構成される。
【0032】
いくつかの実施形態では、導入器シースは、細長いシースの近位端に位置している密閉されたハブを含む。いくつかの実施形態では、密閉されたハブは、吸引ポートを含む。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗は、自己拡張式漏斗が拘束された構成にあるとき、細長いシースの直径と等しい直径、またはそれより小さい直径を有する。いくつかの実施形態では、閉塞具は、閉塞具の遠位端に位置している非外傷性先端を含み、非外傷性先端は、放射線不透過性である。いくつかの実施形態では、閉塞具は、細長いシースの遠位端とシール接続するように構成されている接続継手を含む。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗は、血液に対して浸透性である。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗は、城郭風ニチノール編組、ニチノール編組ステント、レーザ切断ニチノール、レーザ切断ポリマー管、射出成形されたポリマー構造、または膨張可能バルーンのうちの少なくとも1つから形成される円錐形形状を含む。
【0033】
本開示の一側面は、患者の静脈血管にアクセスし、そこから血栓を除去する方法に関する。本方法は、管腔を画定する細長いシースと、細長いシースの遠位端に取り付けられている自己拡張式漏斗と、管腔を通して延び、自己拡張式漏斗を閉塞具の捕捉シース内の拘束された構成に保持する、細長い閉塞具とを含む、導入器シースを提供するステップと、アクセス部位を通して、導入器シースを用いて、患者の静脈血管に経皮的にアクセスするステップであって、アクセス部位は、膝窩アクセス部位、大腿アクセス部位、または内頸アクセス部位を含む、ステップと、導入器シースの遠位端を血栓の近位の位置まで前進させるステップと、自己拡張式漏斗を捕捉シース内に拘束された構成から捕捉シースから解放された拡張された構成に展開するステップと、血栓を自己拡張式漏斗内に捕捉するステップと、捕捉された物質を細長いシースの管腔を通して吸引するステップとを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗を展開するステップは、閉塞具を細長いシースに対して遠位に前進させ、自己拡張式漏斗を拘束された構成から拡張された構成に抜き出し、閉塞具を展開された自己拡張式漏斗を通して、および細長いシースの管腔を通して近位に後退させることによって、閉塞具を導入器シースから除去するステップを含む。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗を展開するステップは、展開された自己拡張式漏斗を通してまたはその外側に、および細長いシースの管腔を通してまたはその外側に閉塞具を近位に後退させることによって、シースを閉塞具を覆って近位に後退させ、自己拡張式漏斗を拘束された構成から拡張された構成に抜き出し、閉塞具を導入器シースから除去するステップを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、本方法は、カテーテルの遠位先端が血管血栓部分を遠位に過ぎるように、血栓抽出デバイスを拘束するカテーテルを細長いシースの管腔を通して挿入し、血栓抽出デバイスをカテーテルから展開し、血栓抽出デバイスの開口部が自己拡張式漏斗内に来るまで、血栓抽出デバイスを導入器シースに対して近位に後退させるステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、血栓抽出デバイスによって捕捉された血栓の一部を血栓抽出デバイスを通して押し出すステップを含む。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗によって捕捉された血栓は、血栓抽出デバイスによって捕捉された血栓の押し出された部分を含む。
【0036】
本開示の一側面は、患者の血管からの血管血栓の除去のための血栓切除術システムに関する。血栓切除術システムは、血栓抽出デバイスを含む、血栓抽出カテーテルを含む。血栓抽出デバイスは、一体型有窓構造から形成されている近位自己拡張式除心要素と、有窓構造の遠位端に取り付けられている近位端を有する編組フィラメントメッシュ構造から形成されている遠位拡張可能円筒形部分とを含む。血栓切除術システムは、血栓抽出デバイスを拘束する管腔と、自己拡張式除心要素の近位端に接続されている中間シャフトと、拡張可能円筒形部分の遠位端に接続され、中間シャフトに対してスライド可能に変位可能であって、拡張可能円筒形部分の拡張を制御する、内側シャフトとを含む、カテーテルを含む。血栓切除術システムは、挿入管腔を画定する細長いシースと、細長いシースの遠位端に取り付けられている自己拡張式漏斗と、自己拡張式漏斗を拘束された構成に保持するように構成されているシース捕捉特徴を含む、細長い閉塞具とを含む、導入器シースを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、閉塞具は、細長いシースの管腔内に受け取られるように構成され、細長いシースの遠位端とシール接続するように構成されている接続継手を含む。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗は、自己拡張式除心要素の長さと少なくとも等しい長さを有する。いくつかの実施形態では、導入器シースは、導入器シースの近位端に位置する自己密閉開口を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、血栓切除術システムは、自己密閉開口内に受け取り可能であるようにサイズを決定され、密閉された構成における自己密閉開口の直径より大きい内径を有する開口拡張器を含む。いくつかの実施形態では、導入器シースは、挿入器シースの近位端に位置している吸引ポートを含み、吸引ポートは、吸引弁を介して、挿入管腔に選択可能に流動的に接続される。
【0039】
いくつかの実施形態では、挿入管腔は、血栓抽出カテーテルをスライド可能に受け取るようにサイズを決定される。いくつかの実施形態では、拡張可能円筒形部分は、自己拡張式除心要素上に形成され、一体型血栓抽出デバイスを形成する。
【0040】
本開示の一側面は、複数の支柱を含む、近位有窓構造と、有窓構造の遠位端上に形成されている遠位網状フィラメントメッシュ構造とを含む、一体型血栓抽出デバイスを製造する方法に関する。本方法は、一体型有窓構造の複数の支柱のうちのいくつかによって形成されている複数の形成点を識別するステップと、第1のワイヤと、第1のワイヤに重なる第2のワイヤとを含む、固有の対のワイヤを、形成点の各々に通すステップと、第1のワイヤおよび第2のワイヤのうちの一方が、それを通して第1のワイヤおよび第2のワイヤが螺入される、形成点の周りにループを形成しないように、かつ第1のワイヤおよび第2のワイヤのうちの他方が、それを通して第1のワイヤおよび第2のワイヤが螺入される、形成点の周りにループを形成するように、網状フィラメントメッシュ構造を固有の対のワイヤから編組するステップとを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、網状フィラメントメッシュ構造は、第1のワイヤが、それを通して第1のワイヤが螺入される、形成点の周りにループを形成しないように、かつ第2のワイヤが、それを通して第2のワイヤが螺入される、形成点の周りにループを形成するように、固有の対のワイヤから編組される。いくつかの実施形態では、形成点の各々は、山支柱を含む。いくつかの実施形態では、有窓構造は、12の山支柱を含む。いくつかの実施形態では、網状フィラメントメッシュは、48のワイヤを含む。いくつかの実施形態では、網状フィラメントメッシュ構造は、手動で編組される。いくつかの実施形態では、網状フィラメントメッシュ構造は、自動的に編組される。
【0042】
本開示の可用性のさらなる分野は、本明細書に以降で提供される発明を実施するための形態から明白となるであろう。種々の実施形態を示す、発明を実施するための形態および具体的実施例は、例証の目的のためだけに意図され、必ずしも、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
患者の体内の血管からの血栓の除去のための方法であって、前記方法は、
一体型有窓構造から形成されている近位自己拡張式部材と、前記一体型有窓構造に取り付けられている網状フィラメントメッシュ構造から形成されている遠位略円筒形部分と、前記網状フィラメントメッシュ構造の遠位端に接続されている内側シャフト部材とを備えている、血栓抽出デバイスを提供することと、
前記血栓抽出デバイスを拘束するカテーテルを血管血栓を通して前進させることと、
前記血栓抽出デバイスを前記カテーテルの遠位端を越えて前進させるか、または前記カテーテルを前記血栓抽出デバイスに対して後退させるかのいずれかによって、前記血栓抽出デバイスを展開し、したがって、前記血栓抽出デバイスを前記血栓の一部を過ぎて遠位に露出し、前記血栓抽出デバイスの拡張が前記血管の壁に係合することを可能にすることと、
前記血栓抽出デバイスを後退させ、前記血栓の一部を前記脈管壁から分離し、前記血栓の一部を前記網状フィラメントメッシュ構造内に捕捉することと、
前記血栓抽出デバイスを前記体から引き抜き、血栓を前記患者から除去することと
を含む、方法。
(項目2)
前記カテーテルを前進させることは、前記カテーテルの放射線不透過性遠位先端が前記血栓部分を遠位に過ぎるまで、前記カテーテルを前記血管の中に挿入することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記網状フィラメントメッシュ構造は、前記網状フィラメントメッシュ構造の近位端が前記有窓構造の遠位端に取り付けられているように、前記有窓構造と一体的に形成されている、項目1~2のいずれかに記載の方法。
(項目4)
前記血栓抽出デバイスの自己拡張式部材は、ステント部分を備え、前記血栓抽出デバイスを後退させることは、前記ステント部分を用いて前記血栓部分を前記血管壁から除心することをさらに含む、項目1~3のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記血栓部分は、前記ステント部分の近位端に位置する少なくとも1つの開口または開口部を介して、前記網状フィラメントメッシュ構造に進入することによって、前記網状フィラメントメッシュ構造を用いて捕捉される、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記血栓抽出デバイスは、前記カテーテルを通して中間シャフトを遠位に前進させることによって、前記カテーテルの遠位端を越えて前進させられ、前記中間シャフトは、前記カテーテルを通してスライド可能に延び、前記中間シャフトの遠位端は、前記有窓構造の近位端に結合されている、項目1~5のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記内側シャフト部材上に固定されている停止特徴が、前記血栓抽出デバイスの拡張完全のために、前記有窓構造上の対応する特徴に係合し、前記内側シャフト部材を前記中間シャフトに対して係止するまで、前記内側シャフト部材を前記カテーテルおよび前記中間シャフトに対して後退させることをさらに含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記血栓抽出デバイスを前記体から引き抜くことに先立って、前記血栓部分をその中に圧縮するように、前記血栓抽出デバイスを圧潰させることをさらに含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記圧潰させることは、前記内側シャフト部材と前記中間シャフトとを係止解除し、前記内側シャフト部材を前記中間シャフトに対して遠位に前進させることを含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記血栓抽出デバイスの展開を蛍光透視的に監視し、前記血栓抽出デバイス上に位置する第2の放射線不透過性マーカに対する前記カテーテル上に位置する第1の放射線不透過性マーカの位置に基づいて、前記カテーテルの遠位端を越える前記血栓抽出デバイスの前進または前記血栓抽出デバイスに対する前記カテーテルの後退を中止することをさらに含む、項目1~9のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記血栓は、前記患者の末梢血管系に位置し、前記血管は、少なくとも5ミリメートルの直径を有し、前記血管は、大腿静脈、腸骨静脈、膝窩静脈、後脛骨静脈、前脛骨静脈、または腓骨静脈のうちの少なくとも1つを備えている、項目1~10のいずれかに記載の方法。
(項目12)
膝窩アクセス部位を通して、導入器シースを用いて、前記患者の静脈血管に経皮的にアクセスし、前記カテーテルを前記導入器シースの管腔を通して前記患者の静脈血管の中に挿入することをさらに含む、項目1~11のいずれかに記載の方法。
(項目13)
大腿アクセス部位を通して、導入器シースを用いて、前記患者の静脈血管に経皮的にアクセスし、前記カテーテルを前記導入器シースの管腔を通して前記患者の静脈血管の中に挿入すること、前記血栓抽出デバイスは、膝窩シース内に延び、前記抽出デバイスの血栓の後退は、血流方向である、項目1~12のいずれかに記載の方法。
(項目14)
内頸アクセス部位を通して、導入器シースを用いて、前記患者の静脈血管に経皮的にアクセスし、前記カテーテルを前記導入器シースの管腔を通して前記患者の静脈血管の中に挿入すること、前記血栓抽出デバイスは、前記患者から延びている膝窩シース内に延び、前記抽出デバイスの血栓の後退は、血流方向である、項目1~13のいずれかに記載の方法。
(項目15)
血栓抽出の前、間、または後に、血栓溶解剤を前記血管の中に注入すること、またはそこから吸引することをさらに含む、項目1~14のいずれかに記載の方法。
(項目16)
患者の血管からの血管血栓の除去のための血栓抽出デバイスであって、前記血栓抽出デバイスは、
近位端および遠位端と、第1の管腔を画定する外側シャフトと、第2の管腔を画定する中間シャフトと、内側シャフトとを有するカテーテルであって、前記中間シャフトは、前記第1の管腔と同軸であり、前記内側シャフトは、前記第2の管腔と同軸である、カテーテルと、
近位端および遠位端を有する一体型有窓構造から形成され、前記血管血栓の一部を除心し、前記血管から分離するように構成されている近位自己拡張式除心要素であって、前記有窓構造の近位端は、前記中間シャフトの遠位端に結合されている、近位自己拡張式除心要素と、
近位端および遠位端を有する編組フィラメントメッシュ構造から形成され、前記血管血栓部分を捕捉するように構成されている遠位拡張可能円筒形部分と
を備え、
前記メッシュ構造の近位端は、前記有窓構造の遠位端に取り付けられ、前記メッシュ構造の遠位端は、前記内側シャフトの遠位端に結合され、前記メッシュ構造および有窓構造の完全拡張は、前記カテーテルの内側シャフトに対する前記中間シャフトの位置に基づいて変動する、血栓抽出デバイス。
(項目17)
前記除心要素は、ステントを備えている、項目1~16のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目18)
前記ステントは、前記内側シャフトにスライド可能に結合されているリング特徴を含み、前記内側シャフトは、前記内側シャフトに固定されている停止特徴を備え、前記停止特徴は、前記メッシュ構造および前記ステントが完全拡張にあるとき、前記リング特徴と係合するように構成されている、項目17に記載の血栓抽出デバイス。
(項目19)
前記メッシュ構造および前記ステントが完全拡張にあるとき、前記内側シャフトを前記中間シャフトに対して固定するように構成されている係止機構をさらに備えている、項目18に記載の血栓抽出デバイス。
(項目20)
前記係止機構は、前記ステントが圧縮されると、所望の半径方向力を血管壁上に維持するように構成されている、項目19に記載の血栓抽出デバイス。
(項目21)
前記係止機構は、ばねを介して、前記内側シャフトを前記中間シャフトに対して移動可能に固定する、項目19に記載の血栓抽出デバイス。
(項目22)
前記メッシュ構造の近位端は、前記有窓構造の遠位端と一体的に形成され、一体型構造を作成する、項目1~21のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目23)
前記除心要素および前記メッシュ構造は、前記外側シャフト内に受け取り可能であり、前記除心要素およびメッシュ構造は、前記外側シャフト内に受け取られているとき、拘束された構成にあり、前記外側シャフトの拘束から解放されているとき、拡張された構成にある、項目1~22のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目24)
前記メッシュ構造は、縦方向に間隔を置かれた複数の半径方向リブまたは溝を前記メッシュ構造の近位端と遠位端との間に備えている、項目1~23のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目25)
前記メッシュ構造は、近位部分における第1の細孔サイズおよび遠位部分における第2の細孔サイズを有し、前記第1の細孔サイズは、前記第2の細孔サイズと異なる、項目1~24のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目26)
前記第2の細孔サイズは、前記第1の細孔サイズより大きい、項目25に記載の血栓抽出デバイス。
(項目27)
前記有窓構造の近位端は、前記血栓抽出デバイスの縦軸に対してある除心角度で延びている複数の支柱を介して、前記中間シャフトの遠位端に結合されている、項目1~26のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目28)
前記除心角度は、30度~45度の範囲にある、項目27に記載の血栓抽出デバイス。
(項目29)
前記除心要素は、25ミリメートル~100ミリメートル~の範囲の長さを有し、前記メッシュ構造は、100ミリメートル~500ミリメートルの範囲の長さを有する、項目1~28のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目30)
前記除心要素は、完全拡張時、8ミリメートル~25ミリメートルの範囲の直径を有し、前記メッシュ構造は、完全拡張時、8ミリメートル~25ミリメートルの範囲の直径を有する、項目1~29のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目31)
前記有窓構造は、複数の相互接続されている支柱を備え、前記有窓構造の近位端は、前記有窓構造の遠位端より少ない支柱を有し、それによって、前記除心要素の圧潰を促進し、前記血管が蛇行性であるとき、除心の向きの維持を促進する、項目1~30のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目32)
前記有窓構造は、開口部を前記有窓構造の近位端に画定する複数の相互接続されている支柱を備え、前記開口部を画定する前記複数の相互接続されている支柱のうちの少なくともいくつかは、鋭い近位縁を備えている、項目1~31のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目33)
前記外側シャフト上に位置している第1の放射線不透過性マーカと、前記内側シャフトの遠位端上に位置している第2の放射線不透過性マーカとをさらに備えている、項目1~32のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目34)
前記中間シャフトに対する前記外側シャフトの相対的位置を固定するように構成されている係止機構をさらに備えている、項目1~33のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目35)
前記中間シャフトに対する前記内側シャフトの相対的位置を制御し、前記中間シャフトに対する前記内側シャフトの相対的位置を選択的に固定するように構成されているプランジャを備えているハンドルをさらに備えている、項目1~34のいずれかに記載の血栓抽出デバイス。
(項目36)
患者の血管内の血栓にアクセスし、それを除去するための導入器シースであって、前記導入器シースは、
近位端と、遠位端と、それらの間に延びている管腔とを備えている細長いシースと、
前記細長いシースの遠位端に取り付けられている自己拡張式漏斗と、
細長いシャフトを備えている閉塞具と
を備え、
前記細長いシャフトは、前記閉塞具の遠位端に近接して位置している捕捉シースを有し、前記捕捉シースは、前記自己拡張式漏斗を拘束された構成に保持するように構成され、前記閉塞具は、前記細長いシースの管腔内に受け取られるように構成されている、導入器シース。
(項目37)
前記細長いシースの近位端に位置している密閉されたハブをさらに備えている、項目1~36のいずれかに記載の導入器シース。
(項目38)
前記密閉されたハブは、吸引ポートを備えている、項目37に記載の導入器シース。
(項目39)
前記自己拡張式漏斗は、前記自己拡張式漏斗が前記拘束された構成にあるとき、前記細長いシースの直径と等しい直径、またはそれより小さい直径を有する、項目1~38のいずれかに記載の導入器シース。
(項目40)
前記閉塞具は、前記閉塞具の遠位端に位置している非外傷性先端を備え、前記非外傷性先端は、放射線不透過性である、項目1~39のいずれかに記載の導入器シース。
(項目41)
前記閉塞具は、前記細長いシースの遠位端とシール接続するように構成されている接続継手を備えている、項目1~40のいずれかに記載の導入器シース。
(項目42)
前記自己拡張式漏斗は、血液に対して浸透性である、項目1~41のいずれかに記載の導入器シース。
(項目43)
前記自己拡張式漏斗は、城郭風ニチノール編組、ニチノール編組ステント、レーザ切断ニチノール、レーザ切断ポリマー管、射出成形されたポリマー構造、または膨張可能バルーンのうちの少なくとも1つから形成される円錐形形状を備えている、項目1~42のいずれかに記載の導入器シース。
(項目44)
患者の静脈血管にアクセスし、そこから血栓を除去する方法であって、前記方法は、
管腔を画定する細長いシースと、前記細長いシースの遠位端に取り付けられている自己拡張式漏斗と、細長い閉塞具とを備えている導入器シースを提供することであって、前記閉塞具は、前記管腔を通して延び、前記自己拡張式漏斗を拘束された構成で前記閉塞具の捕捉シース内に保持している、ことと、
アクセス部位を通して、前記導入器シースを用いて、患者の静脈血管に経皮的にアクセスすることであって、前記アクセス部位は、膝窩アクセス部位、大腿アクセス部位、または内頸アクセス部位を備えている、ことと、
前記導入器シースの遠位端を血栓の近位の位置まで前進させることと、
前記自己拡張式漏斗を前記捕捉シース内に拘束された構成から前記捕捉シースから解放された拡張された構成に展開することと、
血栓を前記自己拡張式漏斗内に捕捉することと、
前記捕捉された物質を前記細長いシースの管腔を通して吸引することと
を含む、方法。
(項目45)
前記自己拡張式漏斗を展開することは、前記閉塞具を前記細長いシースに対して遠位に前進させることにより、前記自己拡張式漏斗を前記拘束された構成から前記拡張された構成に抜き出すことと、前記閉塞具を前記展開された自己拡張式漏斗を通して、および前記細長いシースの管腔を通して近位に後退させることによって前記閉塞具を前記導入器シースから除去することとを含む、項目1~44のいずれかに記載の方法。
(項目46)
前記自己拡張式漏斗を展開することは、前記シースを前記閉塞具を覆って近位に後退させることにより、前記自己拡張式漏斗を前記拘束された構成から前記拡張された構成に抜き出すことと、前記閉塞具を前記展開された自己拡張式漏斗を通して、および前記細長いシースの管腔を通して近位に後退させることによって前記閉塞具を前記導入器シースから除去することとを含む、項目1~45のいずれかに記載の方法。
(項目47)
前記カテーテルの遠位先端が前記血管血栓部分を遠位に過ぎるように、血栓抽出デバイスを拘束するカテーテルを前記細長いシースの管腔を通して挿入することと、前記血栓抽出デバイスを前記カテーテルから展開することと、前記血栓抽出デバイスの開口部が前記自己拡張式漏斗内に来るまで、前記血栓抽出デバイスを前記導入器シースに対して近位に後退させることとをさらに含む、項目1~46のいずれかに記載の方法。
(項目48)
前記血栓抽出デバイスによって捕捉された血栓の一部を前記血栓抽出デバイスを通して押し出すことをさらに含み、前記自己拡張式漏斗によって捕捉された血栓は、前記血栓抽出デバイスによって捕捉された血栓の押し出された部分を備えている、項目47に記載の方法。
(項目49)
患者の血管からの血管血栓の除去のための血栓切除術システムであって、前記血栓切除術システムは、
血栓抽出カテーテルであって、前記血栓抽出カテーテルは、
血栓抽出デバイスであって、前記血栓抽出デバイスは、
一体型有窓構造から形成されている近位自己拡張式除心要素と、
前記有窓構造の遠位端に取り付けられている近位端を有する編組フィラメントメッシュ構造から形成されている遠位拡張可能円筒形部分と
を備えている、血栓抽出デバイスと、
カテーテルと
を備え、前記カテーテルは、前記血栓抽出デバイスを拘束する管腔と、前記自己拡張式除心要素の近位端に接続されている中間シャフトと、前記拡張可能円筒形部分の遠位端に接続され、前記拡張可能円筒形部分の拡張を制御するために前記中間シャフトに対してスライド可能に変位可能である内側シャフトとを備えている、
血栓抽出カテーテルと、
導入器シースと
を備え、
前記導入器シースは、
挿入管腔を画定する細長いシースと、
前記細長いシースの遠位端に取り付けられている自己拡張式漏斗と、
前記自己拡張式漏斗を拘束された構成に保持するように構成されているシース捕捉特徴を備えている細長い閉塞具と
を備えている、血栓切除術システム。
(項目50)
前記閉塞具は、前記細長いシースの管腔内に受け取られるように構成され、前記閉塞具は、前記細長いシースの遠位端とシール接続するように構成されている接続継手を備えている、項目36~49のいずれかに記載の血栓切除術システム。
(項目51)
前記自己拡張式漏斗は、前記自己拡張式除心要素の長さと少なくとも等しい長さを有する、項目36~50のいずれかに記載の血栓切除術システム。
(項目52)
前記導入器シースは、前記導入器シースの近位端に位置する自己密閉開口を備えている、項目36~51のいずれかに記載の血栓切除術システム。
(項目53)
前記自己密閉開口内に受け取り可能であるようにサイズを決定され、密閉された構成における前記自己密閉開口の直径より大きい内径を有する開口拡張器をさらに備えている、項目52に記載の血栓切除術システム。
(項目54)
前記導入器シースは、前記挿入器シースの近位端に位置している吸引ポートを備え、前記吸引ポートは、吸引弁を介して、前記挿入管腔に選択可能に流動的に接続されている、項目36~53のいずれかに記載の血栓切除術システム。
(項目55)
前記挿入管腔は、前記血栓抽出カテーテルをスライド可能に受け取るようにサイズを決定されている、項目36~54のいずれかに記載の血栓切除術システム。
(項目56)
前記拡張可能円筒形部分は、一体型血栓抽出デバイスを形成するために前記自己拡張式除心要素上に形成されている、項目36~55のいずれかに記載の血栓切除術システム。
(項目57)
複数の支柱を備えている近位有窓構造と、前記有窓構造の遠位端上に形成されている遠位網状フィラメントメッシュ構造とを備えている一体型血栓抽出デバイスを製造する方法であって、前記方法は、
前記一体型有窓構造の複数の支柱のうちのいくつかによって形成されている複数の形成点を識別することと、
固有の対のワイヤを前記形成点の各々に通すことであって、前記固有の対のワイヤは、第1のワイヤと、前記第1のワイヤに重なる第2のワイヤとを備えている、ことと、
前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤのうちの少なくとも一方が前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤが通されている形成点の周りにループを形成しないように、かつ、前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤのうちの他方が前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤが通されている形成点の周りにループを形成するように、前記網状フィラメントメッシュ構造を前記固有の対のワイヤから編組することと
を含む、方法。
(項目58)
前記形成点の各々は、山支柱を備えている、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記有窓構造は、12の山支柱を備えている、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記網状フィラメントメッシュは、48のワイヤを備えている、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記網状フィラメントメッシュ構造は、手動で編組される、項目57に記載の方法。
(項目62)
前記網状フィラメントメッシュ構造は、自動的に編組される、項目57に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、患者の血管からの血栓の除去のための血栓切除術システムの一実施形態の斜視図である。
【
図2】
図2は、展開された構成における血栓抽出デバイスを有する、血栓抽出カテーテルの一実施形態の側面図である。
【
図3】
図3は、完全拡張時の展開された構成における血栓抽出デバイスを有する、血栓抽出カテーテルの一実施形態の側面図である。
【
図4】
図4は、自己拡張式除心要素の一実施形態の側面図である。
【
図5】
図5は、自己拡張式除心要素の一実施形態の上面図である。
【
図6】
図6は、自己拡張式除心要素の一実施形態の正面図である。
【
図7】
図7は、完全拡張構成における血栓抽出デバイスの一実施形態の側面図である。
【
図8】
図8は、血栓抽出デバイス内に捕捉されるボール形状の血栓の一実施形態の図である。
【
図9】
図9は、複数の細孔サイズを有する、編組フィラメントメッシュ構造の一実施形態の側面図である。
【
図10】
図10は、複数の円周方向溝を含む、血栓抽出デバイスの一実施形態の側面図である。
【
図11】
図11は、円筒形部分および/または編組フィラメントメッシュ構造を自己拡張式除心要素上に形成するための編組および/または織成パターンの一実施形態の概略図である。
【
図12】
図12は、プランジャを第1の位置に伴う、ハンドルの実施形態の断面図である。
【
図13】
図13は、プランジャを第2の位置に伴う、ハンドルの実施形態の断面図である。
【
図14】
図14は、プランジャを第3の位置に伴う、ハンドルの一部の拡大断面図である。
【
図15】
図15は、一定寸法の細長いシャフトを有する、閉塞具の一実施形態の側面図である。
【
図16】
図16は、可変寸法の細長いシャフトを有する、閉塞具の一実施形態の側面図である。
【
図17】
図17は、閉塞具の捕捉シースの一実施形態の詳細な断面図である。
【
図18】
図18は、非展開構成における導入器シースの一実施形態の側面図である。
【
図19】
図19は、部分的に展開された構成における、導入器シースの一実施形態の側面図である。
【
図20】
図20は、展開された構成における、導入器シースの一実施形態の側面図である。
【
図21】
図21は、膨張可能バルーンを備えている、導入器シースの一実施形態の側面図である。
【
図22】
図22は、膝窩アクセス部位を介して血管にアクセスする、一実施形態の概略図である。
【
図23-1】
図23-A-23-Hは、血栓抽出デバイスを血管内で完全に拡張するためのプロセスの一実施形態を描写する、図である。
【
図23-2】
図23-A-23-Hは、血栓抽出デバイスを血管内で完全に拡張するためのプロセスの一実施形態を描写する、図である。
【
図23-3】
図23-A-23-Hは、血栓抽出デバイスを血管内で完全に拡張するためのプロセスの一実施形態を描写する、図である。
【
図23-4】
図23-A-23-Hは、血栓抽出デバイスを血管内で完全に拡張するためのプロセスの一実施形態を描写する、図である。
【
図24】
図24-Aおよび24-Bは、血栓抽出デバイスを血管内で完全に拡張するためのプロセスにおける代替ステップを描写する、図である。
【
図25】
図25-A-25-Hは、拡張された血栓抽出デバイスを用いた血栓の除去のためのプロセスの一実施形態を描写する、図である。
【
図26】
図26は、内頸アクセス部位を介して血管にアクセスする、一実施形態の概略図である。
【
図27】
図27は、延長シース2300を用いて膝窩アクセス部位を介して血管にアクセスする、一実施形態の概略図である。
【
図28】
図28は、膝窩アクセス部位および大腿アクセス部位を介して血管にアクセスする、一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本開示は、患者の血管からの血管血栓の除去のための血栓切除術システムに関する。血栓切除術システムは、血栓切除術システムが血管血栓を通して後退させられるときに生じ得る、血栓の除心および/または血管壁からの血栓の分離を介して、血管から、特に、患者の静脈血管から、血栓を除去することができる。除心および/または血管の壁から分離された血栓は、血栓切除術システム内に捕捉され、患者から除去されることができる。
【0045】
血栓切除術システムは、血栓抽出デバイス(「TED」)を含む、血栓抽出カテーテルを含むことができる。TEDは、ステント部分であり得る、および/または一体型有窓構造から形成され得る、近位自己拡張式除心要素を含むことができる。TEDは、編組フィラメントメッシュ構造から形成されている遠位拡張可能円筒形部分を含むことができる。編組フィラメントメッシュ構造は、除心要素上に形成され、それによって、一体型TEDを形成することができる。除心要素上への編組フィラメントメッシュ構造の本直接形成は、例えば、溶接または接着を介して、編組フィラメントメッシュ構造を除心要素に接続することから生じる、非一貫した材料性質、低下された可撓性、低下された強度、および/または品質制御問題等の問題を排除することができる。
【0046】
TEDの拡張は、血栓抽出カテーテルの一部の相対的移動によって、制御されることができる。例えば、TEDの近位端、具体的には、自己拡張式除心要素の近位端は、血栓抽出カテーテルの外側シャフト内でスライド可能である、中間シャフトに接続されることができる。TEDの遠位端、具体的には、自己拡張式円筒形部分の遠位端は、血栓抽出カテーテルの中間シャフト内でスライド可能である、内側シャフトに接続されることができる。内側シャフトおよび中間シャフトが、外側シャフトに対してスライド可能であるため、TEDは、外側シャフトの中に抜去され、本明細書では、拘束された構成とも称される、非展開構成にTEDを拘束することができる。同様に、TEDは、外側シャフトに対する中間シャフトの相対的移動によって、外側シャフトから展開されることができる。TEDが、外側シャフトから展開された後、内側シャフトおよび中間シャフトは、相互に対して移動され、TEDの拡張可能円筒形部分の拡張または収縮のいずれかを行い、自己拡張式除心要素を完全拡張にもたらすことができる。
【0047】
血栓切除術システムは、血栓抽出カテーテルの外側シースをスライド可能に受け取るようにサイズを決定され得る、導入器シースを含むことができる。導入器シースは、導入器シースの近位端における密閉された開口と、自己拡張式漏斗とを含むことができる。自己拡張式漏斗は、導入器シースの遠位端に位置することができ、捕捉シースによって拘束された位置に選択可能に保持されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗は、導入器シース内にスライド可能に拘束されることができ、具体的には、導入器シースの遠位端に対してスライド可能であることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗は、導入器シース内の拘束された構成から、自己拡張式漏斗が捕捉シースの遠位端から延びている、展開された構成に遠位にスライドすることができる。
【0048】
自己拡張式漏斗は、TEDが漏斗に向かって後退させられると、自己拡張式除心要素と係合するようにサイズを決定されることができる。TEDが、漏斗の中に後退させられるにつれて、漏斗は、TED、具体的には、除心要素を圧縮し、TED、具体的には、除心要素を導入器シースによって画定される管腔の中に誘導する。TEDは、導入器シース内に完全に拘束されるまで、後退させられることができ、次いで、TEDおよびTED内に捕捉された血栓は、密閉された開口を介して、患者から除去されることができる。
【0049】
血栓切除術システムは、複数のアクセス部位を介して、血栓を含む血管にアクセスすることができる。これらは、例えば、内頸(IJ)アクセス部位、大腿アクセス部位、膝窩アクセス部位、または他の静脈もしくは動脈アクセス部位を含むことができる。血栓切除術システムは、非限定的実施例として、少なくとも5ミリメートル(mm)の直径を有する静脈血管を含む、任意の脈管を含む、末梢脈管であり得る、種々の静脈および/または動脈脈管から、血栓ならびに/もしくは塞栓を抽出するために使用されることができる。血栓切除術システムは、アクセス点を通して、患者の循環系の中に挿入されることができ、血栓の近位の位置に前進させられることができる。TEDは、次いで、血栓を通して前進させられることができ、血栓の遠位で拡張された後、TEDは、血栓を通して後退させられ、それによって、血栓の全部または一部を捕捉することができる。
【0050】
ここで
図1を参照すると、本明細書では、血栓抽出システム100とも称される、血栓切除術システム100の一実施形態が、示される。血栓切除術システム100は、血栓を含む静脈血管等の血管の一部にアクセスするために使用されることができ、血栓切除術システム100は、血栓の全部または一部を血管から除去するために使用されることができる。血栓切除術システム100は、導入器シース102と、血栓抽出カテーテル104とを含むことができる。
【0051】
導入器シース102は、近位端108と、遠位端110とを有する、本明細書では、細長いシース106とも称される、細長い部材106を備えている。細長い部材106は、弾性および/または可撓性であることができる。細長い部材106は、任意の所望の長さと、任意の所望の直径とを備えていることができる。いくつかの実施形態では、細長いシース106は、少なくとも10フレンチ、少なくとも12フレンチ、少なくとも14フレンチ、少なくとも18フレンチ、少なくとも20フレンチ、少なくとも22フレンチ、14フレンチ~24フレンチ、15フレンチ~21フレンチ、16フレンチ~22フレンチ、および/または任意の他のもしくは中間サイズの外径を有することができる。
【0052】
細長い部材106は、例えば、細長い部材106の遠位端110の一部であり得る、放射線不透過性マーカを備えていることができる。細長い部材106は、近位端108と遠位端110との間に延びている、管腔を画定する。細長い部材106の管腔1701(
図17に示される)は、血栓抽出カテーテル104をスライド可能に受け取るようにサイズを決定されることができる。いくつかの実施形態では、細長い部材106の管腔1701は、少なくとも2フレンチ、少なくとも10フレンチ、少なくとも14フレンチ、少なくとも18フレンチ、少なくとも20フレンチ、少なくとも22フレンチ、11フレンチ~12フレンチ、10フレンチ~22フレンチ、14フレンチ~21フレンチ、16フレンチ~20フレンチ、および/または任意の他のもしくは中間サイズの内径を有することができる。管腔1701は、細長い部材106の近位端108に位置する、本明細書では、密閉されたハブ112とも称される、密閉された開口112で終端することができる。いくつかの実施形態では、密閉された開口112は、自己密閉することができる、および/または自己密閉シールを備えていることができる。
【0053】
導入器シース102はさらに、細長い部材106の近位端108にあって、および/または、例えば、接続管116を介して、細長い部材106の近位端108に接続され得る、吸引ポート114を含むことができる。いくつかの実施形態では、吸引ポート114は、密閉されたハブ112の一部である、および/またはそれに接続されることができる。いくつかの実施形態では、吸引ポート114は、例えば、本明細書では、吸引弁118とも称される、弁118を介して、管腔1701に選択的に流動的に接続されることができ、弁118は、管腔1701と吸引ポート114との間の接続管116に沿った位置に位置し得る、管類クランプであることができる。
【0054】
導入器シース102はさらに、本明細書では、拡張器120とも称される、閉塞具120を保持することができる。閉塞具120は、細長い部材106の遠位端110に取り付けられ得る自己拡張式漏斗を拘束された構成に保持し、自己拡張式漏斗をその拘束された構成から解放するように構成されることができる。閉塞具120は、近位端122と、遠位端124と、その間に延びている細長いシャフト126とを備えていることができる。いくつかの実施形態では、細長いシャフト126は、導入器シース102の細長い部材106の長さを上回る、長さを有することができる。閉塞具120はさらに、閉塞具120を通して延びている管腔を画定することができ、管腔は、ガイドワイヤを受け取ることができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、任意の所望の寸法を備えていることができ、いくつかの実施形態では、約0.035インチの直径を有することができる。閉塞具120は、細長い部材106の管腔を通してスライド可能に移動可能であるようにサイズを決定および成形されることができる。
【0055】
血栓切除術システム100は、血栓抽出カテーテル104を含むことができる。血栓抽出カテーテル104は、近位端130と、遠位端132とを有することができる。本明細書では、展開ハンドル134とも称される、ハンドル134は、血栓抽出カテーテル104の近位端130に位置することができ、本明細書では、カテーテル136とも称される、カテーテル部分136に接続することができる。
【0056】
カテーテル136は、外側シャフト138と、中間シャフト140と、内側シャフトとを含むことができる。外側シャフト138は、種々の長さと、サイズとを備えていることができる。いくつかの実施形態では、外側シャフト138は、導入器シース102内にスライド可能に嵌合するようにサイズを決定されることができる。いくつかの実施形態では、外側シャフト138は、少なくとも8フレンチ、少なくとも10フレンチ、少なくとも11フレンチ、少なくとも12フレンチ、少なくとも14フレンチ、少なくとも16フレンチ、8フレンチ~14フレンチ、11フレンチ~12フレンチ、および/または任意の他のもしくは中間サイズのサイズを有することができる。
【0057】
外側シャフト138、中間シャフト140、および内側シャフトの各々は、中心軸方向管腔であり得る、管腔を画定することができる。いくつかの実施形態では、中間シャフト140は、中間シャフト140および外側シャフト138が同軸であるように、外側シャフト138の管腔802(
図8に示される)内にスライド可能に嵌合するようにサイズを決定および/または成形されることができる。同様に、いくつかの実施形態では、内側シャフトは、内側シャフトおよび中間シャフト140が同軸であるように、中間シャフト140の管腔804(
図8に示される)内にスライド可能に嵌合するようにサイズを決定および/または成形されることができる。本構成では、外側シャフト138、中間シャフト140、および内側シャフトの各々は、外側シャフト138、中間シャフト140、および内側シャフトのその他に対して変位されることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、外側シャフト138、中間シャフト140、および内側シャフトの各々は、同一長さを有することができ、いくつかの実施形態では、外側シャフト138、中間シャフト140、および内側シャフトの一部または全部は、異なる長さを有することができる。いくつかの実施形態では、例えば、中間シャフト140は、外側シャフト138より比較的に長くあることができ、いくつかの実施形態では、内側シャフトは、中間シャフト140より比較的に長くあることができる。
【0059】
血栓抽出カテーテル104はさらに、血栓抽出デバイス(TED)を含むことができる。TEDは、中間シャフト140および内側シャフトに接続することができ、外側シャフト138の管腔802内に非展開構成で含まれることができる。いくつかの実施形態では、外側シャフト138、中間シャフト140、および/または内側シャフトの相対的位置付けは、TEDを非展開構成、展開された構成、部分的拡張構成、および/または完全拡張構成にもたらすことができる。いくつかの実施形態では、展開された構成におけるTEDは、完全拡張構成または部分的拡張構成のいずれかであることができる。
【0060】
ハンドル134は、本明細書では、係止端142とも称される、遠位端142と、本明細書では、プランジャ端144とも称される、近位端144とを含むことができる。いくつかの実施形態では、中間シャフト140は、血栓抽出カテーテル104の遠位端132に接続し、そこに向かって、ハンドル134の遠位端142から遠位に延びている。
【0061】
図1に見られるように、ハンドル134の遠位端142は、例えば、スピンロック等の係止特徴146を含むことができる。係止特徴146は、外側シース138の近位端150上に位置する噛合特徴148に選択的に係合する、および/または係止係合することができる。いくつかの実施形態では、例えば、外側シース138は、係止特徴146が噛合特徴148と係合し、それによって、中間シース140に対する外側シース138の位置を固定するまで、中間シース140にわたって近位にスライドすることができる。中間シャフト146が外側シャフト138より比較的に長い、実施形態では、中間シャフト146の一部は、外側シャフト138が係止特徴146と係止係合されると、外側シャフト138の遠位端152から遠位に延びている。
【0062】
ハンドル134は、第1の非延長位置と第2の延長位置との間で移動可能であり得る、プランジャ154を含むことができる。いくつかの実施形態では、プランジャ154は、プランジャ154をハンドル134に対して近位に変位させることによって、第1の位置から第2の位置に移動されることができる。プランジャ154は、第1の位置および/または第2の位置の一方もしくは両方に係止可能であることができる。
【0063】
プランジャ154は、内側シャフトが、第1の位置から第2の位置へのプランジャ154の移動を介して、ハンドル134、外側シャフト138、および/または中間シャフト140に対して変位可能であるように、内側シャフトに接続することができる。内側シャフトが中間シャフト140および/または外側シャフト138より比較的に長い、いくつかの実施形態では、内側シャフトは、プランジャ154が第1の位置または第2の位置にあるかどうかにかかわらず、内側シャフトが中間シャフト140の遠位端を過ぎて遠位に延びているような長さを有することができる。
【0064】
血栓抽出カテーテル104はさらに、外側シャフト138に接続する、第1の洗浄ポート155と、ハンドル134に接続する、第2の洗浄ポート156とを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ポート155は、第1の洗浄ポート155を介して、外側シャフト138の管腔802の洗浄を可能にするように、外側シャフト138の管腔802に流動的に接続されることができる。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ポート156は、中間シャフト140の管腔の洗浄を可能にするように、ハンドル134の内部部分、それによって、中間シャフト140の管腔に流動的に接続されることができる。
【0065】
血栓切除術システム100はさらに、装填式漏斗158を含むことができる。装填式漏斗158は、漏斗部分160と、シャフト部分162とを含むことができる。漏斗部分160は、シャフト部分162の管腔に接続する、漏斗形状の内部容積を画定することができる。漏斗形状の内部容積は、自己拡張式漏斗を受容し、自己拡張式漏斗が漏斗部分160を通して前進させられるにつれて、自己拡張式漏斗を拘束された位置に移動させるようにサイズを決定および成形されることができる。漏斗形状の内部容積および管腔は、閉塞具120の遠位端124が装填式漏斗158を通して完全に通過することを可能にするようにサイズを決定されることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、装填式漏斗158は、閉塞具102の中への自己拡張式漏斗の装填を促進するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗は、閉塞具120が細長い部材106の遠位端110から自己拡張式漏斗を越えて延びているように、閉塞具120を細長い部材106を通して挿入することによって装填されることができる。装填式漏斗158は、次いで、自己拡張式漏斗が装填式漏斗158によって完全に封入されるまで、および/または自己拡張式漏斗が拘束された構成になるまで、閉塞具120および自己拡張式漏斗にわたって近位にスライドされることができる。閉塞具120は、次いで、後退させられ、それによって、自己拡張式漏斗を閉塞具120の一部内に装填および/または捕捉することができ、装填式漏斗158は、次いで、閉塞具120および細長い部材106から除去されることができる。
【0067】
血栓切除術システム100はさらに、本明細書では、シール拡張器170および/または開口拡張器170とも称される、密閉されたハブ拡張器170を含むことができる。シール拡張器170の断面図は、
図1に示される。シール拡張器170は、密閉された開口112を通した血栓の除去に先立って、密閉された開口112の中への挿入のためにサイズを決定および成形されることができる。密閉された開口112の中への本挿入によって、シール拡張器170は、密閉された開口112を拡張させることができる。いくつかの実施形態では、密閉された開口112の本拡張は、密閉された開口112を通した血栓の除去の間、密閉された開口112から血栓上への力の印加を防止することができる。いくつかの実施形態では、シール拡張器170は、密閉された開口112の中へのシール拡張器170の挿入を促進するように構成される、挿入部分172を備えていることができる。シール拡張器170はさらに、単独で、または挿入部分172とともに、それを通して血栓が細長い部材106の管腔1701から除去され得る、抽出管腔176を画定し得る、本体部分174を備えていることができる。いくつかの実施形態では、抽出管腔176の内径は、密閉された構成における密閉された開口112の直径より大きくあることができる。
【0068】
ここで
図2を参照すると、血栓抽出カテーテル104の一実施形態の側面図が、示される。血栓抽出カテーテル104は、ハンドル134と、外側シャフト138と、中間シャフト140と、内側シャフト200と、本明細書では、TED202とも称される、血栓抽出デバイス202とを含む。
図2に示されるように、外側シャフト138は、外側シャフト138の噛合特徴148がハンドル134の係止特徴146に接触するように、ハンドル134に対して近位に変位される。ハンドル134に対する外側シャフト138の本位置付けに起因して、中間シャフト140、内側シャフト200、およびTED202の各々は、外側シャフト138の遠位端204を越えて遠位に延びている。
図2に示される血栓抽出デバイス202は、展開および部分的拡張構成にある。
【0069】
血栓抽出デバイス202は、自己拡張式除心要素206と、拡張可能円筒形部分208とを含むことができる。自己拡張式除心要素206は、血栓抽出カテーテル104上において、拡張可能円筒形部分208より比較的に近位に位置することができる。自己拡張式除心要素206は、中間シャフト140の遠位端212に接続する、近位端210と、拡張可能円筒形部分208の近位端216に接続する、遠位端214とを含むことができる。拡張可能円筒形部分208の遠位端217は、内側シャフト200の遠位端218に接続することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、内側シャフト200の遠位端218はさらに、非外傷性先端および/または放射線不透過性マーカ222等の先端220を含むことができる。いくつかの実施形態では、先端220は、放射線不透過性マーカ222を含むことができる。さらに放射線不透過性マーカは、例えば、外側シャフト138、具体的には、外側シャフト138の遠位端204および/または中間シャフト140の遠位端212上に位置することができる。いくつかの実施形態では、外側シャフト138の遠位端204および中間シャフト140の遠位端212の一方または両方の各々は、放射線不透過性マーカを備えていることができる。いくつかの実施形態では、非外傷性先端220は、ガイドワイヤが非外傷性先端220を通して通過することを可能にするように構成される、チャネルを画定することができる。
【0071】
ここで
図3を参照すると、展開および完全拡張構成における血栓抽出デバイス202を伴う、血栓抽出カテーテル104の一実施形態の側面図が、示される。
図2の実施形態とは対照的に、プランジャ154は、ハンドル134から近位に後退させられる、第2の位置にあって、内側シャフト200は、それによって、中間シャフト140に対して近位に後退させられ、それによって、拡張可能円筒形部分208を完全に拡張させ、拡張可能円筒形部分208および自己拡張式除心要素206を完全拡張構成および/または完全拡張に固定する。
【0072】
血栓抽出カテーテル104は、血栓抽出デバイス202、具体的には、自己拡張式除心要素206および/または拡張可能円筒形部分208を完全に拡張された位置および/または完全拡張に固定するように構成される、1つまたはいくつかの特徴を備えていることができる。本明細書で使用されるように、完全拡張は、血栓抽出デバイス202が展開されるとき、かつプランジャ154が第2の位置にあるときに生じる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202の1つまたはいくつかの寸法は、血栓抽出デバイス202が完全拡張にあるとき、変動することができる。いくつかの実施形態では、これは、血栓抽出デバイス202による血管の壁の密着および/または血栓抽出デバイス202によって血管の壁に印加される所望の力もしくは力レベルを促進することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、プランジャ154は、例えば、プランジャ154をハンドル134に対して回転させ、それによって、1つまたはいくつかの係止特徴をプランジャ154上およびハンドル134内に係合させることによって、第2の位置に係止されることができる。いくつかの実施形態では、プランジャ154を第2の位置に係止することによって、血栓抽出デバイス202、具体的には、自己拡張式除心要素206および/または拡張可能円筒形部分208は、内側シャフト200の位置を中間シャフト140に対して固定することによって、完全拡張に固定されることができる。いくつかの実施形態では、内側シャフト200の位置を中間シャフト140に対して固定するステップは、内側シャフト200を中間シャフト140に対して係止するステップおよび/または内側シャフト200の位置を中間シャフト140の位置に対して結合するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本係止および/または結合は、内側シャフト200の位置が中間シャフト140の位置に対して固定されるという点において、静的であることができ、本明細書では、静的に係止される、および/または静的に結合されると称され、いくつかの実施形態では、本係止および/または結合は、中間シャフト140に対する内側シャフト200の位置が限定されるという点において、動的であることができ、本明細書では、動的に係止される、および/または動的に結合されると称される。いくつかの実施形態では、以下により詳細に議論されるであろうように、内側シャフト200は、プランジャが第2の位置に係止されると、中間シャフト140に対する内側シャフト200のある程度の移動を可能にする、応従性ばね1214を介して、プランジャ154に動的に係止されることができる。したがって、そのような実施形態では、内側シャフト200は、中間シャフト140に、および/または中間シャフト140に対して、動的に係止される、および/または動的に結合される。
【0074】
ここで
図4を参照すると、自己拡張式除心要素206の一実施形態の側面図が、示される。自己拡張式除心要素206は、種々の形状と、サイズとを備えていることができ、種々の材料から作製されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素は、例えば、形状記憶合金および/または形状記憶ポリマー等の形状記憶材料から作製されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206は、ニチノールおよび/またはニチノール合金を備えていることができる。
【0075】
自己拡張式除心要素206は、例えば、溶接、レーザ溶接、切断、レーザ切断、拡張、または同等物を含む、種々の技法を使用して作製されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206は、例えば、ニチノール管等のニチノールの断片からレーザ切断されることができ、その後、自己拡張式除心要素206は、吹膨および/または拡張されることができる。
【0076】
自己拡張式除心要素206は、血管血栓等の血栓の一部を除心し、血栓を含む血管から分離するように構成され得る、一体型有窓構造400および/またはステントまたはステント部分を備えていることができる。本一体型有窓構造400は、複数の細隙404をともに画定する、複数の支柱402を備えていることができる。支柱は、種々の形状と、サイズとを備えていることができ、いくつかの実施形態では、支柱は、約0.05~0.15インチ、約0.075~0.125インチ、約0.09~0.1インチ、および/または約0.096インチの厚さおよび/または直径を有することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206は、第1の領域406と、第2の領域408とを備えていることができる。第2の領域408は、略管状であることができ、複数の相互接続される支柱402を含むことができる。第1の領域406は、
図5に見られるように、第2の領域と比較して低減された数の支柱402を備え、非拡張構成への自己拡張式除心要素206の圧潰を促進し、血管が蛇行性であるとき、除心配向を維持することができる。いくつかの実施形態では、第1の領域はさらに、本明細書では、縦軸412とも称される、自己拡張式除心要素206の中心軸412の周囲で反対方向に捻転し、自己拡張式除心要素206の口414を画定する、2つの湾曲支柱410-A、410-Bを備えていることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、2つの湾曲支柱410-A、410-Bを介した自己拡張式除心要素206と中間シャフト140の接続は、自己拡張式除心要素206を中間シャフト140に可撓性に接続することによって、血栓抽出デバイス202の動作を改良することができる。特に、自己拡張式除心要素206の領域420からの支柱の除去は、自己拡張式除心要素206が、自己拡張式除心要素206の近位端210に位置し、自己拡張式除心要素206を血栓抽出カテーテル104の中間シャフト140に接続する、接続部材415を中心として撓曲することを可能にする。本撓曲能力は、血管が蛇行性であるとき、除心の向きの維持を促進することができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206のそのような撓曲は、口414として機能する領域420をもたらすことができる。
【0079】
図4に見られるように、湾曲支柱410は、自己拡張式除心要素206の底部416から自己拡張式除心要素206の上部418に向かって中心軸412に対して、本明細書では、除心角度とも称される、角度θにおいて延びている。いくつかの実施形態では、本角度は、完全に拡張されると、20度~50度および/または30度~45度であることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、除心角度は、TED202の動作に正または負のいずれかの影響を及ぼすことができる。例えば、あまりに急峻な除心角度は、自己拡張式除心要素206が圧潰可能となることを防止し、したがって、導入器シース102の中への自己拡張式除心要素206の後退を防止し得る。加えて、あまりに緩慢な除心角度は、自己拡張式除心要素206が容易に圧潰する結果をもたらし得、これは、自己拡張式除心要素206の除心能力を減少させ得る。いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206の除心能力の本減少は、自己拡張式除心要素206が血栓をもはや効果的に除心しない結果をもたらし得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書では、前縁411と称される、2つの湾曲支柱410-A、410-Bの最近位縁は、鋭くされることができ、および/または2つの湾曲支柱410-A、410-Bの前縁411は、切断要素、メス、または同等物を備えていることができる。
【0082】
自己拡張式除心要素206は、種々のサイズを備えていることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206は、約1~3インチ、約1.5~2.5インチ、約1.75~2.25インチ、約1.9~2.0インチ、および/または約1.96インチの自己拡張式除心要素206の近位端210と自己拡張式除心要素206の遠位端214との間の最短距離として画定される、長さを備えていることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206は、約2~50mm、約4~25mm、約6~20mm、および/または約8~16mmの完全に拡張された直径を備えていることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素は、例えば、下大静脈等の動脈または静脈の減量に適用されることができる。いくつかの実施形態では、そのような減量は、下大静脈内の1つまたはいくつかのフィルタの閉塞および/または部分的閉塞に応答して行われることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206の長さおよび直径は、血管のサイズ、特に、血栓が抽出されるべき血管の直径に基づいて選択されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206の長さは、自己拡張式除心要素206の完全に拡張された直径に基づいて選択され、血管内および血管に対する自己拡張式除心要素の望ましくない傾斜および/または回転を防止することができる。本明細書のいずれかで使用されるように、「約」は、「約」が使用される値および/または値の範囲の+/-10%の範囲を指す。
【0084】
ここで
図7を参照すると、血栓抽出デバイス202の一実施形態の側面図が、示される。
図7に見られるように、自己拡張式除心要素206は、自己拡張式除心要素206の近位端210における接続部材415を介して、中間シャフト140の遠位端212に接続される。拡張可能円筒形部分208の近位端216は、自己拡張式除心要素206の遠位端214に接続する。いくつかの実施形態では、拡張可能円筒形部分208、具体的には、拡張可能円筒形部分208の近位端216は、自己拡張式除心要素206の遠位端214上に形成され、それによって、一体型血栓抽出デバイス202を形成する。拡張可能円筒形部分208の遠位端217は、内側シャフト200の遠位端218に接続する。
【0085】
いくつかの実施形態では、
図7に見られるように、自己拡張式除心要素206は、内側シャフト200の全部または一部と係合し、自己拡張式除心要素206の拡張に影響を及ぼすことができる。具体的には、いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206は、本明細書では、リング特徴700とも称される、リング700を含むことができる。リング700は、自己拡張式除心要素206と同一材料であることができる、または自己拡張式除心要素206と異なる材料であることができる。リング700は、自己拡張式除心要素206と一体的に形成されることができる、および/または、例えば、1つもしくはいくつかの溶接、接着剤、1つもしくはいくつかの機械的締結具、または同等物を介して、自己拡張式除心要素に取り付けられることができる。リング700は、リング700が内側シャフト200に沿ってスライド可能であるように、内側シャフト200の直径より大きい直径を有することができる。
【0086】
図7にさらに見られるように、内側シャフト200は、停止部702を含むことができる。いくつかの実施形態では、停止部702は、内側シャフト200の一部に取り付けられる、ポリマー部材および/または金属部材を備えていることができる。いくつかの実施形態では、停止部702は、内側シャフト200が、プランジャ154の移動を介して、第2の位置に近位に変位されると、リング700と係合し、それによって、近位に指向される力を自己拡張式除心要素206に印加するようにサイズを決定および成形されることができる。いくつかの実施形態では、リング700と接続部材415との間に位置する自己拡張式除心要素206の一部は、リング700への本近位に指向される力の印加によって強制的に拡張され、それによって、自己拡張式除心部材206を完全拡張に移動させることができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、血栓抽出カテーテル104の内側シャフト200は、拡張可能円筒形部分208の遠位端217に選択的に接続されることができる。これは、内側シャフト200の変位が、リング特徴700と停止部702の係合を介して、自己拡張式除心要素206を完全拡張にもたらすことを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206が完全拡張になった後、内側シャフト200は、拡張可能円筒形部分208が完全に拡張されるように、拡張可能円筒形部分208の遠位端217に再結合されることができる、および/またはプランジャ154が第2の位置から第1の位置に移動されると、拡張可能円筒形部分208が拡張可能円筒形部分208を圧縮するように、拡張可能円筒形部分208の遠位端217に再結合されることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、拡張可能円筒形部分208は、血栓を捕捉するように構成され得る、編組フィラメントメッシュ構造704を備えていることができる。いくつかの実施形態では、編組フィラメントメッシュ構造は、拡張可能円筒形部分208と同延であることができ、したがって、近位端216および/または遠位端217を共有することができる。
図7に示される実施形態では、編組フィラメントメッシュ構造704は、略管状細長い部分706と、遠位テーパ状部分708とを有する、弾性フィラメントの編組である。他の実施形態では、編組フィラメントメッシュ構造704は、任意の多孔性構造であることができる、および/または他の好適な形状、サイズ、および構成を有することができる(例えば、遠位部分708は、略円筒形等であることができる)。
【0089】
編組フィラメントメッシュ構造704と内側シャフト200の遠位端218の接続に起因して、内側シャフト200の軸方向移動は、TED200の編組フィラメントメッシュ構造704を半径方向に拡張/短縮および圧潰/延長させる。例えば、中間シャフト140が、内側シャフト200のもの未満の率における軸方向移動に固定および/または限定される限り、(1)内側シャフト200の遠位移動は、編組フィラメントメッシュ構造704の半径が減少し、編組フィラメントメッシュ構造704の長さが増加するように、編組フィラメントメッシュ構造704をその縦軸に沿って伸展させ、(2)内側シャフト200の近位移動は、編組フィラメントメッシュ構造704の半径が増加し、編組フィラメントメッシュ構造704の長さが減少するように、編組フィラメントメッシュ構造704をその縦軸に沿って圧縮する。ある実施形態では、編組フィラメントメッシュ構造704は、約5~30インチ、約10~20インチ、および/または約16インチの圧潰された構成における長さを有することができ、いくつかの実施形態では、編組フィラメントメッシュ構造704は、約1~25インチ、約10~20インチ、および/または約11インチの拡張された構成における長さを有することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、編組フィラメントメッシュ構造704は、編組機械および/または編成機械によって、形成されることができ、いくつかの実施形態では、編組フィラメントメッシュ構造704は、手動で編組および/または織成されることができる。編組を自己拡張式除心要素206上に形成することを有意により困難にするため、多くの従来の編組機に典型的である、ボビンまたは他のフィラメント巻機構を採用しない、編組機械および/または編成機械を利用することが有利であり得る。フィラメントが自由吊架する、編組機械および/または編成機械は、直接自己拡張式除心要素206上へのはるかに容易な装填を可能にする。いくつかの実施形態では、編組フィラメントメッシュ構造704は、「BRAIDING MECHANISM AND METHOD OF USE」と題され、2013年号5月8日に出願された、米国特許第8,833,224号、「BRAIDING MECHANISM AND METHOD OF USE」と題され、2012年9月10日に出願された米国特許第8,826,791号、「BRAIDING MECHANISM AND METHOD OF USE」と題され、2011年10月17日に出願された、米国特許第8,261,648号、「BRAIDING MECHANISM AND METHOD OF USE」と題され、2013年4月26日に出願された米国特許第8,820,207号、「ANEURYSM GRAFT
WITH STABILIZATION」と題された、2015年9月14日に米国国内段階に移行した米国特許公開第2016/0030155号、「BRAIDING MECHANISM AND METHOD OF USE」と題され、2014年7月11日に出願された、米国特許公開第2014/0318354号(それぞれの全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)の一部または全部に含まれる方法またはデバイスを使用して編組されることができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、編組フィラメントメッシュ構造704は、管状編組として形成されてもよく、管状編組は、次いで、熱固化プロセスを使用して、さらに成形され得る。いくつかの実施形態では、編組は、ニチノール(ニッケル-チタン合金)、白金、コバルト-クロム合金、ステンレス鋼、タングステン、またはチタン等の微細金属ワイヤの管状編組であり得る。いくつかの実施形態では、編組フィラメントメッシュ構造704は、少なくとも部分的に、弾性フィラメントの円筒形編組から形成されることができる。したがって、編組は、プラスチック変形を伴わずに半径方向に拘束され得、半径方向拘束の解放に応じて自己拡張するであろう。弾性フィラメントのそのような編組は、本明細書では、「自己拡張式編組」と称される。
【0092】
いくつかの実施形態では、編組フィラメントの厚さは、約0.15mm未満であることができる。いくつかの実施形態では、編組は、約0.05mm~約0.25mmに及ぶ直径を伴う、フィラメントおよび/またはワイヤから加工され得る。いくつかの実施形態では、異なる直径の編組フィラメントは、組み合わせられ、堅度、弾性、構造、半径方向力、細孔サイズ、塞栓捕捉または濾過能力等を含む、異なる特性を付与し得る。いくつかの実施形態では、編組フィラメント数は、20~80、30を上回る、および/または約24である。細長い部分706内の編組メッシュの細孔サイズは、約0.4mm~4.0mmの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、細孔サイズは、0.5mm~2.5mmの範囲内であり得る。
【0093】
ある場合には、血栓は、血栓が編組フィラメントメッシュ構造704内にあるとき、導入器シース102の中に後退することが困難である、形状を形成し得る。そのような場合は、
図8に描写され、血栓抽出デバイス202、具体的には、編組フィラメントメッシュ構造704は、部分的に、導入器シース102の中に後退させられている。
図8に描写されるように、血栓800は、導入器シース102の直径より大きい直径を有する、ボールを形成している。血栓800によるそのような挙動は、患者の身体からのTED200および血栓800の除去を妨害し得る。
図9および10は、血栓によるそのような挙動を防止するための特徴に対処する。
【0094】
図8はさらに、細長い部材の管腔1702が可視であるような細長い部材106の断面図と、外側シャフト138の管腔802が可視であるような外側シャフト138の断面図と、中間シャフト140の管腔804が可視であるような中間シャフト140の断面図とを示す。
【0095】
ここで
図9を参照すると、複数の細孔サイズを備えている、編組フィラメントメッシュ構造704の一実施形態の側面図が、示される。図から分かるように、編組フィラメントメッシュ構造704は、第1の複数の細孔904を備えている、第1の部分900と、第2の複数の細孔906を備えている、第2の部分902とを備えている。いくつかの実施形態では、第1の部分900は、細長い部分706に対応することができ、第2の部分902は、遠位テーパ状部分708に対応することができる。
【0096】
図9に示されるように、編組フィラメントメッシュ構造704の第1の部分900は、第2の部分902より比較的に近位にある。さらに示されるように、第1の部分900の第1の複数の細孔904内の細孔は、第2の部分902の第2の複数の細孔906内の細孔より小さい。いくつかの実施形態では、遠位の第2の部分902のより大きい細孔は、1.5mmを上回るまたはそれと等しい、いくつかの実施形態では、約1.0mm~4.0mmの平均サイズを有することができる。
【0097】
そのような実施形態では、第2の複数の細孔906の細孔のより大きいサイズは、編組フィラメントメッシュ構造704が非拡張構成に移動されると、および/または編組フィラメントメッシュ構造704が導入器シース102の中に後退させられると、血栓の一部の押出を可能にする、および/または促進することができる。いくつかの実施形態では、血栓の一部の本押出は、血栓が導入器シース102の中に後退させられ得ない場合を防止することができる。さらに、いくつかの実施形態では、血栓の比較的に新しい部分は、血栓の比較的に新しい部分が、より軟質である、および/またはより可鍛性であり得るため、血栓の比較的に古い部分の前に押し出され得る。血栓のこれらの比較的に新しい部分は、次いで、導入器シース102の特徴によって、捕捉および/または破壊されることができる。
【0098】
ここで
図10を参照すると、本明細書では、円周方向溝、半径方向リブ、および/または半径方向溝とも称される、複数の円周方向凹部1000を備えている、TED200の一実施形態の側面図が、示される。いくつかの実施形態では、本複数の円周方向凹部1000の一部または全部は、血栓抽出デバイス202の中心軸1002および/または正中線1002に向かって内向きに延びていることができる。いくつかの実施形態では、複数の円周方向凹部1000は、円筒形部分208および/または編組フィラメントメッシュ構造704の近位端216と遠位端217との間の拡張可能円筒形部分208および/または編組フィラメントメッシュ構造704の長さに沿って、縦方向に間隔を置かれる、および/または等しく間隔を置かれることができる。いくつかの実施形態では、これらの円周方向凹部1000は、血栓抽出デバイス202が、拡張された構成から非拡張構成に移動されると、円筒形部分208および/または編組フィラメントメッシュ構造704内に含まれる血栓の一部と係合し、円筒形部分208および/または編組フィラメントメッシュ構造704の近位端216および遠位端217の一方または両方に対する血栓の移動を阻止することができる。血栓移動の本阻止は、導入器シース102の中に後退させられ得ない、血栓の生成の可能性を減少させることができる。
【0099】
別個の図に描写されるが、血栓抽出デバイス202のいくつかの実施形態は、
図10に関して議論される複数の円周方向凹部と、
図9に関して議論される複数の細孔サイズの両方を含むことができる。
【0100】
ここで
図11を参照すると、1つまたはいくつかの形成点1103において、円筒形部分208および/または編組フィラメントメッシュ構造704を自己拡張式除心要素206上に形成するための編成パターンの一実施形態の略図が、示される。図から分かるように、自己拡張式除心要素206は、本明細書では、山支柱1100とも称される、山1100を備えている、形成点1103に接続する、複数の支柱402を備えている。図から分かるように、山1100の各々は、第1の支柱402-Aと第2の支柱402-Bの交差点によって形成され、交差する支柱402-A、402-Bは、山開口1101を形成する。
【0101】
いくつかの実施形態では、自己拡張式除心要素206は、自己拡張式除心要素206の遠位端の周囲に延びている、複数の山1100を備えていることができる。複数の山1100は、4つの山1100、6つの山1100、8つの山1100、10の山1100、12の山1100、16の山1100、20の山1100、24の山1100、4~50の山、8~20の山、および/または任意の他のもしくは中間数の山を備えていることができる。
【0102】
円筒形部分208および/または編組フィラメントメッシュ構造704は、ともに織布および/または編組され、円筒形部分208および/または編組フィラメントメッシュ構造704を形成する、複数のフィラメント1102を備えていることができる。いくつかの実施形態では、複数のフィラメントは、自己拡張式除心要素206の山1100毎に、第1のフィラメント1104と、第2のフィラメント1106とを含むことができる。第1および第2のフィラメント1104、1106は、その個別の山上に織布および/または編組されることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2のフィラメント1104、1106は、第1および第2のフィラメント1104、1106の一方または両方がその個別の山を中心としてループを形成するように、その個別の山上に織布および/または編組されることができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1のフィラメント1104のみが、その山を中心としてループを形成する、第2のフィラメント1106のみが、その山を中心としてループを形成する、または第1および第2のフィラメント1104、1106の両方が、その山を中心としてループを形成する。
図11の実施形態を参照すると、第1のフィラメント1104は、第1のフィラメント1104が、その山に直接隣接して、より具体的には、その山の直接遠位に、その自体の上にループを形成しないように、その山の山開口1101を通して直線に挿入されることができる。
【0103】
第1のフィラメント1104は、自己拡張式除心要素206の外側から自己拡張式除心要素206の内側に向かって見ると、第1の支柱402-Aの上および第2の支柱402-Bの下において、第1のフィラメント1104が通過するように、その山1100の山開口1101を通して挿入されることができる。
【0104】
第2のフィラメント1106は、山開口1101を通して通過する第2のフィラメント1106の一部が第1のフィラメント1104によって山から分離されるように、その山の山開口1101を通して挿入されることができる。さらに、第2のフィラメント1106は、第1の支柱402-Aの真下および第2の支柱402-Bにわたって第2のフィラメント1106が通過するように、山開口1101を通して挿入されることができる。山開口1101を通して挿入後、第2のフィラメント1106は、それ自体の上にループにされ、その山100の直接遠位にループ1108を形成することができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、各フィラメント1104、1106は、山開口1101を通して挿入されるため、各フィラメント1104、1106は、編組または編成目的のために、その山1100からフィラメント1104、1106の第1の端部まで延びている、第1のワイヤと、その山からそのフィラメント1104、1106の第2の端部まで延びている、第2のワイヤとを備えているように処理されることができる。したがって、自己拡張式除心部分206が12の山を備えている、いくつかの実施形態では、円筒形部分208および/または編組フィラメントメッシュ構造704は、48のワイヤとして織成および/または編組され、48のワイヤメッシュおよび/または織布を形成し得る、24のフィラメント1104、1106から形成されることができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、円筒形部分208および/または編組フィラメントメッシュ構造704は、自己拡張式除心要素206の支柱402のいくつかによって形成されている複数の形成点1103を識別することによって、編組/織成されることができる。固有の対のワイヤが、形成点1103のそれぞれを通して、具体的には、形成点1103のそれぞれに隣接する山開口1101を通して螺入されることができる。いくつかの実施形態では、各固有の対のワイヤは、第1のワイヤ1104と、第1のワイヤ1104にオーバーレイする第2のワイヤ1106とを備えていることができる。第1および第2のワイヤは、次いで、第1のワイヤ1104が、それを通して第1のワイヤ1104が螺入される、形成点1103を中心としてループを形成しないように、かつ第2のワイヤ1106が、それを通して第2のワイヤ1106が螺入される、形成点1103を中心としてループ1108を形成するように、固有の対のワイヤから円筒形部分208および/または編組フィラメントメッシュ構造704の網状フィラメントメッシュ構造に織成および/または編組されることができる。
【0107】
ここで
図12を参照すると、プランジャ154が第1の位置にある、ハンドル134の実施形態の断面図が、示され、
図13を参照すると、プランジャ154が第2の位置にある、ハンドル134の実施形態の断面図が、示される。ハンドル134は、内部容積1202を画定する、筐体1200を含むことができる。プランジャシャフト1204は、内部容積1202の全部または一部を通して延びていることができ、内側シャフト200に接続することができ、内側シャフト200は、本明細書では、内側シャフト管腔1400とも称される、以前に参照された管腔1400を画定することができる。プランジャシャフト1204は、プランジャシャフト1204に取り付けられる、プランジャガイド1208で終端することができる。いくつかの実施形態では、
図12および13に見られるように、プランジャ154は、ハンドル134およびプランジャガイド1208の一部に係合し得る、プランジャばね1209によって、第1の位置に向かって付勢されることができる。したがって、プランジャばね1209は、プランジャ154が
図12に示されるような第1の位置にあるとき、あまり圧縮されず、プランジャばね1209は、プランジャ154が
図13に示されるような第2の位置にあるとき、より圧縮される。いくつかの実施形態では、第1の位置に向かう本付勢力は、血栓抽出デバイス202内に部分的拡張構成に向かう付勢力をもたらし得る。
【0108】
図13に示される丸で囲まれた部分「A」の拡大図である、
図14に見られるように、プランジャガイド1208は、近位停止部1210と遠位停止部1212との間に位置付けられることができ、近位停止部1210および遠位停止部1212の各々は、内側シャフト管腔1400を含む、内側シャフト200に取り付けられることができる。プランジャガイド1208は、本明細書では、応従性ばね1214とも称される、ステント応従性ばね1214を介して、近位停止部1210に動的に接続されることができる。いくつかの実施形態では、プランジャガイド1208および近位停止部1210を接続するための応従性ばね1214の使用は、自己拡張式除心要素206に印加される圧縮力に従って、自己拡張式除心要素206の直径における変化を可能にすることができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、例えば、リング特徴700および停止部702の相互作用を介して、自己拡張式除心要素206に印加される半径方向圧縮力は、自己拡張式除心要素206から、リング特徴700および停止部702を介して、応従性ばね1214に伝達されることができる。圧縮力がばね力を上回る、実施形態では、応従性ばね1214は、圧縮されることができ、内側シャフト200は、中間シャフト140に対して遠位に前進し、それによって、圧縮力がばね力と等しくなるまで、自己拡張式除心要素206の直径を低減させることができる。応従性ばね1214を介して達成される本応従性は、血管の壁、静脈、または静脈血管上への自己拡張式除心要素206の所望の接触を維持しながら、非一定直径の動脈または静脈血管であり得る、血管内における血栓抽出カテーテル104の使用を可能にする。いくつかの実施形態では、本応従性は、脈管が、約1~30mm、2~25mm、5~20mm、および/または任意の他のもしくは中間直径の直径を有するとき、自己拡張式除心要素206によって脈管壁に印加される一定外向き力をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、本一定外向き力は、本外向き力が所定の範囲内にあるという点において、一定であることができる。いくつかの実施形態では、例えば、外向き力は、自己拡張式除心要素206の直径が約20mmであるとき、約5Nであることができ、外向き力は、自己拡張式除心要素206の直径が約5mmであるとき、約20Nであることができる。したがって、いくつかの実施形態では、プランジャ154および応従性ばね1214を含み得る、係止機構は、ステントがその脈管壁によって圧縮されると、所望の半径方向力を血管壁上に維持するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、本所望の力は、自己拡張式除心要素206が完全拡張時、血栓の全部もしくは一部を除心し、および/または脈管壁から分離するための脈管壁上の十分な半径方向力であることができる。
【0110】
ここで
図15および16を参照すると、閉塞具120の実施形態の側面図が、示される。図から分かるように、閉塞具120は、近位端122と、遠位端124と、細長いシャフト126とを含む。さらに図から分かるように、閉塞具120は、閉塞具120の遠位端124から近位に延びている、捕捉シース1500を含むことができる。
【0111】
閉塞具120はさらに、閉塞具120の遠位端124に位置する非外傷性先端1502等の先端を備えていることができる。いくつかの実施形態では、非外傷性先端1502は、放射線不透過性であることができる。閉塞具120はさらに、捕捉シース1500の近位端1506に位置し得る、接続継手1504を含むことができる。いくつかの実施形態では、接続継手1504は、導入器シース102の細長いシース106の遠位端110とシール接続するように構成されることができる。
【0112】
閉塞具120はさらに、閉塞具120の近位端122に位置する停止部分1508を含むことができる。いくつかの実施形態では、停止部分1508は、停止部分1508が細長い部材106の管腔1701および/または密閉された開口112の中に進入しないよう防止するように、導入器シース102の細長い部材106の管腔1701より大きい、および/または導入器シース102の近位端108に位置する密閉された開口112の直径より大きい直径を有することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、細長いシャフト126は、一定サイズおよび/または直径を備えていることができ、いくつかの実施形態では、細長いシャフト126は、複数のサイズおよび/または直径を備えていることができる。例えば、
図15に示される細長いシャフト126の直径1510は、細長いシャフト126の長さに沿って一定である。対照的に、
図16に示される細長いシャフト126は、少なくとも、細長いシャフト126の1つまたはいくつかの第1の部分1513に沿った第1の直径1512と、細長いシャフト126の1つまたはいくつかの第2の部分1515に沿った第2の直径1514とを有する。
【0114】
いくつかの実施形態では、細長いシャフトの1つまたはいくつかの第2の部分1515は、閉塞具120が導入器シース102の細長い部材106内に受け取られ、接続継手1504が細長いシース106の遠位端110と密閉するように位置付けられるとき、1つまたはいくつかの第2の部分1515が密閉された開口112を通して延びているように、細長いシャフト126の長さに沿って位置することができる。そのような実施形態では、第2の直径1514は、1つまたはいくつかの第2の部分が、密閉された開口112および/またはシール密閉された開口112内のシールに接触する、および/またはそれを拡張させないように選択されることができる。閉塞具120のそのような実施形態は、1つまたはいくつかの第2の部分が密閉された開口112を通して延びているとき、密閉された開口112のシールを拡張させないため、導入器シース102は、そのような閉塞具120が細長い部材106の管腔1701を通して延在して事前に位置付けられた状態で保管、パッケージ化、および/または販売されることができる。
【0115】
ここで
図17を参照すると、捕捉シース1500の一実施形態の詳細な断面図が、示される。図から分かるように、捕捉シース1500は、非外傷性先端1502を含み、閉塞具120の細長いシャフト126に接続され、細長いシャフト126は、細長い部材106の管腔1701を通して延びている。さらに図から分かるように、管腔1700は、非外傷性先端1502および細長いシャフト126を通して延び、管腔1700は、ガイドワイヤを受け取るように構成されることができる。
【0116】
その捕捉シース1500は、非外傷性先端1502から捕捉シース1500の近位端1506まで遠位に延びている、捕捉シェル1702を含む。捕捉シェル1702は、接続継手1504で終端する。捕捉シェル1702は、捕捉シェル1702を通して延びている細長いシャフト126の部分の直径1706を上回る、内径1704を有する。捕捉シェル1500のより大きい内径1704に起因して、受容空間が、捕捉シェル1702と捕捉シェル1702を通して延びている細長いシャフト126の部分との間に作成される。いくつかの実施形態では、本受容空間は、自己拡張式漏斗1708を拘束された構成で受容および/または保持するようにサイズを決定および成形されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗1708は、自己拡張式漏斗1708が拘束された構成にあるとき、捕捉シェル1702の内径1704に合致する直径を有することができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗の本直径は、細長い部材106の直径1716未満またはそれと等しくあることができる。
【0117】
自己拡張式漏斗1708は、種々の形状と、サイズとを備えていることができ、種々の材料から作製されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗1708は、完全拡張における自己拡張された除心要素206の直径を上回るおよび/またはそれと等しい最大直径を有することができ、いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗1708は、細長い部材106の直径1716および/または細長い部材106の管腔1701の直径と等しい最小直径を有することができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗1708は、自己拡張式除心要素206が自己拡張式漏斗1708内に受け取られ、含まれ得るように、自己拡張式除心要素206の長さを上回るおよび/またはそれと等しい長さを有することができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗1708は、円錐形形状部分、具体的には、切頭円錐形形状部分を有することができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗は、城郭風ニチノール編組、ニチノール編組ステント、レーザ切断ニチノール、レーザ切断ポリマー管、射出成形されたポリマー構造、または膨張可能バルーンのうちの少なくとも1つから形成されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗1708は、メッシュの細孔を通して危険な血栓の通過を防止するために十分に小さい細孔サイズを有する、メッシュを備えていることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗1708は、血液に対して浸透性であることができる。
【0119】
ここで
図18から20を参照すると、異なる構成における導入器シース102の実施形態の側面図が、示される。
図18では、導入器シース102は、非展開構成に示され、
図19では、導入器シース102は、部分的に展開された構成に示され、
図20では、導入器シース102は、完全に展開および/または展開された構成に示される。
【0120】
具体的には、
図18に見られるように、閉塞具120は、細長い部材106の管腔1701を通して延び、自己拡張式漏斗1708は、捕捉シース1500内で拘束された構成に含まれる。
図19では、閉塞具120は、遠位に前進させられ、それによって、自己拡張式漏斗1708を拘束された構成から解放し、および/または自己拡張式漏斗1708を展開している。いくつかの実施形態では、閉塞具120の長さ、具体的には、捕捉シース1500の近位端と停止部分1508との間の細長いシャフトの長さは、閉塞具120のさらなる遠位移動が停止部分1508と密閉された開口112の衝突によって防止される前に、捕捉シース1500からの自己拡張式漏斗1708の展開を可能にするために十分である。
【0121】
自己拡張式漏斗1708が展開された後、閉塞具120は、細長い部材106の管腔1701および密閉された開口112を通して近位に後退させられることができ、導入器シース102から除去されることができる。閉塞具120が導入器シース102から除去された後、導入器シースは、
図20に示されるように、完全に展開された構成にある。
【0122】
いくつかの実施形態では、
図21に見られるように、導入器シース102は、細長い部材106の遠位端110に位置する、またはそれに近接する、膨張可能バルーン2100を含むことができる。いくつかの実施形態では、バルーン2100は、血栓抽出デバイス202を受け取るようにサイズを決定および成形され得る、具体的には、自己拡張式除心要素206の長さを上回るまたはそれと等しい長さを有し得る、円錐形形状の内部部分2102を備えていることができる。
【0123】
ここで
図22を参照すると、血栓2200にアクセスするための導入技法が、示される。描写されるように、血栓2200は、血管内に位置し、膝窩アクセス部位等のアクセス部位2260を通してアクセスされることができる。導入器シース102は、膝窩アクセス部位2260から、自己拡張式漏斗1708が、展開され得、血栓2200に近接し得る、展開位置2262に延びていることができる。TED202は、血流方向に塊2200を通して通過されることができ、TED202は、血流と反対方向に塊2200を通して後退させられることができる。塊2200を通したTED202の後退は、自己拡張式除心要素206を用いた塊の除心および拡張可能円筒形208内への塊の捕捉をもたらすことができる。
【0124】
いくつかのそのような実施形態では、TED202の全部または一部は、
図23に描写されるように、腸骨静脈および/または下大静脈のうちの1つの中に延びていることができる。さらに、TED202が心臓に対して近位位置から心臓に対して遠位位置に後退させられるにつれて、血管2202の直径は、TED202がアクセス部位2260に向かって後退させられるため、減少するであろう。これは、TED202上、具体的には、自己拡張式除心要素206上への増加した圧縮力をもたらすことができる。これらの圧縮力は、リング特徴700および停止部702を介して、応従性ばね1214に伝達されることができる。応従性ばね1214の伸展または圧縮を介して、TED202、具体的には、除心要素206の直径は、血管の直径に合致するように変化することができ、所望の半径方向力および/または力レベルが、維持されることができる。
【0125】
図23-Aから23-H、
図24-Aおよび24-B、および
図25-Aから25-Hは、血栓抽出システム100を使用して、血栓を患者の身体から、具体的には、患者の体内の静脈血管であり得る、血管から除去するためのプロセスを描写する。これは、血管への直接アクセスまたは1つもしくはいくつかの他の血管を介した血管への間接アクセスを提供し得る、1つまたはいくつかの経皮的アクセス部位を介して、血管にアクセスするステップと、導入器シースを血栓に近接する位置まで前進させるステップと、導入器シースの自己拡張式漏斗を展開するステップと、血栓抽出カテーテル104の遠位端132を血栓に近接する位置まで前進させるステップと、血栓抽出デバイス202を展開するステップと、血栓抽出デバイス202を血栓を通して後退させることによって、血栓を血栓抽出デバイス202内に捕捉するステップと、血栓抽出デバイス202を圧潰させるステップと、血栓抽出デバイス202および捕捉された血栓を導入器シース102および患者の身体から除去するステップとを含む。いくつかの実施形態では、これらの1つまたはいくつかのアクセス部位は、例えば、膝窩アクセス部位、大腿アクセス部位、および/または内頸アクセス部位を含むことができる。いくつかの実施形態では、血栓溶解剤が、血栓の除去または抽出の前、間、もしくは後に、血管の中に注入される、および/またはそこから吸引されることができる。本血栓溶解剤は、例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)または他の塊溶解剤を備えていることができる。
【0126】
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、デバイスおよび/または送達システムは、血栓の除去またはデバイスに隣接する組織の治癒もしくは両方の促進の目的のために、処置部位において、エネルギーをデバイスおよびデバイスを囲繞する血栓または組織に送達するように適合され得る。いくつかの実施形態では、エネルギーは、デバイスがエネルギーによって加熱されたまたは作動されるように、患者の血管系の処置のために、送達システムを通してデバイスに送達され得る。送達され得る、エネルギーの実施例として、限定ではないが、光エネルギー、熱エネルギー、振動エネルギー、電磁エネルギー、高周波エネルギー、および超音波エネルギーが挙げられる。いくつかの実施形態に関して、デバイスに送達されるエネルギーは、脈管壁からの血栓の分離を助長するために、および/または患者の血管系の処置、そのようなデバイスに隣接して配置される組織の治癒、もしくはそれらの組み合わせのために、患者の組織に化学または生物剤の放出をトリガし得る。
【0127】
図22-Aから22-H、
図24-Aおよび24-B、ならびに
図25-Aから25-Hに示される血栓抽出システム100を使用するためのプロセスが、血流方向を用いて、または血流方向に対抗して行われることができる。したがって、いくつかの実施形態では、
図22-Aから22-H、
図24-Aおよび24-B、ならびに
図25-Aから25-Hにおける血流方向は、左から右または右から左であることができる。
【0128】
ここで
図23-Aから23-Hを参照すると、血栓抽出デバイス202を静脈血管等の血管内で拡張させるためのプロセスが、示される。血栓抽出デバイス202を脈管内で拡張させるプロセスは、血栓抽出システム100の全部または一部を使用して行われることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202を脈管内で拡張させるためのプロセスは、蛍光透視法、血管造影、および/または超音波監視等の監視技法と関連して行われることができる。いくつかの実施形態では、監視技法は、導入器シース102および/または血栓抽出カテーテル104上に位置する1つまたはいくつかの放射線不透過性マーカの観察を介して、脈管内のTED202の展開を監視するために使用されることができる。
【0129】
プロセスは、
図23-Aから開始し、血栓2200が、静脈血管等の血管2202内で識別される。いくつかの実施形態では、血栓2200は、患者の身体の末梢血管系内に位置し得る。本明細書では、塊2200とも称される、血栓2200は、近位端2204と、遠位端2206とを備え得る。いくつかの実施形態では、血管2202の識別はさらに、血管2202内の血栓2200が血栓抽出に好適であるかどうかの決定を含むことができる。いくつかの実施形態では、血管2202が少なくとも5ミリメートルの直径を有するとき、血管2202内の血栓2200は、抽出に好適であることができる。いくつかの実施形態では、血管2202内の血栓2200は、血管2202が少なくとも5ミリメートルの直径を有し、大腿静脈、腸骨静脈、膝窩静脈、後脛骨静脈、前脛骨静脈、または腓骨静脈のうちの少なくとも1つであるとき、抽出に好適であることができる。
【0130】
血栓が識別された後、プロセスは、
図23-Bに示されるステップに進み、そこで、導入器シース102が、導入器シース102および/または閉塞具120の遠位端110が、血栓2200に近接する、特に、血栓2200の近位の位置において血栓2200に近接するように、血管内の血流方向を用いて、またはそれに対抗してのいずれかにおいて前進させられる。いくつかの実施形態では、これは、導入器シース102を提供し、前述の参照されたアクセス部位のうちの1つであり得る、アクセス部位2208を介して、患者の循環系、具体的には、患者の血管または静脈血管に経皮的にアクセスするステップを含むことができる。
【0131】
導入器シース102が所望の位置まで前進させられた後、自己拡張式漏斗1708が、
図23-Cに描写されるように、拘束された構成から拡張された構成に展開および/または抜出されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗1708は、漏斗1708が捕捉シース1500によってもはや拘束されなくなるまで、細長い部材106に対する閉塞具120の相対的遠位移動によって展開されることができ、次いで、閉塞具120は、閉塞具120が導入器シース102から除去されるまで、細長い部材106の管腔1701を通して近位に後退させられることができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、細長い部材に対する閉塞具120の相対的遠位移動は、停止部1508が密閉された開口112に接触するまで、および/または、例えば、閉塞具120の先端1502および細長い部材106の遠位端110に位置する放射線不透過性マーカであり得る、蛍光透視監視であり得る、監視が、自己拡張式漏斗1708が展開され、および/または捕捉シース1500によってもはや拘束されないことを示すまで、閉塞具120の位置を血管2202に対して固定し、細長い部材106を閉塞具120にわたって近位に後退させ、自己拡張式漏斗1708を抜出させるステップを含むことができる。代替として、いくつかの実施形態では、細長い部材に対する閉塞具120の相対的遠位移動は、停止部1508が密閉された開口112に接触するまで、および/または、例えば、閉塞具120の先端1502および細長い部材106の遠位端110に位置する放射線不透過性マーカの蛍光透視監視であり得る、監視が自己拡張式漏斗1708が展開され、および/または捕捉シース1500によってもはや拘束されないことを示すまで、細長い部材106の位置を血管2202に対して固定し、閉塞具120を遠位に前進させ、自己拡張式漏斗1708を抜出させるステップを含むことができる。
【0133】
自己拡張式漏斗1708が展開された後、外側シャフト138等の血栓抽出カテーテル104の一部は、
図23-Dに描写されるように、密閉された開口112を介して、導入器シース102の管腔1701の中に挿入されることができる。いくつかの実施形態では、これは、血栓抽出デバイス202を備えている、血栓抽出カテーテル104を提供するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202は、外側シャフト138内に拘束されることができ、外側シャフト138とともに、密閉された開口112を介して、細長い部材106の管腔の中に挿入されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出カテーテル104の外側シャフト138は、密閉された開口112が、外側シャフト138の周囲を密閉し、かつそれに密閉するように、密閉された開口112のシールを拡張させるような直径を有することができる。
【0134】
外側シャフト138が導入器シース102の管腔1701の中に挿入された後、血栓抽出カテーテル104の一部は、
図23-Eに描写されるように、導入器シース102を介して、血管2202の中に挿入されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出カテーテル104の遠位端132は、血栓2200に近接する位置まで、および/または血栓2200の近位の位置まで前進させられることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出カテーテル104の挿入および/または前進は、監視されることができ、具体的には、蛍光透視的に監視されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出カテーテル104の放射線不透過性マーカ222を含む、1つまたはいくつかの放射線不透過性マーカの位置は、監視されることができる。
【0135】
血栓抽出カテーテル104の一部が血管2202の中に挿入された後、血栓抽出カテーテル104の一部は、
図23-Fに描写されるように、塊2200を通して遠位に前進させられることができる。いくつかの実施形態では、塊2200を通した本遠位前進は、血流方向を用いて、またはそれに対抗してのいずれかであることができる。いくつかの実施形態では、塊2000を通して遠位に前進させられる、血栓抽出カテーテル104の一部は、血栓抽出デバイス202を含有および/または拘束することができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出カテーテル104の一部を塊を通して遠位に前進させるステップは、蛍光透視的に監視され得、内側シャフト200の遠位端218に位置し得る、放射線不透過性マーカ222が、血栓2200および/または血栓2200の一部を遠位に過ぎるまで、血栓抽出カテーテル104の一部を前進させるステップを含むことができる。
【0136】
血栓抽出カテーテル104の一部が、塊2200を通して遠位に前進させられた後、血栓抽出デバイス202は、
図23-Gに描写されるように、展開されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202は、血栓抽出デバイス202を外側シャフト138の遠位端204を越えて前進させること、または血栓抽出デバイス202が外側シャフト138の遠位端204を越えるまで、外側シャフト138を血栓抽出デバイス202に対して後退させることのいずれかによって、展開されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスは、血栓抽出デバイス202が血栓2200を遠位に過ぎる、および/または血栓2200の所望の部分を遠位に過ぎるように展開されることができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスは、中間シャフト140を外側シャフト138に対して遠位に前進させることによって、外側シャフト138の遠位端204を越えて前進させられる。いくつかの実施形態では、中間シャフト140は、係止特徴146が噛合特徴148に接触するまで、遠位に前進させられることができ、係止特徴146は、噛合特徴148に噛合および/または固定され、中間シャフト140の相対的位置を外側シャフト138に対して固定することができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202の展開は、監視されることができ、具体的には、血栓抽出デバイス202の展開は、例えば、外側シース138の遠位端204および中間シース140の遠位端212の一方または両方に位置する放射線不透過性マーカ222および放射線不透過性マーカを介して、蛍光透視的に監視されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202の展開、具体的には、外側シャフト138の遠位端204を越えた血栓抽出デバイス202の前進または血栓抽出デバイス202に対する外側シャフト138の後退は、血栓抽出デバイス202上に位置する放射線不透過性マーカ222(第2の放射線不透過性マーカ)に対する放射線不透過性マーカ(第1の放射線不透過性マーカ)を備えている、外側シース138の遠位端204の位置に基づいて中止されることができる。
【0139】
血栓抽出デバイス202が展開された後、血栓抽出デバイス202は、
図23-Hに示されるように、完全に拡張されることができる。いくつかの実施形態では、これは、血栓抽出デバイス202が血管2202の壁2220に係合するように、血栓抽出デバイス202の完全拡張を可能にするステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202は、プランジャ154を第1の位置から第2の位置に移動させ、プランジャ154を第2の位置に固定し、それによって、内側シャフト200の相対的位置を中間シャフト140に対して固定することによって、完全に拡張されることができる。いくつかの実施形態では、第1の位置から第2の位置へのプランジャ154の移動は、内側シャフト200を中間シャフト140に対して近位に後退させ、それによって、血栓抽出デバイス202の拡張可能円筒形部分208を完全に拡張させる。中間シャフト140に対する内側シャフト200の近位後退はさらに、停止部702をリング特徴700と係合させ、それによって、自己拡張式除心要素206を完全に拡張させることができる。いくつかの実施形態では、第2の位置におけるプランジャ154の固定は、停止部702とリング特徴700の係合を介して、自己拡張式除心要素206および血栓抽出デバイス202を完全拡張に固定することができる。
【0140】
ここで
図24-Aおよび24-Bを参照すると、
図23-Gおよび23-Hに示されるステップの代替実施形態が、示される。いくつかの実施形態では、これらの代替実施形態は、血栓2200を含む血管2202の直径が血栓2200を遠位に越えて所望のレベルを下回って減少するときに行われることができる。いくつかの実施形態では、例えば、心臓からの距離が増加するにつれて、血管2202の直径は、減少し得る。いくつかの実施形態では、本直径は、血栓抽出デバイス202の使用がもはや不可能であり得る点まで減少し得る。
【0141】
そのような実施形態では、本明細書では、膝窩シース2300とも称される、延長シース2300が、延長シース2300の少なくとも一部が患者から延びているように、血管2202の中に血管2202の壁2220を通して経皮的に挿入されることができる。いくつかの実施形態では、延長シース2300は、血管直径が、例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、10mm、または任意の他のもしくは中間値を下回って等、所望の値を下回って減少する前の位置において血管2202の中に経皮的に挿入されることができる。いくつかの実施形態では、延長シース2300は、例えば、膝窩アクセス部位等のアクセス部位を介して、血管2202の中に挿入されることができる。
【0142】
血栓抽出デバイス202は、
図24-Aに描写されるように、展開されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202は、血栓抽出デバイス202を外側シャフト138の遠位端204を越えて延長シース2300の中に前進させる、または血栓抽出デバイス202を含む外側シャフト138を延長シースの中に前進させ、次いで、血栓抽出デバイス202が外側シャフト138の遠位端204を越えるまで、外側シャフト138を血栓抽出デバイス202に対して後退させることのいずれかによって、展開されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスは、血栓抽出デバイス202が血栓2200を遠位に過ぎる、および/または血栓2200の所望の部分を遠位に過ぎるように展開されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスの全部または一部は、延長シース2300内に含まれることができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、血栓抽出カテーテル104の外側シャフト138は、第1の部品および第2の部品に分離可能であることができる。いくつかの実施形態では、本分離は、例えば、第1および第2の部品の分離を可能にするように構成される任意の特徴を備え得る、分離点において生じることができる。これらの特徴は、外側シャフト138内の部分的深度細隙もしくは刻目、外側シャフト138内の重複摩擦嵌合、または同等物を含むことができる。いくつかの実施形態では、分離可能外側シャフト138は、延長シース2300の代わりに使用されることができる。そのような実施形態では、外側シャフト138は、分離可能部分が血管2202の内側からアクセスポイントにおける患者の身体の外側まで延びているように、アクセス部位を介して、血管2202から退出することができる。そのような実施形態では、外側シース138の分離部分は、延長シース2300としての役割を果たすことができ、血栓抽出デバイス202が後退させられるとき、アクセスポイント内に留まることができる。したがって、血栓抽出デバイス202は、外側シース138の分離部分の位置を固定し、血栓抽出デバイス202を外側シース138のその分離部分から後退させることによって、展開されることができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイスは、中間シャフト140を外側シャフト138に対して遠位に前進させることによって、外側シャフト138の遠位端204を越えて前進させられることができる。いくつかの実施形態では、中間シャフト140は、係止特徴146が噛合特徴148に接触するまで、遠位に前進させられることができる。いくつかの実施形態では、係止特徴146は、噛合特徴148に噛合および/または固定され、中間シャフト140の相対的位置を外側シャフト138に対して固定することができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202の展開は、蛍光透視的に監視されることができ、具体的には、血栓抽出デバイス202の展開は、例えば、外側シース138の遠位端204および中間シース140の遠位端212の一方または両方に位置する放射線不透過性マーカ222および放射線不透過性マーカを介して、蛍光透視的に監視されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202の展開、具体的には、外側シャフト138の遠位端204を越えた血栓抽出デバイス202の前進または血栓抽出デバイス202に対する外側シャフト138の後退は、血栓抽出デバイス202上に位置する放射線不透過性マーカ222(第2の放射線不透過性マーカ)に対する放射線不透過性マーカ(第1の放射線不透過性マーカ)を備えている、外側シース138の遠位端204の位置に基づいて、中止されることができる。
【0146】
血栓抽出デバイス202が展開された後、血栓抽出デバイス202は、
図24-Bに示されるように、完全に拡張されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202は、血栓抽出デバイス202の全部または一部が延長シース2300内に含まれたまま、完全に拡張されることができる。そのような実施形態では、延長シース2300内に含まれる血栓抽出デバイス202の部分は、延長シース2300によって完全拡張に到達しないように防止されることができる。そのような実施形態では、血栓抽出デバイス202は、血栓抽出デバイスが延長シース2300から近位に後退させられるにつれて、完全拡張に到達することができる。
【0147】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202の完全拡張は、血栓抽出デバイス202が血管2202の壁2220に係合するように、血栓抽出デバイス202の拡張を可能にするステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202はプランジャ154を第1の位置から第2の位置に移動し、プランジャ154を第2の位置に固定し、それによって、内側シャフト200の相対的位置を中間シャフト140に対して固定することによって、完全に拡張されることができる。第1の位置から第2の位置へのプランジャ154の移動は、内側シャフト200を中間シャフト140に対して近位に後退させ、それによって、血栓抽出デバイス202の拡張可能円筒形部分208を拡張させることができる。いくつかの実施形態では、中間シャフト140に対する内側シャフト200の近位後退はさらに、停止部702をリング特徴700と係合させ、それによって、自己拡張式除心要素206を完全に拡張させることができる。いくつかの実施形態では、第2の位置におけるプランジャ154の固定は、停止部702とリング特徴700の係合を介して、自己拡張式除心要素206および血栓抽出デバイス202を完全拡張に固定することができる。
【0148】
TED202が延長シース2300内に全てまたは全体的に含まれる、いくつかのそのような実施形態では、TED202は、自己拡張式除心要素206が延長シース2300の外側に来るまで、後退させられることができ、その時点で、内側シャフト200は、拡張可能円筒形部分208の遠位端217から分断されることができ、プランジャ154は、第1の位置から第2の位置に移動され、自己拡張式除心要素206を完全に拡張させることができる。TED202は、次いで、さらに後退させられることができ、拡張可能円筒形部分208は、拡張可能円筒形部分208が、延長シース2300から完全に退出し、拡張可能円筒形部分208の遠位端217が内側シャフト140に再結合された状態で、完全拡張状態になるまで、拡張可能円筒形部分208が延長シース2300から退出するにつれて、拡張可能円筒形部分208の遠位端217と内側シャフト200を徐々に再結合することによって、拡張されることができる。代替として、いくつかの実施形態では、拡張可能円筒形部分208の遠位端217は、拡張可能円筒形部分208が延長シース2300から完全に退出するまで、内側シャフト140内で分散されたままであることができる。いったん拡張可能円筒形部分208が延長シース2300から完全に退出すると、拡張可能円筒形部分208の遠位端217は、シャフト200の内側に再結合されることができ、拡張可能円筒形部分208は、完全拡張に拡張されることができる。
【0149】
ここで
図25-Aから25-Hを参照すると、拡張された血栓抽出デバイス202を用いた血栓2200の除去のためのプロセスが、示される。いくつかの実施形態では、血栓2200は、血栓2200を通した血栓抽出デバイス202の近位後退を介した血栓抽出デバイス202内への血栓の捕捉を介して、除去されることができ、血栓抽出デバイス202の近位後退は、例えば、血管2202を通した血流方向にある、または脈管2202を通した血流方向に対抗することができる。いくつかの実施形態では、血栓2200を通した血栓抽出デバイス202の近位後退は、血栓2200の近位端2204の捕捉前に、血栓2200の遠位端2206の捕捉をもたらすことができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202の近位後退は、例えば、自己拡張式除心要素206および/またはステント部分による、血管2202の壁2220からの血栓2200の少なくとも一部の分離および/または除心と、拡張可能円筒形部分208内への血栓2200のその分離された部分の捕捉とをもたらすことができる。いくつかの実施形態では、拡張可能円筒形部分208は、例えば、網状フィラメントメッシュ構造であり得る、編組フィラメントメッシュ構造から形成されることができる。いくつかの実施形態では、血栓の一部は、自己拡張式除心要素206の口414を介して、および/または自己拡張式除心要素206の細隙404のうちの1つもしくはいくつかを介して、拡張可能円筒形部分208に進入することによって、拡張可能円筒形部分208内に捕捉されることができる。
【0151】
図25-Aに見られるように、血栓2200の遠位端2206は、血栓抽出デバイス202の近位後退を介して、自己拡張式除心要素206によって、血管2202の壁2220から分離および/または除心される。
図25-Bに見られるように、血栓2200の遠位端2206は、血栓2200を通した血栓抽出デバイスの継続近位後退によって、血栓抽出デバイスの拡張可能円筒形部分208内に捕捉される。血栓抽出デバイス202の継続近位後退による血栓2200のさらなる部分の分離および捕捉ならびに/または除心および捕捉は、
図25-C、25-D、および25-Eに示される。
図25-Eに見られるように、血栓2200の近位端2204は、血栓抽出デバイス202が自己拡張式漏斗1708に向かって近位に後退させられるにつれて、除心および捕捉される。
【0152】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202は、自己拡張式除心要素206の一部が、
図25-Fに見られるように、自己拡張式漏斗1708内に含まれるまで、具体的には、自己拡張式除心要素206の口414が、自己拡張式漏斗1708内に含まれるまで、近位に後退させられることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗1708内への口414の含有は、蛍光透視的に照合されることができる。いくつかの実施形態では、口414は、導入器シース102の細長い部材106の放射線不透過性マーカ2452を備えている、遠位端110に対する、放射線不透過性マーカ2450および/または放射線不透過性マーカ222を備えている、中間シャフト140の遠位端212の整合/相対的位置付けに基づいて、蛍光透視監視を介して、自己拡張式漏斗1708内に全体として含まれるように決定されることができる。
【0153】
自己拡張式除心要素206の一部が、自己拡張式漏斗1708内に含まれると、または具体的には、自己拡張式除心要素206の口414が、自己拡張式漏斗1708内に全体的に含まれると、プランジャ154は、第2の位置から係止解除されることができ、第2の位置から第1の位置に移動され、それによって、血栓抽出デバイス202を拡張された構成から非拡張構成に移動させることができる。いくつかの実施形態では、第2の位置からのプランジャ154の係止解除は、内側シャフト200を中間シャフト140に対して係止解除および/または分断することができ、第2の位置から第1の位置へのプランジャ154の移動は、内側シャフト200の遠位前進を中間シャフト140に対して生じさせることができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202は、血栓抽出デバイス202によって捕捉された血栓2200を圧縮するように、血栓抽出デバイス202を患者の身体から引き抜くステップに先立って、血栓抽出デバイス202を拡張された構成から非拡張構成に移動することによって圧潰されることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202による血栓2200の圧縮は、いくつかの実施形態では、複数の円周方向凹部1000のうちの1つまたはいくつかと血栓2200の係合を介して、血栓の位置を血栓抽出デバイス202内に固定することができる。
【0155】
血栓抽出デバイス202が圧潰された後、血栓抽出デバイス202は、
図25-Gに描写されるように、自己拡張式漏斗1708を通して細長い部材106の中に近位に後退させられることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出デバイス202の圧潰および/または自己拡張式漏斗1708および/または細長い部材の中への血栓抽出デバイス202の後退は、例えば、第1の複数の細孔904および/または第2の複数の細孔906の一部または全部を含む、血栓抽出デバイス202の拡張可能円筒形部分208の細孔を通した血栓2200の全部または一部の押出をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、血栓2200の全部または一部は、第1の複数の細孔904より大きくあり得る、第2の複数の細孔906の一部または全部を通して押し出されることができる。いくつかの実施形態では、第2の複数の細孔906内の細孔は、細孔を通して押し出された血栓2200の任意の血栓部分が殆どまたは全く臨床有意性を有しないほど十分に小さくなるように、十分に小さくサイズを決定されることができる。いくつかの実施形態では、これらの押し出された血栓2200の全部または一部は、自己拡張式漏斗1708によって捕捉されることができる。
【0156】
血栓抽出デバイス202は、
図25-Hに描写されるように、血栓抽出デバイス202および捕捉された血栓2200が、細長い部材106内に完全に含まれるまで、近位に後退させられ続けることができる。いくつかの実施形態では、シール拡張器170が、密閉された開口112および血栓抽出デバイス202の中に挿入されることができ、捕捉された血栓2200は、次いで、シール拡張器170内の密閉された開口112を介して、患者の身体および細長い部材106から抜去または除去されることができる。いくつかの実施形態では、自己拡張式漏斗1708によって捕捉された血栓は、次いで、細長い部材106の中に、具体的には、細長い部材106の管腔1701の中に誘導されるか、または自己拡張式漏斗1708によってさらに圧縮および/または破壊され、次いで、自己拡張式漏斗1708を通して、特に、自己拡張式漏斗1708のメッシュを通して通過することを可能にされるかのいずれかであることができる。いくつかの実施形態では、本血栓は、細長い部材106の管腔1701および吸引ポート114を通して吸引されることができる。いくつかの実施形態では、吸引ポート114を介した血栓の吸引は、吸引弁118の開放を含むことができる。自己拡張式漏斗1708によって捕捉された血栓が吸引された後、導入器シース102は、患者の身体から除去されることができる。
【0157】
ここで
図26-28を参照すると、血栓2200にアクセスするための導入技法が、示される。いくつかの実施形態では、これらの導入技法は、血栓までの経路内の脈管のより大きいサイズに起因して、より大きいサイズの導入器シース102の使用を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、本より大きいサイズの導入器シース102は、いくつかの実施形態では、導入器シース102の管腔1701のサイズが、導入器シース102のサイズが増加するにつれて増加し得るため、導入器シース102を通した血栓の除去を容易にすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、より大きいサイズの導入器シース102の使用は、より大きい血栓の除去を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、血栓抽出システム100の構成要素の長さ、特に、導入器シース102および血栓抽出カテーテル104の長さは、血栓にアクセスするための選択された技法に基づいて、および/または血栓の場所に基づいて、変動することができる。
【0158】
図26に見られるように、導入器シース102は、内頸アクセス部位2500を介して、患者の身体の中に挿入されることができる。導入器シース102は、内頸アクセス部位2500から、血栓2200の近位にあり得る、展開位置2502まで延びていることができる。導入器シース102が自己拡張式漏斗1708を備えている、実施形態では、自己拡張式漏斗1708は、展開位置2502において展開されることができる。
図26に示される実施形態では、導入器シースは、内頸アクセス部位2500から上大静脈および下大静脈を通して総腸骨静脈のうちの1つにおける展開位置2502まで延びていることができる。いくつかの実施形態では、展開位置2502は、例えば、腸骨静脈、大腿静脈、膝窩静脈のうちの1つである、下大静脈内に、腸骨弓の前もしくはそれ越えて、または血栓2200に近接する、および/またはその近位の任意の他の場所に位置することができる。いくつかの実施形態では、内頸アクセス部位2500の使用は、細長い部材106のより大きい直径を可能にすることができる。
【0159】
図27に見られるように、いくつかの実施形態では、内頸アクセス部位2500の使用は、膝窩アクセス部位2600において血管2202の中に挿入され得る、延長シース2300の使用と組み合わせられることができる。いくつかのそのような実施形態では、血栓抽出デバイスは、血栓2200を通して後退させられる前に、延長シース2300内に含まれたまま、全体的または部分的に、患者の身体から退出することができる。
【0160】
図28に見られるように、導入器シースは、いくつかの実施形態では、総腸骨静脈を介して、血栓を含む血管2202に接続されるアクセス部位の中へと患者の体内に挿入されることができる。
図28に示される具体的実施形態では、これは、大腿アクセス部位2700を介した患者の身体の中への挿入を介して達成されることができる。いくつかの実施形態では、総腸骨静脈を介した血管2202に接続されるアクセス部位の使用、具体的には、大腿アクセス部位2700の使用は、膝窩アクセス部位2600において血管2202の中に挿入され得る、延長シース2300の使用と組み合わせられることができる。いくつかのそのような実施形態では、血栓抽出デバイスは、血栓2200を通して後退させられる前に、延長シース2300内に含まれたまま、全体的または部分的に、患者の身体から退出することができる。
【0161】
他の変形例も、本発明の精神内にある。したがって、本発明は、種々の修正および代替構造を受けるが、そのある図示される実施形態が、図面に示され、詳細に上記に説明されている。しかしながら、本発明を開示される具体的形態または複数の形態に限定する意図はなく、対照的に、添付の請求項に定義されるような本発明の精神および範囲内にある全ての修正、代替構造、および均等物を網羅することを意図することを理解されたい。
【0162】
前述の説明では、本発明の種々の実施形態が、説明される。説明の目的のため、具体的構成および詳細が、実施形態の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、また、本発明は、具体的詳細を伴わずに実践され得ることが当業者に明白となるであろう。さらに、周知の特徴は、説明されている実施形態を曖昧にしないために、省略または簡略化され得る。
【0163】
本発明を説明する文脈(特に、以下の請求項の文脈)における用語「a」および「an」および「the」ならびに類似参照語の使用は、本明細書に別様に示されない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。用語「~を備えている」、「~を有する」、「~を含む」、および「~を含む」は、別様に注記されない限り、非限定的用語(すなわち、「~を含むが、限定ではない」を意味する)として解釈されるべきである。用語「接続される」は、何らかの介在が存在する場合でも、部分的または全体的に、その中に含まれる、それに取り付けられる、またはともに継合されるものとして解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、単に、本明細書に別様に示されない限り、範囲内に各分離値を個々に参照する単純方法としての役割を果たすことが意図され、各分離値は、本明細書に個々に列挙される場合と同様に本明細書に組み込まれる。本明細書に説明される全ての方法は、本明細書に別様に示されない限り、または文脈によって別様に明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で行われることができる。本明細書に提供される任意および全ての実施例または例示的言語(例えば、「等」)の使用は、単に、本発明の実施形態をより良好に明らかにすることを意図し、別様に主張されない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書のいずれの言語も、本発明の実践に不可欠なものとして任意の非主張要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0164】
本発明の好ましい実施形態は、本発明を実施するための本発明者らに公知の最良様態を含め、本明細書に説明される。それらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明の熟読に応じて、当業者に明白となり得る。本発明者らは、当業者が、必要に応じて、そのような変形例を採用することを予期し、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に説明されるもの以外で実践されることを意図する。故に、本発明は、適用法によって許可される限り、本明細書に添付の請求項に列挙される主題の全ての修正および均等物を含む。さらに、その全ての可能性として考えられる変形例における前述の要素の任意の組み合わせも、本明細書に別様に示されない限り、または文脈によって別様に明確に矛盾しない限り、本発明によって包含される。
【0165】
本明細書に引用される刊行物、特許出願、および特許を含む、全ての参考文献は、各参考文献が参照することによって組み込まれるように個々に具体的に示され、本明細書に全体として記載される場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【外国語明細書】