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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173565
(43)【公開日】2022-11-18
(54)【発明の名称】アキュムレータ及び冷凍サイクル
(51)【国際特許分類】
   F25B 43/00 20060101AFI20221111BHJP
【FI】
F25B43/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160990
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2018131502の分割
【原出願日】2018-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】武澤 英之
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 政和
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝史
(57)【要約】
【課題】気液分離の効率向上が可能なアキュムレータ及び冷凍サイクルを提供する。
【解決手段】冷媒を気液分離する内部空間を有した容器と、容器の貫通孔を通じて容器を上下方向に貫通するとともに気体冷媒を取り込む吸込口を内部空間の上部に有した直管部と、容器の外部に配置されて直管部の下端部から上方に向かって折り返すように形成された曲管部と、を有するU字管と、容器の内部に冷媒を噴射する噴射口を備えた入口管と、を備え、容器は、上下方向に延びる管状をなし、貫通孔は、容器の上端部と下端部とに形成され、直管部は、上端部の貫通孔及び下端部の貫通孔の周囲にそれぞれ固定され、U字管は、曲管部の下流側の最上部と、直管部の最上部とを連通させる均圧管を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を気液分離する内部空間を有した容器と、
前記容器の貫通孔を通じて前記容器を上下方向に貫通するとともに、気体冷媒を取り込む吸込口を前記内部空間の上部に有した直管部と、前記容器の外部に配置されて前記直管部の下端部から上方に向かって折り返すように形成された曲管部と、を有するU字管と、
前記容器の内部に冷媒を噴射する噴射口を備えた入口管と、
を備え、
前記容器は、上下方向に延びる管状をなし、
前記貫通孔は、前記容器の上端部と下端部とに形成され、
前記直管部は、前記上端部の前記貫通孔及び前記下端部の前記貫通孔の周囲にそれぞれ固定され、
前記U字管は、前記曲管部の下流側の最上部と、前記直管部の最上部とを連通させる均圧管を有しているアキュムレータ。
【請求項2】
前記直管部は、前記貫通孔の周囲に溶接部を介して固定されている
請求項1に記載のアキュムレータ。
【請求項3】
前記容器は、
円筒状をなす胴部と、
前記胴部の両端部を塞ぐ二つの鏡板部と、を備え、
前記貫通孔は、前記鏡板部に形成されている
請求項1又は2に記載のアキュムレータ。
【請求項4】
前記容器は、
上下方向に延びる軸線を有し、前記軸線を中心とした断面円形の内壁面を有した胴部を備え、
前記直管部は、前記軸線を中心とした円管状に形成されている請求項1又は2に記載のアキュムレータ。
【請求項5】
前記吸込口は、
上下方向から見て、前記噴射口の中心と前記直管部の中心とを通る第二仮想直線を挟んで前記噴射口から前記冷媒を噴射する方向に延びる第一仮想直線とは反対側に配置されている請求項1から4の何れか一項に記載のアキュムレータ。
【請求項6】
前記吸込口は、
上下方向で前記噴射口よりも上方に配置されている請求項1から5の何れか一項に記載のアキュムレータ。
【請求項7】
冷媒が流れる循環ラインと、
前記冷媒を気液分離する請求項1から6の何れか一項に記載のアキュムレータと、
前記アキュムレータによって分離された気体冷媒を圧縮するコンプレッサと、
前記循環ライン中に配置され、前記循環ラインを流れる前記冷媒と第一媒体とを熱交換させて、前記冷媒を相変化させる第一熱交換器と、
前記循環ライン中に配置され、前記循環ラインを流れる前記冷媒と第二媒体とを熱交換させて、前記冷媒を相変化させる第二熱交換器と、
前記第一熱交換器と前記第二熱交換器との間の前記循環ラインのうち、前記コンプレッサが配置されていない側の前記循環ラインに配置されている膨張弁と、
を備える冷凍サイクル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アキュムレータ及び冷凍サイクルに関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍装置は、コンプレッサに液冷媒が供給されないように、アキュムレータによって冷媒の気液分離を行っている場合が多い。
特許文献1には、冷凍装置のアキュムレータが記載されている。この特許文献1では、複数台のコンプレッサに対して一台のアキュムレータが設けられている。この特許文献1に記載のアキュムレータは、複数台のコンプレッサにそれぞれ接続されるU字管を備えている。これら複数のU字管は、一つの容器内に収容されている。この特許文献1のアキュムレータは、容器の上部に接続された入口管から冷媒が導入される。この入口管から導入された冷媒のうち、液冷媒は、その自重により下方に移動して容器の下部に溜まる。その一方で、気体冷媒は、容器内の上部に配置されたU字管の吸込口からU字管内の流路を介してアキュムレータから排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4442384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のアキュムレータのように、容器の上部に接続された入口管から冷媒が導入される場合、入口管から流入した気液混合状態の冷媒が容器の内壁面や、U字管を支持するブラケットに衝突することがある。このように冷媒が内壁面やブラケット等に衝突すると、その跳ね返り等により液冷媒が飛散してU字管の吸込口からU字管の内部に入ってしまい、そのままアキュムレータから液冷媒が排出されてしまう場合がある。
【0005】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、気液分離の効率向上が可能なアキュムレータ及び冷凍サイクルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために以下の構成を採用する。
この発明の一態様に係るアキュムレータは、冷媒を気液分離する内部空間を有した容器と、前記容器の貫通孔を通じて前記容器を上下方向に貫通するとともに、気体冷媒を取り込む吸込口を前記内部空間の上部に有した直管部と、前記容器の外部に配置されて前記直管部の下端部から上方に向かって折り返すように形成された曲管部と、を有するU字管と、前記容器の内部に冷媒を噴射する噴射口を備えた入口管と、を備え、前記容器は、上下方向に延びる管状をなし、前記貫通孔は、前記容器の上端部と下端部とに形成され、前記直管部は、前記上端部の前記貫通孔及び前記下端部の前記貫通孔の周囲にそれぞれ固定され、前記U字管は、前記曲管部の下流側の最上部と、前記直管部の最上部とを連通させる均圧管を有している。
【0007】
この発明の一態様に係る冷凍サイクルは、冷媒が流れる循環ラインと、冷媒を気液分離する上記アキュムレータと、コンプレッサと、第一熱交換器と、第二熱交換器と、膨張弁と、を備えている。コンプレッサは、前記アキュムレータによって分離された気体冷媒を圧縮する。第一熱交換器は、前記循環ライン中に配置され、前記循環ラインを流れる前記冷媒と第一媒体とを熱交換させて、前記冷媒を相変化させる。第二熱交換器は、前記循環ライン中に配置され、前記循環ラインを流れる前記冷媒と第二媒体とを熱交換させて、前記冷媒を相変化させる。前記第一熱交換器と前記第二熱交換器との間の循環ラインのうち、前記コンプレッサが配置されていない前記循環ラインに配置されている。
【発明の効果】
【0008】
上記アキュムレータ及び冷凍サイクルによれば、気液分離の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施形態における冷凍サイクルの概略構成を示す構成図である。
図2】この発明の実施形態におけるアキュムレータの概略構成を示す斜視図である。
図3】この発明の実施形態におけるアキュムレータ上部の縦断面図である。
図4】この発明の実施形態におけるアキュムレータの入口管付近の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、この発明の実施形態におけるアキュムレータ及び冷凍サイクルを図面に基づき説明する。
図1は、この発明の実施形態における冷凍サイクルの概略構成を示す構成図である。
図1に示すように、この実施形態の冷凍サイクル100は、循環ライン10と、アキュムレータ5と、コンプレッサ60と、第一熱交換器1と、第二熱交換器2と、膨張弁3と、四方切替弁4と、を備えている。この実施形態の冷凍サイクル100は、例えば、陸上輸送用の冷凍ユニット(陸上レフユニットともいう)に使用することができる。以下の説明では、通常時は、第一熱交換器1が凝縮器として機能し、第二熱交換器2が蒸発器として機能する場合について説明するが、四方切替弁4によって第一熱交換器1の機能と第二熱交換器の機能とを切り替えても良い。
【0011】
循環ライン10は、冷媒Rが循環する流路を形成する。この循環ライン10によって、アキュムレータ5と、コンプレッサ60と、第一熱交換器1と、膨張弁3と、第二熱交換器2と、四方切替弁4と、が接続されている。
【0012】
アキュムレータ5は、冷媒Rを一時的に溜めておき、液相の冷媒R(以下、単に液冷媒RLと称する)と気相の冷媒R(以下、単に気体冷媒RGと称する)とを分離する機能を有する。このアキュムレータ5は、冷媒入口5aから流入した気液混合状態の冷媒Rを気液分離して、冷媒出口5bから気体冷媒RGを吐出する。
【0013】
コンプレッサ60は、アキュムレータ5の冷媒出口5bから吐出された気体冷媒RGを圧縮する。コンプレッサ60は、吸入口65から流入した気体冷媒RGを圧縮して吐出口66から吐出する。このコンプレッサ60で圧縮された気体冷媒RGは、四方切替弁4の第一ポート4a及び第二ポート4bを介して第一熱交換器1に供給される。
【0014】
第一熱交換器1は、圧縮した気体冷媒RGと第一媒体M1とを熱交換させて、気体冷媒RGを相変化させる。より具体的には、第一熱交換器1は、通常時、凝縮器として機能するため、コンプレッサ60によって圧縮された気体冷媒RGと外気とを熱交換する。第一熱交換器1は、第一冷媒口1aから流入した気体冷媒RGから熱を奪って凝縮させて、凝縮した液冷媒RLを第二冷媒口1bから吐出する。
【0015】
膨張弁3は、液冷媒RLを断熱膨張させる。より具体的には、膨張弁3は、第一熱交換器1の第二冷媒口1bから吐出された液冷媒RLを断熱膨張させて第二熱交換器2に送り込む。
【0016】
第二熱交換器2は、断熱膨張させた液冷媒RL(冷媒R)と第二媒体M2とを熱交換させて、液冷媒RLを相変化させる。より具体的には、第二熱交換器2は、通常時、蒸発器として機能するため、膨張弁3によって断熱膨張された液冷媒RLと、室内等の冷却対象になる空気とを熱交換する。第二熱交換器2は、第一冷媒口2aから流入した液冷媒RLを加熱して蒸発させて、蒸発した気体冷媒RGと、未蒸発の液冷媒RLとの気液混合状態の冷媒Rを第二冷媒口2bから吐出する。第二熱交換器2から吐出された冷媒Rは、四方切替弁4の第四ポート4d及び第三ポート4cを介してアキュムレータ5に供給される。
【0017】
四方切替弁4は、四つのポートとして、第一ポート4aと第二ポート4bと第三ポート4cと第四ポート4dを有している。四方切替弁4は、各ポート間の連通状態を選択的に変えることが可能となっている。具体的には、この実施形態の四方切替弁4は、第一接続形態と第二接続形態との何れかを選択可能となっている。第一接続形態は、第一ポート4aと第二ポート4bとを連通させ、且つ、第三ポート4cと第四ポート4dとを連通させる。第二接続形態は、第二ポート4bと第三ポート4cとを連通させ、且つ第四ポート4dと第一ポート4aとを連通させる。つまり、四方切替弁4によれば、第一接続形態と第二接続形態とを切り替えることで、循環ライン10に流れる冷媒Rの向きを逆向きにすることが可能であり、その結果、第一熱交換器1の機能と、第二熱交換器2の機能と、を入れ替えることができる。
【0018】
図2は、この発明の実施形態におけるアキュムレータの概略構成を示す斜視図である。 図2に示すように、アキュムレータ5は、容器21と、U字管22と、入口管24と、を備えている。容器21は、蒸発器として機能する第一熱交換器1又は第二熱交換器2から供給される冷媒Rを気液分離する内部空間S1を有している。この実施形態で例示する容器21は、円筒状に形成された胴部21Aと、胴部21Aの両端部を塞ぐ二つの鏡板部21Bとを備えている。この容器21は、胴部21Aの軸線O1が上下方向(より具体的には、鉛直方向)に延びる姿勢で、例えば、コンプレッサ60に隣接して配置されている。なお、この実施形態では、鏡板部21Bが球面を有する場合を例示しているが、鏡板部21Bの形状は、この形状に限られない。
【0019】
U字管22は、気液分離された冷媒Rのうち、気体冷媒RGを排出するための流路を形成している。U字管22は、直管部26と曲管部27とを備えている。
直管部26は、内部空間S1の内部で上下方向に延びる断面円形の管状(言い換えれば、円管状)に形成されている。直管部26は、内部空間S1の気体冷媒RGを取り込む吸込口28を上部に有している。この実施形態における吸込口28は、上下方向に長い楕円状に形成されている。
【0020】
曲管部27は、直管部26の下端部から上方に向かって折り返すようにU字状に形成されている。曲管部27は、容器21の外部に配置され、直管部26が、容器21を上下に貫通している。直管部26の上部と下部とは、それぞれ容器21に支持されている。具体的には、直管部26上部と下部とは、それぞれ容器21の貫通孔の周囲にろう付け等による溶接部Mを介して固定されている。直管部26は、その中心軸が容器21の軸線O1と重なるように配置されている。なお、直管部26の上端は閉塞されている。
【0021】
図3は、この発明の実施形態におけるアキュムレータ上部の縦断面図である。図4は、この発明の実施形態におけるアキュムレータの入口管付近の水平断面図である。
図3図4に示すように、入口管24は、容器21の内部に冷媒Rを噴射する噴射口33を有している。この噴射口33は、吸込口28よりも下方に配置されている。言い換えれば、吸込口28は、噴射口33よりも上方に配置されている。この実施形態における入口管24は、円管状に形成されている。この実施形態における噴射口33は、胴部21Aの径方向で容器21の内壁面21iと同じ位置(言い換えれば、面一)に配置されている。
【0022】
図4に示すように、上下方向(言い換えれば、軸線O1の延びる方向)から見て噴射口33の中心から冷媒Rを噴射する方向に延びる直線を第一仮想直線IL1とする。さらに、噴射口33の中心と直管部26の中心(言い換えれば、軸線O1)とを通る直線を第二仮想直線IL2とする。すると、この入口管24における第一仮想直線IL1は、第二仮想直線IL2に対して傾斜している。なお、第一仮想直線IL1は、図4の断面視で、噴射口33の位置における容器21の接線の傾斜角度に近づくほど、噴射口33から噴射される冷媒Rを円滑に旋回させることが可能となる。
【0023】
この実施形態では、第一仮想直線IL1が、直管部26の外周面26oに接触しない位置を通っている場合を例示している。このように入口管24を配置することで、噴射口33から噴射された冷媒Rは、直管部26の外周面26oと容器21の内壁面21iとの間に形成された筒状の内部空間S1を、直管部26周りに旋回する旋回流となる。なお、噴射口33の直径は、旋回流に必要な流速が得られる程度の大きさを有していればよい。上述した実施形態では、入口管24の直径と噴射口33の直径とを同一にする場合を例示しているが、噴射口33の直径は、入口管24の直径よりも小さくても良い。
【0024】
吸込口28は、軸線O1方向から見て、第二仮想直線IL2を挟んで第一仮想直線IL1とは反対側に配置されている。この実施形態における吸込口28は、軸線O1方向からみて、第一仮想直線IL1と容器21の内壁面21iとの交点P1と、軸線O1とを通る第三仮想直線IL3上に配置されている。
【0025】
なお、図2に示すように、この実施形態におけるU字管22は、曲管部27の下流側の最上部と直管部26の最上部とを連通させる均圧管35を有している。この均圧管35は、U字管22よりも小径に形成されている。この均圧管35によって、冷凍サイクル100を停止した後も、容器21の内部空間S1とU字管22の出口との間に圧力差が生じないようになっている。
また、この実施形態における直管部26は、容器21内の最下部に油戻し孔36を有している。この油戻し孔36は、U字管22内に、容器21の下部に貯留された潤滑油を含む液冷媒RLを導入可能となっている。
【0026】
この実施形態では、直管部26が容器21を上下方向に貫通している。そのため、直管部26の上部と下部とが容器21によって支持される。そのため、U字管22を全て容器内に配置する場合に必要となるブラケットを省略できる。
そのため、U字管を支持するブラケットに冷媒Rが衝突して飛散することで、液冷媒RLが吸込口28に入り込むことを抑制できる。
【0027】
この実施形態では、更に、軸線O1方向から見て第一仮想直線IL1が、第二仮想直線IL2に対して傾斜している。そのため、噴射口33から噴射された冷媒Rが、直管部26周りに旋回する。この旋回による遠心力及び、気体冷媒RGと液冷媒RLとの密度差によって、液冷媒RLが気体冷媒RGよりも外側を旋回して容器21の内壁面21iに付着し、重力により容器21の内壁面21iを伝って下方へ流れ落ちる。
【0028】
この実施形態では、曲管部27が容器21の外部に配置され、直管部26のみが容器21の内部に配置される。そのため、冷媒Rの旋回する旋回中心が上下方向に延びる直線状になる。そのため、曲管部27が容器21の内部に配置されている場合と比較して、ブラケットや曲管部27によって冷媒Rの旋回が阻害されることを抑制できる。
したがって、気液分離の効率向上を図ることができる。
【0029】
この実施形態では、更に、容器21の胴部21Aが断面円形に形成されるとともに、直管部26も円管状に形成されている。これら胴部21Aの内壁面21iと直管部26の外周面26oとは、軸線O1を中心とした同心円上に配置される。そのため、旋回流の流れる直管部26周りの流路は、周方向で一定の流路幅となる。さらに、胴部21Aが断面円形に形成され、直管部26が円管状に形成されているため、流路中に角部等が形成されない。
したがって、冷媒Rを円滑に旋回させることが可能となり、気液分離の効率をより一層向上できる。
【0030】
この実施形態では、更に、吸込口28は、第二仮想直線IL2を挟んで第一仮想直線IL1とは反対側に配置されている。そのため、冷媒Rは、吸込口28の近傍で容器21や直管部26に衝突しない。冷媒Rが容器21の内壁面21iと衝突する場合には、冷媒Rの衝突する面と吸込口28とが対向して配置されない。そのため、噴射口33から噴射された冷媒Rが容器21の内壁面21iや直管部26の外周面26oに衝突して飛散したとしても、液冷媒RLが吸込口28から直管部26の内部に直接的に入り込むことを抑制できる。
【0031】
この実施形態では、更に、吸込口28が、軸線O1方向で噴射口33よりも上方に配置されている。そのため、噴射口33から噴射された冷媒Rが容器21の内壁面21iや直管部26の外周面26oに衝突して飛散したとしても重力により直ぐに下方へ向かうので、冷媒Rの衝突位置よりも上方に配置された吸込口28から直管部の内部に液冷媒が入り込むことを抑制できる。
【0032】
この実施形態の冷凍サイクル100は、上述した構成のアキュムレータ5を備えている。そのため、アキュムレータ5による冷媒Rの気液分離の効率向上が可能となる。したがって、アキュムレータ5を大型化することなくコンプレッサ60に液冷媒RLが供給されることを抑制し、冷凍サイクル100の信頼性を向上できる。
【0033】
(その他の変形例)
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、吸込口28が楕円に形成されている場合について説明した。しかし、吸込口28の形状は楕円に限られず、例えば、円形、長円形、矩形等、他の形状としても良い。
【0034】
上述した実施形態では、直管部26及び容器21の胴部21Aの軸線Oに垂直な断面形状が何れも円形の場合について説明した。しかし、直管部26及び胴部21Aの断面形状は円形に限られない。例えば、多角形状としても良い。
【0035】
上述した実施形態では、直管部26の中心軸が軸線O上に配置される場合について説明したが、この構成に限られない。
【0036】
上述した実施形態では、噴射口33は、胴部21Aの径方向で容器21の内壁面21iと同じ位置に配置されている場合を例示した。しかし、噴射口33は、容器21の内壁面21iよりも径方向内側に突出するように配置されていても良い。
【符号の説明】
【0037】
1…第一熱交換器 1a…第一冷媒口 1b…第二冷媒口 2…第二熱交換器 2a…第一冷媒口 2b…第二冷媒口 3…膨張弁 4…四方切替弁 4a…第一ポート 4b…第二ポート 4c…第三ポート 4d…第四ポート 5…アキュムレータ 5a…冷媒入口 5b…冷媒出口 10…循環ライン 21…容器 21A…胴部 21B…鏡板部 21i…内壁面 22…U字管 24…入口管 26…直管部 26o…外周面 27…曲管部 28…吸込口 33…噴射口 35…均圧管 36…油戻し孔 60…コンプレッサ 65…吸入口 66…吐出口 100…冷凍サイクル IL1…第一仮想直線 IL2…第二仮想直線 IL3…第三仮想直線
図1
図2
図3
図4