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  • 特開-システム、及び、方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173607
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】システム、及び、方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/015 20060101AFI20221115BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
G08G1/015 A
G08G1/01 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079409
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】720009479
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504143441
【氏名又は名称】国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
(72)【発明者】
【氏名】森山 由美子
(72)【発明者】
【氏名】近藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 誠
(72)【発明者】
【氏名】日月 伸也
(72)【発明者】
【氏名】武島 儀忠
(72)【発明者】
【氏名】大黒 智貴
(72)【発明者】
【氏名】安本 慶一
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 博彦
(72)【発明者】
【氏名】マイプラディト アルナン
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181EE07
5H181FF10
(57)【要約】
【課題】車両等の移動体の通過数、種別を取得するための学習モデルを作成するために必要な正解(ラベリング)データを迅速、低コストで作成し、作成した正解(ラベリング)データに基づいた学習モデルによって、移動体の数、種別の取得等を行うことを可能とすること。
【解決手段】システム1は、車両が撮影された映像データに基づいて、車両の種別、及び、車両の基準線の通過時間を取得し、取得した車両の種別、及び、車両の基準線の通過時間を含む正解データを作成する。システム1は、作成した正解データと、車両の振動データと、に基づいて、車両の種別、及び、車両の基準線の通過数を取得するための学習モデルを作成する。システム1は、作成した学習モデルと、振動データと、に基づいて、車両の種別、及び、車両が基準線を通過した数の少なくとも一方を取得する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が撮影された映像データに基づいて、前記移動体の種別、及び、前記移動体の基準位置の通過時間を取得し、取得した前記移動体の種別、及び、前記移動体の基準位置の通過時間を含む正解データを作成することを特徴とするシステム。
【請求項2】
作成した前記正解データと、移動体の測定データと、に基づいて、前記移動体の種別、及び、前記移動体の前記基準位置の通過数を取得するための学習モデルを作成することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
作成した前記学習モデルと、前記測定データと、に基づいて、前記移動体の種別、及び、前記移動体が前記基準位置を通過した数の少なくとも一方を取得することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記映像データを画像認識し、前記移動体の種別、及び、前記移動体の基準位置の通過時間を取得することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記移動体は、車両であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記移動体の種別は、車両の大小であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記移動体は、車両であり、
前記移動体である車両が撮影された映像データから、前記車両のナンバープレートを認識し、
認識した前記車両のナンバープレートに基づいて、前記移動体の種別として、前記車両の大小を取得することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記移動体の基準位置の通過時間として、前記移動体の前方が前記基準位置を通過した時間、前記移動体の中央が前記基準位置を通過した時間、前記移動体の後方が前記基準位置を通過した時間を取得することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記測定データは、振動データであることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
移動体が撮影された映像データに基づいて、前記移動体の種別、及び、前記移動体の基準位置の通過時間を取得し、取得した前記移動体の種別、及び、前記移動体の基準位置の通過時間を含む正解データを作成することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体の計数、種別の判別等を行うシステム、及び、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、振動センサーによって検出された振動データに基づいて、移動体(例えば、車両)の移動を検出し、検出した移動体の数を計数(カウント)するシステムに係る発明を出願している(特願2020-117429)。移動を検出した車両を、例えば、大型車、小型車等に分類(車種判別)する場合、予め、特徴量と特徴量に対応する正解データとを与え、特徴量から分類可能な状態にする必要がある。この場合、正解データとして、移動する車両を撮影し、撮影した映像から、いつ、どのような車種が通過したかを示すラベリングデータを作成する必要がある。しかしながら、人間によってラベリングデータの作成を行うと、作成に時間が必要となる。このため、例えば、同時に多くの地点の交通量調査(車種判別を含む)を実施する場合、調査の対応を迅速に行えなくなる。
【0003】
なお、特許文献1には、センサーにより測定した測定データと、測定データに対応する正解データ(教師データ)と、に基づいた機械学習を行い、学習モデルを作成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-026164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、車両のカウント、車種判別等のために、正解データとして、車種(大型、小型等)、車両の通過時間を含むラベリングデータが必要となるが、ラベリングデータを人間によって作成した場合、作成に時間が必要となり、また、人件費(コスト)も必要となるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、車両等の移動体の通過数、種別を取得するための学習モデルを作成するために必要な正解(ラベリング)データを迅速、低コストで作成可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明のシステムは、移動体が撮影された映像データに基づいて、前記移動体の種別、及び、前記移動体の基準位置の通過時間を取得し、取得した前記移動体の種別、及び、前記移動体の基準位置の通過時間を含む正解データを作成することを特徴とする。
【0008】
本発明では、システムは、移動体が撮影された映像データに基づいて、移動体の種別、及び、移動体の基準位置の通過時間を取得し、取得した移動体の種別、及び、移動体の基準位置の通過時間を含む正解データを作成する。これにより、人間によって正解データを作成する必要がないため、正解データを迅速、低コストで作成することができる。
【0009】
第2の発明のシステムは、第1の発明のシステムにおいて、作成した前記正解データと、移動体の測定データと、に基づいて、前記移動体の種別、及び、前記移動体の前記基準位置の通過数を取得するための学習モデルを作成することを特徴とする。
【0010】
第3の発明のシステムは、第2の発明のシステムにおいて、作成した前記学習モデルと、前記測定データと、に基づいて、前記移動体の種別、及び、前記移動体が前記基準位置を通過した数の少なくとも一方を取得することを特徴とする。
【0011】
本発明では、作成した正解データに基づいた学習モデルによって、移動体の数(基準位置の通過数)、種別等を取得することができる。
【0012】
第4の発明のシステムは、第1~第3のいずれかの発明のシステムにおいて、前記映像データを画像認識し、前記移動体の種別、及び、前記移動体の基準位置の通過時間を取得することを特徴とする。
【0013】
第5の発明のシステムは、第1~第4のいずれかの発明のシステムにおいて、前記移動体は、車両であることを特徴とする。
【0014】
第6の発明のシステムは、第1~第5のいずれかの発明のシステムにおいて、前記移動体の種別は、車両の大小であることを特徴とする。
【0015】
第7の発明のシステムは、第1~第6のいずれかの発明のシステムにおいて、前記移動体は、車両であり、前記移動体である車両が撮影された映像データから、前記車両のナンバープレートを認識し、認識した前記車両のナンバープレートに基づいて、前記移動体の種別として、前記車両の大小を取得することを特徴とする。
【0016】
第8の発明のシステムは、第1~第7のいずれかの発明のシステムにおいて、前記移動体の基準位置の通過時間として、前記移動体の前方が前記基準位置を通過した時間、前記移動体の中央が前記基準位置を通過した時間、前記移動体の後方が前記基準位置を通過した時間を取得することを特徴とする。
【0017】
第9の発明のシステムは、第1~第8のいずれかの発明のシステムにおいて、前記測定データは、振動データであることを特徴とする。
【0018】
第10の発明の方法は、移動体が撮影された映像データに基づいて、前記移動体の種別、及び、前記移動体の基準位置の通過時間を取得し、取得した前記移動体の種別、及び、前記移動体の基準位置の通過時間を含む正解データを作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、正解データを迅速、低コストで作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係るシステムの構成例を示す図である。
図2】ビデオカメラによって撮影された映像データに基づく映像の一場面を示す図である。
図3】正解(ラベリング)データの一例を示す図である。
図4】ナンバープレートの一例を示す図である。
図5】PCによって実行される処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るシステム1の構成例を示す図である。システム1は、例えば、パーソナルコンピューター(以下、「PC」という。)2、振動センサー3、ビデオカメラ4等から構成される。PC2は、正解(ラベリング)データの作成、学習モデルの作成、車両カウント・車両の分類等を含む交通量調査の結果を示すファイルの作成等を行う。PC2が行う処理は、後述する。なお、図1では、1つのPC2により、振動センサー3から出力される情報と、ビデオカメラ4から出される情報と、が処理される例を示している。これに限らず、振動センサー3から出力される情報と、ビデオカメラ4から出される情報と、が別のPCによって処理されるようになっていてもよいことは言うまでもない。
【0022】
振動センサー3は、例えば、道路等に設置されている。振動センサー3は、振動センサー3の前を通過した車両から道路に伝わる振動を検出し、振動データを出力する。ビデオカメラ4は、例えば、道路等の近傍に設置されている。ビデオカメラ4は、道路を走行する車両を撮影し、映像データを出力する。図2は、ビデオカメラ4によって撮影された映像データに基づく映像の一場面を示す図である。図2に示すように、道路上を走行する車両の様子が撮影されている。また、図2の右下隅には、時間が表示されている。さらに、図2の左側には、後述する基準線が示されている。
【0023】
図3は、PC2によって作成される正解(ラベリング)データの一例を示す図である。ラベリングデータには、ID、LANE1_NUMBER、LANE1、LANE1_TYPE、CTR_IN_MIN、CTR_IN_SEC、CTR_IN_FRAME等の情報が含まれている。ここでは、図2に示すような、対向一車線道路において撮影された映像データから正解データが作成されているものとする。また、図2における手前側のレーンを、LANE1、奥側のレーンを、LANE2と呼ぶ。IDは、各レコードを識別するための識別番号(1600、1700、…)を示している。LANE1は、LANE1を車両が通行したか否かの情報を示している。LANE1を車両が通行した場合に、LANE1に「1」のフラグが立てられる。
【0024】
図4は、ナンバープレートの一例を示す図である。ナンバープレートの上段における左側には、運輸支局又はその自動車検査登録事務所を表示する文字(図4では、品川)が記載される。ナンバープレート上段における右側(破線矢印で示した箇所)には、自動車の種別による分類番号(図4では、500)が記載される。
【0025】
図3に戻って、LANE1_NUMBERは、LANE1を通行した車両のナンバーの情報を示している。具体的には、LANE1_NUMBERには、自動車の種別による分類番号の最初の文字が記載される。例えば、「5」は、分類番号の最初の文字が「5」であることを示している。LANE1_TYPEは、LANE1を通行した車両の種別(大型車、小型車)の情報を示している。「TYPE_STANDARD」は、LANE1を通行した車両が、小型車であることを示している。「TYPE_LARGE」は、LANE1を通行した車両が、大型車であることを示している。PC2は、認識したナンバープレートの分類番号の最初の文字が、「1、2、8、9、0」である場合、大型車であることを示す「TYPE_LARGE」を記憶する。PC2は、認識したナンバープレートの分類番号の最初の文字が、「3、4、5、7、9」である場合、小型車であることを示す「TYPE_STANDARD」を記憶する。
【0026】
CTR_IN_MIN、CTR_IN_SEC、CTR_IN_FRAMEは、車両の前方が図2に示す基準線を通過した時間を示している。なお、図3では、正解データに含まれる情報として、車両の前方が基準線を通過した時間を示すCTR_IN_MIN、CTR_IN_SEC、CTR_IN_FRAMEが示されているが、これ以外に、車両の中央が基準線を通過した時間を示す情報、車両の後方が基準線を通過した時間を示す情報が含まれる。また、図3では、LANE1を通過した車両の情報のみが示されているが、LANE2を通過した車両の情報も含まれる。
【0027】
PC2は、ビデオカメラ3によって、車両(移動体)が撮影された映像データに基づいて、車両(移動体)の種別(大型車、小型車)、及び、車両(移動体)の基準線(基準位置)の通過時間を取得する。そして、PC2は、取得した車両の種別、及び、車両の基準線の通過時間を含む正解データを作成する。PC2は、映像データを画像認識することで、車両の種別、及び、車両の基準線の通過時間を取得する。
【0028】
PC2は、映像データに基づいて、車両がLANE1、LANE2のいずれを通過したかを判断する。PC2は、車両がLANE1を通過したと判断した場合、「LANE1」に「1」のフラグを立てる。PC2は、車両の種別を取得するために、車両のナンバープレートを画像認識する。PC2は、ナンバープレートの画像認識の結果、図4に示す分類番号として、「500」を認識した場合、車両がLANE1を通過したと判断していれば、「LANE1_NUMBER」として、「5」の情報を記憶する。また、PC2は、分類番号として、「500」を認識した場合、車両の種別として、「小型車(TYPE_STANDARD)」を取得する。そして、PC2は、「LANE1_TYPE」として、「TYPE_STANDARD」の情報を記憶する。
【0029】
また、PC2は、映像データに基づいて、車両の前方が基準線を通過した時間、車両の中央が基準線を通過した時間、車両の後方が基準線を通過した時間を取得する。そして、PC2は、車両の前方が基準線を通過した時間を、「CTR_IN_MIN」、「CTR_IN_SEC」、「CTR_IN_FRAME」として記憶する。また、PC2は、車両の中央が基準線を通過した時間、車両の後方が基準線を通過した時間も、正解データとして記憶する。
【0030】
図5は、PC2によって実行される処理動作を示すフローチャートである。まず、PC2は、振動センサー3から出力される振動データと、ビデオカメラ4から出力される映像データと、を同期させる(S1)。次に、PC2は、ビデオカメラ4から出力される映像データから、正解データを作成する(S2)。次に、PC2は、正解データ・振動データの事前学習を行う(S3)。すなわち、PC2は、作成した正解データと、車両(移動体)の振動(測定)データと、に基づいて、車両の種別、及び、車両の基準線(基準位置)の通過数を取得するための学習モデルを作成する。
【0031】
次に、PC2は、車両のカウント、及び、車両の種別の判別を行う(S4)。すなわち、PC2は、作成した学習モデルと、振動(測定)データと、に基づいて、車両(移動体)の種別、及び、車両が基準線(基準位置)を通過した数を取得する。そして、PC2は、取得した車両の種別、及び、車両が基準線を通過した数が含まれる交通量観測結果のファイルを作成する(S5)。
【0032】
以上説明したように、本実施形態では、システム1は、車両(移動体)が撮影された映像データに基づいて、車両(移動体)の種別、及び、車両(移動体)の基準線(基準位置)の通過時間を取得し、取得した車両(移動体)の種別、及び、車両(移動体)の基準線(基準位置)の通過時間を含む正解データを作成する。これにより、人間によって正解データを作成する必要がないため、正解データを迅速、低コストで作成することができる。また、作成した正解データに基づいた学習モデルによって、車両(移動体)の数(基準線(基準位置)の通過数)、種別等を取得することができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0034】
上述の実施形態においては、移動体として、車両を例示したが、移動体は、車両に限られない。また、測定データとして、振動センサー3によって検出される振動データを例示したが、測定データは、振動データに限られない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、車両等の移動体の計数、種別の判別等を行うシステム、及び、方法に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0036】
1 システム
2 PC
3 振動センサー
4 ビデオカメラ
図1
図2
図3
図4
図5