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  • 特開-検出基板の取付構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173625
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】検出基板の取付構造
(51)【国際特許分類】
   H01H 71/02 20060101AFI20221115BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
H01H71/02
H05K7/14 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079439
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 賢司
【テーマコード(参考)】
5E348
5G030
【Fターム(参考)】
5E348AA35
5E348AA40
5G030XX12
5G030YY12
(57)【要約】
【課題】向きを間違えないように検出基板を回路遮断器に取り付けられるようにするとともに、検出基板をがたつきなく回路遮断器に取り付けられるようにすること。
【解決手段】回路遮断器へ固定される方形状の検出基板50の取付構造であって、検出基板の一辺と、その一辺の反対側に位置する辺に回路遮断器へ取り付けるための取付部51を複数備え、複数の取付部の少なくとも1つの取付部は他の取付部と異なる形状であり、検出基板の一辺と、その一辺の反対側に位置する辺が、非線対称であるような構成とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路遮断器へ固定される方形状の検出基板の取付構造であって、
検出基板の一辺と、その一辺の反対側に位置する辺に回路遮断器へ取り付けるための取付部を複数備え、
複数の取付部の少なくとも1つの取付部は他の取付部と異なる形状であり、
検出基板の一辺と、その一辺の反対側に位置する辺が、非線対称であることを特徴とする検出基板の取付構造。
【請求項2】
検出基板に切欠で構成した取付部を備え、
回路遮断器に固定接触子を固定するベース部を備え、
切欠に接続する被取付部を、ベース部から突出するように形成した突起部に備え、
ベース部と検出基板の間に空間部を有するように、検出基板を突起部で支えることが可能な請求項1に記載の検出基板の取付構造。
【請求項3】
突起部がベース部の背面側から突出するように形成され、
サブベース部が突起部に支えられた検出基板を覆うように形成され、
検出基板を突起部で支えた状態でサブベース部と検出基板の間に空間を有することが可能な請求項2に記載の検出基板の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出基板の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、漏電検出回路や警報回路を組み込んだ検出基板を回路遮断器に備えることが知られている。ところで、基板にはコンデンサなどの電子回路や基板への入出線があるが、他の機構部などと干渉しないようにするために、基板は組付方向が定められている。組付作業時に、組付方向を間違えないようにする工夫として、基板を左右非対称な凹凸形状に形成するとともに、組み込みされる回路遮断器のベース部も基板に対応した形状とすることがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-008513号公報
【0004】
ところで、このような形状とすると、検出基板を取り付けるためのスペースが大きくなりがちである。また、基板が複雑な形状であるため、がたつきなく固定できるように、基板の固定部の取付位置を考慮するのが手間であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、向きを間違えないように検出基板を回路遮断器に取り付けられるようにするとともに、検出基板をがたつきなく回路遮断器に取り付けられるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、回路遮断器へ固定される方形状の検出基板の取付構造であって、検出基板の一辺と、その一辺の反対側に位置する辺に回路遮断器へ取り付けるための取付部を複数備え、複数の取付部の少なくとも1つの取付部は他の取付部と異なる形状であり、検出基板の一辺と、その一辺の反対側に位置する辺が、非線対称であることを特徴とする検出基板の取付構造とする。
【0007】
また、検出基板に切欠で構成した取付部を備え、回路遮断器に固定接触子を固定するベース部を備え、切欠に接続する被取付部を、ベース部から突出するように形成した突起部に備え、ベース部と検出基板の間に空間部を有するように、検出基板を突起部で支えることが可能な構成とすることが好ましい。
【0008】
また、突起部がベース部の背面側から突出するように形成され、サブベース部が突起部に支えられた検出基板を覆うように形成され、検出基板を突起部で支えた状態でサブベース部と検出基板の間に空間を有することが可能な構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、向きを間違えないように検出基板を回路遮断器に取り付けられるようにするとともに、検出基板をがたつきなく回路遮断器に取り付けられるようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態における回路遮断器の斜視図である。
図2図1に示す回路遮断器の分解斜視図である。ただし、正面側から見た状態を表している。
図3図1に示す回路遮断器の分解斜視図である。ただし、背面側から見た状態を表している。
図4】実施形態における検出基板の平面図である。
図5】実施形態における検出基板の斜視図である。
図6】ベース部に検出基板を取り付ける前の状態の例を示す図である。
図7】ベース部の検出基板を取り付けた部分付近の部分拡大図である。
図8】回路遮断器の検出基板を取り付けた部分付近の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に発明を実施するための形態を示す。本実施形態の検出基板50の取付構造は、回路遮断器1へ固定される方形状の検出基板50を取り付けるものである。この取付構造は、検出基板50の一辺と、その一辺の反対側に位置する辺に回路遮断器1へ取り付けるための取付部51を複数備えている。また、複数の取付部51の少なくとも1つの取付部51は他の取付部51と異なる形状であり、検出基板50の一辺と、その一辺の反対側に位置する辺が、非線対称である。このため、向きを間違えないように検出基板50を回路遮断器1に取り付けられるとともに、検出基板50をがたつきなく回路遮断器1に取り付けることが可能となる。
【0012】
実施形態の回路遮断器1は、可動接点21、固定接点22、可動接点21を動作させるための動作機構部23を収納するベース部11を備えている。また、ベース部11の開口部を覆い、ハンドルを露出するカバー部12を備えている。更には、カバー部12の反対端部に形成され、検出基板50や配線を覆うサブベース部13を備えている。図1から図3に示されていることから理解されるように、実施形態の回路遮断器1の大まかな外形はこのベース部11、カバー部12、サブベース部13により構成されている。
【0013】
実施形態の取付構造では、ベース部11の背面側に検出基板50を固定させている。なお、サブベース部13は検出基板50を覆うようにベース部11の背面側に取り付けられる。
【0014】
図3から図6に示すことから理解されるように、実施形態の回路遮断器1に取り付けられる検出基板50は方形状に形成されている。このため、検出基板50が大きくなることを抑制することができる。また、実施形態の検出基板50は、方形を成す四辺のうち、互いに向き合う位置にある二つの辺に複数の取付部51を有している。この取付部51を被取付部と接続することで検出基板50を支えることができる。なお、図4に示す例では取付部51は検出基板50の上辺及び下辺に備えられているが、右辺および左辺には備えられていない。
【0015】
複数の取付部51の少なくとも1つの取付部51が他の取付部51と異なる形状であり、検出基板50の一辺と、その一辺の反対側に位置する辺が、非線対称であるようにすれば、検出基板50を上下若しくは左右反対の向きで被取付部に取り付けようとしても、取り付けることができない。したがって、適切な向きでのみ検出基板50を取り付けることができる。なお、図4に示す例では、検出基板50の上辺の右側に備えられている取付部51の左右方向の長さが、他の取付部51と異なる構成となっている。
【0016】
また、図4に示す例では、検出基板50の一辺における取付部51の「位置」は、その一辺の反対側に位置する辺における取付部51の「位置」と線対称となるようにしている。このため、被取付部の位置の調整が容易である。
【0017】
図4に示す例の取付部51は切欠である。このため、検出基板50が大きくなることを抑制することができる。この取付部51に接続する部分は、ベース部11から突出するように形成した突起部14に備えられた被取付部である。図6及び図7に示す例から理解されるように、実施形態では、被取付部は、突起部14の先端部に備えられた嵌合部15であり、この嵌合部15を検出基板50の切欠に嵌合させている。なお、実施形態ではベース部11から複数の突起部14が突出するような構成としており、それらの突起部14により、検出基板50の一辺側の部分と、その一辺の反対側に位置する辺側の部分が支えられている。なお、図7に示すことから理解されるように、実施形態では嵌合部15と嵌合部15の間に検出基板50を挟み込むようにして、検出基板50を支持している。
【0018】
上記したように、実施形態では、ベース部11から延びる複数の突起部14により、検出基板50が支持されるが、この時、ベース部11と検出基板50の間に空間部71を有するように、検出基板50を支えることができる(図8参照)。したがって、ベース部11から検出基板50に向けて熱が伝わることを抑制することができる。また、ベース部11と検出基板50の間の空間部71に、基板に備えられた電子回路の部品などを配置することもできる。このようにしても、電子回路の部品などがベース部11と接触することは回避することができるため、ベース部11から熱が伝わり電子回路の部品などが故障・変形することを抑制することができる。
【0019】
また、実施形態では、突起部14がベース部11の背面側から突出するように形成されているが、サブベース部13が突起部14に支えられた検出基板50を覆うように構成している。このため、検出基板50がむき出しになることを回避することができる。
【0020】
また、実施形態のサブベース部13は、検出基板50を突起部14で支えた状態でサブベース部13と検出基板50の間に空間73を有することを可能とする構成としている。このため、サブベース部13側から検出基板50に熱が伝わることを抑制することができる。
【0021】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、検出基板の三辺若しくは四辺に取付部を備えた構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 回路遮断器
11 ベース部
13 サブベース部
50 検出基板
51 取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8