IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

<>
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図1
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図2
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図3
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図4
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図5
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図6
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図7
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図8
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図9
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図10
  • 特開-化粧板、及び化粧板の施工方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173627
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】化粧板、及び化粧板の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/13 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
E03D11/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079442
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 隆志
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AD00
2D039DB00
(57)【要約】
【課題】変形したり、破損したりし難く、且つ切除する作業を行い易い化粧板を提供する。
【解決手段】化粧板25は、便器20の一部を覆い、周囲よりも薄い厚みで成形され、切断する予定の部分である切断予定部分25Aを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の一部を覆う化粧板であって、
周囲よりも薄い厚みで成形され、切断する予定の部分である切断予定部分を備えている化粧板。
【請求項2】
前記切断予定部分は、溝状をなしている請求項1に記載の化粧板。
【請求項3】
前記切断予定部分と、前記切断予定部分に隣接し、前記切断予定部分よりも厚い厚肉部と、の境界は、厚み方向に対して傾斜している請求項1から請求項2までのいずれか一項に記載の化粧板。
【請求項4】
開口を形成する予定の領域である開口予定領域を備え、
前記切断予定部分は、前記開口予定領域の外縁に配置されている請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の化粧板。
【請求項5】
前記便器の左右側面の少なくともいずれかの後部を覆った隠蔽状態において、前記開口予定領域は、後部に配置されている請求項4に記載の化粧板。
【請求項6】
前記開口予定領域を切除した領域には、前記便器に取り付けられる便器装置に接続する部材が通る請求項4から請求項5までのいずれか一項に記載の化粧板。
【請求項7】
便器に機能部を取り付けた後、請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載の開口予定領域を切除し、前記開口予定領域が切除された化粧板を前記便器に取り付ける化粧板の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化粧板、及び化粧板の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、便器本体の左右側面の後部を覆うカバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-057610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、便器装置等の機能部を設ける構成であり、設置場所の状況によって、便器装置の一部がカバーに干渉する事態が生じ得る場合、カバーの一部を切除して、便器装置とカバーとの干渉を解消することが考えられる。カバーは、容易に変形したり、破損したりしないことが好ましい。このため、カバーの強度を確保するために、カバーは、ある程度の厚みをもって成形されると考えられる。したがって、カバーの一部を切除する作業は、この厚みが厚くなると行い難くなってしまう。このため、変形したり、破損したりし難く、且つ切除する作業が行い易いカバーが望まれる。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、変形したり、破損したりし難く、且つ切除する作業を行い易い化粧板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つ目の開示の化粧板は、便器の一部を覆う化粧板であって、周囲よりも薄い厚みで成形され、切断する予定の部分である切断予定部分を備えている。
【0007】
二つ目の開示の化粧板の施工方法は、便器に機能部を取り付けた後、開口予定領域を切除し、前記開口予定領域が切除された化粧板を前記便器に取り付ける。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の化粧板を備えた水洗大便器を前方右上から見た斜視図である。
図2】実施形態の化粧板を備えた水洗大便器を前方左上から見た斜視図である。
図3】実施形態の化粧板を表側から見た平面図である。
図4】実施形態の化粧板を裏側から見た裏面図である。
図5図4におけるA-A断面図である。
図6】実施形態の化粧板を備えた水洗大便器を正面からみた正面図である。
図7図6におけるB-B断面図である。
図8図4におけるA-A断面図であって、切断予定部分の境界の奥部に刃物を当てた状態を示す。
図9】化粧板の施工方法の手順を示すフローチャートである。
図10】他の実施形態の化粧板における、図4におけるA-Aの位置に相当する断面図である。
図11】他の実施形態の化粧板を表側から見た裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
以下、本開示を具体化した実施形態を図1から図9を参照しつつ説明する。以下の説明において、前後の方向については、図6における手前側を前方、奥側を後方と定義する。上下の方向については、図6にあらわれる向きをそのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図6における左方を右方、右方を左方と定義する。具体的には、前後方向、左右方向、上下方向は、倒伏状態の便座32に着座した着座者から見て前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
【0010】
本実施形態における化粧板25は、図1、2に示すように、便器20、及び機能部30を備えた水洗式便器T1において、便器20の左右側面の後部を覆うように一対が取り付けられる。
【0011】
[化粧板の概要]
化粧板25は、合成樹脂製であり、概ね平板状に形成されている。化粧板25を厚み方向から見た外形形状は、図3、4に示すように、概ね台形形状である。一対の化粧板25の外形は、概ね鏡面対称をなしている。化粧板25は、切断予定部分25A、開口予定領域25B、及び厚肉部25Cを有している。切断予定部分25Aは、カッター等の刃物を用いて切断する予定の部分である。切断予定部分25Aは、化粧板25を便器20の左右側面の後部(すなわち、便器20の一部)を覆うように取り付けた隠蔽状態における内側の面(すなわち、使用者から見えない裏面)に形成されている。つまり、切断予定部分25Aは、化粧板25における厚み方向の一方の面に形成されている。
【0012】
切断予定部分25Aには、図5に示すように、切断予定部分25Aよりも厚い厚肉部25Cが隣接している。つまり、切断予定部分25Aは、隣合う厚肉部25Cの間に設けられている。切断予定部分25Aの厚みTh1は、厚肉部25Cの厚みTh2の半分以下である。例えば、厚肉部25Cの厚みTh2は、3mm程度である。例えば、切断予定部分25Aの厚みTh1は、0.3mmから1.2mm程度が好ましく、0.5mmから1mm程度がより好ましい。切断予定部分25Aと、切断予定部分25Aに隣接する一方側の厚肉部25Cとの境界25Dは、化粧板25の厚み方向に立ち上がるように形成されている。切断予定部分25Aと、切断予定部分25Aに隣接する他方側の厚肉部25Cとの境界25Eは、化粧板25の厚み方向に対して傾斜して形成されている。つまり、切断予定部分25Aと、切断予定部分25Aに隣接する厚肉部25Cとの境界のうち、一方の境界25Eが化粧板25の厚み方向に対して傾斜している。
【0013】
一方側の厚肉部25Cは、切断予定部分25Aを切断すると取り除かれる。つまり、切断予定部分25Aを切断する前の状態において、一方側の厚肉部25Cが位置する領域は、開口を形成する予定の領域である開口予定領域25Bである。したがって、切断予定部分25Aは、開口予定領域25Bの外縁に配置されている(図4参照。)。以下、開口予定領域25Bが切除された化粧板25を単に化粧板26ともいう。化粧板25を便器20の左右側面の後部を覆った隠蔽状態にした場合において、開口予定領域25Bは、後部に配置されている(図2参照。)。厚み方向に傾斜した境界25Eは、開口予定領域25B側でない他方側の厚肉部25C側に形成されている。
【0014】
[便器の概要]
便器20は、図7に示すように、便鉢部22、便器排水部23、及び外周壁部24を具備している。便鉢部22、便器排水部23、及び外周壁部24は、陶器製であり、一体に形成されている。
【0015】
便鉢部22は、リム部22A、棚部22B、及び窪み部22Cを有している。リム部22Aは、帯状をなして便鉢部22の上部に設けられている。右側のリム部22Aの前後方向中央部には、吐水口22Dが開口して形成されている。吐水口22Dは、図示しない導水部から供給される洗浄水を便鉢部22内に吐水する。吐水口22Dは、洗浄水を前向きに吐水する。
【0016】
棚部22Bは、リム部22Aの内面の下端に連続して便鉢部22の中央部に向けて延びている。窪み部22Cは、上端が棚部22Bの内周縁に連続して下方に窪むように形成されている。窪み部22Cの下流端には、後述する便器排水部23が連続している。棚部22B、及び窪み部22Cの表面は、汚物を受ける汚物受け面である。
【0017】
便器排水部23は、上昇流路23B及び下降流路23Cを有している。上昇流路23Bは、便鉢部22の窪み部22Cの下流端に連続し、後向き斜め上方に延びている。下降流路23Cは、上昇流路23Bの下流端に連続し、概ね鉛直方向に垂下している。下降流路23Cの下流端は鉛直下方に開口している。
【0018】
外周壁部24は、図6に示すように、前壁24A、及び左右壁24Bを有している。前壁24A及び左右壁24Bは、下向きに内側に傾斜している。外周壁部24の下端は設置面10に接触する。左右壁24Bは、上下方向及び前後方向に拡がっている。
【0019】
化粧板25,26は、便器20の左右壁24Bの各々の後部に連なり、便器排水部23を左右から覆うように、取り付けられている(図1、2参照。)。本実施形態においては、化粧板25が便器20の左側に取り付けられ(図2参照)、化粧板26が便器20の右側に取り付けられている(図1参照。)。
【0020】
[機能部の概要]
機能部30は、便器装置30A、排水ソケット30B、及び配管30Cを有している。便器装置30Aは、設置面10に設置した設置状態において、便器20の後部に載置される。便器装置30Aは、図7に示すように、リム部22Aの上方に沿って配置された便座32と、リム部22Aを覆う便蓋33と、を起立状態と倒伏状態に回転自在に軸支している。便器装置30Aには、局部洗浄装置や夜間に便鉢部22内を照らす照明装置等の機能部品が収容されている。局部洗浄装置及び照明装置は図示しない。便器装置30Aには、局部洗浄装置に洗浄水を供給する給水管Pや、局部洗浄装置や照明装置等が動作する際に必要な電力を供給する電線E等が接続されている(図6参照。)。給水管Pは、壁面W(建物側)に設けられた水栓Fに連通して接続されている(図6参照。)。電線Eは、壁面W(建物側)に設けられたコンセントEoに接続されている(図6参照。)。
【0021】
排水ソケット30Bは、筒状をなしている。排水ソケット30Bの上流側は、上下方向に延びている。排水ソケット30Bの上流端部は、便器排水部23の下降流路23Cの下流端に連通して接続されている。下降流路23Cの下流端に連通して接続されている状態において、排水ソケット30Bの下流側は、後向きに延びており、排水口30Dが後向きに開口している。
【0022】
配管30Cは、筒状をなしている。配管30Cの上流端は、排水ソケット30Bの排水口30Dに連通して接続されている。排水口30Dに連通して接続されている状態において、配管30Cの下流側は、右向きに延びており、下流端が右向きに開口している。配管30Cの下流端部は、壁面W(建物側)に設けられた排水管Dに連通して接続されている(図6参照。)。
【0023】
[便器に取り付けられた化粧板の概要]
左側の側面に取り付けられた化粧板25の切断予定部分25Aは、切断されておらず、開口予定領域25Bは切除されていない(図2参照。)。右側の側面に取り付けられた化粧板26は、化粧板25の切断予定部分25Aを切断して、開口予定領域25Bが切除されたものである(図1参照。)。右側の化粧板26において、開口予定領域25Bを切除した領域には、配管30Cや、便器装置30Aに接続する給水管Pや電線E等が通るように配置される(図1参照。)。つまり、開口予定領域25Bを切除した領域には、便器20に取り付けられる便器装置30Aに接続する部材が通る。
【0024】
便器20に隠蔽状態に取り付けられた化粧板25,26において、開口予定領域25Bの上下方向の寸法は、設置面10からの便器20の高さ寸法の1/3以上が好ましく、設置面10からの便器20の高さ寸法の1/2以上がより好ましい。便器20に隠蔽状態に取り付けられた化粧板25において、開口予定領域25Bの前後方向の寸法は、20mmから100mmが好ましく、40mmから80mmがより好ましい。
【0025】
[化粧板の施工方法の概要]
次に、化粧板25の施工方法の一例について図9等を参照しつつ説明する。
【0026】
先ず、配管30Cを排水ソケット30Bに接続する。そして、配管30Cを壁面Wに設けられた排水管Dに接続する。そして、排水ソケット30Bを設置面10に設置し、ねじ等を用いて設置面10に固定する。
【0027】
次に、便器20を設置面10に設置する設置工程(ステップS1)を行う。具体的には、設置面10に固定された排水ソケット30Bに便器排水部23の下降流路23Cの下流端を接続しつつ、便器20を設置面10に設置する。そして、ねじ等を用いて便器20を設置面10に固定する。このとき、設置工程を行いつつ、便器20に機能部30を取り付ける機能部取付工程を行っている。
【0028】
次に、ステップS2に移行して便器20に機能部30である便器装置30Aを取り付ける機能部取付工程を行う。具体的には、先ず、便器装置30Aを便器20に載置する。そして、ボルト及びナットを用いて便器装置30Aを便器20に固定する。そして、便器装置30Aに接続された給水管Pを壁面Wに設けられた水栓Fに接続する。そして、便器装置30Aに接続された電線Eを壁面Wに設けられたコンセントEoに接続する。
【0029】
次に、ステップS3に移行する。ステップS3では、便器20の左右側面に化粧板25を配置して、化粧板25に便器装置30Aや配管30C等が干渉するか否かを確認する。化粧板25の開口予定領域25Bに便器装置30Aや配管30C等が干渉する場合(ステップS3におけるYes)、ステップS4に移行して化粧板25が備える開口を形成する予定の領域である開口予定領域25Bを切除する切除工程を行う。本実施形態において、便器20の右側面に取り付ける化粧板25の開口予定領域25Bに対して、配管30C、給水管P、及び電線Eが干渉する。便器20の左側面に取り付ける化粧板25の開口予定領域25Bには、干渉するものがない。このため、便器20の左側面に取り付ける化粧板25の開口予定領域25Bは切除せず、便器20の右側面に取り付ける化粧板25の開口予定領域25Bを切除して化粧板26にする。このとき、図8に示すように、傾斜した境界25Eの奥部に沿わせるようにカッター等の刃物Kの刃先を当てて、切断予定部分25Aを切断する。化粧板25の開口予定領域25Bに便器装置30Aや配管30C等が干渉しない場合(ステップS3におけるNo)、切除工程は行わずステップS5に移行する。こうして、便器20に機能部30を取り付けた後、化粧板25の開口予定領域25Bを切除して化粧板26にする。
【0030】
次に、ステップS5に移行して、化粧板25,26を便器20に取り付ける化粧板取付工程を行う。このとき、化粧板25,26における切断予定部分25Aが形成されていない側の面を左右方向外側に向けて便器20の左右壁24Bに連続するように配置して、化粧板25,26を便器20の左右側面の各々に取り付ける。この場合、例えば、面ファスナー等を用いて化粧板25,26を便器20に取り付ける。便器20の右側面に取り付けた化粧板26における開口予定領域25Bを切除した領域には、便器20に取り付けられた便器装置30Aに接続する給水管P及び電線Eが通る(図1参照。)。切除工程は、機能部取付工程と、化粧板取付工程との間に実行する。こうして、開口予定領域25Bが切除された化粧板25(すなわち、化粧板26)を便器20に取り付ける。
【0031】
上記のように構成された実施形態の作用及び効果について説明する。
【0032】
本開示の化粧板25は、便器20の一部を覆い、周囲よりも薄い厚みで成形され、切断する予定の部分である切断予定部分25Aを備えている。この構成によれば、切断予定部分25Aの厚みが周囲よりも薄いので、切断予定部分25Aにおいて容易に切断することができる。
【0033】
本開示の化粧板25の切断予定部分25Aは、溝状をなしている。この構成によれば、化粧板25は、切断予定部分25Aにおいて切断する際に用いる刃物を案内し易い。
【0034】
本開示の化粧板25は、切断予定部分25Aと、切断予定部分25Aに隣接し、切断予定部分25Aよりも厚い厚肉部25Cと、の境界25Eが、厚み方向に対して傾斜している。この構成によれば、化粧板25は、切断する際に用いる刃物を切断予定部分25Aにおける一部分に案内し易いため、切断時における切断予定部分25A内での刃物のふらつきを抑え易い。
【0035】
本開示の化粧板25は、開口を形成する予定の領域である開口予定領域25Bを備え、切断予定部分25Aは、開口予定領域25Bの外縁に配置されている。この構成によれば、切断予定部分25Aは、開口予定領域25Bの外縁に配置されていることによって、開口予定領域25Bを効率よく切除することができる。
【0036】
本開示の化粧板25は、便器20の左右側面の後部を覆った隠蔽状態において、開口予定領域25Bが後部に配置されている。この構成によれば、便器20の後端部において、化粧板25に干渉する位置に物体を配置するような事情がある場合、化粧板25の後部に配置された開口予定領域25Bを切除することによって、物体と化粧板25との干渉を解消することができる。
【0037】
本開示の化粧板26の開口予定領域25Bを切除した領域には、便器20に取り付けられる便器装置30Aに接続する給水管P及び電線Eが通る。この構成によれば、便器20の施工場所の条件によって便器装置30Aの設置形態が異なるような事情があり、便器装置30Aの一部が化粧板25に干渉する場合、開口予定領域25Bを切除した領域に、便器装置30Aの一部を配置することによって便器装置30Aの一部と化粧板26との干渉を解消することができる。
【0038】
本開示の化粧板の施工方法は、便器20に便器装置30Aを取り付けた後、開口予定領域25Bを切除し、開口予定領域25Bが切除された化粧板25(すなわち、化粧板26)を便器20に取り付ける。この構成によれば、本開示の化粧板の施工方法は、便器20に便器装置30Aを取り付けた後に化粧板25の開口予定領域25Bを切除する。このため、本開示の化粧板の施工方法は、便器20に便器装置30Aを取り付けた後に、便器装置30Aと化粧板25とが干渉するか否かを確認した後に開口予定領域25Bを切除して化粧板26にすることになる。このため、本開示の化粧板の施工方法は、便器装置30Aと化粧板25とが干渉する場合のみに開口予定領域25Bを切除できるので、不必要に開口予定領域25Bを切除しなくて済む。
【0039】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態において境界は、直線状に傾斜している。これに限らず、図10に示すように、化粧板125の切断予定部分125Aにおける境界125Eを湾曲して傾斜した形態に形成してもよい。
(2)実施形態において切断予定部分は、一か所備えられている。これに限らず、図11に示すように、化粧板225における切断予定部分225Aを複数個所に形成してもよい。これに伴い、開口予定領域225Bは、複数設けられる。
(3)実施形態において切断予定部分は、直線状に形成されている。これに限らず、切断予定部分を曲線状に形成してもよい。さらに、切断予定部分を屈曲しない1つの直線状に形成することによって、刃物を用いることなく、開口予定領域を折り取ってもよい。
(4)実施形態において開口予定領域を切除した領域には、配管、給水管、電線が通っている。これに限らず、壁面(建物側)の下端に設けられた巾木を通してもよい。
(5)実施形態において傾斜した境界は、開口予定領域側でない他方側の厚肉部側に形成されている。これに限らず、傾斜した境界を開口予定領域側の厚肉部側に形成してもよい。
(6)実施形態において切断予定部分は、溝状をなしている。これに限らず、開口予定領域の全体の厚みを切断予定部分と同じ厚みに形成してもよい。つまり、開口予定領域の全体を切断予定部分として形成してもよい。この場合、開口予定部分は、所望の形状に容易に切断することができる。
(7)実施形態において設置工程の次に機能部取付工程を実行している。これに限らず、機能部取付工程の次に設置工程を実行してもよい。具体的には、機能部を取り付けた便器を設置面に設置してもよい。
(8)実施形態において傾斜した境界は、開口予定領域側でない他方側の厚肉部側に形成されている。これに限らず、傾斜した境界を開口予定領域側の厚肉部に形成してもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…設置面、20…便器、D…排水管、25,125,225…化粧板、25A,125A,225A…切断予定部分、25B,225B…開口予定領域、25C…厚肉部、25E,125E…境界、26…開口予定領域が切除された化粧板、30…機能部、30A…便器装置(機能部)、30C…配管(機能部)E…電線(便器装置に接続する部材)、P…給水管(便器装置に接続する部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11