(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173654
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】電動光学台及び検査システム
(51)【国際特許分類】
A61B 3/00 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
A61B3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079484
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
(72)【発明者】
【氏名】馬場 大輔
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316FC01
(57)【要約】
【課題】 設置面積を抑えることができる電動光学台及び検査システムを提供する。
【解決手段】 被検眼の検査に用いる検査装置を載置するための電動光学台であって、検査装置を載置する天板と、天板を支持し、天板を床面に対して垂直方向へ移動させるための駆動手段を有する支柱と、支柱を床面にて支持するための第1部材を少なくとも有する脚部と、を備え、第1部材は、天板の長手方向に延び、天板の下部に収まるように配置され、支柱は、天板の長手方向における第1端部に連結することを特徴とする電動光学台。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼の検査に用いる検査装置を載置するための電動光学台であって、
前記検査装置を載置する天板と、
前記天板を支持し、前記天板を床面に対して垂直方向へ移動させるための駆動手段を有する支柱と、
前記支柱を床面にて支持するための第1部材を少なくとも有する脚部と、
を備え、
前記第1部材は、前記天板の長手方向に延び、前記天板の下部に収まるように配置され、
前記支柱は、前記天板の前記長手方向における第1端部に連結することを特徴とする電動光学台。
【請求項2】
請求項1の電動光学台において、
前記脚部は、前記天板の短手方向に延びる第2部材であって、前記天板の下部に収まるように配置される第2部材を有し、
前記支柱は前記第2部材に連結し、前記第2部材は前記第1部材の一端に連結することを特徴とする電動光学台。
【請求項3】
請求項1または2の電動光学台において、
前記天板は、前記第1端部の前記長手方向の反対側である第2端部に、被検者と前記天板との近接を検出する検出手段を有し、
前記脚部の前記第1部材は、前記天板の縁に沿って前記長手方向へ延び、前記検出手段と前記床面との間に、空間を形成することを特徴とする電動光学台。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかの電動光学台において、
検者の操作によって、前記天板の高さを調節するための操作信号を入力する操作手段と、
前記操作信号に基づいて、前記支柱が有する前記駆動手段の駆動を制御する制御手段と、
を備え、
前記操作手段は、前記天板を予め設定された第1位置または前記第1位置より低い第2位置に到達するまで上下移動させるための第1操作信号を入力する第1操作手段を有し、
前記制御手段は、前記第1操作信号に基づいて、前記天板を現在位置から前記第1位置または前記第2位置へと移動させることを特徴とする電動光学台。
【請求項5】
請求項4の電動光学台において、
前記第1操作信号は、さらに、前記天板を前記第1位置と前記第2位置との間の第3位置へと移動させるための操作信号を含み、
前記制御手段は、前記第1操作信号に基づいて、前記天板を前記現在位置から、前記第1位置、前記第2位置、または前記第3位置へと移動させることを特徴とする電動光学台。
【請求項6】
請求項4または5の電動光学台において、
前記操作手段は、前記天板を任意の位置に上下移動させるための第2操作信号を連続的に入力する第2操作手段を有し、
前記制御手段は、前記第2操作信号に基づいて、前記天板を現在位置から前記任意の位置へと移動させることを特徴とする電動光学台。
【請求項7】
請求項6の電動光学台において、
前記制御手段は、前記第1操作信号に基づく駆動の実行中に前記第2操作信号の入力を検出した場合、前記第1操作信号に基づく駆動を停止して、前記第2操作信号に基づく駆動を実行することを特徴とする電動光学台。
【請求項8】
請求項6または7の電動光学台において、
前記第1操作手段と前記第2操作手段は、各々の機能を兼用する操作レバーであって、
前記操作レバーの操作量が閾値以上であれば前記第1操作信号を入力し、前記閾値未満であれば前記第2操作信号を入力することを特徴とする電動光学台。
【請求項9】
被検眼の検査に用いる検査装置と、前記検査装置を載置するための電動光学台と、を備えた、前記被検眼を検査するための検査システムであって、
前記検査装置は、
被検者の顔を支持する顔支持手段と、
前記被検眼を検査する検査手段と、
を有し、
前記電動光学台は、
前記検査装置を載置する天板と、
前記天板の長手方向における第1端部に連結する支柱であって、前記天板を床面に対して垂直方向へ移動させるための駆動手段を有する支柱と、
前記支柱を床面にて支持するための第1部材であって、前記天板の前記長手方向に延びるとともに前記天板の下部に納まるように配置される第1部材を少なくとも有する脚部と、
を有し、
前記検査装置は、前記顔支持手段が前記第1端部の反対側である第2端部に位置するように、かつ、前記検査手段の作動距離方向が前記長手方向に一致するように、前記天板に載置され、
前記検査装置の下に前記支柱が位置することを特徴とする検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、据え置き型の検査装置を載置するための電動光学台、及び電動光学台を含む検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
眼底撮影装置や眼屈折力測定装置等の検査装置が載置される電動光学台は、装置を載置するための天板(テーブル)と、天板を支持する支柱と、支柱を介して天板を床上で支えるための脚部と、を備える。例えば、特許文献1に記載の電動光学台は、被検者の足と支柱とが接触することを低減するために、天板の下方の空間を十分に確保するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電動光学台は、装置の下から支柱をずらして位置させることによって、天板の下方に空間を設けていた。このため、電動光学台が大きく、電動光学台の設置に必要な面積(設置面積)が増加することが問題であった。
【0005】
本開示は、上記従来技術の課題を解決するために、設置面積を抑えることができる電動光学台及び検査システムを提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1)被検眼の検査に用いる検査装置を載置するための電動光学台であって、前記検査装置を載置する天板と、前記天板を支持し、前記天板を床面に対して垂直方向へ移動させるための駆動手段を有する支柱と、前記支柱を床面にて支持するための第1部材を少なくとも有する脚部と、を備え、前記第1部材は、前記天板の長手方向に延び、前記天板の下部に収まるように配置され、前記支柱は、前記天板の前記長手方向における第1端部に連結することを特徴とする電動光学台。
(2)被検眼の検査に用いる検査装置と、前記検査装置を載置するための電動光学台と、を備えた、前記被検眼を検査するための検査システムであって、前記検査装置は、被検者の顔を支持する顔支持手段と、前記被検眼を検査する検査手段と、を有し、前記電動光学台は、前記検査装置を載置する天板と、前記天板の長手方向における第1端部に連結する支柱であって、前記天板を床面に対して垂直方向へ移動させるための駆動手段を有する支柱と、前記支柱を床面にて支持するための第1部材であって、前記天板の前記長手方向に延びるとともに前記天板の下部に納まるように配置される第1部材を少なくとも有する脚部と、を有し、前記検査装置は、前記顔支持手段が前記第1端部の反対側である第2端部に位置するように、かつ、前記検査手段の作動距離方向が前記長手方向に一致するように、前記天板に載置され、前記検査装置の下に前記支柱が位置することを特徴とする検査システム。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】検査装置を載置した電動光学台を示した模式図である。
【
図4】天板に対する支柱の配置を説明する図である。
【
図5】天板の高さを調節するためのレバーの構成を説明する図である。
【
図6】電動光学台の上下移動機構の内部構成を示す図である。
【
図9】本実施例における電動光学台の制御ブロック図である。
【
図10】第1駆動モードによるレバーの操作と、天板の移動を説明する図である。
【
図11】第2駆動モードによるレバーの操作と、天板の移動を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[概要]
本開示の実施形態を説明する。以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用されうる。例えば、ある実施形態において、複数の項目を適宜組み合わせることができる。
【0009】
本実施形態の電動光学台(例えば、電動光学台10)は、被検眼の検査に用いる検査装置(例えば、検査装置100)を載置するための電動光学台である。検査装置は、眼底撮影装置、眼屈折力測定装置、等の据え置き型の装置であってもよい。例えば、検査装置は、被検者の顔を支持する顔支持手段(例えば、額当て、顎台、等)と、被検眼を検査する検査手段と、を有してもよい。なお、検査装置は、顔支持手段が天板の第2端部に位置するように、かつ、検査手段の作動距離方向が天板の長手方向に一致するように、天板に載置されてもよい(天板については後述する)。
【0010】
例えば、電動光学台は、検査装置を載置する天板(例えば、天板1)を備える。例えば、電動光学台は、天板を支持する支柱(例えば、支柱30)を備える。支柱は、天板を床面に対して垂直方向へ移動させるための駆動手段(例えば、上下移動機構31)を有する。例えば、電動光学台は、支柱を床面にて支持する脚部(例えば、脚部4)を備える。
【0011】
さらに、例えば、本実施形態の電動光学台は、検者が天板の高さを調節するために用いる操作手段(例えば、レバー5)を備えてもよい。例えば、操作手段は、検者の操作によって、天板を自動で上下移動させるための第1操作信号を入力する第1操作手段(例えば、レバー5)を備えてもよい。また、例えば、操作手段は、検者の操作によって、天板を手動で上下移動させるための第2操作信号を入力する第2操作手段(例えば、レバー5)を備えてもよい。また、例えば、電動光学台は、支柱に設けられた駆動手段の駆動を制御する制御手段(例えば、制御部70)を備えてもよい。
【0012】
<天板>
天板は、検査装置を載置可能な大きさであればよい。例えば、天板の形状は長方形であり、長手方向と短手方向を有してもよい。天板の長手方向において、第1端部(例えば、第1端部Ta)には、支柱が連結される。天板の長手方向において、第1端部の反対側である第2端部(例えば、第2端部Tb)には、被検者と天板との近接を検出する検出手段が設けられる。より詳細には、被検者の足または腕と、天板の下面と、の近接を検出する検出手段が設けられる。なお、天板の第1端部及び第2端部は、厳密に天板の端でなくてもよい。
【0013】
<支柱>
支柱の一端は、天板の下面において、天板の長手方向の第1端部に連結されている。例えば、第1端部は、被検者の足の位置を考慮した位置であってもよい。例えば、検査時に被検者の足と支柱とが接触しない程度に第2端部から離れた位置であってもよい。これによれば、検査の際に被検者の足と支柱との接触を抑制することができるため、被検者が正しい姿勢で検査を受けることができる。
【0014】
なお、支柱は、被検者が足を延ばした場合であっても、被検者の足との接触が抑制されるように、配置されてもよい。この場合、支柱は、天板の短手方向の中央に配置されてもよい。または、支柱は、天板の短手方向のいずれかの端に配置されてもよい。
【0015】
本実施形態においては、検査装置の下部に天板を介して支柱が配置される。例えば、検査装置が載置される天板の領域内に支柱が配置されてもよい。これによれば、天板を小さくできるため、電動光学台の設置面積を低減できる。
【0016】
なお、支柱の他端は、脚部に連結される。例えば、支柱は、脚部を構成する後述の第1部材に連結されてもよい。また、例えば、支柱は、脚部を構成する後述の第2部材に連結されてもよい。
【0017】
<脚部>
脚部は、支柱に連結され、支柱を床面にて支持する。例えば、脚部は、天板の長手方向に延びる第1部材(例えば、接地部材4b、4c)を有する。第1部材は、複数あってもよい。なお、第1部材は、実質的に天板の長手方向に延びる部材であればよい。例えば、この場合、第1部材の長手方向は、天板の長手方向と、平行(略平行)に延びていてもよい。つまり、第1部材の長手方向と、天板の長手方向と、が一致してもよい。また、この場合、第1部材の長手方向は、天板の長手方向と斜めに交わる方向へ延びていてもよい。
【0018】
例えば、第1部材は、天板の縁に沿って長手方向へ延びる部材であってもよい。この場合、天板の第2端部に設けられた検出手段と床面との間に、空間が形成される。これによれば、検査の際に、被検者の足を形成された空間に配置することができるため、被検者は楽な体勢で検査を行うことができる。
【0019】
例えば、第1部材は、天板の下部に収まるように配置される。例えば、第1部材の長手方向の大きさは、天板の長手方向の大きさと同一であってもよい。また、例えば、第1部材の長手方向の大きさは、天板の長手方向の大きさ未満であってもよい。これによれば、天板から脚部が飛び出さないため、電動光学台の設置面積の増加を抑制できる。また、天板の第1端部側を壁面に寄せるように、電動光学台を配置することができる。
【0020】
脚部は、天板の短手方向に延びる第2部材(例えば、接続部材4a)を有してもよい。第2部材は、複数あってもよい。なお、第2部材は、実質的に天板の短手方向に延びる部材であればよい。例えば、この場合、第2部材の長手方向は、天板の短手方向と、平行(略平行)に延びていてもよい。つまり、第2部材の長手方向と、天板の短手方向と、が一致してもよい。また、この場合、第2部材の長手方向は、天板の短手方向と斜めに交わる方向へ延びていてもよい。
【0021】
例えば、第2部材は、天板の下部に収まるように配置される。例えば、第2部材の長手方向の大きさは、天板の短手方向の大きさと同一であってもよい。また、例えば、第2部材の長手方向の大きさは、天板の短手方向の大きさ未満であってもよい。これによれば、天板から脚部が飛び出さないため、電動光学台の設置面積の増加を抑制できる。また、検査装置の側面を壁面に寄せるように、電動光学台を配置することができる。
【0022】
本実施形態においては、支柱と第1部材とが、第2部材を介して連結されてもよい。すなわち、支柱が第2部材に連結され、第2部材に第1部材が連結されることによって、支柱と脚部とが連結されてもよい。第2部材は、第1部材の一端に連結されてもよい。第1部材の一端とは、厳密に第1部材の端でなくてもよい。なお、天板に対して支柱が被検者の足の位置を考慮した第1端部に配置されることで、支柱に連結される第2部材も、天板の第2端部から所定の距離だけ離れて配置される。これによれば、検査の際に被検者の足と第2部材とが接触することが抑制され、被検者は適切な姿勢で検査を受けることができる。
【0023】
<操作手段>
本実施例において、電動光学台には、検者が天板の高さ位置を調節するための操作手段が設けられていてもよい。例えば、操作手段は、天板を第1位置または第1位置より低い第2位置へと自動で上下移動させるための第1操作信号を入力する第1操作手段(例えば、レバー5)を備えてもよい。例えば、第1位置および第2位置は、天板が移動可能な範囲において予め設定された高さ位置(設定位置)である。一例として、第1位置は、天板が移動可能な上限位置であってもよい。また、一例として、第2位置は、天板が移動可能な下限位置であってもよい。もちろん、第1位置および第2位置は、上限位置および下限位置とは異なる位置であってもよい。本実施形態においては、第1操作信号に、天板を第1位置と第2位置との間である第3位置へと自動で上下移動させるための信号が含まれてもよい。なお、このような中間位置は複数あってもよい。また、操作手段は、天板を任意の位置へと手動で上下移動させるための第2操作信号を連続的に入力する第2操作手段(例えば、レバー5)を備えてもよい。
【0024】
例えば、第1操作手段および第2操作手段は、電動光学台に設けられた、レバー、スイッチ、フットペダル、等のいずれかであってもよい。また、第1操作手段および第2操作手段は、電動光学台に有線あるいは無線で接続することが可能な、外付けのデバイスであってもよい。なお、例えば、第1操作手段と第2操作手段は、別体として設けられてもよいし、兼用されてもよい。
【0025】
本実施形態において、第1操作手段と第2操作手段は、各々の機能を兼用するレバーであってもよい。例えば、検者が操作するレバーの操作量に応じて、第1操作信号の入力と第2操作信号の入力とが切り換えられてもよい。この場合、レバーの操作量が閾値以上であれば第1操作信号が入力され、レバーの操作量が閾値未満であれば第2操作信号が入力されるように、構成されてもよい。
【0026】
<制御手段>
制御手段は、操作手段からの操作信号に基づいて、支柱が有する駆動手段の駆動を制御する。これによって、天板の高さ位置が上下移動する。例えば、制御手段は、第1操作手段から入力された第1操作信号に基づいて、天板を自動で上下移動させる。より詳細には、第1操作信号に基づいて、天板を現在位置から第1位置または第2位置へと上下移動させる。なお、制御手段は、第1操作信号を受けたことにより、検者が第1操作手段から手を離しても、天板を第1位置あるいは第2位置まで移動させる。これによれば、検者は被検者の背丈等に応じて天板を移動させながらも、他の作業を行うことができる。
【0027】
もちろん、制御手段は、第1操作信号に基づいて、天板を現在位置から第3位置へと自動で上下移動させてもよい。これによれば、天板を段階的に変更させることができるため、検者は被検者の背丈等に応じて天板を大まかに移動させる場合であっても、被検者毎に適切な高さ位置に合わせやすくなる。
【0028】
例えば、制御手段は、第2操作手段から入力された第2操作信号に基づいて、天板を移動させる。より詳細には、第2操作信号に基づいて、天板を現在位置から任意の位置へと上下移動させる。このとき、制御手段は、検者が第2操作手段を操作し続けることで入力される連続的な第2操作信号に応じて、天板を任意の位置まで上下移動させる。これによれば、検者は被検者の背丈等に応じて天板の高さを細かく調節することができる。
【0029】
本実施形態において、制御手段は、第1操作手段からの第1操作信号に基づく天板の駆動の実行中に、第2操作手段からの第2操作信号の入力を検出した場合、第1操作信号に基づく天板の駆動を停止して、第2操作信号に基づく天板の駆動を実行してもよい。これによって、検者は天板の高さを効率よく調節することができる。
【0030】
[実施例]
本実施形態の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0031】
図1は、検査装置100を載置した電動光学台10を示した模式図である。例えば、検査装置100は、ベース101に固定された顔支持部102を備える。顔支持部102には上下移動可能な顎台103が設けられている。ベース101上には水平方向に移動可能な移動台105が設けられており、移動台105には検査光学系が配置された検査部106が載置されている。なお、顎台103、検査部106は、図示を省略する駆動機構によって、顎台103は上下方向に、検査部106は3次元方向に電動駆動されるようになっている。
【0032】
検査装置100は、検査装置100の前後方向(作動距離方向)と、電動光学台10における天板1の長手方向と、が一致する向きで載置される。また、検査装置100は、天板1の第2端部Tb(後述)側に顎台103が位置するように載置される。なお、本実施例においては、検査装置100の左右方向を電動光学台10のx方向とする。また、検査装置100の上下方向を電動光学台10のy方向とする。また、検査装置100の前後方向を電動光学台10のz方向とする。
【0033】
図2は、電動光学台10の外観構成図である。
図2(a)は、電動光学台10を下方から見たときの斜視図である。
図2(b)は、電動光学台10を上方から見たときの斜視図である。
【0034】
電動光学台10は、大別して検査装置100が載置される天板(テーブル)1と、天板1を下方から支持するための支柱30と、支柱30を介して電動光学台10全体を床上で支持するための脚部4と、から構成されている。なお、支柱30は天板1の下方の空間を十分に確保し、検査時に被検者の足や車椅子等と接触しないような位置に取り付けられている(詳細は後述する)。また、本実施例では天板1の裏面には、配線及び回路を収納するための収納ボックス2が設けられている。収納ボックス2の端には支柱30を上下動させるためのレバー5及び電動光学台10の電源スイッチ8が設けられている。また、被検者と対向する側となる天板1の裏面には、天板1と被検者とが接触した際に、支柱30の上下動を停止させるための検出手段であるスイッチ機構20が設けられている。
【0035】
なお、レバー5は、収納ボックス2に収納されている回路及び配線を介して、後述する支柱30の上下移動機構31と電気的に接続されている。レバー5を使用することにより、支柱30が上下するようになっている(詳細は後述する)。
【0036】
<天板>
図3は、天板1の上面図である。天板1は、検査装置100を載置することができる大きさを有している。例えば、天板1の大きさは、検査装置100のベース101と同等の大きさである。もちろん、天板1の大きさはこれに限定されないが、電動光学台10の設置面積を減少させるため、天板1は小さいほど好ましい。
【0037】
例えば、天板1の形状は長方形である。天板1の長手方向における一方の端部(第1端部Ta)には、後述する支柱30が連結される。また、天板1の長手方向における他方の端部(第2端部Tb)には、被検者が検査の際に位置する(
図1および
図4参照)。なお、本実施例において、端部とは厳密に天板の端でなくてもよく、支柱30は天板1の端部から中央よりの位置に配置されている(
図4参照)。
【0038】
天板1の短手方向の幅dは、車椅子を使用する被検者を考慮した設計がされている。具体的には、例えば、短手方向の幅dは、車椅子の左右のアームレストARの間の長さよりも短く設計されている。(
図1参照)。これにより、被検者は車椅子と天板1との接触を避けて、検査装置100に容易に近づくことができ、楽な姿勢で検査を受けることができるようになる。
【0039】
<支柱>
図4は、天板1に対する支柱30の配置を説明する図である。例えば、天板1の裏面には、支柱30が連結される。例えば、支柱30は、天板1の裏面において、長手方向の第1端部Taに連結される。また、例えば、支柱30は、天板1の長手方向の第2端部Tbから、距離Le以上離れた位置に配置される。距離Leとは、被検者が座って検査を行う場合において、天板1(検査装置100)に接近した際に、天板1の下部に足を配置するために要するz方向の長さである。また、距離Leは、被検者が車椅子を使用する場合に、天板1の下部に足を配置するために要するz方向の長さである(
図2、
図4参照)。例えば、距離Leとは予め定められる長さである。
【0040】
例えば、支柱は、天板1の内側に配置されてもよい。好ましくは、天板1において検査装置100が載置される領域の内側に配置されてもよい。これによれば、検査装置を配置する空間とは別に支柱を配置するための空間を設ける必要がないため、電動光学台の設置面積を低減できる。
【0041】
例えば、本実施例において、支柱30は天板1の短手方向の中心軸C上に配置される。これによれば、被検者が検査の際に足を前に伸ばした場合であっても、左右の足の間に支柱30がある状態となり、被検者の足と支柱30とが接触する可能性を低減できる。
【0042】
<脚部>
脚部4は、支柱30を床上で支えるために設けられている。例えば、脚部4は、H字型の部材である。例えば、本実施例において脚部4は、接続部材4a、接地部材4b、及び接地部材4cを備える。
【0043】
接続部材4aは、接地部材4b及び4cを接続する長板状の部材である。例えば、接続部材4aは、天板1の短手方向に延びている。本実施例において、接続部材4aの、一端に接地部材4bが、他端に接地部材4cが接続される。また、本実施例において、接続部材4aと、支柱30の下端が連結される。
【0044】
本実施例において、接続部材4aと支柱30とは垂直に連結されている。接続部材4aのz方向の配置は、支柱30のz方向の配置に基づいて定められる。例えば、支柱30が天板1の第2端部Tbから距離Leだけ離れた位置に配置されている場合、接続部材4aのz方向の位置も、天板1の第2端部Tbから距離Leだけ離れた位置となる。これによれば、被検者が検査の際に天板1の下(すなわち、スイッチ機構20の下部)に足を配置した場合に、接続部材4aと被検者の足とが接触してしまうことを抑制できる。また、車椅子を使用する被検者の場合に、車椅子のキャスタ(前輪)が接続部材4aと接触して、検査の妨げとなることを抑制できる。
【0045】
例えば、接地部材4b、4cは天板1の長手方向(z方向、
図2参照)に延びている。例えば、接地部材4bと、接地部材4cの間の距離は、一般的な車椅子のキャスタ(前輪)の幅よりも短く設計されている。例えば、検査の際に、接地部材4b及び4cが、車椅子のキャスタの内側に位置するように、接地部材4b及び4cの間の距離は定められている。このため、車椅子を使用した被検者が、検査のために天板1に対して、z方向と平行方向に移動して近づく際、車椅子のキャスタ(前輪)と、接地部材4b及び4cとが接触することが低減される。
【0046】
例えば、脚部4は、天板1の下部に収まるように配置される。言い換えれば、真上から電動光学台10を見た場合に、脚部4が天板1の外に出ないように、脚部4は配置される。例えば、接地部材4b及び4cの、x方向の長さは、天板1のx方向の長さ以下である。例えば、接続部材4aのz方向の長さは、天板1のz方向の長さ以下である。これによれば、脚部4を設置するために必要な面積が天板1の面積よりも大きくならないため、電動光学台10の設置面積が増加することを抑えられる。
【0047】
なお、本実施例における脚部4の配置及び形状は一例であり、これに限定されない(後述の[変容例]を参照)。
【0048】
脚部4の床上からの高さh(床上から上面までの高さ)は、車椅子に設けられたフットレストFRの高さ位置よりも低くなるように形成されている。例えば、本実施例では一般的な車椅子の仕様に基づき、脚部4の高さhは50mm以下となるように形成されている。これにより、車椅子を使用した被検者が電動光学台10に近づく際に、車椅子のフットレストFRと脚部4との接触が避けられるので、被検者は容易に検査装置100に近づくことができるようになる。
【0049】
また、本実施例では、脚部4全体の高さhがフットレストFRの高さ位置よりも低くなるように形成されているが、少なくともフットレストFRが通過される範囲の高さhがフットレストFR(より詳しくは図示を略すフットレストFRの支柱先端)の高さよりも低くなっていれば良い。
【0050】
<レバー>
天板1の高さを調節するためのレバー5の構成について、
図5を用いて説明する。例えば、検者はレバー5を操作することによって、天板1を動作させる駆動モードを、第1駆動モードと第2駆動モードで使い分けることができる。例えば、第1駆動モードは、天板1を予め定められた設定位置(一例として、上限位置または下限位置)まで自動で動かすモードである。例えば、第2駆動モードは、天板1を検者が所望する位置まで手動で動かすモードである。
【0051】
例えば、天板1を第1駆動モードと第2駆動モードのいずれのモードで動作させるかは、レバー5の操作量によって決定される。例えば、レバー5は、バネ等の図示しない保持機構によって、検者に操作されないときは可動範囲の中心(以下、単に「可動中心」とする)に保持されている。例えば、レバー5の可動範囲には、制御部70に第1駆動モードと第2駆動モードのいずれかを選択的に実行させるための、閾値が設定されている。例えば、レバー5が可動中心から閾値以上の操作量(例えば、レバー5を可動範囲の最大まで動かす場合の操作量)で操作された場合、天板1を第1駆動モードで動作させるための操作信号(第1操作信号)が出力される。例えば、レバー5が可動中心から閾値未満の操作量で操作された場合、天板1を第2駆動モードで動作させるための操作信号(第2操作信号)が出力される。なお、第1操作信号、及び第2操作信号の詳細は後述する。
【0052】
<上下移動機構>
図6に電動光学台10の上下移動機構31の内部構成を示す。支柱30は、天板1の上下移動を行うスライド部30aと、スライド部30aを支える基部30bと、スライド部30aを基部30bに沿って上下方向にスライドさせるための上下移動機構31とから構成される。スライド部30aに取り付けられたモータ32の回転軸には、ギヤ33aが取り付けられており、ギヤ33aには送りネジ34に設けられたギヤ33bが噛み合っている。また、基部30b側には送りネジ34に対するナット部35が取り付けられている。モータ32の回転により送りネジ34が回転し、これに伴ってスライド部30aが上下移動する。
【0053】
上下移動機構31について、スライド部30aの上下移動可能範囲を検知するための構成を、
図6及び
図7を用いて説明する。
図7はセンサ36a、36bの構成を説明する図である。スライド部30aの上下移動可能範囲の上限と下限を検知するため、基部30bにはセンサ36aとセンサ36bが設けられている。例えば、センサ36aは光電センサで、一組の投光部と受光部から構成される(
図7(a)参照)。投光部からは受光部に対して赤外光が投光されている。なお、センサ36bも同様である。スライド部30aの下端には、センサの投光部と受光部との間を通過する凸部Bが設けられている。スライド部30aが移動されることで、凸部Bがセンサ36aの投光部からの赤外光を遮断すると、モータ32の回転が停止するように制御される(
図7(b)参照)。例えば、センサ36bについても同様の制御が行われる。これによって、スライド部30aの上下移動可能範囲が検知される。なお、上下移動機構31はレバー5からの操作信号と、マイクロスイッチ22からの入力信号とに基づき動作制御されるようになっている。
【0054】
<スイッチ機構>
図8はスイッチ機構20の内部構成の説明図である。スイッチ機構20は、天板1の裏面と所定の間隙を介して取り付けられたカバー21と、後述する上下移動機構31の下降動作を停止させるためのマイクロスイッチ22と、カバー21を天板1との間隙を介して上下移動可能に保持する保持部材23と、カバー21の内部に取り付けられ,マイクロスイッチ22を駆動させるための押圧部24と、から構成される。なお、マイクロスイッチ22は天板1の裏面に取り付けられ、スイッチ信号は後述する制御部70に送信される。制御部70は、スイッチ信号に基づいて上下移動機構31の下降動作を停止させる。また、カバー21は出来るだけ薄く形成されることが好ましい。これにより、天板1の可動域を十分に確保する事が出来るようになる。
【0055】
また、本実施例では、スイッチ機構20は、被検者が位置する側の天板1の端面から所定の範囲(被検者の膝が入り込む程度までの範囲)までをカバーするように設けられている。このような構成により、被検者が電動光学台10に向き合った状態で天板が下げられ、被検者の腕又は膝が天板1に接触してしまう状態とされても、直前にカバー21と腕(又は足)が接触し、カバー21が上方向(天板1の裏面に近づく方向)へと押し上げられ、押圧部24でマイクロスイッチ22が押されて、天板1の駆動が停止される。これにより、被検者の腕又は膝等が誤って天板1によって強く押し付けられることが防止されるようになる。
【0056】
<制御部>
図9は本実施例における電動光学台10の制御ブロック図である。例えば、制御部70は、支柱30の駆動を制御し、天板1の高さ位置の調節を司るために構成されている。例えば、制御部70に対して、レバー5、電源スイッチ8、スイッチ機構20のマイクロスイッチ22、上下移動機構31が接続されている。例えば、制御部70は、レバー5が操作されることで入力される、第1操作信号及び第2操作信号に基づいて、天板1の高さ位置を調節する。調節方法の詳細は、後述の[動作]で説明する。なお、例えば、制御部70は、後述する設定位置に天板1の高さを調節する際に、上下移動機構31のセンサ36a、36bに基づいて、調節を行う。もちろん、天板1の高さを調節するために、エンコーダ等の検知手段が設けられてもよい。その場合、制御部70は、検知手段の検知結果に基づいて天板1の高さを調節してもよい。
【0057】
[動作]
次に、以上のような構成を備える電動光学台10に車椅子の被検者を位置させて、検査を行うための位置決めをする動作を、具体例を用いて説明する。
【0058】
検者は、検査装置100が載置された電動光学台10の天板1の高さを、被検者の膝等に当たらないような高さに、レバー5を操作することで調節する。本実施例では、検者が、天板1を第1駆動モードで移動させることにより、その高さを大まかに調節し、続いて天板1を第2モードで移動させることにより、その高さを細かく調節する場合を例に挙げる。なお、本実施例においては、天板1の高さを調節する前は、天板1が移動可能な範囲(移動範囲)の下限に位置しているとする。
【0059】
<第1駆動モード>
本実施例における第1駆動モードによるレバー5の操作と、天板1の移動について、
図10を用いて説明する。例えば、検者は、可動中心に保持されたレバー5を操作し、可動領域の上限までレバー5を押し上げる(
図10(a)参照)。これによって、レバー5の操作量が閾値を越え、第1駆動モードを適用して天板1を移動させるための操作信号(第1操作信号)が入力される。ここでは、レバー5を引き上げたことで、天板1を移動可能な上限位置まで移動させるための第1操作信号が制御部70に入力される。なお、検者がレバー5から手を離すとレバー5は可動中心に戻るが、制御部70はレバー5が可動中心位置に戻っても、天板1が上限位置に到達するまで天板1を移動させ続ける。
【0060】
例えば、天板1が移動範囲の上限に到達したことは、上下移動機構31に備えられたセンサ36aによって検知される。制御部70は、センサ36bからの検知信号が入力されると、天板1の移動を停止する。これによって、天板1は上限位置に配置される(
図10(b)参照)。
【0061】
検者が可動領域の下限までレバー5を押し下げ、第1駆動モードにて天板1を下限位置まで移動させる場合については、同様に考えることができる。このとき、天板1が移動範囲の下限に到達したことはセンサ36bによって検知され、センサ36bからの検知信号に基づいて天板1の移動が停止されることで、天板1は下限位置に配置される。
【0062】
例えば、第1駆動モードにおいては、検者がレバー5の操作を終了しても(レバー5から手を離しても)天板1の移動が続行されるため、検者がレバーを操作する時間が、天板1を移動させる時間よりも短くなる。これによれば、天板1が上限位置または下限位置まで移動されている間に、検者は被検者の介助やカルテの整理等の別の作業を行うことができる。
【0063】
以上説明した第1駆動モードにより、検者は別の作業を行いながらも天板1を移動範囲の上限または下限まで移動させ、天板1の高さを被検者の背丈等に応じて大まかに調節することができる。
【0064】
次いで、検者は、被検者と検査装置100との位置合わせを行うため、天板1の第2端部Tb側へと車椅子を移動させる。前述の通り、本実施例では、支柱30及び脚部4の接続部材4aが、第2端部Tbから、距離Leだけ離れている。このため、被検者が天板1の下に足を配置した際に、被検者の足と支柱30及び接続部材4aとが接触することが抑制される。さらに、天板1の短手方向の幅dが、車椅子の左右のアームレストAR間の長さよりも短く形成されていることにより、アームレストARと天板1との接触が回避される。これらによって、被検者は容易に検査装置100に近づくことができる。
【0065】
<第2駆動モード>
次いで、検者は、天板1を第2駆動モードで上限位置から下げ、天板1の高さを細かく調節する。本実施例における第2駆動モードによるレバー5の操作と、天板1の移動について、
図11を用いて説明する。例えば、検者は、可動中心に保持されたレバー5を、閾値を超えない程度の操作量で押し下げる(
図11(a)参照)。レバー5が閾値を超えない程度の操作量で押し下げ続けられている間、第2駆動モードを適用して天板1を移動させるための操作信号(第2操作信号)がレバー5から制御部70に入力される。制御部70は、第2操作信号が入力されている間は、天板1を下降させ続ける。例えば、検者がレバー5の操作を止める(レバー5から手を離す)と、レバー5は可動中心位置に戻り、第2操作信号の入力が停止される。この場合に、制御部70は、天板1の下降を停止させる(
図11(b)参照)。
【0066】
以上の動作により、検者は、レバー5を押し下げ続けることで、天板1を下降させ、その後レバー5から手を離すことで、所期する高さに天板1を配置することができる。なお、検者がレバー5を押し上げ続け、天板1を所期する高さまで上昇させる場合については、同様に考えることができる。
【0067】
以上に説明した第2駆動モードにより、検者は天板1を所期する高さ位置まで移動できるため、天板1の高さを被検者の背丈等に合わせて細かく調節することができる。
【0068】
以上の構成と動作を説明したように、例えば、本実施例の電動光学台10は、検査装置100の下部に天板1を介して支柱30が配置される。これによって、電動光学台10の設置面積を抑えて配置することができる。なお、本実施例では、天板1の第1端部Ta側に支柱30を配置することによって、天板1の第2端部Tb側に設けられた検出手段と床面との間に空間が形成されるため、天板1の下部に被検者の足や車椅子のキャスタ(前輪)を配置し、被検者に無理のない姿勢で検査を実施することができる。
【0069】
また、本実施例において、天板1の下部に収まるように脚部4を配置することによって、電動光学台10の設置面積が増加することを抑制できる。より詳細には、天板の下部に接続部材4a、接地部材4b、及び接地部材4cが収まるように配置することによって、電動光学台10の設置面積の増加を抑制できる。また、天板1の下部に収まるように脚部4を配置することによって、電動光学台10を配置する際に、検査装置100の背面や側面を壁面により近づけることができる。
【0070】
[変容例]
本実施例において、支柱30は天板1の第1端部Taから中央寄りに配置される場合を説明したが、これに限定されない。支柱は、被検者側(すなわち、第2端部Tb側)から、被検者の足や車椅子のキャスタ(前輪)が支柱30と接触しない程度のZ方向の距離を保って配置されればよい。例えば、支柱30は、天板1の縁に配置されてもよい。
【0071】
本実施例において、支柱30が1本である場合を説明したが、支柱30の数はこれに限定されない。例えば、支柱30の数は複数であってもよい。その場合であっても、天板1に対するそれぞれの支柱30の配置は、の検査の際に被検者側となる第2端部Tbから、距離Le離れた位置に配置されてもよい。これによれば、支柱30が1本である場合と同様に、検査の際に支柱30と被検者の足とが接触することが低減される。
【0072】
本実施例において、天板1の短手方向(
図4におけるx方向)の中心軸C上に支柱30を配置する構成を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、天板1の短手方向(被検者側から見た左右方向)のいずれかの端に寄った位置に支柱30が配置されてもよい。
【0073】
本実施例において、脚部4の形状がH字型である場合を説明したが、脚部4の形状はこれに限定されない。例えば、脚部4の形状は、検査の際に車椅子のキャスタ(前輪)と、脚部4とが接触しないように考慮された形状であればよい。以下に、
図12を用いて、脚部4の形状の変容例を説明する。もちろん、脚部4には、これら変容例とは異なる種々の形状を適用することが可能である。
【0074】
例えば、脚部4の形状は、
図12(a)に示すように、十字型であってもよい。この場合、天板1の長手方向に延びる接地部材は接地部材4bの1本で良く、接地部材4cは省略できる。検査の際には、接地部材4bの左側に車椅子の左の前輪が配置され、接地部材4bの右側に車椅子の右の前輪が配置されるため、脚部4と被検者の足との接触が抑制される。
【0075】
また、例えば、脚部4の形状は、
図12(b)に示すように、U字型であってもよい。この場合、天板1の長手方向に延びる接地部材4b及び4cが、円弧状の接続部材4aによって接続されても良い。検査の際には、U字の開口側であり、かつ、接地部材4b及び4cの外側に、車椅子のキャスタ(前輪)が位置する。なお、接地部材4bの内側と接地部材4cの外側、あるいは、接地部材4bの外側と接地部材4cの内側に、左右のキャスタをそれぞれ位置させることも可能である。これによって、脚部4と被検者の足との接触が抑制される。
【0076】
また、例えば、脚部4の形状は、
図12(c)に示すように、V字型であってもよい。この場合、脚部4は、天板1の長手方向に向かって斜め方向に延びる接地部材4b及び接地部材4bと、天板1の短手方向に対称に延びる接地部材4cと、が結合されることで構成されてもよい。接続部材4aは省略することも可能である。検査の際には、接地部材4b及び4cの外側に車椅子のキャスタ(前輪)が位置するため、脚部4と被検者の足との接触が抑制される。
【0077】
本実施例において、1つのレバー5を、第1駆動モードにおける第1操作信号を入力するための第1操作手段、および第2駆動モードにおける第2操作信号を入力するための第2操作手段として兼用する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、第1操作手段と第2操作手段は別体として備えられていてもよい。例えば、この場合、第1操作信号を入力するためのレバーと、第2操作信号を入力するためのレバーと、の2つのレバーがそれぞれ備えられてもよい。
【0078】
本実施例において、天板1の高さ位置を変更するための操作手段としてレバー5が使用される場合を説明したが、操作手段はこれに限定されない。例えば、操作手段はスイッチであってもよい。例えば、操作手段はフットペダルであってもよい。例えば、操作手段はハンドルであってもよい。もちろん、これらの操作手段は一例であり、限定されない。
【0079】
本実施例では、第1駆動モードにおいて、天板1が移動範囲の上限または下限へ自動的に移動する構成について説明したが、これに限定されない。天板1は、第1駆動モードにおいて、必ずしも移動範囲の上限位置と下限位置に移動する構成でなくてもよく、これらとは異なる位置が予め設定位置として定められていてもよい。
【0080】
また、天板1は、上限位置と下限位置に加えて、上限位置と下限位置の間である中間位置に移動可能とされてもよい。つまり、天板1の第1駆動モードにおける設定位置が、上限位置、中間位置、および下限位置に予め設定されていてもよい。なお、中間位置は複数設けられてもよい。
【0081】
例えば、天板1の高さ方向の移動が中間位置にて停止する構成とする場合には、上下移動機構31に天板1が中間位置まで移動したことを検知するためのセンサを備えてもよい。このようなセンサの構成は、センサ36a、36bと同様であってもよい。これによって、被検者の背丈等に応じて天板1を大まかに移動させる場合であっても、被検者毎に適切な高さ位置に合わせやすくなる。続く天板1の第2駆動モードにおける細かな移動においても、天板1が第1駆動モードでおおよそ適切な高さ位置となっていることによって、効率よく調節できる。なお、天板1が移動可能な設定位置が多いほど、検者は天板1をより細かい位置に第1駆動モードで自動的に調節することができる。
【0082】
なお、天板1の設定位置として中間位置を設けた場合、検者による操作手段の操作に応じて、天板1が移動可能な任意の設定位置が選択されてもよい。例えば、検者がレバー5を可動範囲の上限に連続して複数回引き上げた場合、制御部70はレバー5が押し上げられた回数分だけ、天板1を現在の位置から上方向の設定位置まで移動させてもよい。具体的には、例えば、レバー5が可動範囲の上限に連続して2回押し上げられた場合、制御部70は、天板1を現在位置よりも2段階上の設定位置まで上昇させてもよい。もちろん、検者がレバー5を押し下げて天板1を下降させる場合についても、同様に考えることができる。また、天板1の設定位置として中間位置を設けた場合、上限位置、各中間位置、及び下限位置のそれぞれに対応するスイッチが設けられてもよい。例えば、検者が天板1の設定位置に対応するスイッチを操作することによって、天板1を移動させる任意の設定位置が選択されてもよい。
【0083】
本実施例においては、まず、天板1の位置を大まかに調節するために第1駆動モードを使用し、次に、天板1の位置を細かく調節するために第2駆動モードを使用する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。検者は、第1駆動モードと第2駆動モードのいずれかのみを使用して、天板1の高さ位置を調節することが可能である。もちろん、第1駆動モードと第2駆動モードを任意に組み合わせて適用し、天板1の高さ位置を調節することも可能である。
【0084】
なお、検者は、天板1が第1駆動モードにおける設定位置に到達する以前に、天板1の移動を停止させ、天板1の高さを微調節することもあり得る。このため、制御部70は、レバー5からの第1操作信号に従って天板1を移動させている最中に、再びレバー5が操作されて第2操作信号が入力された場合、第1操作信号による移動を停止し、第2操作信号による移動に切り替えてもよい。これによれば、検者は、被検者におおよその高さがあったタイミングで第1駆動モードによる天板1の移動を適宜停止し、その後に第2駆動モードで天板1の位置を微調節することができる。このため、例えば、天板1が移動範囲の上限位置及び下限位置まで自動で移動するような構成であっても、天板1を上限位置と下限位置の間の任意の位置に配置することができ、効率よく電動光学台の高さを調節できる。
【0085】
本実施例において、制御部70が天板1の位置を検知するための構成として、センサ36a、36bを例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、天板1の位置を検知するために、磁気センサが用いられてもよい。また、例えば、天板1の位置を検知するための構成として、マイクロスイッチが備えられてもよい。さらにまた、例えば、モータ32の回転数に応じて、天板1の位置が検知されてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 天板
4 脚部
5 レバー
10 電動光学台
20 スイッチ機構
30 支柱
31 上下移動機構
70 制御部
100 検査装置