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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173657
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】シート付物品
(51)【国際特許分類】
   A47C 31/02 20060101AFI20221115BHJP
   A47C 5/10 20060101ALI20221115BHJP
   A47C 7/50 20060101ALI20221115BHJP
   A47C 17/02 20060101ALI20221115BHJP
   A47C 16/02 20060101ALN20221115BHJP
【FI】
A47C31/02 Z
A47C5/10 Z
A47C7/50 Z
A47C17/02 Z
A47C16/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079488
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】飴谷 浩
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シートを簡単に取付けることのできるシート付物品の提供。
【解決手段】金属製部材1とシート2とを備え、金属製部材1は、シート2の固定部3が設けてあり、固定部3は、ステープル4を打てる材質の部材を配置してあり、シート2は、金属製部材1の固定部3にステープル4で固定してある。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製部材とシートとを備え、金属製部材は、シートの固定部が設けてあり、固定部は、ステープルを打てる材質の部材を配置してあり、シートは、金属製部材の固定部にステープルで固定してあることを特徴とするシート付物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製部材にシートを取付けたシート付物品に関する。
【背景技術】
【0002】
シートを取付ける物品において、シートを簡単に取付けできるものが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、シートを簡単に取付けることのできるシート付物品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるシート付物品は、金属製部材とシートとを備え、金属製部材は、シートの固定部が設けてあり、固定部は、ステープルを打てる材質の部材を配置してあり、シートは、金属製部材の固定部にステープルで固定してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明によるシート付物品は、金属製部材とシートとを備え、金属製部材は、シートの固定部が設けてあり、固定部は、ステープルを打てる材質の部材を配置してあり、シートは、金属製部材の固定部にステープルで固定してあるので、シートを簡単に取付けることができる。しかも、金属製部材を用いることで耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明のシート付物品の第1実施形態を示す斜視図である。
図2】(a)は第1実施形態のシート付物品のクッションの平面図であり、(b)はA-A断面図である。
図3】同クッションの一部を拡大して示す縦断面図である。
図4】(a)は第1実施形態のシート付物品のベースフレームの平面図であり、(b)は同正面図である。
図5】同ベースフレームのコーナー部を拡大して示す平面図である。
図6図5のB-B断面図である。
図7】同ベースフレームのコーナー部の分解斜視図である。
図8】本発明のシート付物品の第2実施形態を示す正面図である。
図9】第2実施形態のシート付物品の側面図である。
図10】第2実施形態のシート付物品のシートの取付部分を拡大して示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明のシート付物品の第1実施形態を示している。本シート付物品は、脚を載せたり腰掛けたりするのに用いられるオットマンに適用したものである。本シート付物品は、住宅の庭に設置されるデッキの上など、屋外での使用を想定したものとなっている。本シート付物品は、金属(アルミ)製のベースフレーム12と、ベースフレーム12上に載置固定したクッション13とで構成されている。
【0008】
クッション13は、図2に示すように、下側に配置されたクッションベース14と、クッションベース14上に載置された柔軟性を有するクッション本体15と、これらに被せたシート2とを有している。
クッションベース14は、アルミニウム合金の押出形材よりなる枠材(金属製部材)1,1,1,1を四角形に枠組みすると共に、左右の枠材1,1間に同じくアルミニウム合金の押出形材よりなる横桟35,35,…を複数本架設して構成してある。枠材1は、図3に示すように、上下方向が長い略矩形断面の中空形材となっており、下部に下面側が開放したリップ溝型の係合部16が長手方向に沿って形成してあり、係合部16に保持してシート2用の固定部3が設けてある。固定部3は、ステープル4が打てる材質の部材、例えば樹脂又はゴムで形成した長尺材となっている。
【0009】
シート2は、防水性又は撥水性を有する丈夫な素材で形成されており、クッション本体15の上面と四周の側面及びクッションベース14の四周の側面をすっぽりと包んでいる。シート2の下縁部2aは、図3に示すように、内側に折ってクッションベース14の四周の枠材1,1,1,1の下面に重ね、ステープル4で枠材1,1,1,1の固定部3に固定してある。ステープル4は、枠材1の長手方向に沿って多数打ち込まれている。
【0010】
次に、本クッション13の製作手順を説明する。まず、組立てたクッションベース14の上にクッション本体15を載せ、その上からシート2を被せる。次に、これを上下逆にし、シート2の縁部2aを内側に折り曲げ、枠材1の長手方向に沿ってタッカーでステープル4を打ち込んでシート2の縁部2aを枠材1の固定部3に固定する。
【0011】
以上に説明したように本クッション13は、クッションベース14の枠材1にステープル4を打てる材質の部材よりなる固定部3が設けてあり、該固定部3にシート2をステープル4で固定することで、シート2の取付けが簡単に行える。しかも、クッションベース14はアルミニウム合金の押出形材で形成してあり、風雨にさらされても錆びたり腐ったりすることがないため、耐久性が優れている。
【0012】
ベースフレーム12は、図4に示すように、縦フレーム7,7及び横フレーム8,8と、四箇所のコーナー部に配置されたコーナー金具5と、各コーナー金具5に取付けられた脚6と、縦横のフレーム7,7,8,8で形成される四角形の枠の内側に配置した複数の架設材9,9,…とを備えている。
【0013】
縦フレーム7と横フレーム8は、同一の断面形状のアルミニウム合金の押出形材で形成されている。縦フレーム7と横フレーム8は、図6に示すように、縦長の矩形断面の中空部17と、中空部17の下壁を内周側に延出して設けた架設材9の載置部18と、中空部17の上壁を内周側に延出して設けた架設材9の浮き上がり防止片19を有している。浮き上がり防止片19は、載置部18よりも中空部17からの突出長さが短くなっている。
【0014】
コーナー金具5は、アルミの鋳物で形成したものであり、図5~7に示すように、略L字型の基部20と、基部20の端面より交差する方向に突設され、縦フレーム7及び横フレーム8の中空部17にそれぞれ挿入される挿入部10a,10bと、下方に向けて突設され、脚6の中空部に挿入される挿入部10cと、基部20の下面と連続して板状に形成された架設材9の載置部11と、基部20の上面と連続して形成された架設材9の浮き上がり防止片21とを有している。コーナー金具5の載置部11と浮き上がり防止片21は、縦横のフレーム7,8の載置部18及び浮き上がり防止片19とそれぞれ連続している。
基部20の端面より突出する挿入部10a,10bには、図7に示すように、下面に雌ネジ孔22が形成してあり、縦フレーム7及び横フレーム8の中空部17を挿入部10a,10bに嵌めてから下方からのネジ23で固定される。下方に向けて突出する挿入部10cには、内周側面に雌ネジ孔24が形成してあり、脚6の中空部を挿入部10cに嵌めてから内周側からのネジ25で固定される。載置部11には、ネジ26の挿通孔27が形成してあり、載置部11に載せた架設材9の端部が下方からのネジ26で載置部11に固定される。浮き上がり防止片21は、架設材9の上縁と係合して架設材9の浮き上がりを防止する。
【0015】
脚6は、アルミニウム合金の中空押出形材で形成してあり、図5~7に示すように、上端部をコーナー金具5の挿入部10cに嵌めて内周側からのネジ25で固定して取付けてある。脚6の下端部には、図4(b)に示すように、ゴム製のキャップ28が取付けてある。
【0016】
架設材9は、図5~7に示すように、アルミニウム合金の矩形断面の中空押出形材で形成してあり、一番前と一番後ろの架設材9は、端縁部をコーナー金具5及び縦フレーム7の載置部11,18に載置して下方からのネジ26で固定してあるとともに、片方の側縁部を横フレーム8の載置部18に載置して下方からのネジ26で固定してある。その他の架設材9は、端縁部を縦フレーム7の載置部18に載置して下方からのネジ26で固定してある。
【0017】
次に、ベースフレーム12の組立て手順を説明する。まず、前側又は後側の一方の横フレーム8の両端部に左右の縦フレーム7,7をコーナー金具5により連結する。縦フレーム7と横フレーム8との連結は、コーナー金具5の挿入部10a,10bを縦フレーム7と横フレーム8の中空部17にそれぞれ挿入し、下方からのネジ23で固定して行う。
次に、横フレーム8が連結されていない方の縦フレーム7,7の小口側から、左右の縦フレーム7,7間に架設材9を順次差し入れ、コーナー金具5及び縦横のフレーム7,8の載置部11,18に架設材9の縁部を載置して下方からのネジ26で固定する。
次に、もう一方の横フレーム8を左右の縦フレーム7,7の端部にコーナー金具5により連結し、コーナー金具5及び横フレーム8の載置部11,18に架設材9の縁部を載置して下方からのネジ26で固定する。
その後、脚6の端部をコーナー金具5の挿入部10cに嵌めてネジ25で固定する。なお、ベースフレーム12の組立て作業は、上下逆の状態で行う。
【0018】
以上に述べたようにベースフレーム12は、コーナー金具5に三方向に突出する挿入部10a,10b,10cと架設材9の載置部11を有しており、縦横のフレーム7,8は架設材9の載置部18を有しており、縦横のフレーム7,8の端部をコーナー金具5の挿入部10a,10bに嵌めて固定し、脚6の端部をコーナー金具5の挿入部10cに嵌めて固定し、架設材9の縁部をコーナー金具5の載置部11と縦フレーム7の載置部18と横フレーム8の載置部18のいずれかに載置して固定することにより、簡単に組立てできる。
【0019】
図8~10は、本発明のシート付物品の第2実施形態を示している。本シート付物品は、住宅の庭などに設置される自立型のオーニング(日除け)に適用したものである。本シート付物品は、図8,9に示すように、両端部を柱34,34で支持した前桁29及び後桁30と、前桁29と後桁30の端部同士を連結する側桁31と、前桁29の上面と後桁30の上面との間に左右方向に間隔をおいて掛け渡した複数の垂木(金属製部材)32,32,…と、垂木32,32,…の上面に跨って取付けたシート2を有している。複数の垂木32,32,…の前側及び後側の端部は、連結材33で連結してある。
【0020】
垂木32は、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、図10に示すように、上下方向が長い略矩形断面の中空形材となっており、上部に上面側が開放したリップ溝型の係合部16が長手方向に沿って形成してあり、係合部16に保持してシート2用の固定部3が設けてある。固定部3は、ステープル4が打てる材質の部材、例えば樹脂又はゴムで形成した長尺材となっている。
シート2は、垂木32の固定部3の上面に重ねられ、上方から打ち込んだステープル4で固定部3に固定してある。ステープル4は、垂木32の長手方向に沿って多数打ち込まれる。
【0021】
以上に述べたように本シート付物品(第1・第2実施形態)は、金属製部材(枠材1、垂木32)とシート2とを備え、金属製部材1,32は、シート2の固定部3が設けてあり、固定部3は、ステープル4を打てる材質の部材を配置してあり、シート2は、金属製部材1,32の固定部3にステープル4で固定してあるので、シート2を固定部3に重ね、その上からタッカー等でステープル4を打ち込むことで、シート2を簡単に取付けることができる。しかも、金属製部材1,32を用いることで耐久性が向上する。
金属製部材1,32は、押出形材で形成したものであり、固定部3が長手方向に設けてあるので、金属製部材1,32の長手方向に沿って固定部3にステープル4を次々打ち込んでいくことで、シート2を金属製部材1,32に能率よく取付けできる。
固定部3は、樹脂又はゴムで形成した長尺材であり、金属製部材1,32に形成した係合部16に保持してあるので、金属製部材1,32にステープル4が打てる固定部3を容易に且つ安定して設置することができる。
【0022】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。金属製部材の材質や形状は、適宜変更することができる。シートの材質は、特に限定されない。固定部は、ステープルが打てるものであればよく、樹脂やゴムで形成したものの他、例えば木材で形成することもできる。本発明は、オットマンやオーニングに限らず、ベッド、ソファ、テントなど、シートが張られるあらゆる物品に適用することができ、屋内で使用されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0023】
1 枠材(金属製部材)
2 シート
3 固定部
4 ステープル
5 コーナー金具
6 脚
7 縦フレーム
8 横フレーム
9 架設材
10a,10b,10c 挿入部
11,18 載置部
32 垂木(金属製部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10