(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173667
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
E06B 9/64 20060101AFI20221115BHJP
E06B 9/62 20060101ALI20221115BHJP
E06B 9/42 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
E06B9/64
E06B9/62 A
E06B9/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079501
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】日比 祐輔
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA06
2E042CA04
2E042CB09
(57)【要約】
【課題】スクリーンの幅方向全長に亘って均等に荷重をかけることが可能なロールスクリーンを提供する。
【解決手段】ロールスクリーンSrは、スクリーンScとウエイトバー10を備える。ロールスクリーンSrは、回転可能な巻取りパイプPrにスクリーンScの一端部を巻取り及び巻解き可能に連結し、スクリーンScの他端部が巻取りパイプPrから垂下してウエイトバー10で折り返して巻取りパイプPrの近傍に設けた固定部材Mfに連結している。ウエイトバー10は、スクリーンScの折り返し部に配置された回転パイプ11と、回転パイプ11を回転可能に支持するサイドキャップ21と、を有している。ウエイトバー10は、回転パイプ11に重量を付加する錘31を回転パイプ11の内部に配置している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な巻取りパイプにスクリーンの一端部を巻取り及び巻解き可能に連結し、前記スクリーンの他端部が前記巻取りパイプから垂下してウエイトバーで折り返して前記巻取りパイプの近傍に設けた固定部材に連結しているロールスクリーンであって、
前記ウエイトバーは、
前記スクリーンの折り返し部に配置された回転パイプと、
前記回転パイプを回転可能に支持するサイドキャップと、を有し、
前記回転パイプに重量を付加する錘を前記回転パイプの内部に配置している、ロールスクリーン。
【請求項2】
前記錘は、前記回転パイプの端部に装着したパイプキャップに保持されている、請求項1記載のロールスクリーン。
【請求項3】
前記錘は、錘本体と、前記錘本体を内部に収容する被覆部材で構成している、請求項2記載のロールスクリーン。
【請求項4】
前記被覆部材は、前記回転パイプの略全長に亘る長さを有し、前記被覆部材の両端部を前記パイプキャップによって位置決めしている、請求項3記載のロールスクリーン。
【請求項5】
前記錘本体は、前記被覆部材よりも全長を短く形成している、請求項3又は4記載のロールスクリーン。
【請求項6】
前記被覆部材は、前記被覆部材に収容した前記錘本体の移動を規制する規制部を形成している、請求項3から5のいずれかに記載のロールスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスクリーンに関する。特に、巻取りパイプから垂れ下がったスクリーンをウエイトバーで折り返して、セットフレームに連結したロールスクリーンの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
透過部と不透過部が交互に配置されたスクリーンの一端部を、上部に配置されたセットフレームに両端支持された回転可能な巻取りパイプに固定し、巻取りパイプから垂れ下がったスクリーンをウエイトバーで折り返して、スクリーンの他端部をセットフレームに連結し、錘となるウエイトバーで折り返したスクリーンを張設したロールスクリーンが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によるロールスクリーンは、回転可能な巻取りパイプにスクリーンの一端が巻取り及び巻解き可能に連結され、スクリーンの他端部が巻取りパイプから垂下してウエイトバーで折り返されて巻取りパイプ近傍に設けられる固定部材に連結されている。
【0005】
特許文献1によるウエイトバーは、回転パイプ、一対のパイプキャップ、C形チャンネル状のウエイトバー本体、一対のサイドキャップ、及び、帯板状の調整ウエイトを備えている。
【0006】
回転パイプは、スクリーンの折り返し部に配置されている。一対のパイプキャップは、回転パイプの両端部に係合している。ウエイト本体は、回転パイプの下方に配置されている。一対のサイドキャップは、ウエイト本体の両端部に固定されている。又、一対のサイドキャップは、パイプキャップを軸受けしている。
【0007】
調整ウエイトは、ウエイトバー本体の内部に配置されている。又、調整ウエイトは、ウエイトバー本体の長手方向に沿って移動可能に、ウエイト本体の下面から位置調整できる。
【0008】
特許文献1によるロールスクリーンは、調整ウエイトをウエイトバー本体の内部に位置調整可能に設けたことによって、スクリーンを昇降時に、スクリーンに巻乱れが生じてしまった場合には、ウエイトバー本体の長手方向に調整ウエイトの位置をずらすことによって巻乱れを防止できると、している。
【0009】
又、特許文献1によるロールスクリーンは、調整ウエイトが、ウエイトバー全体の重量を重くする方向に寄与するため、スクリーンの折り返し部に荷重がかかって前後のスクリーン面が膨らむことを抑制できる、としている。
【0010】
しかしながら、特許文献1によるロールスクリーンは、調整ウエイトがウエイトバー本体の内部に設けられるため、スクリーンの折り返し部が巻き掛けられる回転パイプは、ウエイトバー本体の端部に固定されたサイドキャップからの荷重をパイプキャップで受けることになる。このため、回転パイプの長手方向中央には、均等に荷重がかからず、スクリーンの両端部に回転パイプから荷重がかかることになり、スクリーンを幅方向の全長に亘ってフラットに保つことが難しいという問題があった。
【0011】
スクリーンの折り返し部に対し、スクリーンの幅方向全長に亘って均等に荷重をかけることが可能なロールスクリーンが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0012】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、スクリーンの折り返し部に対し、スクリーンの幅方向全長に亘って均等に荷重をかけることが可能なロールスクリーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、スクリーンの折り返し部に配置される回転パイプと、回転パイプを回転可能に支持するサイドキャップでウエイトバーを構成し、回転パイプに重量を付加する錘を回転パイプの内部に配置することで、スクリーンの幅方向全長に亘って均等に荷重をかけることができると考え、これにより以下のような新たなロールスクリーンを発明するに至った。
【0014】
(1)本発明によるロールスクリーンは、回転可能な巻取りパイプにスクリーンの一端部を巻取り及び巻解き可能に連結し、前記スクリーンの他端部が前記巻取りパイプから垂下してウエイトバーで折り返して前記巻取りパイプの近傍に設けた固定部材に連結しているロールスクリーンであって、前記ウエイトバーは、前記スクリーンの折り返し部に配置された回転パイプと、前記回転パイプを回転可能に支持するサイドキャップと、を有し、前記回転パイプに重量を付加する錘を前記回転パイプの内部に配置している。
【0015】
(2)前記錘は、前記回転パイプの端部に装着したパイプキャップに保持されていることが好ましい。
【0016】
(3)前記錘は、錘本体と、前記錘本体を内部に収容する被覆部材で構成していることが好ましい。
【0017】
(4)前記被覆部材は、前記回転パイプの略全長に亘る長さを有し、前記被覆部材の両端部を前記パイプキャップによって位置決めしていることが好ましい。
【0018】
(5)前記錘本体は、前記被覆部材よりも全長を短く形成していてもよい。
【0019】
(6)被覆部材は、前記被覆部材に収容した前記錘本体の移動を規制する規制部を形成していることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるロールスクリーンは、回転パイプの内部に錘を配置しているので、スクリーンの折り返し部には、スクリーンの幅方向の全長に亘って回転パイプの荷重がかかり、前後のスクリーンの面をフラットに保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態によるロールスクリーンの全体構成を示す正面図である。
【
図2】第1実施形態によるロールスクリーンに備わるウエイトバーの構成を示す縦断面図であり、
図1のA-A矢視断面図である。
【
図3】従来技術によるウエイトバーと第1実施形態によるウエイトバーを比較した図であり、
図3(A)は、回転パイプの内部に錘を配置しない従来技術によるウエイトバーの中央部分の縦断面図、
図3(B)は、回転パイプの内部に錘を配置した第1実施形態によるウエイトバーの中央部分の縦断面図である。
【
図4】従来技術によるウエイトバーと第1実施形態によるウエイトバーを比較した図であり、
図4(A)は、回転パイプの下方に配置したウエイトバー本体の内部に調整ウエイトを配置した従来技術によるウエイトバーの正面図、
図4(B)は、回転パイプの内部に錘を配置した第1実施形態によるウエイトバーの正面図である。
【
図5】第1実施形態によるロールスクリーンに備わるウエイトバーの構成を示す部分縦断面図である。
【
図6】第1実施形態によるロールスクリーンに備わるウエイトバーの構成を示す要部拡大断面図である。
【
図9】第1実施形態によるロールスクリーンに備わる回転パイプの構成を示す斜視分解組立図である。
【
図10】第1実施形態によるロールスクリーンに備わるウエイトバーの構成を示す部分拡大斜視図である。
【
図11】第1実施形態によるロールスクリーンに備わるウエイトバーの構成を示す右側面断面図であり、
図11(A)は、ウエイトバーが最下端に位置している光の遮蔽状態図、
図11(B)は、
図11(A)に示した状態からスクリーンを巻き取った採光状態図である。
【
図12】第1実施形態によるロールスクリーンに備わる錘の変形例を示す縦断面図であり、
図12(A)は、短尺の錘本体を被覆部材の中央部に収容した状態図、
図12(B)は、二つの短尺の錘本体を被覆部材の内部に収容した状態図、
図12(C)は、三つの短尺の錘本体を被覆部材の内部に収容した状態図、
図12(D)は、短尺の錘本体を被覆部材の中央部に収容すると共に、被覆部材の両端部に配置した短尺の錘本体をパイプキャップで支持した状態図である。
【
図13】本発明の第2実施形態によるロールスクリーンに備わるウエイトバーの構成を示す部分縦断面図である。
【
図14】本発明の第3実施形態によるロールスクリーンに備わる錘の構成を示す部分断面図である。
【
図15】従来技術によるロールスクリーンと第3実施形態によるロールスクリーンを比較した図であり、
図15(A)は、従来技術による巻乱れが発生したロールスクリーンの正面図、
図15(B)は、回転パイプの内部に偏って錘を配置した第3実施形態によるロールスクリーンの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0023】
[第1実施形態]
(ロールスクリーンの構成)
(全体構成)
最初に、本発明の第1実施形態によるロールスクリーンの全体構成を説明する。
図1を参照すると、第1実施形態によるロールスクリーンSrは、建物の窓枠等の矩形の開口部の内部に設置している。ロールスクリーンSrは、建物の室外に対して、窓ガラス(図示せず)等で仕切った室内に設置している。
【0024】
図1を参照すると、ロールスクリーン1Srは、チャンネル状のセットフレームFs、シート状のスクリーンSc、及び、ウエイトバー10を備えている。セットフレームFsは、一組のブラケットBr・Brを用いて、窓枠等の開口部の上面に固定している。
【0025】
又、
図1を参照すると、セットフレームFsは、一対のサイドプレートPs・Psを両端部に固定している。一対のサイドプレートPs・Psは、巻取りパイプPrを回転自在に支持している。
【0026】
図2を参照すると、スクリーンScは、その一端部を巻取りパイプPrに連結している。又、スクリーンScは、その他端部が巻取りパイプPrから垂下して、ウエイトバー10で折り返して巻取りパイプPrの近傍に設けた固定部材Mfに連結している。より詳細には、スクリーンScの他端部には、固定板Pdを連結している。セットフレームFsの一部を構成する固定部材Mfの内部に、固定板Pdが収容されることで、スクリーンScの他端部が固定部材Mfに固定されている。
【0027】
図1を参照すると、巻取りパイプPrは、一端部側に操作ユニットUcを設けている。操作ユニットUcは、プーリー(図示せず)を内部に配置している。巻取りパイプPrは、プーリーを一端部側に同軸上に固定している。プーリーは、操作チェーンとなるボールチェーンCbを巻き掛けしている。ループしたボールチェーンCbは、プーリーから垂下している。
【0028】
図1及び
図2を参照して、前方側(室内Ri側)に配置されたボールチェーンCbを下方に引くことで、巻取りパイプPrは、スクリーンScを巻き取ることができる。一方、後方側(室外Ro側)に配置されたボールチェーンCbを下方に引くことで、巻取りパイプPrは、スクリーンScを巻き解くことができる。ボールチェーンCbの操作を停止すれば、巻取りパイプPrは、その停止位置を維持できる。
【0029】
図2を参照すると、巻取りパイプPrから垂下したスクリーンScは、ウエイトバー10の前方側(室内Ri側)に位置し、ウエイトバー10で折り返されたスクリーンScは、ウエイトバー10の後方側(室外Ro側)に位置している。そして、巻取りパイプPrから巻解かれたスクリーンScは、前後方向に二重の状態で配置されている。又、スクリーンScは、ウエイトバー10の自重によりその折り返し部が下方に引っ張られることで、展張状態を維持している。
【0030】
図1又は
図11を参照すると、スクリーンScは、光をある程度透過する透過部Laと、透過部Laに比較して光の透過率が低い不透過部Lbとが上下方向に交互に連続して一定周期で形成している。透過部Laは、透明又は半透明の生地からなることが好ましく、不透過部Lbは、遮光生地からなることが好ましい。
【0031】
(ウエイトバーの構成)
次に、第1実施形態によるウエイトバー10の構成を説明する。
図2又は
図5から
図10を参照すると、ウエイトバー10は、C形チャンネル状のウエイトバー本体1b、内部に空洞を有する回転パイプ11、及び、一対のサイドキャップ21・21を備えている。
【0032】
図5又は
図10を参照すると、ウエイトバー本体1bは、一対のサイドキャップ21・21が両端部に嵌合している。雄ねじ部材Smを用いて(
図6参照)、一対のサイドキャップ21・21をウエイトバー本体1bの両端部に着脱自在に固定できる。
【0033】
図2を参照すると、回転パイプ11は、スクリーンScの折り返し部に支持されている。ボールチェーンCbを操作して、スクリーンScを巻取りパイプPrに巻き取り又は巻き解くことで、ウエイトバー本体1b及び一対のサイドキャップ21・21に対して、回転パイプ11を回転できる。
【0034】
図5又は
図6及び
図9又は
図10を参照すると、回転パイプ11は、内部が中空のパイプ本体11pと一対のパイプキャップ11c・11cを有している。パイプ本体11pは、一対のパイプキャップ11c・11cが両端部に嵌合している。回転パイプ11の外周面には、その円周方向に等間隔に形成すると共に、長手方向に沿って延びる複数の溝を形成している(
図9又は
図10参照)。これにより、スクリーンScと回転パイプ11の滑りを抑制できる。
【0035】
図7から
図10を参照すると、パイプキャップ11cは、円筒部111と外周面及び内周面が多角形の筒状の嵌合部112を有している。嵌合部112は、パイプ本体11pの端部から挿入され、パイプ本体11pに嵌合している(
図9参照)。パイプキャップ11cは、パイプ本体11pの端部を塞いでいる。
図6又は
図9を参照すると、円筒部111は、パイプ本体11pと略同径の円形の外周面を有している。
【0036】
図6又は
図10を参照すると、サイドキャップ21は、長円形状のキャップケース21c、ベース21b、及び、軸受部21sを有している。ベース21bは、キャップケース21cの開口面を塞いだ状態で、キャップケース21cと嵌合している。
【0037】
図6又は
図10を参照すると、軸受部21sは、ベース21bの内面側に配置されている。軸受部21sは、ベース21bがキャップケース21cに嵌合することでキャップケース21cに取り付けられている。軸受部21sは、その一部がベース21bに開口した円形穴に挿入されている。軸受部21sは、回転パイプ11の円筒部111を回転可能に支持している(
図10参照)。
【0038】
(錘の構成)
図2又は
図5から
図10を参照すると、ウエイトバー10は、回転パイプ11の内部に錘31を配置している。錘31は、回転パイプ11に重量を付加できる。
図6又は
図7及び
図10を参照すると、円柱状の錘本体31bと合成樹脂からなる被覆部材31cで構成している。錘本体31bは、鋼材等からなることが好ましい。被覆部材31cは、錘本体31bを内部に収容している。
【0039】
図6又は
図9を参照すると、錘31は、錘本体31bが被覆部材31cの端面から突出している。言い換えれば、被覆部材31cの長さは錘本体31bの長さよりも短い。錘本体31bの端部は、回転パイプ11の端部に装着したパイプキャップ11cに保持されている(
図6参照)。
【0040】
図6を参照すると、錘本体31bの端部は、嵌合部112の内部に挿入されている。
図8を参照すると、嵌合部112は、内周面から中心に向かって複数の突起(保持部)311を突出している。複数の突起(保持部)311を突出した嵌合部112の内部に錘本体31bの端部を挿入することで、回転パイプ11の回転に対して、錘31の軸方向への移動、及び、回転を抑制できる。
【0041】
図5又は
図6を参照すると、被覆部材31cは、回転パイプ11の略全長に亘る長さを有している。そして、錘本体31bの両端部をパイプキャップ11cによって位置決めしている。より具体的には、被覆部材31cの長さは、回転パイプ11の全長からパイプキャップ11cの嵌合部112の長さ二つ分を減じた程度の長さを有している。そして、この被覆部材31cの両端から錘本体31bがそれぞれ突出しており、錘本体31bは、被覆部材31cがパイプキャップ11cの嵌合部112に突き当たるまで挿入される。なお、錘本体31bと回転パイプ11の内面との接触が回避できれば、被覆部材31cの長さは、両端部がパイプキャップ11cの嵌合部112に突き当たる長さではなく、回転パイプ11内において被覆部材31cの両端部から錘本体31bの一部が露出するように短い長さとしてもよい。
【0042】
図1又
図2及び
図5から
図10を参照すると、実施形態によるロールスクリーンSrは、回転パイプ11の内部に錘31を配置しているので、スクリーンScの折り返し部には、スクリーンScの幅方向の全長に亘って回転パイプ11の荷重がかかり、前後のスクリーンの面をフラットに保つことができる。
【0043】
次に、第1実施形態によるロールスクリーンSrの動作を説明する。
図1又は
図2を参照して、ボールチェーンCbを操作して巻取りパイプPrを回転し、巻取りパイプPrから垂下するスクリーンScの長さを変化させると、
図11(A)に示すように、前後のスクリーンScの内、一方のスクリーンScの透過部Laが他方のスクリーンScの不透過部Lbと重なり合うと、スクリーンScは、遮蔽状態になる。
【0044】
一方、
図11(A)に示すように、ウエイトバー10が最下端に位置している状態から、ボールチェーンCbを操作して巻取りパイプPrを回転し、巻取りパイプPrがスクリーンScを巻き取ると、
図11(B)に示すように、前後のスクリーンScの内、一方のスクリーンScの透過部Laが他方のスクリーンScの透過部Laと重なり合うと、スクリーンScは、採光状態になる。
【0045】
このように、
図11を参照すると、透過部La同士の重なり合う度合いを変化させることにより、調光状態を変化させることができる。
図11(B)に示した状態では、
図11(A)に示した状態から、ウエイトバー10を約35mm上昇する。
【0046】
(ロールスクリーンの作用)
次に、第1実施形態によるロールスクリーンSrの作用及び効果を説明する。
図3(A)を参照して、回転パイプ11の内部に錘を配置しない従来技術によるウエイトバーは、張りの強いスクリーンScを使用すると、回転パイプ11の中央部には、直接荷重がかからないので、スクリーンScが前後方向に膨らむことが心配されていた。これにより、スクリーンScがウエイトバー本体1bの端部に接触することが懸念されていた。又、スクリーンScとして、透過部Laと不透過部Lbとが上下方向に交互に連続して一定周期で形成される場合、透過部Laと不透過部Lbでは張りが異なるため、調光操作が行われると、スクリーンScの移動に合わせて回転パイプ11が回転しながら前後に揺れてしまうことが懸念された。
【0047】
一方、
図3(B)を参照すると、回転パイプ11の内部に錘31を配置した第1実施形態によるウエイトバー10は、回転パイプ11には、長さ方向の全長に亘り直接荷重がかかるので、弾力の強いスクリーンScであっても、前後のスクリーンScの面をフラットに保つことができる。又、スクリーンScとして、透過部Laと不透過部Lbとが上下方向に交互に連続して一定周期で形成される場合であっても、前後のスクリーンScの面をフラットに保つことができるため、調光操作時において、スクリーンScの移動に合わせて回転パイプ11が軽快に回転することができる。
【0048】
又、
図4(A)を参照して、回転パイプ11dの下方に配置したウエイトバー本体1bの内部に調整ウエイト31dを配置した従来技術によるウエイトバーは、回転パイプ11dの両端部に荷重がかかるため、回転パイプ11dの両端が下方に下がるように撓み、スクリーンScの幅方向の両端部のみにテンションがかかる心配があった。
【0049】
一方、
図4(B)を参照すると、回転パイプ11の内部に錘31を配置した第1実施形態によるウエイトバー10は、スクリーンScの幅方向の全長に亘り、均等に荷重をかけることができる。
【0050】
図1又
図2及び
図5から
図10を参照すると、実施形態によるロールスクリーンSrは、回転パイプ11の内部に錘31を配置しているので、スクリーンScの折り返し部には、スクリーンScの幅方向の全長に亘って回転パイプ11の荷重がかかり、前後のスクリーンの面をフラットに保つことができる。
【0051】
又、
図5から
図10を参照すると、第1実施形態によるロールスクリーンSrは、錘本体31bを被覆部材31cの内部に収容することで、回転パイプ11が回転したときに、錘31が回転パイプ11の内部で移動したり、回転パイプ11の中央部が旋回するような動きをしたりしてしまっても、被覆部材31cが緩衝材として作用し、回転パイプ11の内壁との接触音の発生を抑制できる。
【0052】
図5から
図10を参照すると、第1実施形態によるロールスクリーンSrは、錘31の両端部をパイプキャップ11cに保持しているので、スクリーンScの昇降時に回転する回転パイプ11の内部での移動を規制できる。又、ロールスクリーンSrを輸送時に、回転パイプ11(特にパイプキャップ11c)又はサイドキャップ21(特にキャップケース21c)の破損を防止できる。
【0053】
又、
図5から
図10を参照すると、第1実施形態によるロールスクリーンSrは、被覆部材31cは、回転パイプ11の略全長に亘る長さを有し、被覆部材31cの両端部をパイプキャップ11cによって位置決めしているので、回転パイプ11の内部において錘本体31bが移動することを防止できる。
【0054】
(錘の変形例)
次に、回転パイプ11の内部に配置される錘の変形例を説明する。
図12(A)を参照すると、第1変形例による錘32は、短尺の錘本体32bを被覆部材32cの中央部に収容している。被覆部材32cは、錘本体32bが軸方向に移動しないように、規制部321を設けている。具体的には、規制部321は、加熱による絞り加工で被覆部材32cの内部に輪帯状に突出するように形成される。
【0055】
図12(B)を参照すると、第2変形例による錘33は、短尺の錘本体32bを被覆部材33cの内部に二つ収容している。被覆部材33cは、錘本体32bが軸方向に移動しないように、規制部331を設けている。錘本体32bは、被覆部材33cの軸方向における中心位置を境界として左右均等な位置に配置されることが好ましい。
【0056】
図12(C)を参照すると、第3変形例による錘34は、短尺の錘本体32bを被覆部材34cの内部に三つ収容している。被覆部材34cは、錘本体32bが軸方向に移動しないように、規制部341を設けている。錘本体32bは、被覆部材34cの軸方向における中心位置に一つ、中心位置に配置した錘本体32bを中心として左右均等な位置に残りの2つが配置されることが好ましい。
【0057】
図12(D)を参照すると、第4変形例による錘35は、短尺の錘本体32bを被覆部材35cの中央部に収容すると共に、被覆部材35cの両端部に配置した短尺の錘本体32bをパイプキャップ11cで支持している。なお、被覆部材35cは、錘本体32bが軸方向に移動しないように、規制部351を設けている。
【0058】
図12(A)から
図12(D)を参照すると、錘本体は、被覆部材よりも全長を短く形成していてもよく、回転パイプ11に付加する重量が小さくてもよい場合には、短尺の錘本体を使用することができ、錘本体を被覆部材の中央に収容した状態で、錘を回転パイプ内に挿入すれば、錘本体を回転パイプ11の中央付近に配置させることができる。被覆部材に対して、短尺の錘本体を偏在させてもよく、この場合にはスクリーンScの巻乱れを抑制できる。
【0059】
図12(A)から
図12(D)を参照すると、被覆部材は、被覆部材に収容した錘本体の移動を規制する規制部を形成していることが好ましい。これにより、被覆部材に収容された錘本体の移動を規制でき、錘本体を複数設けた場合には、荷重が必要な箇所に位置ズレすることなく錘本体を配置させることができる。
【0060】
[第2実施形態]
次に第2実施形態によるロールスクリーンの構成を説明する。
図13を参照すると、第2実施形態によるウエイトバー20は、第1実施形態によるウエイトバー10と構成を略同じにしているが、第1実施形態によるウエイトバー10は、回転パイプ11の内部に長尺の錘31を収容していたのに対し、第2実施形態によるウエイトバー20は、回転パイプ11の内部に短尺の錘を一つ以上収容している点が異なっている。被覆部材32cは、回転パイプ11の略全長に亘る長さを有し、被覆部材32cの両端部をパイプキャップ11cによって位置決めしている。又、被覆部材32cは、錘本体32bが軸方向に移動しないように、規制部321を設けている。これにより、回転パイプ11の内部において錘本体32bが移動することを防止できる。
【0061】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態によるロールスクリーンの構成を説明する。
図14を参照すると、第3実施形態によるウエイトバー30は、回転パイプ11の内部に短尺の錘本体32bを、中央から偏った位置に収容している点で、第2実施形態と異なる。
第3実施形態では、錘36における短尺の錘本体32bは、回転パイプ11の略全長に亘る長さの被覆部材36cの中央から一方(
図14において左側)に偏った位置に配置される。なお、被覆部材36cは、錘本体32bが軸方向に移動しないように、規制部361を設けている。
【0062】
第3実施形態に示すような、短尺の錘本体32bを中央から偏った位置に配置する実施形態は、スクリーンScに巻乱れが生じてしまう場合に用いることができる。
【0063】
図15(A)に示すように、ロールスクリーンのスクリーンScを巻き取るときに、スクリーンScが巻取りパイプPrの軸方向にずれながら巻き取られる「巻乱れ」が発生することがある。
図15(A)に示す例では、巻取りに伴ってスクリーンScが左側に移動する巻乱れが発生している。
このような場合、従来、巻取りパイプPrの外周面に調整テープ(図示せず)を帖着して巻径を調整することで、巻乱れの発生を抑制する作業が行われていた。
【0064】
一方、第3実施形態によるロールスクリーンによれば、
図15(B)に示すように、錘本体32bを、巻き取られたスクリーンScが移動する側(
図15(A)では左側)に偏らせて配置して重心の位置を偏らせることで、巻き乱れを解消できる。
【0065】
本発明によるロールスクリーンは、回転パイプ11の内部に錘31を配置しているので、スクリーンScの折り返し部には、スクリーンScの幅方向の全長に亘って回転パイプ11の荷重がかかり、前後のスクリーンの面をフラットに保つことができる。
【符号の説明】
【0066】
10,20,30 ウエイトバー
11 回転パイプ
21 サイドキャップ
31,32,33,34,35,36 錘
Pr 巻取りパイプ
Mf 固定部材
Sc スクリーン
Sr ロールスクリーン