(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173683
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】開閉式団扇の係合機構及び開閉式団扇
(51)【国際特許分類】
A45B 27/00 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
A45B27/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079531
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】599137312
【氏名又は名称】田中産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001391
【氏名又は名称】特許業務法人レガート知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 輝久
【テーマコード(参考)】
3B104
【Fターム(参考)】
3B104ZA01
3B104ZA05
3B104ZC01
(57)【要約】
【課題】 この発明は、回動可能に係合された扇片を所定の回動位置において確実に保持することができる開閉式団扇の係合機構及びこの係合機構を用いた開閉式団扇を得ることを課題とする。
【解決手段】 この発明は、扇片2の係合孔21に可撓性素材で構成された複数の係合片11を嵌合して前記扇片2を回動可能に係合する開閉式団扇3の係合機構であって、前記係合孔21の内周に複数の屈曲部21aを形成し、前記係合孔21に嵌合された前記複数の係合片11の少なくとも一の係合片11の両側縁が前記複数の屈曲部21aのうちの2つの屈曲部21aに同時に当接するようにして構成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扇片の係合孔に可撓性素材で構成された複数の係合片を嵌合して前記扇片を回動可能に係合する開閉式団扇の係合機構であって、
前記係合孔の内周に複数の屈曲部を形成し、
前記係合孔に嵌合された前記複数の係合片の少なくとも一の係合片の両側縁が前記複数の屈曲部のうちの2つの屈曲部に同時に当接するようにした、
開閉式団扇の係合機構。
【請求項2】
扇片の係合孔に可撓性素材で構成された複数の係合片を嵌合して前記扇片を回動可能に係合する開閉式団扇の係合機構であって、
前記係合孔の内周全体に複数の屈曲部を等間隔に形成し、
前記係合孔に嵌合された前記複数の係合片の各係合片の両側縁が前記複数の屈曲部のうちの2つの屈曲部にそれぞれ同時に当接するようにした、
開閉式団扇の係合機構。
【請求項3】
請求項1又は2記載の係合機構を備えた、開閉式団扇。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、係合された扇片を回動させて開閉を行う開閉式団扇の係合機構及びこの係合機構を用いた開閉式団扇に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の扇片を回動可能に係合してなる開閉式団扇として種々のものが提案されている。この開閉式団扇は、係合された扇片を回動させて広げる(開状態にする)ことにより団扇として使用することができ、また、団扇として使用しない時には、開いた状態の扇片を回動させて閉じる(閉状態にする)ことにより、コンパクトなサイズに畳んで持ち運んだり保管したりすることができる点に特徴がある。
【0003】
ところで、従来の開閉式団扇は、扇片を回動させて開閉を行う構造のものであることから、団扇として使用する際には、扇片を所定位置(開位置)まで回動させた時にそれ以上開方向に回動しないよう、また、持ち運びや保管に適したコンパクトなサイズに閉じる際には、扇片を所定位置(閉位置)まで回動させた時にそれ以上閉方向に回動しないよう、扇片の回動を規制できるものであることが好ましい。
【0004】
この点、実用新案登録第3072035号公報には、扇片の係合孔に係合片である切り抜き爪を嵌め込むことにより扇片を回動可能に係合してなる開閉式団扇であって、扇片の係合孔の内周に係合片と接触する開閉用ストッパー爪を設けることにより所定位置以上に扇片が回動しないようにした開閉式団扇が提案されている。この開閉式団扇によれば、扇片が完全に開いた状態又は完全に閉じた状態の位置に達すると、係合片と開閉用ストッパー爪とが接触して扇片の回動が規制されるので、扇片の開閉時に扇片を回動させすぎてしまうことを防止することができる。
【0005】
しかしながら、この発明にあっては、扇片を開く方向に所定位置まで回動させると開閉用ストッパー爪が係合片に接触し、それ以上同じ方向(開く方向)に扇片を回動させることができなくなるものの、このとき、逆方向(閉じる方向)への回動は何ら規制されていないため、扇片を開いた状態にした団扇を手で持って仰ぐと、仰いでいる最中に扇片が逆方向(閉じる方向)に回動してしまうおそれがある。また、扇片を閉じる方向に回動させて完全に閉じた状態にしたときにも開閉用ストッパー爪が係合片と接触し、それ以上同じ方向(閉じる方向)に扇片を回動させることができなくなるが、このときにも逆方向(開く方向)への回動は何ら規制されていない。そのため、扇片を完全に閉じた状態にした場合であっても、運搬時などに意図せず扇片が回動して開いてしまうおそれがある。すなわち、この発明の開閉式団扇にあっては、扇片が完全に開いた状態や、完全に閉じた状態に保持することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、回動可能に係合された扇片を所定の回動位置において確実に保持することができる開閉式団扇の係合機構及びこの係合機構を用いた開閉式団扇を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、扇片の係合孔に可撓性素材で構成された複数の係合片を嵌合して前記扇片を回動可能に係合する開閉式団扇の係合機構であって、前記係合孔の内周に複数の屈曲部を形成し、前記係合孔に嵌合された前記複数の係合片の少なくとも一の係合片の両側縁が前記複数の屈曲部のうちの2つの屈曲部に同時に当接するようにした開閉式団扇の係合機構として構成する。
【0009】
前記扇片は、比較的硬質な素材を用いて肉薄なものとして構成されていればよく、厚紙や合成樹脂シートを用いたり、竹材や木材、金属などを肉薄に加工又は成形したものを用いたりすることができる。
【0010】
前記複数の係合片は、例えば可撓性を有する合成樹脂製シートを用いて構成することが考えられるが、可撓性を有する素材であればこれに限られるものではない。可撓性素材を用いて係合片を構成する理由は、係合片を係合孔に嵌合する際や、前記屈曲部との当接状態を解除する際に、弾性変形させるためである。また、前記係合片は、前記扇片と係合される係合部材の一部に設けられていればよく、前記扇片の外縁形状と同一の外縁形状とした係合部材の一部に設けてもよいし、前記扇片の外縁形状とは異なる外縁形状の係合部材の一部に設けるものとしてもよい。
【0011】
前記屈曲部は、前記係合孔の内周を部分的に折り曲げ、前記係合孔に嵌合された複数の係合片の少なくとも一の係合片の両側縁が、このうちの2つの屈曲部に同時に当接するように形成されていればよいが、前記係合孔の内周全体にわたって等間隔に形成し、前記係合孔に嵌合された複数の係合片の各係合片の両側縁が、それぞれ2つの屈曲部に同時に当接するように形成されていることが好ましい(請求項2)。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の係合機構を備えた開閉式団扇として構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、可撓性素材で構成された複数の係合片が嵌合される係合孔の内周に複数の屈曲部を形成し、前記係合孔に嵌合される少なくとも一の係合片の両側縁が、これら複数の屈曲部のうちの2つの屈曲部に同時に当接するようにしたので、所定の回動位置において前記扇片の正逆両方向の回動が規制され、これにより扇片を保持することができる。また、前記係合片は可撓性素材で構成されているので、係合片を弾性変形させて前記屈曲部との当接状態を解除することにより、再び扇片を回動させることができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、複数の屈曲部を係合孔の内周全体に等間隔に形成し、前記係合孔に嵌合された前記複数の係合片の各係合片の両側縁が前記複数の屈曲部のうちの2つの屈曲部にそれぞれ同時に当接するようにしたので、前記係合孔に嵌合された複数の係合片を用いて確実に扇片の正逆両方向の回動を規制することができる。また、前記屈曲部が等間隔に形成されているので、扇片の回動を等角度毎に規制することができ、扇片を複数係合した場合には、隣接する扇片同士が等角度毎にバランスよく開いた状態となる回動位置において各扇片をそれぞれ保持することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、前記係合機構を備えた開閉式団扇を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の第1の実施例の開閉式団扇の分解図
【
図6】同じく係合片と係合孔による係合機構の概要を示す断面図(
図4におけるA-A部分の断面図)
【
図9】同じく係合孔の変形例と係合片の係合関係を示す図
【
図10】この発明の第2の実施例の開閉式団扇の分解図
【
図12】同じく係合片と係合孔による係合機構の概要を示す断面図(
図11におけるA-A部分の断面図)
【
図14】この発明の第3の実施例の開閉式団扇の分解図
【
図16】同じく扇片を30°正方向(時計回り方向)に回動させた状態の正面図
【
図17】同じく扇片を完全に開いた状態(正方向に60°回動させた状態)の正面図
【
図18】実施例3において一の係合片のみで回動を規制するようにした変形例の正面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1ないし9は、この発明の第1の実施例の概要を示す図である。第1の実施例は、1枚の係合部材1と、4枚の扇片2とを回動可能に係合した開閉式団扇の実施例である。
【0018】
図1は、この実施例の開閉式団扇を構成する部材である係合部材1と4枚の扇片2を説明する図である。1枚の係合部材1及び4枚の扇片2は、何れも厚さ0.5mm程度の可撓性を有するポリプロピレン樹脂製シートを素材として構成されており、係合部材1の外縁形状と扇片2の外縁形状は同一形状のものとして形成されている。
係合部材1の下部中央には、倒U字状のスリットを左右対称に形成することにより、一対の係合片11が設けられている。
他方、扇片2の下部中央には、係合部材1の係合片11を挿通可能な大きさの係合孔21が形成されており、この係合孔21の内周には、屈曲部21aが等間隔に12個設けられている。そして、隣接する屈曲部21a,21a間の内周縁21bは、係合孔21の内側方向に僅かに膨出する凸弧状に形成されている。
4枚の扇片2は、係合孔21の形状も含めて同一形状のものとして構成されている。
この実施例において、隣接する各屈曲部21a,21aと係合孔21の中心Oとがなす角度θは30°としてある(
図2参照)。また、各係合片11の幅W及び一対の係合片11の基端間の距離Dをそれぞれ20mmに、2つおきの屈曲部21a,21aを結ぶ直線の長さLを21mmとしてあり、各係合片11を係合孔21に嵌合した際に、各係合片11の基端側両側縁が2つおきの屈曲部21a,21aに同時に当接できるようになっている。
【0019】
図3ないし
図6は、係合部材1と4枚の扇片2とを係合して構成した開閉式団扇3の概要を示す図である。この開閉式団扇3は、最下層に配設された係合部材1の上に4枚の扇片2を重ね合わせ、係合部材1の一対の係合片11を各扇片2の係合孔21に挿通し、最上層の扇片2の上に展張させて嵌合することにより構成されている。ここで、係合部材1は可撓性を有するポリプロピレン樹脂製シートで構成されているので、係合孔21に嵌合された係合部材1の係合片11には元の形状に戻ろうとする弾性力が働き(
図6に矢示)、係合部材1と4枚の扇片2とは適度な拘束力で係合されている。
【0020】
閉じた状態の開閉式団扇3にあっては、扇片2の係合孔21に嵌合された一対の係合片11の左右両側縁が、それぞれ係合孔21の内周に形成された屈曲部21a,21aにそれぞれ嵌まり込むようにして当接しているため、扇片2を正方向(時計回り方向)に回動させようとしても、逆方向(反時計回り方向)に回動させようとしても、扇片2の回動方向と反対側に隣接する2つの内周縁21bが邪魔になって簡単には扇片2を回動させることができず、扇片2を閉じた状態が保持される。これにより、持ち運びや保管の際に、意図せず扇片2が開いてしまうことを防止することができる。
【0021】
図7は、開閉式団扇3を構成する扇片2のうちの1枚の扇片2を回動させる様子を説明する図である。上述したように、閉じた状態の開閉式団扇3にあっては、各係合片11の両側縁がそれぞれ扇片2の係合孔21に形成された2つの屈曲部21aと当接しているため、簡単には扇片2を回動させることはできないが、一定以上の力を加えることにより、扇片2を回動させたい方向に回動させることができる。すなわち、2つの屈曲部21aと両側縁が当接する各係合片11は可撓性を有するので、扇片2を一定以上の力で回動させようとすると、扇片2の回動方向と反対方向に隣接する2つの内周縁21bの抵抗によって回動が邪魔されている各係合片11が反り上がるように弾性変形してこれら2つの内周縁21bによる抵抗力が逃がされ、扇片2を回動させることができる(
図6(a))。そして、係合片11が2つの内周縁21bを乗り越えて次の2つの屈曲部21aに達すると、再び各係合片11の両側縁がそれぞれ2つの屈曲部21aと当接して扇片2の回動が規制される(
図6(b))。
また、この実施例において、屈曲部21a間の内周縁21bは係合孔21の内側方向に僅かに膨出した凸弧状に形成してあるので、一定以上の力が加わることによる係合片11の弾性変形をスムーズに促すことができる。
この実施例にあっては、隣接する各屈曲部21a,21aと係合孔21の中心Oとがなす角度θを30°としてあるので、この回動作業を繰り返すことにより、各扇片2を正逆両方向に30°毎に回動させて保持することが可能である。1回あたりの回動角度を小さくしたい場合には、隣接する各屈曲部21a,21aと係合孔21の中心Oとがなす角度θを小さくすればよいし、回動角度を大きくしたい場合には角度θを大きくすればよい。
【0022】
図8は、4枚の扇片2をそれぞれ開いて団扇として使用できる状態(開状態)にした開閉式団扇3の図である。開状態の開閉式団扇3は、係合部材1に対し、最上層の扇片2を120°、2層目の扇片2を90°、3層目の扇片2を60°、4層目の扇片2を30°、それぞれ正方向(時計回り方向)に回動させており、この状態において、各係合片11の両側縁がそれぞれ各扇片2の係合孔21の2つの屈曲部21aに当接することにより、各扇片2の正逆両方向の回動が規制され、開閉式団扇3の開状態が保持されている。これにより、この開閉式団扇3を手で持って仰ぐ際に意図せず扇片2が閉じてしまうおそれはなく、開いた状態を維持することができる。
【0023】
図9は、扇片2に形成される係合孔21の変形例と係合片11との係合関係を示す図である。係合孔21は、係合孔21に嵌合される係合部材1の一対の係合片11の左右両側縁にそれぞれ当接される2つの屈曲部21aが係合孔21の内周に形成されていればよく、種々の形状のものが考えられる。例えば、隣接する屈曲部21a間の内周縁21bを直線状に形成した正多角形状の係合孔としたり(
図9(a))、隣接する屈曲部21a間の内周縁21bを直線状のものと凸弧状のものとを交互に形成した係合孔としたり(
図9(b))、屈曲部21aを凹弧状に形成した係合孔としたり(
図9(c))、内周縁に小突起を設けて屈曲部21aを形成した係合孔としたり(
図9(d))することができる。
【0024】
図10ないし
図13は、この発明の第2の実施例の概要を説明する図である。第2の実施例は、扇片2の外縁形状とは異なる外縁形状とした係合部材1を用いて5枚の扇片2を回動可能に係合して開閉式団扇を構成した場合の実施例である。
【0025】
この実施例において、各扇片2は実施例1の扇片2と同じ構成のものとして形成されている。係合部材1は、厚さ0.5mm程度の可撓性を有するポリプロピレン樹脂製シートを素材を用いて略十字状に形成されており、上下又は左右に膨出した部分が一対の係合片11としての機能を備えている。各係合片11の幅W及び一対の係合片11の基端間の距離Dをそれぞれ20mmとし、各係合片11を係合孔21に嵌合した際に、各係合片11の基端側両側縁が2つおきの屈曲部21a,21aに同時に当接できるようにしてある点は、実施例1と同様である。
【0026】
開閉式団扇3は、最下層に配設された係合部材1の上に5枚の扇片2を重ね合わせ、係合部材1の一対の係合片11を各扇片2の係合孔21に挿通し、最上層の扇片2の上に展張させて嵌合することにより構成されている。係合部材1は可撓性を有するポリプロピレン樹脂製シートで構成されているので、係合孔2に嵌合された係合部材1の係合片11には元の形状に戻ろうとする弾性力が働き(
図12に矢示)、係合部材1と5枚の扇片2とは適度な拘束力で係合されている。
【0027】
この実施例にあっては、係合部材1が扇片2を係合するための部材として特化し、扇片としての機能を備えていない点において実施例1と異なるが、一対の係合片11の両側縁に係合孔21の2つの屈曲部21aを当接させて扇片2の正逆両方向の回動を規制する点、一定以上の力が加わることにより係合片11が弾性変形して2つの屈曲部21aとの当接状態が解除され、扇片2の回動が可能となる点は、実施例1と同様である。また、扇片2の係合孔21は、
図9に示す変形例の形状に形成することもできる。
【0028】
図14ないし
図17は、この発明の第3の実施例の概要を示す図である。第3の実施例は、1枚の係合部材1と1枚の扇片2とを回動可能に係合して開閉式団扇とした場合の実施例である。
【0029】
この実施例にあっては、外縁形状を同一形状とした係合部材1及び扇片2の幅を実施例1の扇片2の幅よりも大きくし、扇片2の枚数を1枚とした点以外の構成は実施例1と同様であり、係合部材1の下部中央に形成された一対の係合片11を、扇片2の下部中央に形成された係合孔21に嵌合することにより、係合部材1と扇片2とを回動可能に係合してある。係合片11と係合孔21による係合機構は実施例1と同様であり、係合孔21に嵌合された一対の係合片11の両側縁が、それぞれ係合孔21の内周に形成された2つの屈曲部21aに当接することにより、扇片2の正逆両方向の回動が規制されるようになっている。また、扇片2を回動させる場合には、扇片2を正逆何れかの方向に一定以上の力で回動させると、扇片2の回動方向とは逆方向に隣接する2つの内周縁21bの抵抗を受けて回動が邪魔される係合片11が反り上がるように弾性変形して内周縁21bの抵抗力を逃がすことにより、扇片2を回動させることができる。また、扇片2の係合孔21は、
図9に示す変形例の形状に形成することもできる。
【0030】
上記各実施例においては、何れも一対の係合片11の両側縁がそれぞれ扇片2の係合孔21に形成された2つの屈曲部21aに当接することで扇片2の正逆両方向の回動が規制される係合機構として説明してあるが、係合孔21に嵌合された一対の係合片のうちの少なくとも一の係合片11の両側縁が2つの屈曲部21aに当接していれば扇片2の正逆両方向の回動を規制することができるので、扇片2を回動させる際に一の係合片11が接する範囲内の係合孔21の内周部分にのみ複数の屈曲部21aを形成するようにしてもよい(実施例3の変形例として
図18,19に示す。)。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明は、係合された扇片を回動させて開閉を行う開閉式団扇の係合機構及びこの係合機構を用いた開閉式団扇に関するものであり、産業上の利用可能性を有するものである。
【符号の説明】
【0032】
1 係合部材
11 係合片
2 扇片
21 係合孔
21a 屈曲部
21b 内周縁
3 開閉式団扇