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  • 特開-複合タオル 図1
  • 特開-複合タオル 図2
  • 特開-複合タオル 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173692
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】複合タオル
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/02 20060101AFI20221115BHJP
   A41D 23/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
A47K10/02 Z
A41D23/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079553
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】512332563
【氏名又は名称】プリントメモリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119367
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 理
(74)【代理人】
【識別番号】100142217
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 宜紀
(72)【発明者】
【氏名】合田 彩希子
(72)【発明者】
【氏名】中山 恵梨菜
(57)【要約】
【課題】接触時に冷涼な感じを与える冷感タオルとして機能し、しかも手や顔を拭ったときには吸水性が高く手触りのいい冷感タオル製品を提供することを目的とする。
【解決手段】
上述の課題を解決するため、この発明の複合タオル1は、長方形状の冷感タオル部2と、冷感タオル部2の端部に縫製により接続された長方形のパイル部3を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の冷感タオル部と、冷感タオル部の端部に縫製により接続された長方形のパイル部を有する複合タオル。
【請求項2】
冷感タオル部が50cm以上150cm以下の長さと10cm以上40cm以下の幅を有するマフラー部である請求項1に記載の複合タオル。
【請求項3】
長方形のパイル部の1辺が冷感タオル部の端部辺に接続され、他の2辺が冷感タオル部の上辺と下辺に接続されてポケット部を形成している請求項1または請求項2に記載の複合タオル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表面に触れると冷涼な感じを与える冷感生地を有する冷感タオルにに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ポリエチレン糸の含有量が全タオルマフラー重量に対して少なくとも40重量%以上である冷感タオルマフラーが記載されている。高分子量ポリエチレン糸は、他の汎用素材と比べて熱伝導率が大きいので、接触時の冷感効果を有する。また、特許文献2には、マイクロファイバーからなるマルチフィラメント糸を経編により高密度に編成した冷感布が記載されている。適量の水を含ませた後、例えば頸部等に巻くだけで、気化熱によって冷感を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3229998号公報
【特許文献2】実用新案登録第3174889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の冷感タオルマフラーや特許文献2の冷感布は、それぞれ異なる原理であるが、肌が接触した時に冷涼な感じを与えるという作用を有する。これらの発明において、冷感タオルとして適用される場合、それぞれの発明に係わる生地を帯状に仕上げている。これによって、頚部に巻き付けたりして肌に接触させることができる。しかし、これらの布地は冷感機能を有していても、タオルハンカチとしては適していない。手が汚れたときに拭いたり、顔の汗を拭き取るときには、別途タオルハンカチを持ち歩き、ポケットやハンドバッグなどから取り出し、使用後は元の場所に戻す必要がある。
【0005】
この発明は、接触時に冷涼な感じを与える冷感タオルとして機能し、しかも手や顔を拭ったときには吸水性が高く手触りのいい冷感タオル製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、この発明の複合タオルは、長方形状の冷感タオル部と、冷感タオル部の端部に縫製により接続された長方形のパイル部を有する。また、冷感タオル部を50cm以上150cm以下の長さで10cm以上40cm以下の幅とすることによって頸部にかけるのに適したマフラー部を形成し、マフラータオルとすることができる。さらに、長方形のパイル部の1辺を冷感タオル部の端部辺に接続し、他の2辺を冷感タオル部の上辺と下辺に接続してポケット部を形成してもよい。
【発明の効果】
【0007】
この発明の複合タオルは、冷感タオル部とパイル部を有しており、暑い時に冷感タオル部により体熱を放出したり冷たい感じを楽しむことができ、しかも持ち変えることなく汗を拭ったりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】複合タオルの第1の例を示す平面図である。
図2】複合タオルの使用状態を示す概念図である。
図3】複合タオルの第2の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について説明する。図1は複合タオルの第1の例を示す平面図である。複合タオル1は、長方形状の冷感タオル部2と、冷感タオル部2の端部に縫製により接続された長方形のパイル部3を有する。
【0010】
冷感タオル部2およびパイル部3の寸法は任意に選択できる。本例においては、冷感タオル部2は細長い帯状であり、頸部に着用するのに適したマフラー部を形成している。この場合、長さは50cm以上150cm以下であることが好ましい。この長さであれば、頸部に着用でき、しかも長過ぎない。特に50cm以上100cm以下であることが首に掛けるような使用に適している。本例では、長さは85cmである。また、幅は10cm以上40cmであることが好ましい。本例では、20cmであり、首に掛けたり巻き付けるのに適しており、しかも身体との接触面積を冷感が得られるほど十分に大きくできる。
【0011】
一方、パイル部3はタオル製品として利用できる大きさが好ましい。特に、本例のように冷感タオル部2がマフラー部となるような場合、パイル部3の幅は冷感タオル部2の幅と同じであることが好ましい。本例では長さおよび幅がともに20cmである正方形であり、タオルハンカチの形状となっている。
【0012】
冷感タオル部について説明する。冷感タオル部2は冷感生地を素材とする。十分な冷感作用を有するものであれば、その作用原理や製法に限定はない。たとえば、高分子量ポリエチレンのような熱伝導性の高い繊維を使用した布地であってもよく、マイクロファイバーよりなる糸を使用した水分蒸発による気化熱で冷却する布地であってもよい。本例では、繊維内に冷感結晶体が練り込まれている生地を使用している。この結晶体は吸熱が遅く、散熱が早いという特徴があり、そのため、肌が接触した瞬間に涼しく感じる。同時に、散熱が早いことにより体温を迅速に下げ、よりよい冷涼感を得ることができる。冷感タオル部はパイル面を有しておらず、どちらの面もフラットである。水で濡らしてから振ることによって温度を下げ、冷たく感じる状態になる。
【0013】
パイル部について説明する。少なくとも一つの面にパイルが現われた布地を使用している。片面のみのパイルでもよく、両面にパイルを設けてもよい。パイルとしては、先端がループ状のパイルでもよく、先端部がシャーリングされたパイルでもよい。また、タオル織りによるパイル生地でもよく、編み生地でもよい。マイクロファイバーを使用することにより、柔らかな手触りにし、また、メガネや携帯電話端末の画面を拭くためのクリーナー機能を持たせることもできる。
【0014】
この例の複合タオルでは、冷感タオル部2とパイル部3は同じ幅であり、冷感タオル部2の端辺に沿ってパイル部2の1辺が縫製により接続される縫製部4が形成されている。冷感タオル部2とパイル部3はこの1本の縫製部4によってのみ接続されており、開いたときに1本の帯のような形状となる。
【0015】
図2は複合タオルの使用状態を示す概念図である。図1に示す例の複合タオル1を取り付けた状態を示している。手ぬぐいを掛けるように首に掛けた状態であり、首に巻いてはいない。このとき、冷感タオル部2が首の両側および後部に接している。血流の多い頸部の表面に十分な接触面積で接しており、体熱が放出され熱中症の防止などに役立ち、また快適である。
【0016】
一方、端部に設けられたパイル部3は頸部には接しておらず、下端部にぶら下がった状態である。パイル部3は常に手に取りやすい位置にある。手や顔を拭いたい時は、そのままパイル部3を使うことができる。
【0017】
以上、本例では冷感タオル部を頸部に着用できる長い帯状とし、タオルマフラーとして利用できるようにしたが、それ以外の形状を選択してもよい。例えば、冷感タオル部もパイル部と同様にタオルハンカチの形状とし、縫製部に沿って二つ折りにしたときに冷感タオル部とパイル部が重なるようにしてもよい。
【0018】
図3は複合タオルの第2の例を示す平面図である。本例においても、冷感タオル部2およびパイル部3の形状や材質は第1の例と同じである。本例においては、パイル部3は冷感タオル部2の上に重なるように取り付けられている。冷感タオル部2の端辺とパイル部3の一つの端辺3aが縫製により接続され、第1縫製部4aが形成されている。また、端辺3aに直交する他の2辺(3b,3c)が冷感タオル部2の上辺と下辺に沿って縫製により接続され、第2縫製部4bを形成されている。一方、第1縫製部4aに対向するパイル部3の辺(3d)は冷感タオル部2に縫製されておらず、接続されていない。したがって、辺(3d)を開口とするポケットの形状になっている。このポケットの内側の面、すなわち図3において裏側の面がパイル面となっている。
【0019】
第2の例の複合タオルも図2のように首に掛けて使用することができる。体に接する側の面はすべて冷感タオル部2となっている。顔を拭うときには、手をポケット部に入れて、パイル部3を顔まで移動させてもよい。
【0020】
以上、第1の例および第2の例では、それぞれパイル部を冷感タオル部2の一方の端部のみにとりつけているが、両側に取り付けてもよい。さらに、一方を第1の例のように冷感タオル部2の端辺のみの接続したパイル部とし、他方を第2の例のようにポケットの形状としてもよい。
【符号の説明】
【0021】
1.複合タオル
2.冷感タオル部
3.パイル部
4.縫製部
図1
図2
図3