(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173716
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】エレベータの呼び登録システム
(51)【国際特許分類】
B66B 1/14 20060101AFI20221115BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20221115BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20221115BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20221115BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20221115BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B66B1/14 L
B66B3/00 K
G06K7/10 264
G06K19/077 228
G06K19/07 200
G06K19/077 212
G06F3/01 514
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079588
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】森田 絵美
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
5E555
【Fターム(参考)】
3F303CA01
3F303CA10
3F303FA14
3F502HB02
3F502HC06
3F502JA08
3F502MA15
3F502MA22
3F502MA29
5E555AA46
5E555BA23
5E555BA38
5E555BB23
5E555BB38
5E555BC13
5E555CA43
5E555CB66
5E555CC01
5E555DD06
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】エレベータのかご内または乗場の呼び釦に触れることなしに、行先階の選択を可能とするエレベータの呼び登録システムを得る。
【解決手段】本開示に係るエレベータの呼び登録システムは、エレベータのかご内または乗場に設置されたRFIDリーダライタと、利用者の操作に基づいてかごの呼び登録情報を送信する機能を有するRFIDタグとを備え、RFIDタグは、個々の行先階情報が個別に記録されている複数のICチップと、複数のICチップのそれぞれとは分離した状態で配置された1本のアンテナ部と、を有し、利用者によって、複数のICチップのうちの1つのICチップにアンテナ部を接触させる操作が実行されることで、RFIDリーダライタから送信された電波に基づいて発生させた電力を用いてかごの呼び登録情報を生成し、アンテナ部を介して呼び登録情報をRFIDリーダライタに送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかご内またはエレベータの乗場に設置され、電波を発信し、発信した前記電波の返答として、かごの呼び登録情報を受信した場合には、行先階登録手段に前記かごの呼び登録情報を送信することで行先階の登録を行う機能を有するRFIDリーダライタと、
前記かごに乗車する利用者とともに移動し、前記利用者の操作に基づいて前記かごの呼び登録情報を送信する機能を有するRFIDタグと
を備え、
前記RFIDタグは、
個々の行先階情報が個別に記録されている複数のICチップと、前記複数のICチップのそれぞれとは分離した状態で配置された1本のアンテナ部と、を有し、
前記利用者によって、前記複数のICチップのうちの1つのICチップに前記アンテナ部を接触させる操作が実行されることで、前記RFIDリーダライタから送信された前記電波に基づいて発生させた電力を用いて、前記1つのICチップに記録された行先階情報を前記かごの呼び登録情報として、前記アンテナ部を介して前記RFIDリーダライタに送信する
エレベータの呼び登録システム。
【請求項2】
前記アンテナ部と前記複数のICチップとは、前記利用者の手に装着される手袋に分離して実装されている
請求項1に記載のエレベータの呼び登録システム。
【請求項3】
前記複数のICチップは、前記利用者が運転して前記かごに乗車および降車が可能な移動体に設置されており、
前記アンテナ部は、前記利用者の手に装着される手袋に実装されている
請求項1に記載のエレベータの呼び登録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、エレベータかご内の呼び釦に触れず、行先階の選択を可能とするエレベータの呼び登録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビル内の居住者を認証する個人認証手段により、その居住者の行先情報に基づいてエレベータの行先階を自動で登録する従来技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエレベータ呼び登録システムでは、ビル内の居住者があらかじめ登録された行先階以外の階に移動する場合には、エレベータのかご内あるいは乗場に設置された行先階の釦を押す必要がある。
【0005】
また、貨物用エレベータでは、扉が全閉するまで行先階釦を押し続け、目的階に向けてかごを昇降させる場合がある。この場合、工場のフォークリフトに乗車した利用者は、フォークリフトを降りて貨物用エレベータの操作盤に移動し、行先階釦を操作する必要があり、操作性の改善が望まれる。
【0006】
この開示は上記の課題を解決するためになされたものであって、エレベータのかご内あるいはエレベータの乗場に設置された釦に触れることなしに、行先階の選択を可能とするエレベータの呼び登録システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るエレベータの呼び登録システムは、エレベータのかご内またはエレベータの乗場に設置され、電波を発信し、発信した電波の返答として、かごの呼び登録情報を受信した場合には、行先階登録手段にかごの呼び登録情報を送信することで行先階の登録を行う機能を有するRFIDリーダライタと、かごに乗車する利用者とともに移動し、利用者の操作に基づいてかごの呼び登録情報を送信する機能を有するRFIDタグとを備え、RFIDタグは、個々の行先階情報が個別に記録されている複数のICチップと、複数のICチップのそれぞれとは分離した状態で配置された1本のアンテナ部と、を有し、利用者によって、複数のICチップのうちの1つのICチップにアンテナ部を接触させる操作が実行されることで、RFIDリーダライタから送信された電波に基づいて発生させた電力を用いて、1つのICチップに記録された行先階情報をかごの呼び登録情報として、アンテナ部を介してRFIDリーダライタに送信するものである。
【発明の効果】
【0008】
この開示によれば、エレベータのかご内あるいはエレベータの乗場に設置された釦に触れることなしに、行先階の選択を可能とするエレベータの呼び登録システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施の形態1に係るエレベータの呼び登録システムの全体構成図である。
【
図2】本開示の実施の形態1に係るエレベータの呼び登録システムの機能ブロック図である。
【
図3】本開示の実施の形態1におけるRFIDタグの説明図である。
【
図4】本開示の実施の形態1に係るエレベータの呼び登録システムで実行される一連処理を示したフローチャートである。
【
図5】本開示の実施の形態1において、RFID部を構成する1つのICチップと、アンテナ部とを接触させる際に、端子同士が確実に接触するようにした例を示した説明図である。
【
図6】本開示の実施の形態2に係るエレベータの呼び登録システムの機能ブロック図である。
【
図7】本開示の実施の形態2におけるRFIDタグの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示のエレベータの呼び登録システムについて、各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係るエレベータの呼び登録システムの全体構成図である。
図1におけるエレベータは、交流電源1、エレベータ用巻上機2、主ロープ3、かご4、釣り合いおもり5、およびエレベータの制御盤10を備えて構成されている。
【0012】
図1に示したように、かご4の上端には、主ロープ3の一端が接続され、主ロープ3の他端には、釣り合いおもり5が接続されている。エレベータ用巻上機2は、かご4と釣り合いおもり5とを互いに相反する方向に昇降させるように、主ロープ3の中間部に設置されている。エレベータ用巻上機2は、交流電源1から供給される電力を電源として、駆動する。
【0013】
図2は、本開示の実施の形態1に係るエレベータの呼び登録システムの機能ブロック図である。エレベータの制御盤10には、エレベータの運行制御を行う制御ユニット11が設けられている。一方、かご4の室内には、RFIDリーダライタ20、およびかご操作盤30が設けられている。
【0014】
RFIDリーダライタ20は、制御部21およびアンテナ部22を備えて構成されている。また、かご操作盤30は、かご操作ユニット31およびスイッチ部32を備えて構成されている。
【0015】
かご室内のRFIDリーダライタ20は、半径数メートル以内にあるRFIDタグ40に対し、一定間隔で電波を発信することでデータを送信する機能、およびRFIDタグ40が返答する電波からデータを受信する機能を有する。
【0016】
一方、本実施の形態1におけるRFIDタグ40は、かご4に乗車する利用者が装着する手袋51に実装されている。
図3は、本開示の実施の形態1におけるRFIDタグ40の説明図である。本実施の形態1におけるRFIDタグ40は、アンテナ部41とICチップ部42とを備えて構成されている。
【0017】
そして、
図3に示したように、アンテナ部41と、複数のICチップからなるICチップ部42とは、互いに分離した状態で手袋51に配置されている。RFIDタグ40は、アンテナ部41とICチップ部42とが分離して配置された手袋51を装着した利用者が、かご4に乗車することで、かご4内に持ち込まれる。
【0018】
図3に示したICチップ部42を構成する個々のICチップには、エレベータの階床情報が個別に登録されている。従って、本実施の形態1におけるICチップ部42は、RFID部に相当する。
【0019】
行きたい階床が登録された1つのICチップと、アンテナ部41とを接触させることで、所望の呼び登録情報がRFIDリーダライタ20のアンテナ部22に送信される。
【0020】
より具体的には、かご4に乗車した利用者は、ICチップ部42の複数のICチップのうち、所望の行先階の情報が記録されている1つのICチップにアンテナ部41を接触させる操作を実行する。
【0021】
この結果、RFIDタグ40は、RFIDリーダライタ20から送信された電波に基づいて発生させた電力を用いて、アンテナ部41と接触させた1つのICチップに記録された行先階情報を、かごの呼び登録情報として、アンテナ部41を介してRFIDリーダライタ20に送信することができる。
【0022】
すなわち、本実施の形態1におけるRFIDタグ40は、かごに乗車する利用者とともに移動し、利用者の操作に基づいてかごの呼び登録情報を送信する機能を有する。
【0023】
また、かご室内の乗客が装着している手袋51に実装されたRFIDタグ40は、パッシブ式であり、RFIDリーダライタ20が送信する電波から動作電力と信号を受け取り、所望の呼び登録情報を返答することで、通信を行う。従って、RFIDタグ40自身は、電力が不要となり、充電作業も不要となる。
【0024】
RFIDリーダライタ20は、搬送波として発信した電波の返答として、かご4の室内に持ち込まれたRFIDタグ40から呼び登録情報を受信すると、受信した呼び登録情報をかご操作盤30内のかご操作ユニット31へ、有線または無線にて送信する。
【0025】
かご操作ユニット31は、RFIDリーダライタ20から呼び登録情報を受信した場合には、受信した呼び登録情報を、制御盤10内の制御ユニット11へ有線または無線にて送信する。
【0026】
なお、かご操作ユニット31は、かご4の室内の乗客がスイッチ部32を直接押下することで生成された呼び登録情報を受信した場合にも、スイッチ部32から受信した呼び登録情報を、制御盤10内の制御ユニット11へ送信することができる。
【0027】
従って、かご操作ユニット31を備えたかご操作盤30は、RFIDリーダライタ20から受信した呼び登録情報、およびスイッチ部32から受信した呼び登録情報を、制御盤10内の制御ユニット11へ送信することができ、行先階登録手段に相当する。
【0028】
制御ユニット11は、かご操作盤30から受信した呼び登録情報をもとに、エレベータ用巻上機2を制御して、かご4を昇降させることで、かごの運行制御を行う。
【0029】
図4は、本開示の実施の形態1に係るエレベータの呼び登録システムで実行される一連処理を示したフローチャートである。ステップS1において、RFIDリーダライタ20の制御部21は、アンテナ部22を経由して搬送波である電波を送信する。
【0030】
次に、ステップS2において、かご4の室内に乗車した利用者は、装着している手袋51に実装されているRFIDタグ40に関して、RFID部42を構成する複数のICチップのうち、所望の行先階情報が登録されている1つのICチップに対して、アンテナ部41を接触させる。この結果、制御部21は、アンテナ部22経由でRFIDタグ40の呼び登録情報を受信することができる。
【0031】
図5は、本開示の実施の形態1において、RFID部42を構成する1つのICチップと、アンテナ部41とを接触させる際に、端子同士が確実に接触するようにした例を示した説明図である。
【0032】
図5に示した例では、親指部に実装されたアンテナ部41が、実線で示された端子41aおよび破線で示された端子41bを有しており、人差指部に実装された1つのICチップが、実線で示された端子42aおよび破線で示された端子42bを有している。
【0033】
ここで、アンテナ部41と1つのICチップとを接触させるためには、実線で示された端子41a、42a同士を接触させ、かつ、破線で示された端子41b、42b同士を接触させることが必要となる。
【0034】
そこで、本実施の形態1では、
図5の円の中に例示したように、実線で示された端子aと破線で示された端子bとの位置関係が、距離Lを隔てて直線上に固定で配置されるように工夫されている。従って、実線で示された端子41a、42a同士を接触させることで、結果的に、破線で示された端子41b、42b同士も容易に接触させることができるようになっている。
【0035】
図4の説明に戻り、ステップS3において、RFIDリーダライタ20内の制御部21は、アンテナ部22経由で呼び登録情報を受信したか否かを判定する。
【0036】
呼び登録情報を受信したと制御部21が判定した場合には、ステップS4に処理が移行する(ステップS3のYes)。一方、呼び登録情報を受信しなかったと制御部21が判定した場合には、ステップS1に移行する(ステップS3のNo)。
【0037】
ステップS4に進んだ場合には、RFIDリーダライタ20内の制御部21は、かご操作盤30内のかご操作ユニット31へ、ステップS3で受信した呼び登録情報を送信する。
【0038】
以上のように、実施の形態1によれば、エレベータのかごに乗車した利用者が、RFID部とアンテナ部とが分離配置されたRFIDタグが実装されている手袋を装着することで、呼び釦に触れずに所望の行先階への呼び登録を選択的に実行可能となる。
【0039】
さらに、実施の形態1によれば、パッシブ式のRFIDを使用しているため、スイッチ、スマートフォン等を使用した場合のような電力が不要となり、充電作業も不要となる効果も得ることができる。
【0040】
実施の形態2.
先の実施の形態1では、利用者がかご4内に歩いて乗車した際の呼び登録方法について説明した。これに対して、本実施の形態2では、利用者が、かご4に乗車および降車が可能な移動体を運転した状態でかご4に乗車した際の呼び登録方法について説明する。
【0041】
図6は、本開示の実施の形態2に係るエレベータの呼び登録システムの機能ブロック図である。先の実施の形態1における
図2の構成と比較すると、本実施の形態2における
図6の構成では、利用者が移動体の一例であるフォークリフト52を運転しながら、かご4に乗車している点が相違している。そこで、この相違点を中心に、以下に説明する。
【0042】
先の実施の形態1では、利用者が装着する手袋51にアンテナ部41と、複数のICチップからなるICチップ部42とが分離して配置されていた。これに対して、本実施の形態2では、利用者が装着する手袋51にはアンテナ部41が配置され、複数のICチップからなるICチップ部42は、フォークリフト52のハンドル53に配置されている。
【0043】
図7は、本開示の実施の形態2におけるRFIDタグの説明図である。本実施の形態2におけるRFIDタグ40は、手袋51に設けられたアンテナ部41と、ハンドル53に配置された複数のICチップからなるICチップ部42とを備えて構成されている。
【0044】
すなわち、本実施の形態2におけるRFIDタグ40は、かごに乗車する利用者とともに移動し、利用者の操作に基づいてかごの呼び登録情報を送信する機能を有する。
【0045】
ICチップ部42を構成する複数のICチップは、フォークリフト52のハンドル53に、シール等により後付けすることも可能である。
【0046】
図7に示したICチップ部42を構成する個々のICチップには、エレベータの階床情報が個別に登録されており、行きたい階床が登録された1つのICチップとアンテナ部41とを接触させることで、所望の呼び登録情報がRFIDリーダライタ20のアンテナ部22に送信される。
【0047】
すなわち、利用者は、フォークリフト52を乗車したままの状態で、ハンドル53を握ったまま、手袋51の親指部分に設けられたアンテナ部を所望の行先階が登録されているICチップと接触させることで、呼び登録を容易に行うことができる。
【0048】
RFIDリーダライタ20の制御部21は、アンテナ部41から送信されてきた呼び登録情報を、アンテナ部22を介して受信すると、かご操作盤30内のかご操作ユニット31に対して、受信した呼び登録情報を送信する。
【0049】
かご操作ユニット31は、RFIDリーダライタ20から取得した呼び登録情報、およびかご室内の利用者がスイッチ部32を直接押下することで取得した呼び登録情報を、制御盤10内の制御ユニット11へ送信する。
【0050】
以上のように、実施の形態2によれば、エレベータのかごに乗車した利用者が、RFID部とアンテナ部とが分離配置されたRFIDタグを利用することで、呼び釦に触れずに所望の行先階への呼び登録を選択的に実行可能となる。
【0051】
さらに、実施の形態2によれば、パッシブ式のRFIDを使用するため、スイッチ、スマートフォン等を使用した場合のような電力が不要となり、充電作業も不要となる効果も得ることができる。
【0052】
特に、実施の形態2によれば、移動体側に設けられたRFID部と、利用者が装着する手袋側に設けられたアンテナ部とを利用することで、利用者は、移動体に乗車してハンドルを握ったままの状態で、容易に呼び登録を実施することができる。
【0053】
なお、上述した実施の形態1、2では、1つのICチップに「呼び登録情報」が記録される場合について説明した。しかしながら、その他の情報として、1つのICチップに、かご操作盤30にある操作釦の釦情報が記録されていてもよい。ここで、釦情報とは、例えば、戸閉釦の戸閉釦情報、戸開釦の戸開釦情報、戸開延長釦の戸開延長釦情報などが挙げられる。このような釦情報をICチップに記録させておくことで、エレベータの利用者は、かご操作盤30にある釦の機能を非接触により操作(登録)できる効果を奏する。
【0054】
また、上述した実施の形態1、2では、RFIDリーダライタ20が、かご4の室内にある場合について説明した。しかしながら、RFIDリーダライタ20は、乗場に設置されてもよく、乗場に設置された行先階登録装置が、乗場に設置されたRFIDリーダライタから行先階の情報を受信する構成を採用することも可能である。
【0055】
このような構成を採用した場合には、信号の流れは、次の(1)~(4)のようになる。(1)乗場の利用者が携帯するRFIDタグから、(2)各乗場に設置されたRFIDリーダライタが情報を受信し、(3)受信した情報が乗場にある行先階登録装置を経由し、(4)最終的にエレベータの制御盤10の制御ユニット11に送信される。このような構成により、エレベータの利用者は、乗場にある行先階登録釦の機能を非接触により、操作および登録ができる効果を奏する。
【符号の説明】
【0056】
1 交流電源、2 巻上機、3 主ロープ、4 かご、5 釣り合いおもり、10 制御盤、11 制御ユニット、20 RFIDリーダライタ、21 制御部、22 アンテナ部、30 かご操作盤、31 かご操作ユニット、32 スイッチ部、40 RFIDタグ、41 アンテナ部、42 ICチップ部(RFID部)、51 手袋、52 フォークリフト(移動体)、53 ハンドル。