(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173727
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】射出成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/27 20060101AFI20221115BHJP
B29C 45/00 20060101ALI20221115BHJP
C08L 23/06 20060101ALI20221115BHJP
C08L 23/12 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B29C45/27
B29C45/00
C08L23/06
C08L23/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079606
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】三宅 翔平
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
4J002
【Fターム(参考)】
4F202AA04D
4F202AA11
4F202AM32
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK06
4F206AA04D
4F206AA11
4F206AM32
4F206JA07
4F206JF01
4F206JL02
4F206JQ81
4J002BB032
4J002BB121
(57)【要約】
【課題】地球環境保全に寄与するとともに、成形不良の発生を十分に抑制でき、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と組み合わせて使用される植物由来のポリエチレンの選択肢を拡げるのに有用な射出成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る射出成形体の製造方法は、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含む原料を準備する工程と、ゲートを通じてキャビティ内に上記原料を供給する工程とを含み、上記ゲートは、下記式(1)で算出される断面の扁平度fが0.5以上の流路を有する。
扁平度f=(a-b)/a…(1)
[式中、aは前記流路の断面の長手方向の幅を示し、bは前記流路の断面の短手方向の幅を示す。]
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含む原料を準備する工程と、
ゲートを通じてキャビティ内に前記原料を供給する工程と、
を含み、
前記ゲートは、下記式(1)で算出される断面の扁平度fが0.5以上の流路を有する、射出成形体の製造方法。
扁平度f=(a-b)/a…(1)
[式中、aは前記流路の断面の長手方向の幅を示し、bは前記流路の断面の短手方向の幅を示す。]
【請求項2】
前記植物由来のポリエチレン樹脂と前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、前記植物由来のポリエチレン樹脂の含有量が10~50質量%であり、且つ、前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の含有量が50~90質量%である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記植物由来のポリエチレン樹脂が高密度ポリエチレンである、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂がランダムコポリマーである、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は射出成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境保全の観点から、植物由来の原料を使用したプラスチック材料の開発が進められている。特許文献1は再生可能な天然原料(例えば、サトウキビ)の残渣から1つ又は複数のオレフィンを生成する方法を開示するとともに、これらを使用したポリマーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プラスチック材料を原料に用いる射出成形の分野において、原料の一部に植物由来の原料を使用することは地球環境保全に寄与する。そこで、本発明者らは、植物由来のポリエチレン樹脂と、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とをブレンドした原料を調製し、これをコールドランナー方式の金型に供給して射出成形体を製造した。しかし、金型から取り出された成形体のゲート部分には固化した樹脂が残っていた。これは成形不良の一種であり、ゲート残りと称されるものである。
【0005】
図1(a)及び
図1(b)を参照して、ゲート残りについて説明する。
図1(a)は一対の金型1a、1bによって画成されたキャビティCにプラスチック材料Pが充填された状態を模式的に示す断面図である。この図に示されたゲートG1は、コールドランナー(不図示)とキャビティCをつなぐ流路である。ゲートG1を通じてキャビティC内にプラスチック材料Pが供給される。この状態ではゲートG1にもプラスチック材料Pが充填されている。
図1(b)は金型1a、1bから回収した射出成形体10を模式的に示す断面図である。射出成形体10はゲート部分にプラスチック材料Pの突起10a(ゲート残り)がある。
【0006】
本発明者らの検討によると、植物由来のポリエチレン樹脂と、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とをブレンドした原料を、従来の金型に供給して射出成形体を製造したところ、植物由来のポリエチレン樹脂として高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた場合、低密度ポリエチレン(LDPE)を用いた場合よりもゲート残りが発生しやすかった。
【0007】
射出成形品の分野において植物由来のポリエチレン樹脂を適用できる範囲がより一層広がれば、地球環境保全により寄与できる。そこで、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と組み合わせて使用される植物由来のポリエチレンとしてHDPEを用いた場合でも、ゲート残りを抑制できる手法について本発明者は検討を進めた。
【0008】
本開示は、地球環境保全に寄与するとともに、成形不良の発生を十分に抑制でき、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と組み合わせて使用される植物由来のポリエチレンの選択肢を拡げるのに有用な射出成形体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一側面に係る射出成形体の製造方法は、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含む原料を準備する工程と、ゲートを通じてキャビティ内に前記原料を供給する工程と、を含み、上記ゲートは、下記式(1)で算出される断面の扁平度fが0.5以上の流路を有する。
扁平度f=(a-b)/a…(1)
[式中、aは上記流路の断面の長手方向の幅を示し、bは上記流路の断面の短手方向の幅を示す。]
【0010】
上記製造方法によれば、植物由来の樹脂材料を原料の一部として使用するため、地球環境保全に寄与し得る。また、上記製造方法によれば、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と組み合わせて使用される植物由来のポリエチレン樹脂として、例えば、LDPEを用いた場合のみならずHDPEを用いた場合でも、成形不良の発生を十分に抑制できる。本明細書中における「成形不良の発生を十分に抑制できる」とは、射出成形体のゲート残りの高さ(製品部からゲート残りの先端までの長さ)が0.5mm以下であることを意味する。
【0011】
上記植物由来のポリエチレン樹脂と上記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、上記植物由来のポリエチレン樹脂の含有量が10~50質量%であり、且つ、上記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の含有量が50~90質量%であってもよい。射出成形体に含まれる植物由来のポリエチレン樹脂の割合が上記範囲内であれば、カーボンニュートラルの点で地球環境保全に寄与することができ、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の割合が上記範囲内であれば、射出成形体に化石燃料由来のポリプロピレン樹脂による優れた成形性等の物性が発現しやすい。
【0012】
上記植物由来のポリエチレン樹脂はHDPEであってもよい。上記製造方法は、植物由来のポリエチレン樹脂として、LDPEを用いた場合のみならずHDPEを用いた場合においても安定的に成形不良の発生を抑制できる点において有用である。上記化石燃料由来のポリプロピレン樹脂がランダムコポリマーであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、地球環境保全に寄与するとともに、成形不良の発生を十分に抑制でき、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と組み合わせて使用される植物由来のポリエチレンの選択肢を拡げるのに有用な射出成形体の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1(a)は金型内にプラスチック材料が供給された状態を模式的に示す断面図であり、
図1(b)はゲート部分に固化した樹脂が残っている成形体を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2(a)はキャビティ及びゲートにプラスチック材料が充填された状態を模式的に示す断面図であり、
図2(b)は
図2(a)に示すb-b線における断面図である。
【
図3】
図3は実施例及び比較例で作製した射出成形体を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は実施例及び比較例で使用した金型を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
<射出成形体の製造方法>
本実施形態に係る射出成形体の製造方法は、以下の工程を含む。
(A)植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含む原料を準備する工程。
(B)ゲートを通じてキャビティ内に上記原料を供給する工程。
【0017】
(射出成形体製造用原料)
まず、射出成形体製造用原料について説明する。この原料は、上述のとおり、植物由来のポリエチレン樹脂と、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂とを含む。植物由来のポリエチレン樹脂として、例えば、ブラスケム社製のものが挙げられる。ブラスケム社は、再生可能な天然原料から、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)を製造し、これらを販売している。例えば、植物由来のLLDPEは、C4-LLDPEもしくはC6-LLDPEと表記される炭素数4もしくは6のα-オレフィンを側鎖に有するものである。
【0018】
植物由来のポリエチレン樹脂の190℃におけるメルトフローレートは特に制限されないが、例えば、25g/10分以下であり、20g/10分以下であることが好ましい。この値が20g/10分以下であることで、植物由来のポリエチレン樹脂を化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と併用しても、成形不良の発生を十分に抑制できる。この値は、例えば、5g/10分以上であり、好ましくは7g/10分以上である。この値が7g/10分以上であることで、原料に占める植物由来のポリエチレン樹脂の割合が比較的多くても、原料の流動性を十分に維持することができる。また、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレンをブレンドしても射出成型品としての落下強度などの基本的な機能を満たすことができる。なお、本開示おけるメルトフローレートの値は、JIS K7210-1:2014に記載の方法に準拠し、所定の温度(190℃又は後述の230℃)及び荷重2.16kgの条件で測定された値を意味する。
【0019】
植物由来のポリエチレン樹脂の密度は、例えば、0.910~0.960g/cm3であり、0.915~0.918g/cm3又は0.953~0.959g/cm3であってもよい。植物由来のポリエチレン樹脂の密度がこの範囲であることで、植物由来のポリエチレン樹脂を化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と併用しても、成形不良の発生を十分に抑制できる。
【0020】
化石燃料由来のポリプロピレン樹脂としては、例えば、プロピレンのホモポリマー、ブロックコポリマー及びランダムコポリマーが挙げられ、成形性の観点から、プロピレンのランダムコポリマーを用いることが好ましい。
【0021】
化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートは、例えば、30g/10分以下であればよく、25g/10分以下であることがより好ましい。この値が25g/10分以下であることで、原料に占める植物由来のポリエチレン樹脂の割合が比較的多くても、成形不良の発生を十分に抑制できる。この値は好ましくは3g/10分以上であり、より好ましくは5g/10分以上であり、更に好ましくは7g/10分以上である。この値が3g/10分以上であることで、原料に占める化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の割合が多くても、原料の流動性を十分に維持することができる。
【0022】
化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の密度は、例えば、0.900~0.910g/cm3である。化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の密度がこの範囲であることで、植物由来のポリエチレン樹脂を化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と併用しても、成形不良の発生を十分に抑制できる。
【0023】
植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計質量を基準として、原料における植物由来のポリエチレン樹脂の含有量は10~50質量%であり、好ましくは10~30質量%であり、より好ましくは10~20質量%である。この値が10質量%以上であることで、カーボンニュートラルの点で地球環境保全に寄与できる。他方、同基準で、原料における化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の含有量は50~90質量%であり、好ましくは70~90質量%であり、より好ましくは80~90質量%である。この値が50質量%以上であることで、ポリプロピレン樹脂に起因する効果(例えば、優れた成形性及び物性)が十分に奏される。
【0024】
原料の全質量に対する植物由来のポリエチレン樹脂及び化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の合計量は、例えば、90質量%以上であり、95質量%以上又は98質量%以上であってもよい。原料は植物由来のポリエチレン樹脂及び化石燃料由来のポリプロピレン樹脂の他に、例えば、射出成形体の原料に配合される添加剤等を含んでもよい。
【0025】
植物由来のポリエチレン樹脂と、化石燃料由来のポリプロピレン樹脂と、必要に応じて他の成分とを混合又は混練することによって原料を調製することができる((A)工程)。この原料の溶融物がゲートを通じて金型のキャビティ内に供給する工程((B)工程)を経て射出成形体を得ることができる。原料の調製及び原料の金型への供給を混練押出機で実施してもよい。例えば、スクリュを有する混練押出機を使用する場合、原料のメルトフローレート(溶融粘度)に応じてスクリュ温度を調整すればよい。スクリュ温度は、例えば、190~220℃であればよい。金型のキャビティへの原料の射出速度は、例えば、30~80mm/秒であればよい。なお、メルトフローレートの値が比較的小さい(溶融粘度が比較的高い)原料を使用する場合、混練押出機におけるV-P切り替え位置をノズル(吐出口)側に近づけることで、キャビティへの原料の充填性を向上し得る。
【0026】
図2(a)はキャビティC及びゲートG2にプラスチック材料が充填された状態を模式的に示す断面図であり、
図2(b)は
図2(a)に示すb-b線における断面図である。ゲートG2の流路断面の形状は、扁平であればよく、例えば、楕円形、長方形、角丸長方形であってもよい。ゲートG2の流路断面の扁平度fは、下記式(1)で算出される。扁平度fの値は、0.5以上であり、好ましくは0.6以上であり、より好ましくは0.75以上である。この値が0.5以上であることで、射出成形体の製造時における成形不良の発生を十分に抑制できる。この値の上限値は、例えば、0.8である。
扁平度f=(a-b)/a…(1)
式(1)中、aは流路の長手方向の幅(
図2(b)に示す幅a)を示し、bは流路の短手方向の幅(
図2(b)に示す幅b)を示す。
【0027】
なお、ゲートG2の流路はその全体が必ずしも扁平でなくてもよく、例えば、キャビティCとゲートG2との接続部からゲートG2の方向に5mmの領域において扁平形状であればよい。当該領域の範囲は、ランナーの形状及びゲート径の大きさにより適宜設定すればよい。
【0028】
金型はコールドランナー方式であっても、ホットランナー方式であってもよいが、本実施形態によれば、ホットランナー方式と比較してゲート残りが生じやすいコールドランナー方式の金型を使用した場合であっても、ゲート残りの発生を十分に抑制できる。これは、既存のコールドランナー方式の金型を使用し、従来の化石燃料由来の樹脂原料から本実施形態に係る原料に代えることで地球環境に配慮した射出成形体を製造し得るという利点がある。つまり、例えば、ホットランナー方式の金型を新たに導入する必要がないという利点がある。
【0029】
上記実施形態によれば、地球環境保全に寄与するとともに、成形不良の発生を十分に抑制できる射出成形体を効率的に製造することができる。射出成形体の具体例としては、プラスチック製のキャップ、容器、口栓が挙げられる。
【0030】
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、コールドランナー方式の金型を使用して射出成形体を製造する場合を例示したが、ホットランナー方式の金型を使用して射出成形体を製造してもよい。
【0031】
上記実施形態においては、植物由来のポリエチレン樹脂と化石燃料由来のポリプロピレン樹脂を併用する場合を例示したが、植物由来のポリエチレン樹脂の代わりに化石燃料由来のポリエチレン樹脂を使用して射出成形体を製造してもよい。化石燃料由来のポリエチレン樹脂の物性(例えば、190℃におけるメルトフローレート及び密度)は、上述の植物由来のポリエチレン樹脂と同様の範囲であることが好ましい。
【実施例0032】
以下、本開示について実施例及び比較例に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0033】
以下の材料を使用し、実施例及び比較例に係る原料を調製した。
<化石燃料由来のポリプロピレン樹脂(PP)>
・サンアロマー社製PP1(230℃におけるメルトフローレート:25.0g/10分)
・サンアロマー社製PP2(230℃におけるメルトフローレート:14.0g/10分)
・サンアロマー社製PP3(230℃におけるメルトフローレート:9.5g/10分)
<植物由来のポリエチレン樹脂(バイオPE)>
・ブラスケム社製HDPE(190℃におけるメルトフローレート:20.0g/10分)
・ブラスケム社製LDPE1(190℃におけるメルトフローレート:8.3g/10分)
・ブラスケム社製LDPE2(190℃におけるメルトフローレート:7.2g/10分)
【0034】
表1~4に示す条件で実施例及び比較例に係る以下の射出成形体をそれぞれ作製した。
・射出成形体:ヒンジを有するキャップ(直径:68.4mm、高さ:22.2mm)
図3は実施例及び比較例で作製したキャップ(射出成形体)を模式的に示す断面図である。この図に示すように、キャップ20は、上蓋20aと、キャップ本体部20bと、キャップ本体部20bに対して上蓋20aを開閉自在にするヒンジ20cとを備える。表1~4中の「ゲート高」はゲート残りの高さを意味する(
図1(b)参照)。
【0035】
成形機として、住友重機工業社の射出成形機を使用した。金型にはコールドランナー方式の金型を使用した。
図4は実施例及び比較例で使用した金型を模式的に示す斜視図である。この図に示すとおり、金型5は三つのパーツ5a,5b,5cを備える。金型5によれば、計8つのキャップ20を同時に製造することができる。パーツ5aは開口6を有する。開口6から金型5内に溶融樹脂が供給される。パーツ5bはコールドランナー7を有する。パーツ5cはパーツ5bとともに、キャビティを構成する凹部8を有する。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
1a,1b,5…金型、5a,5b,5c…パーツ、6…開口、7,G2…ゲート、8…凹部、10…射出成形体、10a…突起(ゲート残り)、20…キャップ(射出成形体)、20a…上蓋、20b…キャップ本体部、20c…ヒンジ、C…キャビティ、P…プラスチック材料