(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173729
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】超音波探触子
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079609
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西久保 雄一
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601GA01
(57)【要約】
【課題】超音波探触子を、直接手に持っても滑りにくく、被せたカバーも滑りにくく、直接でもカバー越しでも手に持って滑りにくくする。
【解決手段】超音波診断装置において超音波画像を取得するために、被検体に当ててハンドリングされ、当該被検体との超音波の送受信を行う超音波探触子1Aは、超音波が出入射する音響ウィンドウを先端面2に有し、先端面から後端方向に側面の表面粗さを計測したとき、先端面に隣接した近位側面領域10の表面粗さが、近位側面領域に隣接し近位側面領域より先端面から離れた遠位側面領域20の表面粗さより小さい値である複合粗さの側面部位を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波診断装置において超音波画像を取得するために、被検体に当ててハンドリングされ、当該被検体との超音波の送受信を行う超音波探触子であって、
前記超音波が出入射する音響ウィンドウを先端面に有し、
前記先端面から後端方向に側面の表面粗さを計測したとき、前記先端面に隣接した近位側面領域の表面粗さが、前記近位側面領域に隣接し前記近位側面領域より前記先端面から離れた遠位側面領域の表面粗さより小さい値である複合粗さの側面部位を有する超音波探触子。
【請求項2】
前記複合粗さの側面部位において、前記先端面に垂直な軸方向の長さの3分の1の中央部は前記遠位側面領域とされている請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項3】
前記先端面の短軸方向幅をDとして、前記複合粗さの側面部位における前記近位側面領域は、前記先端面と前記遠位側面領域の間に3D以上5D以下の長さで存在している請求項1又は請求項2に記載の超音波探触子。
【請求項4】
前記先端面の長辺に隣接した側面は、前記複合粗さの側面部位である請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の超音波探触子。
【請求項5】
前記先端面の長辺及び短辺に隣接した側面は、前記複合粗さの側面部位である請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の超音波探触子。
【請求項6】
前記複合粗さの側面部位における前記遠位側面領域より前記先端面に近い側面領域内での比較において、前記先端面の短辺に隣接した側面は、前記先端面の長辺に隣接した側面より表面粗さが小さい請求項4又は請求項5に記載の超音波探触子。
【請求項7】
前記複合粗さの側面部位における前記遠位側面領域の表面粗さは、異方性を有する請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載の超音波探触子。
【請求項8】
前記先端面から後端方向に側面の表面粗さを計測したときの要素の平均長さRsmは、Rsm≦1mmである請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の超音波探触子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用した超音波診断装置の超音波探触子に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断は、超音波探触子を患者の被検体の体表又は体腔内から当てるという簡単な操作で心臓や胎児の様子が超音波画像として得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査を行うことができる。
【0003】
また医師が超音波探触子(プローブ)を手に持って走査し画像を確認しながら別の手で穿刺をしたり、あるいは理学療法士が超音波探触子を手に持って、別の手で徒手による組織の動きを画像で見たりなど、走査以外のことも平行して行うため、無意識でも超音波探触子をしっかり保持できること、すなわち超音波探触子のグリップ性を高めることが一つの課題となっている。
特許文献1に記載の発明にあっては、グリップ部に突起パターンを有する滑り止め部を設けた。特許文献2に記載の発明にあっては、グリップ部に凹又は凸形状の滑り止めを設けた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3378727号公報
【特許文献2】特許第4523808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、未知のウイルスに対する感染リスク対策のため、超音波探触子を洗浄消毒することや超音波探触子にカバーを着けて使用するといったことに関心が高まりつつある。
数多くの患者の検査を行うには、検査毎に超音波探触子に新規なカバー(シース)を被せ検査後に廃棄して、常に超音波探触子の患者接触部を清潔に保つことが簡便であり衛生的であるため推奨されることがある。
一般に超音波探触子の専用シースは高価であるため、食品用のラップ、傘袋などが代替カバーとして使用されることもある。このような代替カバーは、非常に安価であり、使い勝手も悪くないものがある。しかし、専用シースではないため超音波探触子に被せたときには、超音波探触子の表面との密着性が悪い。そのため、検査技師が超音波探触子を手に持って体表等をハンドリングで走査している時に、超音波探触子の表面に対してカバーがずれてしまうということが度々発生し、検査効率を低下させる要因になっていた。
【0006】
特許文献1,2に記載されるようなグリップ部に凹凸形状を設けた超音波探触子(プローブ)では、検査技師が超音波探触子を手に持って体表等をハンドリングで走査している時、超音波探触子に対する手の滑り止めとして機能する。
しかし、超音波探触子の表面とカバーとの密着性を向上させるものではないため、超音波探触子に対するカバーの滑り止めとしては機能しない。そのため、超音波探触子に対してカバーがずれたり、カバーとともに手が滑ったりする場合がある。
とは言え、カバーとの密着性が高くカバーが滑りにくい表面は、直接触る手は滑りやすいことがあるため、これを考慮する必要がある。
【0007】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、超音波診断装置の被検体に当て超音波画像を取得するための超音波探触子を、直接手に持っても滑りにくく、被せたカバーも滑りにくく、直接でもカバー越しでも手に持って滑りにくくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの態様の超音波探触子は、超音波診断装置において超音波画像を取得するために、被検体に当ててハンドリングされ、当該被検体との超音波の送受信を行う超音波探触子であって、前記超音波が出入射する音響ウィンドウを先端面に有し、前記先端面から後端方向に側面の表面粗さを計測したとき、前記先端面に隣接した近位側面領域の表面粗さが、前記近位側面領域に隣接し前記近位側面領域より前記先端面から離れた遠位側面領域の表面粗さより小さい値である複合粗さの側面部位を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、超音波診断装置の被検体に当て超音波画像を取得するための超音波探触子を、直接手に持っても滑りにくく、被せたカバーも滑りにくく、直接でもカバー越しでも手に持って滑りにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る超音波探触子の斜視図である。
【
図2】
図1の超音波探触子にカバーを被せた状態の模式図である。
【
図3】本発明の他の一実施形態に係る超音波探触子の斜視図である。
【
図4】複合粗さの側面部位における遠位側面領域の表面粗さを観察した拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0012】
図1は、一つの実施形態の超音波診断装置の超音波探触子を示す。
図1に示すように超音波探触子1Aは、超音波が出入射する音響ウィンドウを先端面2に有する。先端面2の長軸をX軸、短軸をZ軸、先端面2に垂直な軸をY軸として説明する。
超音波探触子1Aは、先端面2に隣接した4側面が後方へ連続した立体で、くびれ部3を介してさらに連続し、やや絞り込まれた後端部からケーブル4が延出した構造を有する。異なる方向の隣接する2側面間のコーナーは丸みが付けられている。ケーブル4が超音波診断装置(不図示)に接続され、超音波画像を取得するために、超音波探触子1Aは、先端面(音響ウィンドウ)2を被検体に当ててハンドリングされ、当該被検体との超音波の送受信を行う。
【0013】
超音波探触子1Aの側面は、側面11a、側面11b、側面12a、側面12b、側面21a、側面21b、側面22a、側面22b、側面31a、側面31b、側面32a、側面32bからなる。
側面11aと側面11bとは互いに反対面である。側面12aと側面12bとは互いに反対面である。側面21aと側面21bとは互いに反対面である。側面22aと側面22bとは互いに反対面である。側面31aと側面31bとは互いに反対面である。側面32aと側面32bとは互いに反対面である。
側面11a、側面11b、側面12a、側面12bは、先端面2に隣接した近位側面領域10に属する。
側面21a、側面21b、側面22a、側面22bは、近位側面領域10に隣接し近位側面領域10より先端面2から離れた遠位側面領域20に属する。
側面31a、側面31b、側面32a、側面32bは、さらに先端面2から離れた後端部側面領域30に属する。
【0014】
側面11a、側面11bは、先端面2の長辺に隣接した側面である。側面21aは、側面11aの後端方向に連続する。側面21bは、側面11bの後端方向に連続する。側面31aは、側面21aの後端方向に連続する。側面31bは、側面21bの後端方向に連続する。
【0015】
側面12a、側面12bは、先端面2の短辺に隣接した側面である。側面22aは、側面12aの後端方向に連続する。側面22bは、側面12bの後端方向に連続する。側面32aは、側面22aの後端方向に連続する。側面32bは、側面22bの後端方向に連続する。
【0016】
超音波探触子1Aは、先端面2から後端方向(Y軸の負の方向)に側面の表面粗さを計測したとき、近位側面領域10の表面粗さが、遠位側面領域20の表面粗さより小さい値である。このような側面部位を「複合粗さの側面部位」と呼ぶ。
表面粗さが比較的小さい近位側面領域10の側面に対しては、カバーが密着しやすいため、
図2に示すように超音波探触子1Aにカバー5を被せたとき、超音波探触子1Aに対してカバー5が滑りにくくなる。これにより、超音波探触子1Aに対してカバー5がずれたり、カバー5とともに手が滑ったりすることを抑制することができる。
表面粗さが比較的大きい遠位側面領域20の側面に対しては、超音波探触子1Aを直接手に持ったときに触れる手指が滑りにくい。なお、超音波探触子1Aの外形は一例であって、
図3に示す超音波探触子1Bその他の形態の超音波探触子であってもよい。
以上により、超音波探触子1A(1B)を直接手に持っても滑りにくく、被せたカバー5も滑りにくく、直接でもカバー5越しでも手に持って滑りにくくすることができる。
【0017】
側面11a、側面21aは、複合粗さの側面部位とされている。すなわち、先端面2の長辺に隣接した側面11a,21aは、複合粗さの側面部位である(側面11aの表面粗さが側面21aの表面粗さより小さい。)
また、側面11b、側面21bは、複合粗さの側面部位とされている。すなわち、先端面2の長辺に隣接した側面11b,21bは、複合粗さの側面部位である(側面11bの表面粗さが側面21bの表面粗さより小さい。)
また、側面12a、側面22aは、複合粗さの側面部位とされている。すなわち、先端面2の短辺に隣接した側面12a,22aは、複合粗さの側面部位である(側面12aの表面粗さが側面22aの表面粗さより小さい。)
さらに、側面12b、側面22bは、複合粗さの側面部位とされている。すなわち、先端面2の短辺に隣接した側面12b,22bは、複合粗さの側面部位である(側面12bの表面粗さが側面22bの表面粗さより小さい。)
以上のように方向の異なる4面すべてを複合粗さの側面部位とすることが好ましい。超音波探触子1Aを直接手に持っても滑りにくく、被せたカバー5も滑りにくく、直接でもカバー5越しでも手に持って滑りにくくするためである。
但し、方向の異なる4面のうち、3面のみ、2面のみ又は1面のみを選択して複合粗さの側面部位として実施してもよい。例えば、側面11aと側面21a、側面11bと側面21bを複合粗さの側面部位とし、側面12aと側面22aを一定の表面粗さ、側面12bと側面22bを一定の表面粗さとしてもよい。その場合、当該一定の表面粗さを、側面11a及び側面11bと同じか又はそれより小さい表面粗さとしてもよい。カバー5を滑りにくくすることができる。逆に、当該一定の表面粗さを、側面21a及び側面21bと同じか又はそれより大きい表面粗さとしてもよい。手を滑りにくくすることができる。
【0018】
遠位側面領域20は、超音波探触子1Aを通常手に持ったとき、手指が触れる位置(グリップ部)とすることが好ましい。超音波探触子1Aを手に持ったとき、手が滑らないようにするためである。そのため、複合粗さの側面部位において、先端面2に垂直なY軸方向の長さLの3分の1の中央部(図においてL/3の部分)は遠位側面領域20とされていることが好ましい。
なお、後端部側面領域30の表面粗さに関しては任意である。例えば、複合粗さの側面部位における小さい方の表面粗さに合わせてもよい。又は、後端部側面領域30に関しては、複合粗さの側面部位における大きい方の表面粗さに合わせてもよい(この場合、遠位側面領域20が後端まで連続する形態になる。)。又は、複合粗さの側面部位におけるいずれの表面粗さにも合わせなくてもよい。
【0019】
図1に示すように先端面2の短軸Z方向の幅をDとして、複合粗さの側面部位における近位側面領域10は、先端面2と遠位側面領域20の間に3D以上5D以下の長さで存在していることが好ましい。カバー5に密着し、カバー5のずれを止める密着面を十分に確保するとともに、遠位側面領域20をグリップ部に配置するためである。3D未満であると密着面が小さすぎ、5Dを超えると遠位側面領域20が先端面2から離れすぎる。
【0020】
側面12a、側面12bの表面粗さを、側面11a,11bの表面粗さより小さくしてもよい。
超音波探触子1Aの先端面2は、X軸方向に長く、この方向の端面に相当する側面12a、側面12bにカバー5から受ける圧力が高くなりやすい。したがって、このような側面12a、側面12bの密着性を高めておくことにより、よりカバー5が滑りにくい超音波探触子1A(1B)とすることができる。この場合、側面22a、側面22bの表面粗さは、側面12a、側面12bの表面粗さより大きくしてもよいし、上述したようの同じとしてもよい。
以上のように、複合粗さの側面部位における遠位側面領域20より先端面2に近い側面領域(10)内での比較において、先端面2の短辺に隣接した側面12a(12b)は、先端面2の長辺に隣接した側面11a(11b)より表面粗さが小さいものを実施してもよい。
【0021】
また、
図4に示すように複合粗さの側面部位における遠位側面領域の表面粗さは、異方性を有するものとしてもよい。この場合、Y軸方向に計測した表面粗さ(Ra1とする)が、Y軸と垂直方向の計測した表面粗さ(Ra2とする)より大きくするとよい。例えば、Ra1=3.2〔μm〕、Ra2=1.0〔μm〕である。超音波探触子1A(1B)の先端面2を被検体に押し付ける方向Yについて手が滑りにくくなる。
【0022】
以上の超音波探触子1A(1B)の側面(11a,11b,12a,12b,21a,21b,22a,22b,31a,31b,32a,32b)は、超音波探触子1A(1B)の樹脂製筐体ケースの表面により構成され、成形型の成形面の転写により以上説明した異なる表面粗さに製造することができる。この製造方法によれば工程負担増、コスト増にならず、生産性良好に低コストに超音波探触子を製造することができる。なお、一部の領域で成形部品を作成し、2色成形により異なる表面粗さをもつ筐体に製造してもよい。
プローブの筐体の材料は、一般的な樹脂材料が使用され、PA、PC、POM、PPE、PET、PBT、PTFE、PPS、PSU、PES、PAR、PAI、TPI、PEI、PEEK、LCP、等のほかに、これらの原材料の共重合体、これらの樹脂に変性を加えたもの、これらの樹脂をブレンドした材料、ガラスファイバー等の強化を行ったもの、等どのような材料でも使用可能である。
またカバーとの密着性向上のために、静電気的な引力を期待して、カバーの帯電極性と反対の帯電極性をもつ材料を使用してもよい。樹脂のブレンド比率を変えたり、添加剤を加えたり、あるいは成形後の表面処理をしたりすることで、極性の調整が可能である。
さらには、直接手に持ったときの密着性向上のために、親疎水性を制御した材料を使用してもよい。同様に樹脂のブレンド比率を変えたり、添加剤を加えたり、あるいは成形後の表面処理をしたりすることで、新疎水性の調整が可能である。
【0023】
先端面2から後端方向に側面(例えば側面11aと側面21a)の表面粗さを計測したときの要素の平均長さRsmは、Rsm≦1〔mm〕である。要素の平均長さRsmとは、粗さ曲線における起伏の1周期分に相当する要素の長さ(
図4に要素の長さRs1を例として示す)の平均値である。
Rsm≦1〔mm〕であることのより、表面に汚れが溜まりにくく、付着した汚れも清掃除去しやすい。そのためには、好ましくはRsm≦0.8〔mm〕である。
【0024】
(実施例)
次に、本発明例、比較例を開示する。表Iに示すように表面粗さ、滑りやすさ、清掃性について調べた。
【0025】
【0026】
表Iにおいて縦項目A1,A2,A4は比較例、A3は本発明例について示す。横項目B1は上述した要素の平均長さRsm〔mm〕である。
横項目B2の直持ち用表面粗さSa1〔μm〕は、複合粗さの側面部位における遠位側面領域20の表面粗さに相当する。横項目B3のカバー用表面粗さSa2〔μm〕は、複合粗さの側面部位における近位側面領域10の表面粗さに相当する。
複合粗さの側面部位はY軸周りの周囲4側面とした。先端面2と遠位側面領域20の間を4Dとし、3分の1の中央部(L/3の部分)は遠位側面領域20とした。ただし、A1,A2欄の比較例は、一律な表面粗さのものである。カバーとしてはPVC(ポリ塩化ビニル)のラップを用いた。備考欄B7に比較例か本発明例かの別を示した。
【0027】
A1欄の比較例は、一律に側面を粗くした例である。横項目B4に記載したように直持ちで滑る頻度(直接手で持って滑る頻度)が比較的低かったが、横項目B5に記載したように被せたカバーが滑る頻度が比較的高かった。
A2欄の比較例は、一律に側面を平滑にした例である。横項目B4に記載したように直持ちで滑る頻度が、A1欄の比較的より上がり、横項目B5に記載したように被せたカバーが滑る頻度が、A1欄の比較的より下がった。
A3欄の本発明例は、上で説明したように先端面2に近い近位側面領域10の表面粗さを小さく、0.6〔μm〕とし、先端面2から遠い遠位側面領域20の表面粗さを大きく、3.3〔μm〕とした。このような本発明例では、横項目B4の直持ちで滑る頻度及び横項目B5の被せたカバーが滑る頻度の双方を、低く抑えることができた。
A4欄の比較例は、A3欄の本発明例と同じ表面粗さの組み合わせとしたが、要素の平均長さRsmが1.2〔mm〕と大きい。このようなA4欄の比較例では、横項目B6欄に示したように清掃性が悪化した。清掃性は、一定の汚れの同一清掃処理に対する残り量により評価した。
【符号の説明】
【0028】
1A 超音波探触子
1B 超音波探触子
2 先端面
4 ケーブル
5 カバー
10 近位側面領域
11a 側面
11b 側面
12a 側面
12b 側面
20 遠位側面領域
21a 側面
21b 側面
22a 側面
22b 側面
30 後端部側面領域
31a 側面
31b 側面
32a 側面
32b 側面