(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173739
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20221115BHJP
D06F 39/08 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
D06F39/08 301A
D06F39/08 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079627
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】今西 佑太
(72)【発明者】
【氏名】本田 雅夫
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA02
3B166AA12
3B166AA15
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3B166GA04
3B166GA12
3B166GA27
3B166JM01
3B166JM03
(57)【要約】
【課題】洗剤ケース内で洗剤を十分に発泡させて、発生した洗剤泡を洗濯槽へ供給でき得る洗濯機を提供する。
【解決手段】全自動洗濯機は、洗濯脱水槽へ供給される洗剤を収容する洗剤ケース110と、洗剤ケース110が出し入れ可能に収納される注水口部200と、注水口部200に水を供給する給水部と、を備える。注水口部200には、洗剤ケース110の上方に、給水部から供給された水を受ける室であって、当該室の天面に設けられた給水口221から落下した水が水面へ突入して水中に空気泡が発生する受水室230aが設けられ、受水室230aの底面には、空気泡を含む水が洗剤ケース110内に流れ落ちる流出口234が設けられる。洗剤ケース110は、流出口234から流出した水と洗剤が混合されてなる洗剤液を、サイフォンの原理を利用して排出させるサイフォン機構部S1と、洗剤から発生した洗剤泡を排出する溢水口118と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置され、洗濯物の洗濯が行われる洗濯槽と、
前記洗濯槽へ供給される洗剤を収容する洗剤ケースと、
前記洗剤ケースが出し入れ可能に収納される注水口部と、
前記注水口部に水を供給する給水部と、を備え、
前記注水口部には、前記洗剤ケースの上方に、前記給水部から供給された水を受ける室であって、当該室の天面に設けられた給水口から落下した水が水面へ突入して水中に空気泡が発生する受水室が設けられ、
前記受水室の底面には、前記空気泡を含む水が前記洗剤ケース内に流れ落ちる流出口が設けられ、
前記洗剤ケースは、
前記流出口から流出した水と洗剤が混合されてなる洗剤液を、サイフォンの原理を利用して排出させるサイフォン機構部と、
洗剤から発生した洗剤泡を排出する泡排出部と、を含む、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記注水口部には、前記受水室に連通し、前記流出口から流出しない水が前記受水室から流れ込む流入室が設けられ、
前記流入室には、流入した水を前記洗濯槽へ供給するために排出する排出口が設けられる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項2に記載の洗濯機において、
前記注水口部は、前記洗剤ケースから排出された前記洗剤液および前記洗剤泡が前記洗濯槽へと流れる注水路を有し、
前記排出口は、前記流入室内に流入した水を前記泡排水部よりも上流から前記注水路へ排出する、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の洗濯機において、
前記サイフォン機構部は、
前記流出口から水が流れ落ちる落下位置と前記泡排出部との間に位置するとともに、
上下両端が開口する筒状を有し、前記洗剤ケースの底面部から上方に突出するサイフォン管と、上端か閉鎖され下端が開口する筒状を有し、前記サイフォン管との間に前記洗剤液の流路となる隙間が形成されるように前記サイフォン管に被せられたサイフォンキャップと、を含み、
前記サイフォンキャップの上端には、前記サイフォン機構部を覆う蓋部が設けられ、
前記蓋部は、前記サイフォンキャップよりも前記落下位置側へ張り出す部分に、前記泡排出部へ向かう前記洗剤泡を前記サイフォンキャップの上方へと導く傾斜面を有する、
ことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤が収容され、水と洗剤とから洗剤液を生成する洗剤ケースと、洗剤ケースが出し入れ自在に収容される保持箱を含み、洗剤ケースへ水を供給し、洗剤ケースから洗剤液を流出させる給水ユニットと、給水ケースの下方に配置され、給水ユニットから流入した洗剤液を発泡させる泡立て室とを備える洗濯機が、特許文献1に記載されている。特許文献1の洗濯機では、発泡した洗剤液が洗濯槽へ供給されることにより、洗浄力の向上が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の洗濯機は、洗剤液を発泡させる場所として、泡立て室を備えている。このため、洗剤ケース、給水ユニットおよび泡立て室を含むユニット全体として、サイズが大きくなりやすい。よって、洗濯機本体のサイズが増加したり、洗剤ケースのサイズを縮小する必要が生じたりすることが懸念される。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、洗剤ケース内で洗剤を十分に発泡させて、発生した洗剤泡を洗濯槽へ供給でき得る洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主たる態様に係る洗濯機は、筐体内に配置され、洗濯物の洗濯が行われる洗濯槽と、前記洗濯槽へ供給される洗剤を収容する洗剤ケースと、前記洗剤ケースが出し入れ可能に収納される注水口部と、前記注水口部に水を供給する給水部と、を備える。ここで、前記注水口部には、前記洗剤ケースの上方に、前記給水部から供給された水を受ける室であって、当該室の天面に設けられた給水口から落下した水が水面へ突入して水中に空気泡が発生する受水室が設けられ、前記受水室の底面には、前記空気泡を含む水が前記洗剤ケース内に流れ落ちる流出口が設けられる。前記洗剤ケースは、前記流出口から流出した水と洗剤が混合されてなる洗剤液を、サイフォンの原理を利用して排出させるサイフォン機構部と、洗剤から発生した洗剤泡を排出する泡排出部と、を含む。
【0007】
上記の構成によれば、受水室内で発生させた空気泡を含む水を、洗剤が投入された洗剤ケース内に流し落とすことにより、洗剤が発泡しやすくなるようにできるので、洗剤ケース内で洗剤泡を十分に生成でき、生成された洗剤泡を洗濯槽に供給できる。
【0008】
本態様に係る洗濯機において、前記注水口部には、前記受水室に連通し、前記流出口から流出しない水が前記受水室から流れ込む流入室が設けられ、前記流入室には、流入した水を前記洗濯槽へ供給するために排出する排出口が設けられるような構成が採られ得る。
【0009】
上記の構成によれば、受水室への給水流量を大きく絞らなくてもよくなるので、給水口から水が勢い良く落下しやすくなり、受水室内に多くの空気泡が発生しやすくなる。さらに、洗濯槽への給水に要する時間が長くなりにくくなる。
【0010】
上記の構成とされた場合、さらに、前記注水口部が、前記洗剤ケースから排出された前記洗剤液および前記洗剤泡が前記洗濯槽へと流れる注水路を有し、前記排出口が、前記流入室内に流入した水を前記泡排水部よりも上流から前記注水路へ排出するような構成が採られ得る。
【0011】
このような構成とされれば、注水路に排出された洗剤泡を、排出口から排出された水により押し流すことができるので、洗剤泡が円滑に注水路を流れ、注水路に洗剤泡が残りにくくなる。
【0012】
本態様に係る洗濯機において、前記サイフォン機構部は、前記流出口から水が流れ落ちる落下位置と前記泡排出部との間に位置するとともに、上下両端が開口する筒状を有し、前記洗剤ケースの底面部から上方に突出するサイフォン管と、上端か閉鎖され下端が開口する筒状を有し、前記サイフォン管との間に前記洗剤液の流路となる隙間が形成されるように前記サイフォン管に被せられたサイフォンキャップと、を含むような構成とされ得る。この場合、前記サイフォンキャップの上端に、前記サイフォン機構部を覆う蓋部が設けられ、前記蓋部が、前記サイフォンキャップよりも前記落下位置側へ張り出す部分に、前記泡排出部へ向かう前記洗剤泡を前記サイフォンキャップの上方へと導く傾斜面を有するような構成とされ得る。
【0013】
上記の構成によれば、洗剤ケース内で生成された洗剤泡を、サイフォンキャップや蓋部に邪魔されずに、良好に泡排出部から排出できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、洗剤ケース内で洗剤を十分に発泡させて、発生した洗剤泡を洗濯槽へ供給でき得る洗濯機を提供できる。
【0015】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る、全自動洗濯機の側面断面図である。
【
図2】
図2(a)および(b)は、実施の形態に係る、洗剤投入装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る、洗剤ケースの位置で切断された洗剤投入装置の側面断面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る、2つのキャップユニットが取り外された状態の投入ケースを示す分解斜視図である。
【
図5】
図5(a)は、実施の形態に係る、洗剤ケースのサイフォン機構部の位置で切断された投入ケースの側面断面図である。
図5(b)は、実施の形態に係る、柔軟剤ケースのサイフォン機構部の位置で切断された投入ケースの側面断面図である。
【
図6】
図6(a)は、実施の形態に係る、室形成部材および水路形成部材が装着された天板部材を下方から見た斜視図である。
図6(b)は、実施の形態に係る、室形成部材および水路形成部材の斜視図である。
【
図7】
図7(a)および(b)は、実施の形態に係る、洗剤ケースから洗濯脱水槽への洗剤の投入動作について説明するための、洗剤投入装置の要部を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の洗濯機の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
【0019】
図1を参照して、全自動洗濯機1は、外郭を構成する筐体10を備える。筐体10は、上下の面が開放された方形筒状の胴体部11と、胴体部11の上面を覆う上面板12と、胴体部11を支持する脚台13とを含む。上面板12には、洗濯物の投入口14が形成される。投入口14は、開閉自在な上蓋15により覆われる。上面板12の前部には、内部に制御ユニット16が配置される。制御ユニット16は、全自動洗濯機1による洗濯運転を制御する。
【0020】
筐体10内には、上面が開口する外槽20が、防振装置を有する4本の吊棒21により弾性的に吊り下げ支持される。外槽20内には、上面が開口する洗濯脱水槽22が配置される。洗濯脱水槽22は、鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転する。洗濯脱水槽22の内周面には、全周に亘って多数の脱水孔22aが形成される。洗濯脱水槽22の上部には、バランスリング23が設けられる。洗濯脱水槽22の底部には、パルセータ24が回転可能に配置される。パルセータ24の表面には、放射状に複数の羽根24aが設けられる。洗濯脱水槽22は、本発明の「洗濯槽」に相当する。
【0021】
外槽20の外底部には、洗濯脱水槽22およびパルセータ24を駆動するトルクを発生させる駆動ユニット30が配される。駆動ユニット30は、駆動モータ31と、伝達機構部32とを含む。伝達機構部32は、クラッチ機構32aを有し、当該クラッチ機構32aによる切替操作により、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ24のみに伝達してパルセータ24のみを回転させ、脱水工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ24および洗濯脱水槽22に伝達してパルセータ24および洗濯脱水槽22を一体的に回転させる。
【0022】
外槽20の外底部には、排水口部20aが形成される。排水口部20aには、排水バルブ40が設けられる。排水バルブ40は、排水ホース41に接続される。排水バルブ40が開放されると、洗濯脱水槽22および外槽20に溜められた水が排水ホース41を通じて機外へ排出される。
【0023】
上面板12の後部のほぼ中央には、洗剤投入装置50が配置される。洗剤投入装置50は、液体洗剤と液体柔軟剤とが投入される投入ケース100と、投入ケース100が出し入れ可能に収納される箱状の注水口部200とを含む。
【0024】
上面板12の後部には、給水部60が配置される。給水部60は、第1給水バルブ61と、第2給水バルブ62と、第1給水路63と、第2給水路64と、第3給水路65と、注水口66とを含む。第1給水バルブ61および第2給水バルブ62は、2連電磁バルブにより構成される。第1給水路63および第2給水路64は、それぞれ、第1給水バルブ61および第2給水バルブ62から延びて注水口部200に繋がる。第3給水路65は、第1給水路63から分岐して注水口66へ繋がる。
【0025】
第1給水バルブ61が開放されると、第1給水路63を通じて、投入ケース100から洗剤を流し出すための水が注水口部200へ供給される。投入ケース100から流し出された洗剤は、洗濯脱水槽22内に投入される。さらに、第3給水路65を通じて注水口66に水が供給され、注水口66から洗濯脱水槽22内に注水が行われる。
【0026】
第2給水バルブ62が開放されると、第2給水路64を通じて、投入ケース100から柔軟剤を流し出すための水が注水口部200へ供給される。投入ケース100から流し出された柔軟剤は、洗濯脱水槽22内に投入される。なお、第2給水バルブ62が開放される際には、第1給水バルブ61も開放される。これにより、注水口部200および注水口66から洗濯脱水槽22内に注水が行われる。
【0027】
次に、洗剤投入装置50の構成について、詳細に説明する。
【0028】
図2(a)および(b)は、洗剤投入装置50の斜視図である。
図2(a)は、投入ケース100が注水口部200に収納された状態を示す。
図2(b)は、投入ケース100が注水口部200から引き出された状態を示す。
図3は、洗剤ケース110の位置で切断された洗剤投入装置50の側面断面図である。
図4は、2つのキャップユニット140,150が取り外された状態の投入ケース100を示す分解斜視図である。
図5(a)は、洗剤ケース110のサイフォン機構部S1の位置で切断された投入ケース100の側面断面図である。
図5(b)は、柔軟剤ケース120のサイフォン機構部S2の位置で切断された投入ケース100の側面断面図である。
図6(a)は、室形成部材230および水路形成部材240が装着された天板部材220を下方から見た斜視図である。
図6(b)は、室形成部材230および水路形成部材240の斜視図である。
図6(b)には、便宜上、受水室230aへの給水口221の位置と水路240aへの給水口222の位置が二点鎖線で示されている。
【0029】
洗剤投入装置50は、投入ケース100と、注水口部200とを備える。注水口部200は、前面が開口するほぼ方形の箱状を有する。投入ケース100は、注水口部200内に収納され、洗剤や柔軟剤が投入される際に前方へ引き出される。
【0030】
投入ケース100は、洗剤ケース110と、柔軟剤ケース120と、扉体130と、を備える。洗剤ケース110にはキャップユニット140が装着され、柔軟剤ケース120にはキャップユニット150が装着される。
【0031】
洗剤ケース110と柔軟剤ケース120は、上面が開口するほぼ方形の箱状を有し、左右方向に並ぶように一体形成される。洗剤ケース110の左右方向の幅は、柔軟剤ケース120の左右方向の幅より広くされる。
【0032】
洗剤ケース110は、底面部111、前面部112、後面部113、左面部114および右面部115を含む。柔軟剤ケース120と接する右面部115は、前面部112および左面部114よりも高くされる。後面部113は、前面部112および左面部114よりも低くされる。底面部111には、後部に円形の凹部116が形成される。底面部111は、前面部112側および後面部113側から凹部116へ向かって下り傾斜する。
【0033】
底面部111には、凹部116にサイフォン管117が設けられる。サイフォン管117は、上下両端が開口する円筒状を有し、底面部111から上方に突出する。サイフォン管117は、下端部が底面部111から僅かに下方に突出するとともに下端面が斜めにカットされている。サイフォン管117の周面には、周方向にほぼ180度の間隔を置いて、上下方向に延びる3つの縦リブ117aが形成される。凹部116の底面には、各縦リブ117aの下端から凹部116の外周縁側へ延びる横リブ116aが形成される。
【0034】
サイフォン管117には、キャップユニット140のサイフォンキャップ141が上方から被せられる。サイフォンキャップ141は、上端か閉鎖され下端が開口する円筒状を有する。サイフォンキャップ141の深さは、凹部116からのサイフォン管117の突出高さより僅かに大きくされる。
【0035】
サイフォンキャップ141の内径は、3つの縦リブ117aを含めたサイフォン管117の外径とほぼ等しくされる。3つの縦リブ117aがサイフォンキャップ141の内周壁に当接し、3つの横リブ116aがサイフォンキャップ141の下端に当接する。これにより、サイフォンキャップ141とサイフォン管117との間およびサイフォンキャップ141と凹部116の底面との間に流路が形成される。
【0036】
サイフォン管117とサイフォンキャップ141は、サイフォン機構部S1を構成する。サイフォン機構部S1は、洗剤ケース110に供給された水と洗剤が混合されてなる洗剤液を、サイフォンの原理を利用して、洗剤ケース110から排出させる。
【0037】
キャップユニット140は、サイフォンキャップ141の上端に設けられた蓋部142を含む。蓋部142は、上方から見てほぼ方形状を有する。蓋部142には、サイフォンキャップ141よりも前側へ張り出す部分に、蓋部142の上面142aから下る傾斜面143が、左右方向の大部分に亘って設けられる。さらに、蓋部142の前端、即ち傾斜面143の前方には、傾斜面143より低い位置に、前方へ水平に延びる鍔部144が形成される。鍔部144の上面には、鍔部144の高さ位置が洗剤ケース110に投入される液体洗剤の上限液位であることを示すマーク144aが記される。
【0038】
洗剤ケース110には、後面部113に、当該後面部113の上端部が左右方向の大部分に亘って切り欠かれることにより、溢水口118が設けられる。溢水口118の位置は、サイフォン管117の上端の位置、即ちサイフォン機構部S1により洗剤液の排出が開始される液位よりも少し高くされている。溢水口118の下縁は、蓋部142の上面142aとほぼ同じ高さである。溢水口118は、本発明の泡排出部に相当する。
【0039】
柔軟剤ケース120は、底面部121、前面部122、後面部123、左面部124および右面部125を含む。洗剤ケース110と接する左面部124は、洗剤ケース110の右面部115として共用され、前面部122および右面部125よりも高くされる。後面部123は、前面部122および右面部125よりも低くされる。底面部121には、洗剤ケース110の底面部111と同様、凹部126が形成されるとともに、凹部126にサイフォン管127が設けられる。
【0040】
サイフォン管127には、キャップユニット150のサイフォンキャップ151が上方から被せられる。サイフォンキャップ151は、サイフォンキャップ141と同様な構成である。サイフォン管127の周面の3つの縦リブ127aがサイフォンキャップ151の内周壁に当接し、凹部126の底面の3つの横リブ126aがサイフォンキャップ151の下端に当接する。これにより、サイフォンキャップ151とサイフォン管127との間およびサイフォンキャップ151と凹部126の底面との間に流路が形成される。
【0041】
サイフォン管127とサイフォンキャップ151は、サイフォン機構部S2を構成する。サイフォン機構部S2は、柔軟剤ケース120に供給された水と柔軟剤が混合されてなる柔軟剤液を、サイフォンの原理を利用して、柔軟剤ケース120から排出させる。
【0042】
キャップユニット150は、サイフォンキャップ151の上端に設けられた蓋部152を含む。蓋部152の構成は、蓋部142よりも左右方向の幅が狭い点を除いて、蓋部142の構成と同様であり、傾斜面153と鍔部154とを有する。鍔部154の上面には、鍔部154の高さ位置が柔軟剤ケース120に投入される液体柔軟剤の上限液位であることを示すマーク154aが記される。
【0043】
柔軟剤ケース120には、後面部123に、当該後面部123の上端部が左右方向の大部分に亘って切り欠かれることにより、溢水口128が設けられる。溢水口128の位置は、サイフォン機構部S2により柔軟剤液の排出が開始される液位よりも少し高くされている。
【0044】
扉体130は、正面視の形状がほぼ方形であり、前面がやや後方に倒れる傾斜を有する。扉体130は、洗剤ケース110および柔軟剤ケース120と一体形成された本体部131と、本体部131の前側に装着された前面パネル部132とを含む。扉体130の前部は、扉体130の後部よりも上方および下方に延びており、前部の下端部が、投入ケース100を注水口部200から出し入れするときの持ち手部となる。
【0045】
投入ケース100には、左右両側に、洗剤ケース110の左面部114および柔軟剤ケース120の右面部125をさらに下方に延ばすようにして、脚板160が設けられる。さらに、投入ケース100には、扉体130の下面の後端部から垂下する偏向体170が設けられる。偏向体170は左右方向に長い方形の板状を有し、僅かに後方に凸湾曲する。
【0046】
注水口部200は、注水口部材210と、天板部材220と、室形成部材230と、水路形成部材240とを備える。
【0047】
注水口部材210は、前面と天面とが開口する、ほぼ方形の箱状を有する。
図3に示すように、注水口部材210の底面部211には、左右両端部に前後方向に延びる載置台212が設けられる。載置台212の上面である載置面212aは水平である。底面部211は、2つの載置台212の間の部分が、前方に向かって下り傾斜する。底面部211の前部には、中央部に、半楕円形の凹部211aが形成される。
【0048】
天板部材220は、ほぼ方形の板状を有し、注水口部材210の天面に装着されて、天面の開口を塞ぐ。天板部材220には、前部の左側に方形の給水口221が形成され、後端部の右側に方形の給水口222が形成される。天板部材220の上面には、給水口221に繋がる接続管223と、給水口222に繋がる接続管224が形成される。接続管223には、給水部60の第1給水路63を構成する図示しない給水ホースが接続される。接続管224には、給水部60の第2給水路64を構成する図示しない給水ホースが接続される。
【0049】
天板部材220の下面には、室形成部材230が装着される装着部225と、水路形成部材240が装着される装着部226が、左右方向に並ぶように設けられる。2つの装着部225,226は、方形状の枠225a,226aと枠225a,226aの内壁面に設けられた複数個の爪225b,226bとを含む。
【0050】
室形成部材230は、天面が開口するほぼ長方形の浅い箱状を有する。室形成部材230の内部には、前側に、左側面から中央部へ延びる仕切壁231と右側面から中央部へ延びる仕切壁232が設けられる。これら2つの仕切壁231,232で仕切られることにより、室形成部材230の内部には、前側に、給水部60から供給された水を受ける受水室230aが形成され、後側に、受水室230aから水が流入する流入室230bが形成される。
【0051】
受水室230aと流入室230bは、2つの仕切壁231,232の間の隙間である連通口233により連通する。受水室230aの底面には、前後2列に並ぶように、複数個、たとえば9個の円形の流出口234が形成される。複数個の流出口234は、室形成部材230の下方に僅かに突出する。流入室230bの底面には、後端部に2つの円形の排出口235が形成される。2つの排出口235は、室形成部材230の下方に僅かに突出し、その先端が斜めにカットされている。
【0052】
室形成部材230には、天面の開口周縁にフランジ部236が形成される。室形成部材230は、枠225aの内側に嵌め込まれて爪225bがフランジ部236に係合することにより、装着部225に装着される。受水室230aの天面と流入室230bの天面が天板部材220に覆われる。
図6(b)に示すように、給水口221が受水室230aの天面の左後ろの角部に位置する。給水口221の真下には、流出口234が存在しない。即ち、受水室230aの底面において、複数個の流出口234は、給水口221の真下の位置を避けつつ底面全体に広がるように設けられる。
【0053】
水路形成部材240は、天面が開口するほぼ長方形の浅い箱状を有する。水路形成部材240は、室形成部材230よりも左右方向の幅が狭くされる。水路形成部材240の内部には、後面から前方へ延びる仕切壁241が設けられる。この仕切壁241で仕切られることにより、水路形成部材240の内部には、左後端部から前方へ延びた後に後方へ折り返されて右後端部へと延びる水路240aが形成される。
【0054】
水路240aの折り返し部分の底面には、複数個、たとえば16個の円形の流出口242が形成される。複数個の流出口242は、水路形成部材240の下方に僅かに突出する。水路240aの右後端部の底面には、円形の排出口243が形成される。排出口243は、水路形成部材240の下方に僅かに突出し、その先端が斜めにカットされている。
【0055】
水路形成部材240には、天面の開口周縁にフランジ部244が形成される。水路形成部材240は、枠226aの内側に嵌め込まれて爪226bがフランジ部244に係合することにより、装着部226に装着される。水路240aの天面が天板部材220に覆われる。
図6(b)に示すように、給水口222が水路240aの左後端部に位置する。水路240aの底面は、水が流れやすいように、給水口222の位置から排出口243の位置に向かうに従い低くなるように傾斜する。
【0056】
図3に示すように、投入ケース100が注水口部200に収納された状態において、投入ケース100の左右両側の脚板160が、注水口部材210の左右両側の載置台212に、前方へ移動可能に載置される。洗剤ケース110の底面部111および柔軟剤ケース120の底面部121と注水口部材210の底面部211との間、並びに、洗剤ケース110の後面部113および柔軟剤ケース120の後面部123と注水口部材210の後面部213との間には隙間が設けられ、これら隙間が注水口部200の注水路250となる。注水路250に位置する注水口部200の前面開口が注水口251となる。偏向体170が注水口251と対向する。
【0057】
洗剤ケース110の前部の上方に受水室230aが配置される。洗剤ケース110のサイフォン機構部S1は、複数個の流出口234の真下の位置、即ち、流出口234からの水の落下位置と洗剤ケース110の溢水口118との間に位置する。蓋部142には、サイフォンキャップ141よりも落下位置側に張り出す部分に傾斜面143が存在する。流入室230bの2つの排出口235は、洗剤ケース110の溢水口118よりも注水路250における上流に位置する。
【0058】
柔軟剤ケース120の上方に水路240aが配置され、水路240aの複数個の流出口242が柔軟剤ケース120の前部に位置する。水路240aの排出口243は、注水路250に位置する。
【0059】
全自動洗濯機1では、各種運転コースの洗濯運転が行われる。洗濯運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に実行される。運転コースによっては、すすぎ工程と中間脱水工程とが2回以上行われる場合がある。
【0060】
洗い工程およびすすぎ工程では、洗濯脱水槽22内に水が溜められた状態で、パルセータ24が右方向および左方向に回転する。パルセータ24の回転により洗濯脱水槽22内に水流が発生する。洗い工程では、発生した水流と水に含まれる洗剤とにより洗濯物が洗われる。すすぎ工程では、発生した水流により洗濯物がすすがれる。
【0061】
中間脱水工程および最終脱水工程では、洗濯脱水槽22およびパルセータ24が一体となって高速回転する。洗濯脱水槽22に発生する遠心力の作用により、洗濯物が脱水される。
【0062】
洗濯運転が開始される前には、注水口部200から投入ケース100が引き出され、洗剤ケース110および柔軟剤ケース120に、それぞれ、運転1回分の液体洗剤および液体柔軟剤が投入される。
【0063】
洗剤ケース110内に投入された洗剤は、洗い工程の給水時に洗濯脱水槽22へ供給される。この際、洗剤ケース110内では、積極的に洗剤から洗剤泡が生成され、生成された洗剤泡が洗剤と共に洗濯脱水槽22へ供給される。
【0064】
図7(a)および(b)は、洗剤ケース110から洗濯脱水槽22への洗剤の投入動作について説明するための、洗剤投入装置50の要部を模式的に示す図である。
【0065】
洗い工程の給水時には、第1給水バルブ61が開放され、第1給水路63を通じて注水口部200に水が供給される。
【0066】
図7(a)に示すように、注水口部200に供給された水は、受水室230aの天面に設けられた給水口221から受水室230aに落下し、受水室230aで受けられる。この際、落下した水が水面に突入することにより、受水室230a内の空気が水に混合されて、溜まった水の中に無数の空気泡が発生する。
【0067】
空気泡を含む水は、複数個の流出口234から流出して、洗剤ケース110内に流れ落ちる。洗剤ケース110内に溜められた洗剤に、流れ落ちた水が打ち付けられる。打ち付けられた水の衝撃により洗剤が発泡する。このとき、水に含まれた空気泡が洗剤の中に加わることにより発泡が助長される。これにより、洗剤ケース110内で大量の洗剤泡が生成される。
【0068】
流出口234から流出しない受水室230a内の水は、流入室230b内に流れ込み、流入室230bの排出口235から注水路250へ排出される。このように、受水室230a内の一部の水が、流入室230bを通じて排出されるため、受水室230aが水で満杯となって室内に空気がなくならないように受水室230aへの給水流量を大きく絞る、ということを行わなくてもよくなる。これにより、給水口221から水が勢い良く落下しやすくなるので、受水室230a内に多くの空気泡が発生しやすくなる。
【0069】
なお、受水室230aは、溜まった水が、発生した空気泡で十分に満たされるような容積とされるとよい。このようにされれば、複数個の流出口234から空気泡が十分に含まれた水を流出できる。
【0070】
図7(b)に示すように、洗剤ケース110内では、受水室230aから供給された水に洗剤が混合されて洗剤液が生成され、洗剤液の液位が上昇していく。発生した洗剤泡は、洗剤液より軽いため、洗剤液の水面近くに存在する。液位がサイフォン管117の上端を超えて、サイフォン管117に洗剤液が流れ込むと、サイフォン機構部S1による洗剤液の排出が開始され、洗剤液がサイフォン機構部S1を通じて注水路250へ排出される。洗剤液は、注水路250を流れて注水口251へ向かう。
【0071】
サイフォン機構部S1による洗剤液の排出流量は、洗剤ケース110内への水の供給流量より少なくされており、洗剤ケース110内の洗剤液の液位は、上昇し続けて溢水口118の高さに達する。これにより、洗剤液は、溢水口118からも注水路250へ排出されるようになる。受水室230aからの水の落下位置付近で大量に発生した洗剤泡も、溢水口118へと向かう。
【0072】
この際、洗剤泡は、蓋部142の鍔部144の上方を流れ、さらに、蓋部142の傾斜面143によりサイフォンキャップ141の上方へ導かれる。そして、洗剤泡は、サイフォンキャップ141の上方を流れ、溢水口118から注水路250へ排出される。このようにして、洗剤泡は、サイフォンキャップ141や蓋部142に邪魔されずに、円滑に溢水口118へ流れる。
【0073】
これにより、洗剤ケース110内で生成された洗剤泡を、良好に注水路250へ排出できる。また、蓋部142の裏側等に洗剤泡が残りにくくなるようにできる。さらに、洗剤泡は、蓋部142の傾斜面143により上方へと導かれることで、サイフォン機構部S1から排出されるために洗剤ケース110の底面へと向かう洗剤液の流れによって洗剤液中に引き込まれにくくなり得る。これにより、洗剤泡が消滅しにくくなり得る。
【0074】
溢水口118から排出された洗剤泡は、溢水口118から排出された洗剤液ともに注水路250を流れる。この際、洗剤泡は、流入室230bの排出口235から溢水口118の上流に排出された水により押し流される。これにより、洗剤泡は、円滑に注水路250を流れて注水口251へと向かい、注水路250に洗剤泡が残りにくくなる。
【0075】
注水路250を流れた洗剤液と洗剤泡は、注水口251から前方へ流出し、偏向体170に衝突して下方へ流れ、洗濯脱水槽22内へ流れ落ちる。このようにして、洗濯脱水槽22には、洗剤を含む水が供給されるだけでなく、多くの洗剤泡が供給される。洗剤泡が洗濯物に接触することにより、洗濯物に洗剤が浸透しやすくなる。これにより、洗い工程において、洗濯物の洗浄性能が向上し得る。
【0076】
第1給水バルブ61が閉じられて給水か終了すると、その後は、洗剤ケース110内のほぼ全ての洗剤液がサイフォン機構部S1により、洗剤ケース110から排出される。
【0077】
柔軟剤ケース120内に投入された柔軟剤は、すすぎ工程の給水時に洗濯脱水槽22へ供給される。第2給水バルブ62が開放され、第2給水路64を通じて注水口部200へ水が供給される。供給された水が給水口222から水路240aに導入され、水路240aを流れて流出口242から柔軟剤ケース120内へ流出する。柔軟剤ケース120内に流出した水と柔軟剤とが混合されて柔軟剤液が生成される。柔軟剤液は、サイフォン機構部S2および溢水口128を通じて注水路250へ排出され、注水路250を流れて洗濯脱水槽22へと至る。第2給水バルブ62が閉じられて給水か終了すると、その後は、柔軟剤ケース120内のほぼ全ての柔軟剤液がサイフォン機構部S2により、柔軟剤ケース120から排出される。
【0078】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、受水室230a内で発生させた空気泡を含む水を、洗剤が投入された洗剤ケース110内に流し落とすことにより、洗剤が発泡しやすくなるようにできるので、洗剤ケース110内で洗剤泡を十分に生成でき、生成された洗剤泡を洗濯脱水槽22に供給できる。これにより、洗濯脱水槽22内の洗濯物に洗剤が浸透しやすくなり、洗浄性能の向上が期待できる。さらに、洗剤ケース110とは別に、洗剤泡を生成するための泡立て室が設けられないので、洗剤投入装置50のサイズが大きくなりにくい。
【0079】
さらに、本実施の形態によれば、流出口234から流出しない受水室230a内の水が、流入室230bに流れ込み、流入室230bの排出口235から注水路250へ排出され、洗濯脱水槽22に供給される。これにより、受水室230aへの給水流量を大きく絞らなくてもよくなるので、給水口221から水が勢い良く落下しやすくなり、受水室230a内に多くの空気泡が発生しやすくなる。さらに、洗濯脱水槽22への給水に要する時間が長くなりにくくなる。
【0080】
さらに、本実施の形態によれば、注水路250に排出された洗剤泡が、流入室230bの排出口235から溢水口118の上流に排出された水により押し流される。これにより、洗剤泡が円滑に注水路250を流れ、注水路250に洗剤泡が残りにくくなる。
【0081】
さらに、本実施の形態によれば、洗剤泡が、蓋部142の傾斜面143によりサイフォンキャップ141の上方へ導かれ、サイフォンキャップ141の上方を流れて溢水口118から排出される。これにより、洗剤ケース110内で生成された洗剤泡を、サイフォンキャップ141や蓋部142に邪魔されずに、良好に溢水口118から排出できる。
【0082】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0083】
たとえば、上記実施の形態では、受水室230aの底面に、複数個の円形の流出口234が前後2列に並ぶように設けられた。しかしながら、流出口234の形状や配置は、如何なるものであってもよい。
【0084】
さらに、上記実施の形態では、洗剤ケース110からの洗剤泡を排出させる泡排出部が、後面部113の上端を切り欠くようにして形成された溢水口118とされた。しかしながら、泡排出部は、洗剤ケース110から洗剤泡が排出できれば、如何なる形態であってもよい。
【0085】
さらに、上記実施の形態では、流入室230bに流れ込んだ水が、排出口235から注水路250に排出され、注水路250を流れて洗濯脱水槽22に供給された。しかしながら、流入室230bに流れ込んだ水が、排出口235から、直接、注水口部200の外に排出され、注水口部200の外に設けられた給水経路を流れて洗濯脱水槽22に供給されるような構成が採られてもよい。
【0086】
さらに、上記実施の形態では、サイフォンキャップ141の上端に蓋部142が設けられ、蓋部142に、洗剤泡をサイフォンキャップ141の上方へと導く傾斜面143が設けられた。しかしながら、蓋部142に傾斜面143が設けられないようにされてもよい。また、サイフォンキャップ141の上端に蓋部142が設けられないようにされてもよい。
【0087】
さらに、上記実施の形態では、全自動洗濯機1が示された。しかしながら、本発明は、全自動洗濯機1以外の洗濯機、たとえば、洗濯槽として横軸型のドラムを有するドラム式洗濯機にも適用できる。また、本発明は、乾燥機能を有する全自動洗濯乾燥機およびドラム式洗濯乾燥機にも適用できる。
【0088】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 全自動洗濯機(洗濯機)
10 筐体
22 洗濯脱水槽(洗濯槽)
110 洗剤ケース
111 底面部
117 サイフォン管
118 溢水口(泡排出部)
141 サイフォンキャップ
142 蓋部
143 傾斜面
200 注水口部
230a 受水室
230b 流入室
234 流出口
235 排出口
250 注水路
S1 サイフォン機構部