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  • 特開-載置用介助装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017374
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】載置用介助装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 3/00 20060101AFI20220118BHJP
   E04F 11/18 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
A61H3/00 Z
E04F11/18
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173144
(22)【出願日】2021-10-22
(62)【分割の表示】P 2019110660の分割
【原出願日】2019-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】村上 沙穂
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 光彦
【テーマコード(参考)】
2E301
4C046
【Fターム(参考)】
2E301FF09
2E301LL02
2E301LL16
2E301LL23
4C046AA22
4C046AA27
4C046AA28
4C046AA29
4C046BB07
4C046CC01
4C046CC04
4C046DD07
4C046DD25
4C046DD33
(57)【要約】
【課題】 使用者が自身の身体を支持する補助とする支持部を、基盤部の平面視の面積が小さくても安定支承すると共に、使用者の歩行や車椅子の走行を妨げることを防ぎ得る載置用介助装置の提供。
【解決手段】 基盤部Cと、基盤部Cに自立支承される支持部Pを有する。基盤部Cは、複数枚積み重ねられた錘板Ca1・Ca2からなる錘部Caと、その錘部Caの上側及び外周を覆うカバー体Cbが一体化されてなる。カバー体Cbは、錘部Caの上側を覆う平面視正方形状水平板状をなす上側部Cb1と、上側部Cb1の4辺からそれぞれ外方に下降傾斜する傾斜平板状の外周部Cb2からなる。支持部Pは、基盤部Cに固定された支持基部Paに、円筒状の可動支持部Pbの下部が内嵌され、伸縮可能に自立した状態で支承される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象部上に載置される基盤部と、前記基盤部に対し自立状態で支承される支持部を有してなる載置用介助装置であって、
前記支持部は、使用者が直接に把持することにより又はその支持部により支持する部材を把持することにより、自身の身体を支持する補助とするものであり、
前記基盤部は、錘部と、その錘部の上側を覆う上側部とその錘部の外周を覆う外周部を備えたカバー体が、一体状をなすものであり、
前記カバー体の外周部の外側面部は、下端部から上端部にわたり内方に向かって上向きの傾斜状をなし、
基盤部が支持部を安定支承すると共に使用者の歩行や車椅子の走行を妨げることを防ぎ得るものであることを特徴とする載置用介助装置。
【請求項2】
上記錘部が、複数枚積み重ねられた錘板からなるものである請求項1記載の載置用介助装置。
【請求項3】
上記基盤部の平面視の面積が、対象部に対する支持部の高さの4分の1の長さの自乗乃至3分の1の長さの自乗である請求項1又は2記載の載置用介助装置。
【請求項4】
上記カバー体の上側部が平面視方形状である請求項1乃至3の何れか1項に記載の載置用介助装置。
【請求項5】
上記支持部により基盤部の上方に支持される介助部材を備える請求項1乃至4の何れか1項に記載の載置用介助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が自身の身体を支持する補助とする支持部が、床面等に載置される基盤部によって自立状態で支承される載置用介助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2011-10853号公報には、使用に応じた箇所に設置される設置板と、前記設置板に位置変更可能に取り付けられた縦形の支持筒と、前記支持筒内に軸周りに回転調節可能で、かつ軸方向に高さ調節可能に設けられた支柱と、前記支柱に直交状態に貫通し、前記支柱に沿って上下複数段に設けられ、使用者が自身の支えとするように掴まる把持棒とを有するスタンド支持部材を備えており、前記把持棒の端部に着脱可能に連結されて前記把持棒の延長として機能する横把持棒ユニットを設けた介助用手摺装置が開示されている。
【0003】
この介助用手摺装置は、支柱を安定的に支持する上で、床面等に設置される設置板の平面視の面積を支柱の高さに対し大きくする必要があり、設置場所の広さに制約を受ける。
【0004】
特開2013-92034号公報には、高齢者や要介護支援者らの歩行の際に使用される支柱ユニットとして、図1に示すように、床面に設置されるベース部11から支柱部12が立設され、支柱部12の上端には天井に当接される当接部13が形成され、支柱部12から離間してベース部11に手摺高さまで手摺取付柱部14が立設され、手摺取付柱部14の上端から支柱部12にジョイント15が架設された支柱ユニット1が示されている。
【0005】
この支柱ユニット1は、比較的狭い場所に設置し得るが、ベース部11が床面に設置され、支柱部12上端の当接部13は天井に当接される必要があるため、設置や移動には自ずから制約がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-10853号公報
【特許文献2】特開2013-92034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、使用者が自身の身体を支持する補助とする支持部を、基盤部の平面視の面積が比較的に小さいものであってもその基盤部が安定支承し得ると共に、使用者の歩行や車椅子の走行を妨げることを防ぎ得る載置用介助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の載置用介助装置は、次のように表すことができる。
【0009】
(1) 対象部上に載置される基盤部と、前記基盤部に対し自立状態で支承される支持部を有してなる載置用介助装置であって、
前記支持部は、使用者が直接に把持することにより又はその支持部により支持する部材を把持することにより、自身の身体を支持する補助とするものであり、
前記基盤部は、錘部と、その錘部の上側を覆う上側部とその錘部の外周を覆う外周部を備えたカバー体が、一体状をなすものであり、
前記カバー体の外周部の外側面部は、下端部から上端部にわたり内方に向かって上向きの傾斜状をなし、
基盤部が支持部を安定支承すると共に使用者の歩行や車椅子の走行を妨げることを防ぎ得るものであることを特徴とする載置用介助装置。
【0010】
基盤部は、使用者が直接に把持することにより又はその支持部により支持する部材を把持することにより、自身の身体を支持する補助とする支持部を、支承するものである。
【0011】
基盤部は、錘部と、その錘部の上側を覆う上側部とその錘部の外周を覆う外周部を備えたカバー体が、一体状をなし、カバー体の外周部の外側面部は、下端部から上端部にわたり内方に向かって上向きの傾斜状をなすので、基盤部の平面視の面積が比較的に小さいものであっても支持部を安定支承し得ると共に使用者の歩行や車椅子の走行を妨げることを防ぎ得る。
【0012】
(2) 上記錘部が、複数枚積み重ねられた錘板からなるものである上記(1)記載の載置用介助装置。
【0013】
(3) 上記基盤部の平面視の面積が、対象部に対する支持部の高さの4分の1の長さの自乗乃至3分の1の長さの自乗である上記(1)又は(2)記載の載置用介助装置。
【0014】
(4) 上記カバー体の上側部が平面視方形状である上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の載置用介助装置。
【0015】
(5) 上記支持部により基盤部の上方に支持される介助部材を備える上記(1)乃至(4)の何れか1項に記載の載置用介助装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明の載置用介助装置によれば、使用者が直接に把持することにより又はその支持部により支持する部材を把持することにより、自身の身体を支持する補助とする支持部を、基盤部の平面視の面積が比較的に小さいものであってもその基盤部が安定支承し得、使用者の歩行や車椅子の走行を妨げることを防ぎ得るので、狭い場所での使用に適する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】載置用介助装置の斜視図である。
図2】載置用介助装置の分解斜視図である。
図3】基盤部の拡大平面図である。
図4】基盤部の中央部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[1] 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
(1) 図面は、何れも本発明の実施の形態の一例としての載置用介助装置に関するものである。
【0020】
この載置用介助装置Aは、対象部である床面B上に載置される基盤部Cと、前記基盤部Cに対し自立した状態で支承される円柱状の支持部Pを有する。
【0021】
(2) 基盤部Cは、複数枚積み重ねられた錘板Ca1・Ca2からなる平面視正方形状の錘部Caと、その錘部Caの上側及び外周を覆うほぼ平面視正方形状のカバー体Cbが、ボルトT及びナットNを用いて一体化されてなるものである。
【0022】
錘部Caは、同心状且つ同一姿勢で平行に重なった複数枚(5枚)の平面視正方形状の鉄系材料製の錘板Ca1の下に、それらの平面視正方形状の錘板Ca1の四隅部が二等辺三角形状に切断された形状の平面視八角形状が同心状且つ同一姿勢で平行に重なった複数枚(3枚)の鉄系材料製の錘板Ca2が、その切断辺以外の辺が平面視正方形状の錘板Ca1の4辺に一致するように同心状に平行に重ねられてなる。重ねられた錘板Ca1の四隅の下端部には、それぞれ、基盤部Cの姿勢を水平に調整するためのアジャスターCjが設けられている。
【0023】
カバー体Cbは、鉄系金属製であり、錘部Caの上側を覆う平面視正方形状水平板状をなす上側部Cb1と、上側部Cb1の4辺からそれぞれ外方に下降傾斜する傾斜平板状の外周部Cb2からなる。各外周部Cb2を構成する傾斜平板の水平方向両端の下隅部は、外下方に凸の湾曲状に形成され、隣接外周部Cb2同士の間には隙間を有する。各外周部Cb2の外側下部には全長にわたりゴム板Cb3が貼着されている。
【0024】
(4) 円柱状の支持部Pは、下端部が基盤部Cに固定された上方開口の円筒状の支持基部Paと、その支持基部Paに下部が内嵌された円筒状の可動支持部Pbからなり、基盤部Cに対し自立状に支承されている。支持基部Paは側部に上下に整列した固定高さ調節孔Pa1を有し、可動支持部Pbは下端側部に可動調節孔Pb1を有する。支持部Pは、可動調節孔Pb1と任意の固定高さ調節孔Pa1に固定部材Fの固定ピンFaを貫通させることにより、全体として伸縮可能である。
【0025】
高さを適宜調整した支持部Pを、使用者が直接に把持することにより又はその支持部Pにより基盤部Cの上方に支持される介助部材を把持することにより、支持部Pに対し直接又は間接に力を加えて自身の身体を支持する補助とすることができる。
【0026】
基盤部Cの平面視の面積は、支持部Pの床面Bに対する高さの4分の1の長さの自乗(支持部Pが最長の場合)乃至3分の1の長さの自乗(支持部が最短の場合)であるが、積み重ねられた錘板Ca1・Ca2からなる錘部Caにより支持部を安定支承すると共に傾斜平板状の外周部Cb2により使用者の歩行や車椅子の走行を妨げることを防ぎ得る。
【0027】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0028】
(1) 本発明の載置用介助装置は、対象部上に載置される基盤部と、その基盤部に対し自立状態で支承される支持部を有する。
【0029】
(2) 対象部というのは、載置用介助装置を、その基盤部において載置する対象であり、具体例としては、床面の他、道路面、通路面、地面等を挙げることができる。
【0030】
(3) 対象部に載置される基盤部は、複数枚積み重ねられた錘板又は1枚の錘板からなる錘部と、その錘部の上側及び外周を覆うカバー体が(例えばボルトとナット等の締結手段により、又はその他の手段により)一体状をなすものである。
【0031】
基盤部の平面視の面積は、対象部に対する支持部の高さ(例えば40乃至200cm又は60乃至150cm)の4分の1の長さの自乗乃至3分の1の長さの自乗である(例えば支持部の高さを100cmとするとその4分の1の長さである25cmの長さの自乗の面積は625平方cm)。
【0032】
錘部は、例えば平面視において方形状をなすものとすることができるが、これに限るものではない。
【0033】
錘部を構成する錘板は、錘部の平面視形状に応じた形状、例えば方形状とすることができる。錘部が複数枚積み重ねられた錘板からなる場合は、複数枚積み重ねられた全ての錘板の平面視形状が同一であるもの(例えば方形状)とすることができる他、例えば一部が異なるものとすることもできる。
【0034】
カバー体は、錘部の上側を覆う上側部(好ましくは水平板状をなす)と錘部の外周を覆う外周部を備える。カバー体の上側部は、例えば平面視方形状とすることができる。
【0035】
カバー体の外周部の外側面部は、下端部から上端部にわたり内方に向かって上向きの傾斜状をなすものであり、例えば平面状であるものとすることができる。
【0036】
カバー体は、例えば、鉄系金属等の金属製の方形状の平板の4隅にそれぞれ切欠部を形成した上で4辺をそれぞれ折曲することにより、方形状の上側部の4辺にそれぞれ(好ましくは同一の)傾斜板状の外周部を有するものとすることができる。各外周部同士の間には隙間を有するものであってもよい。
【0037】
このような錘部とカバー体からなる基盤部により、支持部を安定支承すると共に使用者の歩行や車椅子の走行を妨げることを防ぎ得る。
【0038】
(4) 支持部は、基盤部に対し自立した状態で支承され、使用者が支持部を直接に把持することにより又はその支持部により基盤部の上方に支持される介助部材(例えば他の介助装置等と連繋したものであってもよい)を把持することにより、支持部に対し直接又は間接に力を加えて、歩行・起立・着座・起床・就床等の動作や姿勢の維持等のために自身の身体を支持する補助とするものである。
【0039】
支持部は、例えば、基盤部に対し固定的に自立したもの、基盤部に対し折畳み及び自立が可能なもの、基盤部に対し着脱可能なもの、伸縮可能なものとすることができる。支持部の形状は、好適には円柱状や多角形柱状等の柱状であるが、これに限るものではない。
【0040】
介助部材としては、その全体又は部分が手摺部や把持部を構成するものを挙げることができる。介助部材の全体又は一部が支持部又は介助部材の他の部分に対し可動(回動等)であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
A 載置用介助装置
B 床面
C 基盤部
Ca 錘部
Ca1 錘板
Ca2 錘板
Cb カバー体
Cb1 上側部
Cb2 外周部
Cb3 ゴム板
Cj アジャスター
F 固定部材
Fa 固定ピン
N ナット
P 支持部
Pa 支持基部
Pa1 調節孔
Pb 可動支持部
Pb1 可動調節孔
T ボルト
図1
図2
図3
図4