(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173746
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20221115BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
H02J3/38 110
H02J7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079638
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】朝日 滉達
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HA10
5G066HA13
5G066HB09
5G503AA00
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503DA04
5G503EA05
5G503EA08
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
(57)【要約】
【課題】蓄電装置から入力される電力が交流電源に逆流することを抑制する。
【解決手段】電源装置10は、交流電源110から入力される交流電力Pacを直流電力に変換するAC/DCコンバータ20と、AC/DCコンバータ20に接続されているとともに、出力電力P1を出力する負荷用DC/DCコンバータ30と、負荷用DC/DCコンバータ30に対して並列に接続されているとともに、蓄電電力P2を変換する蓄電用DC/DCコンバータ50と、各コンバータ20,30,50を制御することにより、交流電源110及び蓄電装置130の少なくとも一方を用いて対象蓄電装置120への電力供給を行う制御回路60と、を備える。かかる構成において、制御回路60は、蓄電電力P2が負荷用DC/DCコンバータ30から対象蓄電装置120に向かう出力電力P1よりも小さくなるように、各コンバータ20,30,50を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から入力される交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータと、
前記AC/DCコンバータに接続されているとともに、負荷に向けて直流電力を出力する負荷用DC/DCコンバータと、
前記負荷用DC/DCコンバータに対して並列に接続されているとともに、蓄電装置から入力される蓄電電力を変換する蓄電用DC/DCコンバータと、
前記各コンバータを制御することにより、前記交流電源及び前記蓄電装置の少なくとも一方を用いて前記負荷への電力供給を行う制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記蓄電電力が前記負荷用DC/DCコンバータから前記負荷に向かう出力電力よりも小さくなるように、前記各コンバータを制御する、電源装置。
【請求項2】
前記AC/DCコンバータと前記負荷用DC/DCコンバータとの間に設けられるとともに前記各コンバータに接続されている中間コンデンサを備え、
前記制御回路は、
前記負荷の要求出力電力を含む導出パラメータに基づいて、前記出力電力の目標値である目標出力電力と、前記蓄電電力の目標値である目標蓄電電力と、を導出する導出部と、
前記目標蓄電電力が前記目標出力電力からバッファ電力を差し引いた制限蓄電電力よりも大きい場合に、前記目標蓄電電力を前記制限蓄電電力以下に変更する制限変更部と、を備え、
前記中間コンデンサの電圧である中間電圧が目標中間電圧となるように前記AC/DCコンバータを制御するとともに、前記出力電力及び前記蓄電電力が前記目標出力電力及び前記目標蓄電電力となるように前記負荷用DC/DCコンバータ及び前記蓄電用DC/DCコンバータを制御する、請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記導出部によって導出された目標蓄電電力が前記蓄電電力の上限値である上限蓄電電力よりも大きい場合に、前記導出部によって導出された目標蓄電電力を前記上限蓄電電力以下の値に変更する蓄電変更部を備える、請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記交流電力の上限値である上限交流電力と、前記上限蓄電電力以下に設定された前記目標蓄電電力と、を加算した値を制限出力電力とすると、
前記制御回路は、前記導出部によって導出された目標出力電力が前記制限出力電力よりも大きい場合に、前記導出部によって導出された目標出力電力を前記制限出力電力以下の値に変更する交流出力変更部を備える、請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記導出部によって導出された目標出力電力が前記出力電力の上限値である上限出力電力よりも大きい場合に、前記導出部によって導出された目標出力電力を前記上限出力電力以下の値に変更する出力変更部を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交流電源及び蓄電装置から入力される電力を変換して負荷に出力する電源装置が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の電源装置は、交流電源から入力される交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータと、直流電力を変換して負荷に出力する負荷用DC/DCコンバータと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電源装置では、蓄電装置から入力される電力が負荷に出力される電力以上となると、蓄電装置から入力される電力が交流電源に逆流するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する電源装置は、交流電源から入力される交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータと、前記AC/DCコンバータに接続されているとともに、負荷に向けて直流電力を出力する負荷用DC/DCコンバータと、前記負荷用DC/DCコンバータに対して並列に接続されているとともに、蓄電装置から入力される蓄電電力を変換する蓄電用DC/DCコンバータと、前記各コンバータを制御することにより、前記交流電源及び前記蓄電装置の少なくとも一方を用いて前記負荷への電力供給を行う制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記蓄電電力が前記負荷用DC/DCコンバータから前記負荷に向かう出力電力よりも小さくなるように、前記各コンバータを制御する。
【0006】
かかる構成によれば、蓄電装置から入力される蓄電電力が出力電力以上となることによって蓄電装置からの電力が交流電源に逆流することを抑制できる。
上記電源装置において、前記AC/DCコンバータと前記負荷用DC/DCコンバータとの間に設けられるとともに前記各コンバータに接続されている中間コンデンサを備え、前記制御回路は、前記負荷の要求出力電力を含む導出パラメータに基づいて、前記出力電力の目標値である目標出力電力と、前記蓄電電力の目標値である目標蓄電電力と、を導出する導出部と、前記目標蓄電電力が前記目標出力電力からバッファ電力を差し引いた制限蓄電電力よりも大きい場合に、前記目標蓄電電力を前記制限蓄電電力以下に変更する制限変更部と、を備え、前記中間コンデンサの電圧である中間電圧が目標中間電圧となるように前記AC/DCコンバータを制御するとともに、前記出力電力及び前記蓄電電力が前記目標出力電力及び前記目標蓄電電力となるように前記負荷用DC/DCコンバータ及び前記蓄電用DC/DCコンバータを制御する、ものであってもよい。
【0007】
かかる構成によれば、仮に交流電力がバッファ電力より小さい場合、AC/DCコンバータの動作が不安定となる。
そこで、かかる構成によれば、目標蓄電電力が制限蓄電電力よりも大きい場合には、目標蓄電電力が制限蓄電電力以下に変更される。これにより、交流電力がバッファ電力以上に保たれる。したがって、AC/DCコンバータの動作が不安定となることを抑制することができる。
【0008】
上記電源装置において、前記制御回路は、前記導出部によって導出された目標蓄電電力が前記蓄電電力の上限値である上限蓄電電力よりも大きい場合に、前記導出部によって導出された目標蓄電電力を前記上限蓄電電力以下の値に変更する蓄電変更部を備える、ものであってもよい。
【0009】
かかる構成によれば、蓄電電力が上限蓄電電力よりも大きくなると、例えば蓄電装置又は蓄電用DC/DCコンバータへの負担が大きくなるおそれがある。
そこで、かかる構成によれば、蓄電変更部によって目標蓄電電力が変更されると、蓄電電力が上限蓄電電力以下となる。これにより、蓄電装置又は蓄電用DC/DCコンバータに過度な負担が付与されることを抑制できる。
【0010】
上記電源装置において、前記交流電力の上限値である上限交流電力と、前記上限蓄電電力以下に設定された前記目標蓄電電力と、を加算した値を制限出力電力とすると、前記制御回路は、前記導出部によって導出された目標出力電力が前記制限出力電力よりも大きい場合に、前記導出部によって導出された目標出力電力を前記制限出力電力以下の値に変更する交流出力変更部を備える、ものであってもよい。
【0011】
かかる構成によれば、目標出力電力が目標蓄電電力と上限交流電力とを加算した制限出力電力よりも大きい場合、交流電力が上限交流電力を上回ることがある。この場合、交流電力の過剰出力から交流電源を保護するために、交流電力の供給が遮断されたり、電源装置に過度な負担が付与されたりする不都合が懸念される。
【0012】
そこで、かかる構成によれば、制御回路は、目標出力電力が制限出力電力よりも大きい場合に、目標出力電力を制限出力電力以下の値に変更する。これにより、負荷に出力される出力電力が制限出力電力以下となる。これに伴い、目標出力電力から上限蓄電電力以下の目標蓄電電力を差し引いた値が、上限交流電力以下となる。そのため、上限交流電力以下の交流電力を負荷用DC/DCコンバータに出力するために、AC/DCコンバータが動作する。したがって、上記不都合を抑制できる。
【0013】
上記電源装置において、前記制御回路は、前記導出部によって導出された目標出力電力が前記出力電力の上限値である上限出力電力よりも大きい場合に、前記導出部によって導出された目標出力電力を前記上限出力電力以下の値に変更する出力変更部を備える、ものであってもよい。
【0014】
かかる構成によれば、出力電力が上限出力電力よりも大きくなると、例えば負荷用DC/DCコンバータに過度な負担がかかるおそれがある。そこで、かかる構成によれば、出力変更部によって目標出力電力が変更されると、出力電力が上限出力電力以下となる。これにより、負荷用DC/DCコンバータの動作の安定化を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、蓄電装置から入力される電力が交流電源に逆流することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】電力供給処理を説明するためのシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、電源装置及び当該電源装置を備えた電源システムの一実施形態について説明する。
図1に示すように、電源システム100は、交流電源110と、直流電力が供給される負荷としての対象蓄電装置120と、蓄電装置130と、電源装置10と、を備える。
【0018】
交流電源110は、交流電力Pacを出力する電力源である。交流電源110としては、任意の交流電力源を用いることができるが、例えば系統電源などの三相交流電力源である。交流電源110が供給可能な交流電力Pacは、例えば、電力会社との契約内容又は他の電力システムの電力使用状況等に応じて変動する。
【0019】
本実施形態の対象蓄電装置120は、充電可能であり、一例としては二次電池である。二次電池とは、例えば、リチウムイオン蓄電池や鉛蓄電池である。対象蓄電装置120は、例えば車両に搭載されているものでもよい。
【0020】
対象蓄電装置120には、対象BMS121が設けられていてもよい。対象BMS121は、対象蓄電装置120の要求出力電力P1r、入力可能電力P1a、出力電圧V1、SOC(充電率:State of Charge)、及びSOH(健全率:State of Health)を監視するバッテリマネジメントシステム(BMS:Battery Management System)である。対象蓄電装置120の要求出力電力P1rは、対象蓄電装置120を充電するために必要な電力である。入力可能電力P1aは、対象蓄電装置120に入力可能な電力の上限値であり、例えば対象蓄電装置120の仕様等に基づいて予め定められた固定値でもよいし、対象蓄電装置120のSOCに応じて変化する可変値でもよい。出力電圧V1は、対象蓄電装置120の電圧である。
【0021】
蓄電装置130は、直流電力を出力可能な電力源であり、例えば、二次電池である。蓄電装置130は、蓄電BMS131を備える。蓄電BMS131は、蓄電装置130の出力可能電力P2a、蓄電電圧V2、SOC、及びSOHを監視する。蓄電装置130の出力可能電力P2aは、蓄電装置130が出力可能な電力の上限値である。出力可能電力P2aは、例えば蓄電装置130の仕様に基づいて予め定められた固定値でもよいし、蓄電装置130のSOCに応じて変化する可変値でもよい。蓄電電圧V2は、蓄電装置130の電圧である。
【0022】
電源装置10は、交流電源110及び蓄電装置130から入力される電力を変換して対象蓄電装置120に向けて出力する。電源装置10は、交流電源110と対象蓄電装置120と蓄電装置130とにそれぞれ接続されている。電源装置10は、AC/DCコンバータ20と、負荷用DC/DCコンバータ30と、中間コンデンサ40と、中間電圧センサ41と、蓄電用DC/DCコンバータ50と、制御回路60と、を備える。
【0023】
AC/DCコンバータ20は、交流電源110に接続可能に構成されている。AC/DCコンバータ20は、交流電源110からの交流電力Pacを直流電力に変換して出力する。説明の便宜上、以降の説明において、交流電源110から出力される直流電力を第1変換電力Pxという。AC/DCコンバータ20の具体的態様は任意であるが、例えば、DAB(Dual Active Bridge)方式のAC/DCコンバータである。DAB方式のAC/DCコンバータは、デューティ比及び1次側回路に入力される電圧と2次側回路から出力される電圧の位相差を制御することにより、AC/DCコンバータ20が出力する電圧を制御できる。
【0024】
負荷用DC/DCコンバータ30は、対象蓄電装置120に接続可能に構成されている。負荷用DC/DCコンバータ30は、AC/DCコンバータ20と接続されている。負荷用DC/DCコンバータ30は、入力される直流電力を変換して対象蓄電装置120に向けて直流電力を出力する。説明の便宜上、以降の説明において、負荷用DC/DCコンバータ30から対象蓄電装置120に向けて出力される直流電力を出力電力P1という。出力電力P1は、負荷用DC/DCコンバータ30から対象蓄電装置120に向かう電力であるともいえる。このとき、出力電力P1に比例する出力電流I1が、負荷用DC/DCコンバータ30と対象蓄電装置120との間に流れる。
【0025】
本実施形態の負荷用DC/DCコンバータ30は、チョッパ回路である。なお、負荷用DC/DCコンバータ30の具体的態様は任意であり、例えば、SEPICコンバータやLLCコンバータであってもよい。
【0026】
中間コンデンサ40は、AC/DCコンバータ20と負荷用DC/DCコンバータ30との間に設けられている。AC/DCコンバータ20は、直流電力である第1変換電力Pxを出力することにより、中間コンデンサ40を充電できる。
【0027】
中間電圧センサ41は、中間コンデンサ40の電圧である中間電圧Vmを測定する電圧センサである。
蓄電用DC/DCコンバータ50は、蓄電装置130に接続可能に構成されている。蓄電用DC/DCコンバータ50は、負荷用DC/DCコンバータ30に並列に接続されている。また、蓄電用DC/DCコンバータ50は、中間コンデンサ40に接続されている。そのため、中間コンデンサ40は、各コンバータ20,30,50に接続されている。
【0028】
蓄電用DC/DCコンバータ50は、AC/DCコンバータ20が出力する第1変換電力Pxを降圧変換して蓄電装置130に出力できる。これにより、蓄電用DC/DCコンバータ50は、交流電源110の交流電力Pac(詳細には第1変換電力Px)を用いて蓄電装置130を充電できる。また、蓄電用DC/DCコンバータ50は、蓄電装置130から入力される蓄電電力P2を昇圧変換して、第2変換電力Pyとして負荷用DC/DCコンバータ30に向けて出力する。これにより、負荷用DC/DCコンバータ30には、第1変換電力Pxと第2変換電力Pyとを加算した合計電力Px+Pyが入力される。このとき、蓄電電力P2に比例する蓄電電流I2が、蓄電装置130と蓄電用DC/DCコンバータ50との間に流れる。
【0029】
蓄電用DC/DCコンバータ50は、蓄電用DC/DCコンバータ50に設けられているスイッチング素子を操作することにより動作する。蓄電用DC/DCコンバータ50の具体的態様は任意であるが、例えば、負荷用DC/DCコンバータ30と同様に、チョッパ回路である。
【0030】
制御回路60は、各コンバータ20,30,50を制御する。制御回路60の具体的なハードウェア構成は任意である。例えば、制御回路60は、スイッチング制御を行うための専用のハードェア回路を有する構成でもよいし、スイッチング制御を行うための制御プログラムや必要な情報が記憶されたメモリと、制御プログラムに基づいてスイッチング制御を行うCPUとを有する構成でもよい。
【0031】
制御回路60は、各コンバータ20,30,50を制御するための導出パラメータを取得する。制御回路60は、対象BMS121から対象蓄電装置120の要求出力電力P1r、入力可能電力P1a、及び出力電圧V1を取得する。詳細には、制御回路60は、対象BMS121と通信可能に接続されており、対象BMS121と通信を行うことにより、要求出力電力P1r、入力可能電力P1a、及び出力電圧V1を取得する。なお、通信方式は任意であるが、例えば、CAN:Controller Area NetworkやLIN:Local Interconnect Networkなどの車両用の通信プロトコルに従った通信が挙げられる。同様に、制御回路60は、蓄電BMS131から蓄電装置130の出力可能電力P2a、及び蓄電電圧V2を取得する。
【0032】
また、制御回路60は、AC/DCコンバータ20から交流電力Pac及び第1変換電力Pxを、負荷用DC/DCコンバータ30から出力電力P1を、蓄電用DC/DCコンバータ50から蓄電電力P2及び第2変換電力Pyを、それぞれ取得する。例えば、制御回路60は、各コンバータ20,30,50の入力側及び出力側にそれぞれ設けられている電流センサ及び電圧センサから、これらの導出パラメータを取得する。
【0033】
制御回路60は、各コンバータ20,30,50を制御することにより、交流電源110及び蓄電装置130の少なくとも一方を用いて、対象蓄電装置120への電力供給を行う電力供給処理を実行する。電力供給処理において、制御回路60は、AC/DCコンバータ20の制御によって中間電圧Vmを制御し、負荷用DC/DCコンバータ30の制御によって出力電力P1を制御し、蓄電用DC/DCコンバータ50の制御によって第2変換電力Pyを制御する。なお、第2変換電力Pyは、蓄電用DC/DCコンバータ50の電力変換効率に応じて蓄電電力P2から減少した値となる。そのため、制御回路60は、第2変換電力Pyを制御することにより、蓄電電力P2を制御できる。換言すれば、制御回路60は、蓄電用DC/DCコンバータ50を制御することにより、蓄電電力P2を制御しているともいえる。
【0034】
ここで、出力電力P1が蓄電電力P2よりも大きくなる場合、出力電力P1と蓄電電力P2との差分P1-P2を補うために、負荷用DC/DCコンバータ30が中間コンデンサ40に充電されている電荷を引き抜く。これにより、中間電圧Vmの電圧降下が生じる。このとき、制御回路60は、中間電圧Vmを維持するようにAC/DCコンバータ20を制御する。これにより、出力電力P1と蓄電電力P2との差分P1-P2が第1変換電力PxとしてAC/DCコンバータ20から出力される。これに伴い、交流電力Pacが増加する。したがって、AC/DCコンバータ20は、中間電圧Vmの維持を通じて、出力電力P1と蓄電電力P2との差分P1-P2に対応した第1変換電力Pxを負荷用DC/DCコンバータ30に向けて出力する。
【0035】
<電力供給処理について>
次に、制御回路60が行う電力供給処理の一例について説明する。本実施形態における電力供給処理は、対象蓄電装置120への電力供給を行う処理である。対象蓄電装置120への電力供給とは、例えば対象蓄電装置120への充電である。電力供給処理は、任意のタイミングに行われてもよい。例えば、電力供給処理は一定周期ごとに行われてもよいし、制御回路60への所定の入力を契機に行われてもよい。所定の入力とは、例えば、対象蓄電装置120への充電を開始する指令や、対象蓄電装置120への充電を終了する指令である。
【0036】
なお、説明の便宜上、以下の説明では、各コンバータ20,30,50による電力損失を無視するものとする。したがって、第1変換電力Pxは交流電力Pacと、第2変換電力Pyは蓄電電力P2と、合計電力Px+Pyは出力電力P1と、それぞれ等しいものとして取り扱う。すなわち、蓄電用DC/DCコンバータ50は、蓄電電力P2を制御するものとして取り扱う。
【0037】
図2に示すように、制御回路60は、ステップS1において、電力供給処理に用いる導出パラメータを取得する。本実施形態の導出パラメータは、要求出力電力P1r、入力可能電力P1a、出力可能電力P2a、出力電圧V1、及び蓄電電圧V2を含む。
【0038】
次に、制御回路60は、ステップS2に進み、要求出力電力P1rを含む導出パラメータに基づいて、目標出力電力P1t、目標蓄電電力P2t、及び目標中間電圧Vmtを導出する。詳細には、制御回路60は、要求出力電力P1rを目標出力電力P1tとして導出し、要求出力電力P1rに基づいて目標蓄電電力P2tを導出する。
【0039】
目標蓄電電力P2tは、出力電力P1が目標出力電力P1tとなるために必要な蓄電電力P2であれば任意であるが、例えば電力変換効率に基づいて設定されていてもよい。例えば、目標蓄電電力P2tは、電源装置10の電力変換効率が最も高くなるように要求出力電力P1rに対応させて設定されてもよい。
【0040】
なお、目標中間電圧Vmtとは、中間電圧Vmの目標値である。目標中間電圧Vmtの値は、例えば出力電圧V1及び蓄電電圧V2から導出される値でも、予め定められた値でもよい。なお、目標中間電圧Vmtの値は任意であるが、出力電圧V1及び蓄電電圧V2の双方の値よりも大きいことが好ましい。これにより、例えば対象蓄電装置120から蓄電装置130への意図しない電力伝送を抑制できる。本実施形態では、ステップS2の処理を実行する制御回路60が導出部に対応する。
【0041】
次に、制御回路60は、ステップS3に進み、目標出力電力P1tが上限出力電力P1max以下か否かを判定する。上限出力電力P1maxとは、出力電力P1の上限値である。上限出力電力P1maxは、例えば入力可能電力P1a及び電源出力許容電力P1bのうちの小さい方の値である。電源出力許容電力P1bは、例えば電源装置10の仕様などに基づいて適宜設定されるパラメータである。電源出力許容電力P1bは、例えば負荷用DC/DCコンバータ30が出力できる電力の最大値又は当該最大値から所定値を差し引いた値である。
【0042】
ステップS3での判定結果が肯定の場合、制御回路60は、ステップS5に進む。一方、ステップS3での判定結果が否定の場合、制御回路60は、ステップS4に進む。
ステップS4において、制御回路60は、目標出力電力P1tを上限出力電力P1maxに変更する。これにより、電源装置10及び対象蓄電装置120に過度な負担が付与されることを抑制できる。なお、制御回路60は、ステップS4において、目標出力電力P1tを上限出力電力P1maxよりも小さい値に変更してもよい。すなわち、制御回路60は、目標出力電力P1tを上限出力電力P1max以下の値に変更すればよい。本実施形態では、ステップS4の処理を実行する制御回路60が、出力変更部に対応する。制御回路60は、ステップS4の処理を実行後、ステップS5に進む。
【0043】
ステップS5において、制御回路60は、目標蓄電電力P2tが上限蓄電電力P2max以下であるか否かを判定する。上限蓄電電力P2maxとは、蓄電電力P2の上限値である。上限蓄電電力P2maxは、例えば出力可能電力P2a及び蓄電入力許容電力P2bのうちの小さい方の値である。蓄電入力許容電力P2bは、例えば電源装置10の仕様などに基づいて適宜設定されるパラメータである。蓄電入力許容電力P2bは、例えば蓄電用DC/DCコンバータ50が変換できる電力の最大値又は当該最大値から所定値を差し引いた値である。
【0044】
ステップS5での判定結果が肯定の場合、制御回路60は、ステップS7に進む。一方、ステップS5での判定結果が否定の場合、制御回路60は、ステップS6に進む。
ステップS6において、制御回路60は、目標蓄電電力P2tの値を上限蓄電電力P2maxの値に変更する。これにより、電源装置10及び蓄電装置130に過度な負担が付与されることを抑制できる。なお、制御回路60は、ステップS6において、目標蓄電電力P2tを上限蓄電電力P2max以下の値に変更してもよい。本実施形態では、ステップS6の処理を実行する制御回路60が、蓄電変更部に対応する。制御回路60は、ステップS6の処理を実行後、ステップS7に進む。
【0045】
ステップS7において、制御回路60は、目標蓄電電力P2tが制限蓄電電力P1t-Pbuff以下か否かを判定する。制限蓄電電力P1t-Pbuffは、目標出力電力P1tからバッファ電力Pbuffを差し引いた値である。バッファ電力Pbuffは、例えばAC/DCコンバータ20が安定して動作するために必要な交流電力Pac(換言すれば第1変換電力Px)の下限値である。なお、バッファ電力Pbuffは、0より大きければ任意である。ステップS7での判定結果が肯定の場合、制御回路60は、ステップS9に進む。一方、ステップS7での判定結果が否定の場合、制御回路60は、ステップS8に進む。
【0046】
ステップS8において、制御回路60は、目標蓄電電力P2tを制限蓄電電力P1t-Pbuffに変更する。ステップS8の処理が行われると、蓄電電力P2が出力電力P1よりも小さい制限蓄電電力P1t-Pbuff以下となる。上述したように、出力電力P1と蓄電電力P2の差分P1-P2の電力が交流電源110からAC/DCコンバータ20に入力される。そのため、ステップS8の処理が行われることにより、AC/DCコンバータ20に入力される交流電力Pacがバッファ電力Pbuff以上となる。
【0047】
なお、制御回路60は、ステップS8において、目標蓄電電力P2tを制限蓄電電力P1t-Pbuffよりも小さい値に変更してもよい。すなわち、制御回路60は、目標蓄電電力P2tを制限蓄電電力P1t-Pb以下の値に変更すればよい。本実施形態では、ステップS8の処理を実行する制御回路60が、制限変更部に対応する。制御回路60は、ステップS8の処理を実行後、ステップS9に進む。
【0048】
ステップS9において、制御回路60は、制限出力電力Ptotalを導出する。制限出力電力Ptotalとは、上限交流電力Pacmaxと、ステップS5,S6を経て上限蓄電電力P2max以下に設定された目標蓄電電力P2tと、を加算した値である。上限交流電力Pacmaxは、交流電力Pacの上限値である。上限交流電力Pacmaxは、例えば、電力会社との契約内容又は他の電力システムの電力使用状況等に応じて適宜設定された値でもよいし、電源装置10(換言すればAC/DCコンバータ20)の仕様に基づいて適宜設定された値でもよいし、上記双方の値のうちの小さい方でもよい。なお、上限交流電力Pacmaxは、0より大きければ任意であるが、バッファ電力Pbuffよりも大きいことが好ましい。
【0049】
次に、制御回路60は、ステップS10に進み、目標出力電力P1tが制限出力電力Ptotal以下か否かを判定する。ステップS10における判定結果が肯定の場合、制御回路60は、ステップS12に進む。一方、ステップS10における判定結果が否定の場合、制御回路60は、ステップS11に進む。
【0050】
ステップS11において、制御回路60は、目標出力電力P1tを制限出力電力Ptotalに変更する。この変更では、目標出力電力P1tは小さくなるが、目標蓄電電力P2tは変わらない。したがって、制御回路60は、ステップS11の処理によって、交流電力Pacが上限交流電力Pacmaxとなるように、出力電力P1を制限するともいえる。
【0051】
なお、制御回路60は、ステップS11において、目標出力電力P1tを制限出力電力Ptotalよりも小さい値に変更してもよい。すなわち、制御回路60は、目標出力電力P1tを制限出力電力Ptotal以下の値に変更すればよい。本実施形態では、ステップS11の処理を実行する制御回路60が、交流出力変更部に対応する。制御回路60は、ステップS11の処理を実行後、ステップS12に進む。
【0052】
ステップS12において、制御回路60は、目標出力電力P1t及び目標蓄電電力P2tに基づいて、目標出力電流I1t及び目標蓄電電流I2tを設定する。制御回路60は、目標出力電力P1tを出力電圧V1で除算した値を目標出力電流I1tとして、目標蓄電電力P2tを蓄電電圧V2で除算した値を目標蓄電電流I2tとして、それぞれ設定する。
【0053】
次に、制御回路60は、ステップS13に進み、中間電圧Vm、出力電流I1、及び蓄電電流I2がそれぞれ各目標値Vmt,I1t,I2tとなるように、各コンバータ20,30,50を制御する。詳細には、制御回路60は、中間電圧Vmが目標中間電圧Vmtとなるように、AC/DCコンバータ20を制御する。また、制御回路60は、出力電流I1が目標出力電流I1tとなるように、負荷用DC/DCコンバータ30を制御する。さらに、制御回路60は、蓄電電流I2が目標蓄電電流I2tとなるように、蓄電用DC/DCコンバータ50を制御する。これにより、制御回路60は、出力電力P1及び蓄電電力P2が目標出力電力P1t及び目標蓄電電力P2tとなるように負荷用DC/DCコンバータ30及び蓄電用DC/DCコンバータ50を制御する。
【0054】
<作用>
次に、本実施形態の作用について説明する。
目標蓄電電力P2tが目標出力電力P1t以上の場合、ステップS7における制御回路60の判定結果が否定となる。そのため、制御回路60は、ステップS8に進み、目標蓄電電力P2tを目標出力電力P1tよりも小さい制限蓄電電力P1t-Pbuffに変更する。そして、制御回路60は、ステップS12及びステップS13の処理に基づき各コンバータ20,30,50を制御する。これにより、出力電力P1が変更後の目標出力電力P1tとなり、且つ、蓄電電力P2が目標蓄電電力P2tとなる。上述したように、変更後の目標出力電力P1tは目標蓄電電力P2tよりも小さいため、出力電力P1もまた、蓄電電力P2よりも小さくなる。
【0055】
<効果>
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)電源装置10は、交流電源110から入力される交流電力Pacを直流電力である第1変換電力Pxに変換するAC/DCコンバータ20と、AC/DCコンバータ20に接続されているとともに、対象蓄電装置120に向けて直流電力である出力電力P1を出力する負荷用DC/DCコンバータ30と、負荷用DC/DCコンバータ30に対して並列に接続されているとともに、蓄電装置130から入力される蓄電電力P2を変換する蓄電用DC/DCコンバータ50と、各コンバータ20,30,50を制御することにより、交流電源110及び蓄電装置130の少なくとも一方を用いて対象蓄電装置120への電力供給を行う制御回路60と、を備える。
【0056】
かかる構成において、制御回路60は、蓄電電力P2が負荷用DC/DCコンバータ30から対象蓄電装置120に向かう出力電力P1よりも小さくなるように、各コンバータ20,30,50を制御する。
【0057】
かかる構成によれば、蓄電装置130から入力される蓄電電力P2が出力電力P1以上となることによって、蓄電電力P2が交流電源110に逆流することを抑制できる。
(2)電源装置10は、AC/DCコンバータ20と負荷用DC/DCコンバータ30との間に設けられるとともに各コンバータ20,30,50に接続されている中間コンデンサ40を備える。
【0058】
かかる構成において、制御回路60は、対象蓄電装置120の要求出力電力P1rを含む導出パラメータに基づいて、出力電力P1の目標値である目標出力電力P1tと、蓄電電力P2の目標値である目標蓄電電力P2tと、を導出するステップS2の処理を実行する。制御回路60は、目標蓄電電力P2tが目標出力電力P1tからバッファ電力Pbuffを差し引いた制限蓄電電力P1t-Pbuffよりも大きい場合に、目標蓄電電力P2tを制限蓄電電力P1t-Pbuff以下に変更するステップS8の処理を実行する。
【0059】
かかる構成において、制御回路60は、中間コンデンサ40の電圧である中間電圧Vmが目標中間電圧VmtとなるようにAC/DCコンバータ20を制御するとともに、出力電力P1及び蓄電電力P2が目標出力電力P1t及び目標蓄電電力P2tとなるように負荷用DC/DCコンバータ30及び蓄電用DC/DCコンバータ50を制御する。
【0060】
仮に交流電力Pacがバッファ電力Pbuffより小さい場合、AC/DCコンバータ20の動作が不安定となる。
そこで、かかる構成によれば、目標蓄電電力P2tが制限蓄電電力P1t-Pbuffよりも大きい場合には、目標蓄電電力P2tが制限蓄電電力P1t-Pbuff以下に変更される。これにより、少なくともバッファ電力PbuffをAC/DCコンバータ20に出力するために、AC/DCコンバータ20が動作する。そのため、交流電力Pacがバッファ電力Pbuff以上に保たれる。したがって、AC/DCコンバータ20の動作が不安定となることを抑制することができる。
【0061】
(3)制御回路60は、ステップS2の処理によって導出された目標蓄電電力P2tが蓄電電力P2の上限値である上限蓄電電力P2maxよりも大きい場合に、目標蓄電電力P2tを上限蓄電電力P2max以下の値に変更するステップS6の処理を実行する。
【0062】
かかる構成によれば、蓄電電力P2が上限蓄電電力P2maxよりも大きくなると、例えば蓄電装置130又は蓄電用DC/DCコンバータ50への負担が大きくなるおそれがある。
【0063】
そこで、かかる構成によれば、制御回路60がステップS6の処理を実行することによって目標蓄電電力P2tが変更されると、蓄電電力P2が上限蓄電電力P2max以下となる。これにより、蓄電装置130又は蓄電用DC/DCコンバータ50に過度な負担が付与されることを抑制できる。
【0064】
(4)交流電力Pacの上限値である上限交流電力Pacmaxと、ステップS5,S6を経て上限蓄電電力P2max以下に設定された目標蓄電電力P2tと、を加算した値を制限出力電力Ptotalとすると、制御回路60は、ステップS2で導出された目標出力電力P1tが制限出力電力Ptotalよりも大きい場合に、目標出力電力P1tを制限出力電力Ptotal以下の値に変更するステップS11の処理を実行する。
【0065】
かかる構成によれば、目標出力電力P1tが制限出力電力Ptotalよりも大きい場合、交流電力Pacが上限交流電力Pacmaxを上回ることがある。この場合、交流電力Pacの過剰出力から交流電源110を保護するために、交流電力Pacの供給が遮断されたり、電源装置10に過度な負担が付与されたりする不都合が懸念される。
【0066】
そこで、かかる構成によれば、制御回路60は、目標出力電力P1tが制限出力電力Ptotalよりも大きい場合に、ステップS11の処理を実行することで目標出力電力P1tを制限出力電力Ptotal以下の値に変更する。これにより、対象蓄電装置120に出力される出力電力P1が制限出力電力Ptotal以下となる。これに伴い、目標出力電力P1tから上限蓄電電力P2max以下の目標蓄電電力P2tを差し引いた値が上限交流電力Pacmax以下となる。そのため、上限交流電力Pacmax以下の交流電力Pacを負荷用DC/DCコンバータ30に出力するために、AC/DCコンバータ20が動作する。したがって、上記不都合を抑制できる。
【0067】
(5)制御回路60は、ステップS2の処理によって導出された目標出力電力P1tが出力電力P1の上限値である上限出力電力P1maxよりも大きい場合に、目標出力電力P1tを上限出力電力P1max以下の値に変更するステップS4の処理を実行する。
【0068】
かかる構成によれば、出力電力P1が上限出力電力P1maxよりも大きくなると、例えば負荷用DC/DCコンバータ30に過度な負担がかかるおそれがある。
そこで、かかる構成によれば、制御回路60がステップS4の処理を実行することによって目標出力電力P1tが変更されると、出力電力P1が上限出力電力P1max以下となる。これにより、負荷用DC/DCコンバータ30の動作の安定化を図ることができる。
【0069】
<変形例>
実施形態は、以下のように変更して実施できる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0070】
○実施形態における制御シーケンスはあくまで例示であり、実施形態のものに限られない。例えば、各ステップの順序は適宜変更可能である。
○ステップS11の処理において、制御回路60は、目標出力電力P1tの変更に伴い、目標蓄電電力P2tを小さくする変更を行ってもよい。このとき、目標出力電力P1tと目標蓄電電力P2tとが、ステップS7及びステップS10で述べた関係をそれぞれ満たしていればよい。
【0071】
○ステップS3及びステップS4の処理は実行されなくてもよい。また、ステップS5及びステップS6の処理は実行されなくてもよい。ステップS10及びステップS11の処理は実行されなくてもよい。要は、ステップS7及びステップS8の処理が実行されればよい。
【0072】
○各コンバータ20,30,50の電力損失を考慮する場合、各コンバータ20,30,50の入力と出力との対応関係に基づき、各コンバータ20,30,50の制御態様を適宜修正してもよい。
【0073】
○各コンバータ20,30,50は、各コンバータ20,30,50の入力に基づいて制御されてもよいし、出力に基づいて制御されてもよい。
○負荷用DC/DCコンバータ30は、複数設けられていてもよい。各負荷用DC/DCコンバータ30は、互いに並列に接続されているとよい。このとき、例えば、各負荷用DC/DCコンバータ30から出力される電力の合計を出力電力P1として取り扱えばよい。負荷用DC/DCコンバータ30が複数設けられている場合、上限出力電力P1maxは、各負荷用DC/DCコンバータ30から出力される電力ごとに応じて個別に設定してもよい。
【0074】
○蓄電用DC/DCコンバータ50は、複数設けられていてもよい。各蓄電用DC/DCコンバータ50は、互いに並列に接続されているとよい。このとき、例えば、各蓄電用DC/DCコンバータ50に入力される電力の合計を蓄電電力P2として取り扱えばよい。蓄電用DC/DCコンバータ50が複数設けられている場合、上限蓄電電力P2maxは、各蓄電用DC/DCコンバータ50に入力される電力ごとに応じて個別に設定してもよい。
【0075】
○中間コンデンサ40及び中間電圧センサ41は設けられていなくてもよい。
○対象蓄電装置120には、対象BMS121が設けられていなくてもよい。例えば、対象BMS121に代えて、対象蓄電装置120の要求出力電力P1rや出力電圧V1を把握するためのセンサが別途設けられていてもよい。このとき、制御回路60は、当該センサから取得できる要求出力電力P1r及び出力電圧V1を用いて目標出力電流I1tを導出すればよい。
【0076】
○負荷は、対象蓄電装置120に限らず、抵抗や直流モータなど、直流電力を供給可能な任意の駆動装置を用いることができる。この場合、出力電力P1及び出力電圧V1は、当該駆動装置を駆動させるのに必要な電力及び電圧である。
【符号の説明】
【0077】
10…電源装置、20…AC/DCコンバータ、30…負荷用DC/DCコンバータ、40…中間コンデンサ、50…蓄電用DC/DCコンバータ、60…制御回路、110…交流電源、120…対象蓄電装置、130…蓄電装置、P1…出力電力、P1max…上限出力電力、P1r…要求出力電力、P1t…目標出力電力、P1t-Pbuff…制限蓄電電力、P2…蓄電電力、P2max…上限蓄電電力、P2t…目標蓄電電力、Pbuff…バッファ電力、Ptotal…制限出力電力、Vm…中間電圧、Vmt…目標中間電圧。