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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173758
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】ファンモータ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/52 20060101AFI20221115BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
F04D29/52 E
F04D29/52 B
F04D29/66 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079659
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 光一
(72)【発明者】
【氏名】竹身 一敏
(72)【発明者】
【氏名】樋口 幸洋
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC30
3H130BA13A
3H130CA05
3H130CA06
3H130EB01A
(57)【要約】
【課題】騒音を軽減する。
【解決手段】ファンモータは、ハウジングと、インペラとを備える。ハウジングは、複数の羽根を有するインペラと、径方向において、前記羽根の外周部に対向する内周面を有するハウジングとを備える。前記内周面には、周方向に並んだ複数の溝が形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の羽根を有するインペラと、
径方向において、前記羽根の外周部に対向する内周面を有するハウジングと、
を備え、
前記内周面には、周方向に並んだ複数の溝が形成されている、
ファンモータ。
【請求項2】
前記複数の溝は、回転軸方向及び周方向に延在している、請求項1に記載のファンモータ。
【請求項3】
前記ハウジングは、吸入口と排出口とを備え、
前記羽根は、前記吸入口側の端部と、前記排出口側の端部と、前記吸入口側の端部と前記排出口側の端部の間にある中間部と、を備え、
径方向において、前記溝は前記中間部に対向している、
請求項2に記載のファンモータ。
【請求項4】
ハウジングは、前記排出口側に複数の静翼を備え、
前記複数の溝は前記複数の静翼に対して前記吸入口側にある、請求項1乃至3のいずれか1つに記載のファンモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンモータに関する。
【背景技術】
【0002】
軸回りに回転する複数の動翼によって、空気や他のガス等の気体を軸方向に流すファンモータが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-206897号公報
【特許文献2】特開2020-060102号公報
【特許文献3】特開平05-296187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ファンモータにおいては、動翼の回転速度Nと羽根の枚数Zとに応じて、動翼とハウジングとの間で空気の渦が発生することにより、N×Zの周波数の騒音が発生する。
【0005】
一つの側面では、騒音を軽減できるファンモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様において、ファンモータは、ハウジングと、インペラとを備える。ハウジングは、複数の羽根を有するインペラと、径方向において、前記羽根の外周部に対向する内周面を有するハウジングとを備える。前記内周面には、周方向に並んだ複数の溝が形成されている。
【0007】
一つの態様によれば、騒音を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態におけるファンモータの一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態におけるハウジングの一例を示す斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態におけるインペラの一例を示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態におけるファンモータの一例を示す側断面図である。
図5図5は、第1の実施形態におけるハウジングの一例を示す水平断面図である。
図6図6は、第1の実施形態におけるハウジングの一例を示す側断面図である。
図7図7は、実施形態における溝の一例を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願の開示するファンモータの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。各図面において、説明を分かりやすくするために、インペラ20が回転する方向を周方向とし、インペラ20の回転軸が延在する方向を軸方向とする座標系を図示する場合がある。
【0010】
本願の開示するファンモータ1は、例えば、サーバ用のファンモータとして用いられる。図1は、第1の実施形態におけるファンモータの一例を示す斜視図である。図1に示すように、第1の実施形態におけるファンモータ1は、ハウジング10と、インペラ20とを備える。ハウジング10及びインペラ20は、例えば、樹脂により形成される。
【0011】
図1及び図2に示すように、インペラ20は、ハウジング10に収容される。図2は、第1の実施形態におけるハウジングの一例を示す斜視図である。図2に示すように、ハウジング10は、枠を形成する側壁19と、内周面40と、スポーク50と、ベース51とを備える。側壁19は、軸方向に略平行に形成される。内周面40には、後に説明する複数の溝41が形成される。複数のスポーク50は、軸方向における下側に位置し、ベース51を中心として径方向に延在する。なお、スポーク50は、静翼の一例である。
【0012】
また、第1の実施形態において、インペラ20は、図3に示すように、ハブ21と、複数の動翼30とを備える。図3は、第1の実施形態におけるインペラの一例を示す斜視図である。インペラ20は、ハウジング10のベース51の中央部52を中心として、周方向に回転する。第1の実施形態において、インペラ20は、例えば、時計回り方向に回転する。また、インペラ20のハブ21の内部には、例えば、図示しないモータが収容される。なお、動翼30は、羽根の一例である。
【0013】
図1及び図3に示すように、複数の動翼30は、インペラ20のハブ(以下、本体部と呼称する場合がある)21を中心として径方向に延在するように、周方向において等間隔に配置される。また、各動翼30は、軸方向において、負方向側の(吸入側に位置する)端部38と、正方向側の(排出側に位置する)端部39とを備える。軸方向において、2つの端部38及び39の間には、中間部35が形成される。径方向において、動翼30は、羽根の外周部の一部を形成する端部37を備える。動翼30の端部37は、ハウジング10の内周面40と、径方向において対向する。この場合において、内周面40と動翼30の端部37との間隔は、例えば図2に示す側壁19の厚さT1より小さい、または2mm以下の範囲になるように形成される。
【0014】
また、第1の実施形態におけるファンモータ1は、図4に示すように、気体をハウジング10に吸入する吸入口11と、吸入された気体が排出される排出口12とを備える。図4は、第1の実施形態におけるファンモータの一例を示す側断面図である。図4は、図1のA-A線で切断した断面を示す。
【0015】
図4に示すように、吸入口11は、ファンモータ1の軸方向における正方向側(図中における上側)に形成され、排出口12は、ファンモータ1の軸方向における負方向側(図中における下側)に形成される。第1の実施形態において、空気やガス等の流体は、吸入口11から排出口12に向かって、すなわち軸方向における正方向側から負方向側に向かって流動する。この場合において、図3に示す動翼30の端部38は、排出口側の端部の一例であり、端部39は、吸入口側の端部の一例である。
【0016】
また、図4に示すように、第1の実施形態において、内周面40は、軸方向において、吸入口11から排出口12に向かって延在する。この場合において、内周面40の表面S1は、例えば、ハウジング10の側壁19と略平行になるように形成される。
【0017】
また、溝41は、内周面40から凹むように形成されている。複数の溝41は、例えば、周方向において等間隔に形成される。図4乃至図6に示すように、溝41は、矢印D1に示す、内周面40に対して軸方向及び周方向に(図中における右下方向に)延在するように形成される。図7は、実施形態における溝の一例を示す拡大図である。また、図7に示すように、径方向における溝41の深さD、及び周方向における溝41の幅Wは、動翼30の径方向外側に位置する端部37の幅(厚さ)T2と同じ又は小さい。なお、必要に応じて、径方向における溝41の深さD、及び周方向における溝41の幅Wは、動翼30の径方向外側に位置する端部37の幅T2に対して大きくしても構わない。
【0018】
図5は、第1の実施形態におけるハウジングの一例を示す水平断面図である。図6は、第1の実施形態におけるハウジングの一例を示す側断面図である。図5は、図2のB-B線で切断した断面を示し、図6は、図2のC-C線で切断した断面を示す。
【0019】
この場合において、図4に示すように、溝41と径方向において対向する、動翼30の端部37が延在する方向D2は、溝41が延在する方向D1と同様に、内周面40に対して軸方向及び周方向に(図中における右下方向に)向かう方向である。
【0020】
図6に示されるように、範囲H2に位置する溝41は、軸方向において、範囲H3に位置する静翼50よりも正方向側(図中における上側)、すなわち吸入口11に近い側に形成される。また、第1の実施形態においては、図6に示す溝41が延在する範囲H2が、例えば、図4に示す、動翼30が延在する範囲H1に含まれるように形成される。
【0021】
以上説明したように、第1の実施形態におけるファンモータ1は、複数の羽根30を有するインペラ20と、径方向において、羽根30の外周部37に対向する内周面40を有するハウジング10とを備える。内周面40には、周方向に並んだ複数の溝41が形成される。これにより、例えば動翼30と内周面40との干渉で生じる空気の渦が分断されたりして、渦の発生が抑止され、騒音を軽減できる。
【0022】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、本願の開示するファンモータ1が備える動翼及びスポークの数は、実施形態で示すものに限られない。
【0023】
また、内周面40が、ハウジング10の側壁19と略平行に、すなわち軸方向に略平行になるように形成される構成について説明したが、実施の形態はこれに限られない。例えば、内周面は、ハウジング10の側壁19に対して所定の角度だけ傾斜している又は湾曲していてもよい。
【0024】
また、溝41が延在する方向D1と、動翼30の中間部35における径方向外側に位置する端部37が延在する方向D2とは、略平行になる構成に限られない。例えば、溝41は、軸方向に対して略平行に形成されていてもよい。また、溝41は、高さH2よりも大きな範囲に形成されていてもよい。ただし、動翼30と対向しない位置に形成されていなくとも、十分に騒音を低減できる。
【0025】
また、実施形態におけるインペラ20の動翼30は、例えば中間部35が平坦な形状になるように形成されるが、実施の形態はこれに限られない。例えば、中間部35が曲面であるように形成されてもよく、また中間部35の径方向外側に位置する端部37が側壁19に対して略平行な方向に延在してもよい。
【0026】
以上、本発明を実施形態及び各変形例に基づき説明したが、本発明は実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能であることも言うまでもなでもない。そのような要旨を逸脱しない範囲での種々の変更を行ったものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0027】
1 ファンモータ、10 ハウジング、11 吸入口、12 排出口、20 インペラ、21 ハブ(本体部)、30 動翼、35 中間部、38,39 端部、40 内周面、41 溝、50 静翼(スポーク)、51 ベース、52 中央部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7