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特開2022-173767遠隔制御システム、位置判定装置、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173767
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】遠隔制御システム、位置判定装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/3827 20150101AFI20221115BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
H04B1/3827
E05B49/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079674
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松末 真也
【テーマコード(参考)】
2E250
5K011
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250DD06
2E250FF23
2E250FF27
2E250FF36
2E250HH01
2E250JJ03
5K011JA01
5K011KA14
5K011KA17
(57)【要約】
【課題】モバイル装置が所定の領域内に位置するかの判定に基づいて被制御装置の動作を制御する遠隔制御システムの利便性を高める。
【解決手段】モバイル装置11は、人物20による携帯が可能である。通信装置13は、モバイル装置11との間で電波の通信が可能である。制御装置12は、モバイル装置11が車室32内に位置するかの判定に基づいてイグニッション電源31の動作を制御する。モバイル装置11または通信装置13において受信される前記電波の強度に基づいて、モバイル装置11が車室32内に位置しているかが判定される。モバイル装置11が車室32内に位置していると判定された後にモバイル装置11の動きに依ることなく前記電波の強度が低下したことが検出された場合、モバイル装置11が車室32内に位置しているとの判定が維持される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物による携帯が可能であるモバイル装置と、
前記モバイル装置との間で電波の通信が可能である通信装置と、
前記モバイル装置が所定の領域内に位置するかの判定に基づいて被制御装置の動作を制御する制御装置と、
を備えており、
前記モバイル装置または前記通信装置において受信される前記電波の強度に基づいて、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置しているかが判定され、
前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置していると判定された後に前記モバイル装置の動きに依ることなく前記電波の強度が低下したことが検出された場合、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置しているとの判定が維持される、
遠隔制御システム。
【請求項2】
前記モバイル装置に加わる加速度を検出する加速度センサが前記モバイル装置に搭載されており、
前記加速度に基づいて、前記モバイル装置の動きに依ることなく前記電波の強度が低下したことが検出される、
請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項3】
前記モバイル装置の動きに依ることなく前記電波の強度が低下したことの判定は、前記モバイル装置によりなされる、
請求項1または2に記載の遠隔制御システム。
【請求項4】
前記モバイル装置の動きに依ることなく前記電波の強度が低下したことの判定は、前記制御装置によりなされる、
請求項1または2に記載の遠隔制御システム。
【請求項5】
前記通信装置は、移動体に搭載されており、
前記所定の領域は、前記移動体の内部空間である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の遠隔制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記移動体に搭載されている、
請求項5に記載の遠隔制御システム。
【請求項7】
人物による携帯が可能であるモバイル装置または当該モバイル装置との間で電波の通信が可能である通信装置において受信される当該電波の強度に対応する第一情報、および前記モバイル装置の動きに対応する第二情報を受け付ける受付部と、
前記第一情報に基づいて、前記モバイル装置が所定の領域内に位置しているかを判定する処理部と、
を備えており、
前記処理部は、前記第一情報と前記第二情報に基づいて、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置していると判定された後に前記モバイル装置の動きに依ることなく前記電波の強度が低下したことが検出された場合、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置しているとの判定を維持する、
位置判定装置。
【請求項8】
位置判定装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記位置判定装置は、
人物による携帯が可能であるモバイル装置または当該モバイル装置との間で電波の通信が可能である通信装置において受信される当該電波の強度に対応する第一情報を受け付け、
前記モバイル装置の動きに対応する第二情報を受け付け、
前記第一情報に基づいて、前記モバイル装置が所定の領域内に位置しているかを判定し、
前記第一情報と前記第二情報に基づいて、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置していると判定された後に前記モバイル装置の動きに依ることなく前記電波の強度が低下したことが検出された場合、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置しているとの判定を維持する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物による携帯が可能なモバイル装置が所定の領域内に位置しているかを判定する遠隔制御システムに関連する。本発明は、当該遠隔制御システムの一部を構成しうる位置判定装置、および当該位置判定装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、遠隔制御システムの一例として電子キーシステムを開示している。当該システムにおいては、モバイル装置の一例としての電子キーが所定の領域の一例としての車室内に位置するかが判定される。電子キーが車室内に位置しており、かつ電子キーの認証が成立すると、イグニッション電源が起動され、車両のエンジンの始動が許可される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-122222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、モバイル装置が所定の領域内に位置するかの判定に基づいて被制御装置の動作を制御する遠隔制御システムの利便性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための一態様は、遠隔制御システムであって、
人物による携帯が可能であるモバイル装置と、
前記モバイル装置との間で電波の通信が可能である通信装置と、
前記モバイル装置が所定の領域内に位置するかの判定に基づいて被制御装置の動作を制御する制御装置と、
を備えており、
前記モバイル装置または前記通信装置において受信される前記電波の強度に基づいて、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置しているかが判定され、
前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置していると判定された後に前記モバイル装置の動きに依ることなく前記電波の強度が低下したことが検出された場合、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置しているとの判定が維持される。
【0006】
上記の目的を達成するための一態様は、位置判定装置であって、
人物による携帯が可能であるモバイル装置または当該モバイル装置との間で電波の通信が可能である通信装置において受信される当該電波の強度に対応する第一情報、および前記モバイル装置の動きに対応する第二情報を受け付ける受付部と、
前記第一情報に基づいて、前記モバイル装置が所定の領域内に位置しているかを判定する処理部と、
を備えており、
前記処理部は、前記第一情報と前記第二情報に基づいて、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置していると判定された後に前記モバイル装置の動きに依ることなく前記電波の強度が低下したことが検出された場合、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置しているとの判定を維持する。
【0007】
上記の目的を達成するための一態様は、位置判定装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記位置判定装置は、
人物による携帯が可能であるモバイル装置または当該モバイル装置との間で電波の通信が可能である通信装置において受信される当該電波の強度に対応する第一情報を受け付け、
前記モバイル装置の動きに対応する第二情報を受け付け、
前記第一情報に基づいて、前記モバイル装置が所定の領域内に位置しているかを判定し、
前記第一情報と前記第二情報に基づいて、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置していると判定された後に前記モバイル装置の動きに依ることなく前記電波の強度が低下したことが検出された場合、前記モバイル装置が前記所定の領域内に位置しているとの判定を維持する。
【0008】
モバイル装置が所定の領域内に位置していても、モバイル装置または通信装置により受信される電波の強度が予期せず閾値を下回る事態が生じうる。例えば、モバイル装置と通信装置の間に電波の進行を阻害する障害物が意図せず配置されることにより、電波の強度が閾値を下回りうる。この場合、事実に反してモバイル装置が所定の領域に位置していないと判定される可能性が生じうる。
【0009】
上記の各態様に係る構成によれば、電波強度の低下がモバイル装置の動きに起因するものでないと判断されれば、モバイル装置が所定の領域内に位置しているとの判定結果が維持される。これにより、電波強度の予期せぬ低下に起因するモバイル装置の位置判定精度の低下を抑制できる。したがって、モバイル装置が所定の領域内に位置しているかの判定に基づいて被制御装置の動作を制御する遠隔制御システムの利便性を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る遠隔制御システムの構成を例示している。
図2図1の遠隔制御システムの機能構成の一例を示している。
図3図2の制御装置により実行される処理の流れを例示している。
図4図2のモバイル装置により実行される処理の流れを例示している。
図5】予期せず受信電波強度が低下する例を示している。
図6図1の遠隔制御システムの機能構成の別例を示している。
図7図6の制御装置により実行される処理の流れを例示している。
図8図6のモバイル装置により実行される処理の流れを例示している。
図9図1の遠隔制御システムの機能構成の別例を示している。
図10図9の制御装置により実行される処理の流れを例示している。
図11図9のモバイル装置により実行される処理の流れを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。図1は、一実施形態に係る遠隔制御システム10の構成を例示している。
【0012】
遠隔制御システム10は、モバイル装置11を含んでいる。モバイル装置11は、人物20による携帯が可能な装置である。遠隔制御システム10は、例えば、モバイル装置11を認証することにより、モバイル装置11を携帯している人物20による車両30の利用を許可するために使用されうる。車両30の形状は、例示に過ぎない。車両30は、移動体の一例である。
【0013】
遠隔制御システム10は、制御装置12を含んでいる。本例においては、制御装置12は、車両30に搭載されている。制御装置12は、車両30に搭載されたイグニッション電源31の動作を制御するように構成されている。
【0014】
イグニッション電源31は、車両30のエンジンを始動させるための電力を供給する装置である。エンジンは、内燃機関と電動モータの少なくとも一方を備えうる。イグニッション電源31は、被制御装置の一例である。
【0015】
遠隔制御システム10は、通信装置13を含んでいる。通信装置13は、車両30に搭載されており、無線通信領域Aを形成可能なアンテナを備えている。無線通信領域Aは、モバイル装置11との短距離無線通信を行なうことが可能な領域である。本例においては、無線通信領域Aは、少なくとも車両30の車室32を含むように形成されている。
【0016】
本明細書において用いられる「短距離無線通信」という語は、標準規格であるIEEE802.15またはIEEE802.11に準拠して行なわれる無線通信を意味する。そのような無線通信を実行可能な技術としては、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などが挙げられる。本明細書における「短距離無線通信」は、読取装置から送信される電波から微小な電力を得てモバイル装置が情報の送信を行なう非接触通信技術を用いる「近接無線通信」とは区別される。近接無線通信を実行可能な技術としては、RF-IDやNFCなどが挙げられる。
【0017】
本明細書において用いられる「信号を第一/第二電波で送信する」という表現は、上記の短距離無線通信規格において定められる周波数あるいは周波数帯の電波で信号を無線送信することを意味する。第一電波の周波数あるいは周波数帯と第二電波の周波数あるいは周波数帯は、同一であってもよいし、相違していてもよい。
【0018】
図2に例示されるように、通信装置13は、送信部131を備えている。送信部131は、トリガ信号TRを第一電波で送信するアンテナを備えている。トリガ信号TRは、所定の時間間隔をおいて断続的に送信されてもよいし、時間連続的に送信されてもよい。
【0019】
モバイル装置11は、受信部111を備えている。受信部111は、送信部131から第一電波で送信されたトリガ信号TRを受信可能なアンテナを備えている。
【0020】
モバイル装置11は、処理部112と送信部113を備えている。処理部112は、受信部111により受信されたトリガ信号TRの電波強度が閾値以上である場合に、送信部113から許可信号ENを第二電波で送信するように構成されている。当該閾値は、モバイル装置11が車室32内に位置する場合において受信部111に受信されうるトリガ信号TRの電波強度に対応している。
【0021】
すなわち、送信部113は、許可信号ENを第二電波で送信可能なアンテナを備えている。他方、通信装置13の受信部132は、第二電波で送信された許可信号ENを受信可能なアンテナを備えている。
【0022】
受信部132は、許可信号ENを受信したことを示す受信情報RIを出力するように構成されうる。受信情報RIは、アナログデータの形態で提供されてもよいし、デジタルデータの形態で提供されてもよい。
【0023】
制御装置12は、受付部121を備えている。受付部121は、通信装置13の受信部132から受信情報RIを受け付けるインターフェースとして構成されている。受信情報RIがアナログデータの形態で提供される場合、受付部121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0024】
制御装置12は、モバイル装置11が車両30の車室32内に位置しているかの判定に基づいて、イグニッション電源31の動作を制御するように構成されている。車室32は、所定の領域の一例である。
【0025】
具体的には、制御装置12は、処理部122と出力部123を備えている。処理部122は、受付部121が受信情報RIを受け付けると、出力部123からの装置制御信号DCの出力を許容する。装置制御信号DCは、イグニッション電源31の動作を制御する信号である。装置制御信号DCは、デジタル信号でもよいし、アナログ信号でもよい。装置制御信号DCがアナログ信号である場合、出力部123は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0026】
例えば、装置制御信号DCは、イグニッション電源31を起動する信号でありうる。すなわち、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定されると、当該モバイル装置11を携帯している人物20による車両30のエンジンの始動が許容される。
【0027】
装置制御信号DCの出力に際しては、必要に応じてモバイル装置11を認証する認証処理が、処理部122により実行されうる。
【0028】
具体的には、処理部122は、通信装置13の送信部131からモバイル装置11へ情報要求信号を第一電波で送信するように構成されうる。情報要求信号は、モバイル装置11に認証情報の無線送信を要求する信号である。
【0029】
モバイル装置11の処理部112は、情報要求信号への応答として、送信部113を通じて認証情報を第二電波で送信するように構成されうる。認証情報は、モバイル装置11と人物20の少なくとも一方を特定しうる情報である。認証情報は、アナログデータの形態でもよいし、デジタルデータの形態でもよい。
【0030】
制御装置12の受付部121は、通信装置13の受信部132を通じて認証情報も受け付け可能なインターフェースとして構成されている。認証情報がアナログデータの形態である場合、受付部121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0031】
制御装置12の処理部122は、不図示の記憶装置に格納された認証情報の読み出しまたは参照を行なう処理を実行可能に構成されうる。処理部122は、受付部121により受け付けられた認証情報と、記憶装置に記憶された認証情報との照合を行ない、両者の一致度が閾値を上回る場合に認証を成立させる。
【0032】
図3図4を参照しつつ、上記のように構成されたモバイル装置11と制御装置12の間で行なわれる処理の流れを説明する。図3は、制御装置12の処理部122により実行される処理の流れを例示している。図4は、モバイル装置11の処理部112により実行される処理の流れを例示している。
【0033】
図1に例示されるように、制御装置12の処理部122は、出力部123から送信制御信号TCを出力し、通信装置13の送信部131にトリガ信号TRを第一電波で送信させる(図3のSTEP11)。
【0034】
他方、図4に例示されるように、モバイル装置11の処理部112は、所定の周期(時間間隔)で受信部111によりトリガ信号TRが受信されたかを確認する(STEP21)。トリガ信号TRが受信されたと判断されるまで、当該判断が繰り返される(STEP21においてNO)。
【0035】
受信部111によりトリガ信号TRが受信されたと判断されると(STEP21においてYES)、処理部112は、受信部111により受信されたトリガ信号TRの電波強度が閾値以上であるかを判断する(STEP22)。トリガ信号TRの電波強度が閾値未満であると判断されると(STEP22においてNO)、処理はSTEP21に戻る。
【0036】
具体的には、処理部112は、不図示の受付部を通じて、受信部111により受信されたトリガ信号TRの電波強度に対応する強度情報ITを取得する。強度情報ITは、第一情報の一例である。処理部112は、強度情報ITにより示される電波強度の値を、不図示の記憶部に記憶されている閾値と比較することにより、上記の判断を行なう。
【0037】
トリガ信号TRの電波強度が閾値以上であると判断されると(STEP22においてYES)、処理部112は、送信部113から許可信号ENを第二電波で送信する(STEP23)。
【0038】
前述のように、上記の閾値は、モバイル装置11が車室32内に位置する場合において受信部111に受信されうるトリガ信号TRの電波強度に対応している。すなわち、本例においては、モバイル装置11が車室32内に位置しているかの判定を、モバイル装置11自身が行なっている。本例においては、モバイル装置11は、位置判定装置の一例である。
【0039】
他方、制御装置12の処理部122は、通信装置13の受信部132により許可信号ENが受信されたかを判断する(図3のSTEP12)。具体的には、処理部122は、受付部121により受信情報RIが受け付けられたかを判断する。受付部121により受信情報RIが受け付けられていないと判断されると(STEP12においてNO)、処理はSTEP11に戻り、トリガ信号TRが送信される。すなわち、通信装置13により許可信号ENが受信されたと判断されるまで、上記の処理が繰り返される。
【0040】
通信装置13により許可信号ENが受信されたと判断されると(STEP12においてYES)、処理部122は、イグニッション電源31の動作制御を許可するための処理を開始する(STEP13)。具体的には、前述の認証処理が開始される。認証が成立すれば、イグニッション電源31の動作制御が許可される。その後、処理はSTEP11に戻る。
【0041】
モバイル装置11が車室32内に位置していれば、モバイル装置11から許可信号ENが送信され続けるので(STEP12においてYES)、イグニッション電源31の動作制御が許可された状態が維持される。認証処理は、許可信号ENが受信される度に繰り返し行なわれてもよいし、許可信号ENの受信が途絶えない限り省略されてもよい。
【0042】
本実施形態に係る遠隔制御システム10においては、図2に例示されるように、モバイル装置11が加速度センサ114を備えている。加速度センサ114は、モバイル装置11に加わる加速度を検出し、検出された加速度に対応する加速度情報ACを出力するように構成されている。処理部112は、加速度情報ACに基づいて、モバイル装置11に加わる加速度が閾値未満であるかを判断するように構成されうる。当該閾値は、モバイル装置11が実質的に静止状態であると判断されうる程度の値として定められる。
【0043】
具体的には、処理部112は、不図示の受付部を通じて、加速度情報ACを取得する。加速度情報ACは、第二情報の一例である。処理部112は、加速度情報ACにより示される加速度の値を、不図示の記憶部に記憶されている閾値と比較することにより、上記の判断を行なう。
【0044】
図4に例示されるように、処理部112は、STEP23における許可信号ENの送信後、トリガ信号TRが受信部111により受信されたかを判断する(STEP24)。受信部111によりトリガ信号TRが受信されたと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP24においてNO)。
【0045】
受信部111によりトリガ信号TRが受信されたと判断されると(STEP24においてYES)、処理部112は、受信部111を通じて受信されたトリガ信号TRの電波強度が閾値未満であるかを判断する(STEP25)。
【0046】
トリガ信号TRの電波強度が閾値以上であると判断されると(STEP25においてNO)、処理はSTEP23に戻る。すなわち、処理部112は、モバイル装置11が車室32内に位置していると判断し、送信部113から許可信号ENを送信する。結果として、制御装置12は、イグニッション電源31の動作制御を許可する。
【0047】
トリガ信号TRの電波強度が閾値未満であると判断されると(STEP25においてYES)、処理部112は、加速度センサ114から出力された加速度情報ACに基づいて、モバイル装置11に加わる加速度が閾値未満であるかを判断する(STEP26)。
【0048】
すなわち、STEP25とSTEP26においては、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定された後にモバイル装置11の動きに依ることなくトリガ信号TRの電波強度が低下したかの検出がなされている。
【0049】
モバイル装置11に加わる加速度が閾値未満であると判断されると(STEP26においてYES)、処理はSTEP23に戻る。すなわち、処理部112は、送信部113から許可信号ENを送信する。結果として、制御装置12は、イグニッション電源31の動作制御を許可する。
【0050】
モバイル装置11に加わる加速度が閾値以上であると判断されると(STEP26においてNO)、処理はSTEP21に戻る。すなわち、処理部112は、許可信号ENを送信することなく、トリガ信号TRの受信判断に戻る。結果として、制御装置12は、イグニッション電源31の動作制御を許可しない。
【0051】
すなわち、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定された後に受信部111により受信されるトリガ信号TRの電波強度がモバイル装置11の動きに依ることなく低下したことが検出された場合、モバイル装置11が車室32内に位置しているとの判定が維持され、イグニッション電源31の動作制御が許可される。
【0052】
他方、受信部111により受信されるトリガ信号TRの電波強度の低下がモバイル装置11の動きと関連付けられる場合、人物20がモバイル装置11を携帯して車室32の外に出た可能性が考えられる。したがって、モバイル装置11が車室32内に位置しているとの判定が解消され、イグニッション電源31の動作制御が禁止される。
【0053】
モバイル装置11が車室32内に位置していても、受信部111により受信されるトリガ信号TRの電波強度が予期せず閾値を下回る事態が生じうる。図5に示される例においては、通信装置13から送信されたトリガ信号TRの進行が障害物により阻害されることによって、受信部111により受信されるトリガ信号TRの電波強度が低下している。
【0054】
本実施形態に係る構成によれば、そのような状況がモバイル装置11の動きに起因するものでないと判断されれば、モバイル装置11が車室32内に位置しているとの判定結果が維持される。これにより、モバイル装置11により受信されるトリガ信号TRの電波強度の予期せぬ低下に起因するモバイル装置11の位置判定精度の低下を抑制できる。したがって、モバイル装置11が車室32内に位置しているかの判定に基づいてイグニッション電源31の動作を制御する遠隔制御システム10の利便性を高めることができる。
【0055】
図6は、遠隔制御システム10の構成の別例を示している。本例においては、モバイル装置11の処理部112は、受信部111によりトリガ信号TRが受信されると、送信部113から確認信号AKを第二電波で送信するように構成されている。
【0056】
すなわち、送信部113は、確認信号AKを第二電波で送信可能なアンテナを備えている。他方、通信装置13の受信部132は、第二電波で送信された確認信号AKを受信可能なアンテナを備えている。
【0057】
確認信号AKは、図2を参照して説明した強度情報ITと加速度情報ACを含むように構成される。換言すると、確認信号AKは、受信部111により受信されたトリガ信号TRの電波強度と、トリガ信号TRの受信時においてモバイル装置11に加わる加速度とを、情報として含んでいる。強度情報ITと加速度情報ACは、アナログデータの形態で提供されてもよいし、デジタルデータの形態で提供されてもよい。
【0058】
制御装置12の受付部121は、通信装置13の受信部132から強度情報ITと加速度情報ACを取得するインターフェースとして構成されている。強度情報ITと加速度情報ACがアナログデータの形態で提供される場合、受付部121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0059】
図7図8を参照しつつ、上記のように構成されたモバイル装置11と制御装置12の間で行なわれる処理の流れを説明する。図7は、制御装置12の処理部122により実行される処理の流れを例示している。図8は、モバイル装置11の処理部112により実行される処理の流れを例示している。
【0060】
図6に例示されるように、制御装置12の処理部122は、出力部123から送信制御信号TCを出力し、通信装置13の送信部131にトリガ信号TRを第一電波で送信させる(図7のSTEP31)。
【0061】
他方、図8に例示されるように、モバイル装置11の処理部112は、所定の周期(時間間隔)で受信部111によりトリガ信号TRが受信されたかを確認する(STEP41)。トリガ信号TRが受信されたと判断されるまで、当該判断が繰り返される(STEP41においてNO)。
【0062】
受信部111によりトリガ信号TRが受信されたと判断されると(STEP41においてYES)、処理部112は、送信部113から確認信号AKを第二電波で送信する(STEP42)。その後、処理はSTEP41に戻る。
【0063】
他方、制御装置12の処理部122は、通信装置13の受信部132により確認信号AKが受信されたかを判断する(図7のSTEP32)。具体的には、処理部122は、受付部121により強度情報ITと加速度情報ACが受け付けられたかを判断する。受付部121により強度情報ITと加速度情報ACが受け付けられていないと判断されると(STEP32においてNO)、処理はSTEP31に戻り、トリガ信号TRが送信される。すなわち、通信装置13により確認信号AKが受信されたと判断されるまで、STEP31とSTEP32の処理が繰り返される。
【0064】
通信装置13により確認信号AKが受信されたと判断されると(STEP32においてYES)、処理部122は、モバイル装置11により受信されたトリガ信号TRの電波強度が閾値以上であるかを判断する(STEP33)。トリガ信号TRの電波強度が閾値未満であると判断されると(STEP33においてNO)、処理はSTEP31に戻る。
【0065】
具体的には、処理部122は、受付部121を通じて取得された強度情報ITにより示される電波強度の値を、不図示の記憶部に記憶されている閾値と比較することにより、上記の判断を行なう。
【0066】
トリガ信号TRの電波強度が閾値以上であると判断されると(STEP33においてYES)、処理部122は、イグニッション電源31の動作制御を許可するための処理を開始する(STEP34)。具体的には、前述の認証処理が開始される。認証が成立すれば、イグニッション電源31の動作制御が許可される。
【0067】
前述のように、上記の閾値は、モバイル装置11が車室32内に位置する場合において受信部111に受信されうるトリガ信号TRの電波強度に対応している。すなわち、本例においては、モバイル装置11が車室32内に位置しているかの判定を、制御装置12が行なっている。本例においては、制御装置12は、位置判定装置の一例である。
【0068】
続いて、処理部122は、通信装置13の送信部131にトリガ信号TRを第一電波で送信させ(STEP35)、トリガ信号TRへの応答として確認信号AKが通信装置13により受信されたかを判断する(STEP36)。確認信号AKが通信装置13により受信されていないと判断されると(STEP36においてNO)、処理はSTEP35に戻る。確認信号AKが通信装置13により受信されたと判断されるまで、STEP35とSTEP36の処理が繰り返される。
【0069】
通信装置13により確認信号AKが受信されたと判断されると(STEP36においてYES)、処理部122は、受付部121を通じて取得された強度情報ITに基づいて、モバイル装置11により受信されたトリガ信号TRの電波強度が閾値未満であるかを判断する(STEP37)。
【0070】
トリガ信号TRの電波強度が閾値以上であると判断されると(STEP37においてNO)、処理はSTEP34に戻る。すなわち、処理部122は、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定して、イグニッション電源31の動作制御を許可する。
【0071】
トリガ信号TRの電波強度が閾値未満であると判断されると(STEP37においてYES)、処理部122は、受付部121を通じて取得された加速度情報ACに基づいて、モバイル装置11に加わる加速度が閾値未満であるかを判断する(STEP38)。
【0072】
本例においても、加速度に係る閾値は、モバイル装置11が実質的に静止状態であると判断されうる程度の値として定められる。したがって、STEP37とSTEP38においては、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定された後にモバイル装置11の動きに依ることなくトリガ信号TRの電波強度が低下したかの検出がなされている。
【0073】
モバイル装置11に加わる加速度が閾値未満であると判断されると(STEP38においてYES)、処理はSTEP34に戻る。すなわち、処理部122は、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定して、イグニッション電源31の動作制御を許可する。
【0074】
モバイル装置11に加わる加速度が閾値以上であると判断されると(STEP38においてNO)、処理はSTEP31に戻る。すなわち、処理部122は、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定することなく、確認信号AKの受信判断に戻る。結果として、制御装置12は、イグニッション電源31の動作制御を許可しない。
【0075】
本例に係る構成によっても、モバイル装置11により受信されるトリガ信号TRの電波強度の予期せぬ低下に起因するモバイル装置11の位置判定精度の低下を抑制できる。したがって、モバイル装置11が車室32内に位置しているかの判定に基づいてイグニッション電源31の動作を制御する遠隔制御システム10の利便性を高めることができる。
【0076】
図9は、遠隔制御システム10の別構成例を示している。本例においても、モバイル装置11の処理部112は、受信部111によりトリガ信号TRが受信されると、送信部113から確認信号AKを第二電波で送信するように構成されている。但し、確認信号AKは、上記の強度情報ITおよび加速度情報ACを含まない。本例においては、確認信号AKの通信装置13の受信部132における電波強度に基づいて、モバイル装置11が車室32内に位置しているかの判定がなされる。
【0077】
したがって、通信装置13の受信部132は、確認信号AKの電波強度に対応する強度情報ITを出力可能に構成されている。強度情報ITは、アナログデータの形態で提供されてもよいし、デジタルデータの形態で提供されてもよい。
【0078】
制御装置12の処理部122は、通信装置13の送信部131に要求信号RQを第一電波で送信させる送信制御信号TCを、出力部123から出力可能に構成されている。要求信号RQは、モバイル装置11に加速度情報ACの提供を要求するように構成される。
【0079】
モバイル装置11の処理部112は、受信部111により要求信号RQが受信されると、送信部113から加速度情報ACを第二電波で送信するように構成されている。加速度情報ACは、通信装置13の受信部132により受信される。加速度情報ACは、アナログデータの形態で提供されてもよいし、デジタルデータの形態で提供されてもよい。
【0080】
制御装置12の受付部121は、通信装置13の受信部132から強度情報ITと加速度情報ACを取得するインターフェースとして構成されている。強度情報ITと加速度情報ACがアナログデータの形態で提供される場合、受付部121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0081】
図10図11を参照しつつ、上記のように構成されたモバイル装置11と制御装置12の間で行なわれる処理の流れを説明する。図10は、制御装置12の処理部122により実行される処理の流れを例示している。図11は、モバイル装置11の処理部112により実行される処理の流れを例示している。
【0082】
図9に例示されるように、制御装置12の処理部122は、出力部123から送信制御信号TCを出力し、通信装置13の送信部131にトリガ信号TRを第一電波で送信させる(図10のSTEP50)。
【0083】
他方、図11に例示されるように、モバイル装置11の処理部112は、所定の周期(時間間隔)で受信部111によりトリガ信号TRが受信されたかを確認する(STEP61)。トリガ信号TRが受信されたと判断されるまで、当該判断が繰り返される(STEP61においてNO)。
【0084】
受信部111によりトリガ信号TRが受信されたと判断されると(STEP61においてYES)、処理部112は、送信部113から確認信号AKを第二電波で送信する(STEP62)。
【0085】
他方、制御装置12の処理部122は、通信装置13の受信部132により確認信号AKが受信されたかを判断する(図10のSTEP51)。具体的には、処理部122は、受付部121により強度情報ITが受け付けられたかを判断する。受付部121により強度情報ITが受け付けられていないと判断されると(STEP51においてNO)、処理はSTEP50に戻り、トリガ信号TRが送信される。すなわち、通信装置13により確認信号AKが受信されたと判断されるまで、STEP50とSTEP51の処理が繰り返される。
【0086】
通信装置13により確認信号AKが受信されたと判断されると(STEP51においてYES)、処理部122は、通信装置13により受信された確認信号AKの電波強度が閾値以上であるかを判断する(STEP52)。当該閾値は、モバイル装置11が車室32内に位置する場合において通信装置13の受信部132に受信されうる確認信号AKの電波強度に対応している。すなわち、本例においては、モバイル装置11が車室32内に位置しているかの判定を、制御装置12が行なっている。本例においては、制御装置12は、位置判定装置の一例である。
【0087】
具体的には、処理部122は、受付部121を通じて取得された強度情報ITにより示される電波強度の値を、不図示の記憶部に記憶されている閾値と比較することにより、上記の判断を行なう。
【0088】
確認信号AKの電波強度が閾値未満であると判断されると(STEP52においてNO)、処理はSTEP50に戻る。確認信号AKの電波強度が閾値以上であると判断されると(STEP52においてYES)、処理部122は、イグニッション電源31の動作制御を許可するための処理を開始する(STEP53)。具体的には、前述の認証処理が開始される。認証が成立すれば、イグニッション電源31の動作制御が許可される。
【0089】
続いて、処理部122は、出力部123から送信制御信号TCを出力し、通信装置13の送信部131にトリガ信号TRを第一電波で送信させ(STEP54)、トリガ信号TRへの応答として確認信号AKが通信装置13により受信されたかを判断する(STEP55)。確認信号AKが通信装置13により受信されていないと判断されると(STEP55においてNO)、処理はSTEP54に戻る。確認信号AKが通信装置13により受信されたと判断されるまで、STEP54とSTEP55の処理が繰り返される。
【0090】
通信装置13により確認信号AKが受信されたと判断されると(STEP55においてYES)、処理部122は、受付部121を通じて取得された強度情報ITに基づいて、通信装置13により受信された確認信号AKの電波強度が閾値未満であるかを判断する(STEP56)。
【0091】
確認信号AKの電波強度が閾値以上であると判断されると(STEP56においてNO)、処理はSTEP53に戻る。すなわち、処理部122は、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定して、イグニッション電源31の動作制御を許可する。
【0092】
確認信号AKの電波強度が閾値未満であると判断されると(STEP56においてYES)、処理部122は、通信装置13の送信部131に要求信号RQを第一電波で送信させる(STEP57)。
【0093】
他方、モバイル装置11の処理部112は、確認信号AKの送信後に受信部111により要求信号RQが受信されたかを判断する(図11のSTEP63)。受信部111により要求信号RQが受信されていないと判断されると(STEP63においてNO)、処理はSTEP61に戻る。
【0094】
受信部111により要求信号RQが受信されたと判断されると(STEP63においてYES)、処理部112は、送信部113から加速度情報ACを第二電波で送信する(STEP64)。その後、処理はSTEP61に戻る。
【0095】
他方、制御装置12の処理部122は、要求信号RQへの応答として加速度情報ACが通信装置13により受信されたかを判断する(STEP58)。通信装置13により加速度情報ACが受信されたと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP58においてNO)。
【0096】
通信装置13により加速度情報ACが受信されたと判断されると(STEP58においてYES)、処理部122は、加速度情報ACに基づいて、モバイル装置11に加わる加速度が閾値未満であるかを判断する(STEP59)。
【0097】
本例においても、加速度に係る閾値は、モバイル装置11が実質的に静止状態であると判断されうる程度の値として定められる。したがって、STEP56とSTEP59においては、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定された後にモバイル装置11の動きに依ることなくトリガ信号TRの電波強度が低下したかの検出がなされている。
【0098】
モバイル装置11に加わる加速度が閾値未満であると判断されると(STEP59においてYES)、処理はSTEP53に戻る。すなわち、処理部122は、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定して、イグニッション電源31の動作制御を許可する。
【0099】
モバイル装置11に加わる加速度が閾値以上であると判断されると(STEP59においてNO)、処理はSTEP50に戻る。すなわち、処理部122は、モバイル装置11が車室32内に位置していると判定することなく、確認信号AKの受信判断に戻る。結果として、制御装置12は、イグニッション電源31の動作制御を許可しない。
【0100】
図5を参照して説明した例は、本例に係る構成にも適用可能である。すなわち、モバイル装置11から送信された確認信号AKの進行が障害物などによって阻害されることにより、通信装置13により受信される確認信号AKの電波強度が予期せず低下することがありうる。
【0101】
本例に係る構成によれば、そのような状況がモバイル装置11の動きに起因するものでないと判断されれば、モバイル装置11が車室32内に位置しているとの判定結果が維持される。これにより、通信装置13により受信される確認信号AKの電波強度の予期せぬ低下に起因するモバイル装置11の位置判定精度の低下を抑制できる。したがって、モバイル装置11が車室32内に位置しているかの判定に基づいてイグニッション電源31の動作を制御する遠隔制御システム10の利便性を高めることができる。
【0102】
これまで説明した様々な機能を有するモバイル装置11の処理部112は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、上述した処理を実行するコンピュータプログラムが記憶されうる。ROMは、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。上記のコンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、図1に例示される無線通信ネットワーク40を介して外部サーバ装置50からダウンロードされた後、汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、外部サーバ装置50は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0103】
処理部112は、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの上記のコンピュータプログラムを実行可能な専用集積回路によって実現されてもよい。この場合、当該専用集積回路に含まれる記憶素子に上記のコンピュータプログラムがプリインストールされる。当該記憶素子は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。各プロセッサは、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによっても実現されうる。
【0104】
これまで説明した様々な機能を有する制御装置12の処理部122は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、上述した処理を実行するコンピュータプログラムが記憶されうる。ROMは、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。上記のコンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、図1に例示される無線通信ネットワーク40を介して外部サーバ装置50からダウンロードされた後、汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、外部サーバ装置50は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0105】
処理部122は、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの上記のコンピュータプログラムを実行可能な専用集積回路によって実現されてもよい。この場合、当該専用集積回路に含まれる記憶素子に上記のコンピュータプログラムがプリインストールされる。当該記憶素子は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。各プロセッサは、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによっても実現されうる。
【0106】
上記の各実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の各実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0107】
上記の実施形態においては、加速度センサ114を用いてモバイル装置11の動きが検出されている。しかしながら、モバイル装置11がGPS機能を備えている場合、当該機能を用いて動きが検出されてもよい。その場合、上記の加速度情報ACに代えて、GPS機能により取得される位置情報が各種処理の対象とされる。
【0108】
上記の各実施形態においては、制御装置12は、車両30に搭載されている。このような構成によれば、モバイル装置11との短距離無線通信において生じうる通信遅延を抑制しやすい。
【0109】
しかしながら、制御装置12の処理部122により行なわれる処理の少なくとも一部は、無線通信ネットワーク40を介してモバイル装置11と通信可能な外部サーバ装置50において行なわれうる。
【0110】
位置判定の結果として制御装置12により制御される被制御装置は、イグニッション電源31に限られない。他の被制御装置の例としては、車両30に搭載された施解錠装置、空調装置、音響映像機器、照明装置、シートやステアリングホイールの位置調節機構などが挙げられる。
【0111】
遠隔制御システム10は、車両30以外の移動体にも適用されうる。他の移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。
【0112】
モバイル装置11の位置判定の基準となる所定の領域は、移動体の内部空間に限られない。住宅や施設において被制御装置の制御と関連付けられて定められる適宜の領域が、所定の領域の一例となりうる。すなわち、通信装置13は、移動体に搭載されることを要しない。
【符号の説明】
【0113】
10:遠隔制御システム、11:モバイル装置、112:処理部、114:加速度センサ、12:制御装置、121:受付部、122:処理部、13:通信装置、20:人物、30:車両、31:イグニッション電源、32:車室、AC:加速度情報、AK:確認信号、TR:トリガ信号、IT:強度情報
図1
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図5
図6
図7
図8
図9
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