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特開2022-173785情報管理システム、情報管理方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173785
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】情報管理システム、情報管理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221115BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20221115BHJP
【FI】
G06Q30/02 350
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079699
(22)【出願日】2021-05-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和2年9月10日に掲載されたウェブサイト https://www.asahibeer.co.jp/news/2020/0910.html (2)令和2年9月10日に掲載されたウェブサイト https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/09/jn200910-1/jn200910-1.html https://www.tennoz-rim.tokyo/#/news_200928 (3)令和2年9月14日~10月30日にされた実証実験を紹介したウェブサイト
(71)【出願人】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122297
【弁理士】
【氏名又は名称】西下 正石
(72)【発明者】
【氏名】古原 徹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】容器の再利用を促進するとともに、サービスを向上させる。
【解決手段】情報管理システムは、一意に付与された識別情報が視認可能に印刷され、再利用が可能な容器に印刷される識別情報を読み取る読み取り手段と、 読み取り手段により読み取った識別情報を、容器に飲食物を充填して提供した履歴情報と関連付けて、情報管理装置に送信する第1送信処理手段とを備える提供者端末と、識別情報毎に、提供者端末から受信した履歴情報を関連付け、履歴データとして管理する管理手段と、履歴データの履歴情報を用いて、識別情報毎のポイント値を演算する演算手段と、演算手段で求められたポイント値を、リクエストに応じて提供者端末に送信する第2送信処理手段とを備える情報管理装置とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる顧客に利用される複数の飲食物用の容器と、当該容器に飲食物を充填して顧客に提供する提供者が利用する提供者端末と、当該提供者端末との間でデータ通信可能な情報管理装置とが接続される、情報管理システムであって、
前記容器は、当該容器に一意に付与された識別情報が視認可能に印刷され、再利用が可能な容器であり、
前記提供者端末は、
前記容器に印刷される識別情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取った識別情報を、前記容器に飲食物を充填して提供した履歴情報と関連付けて、前記情報管理装置に送信する第1送信処理手段と、を備え、
前記情報管理装置は、
前記識別情報毎に、前記提供者端末から受信した前記履歴情報を関連付け、履歴データとして管理する管理手段と、
前記履歴データの履歴情報を用いて、前記識別情報毎のポイント値を演算する演算手段と、
前記演算手段で求められたポイント値を、接続される表示装置に送信して表示させる第2送信処理手段と、
を備える情報管理システム。
【請求項2】
前記演算手段は、前記履歴データを用いて、前記識別情報が付与される容器を使用した合計の回数を演算し、
前記第2送信処理手段は、前記回数を、接続される表示装置に送信して表示させる
請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記演算手段は、前記履歴データを用いて、選択された識別番号が付与される容器を使用した合計の回数を演算し、
前記第2送信処理手段は、前記合計の回数を、接続される表示装置に送信して表示させる
請求項1又は2に記載の情報管理システム。
【請求項4】
前記情報管理装置は、前記提供者端末を利用する提供者によって提供可能な飲食物のリストである飲食物データと、前記履歴データとを用いて、前記識別情報で識別される容器を利用する顧客にリコメンドする飲食物を選択する選択手段をさらに備え、
前記第2送信処理手段は、前記選択手段で選択された飲食物のリコメンドに関するリコメンドデータを、接続される表示装置に送信して表示させる
請求項1乃至3のいずれか1に記載の情報管理システム。
【請求項5】
前記容器は、アルコール飲料用の容器であって、
前記履歴データは、前記提供者による前記容器を用いたアルコール飲料の提供日時に関する情報を含み、
前記演算手段は、前記履歴データを用いて、前記顧客が所定期間内に摂取したアルコール量を演算し、
前記第2送信処理手段は、前記演算手段で求められたアルコール量に応じた表示データを、接続される表示装置に送信して表示させる
請求項1乃至3のいずれか1に記載の情報システム。
【請求項6】
前記容器は、当該容器の底面部分に、裁置面と接触する接触面と、裁置面から離れる非接触面とを有し、当該非接触面に前記識別情報が印刷される
請求項1乃至5のいずれか1に記載の情報管理システム。
【請求項7】
それぞれ異なる顧客に利用される複数の飲食物用の容器と、当該容器に飲食物を充填して顧客に提供する提供者が利用する提供者端末と、当該提供者端末との間でデータ通信可能な情報管理装置とが接続される、情報管理システムで用いられる情報管理方法であって、
提供者端末において、一意に付与された識別情報が視認可能に印刷され、再利用が可能な前記容器に印刷される識別情報を読み取るステップと、
提供者端末において、読み取った前記識別情報を、前記容器に飲食物を充填して提供した履歴情報と関連付けて、前記情報管理装置に送信するステップと、
前記情報管理装置において、前記識別情報毎に、前記提供者端末から受信した前記履歴情報を関連付け、履歴データとして管理するステップと、
前記情報管理装置において、前記履歴データの履歴情報を用いて、前記識別情報毎のポイント値を演算するステップと、
前記情報管理装置において、求められたポイント値を、接続される表示装置に送信するステップと、
を含む情報管理方法。
【請求項8】
一意に付与された識別情報が視認可能に印刷され、再利用が可能な飲食物用の容器に飲食物を充填して顧客に提供する提供者が利用する提供者端末と接続される情報管理装置において用いられる情報管理プログラムであって、
情報管理装置に、
前記提供者端末から、当該提供者端末で読み取られた前記容器に印刷される識別情報と、前記容器に飲食物を充填して提供した履歴情報と関連付けたデータを受信するステップと、
前記識別情報毎に、前記提供者端末から受信した前記履歴情報を関連付け、履歴データとして管理するステップと、
前記履歴データの履歴情報を用いて、前記識別情報毎のポイント値を演算するステップと、
求められたポイント値を、接続される表示装置に送信するステップと、
を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、再利用が可能な飲食物用の容器に飲食物を充填して顧客への提供で利用する情報管理システム、情報管理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
環境と経済とが両立した社会を形成するため、従来から、3R(スリーアール)政策が促進されている。特に近年では、各企業・団体・組織等において、SDGs(持続可能な開発目標)に基づいた取り組みが進められている。例えば、各個人が容易に実現できる方法として、マイボトルやマイタンブラー等の飲料用容器の再利用がある。例えば、特許文献1では、ICチップ付き容器を再利用する技術が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-21594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲料用容器を使い捨てすることなく、再利用をすることにより廃棄物を削減できるという利点があるものの、飲料用容器の持ち運びに手間を要したり、忘れたりすることが原因で十分に普及できていない場合もある。本発明においては、このような飲料用容器を含む飲食物用の容器の再利用を促進するとともに、容器の利用者へのサービスを向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の情報管理システムは、それぞれ異なる顧客に利用される複数の飲食物用の容器と、当該容器に飲食物を充填して顧客に提供する提供者が利用する提供者端末と、当該提供者端末との間でデータ通信可能な情報管理装置とが接続される、情報管理システムであって、容器は、当該容器に一意に付与された識別情報が視認可能に印刷され、再利用が可能な容器であり、提供者端末は、容器に印刷される識別情報を読み取る読み取り手段と、読み取り手段により読み取った識別情報を、容器に飲食物を充填して提供した履歴情報と関連付けて、情報管理装置に送信する第1送信処理手段と、を備え、情報管理装置は、識別情報毎に、提供者端末から受信した履歴情報を関連付け、履歴データとして管理する管理手段と、履歴データの履歴情報を用いて、識別情報毎のポイント値を演算する演算手段と、演算手段で求められたポイント値を、リクエストに応じて提供者端末に送信する第2送信処理手段と、を備える。
【0006】
これにより、飲食物用の容器の再利用を促進するとともに、容器の利用者へのサービスを向上させることができる。
【0007】
これらの概括的かつ特定の態様は、システム、方法、及びコンピュータプログラム、並びに、それらの組み合わせにより、実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の情報管理システム、情報管理方法、及びコンピュータプログラムは、再利用が可能な飲食物用の容器に飲食物を充填して顧客へ提供する際に、容器の再利用を促進するとともに、サービスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る情報管理システムの構成を示す概略図である。
図2】情報管理システムが含む提供者端末の構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る情報管理システムの構成を示すブロック図である。
図4図2の情報管理装置で利用する履歴データの一例である。
図5】情報管理システムが含む顧客端末の構成を示すブロック図である。
図6】情報管理システムが含む容器の斜視図である。
図7】情報管理システムにおける処理を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して実施形態に係る情報管理システム、情報管理方法、及びコンピュータプログラムについて説明する。本開示の情報管理システム、情報管理方法、及びコンピュータプログラムは、再利用が可能な飲食物用の容器に飲食物を充填して顧客へ提供する際に、再利用を促進してサービスを向上させる。以下の説明において、情報管理方法は、「飲食物」のうち「飲料」の提供において利用される場合を例として説明する。また、以下の説明では、同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
《情報管理システム》
図1に示すように、実施形態に係る情報管理システム1は、飲料を提供する提供者が利用する提供者端末10A乃至10Cと、飲料の提供を受ける顧客Cが利用する顧客端末20と、提供者端末10A乃至10Cとの間でネットワーク50を介して相互にデータ通信が可能な情報管理装置40とを備える。顧客Cは、顧客端末20の他、飲料用の容器30を保有する。顧客端末20は、ネットワーク50を介してそれぞれ情報管理装置40と相互にデータを送受信することができる。また、飲料用の容器30は、容器30に一意に付与された識別情報が視認可能に印刷される。
【0012】
なお、図1においては、情報管理システム1は、提供者端末10A乃至10Cを含むが、例えば、各提供者端末10A乃至10Cは、同一の店舗において利用されてもよいし、異なる店舗において利用されてもよい。また、図1に示す提供者端末10A乃至10Cの数は、3台であるが、情報管理システム1で利用する提供者端末の数は限定されない。
【0013】
図1においては、情報管理システム1が含む顧客端末20の数は1台であるが、これに限定されない。具体的には、情報管理システム1は、複数の顧客Cがそれぞれ保有する複数の顧客端末20を含むことができる。また、図1においては、1人の顧客Cが1台の顧客端末20及び1個の容器30を有する例を示すが、各容器30が一意に付与された識別情報と関連付けられていれば、1人の顧客Cが有する容器30の数は限定されない。
【0014】
《提供者端末》
提供者端末10Aは、例えば、顧客Cの容器30に飲料を充填して提供する店舗の店員が利用するキャッシュレジスター又は携帯型のタブレット端末等の情報処理装置である。図2に示すように、提供者端末10Aは、演算装置11、記憶装置12、通信装置13、入力装置14及び出力装置15等を備える。
【0015】
演算装置11は、提供者端末10A全体の制御を司るコントローラである。例えば、演算装置11は、記憶装置12に記憶されるコンピュータプログラム(図示せず)を読み出して実行することにより、読み取り手段111、第1送信処理手段112、記録手段113としての処理を実現する。また、演算装置11は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。すなわち、演算装置11は、CPU、MPU、GPU、FPGA、DSP、ASIC等、種々のプロセッサで実現することができる。
【0016】
記憶装置12は種々の情報を記録する記録媒体である。記憶装置12は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶装置12には、演算装置11が実行するプログラムの他、学習及び予測のために使用する種々のデータ等が格納される。
【0017】
通信装置13は、外部の装置(図示せず)とのデータ通信を可能とするためのインタフェース回路(モジュール)である。
【0018】
入力装置14は、操作信号やデータの入力に利用される操作ボタン等の入力手段である。また、入力装置14は、読み取り手段111により、顧客Cの容器30に付される識別情報を読み取るカメラやバーコードリーダー等の入力手段である。
【0019】
出力装置15は、処理結果やデータの出力等に利用されるディスプレイやスピーカ等の出力手段である。
【0020】
読み取り手段111は、入力装置14を利用して、容器30に印刷される識別情報を読み取る。例えば、読み取り手段111は、顧客Cによる飲料の購入時、提供者に操作される入力装置14を介して、容器30に記載される識別情報を読み取る。
【0021】
第1送信処理手段112は、読み取り手段111により読み取った識別情報を、容器30に飲料を充填して提供した履歴情報と関連付けて、通信装置13を介して情報管理装置40に送信する。容器30に飲料を提供した履歴情報とは、例えば、飲料を提供した日時、提供した飲料の種別、量、価格等を含む情報である。したがって、提供者端末10Aは、店舗において容器30を利用する顧客Cに飲料を提供した場合、その顧客Cがどのような飲料を購入したかの履歴情報を情報管理装置40に提供することができる。
【0022】
記録手段113は、販売の売り上げ実績に関するPOSデータを記録する。具体的には、記録手段113は、飲料の販売の記録を記憶装置12にPOSデータとして記憶させ、定期的なタイミングや、リクエストされた所定のタイミングで情報管理装置40に送信することができる。
【0023】
提供者端末10Aが利用される店舗は、顧客Cの容器30に飲料を充填して提供をすることができれば、どのような形態であってもよい。例えば、顧客Cが店舗において提供された飲料を飲むことができるスペースは、店舗内にあってもよいし、なくてもよい。また、店舗では、顧客Cの容器30に充填する飲料以外の飲食物等が提供されてもよい。
【0024】
ここで、提供者端末10Aは、1台の情報処理装置により実現されてもよいし、ネットワークを介して接続される複数台の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0025】
《プリンタ》
例えば、提供者端末10Aを利用する店舗に設置されるプリンタを利用して、容器30に識別情報を付与してもよい。例えば、識別情報は、一次元バーコード又は二次元バーコードとして容器30に印刷することができる。したがって、これにより、店舗では、容易に容器30に識別情報を付与して顧客Cに販売することができる。また、例えば、容器30が破損して顧客Cが新たな容器30を購入しようとする場合、顧客は店舗に破損した容器30を持参する。そして、店舗では、新たな容器30に破損した容器30に印刷されていた識別情報を再度印刷して販売するようにしてもよい。これにより、同一の識別情報が引き継がれるため、過去の履歴データ422を容易に引き継ぐことが可能となる。
【0026】
このとき、例えば、一次元バーコードと二次元バーコードとを比較すると、二次元バーコードの方が、小さい印刷面積内に多くの情報を含むことができる。したがって、二次元バーコードを利用することで、小さな印刷面内に識別情報を印刷することができる。これにより、例えば、独自の読み取り機能を有する提供者端末10Aを必要とせず、スマートフォン等の汎用的な情報処理装置を提供者端末10Aとして使用することが可能となる。
【0027】
ここで、各容器30に付される識別情報は、容器30毎に付与された番号である。したがって、印刷方式は、印刷板を使用しない手法を用いることが好ましい。例えば、レーザー印刷、インクジェット印刷、レーザー刻印等の手法を利用することができる。例えば、インクジェット印刷の場合、多様な素材の容器30に対応することができる。また、レーザー刻印の場合、熱加工が可能な素材の容器30に限定されるが、消えにくい特徴がある。
【0028】
《情報管理装置》
情報管理装置40は、複数の提供者端末10A乃至10Cから送信された履歴情報を管理するサーバ装置等の情報処理装置である。図3に示すように、情報管理装置40は、演算装置41、記憶装置42、通信装置43、入力装置44及び出力装置45等を備える。演算装置41乃至出力装置45については、演算装置11乃至出力装置15と同一又は類似の構成であるため、説明を省略する。
【0029】
記憶装置42は、データの送信元の照合に利用する照合データ421と、提供者端末10A乃至10Cから送信された履歴情報により生成された履歴データ422とを記憶する。例えば、演算装置41は、記憶装置42に記憶されるコンピュータプログラム(図示せず)を読み出して実行することにより、照合手段411、管理手段412、演算手段413、第2送信処理手段414及び選択手段415としての処理を実現する。
【0030】
照合データ421は、例えば、情報管理システム1を利用可能な装置の識別情報を含むデータである。例えば、照合データ421は、提供者端末10A乃至10Cの照合に利用する識別情報を含む。また例えば、照合データ421は、情報管理システム1に登録される容器30の識別情報を含む。その他、照合データ421は、情報管理システム1に登録される顧客端末20の識別情報を含んでもよい。
【0031】
履歴データ422は、提供者端末10A乃至10Cから取得した履歴情報を蓄積したデータである。例えば、履歴データ422は、図4に一例を示すように、容器の識別情報(30A,30B,30C,30D…)毎に、各顧客の飲料の購入の履歴を関連付ける。
【0032】
POSデータ423は、提供者端末10A乃至10Cから取得した各店舗の販売の売り上げ実績の記録に関するデータである。例えば、各店舗が、飲料以外も販売する場合、飲料以外の売り上げ実績の記録を含んでもよい。
【0033】
照合手段411は、ネットワーク50を介してデータを受信すると、受信したデータの送信元が記憶装置42で記憶される照合データ421に含まれるか否かを照合する。また、照合手段411は、ネットワーク50を介して受信したデータに容器30の識別情報を含むとき、この識別情報が照合データに含まれるか否かを照合する。照合手段411における照合結果に応じて、その後の処理の実行の可否を決定する。すなわち、照合した情報が照合データ421に含む照合結果のときにはその後の処理に進むが、照合した情報が照合データに含まない場合、エラーとして再度の照合等を実行する。
【0034】
管理手段412は、識別情報毎に、提供者端末10A乃至10Cから受信した履歴情報を顧客の識別情報毎に関連付け、記憶装置42に記憶させて履歴データ422として管理する。また、管理手段412は、提供者端末10A乃至10Cから受信したPOSデータを、提供者端末10A乃至10Cの識別情報と関連付けて記憶装置42に記憶させる。
【0035】
演算手段413は、ポイント演算のリクエストに応じて、履歴データ422の履歴情報を用いて、識別情報毎のポイント値を演算する。例えば、ポイント演算のリクエストは、演算対象となる容器30に付与された識別情報を含む。
【0036】
演算手段413は、利用回数演算のリクエストに応じて、履歴データ422を用いて、識別情報が付与される容器を使用した合計の回数を演算する。例えば、利用回数演算のリクエストも、演算対象となる容器30に付与された識別情報を含む。
【0037】
例えば、ポイント演算のリクエスト及び利用回数演算のリクエストは、管理手段412が演算手段413に出力してもよい。この場合、管理手段412は、演算手段413による演算結果を含む履歴データ422を記憶装置42に記憶させることができる。
【0038】
演算手段413は、アルコール摂取量演算のリクエストに応じて、履歴データ422を用いて、識別情報が付与される容器30を保有する顧客Cに所定期間内に摂取したアルコール量を演算する。例えば、アルコール摂取量演算のリクエストも、演算対象となる容器30に付与された識別情報を含む。
【0039】
例えば、アルコール摂取量演算のリクエストは、顧客Cが容器30を持参したアルコール飲料の購入時において、提供者端末10Aから送信されてもよい。これにより、新たにアルコール飲料を購入しようとする顧客Cが直前の所定期間内に所定量以上のアルコール飲料を摂取している場合、アルコール飲料の飲み過ぎ防止のためのアラートを、飲料の提供者の提供者端末10Aに通知することが可能となる。その他、アルコール摂取量演算のリクエストは、情報管理装置40内部で定期的等の所定のタイミングで発生し、この所定のタイミングで各容器30を有する顧客Cのアルコール飲料の摂取量を演算するようにしてもよい。この場合、アルコール飲料を直前の所定の期間内に所定量以上摂取した各顧客Cの顧客端末20に対し、アルコール飲料の飲み過ぎ防止のためのアラートを通知することが可能となる。アラートとしては、例えば、アルコール飲料の摂取量が多い旨の通知であってもよいし、アルコール飲料の摂取量が多いため、アルコール無しの飲料の摂取をリコメンドする通知であってもよい。
【0040】
選択手段415は、リコメンドのリクエストに応じて、提供者端末10Aを利用する提供者によって提供可能な飲食物のリストである飲食物データ(図示せず)と、履歴データ422とを用いて、識別情報で識別される容器30と対応付けられる顧客端末20を保有する顧客Cにリコメンドする飲料を選択する。
【0041】
具体的には、選択手段415は、過去に顧客が購入回数の多い飲料と類似の飲料が新発売となった場合、その新たな飲料を選択することができる。また、選択手段415は、演算手段413において、直前の所定期間内に顧客Cが摂取したアルコール量が所定量を超えた場合、アルコール以外の飲料を選択することができる。
【0042】
例えば、リコメンドのリクエストは、顧客Cが容器30を持参した飲料の購入時において、提供者端末10Aから送信されてもよい。これにより、新たに飲料を購入しようとする顧客に対し、飲料の提供者は、提供者端末10Aで表示されるデータを参考にしてリコメンド対象となる飲料を提案することができる。また、リコメンドのリクエストは、顧客端末20から送信されてもよい。これにより、顧客Cは、自らリコメンドを要求することができる。また、リコメンドのリクエストは、情報管理装置40内部で新たな飲料が発売された場合や季節の変わり目等の所定のタイミングで発生し、この所定のタイミングで対応する顧客Cの顧客端末20にリコメンドされるようにしてもよい。
【0043】
第2送信処理手段414は、演算手段413で求められた値を、通信装置43を介して、リクエストの送信元である装置に送信することができる。また、選択手段415により選択された飲料を含むリコメンドデータを、通信装置43を介して、リクエスト元等の対象の装置に送信する。第2送信処理手段414により送信されたデータは、送信先の出力装置である表示手段に表示される。例えば、提供者端末10Aがリクエストの送信元である場合、第2送信処理手段414は、提供者端末10Aにリクエストを送信する。また、顧客端末20がリクエストの送信元である場合、第2送信処理手段414は、顧客端末20にリクエストを送信する。さらに、リクエストが情報管理装置40内部で発生した場合、例えば、対象の顧客Cの顧客端末20に送信される。
【0044】
《顧客端末》
顧客端末20は、顧客Cが保有し、必要に応じて情報管理装置40にアクセスして情報を参照することが可能なスマートフォンやタブレット端末等の情報処理装置である。図5に示すように、顧客端末20は、演算装置21、記憶装置22、通信装置23、入力装置24及び出力装置25等を備える。演算装置21乃至出力装置25については、演算装置11乃至出力装置15と同一又は類似の構成であるため、説明を省略する。
【0045】
顧客端末20は、情報管理システム1に対応するアプリケーションプログラム(図示せず)を記憶装置22に記憶し、演算装置21において実行することにより、情報管理装置40との間でデータ通信することより、顧客情報の登録やリコメンドの受信等の処理を実行することができる。
【0046】
《容器》
容器30は、飲料を充填可能に形成され、この容器30に一意に付与された識別情報が視認可能に印刷される。また、容器30は、再利用が可能である。顧客Cは、店舗において容器30の中身が空の状態で飲料を注文すると、注文した飲料が充填された容器30を受け取ることができる。したがって、顧客Cは、この容器を繰り返して使用することができる。たとえば、容器30の利用は同日内に限られず、日を跨いで使用することもできる。容器30は、上述したように、情報管理装置40において、一意に付与された識別情報により、注文の履歴等が管理されている。
【0047】
例えば、図6に示すように、容器30は、容器30の底面部分31に、テーブル等の裁置面と接触する接触面32と、裁置面から離れる非接触面33とを有する。そして、この非接触面33に識別情報34が印刷される。このような平坦な底面部分31に印刷することにより、印刷による失敗を防止することができる。具体的には、一般的には、容器30の側面部分はカーブ形状を形成している。したがって、側面部分ではなく、平坦な部分に識別情報を印刷することで、印刷による失敗を防止することができる。また、容器30の底面が平坦であり、この平坦な底面に識別情報が印刷される場合、繰り返して容器30を使用することで、テーブル等の裁置面との接触により、擦れて識別情報の一部又は全部が消え、読み取りされにくくなったり、読み取りできなくなったりする恐れがある。そのため、図6に示すように、裁置面と接触することのない非接触面33において印字することで、容器30に印刷された識別情報が消えて視認できなくなることを防止することができる。
【0048】
なお、図示を用いた説明は省略するが、容器30の側面部分に、識別情報を印刷するための平坦な印刷領域を設けてもよい。この場合、この印刷領域は、顧客Cが保持する際に顧客の指との接触によって、消えないような位置に印刷領域を設けることが好ましい。
【0049】
また、容器30の素材は限定されないが、透過率の低い素材であることが好ましい。好ましくは、容器30は、不透明な素材で形成されることが好ましい。例えば、容器30が透過率の高い素材である場合、識別情報の読み取りがされにくいためである。
【0050】
上述したように、実施形態に係る情報管理システム1によれば、容器30に付与された識別情報に飲料の購入履歴が関連付けられる。これにより、飲料の購入履歴を管理することができるのに加え、容器30の繰り返し利用回数も管理することができる。提供者は、提供者端末10Aを介して情報管理装置40にアクセスすることで、顧客Cの購入履歴を把握できるため、顧客Cに適切なリコメンドが可能となり、サービスの向上を図ることができる。顧客端末20を介して情報管理装置40にアクセスすることで、顧客Cも購入履歴及び容器30の利用回数を把握できるため、容器30の繰り返し利用の促進を図ることができる。
【0051】
《情報管理方法》
図7に示すシーケンス図を用いて、実施形態に係る情報管理システム1における処理の一例を示す。なお、図7のシーケンス図において、説明の簡易化のため1台の提供者端末10A及び1台の顧客端末20のみ示すが、上述したよう、情報管理システム1では、複数台の提供者端末10A及び複数台の顧客端末20を含むことができる。また、図7のシーケンス図においては、サービス端末60を追加した。このサービス端末60は、例えば、各提供者端末10Aに飲料を納品する納品者が利用する端末である。
【0052】
ここでは、顧客Cが既に容器30を購入済みであり、この容器30を持参して店舗で飲料を注文する例で説明する。また、既に顧客Cに購入された容器30及び顧客端末20等の情報について、照合データ421として情報管理装置40で登録されているものとして説明する。
【0053】
(飲料の購入時)
まず、提供者端末10Aは、飲料を購入する顧客Cの容器30から識別情報を読み取る(S01)。また、提供者端末10Aは、読み取った識別情報を含む飲料の履歴情報を情報管理装置40に送信する(S02)。
【0054】
情報管理装置40は、照合データ421を用いて、ステップS02で送信された履歴情報を照合する(S03)。具体的には、情報管理装置40は、照合データ421が、提供者端末10Aの識別情報、及び、ステップS01で読み取った容器30の識別情報を含むか否かを照合する。ステップS03における照合で、照合データ421が識別情報を含む場合、情報管理装置40は、ステップS02で送信された履歴情報を履歴データ422に記録する(S04)。なお、履歴データ422とともに、POSデータ423も情報管理装置40に送信され、情報管理装置40は、POSデータ423も記憶装置42に記憶させる。
【0055】
(顧客による履歴確認時)
また、顧客Cが自身の容器30の使用履歴の確認を希望する場合、顧客端末20において、容器30の識別情報やパスワード等のログインデータの入力等のログイン作業を実行する(S11)。また、顧客端末20は、ステップS11で入力されたログインデータを情報管理装置40に送信する(S12)。
【0056】
情報管理装置40は、照合データ421を用いて、ステップS12で送信された識別情報を照合する(S13)。具体的には、情報管理装置40は、照合データ421が、顧客端末20の識別情報及び、ステップS11で入力された容器30の識別情報を含むか否かを照合する。
【0057】
ステップS13における照合で、照合データ421が識別情報を含む場合、情報管理装置40は、履歴データ422を用いて、各値を演算する(S14)。なお、ここでは、ログインデータと共に、各値の演算のリクエストを含むものとする。したがって、情報管理装置40は、履歴データ422からステップS11で入力された容器30の識別情報と関連付けられるデータを抽出し、ポイント値、利用回数、アルコール摂取量等の値を演算する。その後、情報管理装置40は、ステップS14で演算した値を含む提示データを生成し、顧客端末20に送信する(S16)。
【0058】
顧客端末20は、ステップS15で送信された提示データを出力装置25に表示する(S16)。これにより、顧客Cは、自信の容器30の使用の履歴等の情報を確認することができる。また、容器30の使用履歴を確認可能とすることで、容器30の再利用の促進を図ることができる。
【0059】
(納入者による確認時)
また、各店舗への飲料の納入者が各店舗への飲料の販売状況を希望する場合、サービス端末60において、納入者の識別情報やパスワード等のログインデータの入力等のログイン作業を実行する(S21)。また、サービス端末60は、ステップS21で入力されたログインデータを情報管理装置40に送信する(S22)。
【0060】
情報管理装置40は、照合データ421を用いて、ステップS22で送信された識別情報を照合する(S23)。具体的には、情報管理装置40は、照合データ421が、ステップS21で入力された納入者の識別情報を含むか否かを照合する。ステップS23における照合で、照合データ421が識別情報を含む場合、情報管理装置40は、販売記録データを生成し(S24)、サービス端末60に生成した販売記録データを送信する(S25)。
【0061】
サービス端末60は、ステップS25で送信された販売記録データを出力装置に表示する(S26)。これにより、納入者は、各店舗の販売状況を確認することが可能となり、今後の納入計画に役立てることができる。また、各店舗での販売の傾向を確認することで、需要の高い飲料を把握することができ、サービスの向上を図ることができる。
【0062】
《イベントでの利用例》
例えば、このような情報管理システム1は、飲料を販売する複数の店舗が設置されるイベント会場等での利用することもできる。このようなイベント会場では、顧客Cは、複数の店舗から複数回、飲料を購入することもある。したがって、このような状況で複数の顧客Cが各自の容器30を再利用することで、使い捨ての容器の廃棄を防止することができる。また、例えば、履歴データ422を用いて、イベントに参加する全ての顧客Cの容器30の再利用の回数をカウントし、イベント会場に設置されるディスプレイ(図示せず)や、各顧客Cの顧客端末20等に表示可能とすることもできる。これにより、イベントに参加する各顧客Cは、全体での使い捨て容器の削減量を確認することも可能となり、環境への意識を高め、再利用の促進を図ることもできる。
【0063】
イベントによっては、イベント独自のアプリケーションプログラムを顧客端末20にインストールしてイベントを楽しむことができるようにする場合もある。このような場合、イベントのアプリケーションプログラムと、情報管理システム1のアプリケーションプログラムとを連動させてもよい。これにより、イベントのアプリケーションプログラムを起動するだけで、情報管理装置40にアクセスすることが可能となり、容器30に関する利用状況を確認できるようにしてもよい。
【0064】
また、そのようなイベントは、異なる時期に複数開催される。情報管理装置40において、履歴が登録されるため、顧客Cが、あるイベントにおいて購入した容器30Cを、別のイベントに持参して再利用した場合、トータルの再利用回数や、利用毎に付与されるポイントを把握することもできる。したがって、顧客Cは、イベントの度に新たな容器30を購入するのではなく、自宅へ持ち帰って再度、別のイベントに持参して繰り返し利用するインセンティブを高めることが可能となり、再利用の促進を図ることもできる。
【0065】
さらに、例えば、イベント会場において容器30を販売する場合、イベント特有の外観を持つ識別情報を付与してもよい。例えば、識別情報として二次元バーコードを用いる場合、イベントのマーク等を一部に含むようにすることができる。イベント特有の識別情報を付与することで、顧客Cは容器30に対する愛着を持たせることが可能となり、再利用の促進を図ることができる。
【0066】
《変形例:埋め込み式タグ》
上述の説明においては、容器30には、バーコード等の識別情報を視認可能に印字する方法で説明したが、これ以外の方法を用いてもよい。例えば、容器30の内部にICタグのようなタグが埋め込まれる方法や、タグが貼り付けられる方法を利用してもよい。この場合、提供者端末10Aでは、ICタグを読み取ることで、同様に実現することができる。埋め込み式タグを利用する場合、上述のように視認可能に印字した場合と比較して、識別情報の耐久性を向上させることができる。
【0067】
《変形例:顧客識別情報》
上述の説明では、履歴データ422は、容器30の識別情報により管理する例で説明した。しかしながら、顧客Cが複数の容器30を保有する場合もあり得るため、履歴データ422は、顧客Cの識別情報を関連付けてもよい。なお、この場合であっても、同一の容器30での利用回数を把握可能とするため、容器30に付与された識別情報も関連付けることが好ましい。
【0068】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0069】
本開示の全請求項に記載のプログラム更新システム、制御システム、移動体、プログラム更新方法及びプログラムは、ハードウェア資源、例えば、プロセッサ、メモリ、及びプログラムとの協働などによって、実現される。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本開示の情報管理システム、情報管理方法およびコンピュータプログラムは、容器の再利用を促進、及び、サービスの向上に有用である。
【符号の説明】
【0071】
1 情報管理システム
10A~10C 提供者端末
111 読み取り手段
112 第1送信処理手段
20 顧客端末
30 容器
31 底面部分
32 接触面
33 非接触面
40 情報管理装置
411 照合手段
412 管理手段
413 演算手段
414 第2送信処理手段
415 選択手段
421 照合データ
422 履歴データ
50 ネットワーク
60 サービス端末
C 顧客
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7