(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173806
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】水切りコップ
(51)【国際特許分類】
A47G 19/22 20060101AFI20221115BHJP
A47K 1/09 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
A47G19/22 F
A47K1/09 A
A47K1/09 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079735
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】521199395
【氏名又は名称】中田 駿也
(74)【代理人】
【識別番号】110002413
【氏名又は名称】特許業務法人ベリーベスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 駿也
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001BB03
3B001CC05
3B001DB20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単な構造で、容易に製造でき、使い勝手よく衛生的で、コップから垂れ落ちた水が自然に洗面台の槽内に流れ落ちていく水切りコップを提供する。
【解決手段】側面21と底面部22とを有し、上面が開口されているコップ本体2と、側面21の外側に固着され、側面21から離れる方向に延出して形成されている基部31と、基部31から、側面21に沿って延出して形成され、コップを載置可能に支持する支持部32と、支持部32から、側面21から離れる方向に延出して形成されている突片33とを有する支持構造3とを備え、支持構造3は、コップ本体2が支持構造3によって載置される場合に、コップ本体2から内容物が流れ落ちるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面と底面部とを有し、上面が開口されているコップ本体と、
前記側面の外側に固着され、前記側面から離れる方向に延出して形成されている基部と、
前記基部から、前記側面に沿って延出して形成され、前記コップ本体を載置可能に支持する支持部と、
前記支持部から、前記側面から離れる方向に、延出して形成されている突片と、
を有する支持構造と、
を備え、
前記支持構造は、前記コップ本体が前記支持構造によって載置される場合に、前記コップ本体から内容物が流れ落ちるように構成されていることを特徴とする、水切りコップ。
【請求項2】
側面と底面部とを有し、上面が開口されているコップ本体と、
前記側面の外側に固着されている、略コの字形状の把手と、
前記把手に対向する前記側面に固着され、前記側面から離れる方向に延出して形成されている基部と、
前記基部から、前記側面に沿って延出して形成され、前記コップを載置可能に支持する支持部と、
前記支持部から、前記側面から離れる方向に、延出して形成されている突片と、
を有する支持構造と、
を備え、
前記支持構造は、前記コップ本体が前記支持構造によって載置される場合に、前記コップ本体から内容物が流れ落ちるように構成されていることを特徴とする、水切りコップ。
【請求項3】
前記支持構造の支持部の載置面と前記突片とのなす角度が略直角であることを特徴とする、請求項1又は2記載の水切りコップ。
【請求項4】
前記コップ本体の開口されている上面の径が底面部の径より大きいことを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の水切りコップ。
【請求項5】
前記コップ本体の開口されている上面の中心が底面部の中心から前記支持構造寄りにずれていることを特徴とする、請求項1乃至4いずれかに記載の水切りコップ。
【請求項6】
前記コップ本体の底面部の背面に固着されている釣合錘を、さらに備えていることを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の水切りコップ。
【請求項7】
前記把手が、前記支持構造と同形状であることを特徴とする、請求項2記載の水切りコップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コップ開口の縁が何にも接触せず開口を斜下向きに傾けた状態で衛生的に水きりをし、垂れ落ちた水が洗面台の排水口に自然に流れていく自立式のコップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面台等で使用されているコップは、使用後、開口を上向きに置いて保管されることが多いため、コップ内に付着した水滴がコップ底面部に溜まったままになるので雑菌が繁殖する虞や、コップ内に塵埃等が不用意に入り込む虞があった。一方、コップの開口を下向きに置いて保管しても、洗面台等にコップ開口の縁が接触するので雑菌が付着する虞があり、いずれの場合も衛生的に課題があった。
【0003】
この課題を解決するものとして、コップ開口の縁が何にも接触せず開口を斜下向きに傾けた状態で衛生的に水切り可能な自立式のコップが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、既存のコップを下向きに置いて保管しても、コップ開口の縁が接触することを極力避けつつ水切りをし、垂れ落ちた水を洗面台の槽の排水口に自然に流すことが可能な水切りコップ台が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
特許文献1に記載の自立式水切りコップは、コップ本体と持ち手とで構成され、持ち手を下にしてコップを載置した際に、持ち手はコップ本体を安定して支えられる形状で、かつコップ本体の開口部が斜下向きになるように形成されている。したがって、コップを持ち替えて、持ち手を下にしてコップを載置することで、カップ本体の開口部下端から内部に付着している水が下方に垂れ落ちることになる。
【0005】
特許文献2に記載の自立倒立コップは、コップ本体と取っ手と倒立足とで構成され、倒立足は取っ手に対向する外周面に取り付けられ、取っ手を上側にしてコップを載置した際に、倒立足の形状がコップ本体の開口部が斜下向きに自立するように形成されている。したがって、取っ手を持ったままコップを載置することで、カップ本体の開口部下端から内部に付着している水が下方に垂れ落ちることになる。
【0006】
特許文献3に記載の水切りコップ台は、水切りコップ台本体と凸部と水止め外周部と支柱部とで構成され、水切りコップ台本体の裏面上方部に傾斜角を付けるための支柱部を設けることで水切りコップ台の表面が傾斜面となり、水切りコップ台の表面上にコップを載置するための平行に配置されている凸部が形成され、水切りコップ台の表面外周部に排水口を除き水止め外周部が形成されている。そして、支柱部下部に設けられている吸盤で水切りコップ台の排水口が洗面台の槽の縁内部に位置するように固定しておく。既存のコップを下向きに水切りコップ台の表面上の凸部に置くことで、コップから垂れ落ちた水が溜まることなく、自然に水切りコップ台の排水口から洗面台の槽内に流れ落ちていくことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-95257号公報
【特許文献2】特開2021-41127号公報
【特許文献3】特開2007-75559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1に記載の自立式水切りコップ及び特許文献2に記載の自立倒立コップは、いずれもカップ本体の開口部下端が洗面台の槽の縁内部に位置するように設置する機構を有していないため、カップ本体の開口部下端から垂れ落ちた水により槽周縁のドライエリアや天板等に水溜まりができたり、カップ本体が槽内に落ちてしまったりして、見栄えや衛生上好ましくない事態が生じる虞がある。
【0009】
一方、特許文献3に記載の水切りコップ台は、コップから垂れ落ちた水を確実に洗面台の槽内に流すことを可能とするが、事前に水切りコップ台を適切な位置に設置する手間が必要で、また水切りコップ台の表面に形成されている凸部にコップの開口縁が僅かではあるものの接触するため、コップの開口縁に雑菌が付着する虞が残り、衛生上好ましくない。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構造で、容易に製造でき、使い勝手よく衛生的で、コップから垂れ落ちた水が自然に洗面台の槽内に流れ落ちていく水切りコップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の水切りコップは、側面と底面部とを有し、上面が開口されているコップ本体と、前記側面の外側に固着され、前記側面から離れる方向に延出して形成されている基部と、前記基部から、前記側面に沿って延出して形成され、前記コップ本体を載置可能に支持する支持部と、前記支持部から、前記側面から離れる方向に、延出して形成されている突片とを有する支持構造とを備え、前記支持構造は、前記コップ本体が前記支持構造によって載置される場合に、前記コップ本体から内容物が流れ落ちるように構成されている。
【0012】
請求項2に記載の水切りコップは、側面と底面部とを有し、上面が開口されているコップ本体と、前記側面の外側に固着されている、略コの字形状の把手と、前記把手に対向する前記側面に固着され、前記側面から離れる方向に延出して形成されている基部と、前記基部から、前記側面に沿って延出して形成され、前記コップを載置可能に支持する支持部と、前記支持部から、前記側面から離れる方向に、延出して形成されている突片と、を有する支持構造とを備え、前記支持構造は、前記コップ本体が前記支持構造によって載置される場合に、前記コップ本体から内容物が流れ落ちるように構成されている。
【0013】
請求項3に記載の水切りコップは、前記支持構造の支持部の載置面と前記突片とのなす角度が略直角であることにより、洗面台の槽の縁内側に突片が係止され、コップ本体の開口が確実に槽の縁の内側上方に位置するように載置されるので、コップ本体の開口から垂れ落ちた水が確実に槽内部に流れ落ちていく。
【0014】
請求項4に記載の水切りコップは、前記コップ本体の開口されている上面の径が底面部の径より大きいことにより、コップ本体の側面内側の底面から開口に向けて傾く角度が径の差の半分だけ大きくなるので、コップ本体内に付着した水滴をより早く開口から槽内部に垂れ落ちさせることができる。
【0015】
請求項5に記載の水切りコップは、前記コップ本体の開口されている上面の中心が、底面部の中心から前記支持構造寄りにずれていることにより、コップ本体の側面内側の底面から開口に向けて傾く角度がずれ量に応じて大きくなるので、コップ本体内に付着した水滴をより早く開口から槽内部に垂れ落ちさせることができる。
【0016】
請求項6に記載の水切りコップは、前記コップ本体の底面部の背面に固着されている釣合錘をさらに備えていることにより、コップ本体の開口が槽の縁の内側上方に確実に位置するとともに、コップ自体が槽内部に落ち込まないように釣合錘でバランスをとることができる。
【0017】
請求項7に記載の水切りコップは、前記把手が、前記支持構造と同形状であることにより、どちらも把手としても支持構造としても使用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、側面と底面部とを有し、上面が開口されているコップ本体と、前記側面の外側に固着され、前記側面から離れる方向に延出して形成されている基部と、前記基部から、前記側面に沿って延出して形成され、前記コップを載置可能に支持する支持部と、前記支持部から、前記側面から離れる方向に、延出して形成されている突片とを有する支持構造とを備え、前記支持構造は、前記コップ本体が前記支持構造によって載置される場合に、前記コップ本体から内容物が流れ落ちるように構成されていることにより、コップ本体を掌で把持して使用した後、コップを持ち替えることなく、突片が槽の縁の内側から係止されるようにコップを載置すれば、前記側面の内側が、底面から開口に向けて斜下向きに傾いて、コップ本体内に付着した水滴を開口から槽内部に自然に垂れ落ちさせることができ、槽上面のドライエリア等に水溜りができることもない。開口が槽等に触れることもないので、使い勝手がよく、衛生的である。
【0019】
また本発明によれば、側面と底面部とを有し、上面が開口されているコップ本体と、前記側面の外側に固着されている、略コの字形状の把手と、前記把手に対向する前記側面に固着され、前記側面から離れる方向に延出して形成されている基部と、前記基部から、前記側面に沿って延出して形成され、前記コップを載置可能に支持する支持部と、前記支持部から、前記側面から離れる方向に、延出して形成されている突片とを有する支持構造とを備えることにより、把手を持ってコップを使用した後、コップを持ち替えることなく、突片が槽の縁の内側から係止されるようにコップを載置すれば、前記側面の内側が、底面から開口に向けて斜下向きに傾いて、コップ本体内に付着した水滴を開口から槽内部に自然に垂れ落ちさせることができ、槽上面のドライエリア等に水溜りができることもない。開口が槽等に触れることもないので、使い勝手がよく、衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例1に係る水切りコップの構成例及びその断面図を示す図である。
【
図2】本発明の実施例2に係る水切りコップの使用方法例を示す図である。
【
図3】本発明の実施例2に係る水切りコップの構成例及びその断面図を示す図である。
【
図4】本発明の実施例2に係る水切りコップの使用方法例を示す図である。
【
図5】本発明の実施例3に係る水切りコップの構成例及び使用方法例を示す図である。
【
図6】本発明の実施例4に係る水切りコップの構成例及び使用方法例を示す図である。
【
図7】本発明の実施例5に係る水切りコップの構成例及び使用方法例を示す図である。
【
図8】本発明の実施例6に係る水切りコップの構成例及び使用方法例を示す図である。
【
図9】本発明の実施例7に係る水切りコップの構成例及び使用方法例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
図1から
図9は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表し、基本的構成及び動作は同様であるものとする。
【実施例0022】
図1は、本発明の実施例1に係る水切りコップの構成例及びその断面図を示す図である。
図1(A)は本発明の実施例1に係る水切りコップ1の構成例で天板やドライエリアに載置された状態を示す斜視図である。
図1(B)は、
図1(A)のAA線で切断された水切りコップ1の断面図である。
図1(A)に示す水切りコップ1は、コップ本体2と支持構造3と把手4とから構成される。
【0023】
コップ本体2は、略逆円錐台形状をしており、側面21の下面に径の小さい円形状の底面部22が設けられ、側面21の上面には、径が底面部22より大きい円形状の開口23が開けられている。本実施例の場合、
図1(B)に示すように、底面部22の中心から延びる垂直線(図面では水平線)上に開口23の中心があり、側面21の内側は、底面部22から開口23に向けて、底面部22と開口23の径の差の半分に相当する、角度φ
0で広がっている(図面では斜下向きに傾いている)。
【0024】
コップ本体2は、歯磨き後の口濯ぎや口腔内の殺菌消毒のためのうがい等に用いられるため、使い易さの観点から、一般に開口直径5.5cm~10cm、高さ5.5cm~12cm、底面直径4cm~10cmのものが好ましい。
なおコップ本体2の底面部22及び開口23の形状は、円に限らず、楕円、三角、四角、多角形等でもよい。
【0025】
支持構造3は、基部31と支持部32と突片33とから構成される。
基部31は、コップ本体2の側面21の外側に固着され、側面21から離れる方向に延出して形成されている。
図1(B)に示すように、側面21と基部31とのなす角度ψは鈍角であり、本実施例の場合、基部31は、側面21の外側からやや斜上方(図面では斜右側)に突き出すように形成されている。
【0026】
支持部32は、基部31からコップ本体2の側面21に沿って延出している。
図1(B)に示すように、基部31から垂直に延出しているので、コップ本体2の側面21の傾きと逆に、基部31からコップ本体2の底面部22に向かうほど、一旦コップ本体2から離れるように形成され、その後コップ本体2の底面部22を下から支えるようコップ本体2に接続されている。
【0027】
このようにすることで、水切りコップ1を槽の縁に載置すると、コップ本体2の側面21の内側の底面部22から開口23に向けて傾く角度が、底面部22と開口23の径の差の半分に相当する角度φ0より大きくなるので、コップ本体2の内側に付着した水滴が早く垂れ落ちることになる。
【0028】
突片33は、表面を基部31と合わせ、支持部32から、コップ本体2の側面21から離れる方向に延出して形成されている。本実施例の場合、支持部32と突片33とのなす角度θは直角であり、突片33は、水切りコップ1を槽の縁に載置する際、コップ本体2の開口23が槽の内側に位置するように水切りコップ1を係止するストッパーの役割を果たす。
【0029】
本実施例の場合、
図1(A)に示すように、支持構造3は、基部31、支持部32及び突片33とも幅は等しく、その幅は底面部22の直径とほぼ等しい。支持部32の長さはコップ本体2の高さにほぼ等しい。
また突片33は、確実に槽の縁内に係止されるように、高さ1cm~3cmあればよい。
【0030】
把手4は、略コの字形状を有しており、コップ本体2の側面21の支持構造3に対向する位置の外側に固着されている。把手4は、支持構造3を下にしてコップ本体2を洗面台の槽に載置した場合、槽内に落ち込まないように重心を考慮して、やや底面部22寄りに配置されている。
把手4は、使い易さの観点から、幅1cm~1.5cm、高さ4.5cm~10cmあることが好ましい。
【0031】
水切りコップ1の素材は、価格の観点から、主に、AS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂などの熱可塑性の安価な汎用樹脂が用いられ、加工のし易さから、射出成型で一体加工されることが多い。
また素材の色は、樹脂の種類によって透明、半透明又は不透明であるが、顔料を混ぜることにより様々な色に着色することが可能である。
【0032】
次に、上述のように構成された実施例1の水切りコップ1による使用方法例について
図2を用いて説明する。
【0033】
図2は、本発明の実施例1に係る水切りコップの使用方法例を示す図である。
図2(A)は、水切りコップ1を洗面台6の槽61の縁に載置して保管している例である。
図2(A)に示すように、水切りコップ1を使用後、槽61の縁に載置して保管することで、水切りコップ1の側面の内側に付着した水滴が槽61の内側に自然に垂れ落ちて排水口612に流れる。
【0034】
図2(B)は、
図2(A)の槽の縁付近を拡大し、水切りコップ1を具体的に載置する手順を示している。
水切りコップ1の支持構造3の突片33を、槽61の内側から縁に係止させ、支持部32の下面を槽61のドライエリア611に載置させればよい。
【0035】
ドライエリア611の水平面に対して、側面21の内側の底面部22から開口23に向けて傾く角度φ
1は、側面21と基部31とのなす角度ψの影響を受け、底面部22と開口23の径の差の半分に相当する角度φ
0(
図1参照。)より大きくなっており、側面21の内側に付着している水滴をより早く垂れ落ちさせることができる。
【0036】
角度φ
1と角度ψとの具体的な関係は、
図2(B)に示す、側面21の内側を示す破線と、基部31の裏面から延長されている点線と、ドライエリア611と水平な2点鎖線とで形成される直角三角形の内角の和から、次式のように求められる。
φ
1+90°+(180°-ψ)=180° …(1)
式(1)を整理すると、式(2)が求まる。
φ
1=ψ-90°>0° …(2)
φ
1=φ
0+α …(3)
90°<ψ<180° …(4)
ここで、φ
0はコップ本体2自体の側面21の内側の傾き角度で、αはさらに傾かせたい角度である。
したがって、上式(2)乃至(4)を満たすように、水切りコップ1を設計すればよいことになる。
【0037】
例えば、コップ本体2の開口径が8cm、高さが9cm、底面径が7cmで、傾けたい角度φ1が10°の場合、φ0、ψは以下のようになる。
φ0=arctan{(8-7)/9}/2≒3.2° …(5)
ψ=φ1+90°=100° …(6)
したがって、側面21と基部31とのなす角度ψを100°にすればよい。
【0038】
水切りコップ1の開口23は、突片33が槽61の縁に係止されることによって、必ず槽61の内側上方に位置することになり、ドライエリア611に水滴が垂れ落ちて水溜りができることはない。
【0039】
このように、本発明の実施例1によれば、上記構成を採用することで、簡単な構造で、容易に製造でき、使い勝手よく衛生的で、コップから垂れ落ちた水が自然に洗面台の槽内に流れ落ちていく水切りコップを提供することができる。
このように、本発明の実施例2によれば、上記構成を採用することで、コップ本体2の底面部22から開口23に向けて斜下向きに傾く角度が、開口23の中心と底面部22の中心とのずれに相当する角度分だけ大きくなるので、コップ本体内に付着した水滴をより早く確実に垂れ落ちさせることが可能な水切りコップを提供することができる。