(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173819
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
G08G1/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079776
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大山 貢司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】宮井 智尋
(72)【発明者】
【氏名】南角 昌輝
(72)【発明者】
【氏名】細川 里美
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 裕記
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL08
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】車両と歩行者との間の距離感の把握を容易にする。
【解決手段】制御装置9は、自車両が右折する予定であると判断し、且つ、自車両の前方に歩行者が存在しないと判断した場合に、自車両が走行している走行車線を自車両の運転者から見たときの形状と位置とを示す走行車線画像と、自車両が右折する予定である旨を示す右折指示画像とをMID8に表示させる。制御装置9は、自車両が右折する予定であると判断し、且つ、自車両の前方に歩行者が存在すると判断した場合に、走行車線画像と、右折指示画像と、運転者から見た歩行者の位置を示す歩行者画像と、走行車線に対して対向する対向車線を運転者から見たときの形状と位置とを示す対向車線画像とをMID8に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された表示装置(8)を制御する表示制御装置(9)であって、
前記車両が右折する予定であるか否かを判断するように構成された右折判断部(S10~S30)と、
前記車両が左折する予定であるか否かを判断するように構成された左折判断部(S70~S90)と、
歩行者および自転車を注意対象として、前記注意対象の位置を示す注意対象位置情報を取得して、前記車両の前方に前記注意対象が存在するか否かを判断するように構成された注意対象判断部(S40,S100)と、
前記車両が右折する予定であると前記右折判断部が判断し、且つ、前記車両の前方に前記注意対象が存在しないと前記注意対象判断部が判断した場合に、前記車両が走行している走行車線を前記車両の運転者から見たときの形状と位置とを示す走行車線画像と、前記車両が右折する予定である旨を示す右折予定画像とを前記表示装置に表示させるように構成された第1右折表示部(S50)と、
前記車両が左折する予定であると前記左折判断部が判断し、且つ、前記車両の前方に前記注意対象が存在しないと前記注意対象判断部が判断した場合に、前記走行車線画像と、前記車両が左折する予定である旨を示す左折予定画像とを前記表示装置に表示させるように構成された第1左折表示部(S110)と、
前記車両が右折する予定であると前記右折判断部が判断し、且つ、前記車両の前方に前記注意対象が存在すると前記注意対象判断部が判断した場合に、前記走行車線画像と、前記右折予定画像と、前記運転者から見た前記注意対象の位置を示す注意対象画像と、前記走行車線に対して対向する対向車線を前記運転者から見たときの形状と位置とを示す対向車線画像とを前記表示装置に表示させるように構成された第2右折表示部(S60)と、
前記車両が左折する予定であると前記左折判断部が判断し、且つ、前記車両の前方に前記注意対象が存在すると前記注意対象判断部が判断した場合に、前記走行車線画像と、前記左折予定画像と、前記注意対象画像と、前記対向車線画像とを前記表示装置に表示させるように構成された第2左折表示部(S120)と
を備える表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置であって、
前記第2右折表示部および前記第2左折表示部は、前記注意対象が移動している歩道である対象歩道を前記運転者から見たときの形状と位置とを示す対象歩道画像を前記表示装置に表示させるように構成される表示制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示制御装置であって、
前記第2右折表示部および前記第2左折表示部は、前記対象歩道上における前記注意対象の位置に対応するように、前記注意対象画像を前記対象歩道画像に重畳させて前記表示装置に表示させるように構成される表示制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表示制御装置であって、
前記第2右折表示部および前記第2左折表示部は、前記注意対象が移動している場合には、前記対象歩道上における前記注意対象の位置に対応するように、前記対象歩道画像に対する前記注意対象画像の位置を変化させるように構成される表示制御装置。
【請求項5】
請求項3に記載の表示制御装置であって、
前記第2右折表示部および前記第2左折表示部は、前記注意対象が移動している場合であっても、前記対象歩道画像に対する前記注意対象画像の位置を、前記注意対象画像の表示開始時から変化させないように構成される表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載された表示装置を制御する表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、経路案内時において右左折すべき交差点に自車両が近付いた場合に右左折を案内することが記載されている。従来、交差点で右左折案内を行うために右折または左折を案内する矢印(以下、右左折案内矢印)を表示する際において交差点の付近に歩行者が存在している場合には、歩行者を模した歩行者画像を右左折案内矢印と同時に表示する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、右左折案内矢印の右側または左側に歩行者画像を表示しても、運転者が車両と歩行者との間の距離感を把握しづらいという問題があった。
本開示は、車両と歩行者との間の距離感の把握を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、車両に搭載された表示装置(8)を制御する表示制御装置(9)であって、右折判断部(S10~S30)と、左折判断部(S70~S90)と、注意対象判断部(S40,S100)と、第1右折表示部(S50)と、第1左折表示部(S110)と、第2右折表示部(S60)と、第2左折表示部(S120)とを備える。
【0006】
右折判断部は、車両が右折する予定であるか否かを判断するように構成される。左折判断部は、車両が左折する予定であるか否かを判断するように構成される。
注意対象判断部は、歩行者および自転車を注意対象として、注意対象の位置を示す注意対象位置情報を取得して、車両の前方に注意対象が存在するか否かを判断するように構成される。
【0007】
第1右折表示部は、車両が右折する予定であると右折判断部が判断し、且つ、車両の前方に注意対象が存在しないと注意対象判断部が判断した場合に、車両が走行している走行車線を車両の運転者から見たときの形状と位置と示す走行車線画像と、車両が右折する予定である旨を示す右折予定画像とを表示装置に表示させるように構成される。
【0008】
第1左折表示部は、車両が左折する予定であると左折判断部が判断し、且つ、車両の前方に注意対象が存在しないと注意対象判断部が判断した場合に、走行車線画像と、車両が左折する予定である旨を示す左折予定画像とを表示装置に表示させるように構成される。
【0009】
第2右折表示部は、車両が右折する予定であると右折判断部が判断し、且つ、車両の前方に注意対象が存在すると注意対象判断部が判断した場合に、走行車線画像と、右折予定画像と、運転者から見た注意対象の位置を示す注意対象画像と、走行車線に対して対向する対向車線を運転者から見たときの形状と位置とを示す対向車線画像とを表示装置に表示させるように構成される。
【0010】
第2左折表示部は、車両が左折する予定であると左折判断部が判断し、且つ、車両の前方に注意対象が存在すると注意対象判断部が判断した場合に、走行車線画像と、左折予定画像と、注意対象画像と、対向車線画像とを表示装置に表示させるように構成される。
【0011】
このように構成された本開示の表示制御装置は、運転者から見た注意対象の位置を示す注意対象画像を表示する際に、走行車線画像だけではなく対向車線画像も表示する。これにより、本開示の表示制御装置は、運転者に対して、対向車線の位置を考慮して注意対象の位置を認識させることができ、運転者が車両と注意対象との間の距離感を把握するのを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】情報表示システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】右左折表示処理を示すフローチャートである。
【
図4】第1右折表示画像および第2右折表示画像を示す図である。
【
図5】第1左折表示画像および第2左折表示画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本開示の実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態の情報表示システム1は、車両に搭載され、
図1に示すように、レーダ装置2、位置検出装置3、ナビゲーション装置4、ウインカーセンサ5、HUD6、CID7、MID8および制御装置9を備える。以下、情報表示システム1を搭載する車両を自車両という。
【0014】
HUDは、Head-Up Displayの略である。CIDは、Center Information Displayの略である。MIDは、Multi Information Displayの略である。
レーダ装置2は、レーダ波を車両の周囲に向けて送信し、反射したレーダ波を受信することにより、レーダ波を反射した物標までの距離Rと、物標の速度Vと、物標の方位θとを検出する。レーダ装置2は、これらの検出値(R,V,θ)から、横位置x、縦位置y、横速度Vx、縦速度Vyの推定値を算出し、これら推定値(x,y,Vx,Vy)を示す物標検出信号を制御装置9へ出力する。
【0015】
位置検出装置3は、GPS受信機と、ジャイロセンサとを備える。GPSは、Global Positioning Systemの略である。GPS受信機は、GPS衛星から送信されるGPS測位信号を受信して、受信したGPS測位信号を出力する。ジャイロセンサは、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を中心とした回転の角速度を検出する。
【0016】
ナビゲーション装置4は、道路地図データおよび各種情報を記録した地図記憶媒体から道路地図データを取得するとともに、上記のGPS受信機が受信したGPS測位信号等に基づいて車両の現在位置を検出するように構成されている。またナビゲーション装置4は、現在地から目的地までの経路を案内するための経路案内制御を実行する。
【0017】
ウインカーセンサ5は、車両の右ウインカーのオンおよびオフと、左ウインカーのオンおよびオフとを検出する。そしてウインカーセンサ5は、右ウインカーがオンであるか否かと、左ウインカーがオンであるか否かとを示すウインカー検出信号を制御装置9へ出力する。
【0018】
HUD6は、
図2に示すように、車両のウインドシールドWSの下方からウインドシールドWSのHUD表示領域HRに向けて、画像を表示するための表示光を照射する。これにより、ウインドシールドWSに虚像が投影され、運転者は、HUD表示領域HRにおいて、その虚像を車両前方の実際の風景に重ねて視認することができる。
【0019】
CID7は、センタクラスタCCの上方に設置され、表示画面に各種画像を表示する。
MID8は、運転席の前方のインストルメントパネルIPに設けられて、表示画面に車両の各種状態を表示する。
【0020】
図1に示すように、制御装置9は、CPU21、ROM22およびRAM23等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成された電子制御装置である。マイクロコンピュータの各種機能は、CPU21が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROM22が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、CPU21が実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、制御装置9を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0021】
制御装置9は、レーダ装置2、位置検出装置3、ナビゲーション装置4およびウインカーセンサ5からの入力に基づいて各種処理を実行し、HUD6、CID7およびMID8を制御する。
【0022】
次に、制御装置9のCPU21が実行する右左折表示処理の手順を説明する。右左折表示処理は、制御装置9の動作中において繰り返し実行される処理である。
右左折表示処理が実行されると、CPU21は、
図3に示すように、まずS10にて、自車両が交差点付近を走行し、且つ、右ウインカーがオンであるか否かを判断する。具体的には、CPU21は、まず、ナビゲーション装置4から、自車両の現在位置付近の道路地図データを取得することによって、自車両が交差点付近を走行しているか否かを判断する。またCPU21は、ウインカーセンサ5からウインカー検出信号を取得することによって、右ウインカーがオンであるか否かを判断する。
【0023】
ここで、自車両が交差点付近を走行し、且つ、右ウインカーがオンである場合には、CPU21は、S40に移行する。一方、自車両が交差点付近を走行していない場合、または、右ウインカーがオフである場合には、CPU21は、S20にて、ナビゲーション装置4が経路案内制御を実行中であるか否かを判断する。
【0024】
ここで、ナビゲーション装置4が経路案内制御を実行していない場合には、CPU21は、S70に移行する。一方、ナビゲーション装置4が経路案内制御を実行中である場合には、CPU21は、S30にて、ナビゲーション装置4が自車両の右折を案内しているか否かを判断する。ここで、ナビゲーション装置4が自車両の右折を案内していない場合には、CPU21は、S70に移行する。一方、ナビゲーション装置4が自車両の右折を案内している場合には、CPU21は、S40に移行する。
【0025】
S40に移行すると、CPU21は、レーダ装置2から物標検出信号を取得することによって、自車両の付近に歩行者が存在しているか否かを判断する。ここで、自車両の付近に歩行者が存在していない場合には、CPU21は、S50にて、後述する第1右折表示画像D1を表示する第1右折表示をMID8に実行させて、右左折表示処理を終了する。一方、自車両の付近に歩行者が存在している場合には、CPU21は、S60にて、後述する第2右折表示画像D2を表示する第2右折表示をMID8に実行させて、右左折表示処理を終了する。
【0026】
図4に示すように、第1右折表示画像D1は、自車両画像P1と、走行車線画像P2と、右折指示画像P3と、車速画像P4とを含む。
自車両画像P1は、運転者から見た自車両の前部の形状を簡略化して示す画像である。走行車線画像P2は、自車両が走行している車線を運転者から見た形状を簡略化して示す画像である。走行車線画像P2は、運転者から見たときの走行車線の位置を示すように、自車両画像P1の上方に配置される。
【0027】
右折指示画像P3は、自車両の前方へ向けて延びた後に自車両の右側へ曲がる右折矢印によって右折する方向を示す画像である。右折指示画像P3は、自車両が右折することを示すために、自車両画像P1の上方において走行車線画像P2に重畳して配置される。
【0028】
車速画像P4は、自車両の走行速度を数字と単位で示す画像である。
第2右折表示画像D2は、自車両画像P1と、走行車線画像P2と、右折指示画像P3と、車速画像P4と、対向車線画像P5と、歩道画像P6と、歩行者画像P7とを含む。
【0029】
対向車線画像P5は、自車両が走行している車線(すなわち、走行車線)に対して対向する対向車線を運転者から見たときの形状と位置とを簡略化して示す画像である。対向車線画像P5は、運転者から見たときの対向車線の位置を示すように、走行車線画像P2の右側に配置される。
【0030】
歩道画像P6は、レーダ装置2により検出された歩行者が歩いている歩道を運転者から見たときの形状と位置とを簡略化して示す画像である。
歩行者画像P7は、歩行者の形状を簡略化して示す画像である。CPU21は、レーダ装置2により検出された歩行者の位置に基づいて、歩行者の実際の位置を再現するように、歩道画像P6内に歩行者画像P7を配置する。したがって、歩行者が移動している場合には、時間経過に伴って、歩道画像P6内における歩行者画像P7の位置が変化する。
【0031】
図3に示すように、S70に移行すると、CPU21は、自車両が交差点付近を走行し、且つ、左ウインカーがオンであるか否かを判断する。具体的には、CPU21は、まず、ナビゲーション装置4から、自車両の現在位置付近の道路地図データを取得することによって、自車両が交差点付近を走行しているか否かを判断する。またCPU21は、ウインカーセンサ5からウインカー検出信号を取得することによって、左ウインカーがオンであるか否かを判断する。
【0032】
ここで、自車両が交差点付近を走行し、且つ、左ウインカーがオンである場合には、CPU21は、S100に移行する。一方、自車両が交差点付近を走行していない場合、または、左ウインカーがオフである場合には、CPU21は、S80にて、ナビゲーション装置4が経路案内制御を実行中であるか否かを判断する。
【0033】
ここで、ナビゲーション装置4が経路案内制御を実行していない場合には、CPU21は、右左折表示処理を終了する。一方、ナビゲーション装置4が経路案内制御を実行中である場合には、CPU21は、S90にて、ナビゲーション装置4が自車両の左折を案内しているか否かを判断する。ここで、ナビゲーション装置4が自車両の左折を案内していない場合には、CPU21は、右左折表示処理を終了する。一方、ナビゲーション装置4が自車両の左折を案内している場合には、CPU21は、S100に移行する。
【0034】
S100に移行すると、CPU21は、レーダ装置2から物標検出信号を取得することによって、自車両の付近に歩行者が存在しているか否かを判断する。ここで、自車両の付近に歩行者が存在していない場合には、CPU21は、S110にて、後述する第1左折表示画像D3を表示する第1左折表示をMID8に実行させて、右左折表示処理を終了する。一方、自車両の付近に歩行者が存在している場合には、CPU21は、S60にて、後述する第2左折表示画像D4を表示する第2左折表示をMID8に実行させて、右左折表示処理を終了する。
【0035】
図5に示すように、第1左折表示画像D3は、自車両画像P11と、走行車線画像P12と、左折指示画像P13と、車速画像P14とを含む。
自車両画像P11は、運転者から見た自車両の前部の形状を簡略化して示す画像である。走行車線画像P12は、自車両が走行している車線を運転者から見た形状を簡略化して示す画像である。走行車線画像P12は、運転者から見たときの走行車線の位置を示すように、自車両画像P11の上方に配置される。
【0036】
左折指示画像P13は、自車両の前方へ向けて延びた後に自車両の左側へ曲がる左折矢印によって左折する方向を示す画像である。左折指示画像P13は、自車両が左折することを示すために、自車両画像P1の上方において走行車線画像P2に重畳して配置される。
【0037】
車速画像P14は、自車両の走行速度を数字と単位で示す画像である。
第2左折表示画像D4は、自車両画像P11と、走行車線画像P12と、左折指示画像P13と、車速画像P14と、対向車線画像P15と、歩道画像P16と、歩行者画像P17とを含む。
【0038】
対向車線画像P15は、自車両が走行している車線(すなわち、走行車線)に対して対向する対向車線を運転者から見た形状と位置とを簡略化して示す画像である。対向車線画像P15は、運転者から見たときの対向車線の位置を示すように、走行車線画像P12の右側に配置される。
【0039】
歩道画像P16は、レーダ装置2により検出された歩行者が歩いている歩道を運転者から見たときの形状と位置とを簡略化して示す画像である。
歩行者画像P17は、歩行者の形状を簡略化して示す画像である。CPU21は、レーダ装置2により検出された歩行者の位置に基づいて、歩行者の実際の位置を再現するように、歩道画像P16内に歩行者画像P17を配置する。したがって、歩行者が移動している場合には、時間経過に伴って、歩道画像P16内における歩行者画像P17の位置が変化する。
【0040】
このように構成された制御装置9は、車両に搭載されたMID8を制御する。制御装置9は、自車両が右折する予定であるか否かを判断する。制御装置9は、自車両が左折する予定であるか否かを判断する。
【0041】
制御装置9は、歩行者の位置を示す物標検出信号を取得して、自車両の前方に歩行者が存在するか否かを判断する。
制御装置9は、自車両が右折する予定であると判断し、且つ、自車両の前方に歩行者が存在しないと判断した場合に、自車両が走行している走行車線を自車両の運転者から見たときの形状と位置とを示す走行車線画像P2と、自車両が右折する予定である旨を示す右折指示画像P3とをMID8に表示させる。
【0042】
制御装置9は、自車両が左折する予定であると判断し、且つ、自車両の前方に歩行者が存在しないと判断した場合に、走行車線画像P12と、自車両が左折する予定である旨を示す左折指示画像P13とをMID8に表示させる。
【0043】
制御装置9は、自車両が右折する予定であると判断し、且つ、自車両の前方に歩行者が存在すると判断した場合に、走行車線画像P2と、右折指示画像P3と、運転者から見た歩行者の位置を示す歩行者画像P7と、走行車線に対して対向する対向車線を運転者から見たときの形状と位置とを示す対向車線画像P5とをMID8に表示させる。
【0044】
制御装置9は、自車両が左折する予定であると判断し、且つ、自車両の前方に歩行者が存在すると判断した場合に、走行車線画像P12と、左折指示画像P13と、歩行者画像P17と、対向車線画像P15とをMID8に表示させる。
【0045】
このような制御装置9は、運転者から見た歩行者の位置を示す歩行者画像P7,P17を表示する際に、走行車線画像P2,P12だけではなく対向車線画像P5,P15も表示する。これにより、制御装置9は、運転者に対して、対向車線の位置を考慮して歩行者の位置を認識させることができ、運転者が車両と歩行者との間の距離感を把握するのを容易にすることができる。さらに制御装置9は、自車両の前方に歩行者が存在する場合に対向車線画像P5,P15を表示するため、運転者に対して、自車両の前方に歩行者が存在することを認識させ易くすることができる。
【0046】
また制御装置9は、歩行者が移動している歩道(以下、対象歩道)を運転者から見たときの形状と位置とを示す歩道画像P6,P16をMID8に表示させる。これにより、制御装置9は、運転者に対して、対向車線および対象歩道の位置を考慮して歩行者の位置を認識させることができ、運転者が車両と歩行者との間の距離感を把握するのを更に容易にすることができる。
【0047】
また制御装置9は、対象歩道上における歩行者の位置に対応するように、歩行者画像P7,P17を歩道画像P6,P16に重畳させてMID8に表示させる。これにより、制御装置9は、運転者に対して、車両と歩行者との間の距離感をより正確に把握させることができる。
【0048】
また制御装置9は、歩行者が移動している場合には、対象歩道上における歩行者の位置に対応するように、歩道画像P6,P16に対する歩行者画像P7,P17の位置を変化させる。これにより、制御装置9は、運転者に対して、現時点における車両と歩行者との間の距離感をより正確に把握させることができる。
【0049】
以上説明した実施形態において、制御装置9は表示制御装置に相当し、MID8は表示装置に相当する。
また、S10~S30は右折判断部としての処理に相当し、S70~S90は左折判断部としての処理に相当し、S40,S100は注意対象判断部としての処理に相当する。
【0050】
また、S50は第1右折表示部としての処理に相当し、S110は第1左折表示部としての処理に相当し、S60は第2右折表示部としての処理に相当し、S120は第2左折表示部としての処理に相当する。
【0051】
また、歩行者は注意対象に相当し、物標検出信号は注意対象位置情報に相当し、右折指示画像P3は右折予定画像に相当し、左折指示画像P13は左折予定画像に相当し、歩行者画像P7,P17は注意対象画像に相当し、歩道画像P6,P16は対象歩道画像に相当する。
【0052】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
[変形例1]
例えば上記実施形態では、注意対象が歩行者である形態を示したが、注意対象は歩行者に限定されるものではなく、自転車を注意対象に含めてもよい。
【0053】
[変形例2]
上記実施形態では、歩行者が移動している場合には、時間経過に伴って、歩道画像P6,P16内における歩行者画像P7,P17の位置が変化する形態を示した。しかし、歩行者が移動している場合であっても、歩道画像P6,P16に対する歩行者画像P7,P17の位置を、歩行者画像P7,P17の表示開始時から変化させないようにしてもよい。これにより、制御装置9は、制御装置9の処理負荷を低減することができる。
【0054】
[変形例3]
上記実施形態では、歩行者の存在をレーダ装置2による検出結果に基づいて判断する形態を示した。しかし、自車両に搭載されて自車両の周囲を撮影するカメラを用いて自車両の付近に歩行者が存在するか否かを判断するようにしてもよいし、周知のV2X通信によって自車両の付近に歩行者が存在するか否かを判断するようにしてもよい。V2Xは、Vehicle to Everythingの略である。
【0055】
本開示に記載の制御装置9およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御装置9およびその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御装置9およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。制御装置9に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0056】
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
【0057】
上述した制御装置9の他、当該制御装置9を構成要素とするシステム、当該制御装置9としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、表示制御方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0058】
8…MID、9…制御装置